説明

IP電話端末および伝言通知方法

【課題】着信先の電話端末や電話システムが留守応答機能に対応していない場合においても、伝言を伝達することができるIP電話端末を提供する。
【解決手段】発信をした後、相手が不応答である間に、伝言送出指示入力手段の操作を伴う発信呼の切断操作がなされたか否かを判別し、伝言送出指示入力手段が操作されたと判別されたときに、使用者の入力に基づく伝言情報を作成する。作成された伝言情報を、所定の通知データにより相手先に送信する。送信手段で、通知データを送信した後に、切断メッセージを送出する。また、相手からの発信の着信を受けた後、使用者からの着信応答操作がなく、かつ、相手からの切断メッセージを受信する前に、所定の通知データを受信したか否かを判別し、所定の通知データを受信したと判別したときに、通知データに含まれる伝言情報を記憶手段に記憶し、記憶した伝言情報は、使用者に参照可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、IP(Internet Protocol)網を通じて電話通信を行なうIP電話端末に関し、特に、相手端末に対する伝言通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットやイントラネットのようなIP網を利用して音声信号を送る技術であるVoIP(Voice over Internet Protocol)を用いて中継交換を行ない、電話通信サービスを行なうようにするIP電話が提供されている。
【0003】
このIP電話においては、発信側と受信側とはそれぞれに割り当てられたIPアドレスを用いて、電話音声をIPパケットにより伝送することにより、通話が可能となるものであり、安価な通話料で通話が可能となるため、普及が拡大している。
【0004】
そして、従来のボタン電話システムの場合と同様に、このIP電話においても、例えば、LAN(Local Area Network;ローカルエリアネットワーク)に接続した複数個のVoIP電話端末と、それら複数のVoIP電話端末についての交換中継を制御管理する回線交換中継装置としての主装置とを備えるIP電話システムも提供されている(例えば、特許文献1(特開2004−320289号公報)参照)。
【0005】
ところで、電話端末からの発信に対して、着信先の使用者が不在の場合には、当該着信に対して応答ができないが、着信先の電話端末や電話システムが留守応答機能を備えていれば、当該留守応答機能により発信の着信に対して自動応答することができる。そして、留守応答機能においては、発信元の使用者からの伝言を、録音して記録して残しておくことができ、不在であった着信先の使用者は、後で、伝言を再生して確認することができる(例えば特許文献2(特開2003−110691号公報)参照)。
【0006】
上記の特許文献は、次の通りである。
【特許文献1】特開2004−320289号公報
【特許文献2】特開2003−110691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、着信先の電話端末や電話システムが留守応答機能に対応していない場合や、留守応答機能に対応していても、留守設定になっていない場合には、着信先に伝言を残せないという問題がある。
【0008】
このような場合、発信元の使用者は、折り返し連絡が欲しい場合に非常に不便を感じ、また、相手方に対して連絡がつかないことによるストレスを感じる。
【0009】
以上のことにかんがみ、この発明は、着信先の電話端末や電話システムが留守応答機能に対応していない場合においても、伝言を伝達することができるIP電話端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、
伝言送出指示入力手段と、
使用者により指定された相手先に発信を行う発信手段と、
前記発信手段で発信をした後、相手が不応答である間に、前記伝言送出指示入力手段の操作を伴う発信呼の切断操作がなされたか否かを判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段で、前記伝言送出指示入力手段が操作されたと判別されたときに、使用者の入力に基づく伝言情報を作成する作成手段と、
前記作成された伝言情報を、所定の通知データにより前記相手先に送信する送信手段と、
前記送信手段で、前記通知データを送信した後に、切断メッセージを送出する手段と、
相手からの発信の着信を受けた後、使用者からの着信応答操作がなく、かつ、前記相手からの前記切断メッセージを受信する前に、前記所定の通知データを受信したか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段で、前記所定の通知データを受信したと判別したときに、前記通知データに含まれる前記伝言情報を記憶する記憶手段と、
前記伝言情報を使用者に報知するための報知手段と、
を備えるIP電話端末を提供する。
【0011】
また、請求項2の発明は、
伝言送出指示入力手段と、
使用者により指定された相手先に発信を行う発信手段と、
前記発信手段で発信をした後、相手が不応答である間に、前記使用者により発信呼の切断操作がなされたことを検出する検出手段と、
前記検出手段で、前記発信呼の切断操作がなされたことが検出されたときに、前記相手先への発信を行う前に、前記伝言送出指示入力手段が使用者により操作されたか否かを判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段で、前記伝言送出指示入力手段が操作されたと判別されたときに、使用者の入力に基づく伝言情報を作成する作成手段と、
前記作成された伝言情報を、所定の通知データにより前記相手先に送信する送信手段と、
前記送信手段で、前記通知データを送信した後に、切断メッセージを送出する手段と、
相手からの発信の着信を受けた後、使用者からの着信応答操作がなく、かつ、前記相手からの前記切断メッセージを受信する前に、前記所定の通知データを受信したか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段で、前記所定の通知データを受信したと判別したときに、前記通知データに含まれる前記伝言情報を記憶する記憶手段と、
前記伝言情報を使用者に報知するための報知手段と、
を備えるIP電話端末を提供する。
【0012】
上述の構成の請求項1においては、使用者は、発信の相手先が不応答のときには、伝言送出指示入力手段を操作して、発信呼の切断をする。すると、この発明のIP電話端末は、第1の判別手段で、発信手段で発信された後、相手が不応答である間に、伝言送出指示入力手段が操作されたと判別して、作成手段が、使用者の入力に基づいて伝言情報を作成する。ここで、伝言情報の作成の基となる使用者の入力は、伝言送出指示入力手段の操作の後であっても、発信手段による相手先への発信前のいずれでも良い。
【0013】
そして、作成手段により作成された伝言情報は、所定の通知データにより不応答の相手先に送信される。その後、切断メッセージが発信元から相手先に送られて発信呼は、切断される。
【0014】
相手先のIP電話端末は、伝言情報が含まれた通知データから、伝言情報を抽出して、記憶部に記憶する。そして、伝言情報は、相手先のIP電話端末の表示手段に表示されるなどして、使用者の報知される。
【0015】
また、請求項2の発明の構成においては、相手先が不応答の場合に、伝言を伝達したい場合には、使用者は、相手先への発信に先立ち、伝言送出指示入力手段を操作する。このとき、使用者は、必要に応じて、伝達したい伝送情報についての入力操作をしておく。
【0016】
そして、相手先の発信を行い、相手先が不応答のため、使用者により発信呼についての切断操作がなされると、IP電話端末は、第1の判別手段で、相手先への発信を行う前に、伝言送出指示入力手段が使用者により操作されたことを判別する。この判別結果にしたがって、作成手段は、伝言情報を作成する。作成手段により作成された伝言情報は、所定の通知データにより不応答の相手先に送信される。その後、切断メッセージが発信元から相手先に送られて発信呼は、切断される。
【0017】
相手先のIP電話端末は、伝言情報が含まれた通知データから、伝言情報を抽出して、記憶部に記憶する。そして、伝言情報は、相手先のIP電話端末の表示手段に表示されるなどして、使用者の報知される。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、発信に対して不応答の相手先に切断メッセージが相手先に送られる前に、伝言情報が含めれた通知データが相手先に送られる。そして、相手先では、この伝言情報が記憶部に記憶され、適宜のタイミングで読み出されて、報知手段により報知される。したがって、相手先の電話端末や電話システムに留守応答機能が備えられていないときにも、相手先に伝言を伝えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明によるIP電話端末および伝言通知方法の実施形態を、図を参照しながら説明する。
【0020】
図2は、この発明によるIP電話端末の実施形態を含む電話通信システムの一例の全体構成の概要を説明するためのブロック図である。
【0021】
図2に示すように、この実施形態のIP電話端末1AおよびIP電話端末1Bは、IP交換網2に接続されて、互いに電話通信が可能とされる。また、IP交換網2には、IP電話システム10も接続されている。
【0022】
IP電話システム10は、従来の電話網におけるボタン電話システムに対応するものであり、IP交換網2に接続される回線交換中継装置の例としての主装置11と、この主装置11に接続される内線端末としての複数個のIP電話端末21,22,・・・,2nとからなる。
【0023】
主装置11は、IP電話システム10のIP電話端末21,22,・・・,2nからの発呼や、IP電話端末1A,1Bや他のIP電話システムからの着呼などの呼制御、および着呼時の複数個のIP電話端末21,22,・・・,2nに対する一斉呼び出し制御などを行うもので、前記制御を含む種々の制御をソフトウエア処理として実行するためのマイクロコンピュータを搭載して構成されている。
【0024】
複数個のIP電話端末21,22,・・・,2nは、LANにより互いに接続されており、当該LANが主装置11に接続されている。主装置11は、LANに接続されているIP電話端末21,22,・・・,2nのそれぞれのLAN上のアドレス(IPアドレス)を記憶して管理している。
【0025】
IP電話端末21,22,・・・,2nのそれぞれは、主装置11による呼制御を受けた状態で、IP交換網2を通じたIP電話通信を行なう。IP電話端末21,22,・・・,2nのそれぞれは、主装置11とのやり取りを行う部分を除けば、基本的には、IP電話端末1Aおよび1Bと同様の構成を備える。IP電話端末21,22,・・・,2nのそれぞれも、この発明のIP電話端末の実施形態である。
【0026】
[IP電話端末のハードウエア構成例]
図3に、この実施の形態のIP電話端末のハードウエア構成例を示す。IP電話端末1Aおよび1Bとは、同じハードウエア構成を備えるので、図3では、IP電話端末1Aの場合として説明する。
【0027】
この実施の形態のIP電話端末1Aは、図3に示すように、IP電話端末本体TEと、ハンドセットHSとからなる。ハンドセットHSは、図示を省略したが、送話器を構成するマイクロホンと、送話アンプと、受話器を構成するスピーカと、受話アンプとを備えている。
【0028】
IP電話端末本体TEは、マイクロコンピュータにより構成されており、CPU101に対して、システムバス100を介して、ROM102と、RAM103と、ディスプレイコントローラ104と、LEDドライブ部105と、操作入力インターフェース(図ではインターフェースはI/Fと記載する。以下同じ)106と、通信インターフェース107と、パケット処理部108と、音声データ入出力インターフェース109と、電話帳メモリ110と、履歴情報記憶部111と、伝言リスト記憶部112と、伝言作成部113とが接続されている。
【0029】
ROM102には、IP電話端末としての発信時や着信時の処理シーケンス、伝言付きの切断時の処理シーケンスを実行するプログラム、伝言情報を含む通知データを受信したときに、伝言情報を抽出して履歴情報として記憶したり、伝言情報からその表示情報を生成してディスプレイ114に表示する処理を実行するためのプログラムなどが記憶されている。
【0030】
RAM103は、主としてROM102のプログラムがCPU101によって実行される際にワークエリアとして使用される。
【0031】
ディスプレイコントローラ104には、ディスプレイ114が接続されており、このディスプレイ114の表示画面には、CPU101の制御にしたがった表示が行われる。
【0032】
また、操作入力インターフェース106には、テンキー、回線ボタンキー、カーソルキー、伝言送出指示キー、伝言キー、その他の操作キーやフックスイッチなどを含む操作入力部116が接続されている。伝言送出指示キーは、発信に対して相手不応答のときに、伝言付きで発信呼を切断するときに操作されるキーである。伝言キーは、受信した伝言情報を読み出して参照するためのキーである。
【0033】
CPU101は、操作入力インターフェース106を介して操作入力部116を通じて使用者がいずれの入力キーを操作したかを認識し、その認識結果に基づいて、キー入力操作に応じた処理をROM102のプログラムに従って実行する。
【0034】
LEDドライブ部105には、伝言キー、回線キーやその他のボタンキー、フックスイッチの状態などに関連した表示を行うための複数個のLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)からなるLED群115が接続されている。各LEDは、この実施形態ではキーの内部に納められて、例えばキー全体あるいはキーの一部が透明とされて、LEDの発光状態がキーを通して使用者に判るように構成されている。
【0035】
通信インターフェース107は、IP交換網2に接続するためのもので、この通信インターフェースを通じて送られてくるパケット化データを取り込み、また、IP交換網2にパケット化データを送出するための機能を備える。
【0036】
パケット処理部108は、通信インターフェース107により取り込んだパケット化データを分解して、制御データや音声データを得る機能と、送信する制御データや音声データをパケット化して送出するパケット化データを生成する機能を有する。このパケット処理部108は、パケット化データを分解したり、生成したりするためのバッファメモリを備える。
【0037】
なお、このパケット処理部108のパケット分解処理機能や生成処理機能は、CPU101が、ROM102に記憶されているプログラムに従って、RAM103をワークエリアとして用いて実行するソフトウエア処理として実現することもできる。
【0038】
音声データ入出力インターフェース109は、パケット分解されて得られた音声データをアナログ音声信号に変換してハンドセットHSに供給し、また、ハンドセットHSから入力されるアナログ音声信号をデジタル信号に変換して取り込む機能を備える。
【0039】
電話帳メモリ110には、この実施形態では、相手先の電話番号と、相手名称などが登録されて記憶保持される。図4に、この電話帳メモリ110に記憶されている電話帳データの例を示す。図4に示すように、この例では、相手先については、リスト番号が付されており、電話帳リストの一覧をディスプレイ114に読み出した状態において、使用者がリスト番号を入力すると、当該リスト番号の相手先が選択されるものである。
【0040】
なお、この実施形態では、電話帳メモリ110には、自端末の使用者の名称(自名称)が登録入力されて記憶されている。
【0041】
履歴情報記憶部111は、この実施形態では、着信時に、相手先から送られてくる伝言情報と、相手先の相手先情報(発信元電話番号)とを、履歴情報として保存する。この場合に、伝言情報と相手先の相手先情報とは、着信のそれぞれについて、対応付けられて保存される。
【0042】
伝言リスト記憶部112は、発信の相手先が不応答であるときに、相手先に伝える伝言を予めリストとして記憶保存している。この伝言リストは、予め、工場出荷時にIP電話端末に記憶されているものの他、使用者が適宜入力して作成した伝言メッセージを追加することができるように構成されている。
【0043】
図5に、この伝言リスト記憶部112に記憶されている伝言リストの例を示す。図4に示すように、この例では、各伝言には、リスト番号が付されており、伝言リストの一覧をディスプレイ114に読み出した状態において、使用者がリスト番号を入力すると、当該リスト番号の伝言メッセージが選択されるものである。
【0044】
この実施形態では、伝言リストの各伝言には、相手からの返信を要求するかどうかの返信要求有無情報が付加されている。そして、相手からの返信を要求する伝言である場合には、伝言リストには、図5に示すように、リスト番号の次に、[返]マークが付加表示されている。
【0045】
なお、使用者が後から入力して作成した伝言メッセージにも、作成時に、相手からの返信を要求するかどうかの入力がなされ、その入力に応じた返信要求有無情報が付加されている。
【0046】
伝言情報作成部113は、伝言リスト記憶部112に記憶されている伝言リストから選択された伝言と、相手先情報と、自発信元情報とから、送信する伝言情報を生成する。この伝言情報の作成処理については、後で詳述する。
【0047】
なお、この伝言情報作成部113における伝言作成処理機能は、CPU101が、ROM102に記憶されているプログラムに従って、RAM103をワークエリアとして用いて実行するソフトウエア処理として実現することもできる。
【0048】
そして、この実施形態では、伝言情報作成部113は、作成した伝言情報を、所定の制御メッセージの通知データのパケットに含めるようにする。例えば、VoIP電話通信において代表的なSIP(Session Initiation Protocol)の場合であれば、この通知データのパケットとしては、INFOメッセージのパケットを用いるようにする。この実施形態の場合、伝言情報は、テキストデータとして、INFOメッセージのパケットに含められて、相手先に送られる。
【0049】
なお、IP電話端末21,22,・・・,2nの場合には、通信インターフェース107に代えて、LANインターフェースが設けられると共に、主装置11を介してIP交換網と、電話通信のためのパケットデータのやり取りするためのソフトウエアプログラムがROM102に記憶される。その他の構成、特に、伝言情報に関する構成に関しては、上述のIP電話端末1Aの場合と同様である。
【0050】
[発信に対する相手不応答の場合の伝言通知方法の第1の例の説明]
図1は、この実施形態のIP電話端末1AからIP電話端末1Bに対して発信を行ったが、IP電話端末1Bが不応答であった場合に、伝言をIP電話端末1AからIP電話端末1Bに送るようにしたときのシーケンスの例を示す図である。
【0051】
すなわち、図1の例においては、先ず、使用者は、相手先をIP電話端末1Bとした発信操作をする。すると、この発信操作に応じて、IP電話端末1Aは、発信メッセージ(INVITE)をIP交換網2を通じてIP電話端末1Bに送る。
【0052】
この発信の着信に対して、IP電話端末1Bでは不応答である。この実施形態では、この相手IP電話端末1Bが不応答である間に、IP電話端末1Aの使用者は、伝言送出指示キーを押下すると共に、オンフック操作をして、発信呼を伝言付きで切断する操作(伝言付き切断操作という)をする。すなわち、オンフック操作により発信呼を切断する前に、伝言送出指示キーを押下する操作をして、伝言付き切断操作をする。
【0053】
なお、オンフック操作前の伝言送出指示キーの押下操作のみを、伝言付き切断操作とするようにしても良い。その場合には、オンフック操作は、切断処理とは無関係とすることができる。
【0054】
こうして、伝言付き切断操作がなされると、IP電話端末1Aでは、伝言作成処理がなされる。この伝言作成処理は、後で詳述するが、この例では、伝言リストを表示して、ユーザに、送出する伝言のリスト番号を選択させるようにする。そして、IP電話端末1Aは、選択されたリスト番号の伝言メッセージに、相手先情報と自発信元情報と、返信要求有無情報に基づく返信要求有無フラグとを付加して、伝言情報のテキスト情報を生成する。そして、生成した伝言情報を、INFOメッセージのパケットに含めるようにする。
【0055】
こうして伝言情報の作成が終了すると、IP電話端末1Aは、作成した伝言情報を含むINFOメッセージのパケットをIP交換網2を通じて相手先であるIP電話端末1Bに送信する。続いて、IP電話端末1Aは、切断メッセージ(BYE)を、相手先であるIP電話端末1Bに送信する。
【0056】
INFOメッセージを受け取ったIP電話端末1Bは、伝言情報が送られてきたと判断して、このINFOメッセージから伝言情報を抽出し、履歴情報として履歴情報記憶部111に記憶する。
【0057】
また、この実施形態では、IP電話端末1Bは、伝言情報に含まれる返信要求有無フラグを参照して、受信した伝言情報が返信を要求しているかどうかを判断し、その判断結果に応じて、伝言キーに内蔵されているLEDを駆動制御する。この実施形態では、返信を要求している場合には、伝言キーに内蔵されているLEDを点滅表示し、返信を要求していない場合には、伝言キーに内蔵されているLEDを点灯表示する。
【0058】
したがって、IP電話端末1Bの使用者は、伝言キーのLEDの点滅、点灯により、不在着信についての伝言が履歴情報記憶部111に記憶されていることを知り、かつ、点滅と、点灯の表示の仕方の違いにより、返信が必要であるかを否かを判断することができる。
【0059】
なお、IP電話端末1Bの使用者が不在の間に、複数の着信があって、複数の伝言があったときに、その複数の伝言の1つでも、返信を要求している場合には、伝言キーに内蔵されているLEDを点滅表示するようにする。
【0060】
IP電話端末1Bの使用者が、内蔵LEDが点滅、あるいは点灯している伝言キーを押下すると、蓄積されていた伝言が履歴情報記憶部111から読み出されてディスプレイ114の表示画面に表示される。この場合、ディスプレイには、伝言は、例えば、1件ずつ、新しいものから順次表示される。そして、この実施形態のIP電話端末では、使用者がディスプレイで伝言を見ているとき、発信操作をすると、当該伝言に含まれる発信元の相手先情報が着信履歴として記憶されているので、そのまま発信元の相手に対して返信することができるように構成されている。
【0061】
なお、伝言に含まれる発信元の相手が電話帳に記憶されている相手であれば、着信履歴を用いずに、電話帳から発信元の相手の電話番号を読み出して返信の発信をするようにしても良い。
【0062】
[第1の例の場合のIP電話端末での発信時の処理動作]
図6は、上述の図1のシーケンス例の場合におけるIP電話端末1Aでの発信時の処理動作例を示すフローチャートである。この図6の各ステップの処理動作は、図3に示したCPU101が、ROM102に記憶されているプログラムにしたがって、RAM103をワークエリアとして使用して実行されるものである。
【0063】
CPU101は、先ず、ハンドセットがオフフックされたか否か判別し(ステップS101)、オフフックされていないと判別したときには、その他の処理を実行する(ステップS102)。
【0064】
ステップS101で、オフフックされたと判別したときには、CPU101は、使用者による電話帳からの相手先選択またはテンキーを通じた直接的な電話番号などによる相手先の入力を受け付けた否か判別する(ステップS103)。
【0065】
ステップS103で、相手先の入力を受け付けていないと判別したときには、オンフックされたか否か判別し(ステップS104)、オンフックされたと判別したときには、ステップS101に戻る。また、ステップS104で、オンフックされていないと判別したときには、ステップS103に戻る。
【0066】
ステップS103で、相手先の入力を受け付けたと判別したときには、CPU101は、入力された相手先に対して発信処理をする(ステップS105)。そして、相手先の着信応答を監視し(ステップS106)、着信応答があれば、相手との通話路を生成して(ステップS107)、通話処理ルーチンに移行する。
【0067】
ステップS106で、相手先の着信応答がないと判別したときには、CPU101は、伝言付き切断操作がなされたか否か判別し(ステップS108)、伝言付き切断操作がなされていないと判別したときには、伝言送出指示キーが操作されることなく、オンフック操作されることによる通常切断操作がなされたか否か判別する(ステップS109)。
【0068】
ステップS109で、通常切断操作もされていないと判別したときには、CPU101は、ステップS106に戻る。また、ステップS109で、通常切断操作がなされたと判別したときには、CPU101は、通常の切断処理を行なって、発信呼を放棄する(ステップS114)。そして、この処理ルーチンを終了する。
【0069】
ステップS108で、伝言付き切断操作がなされたと判別したときには、CPU101は、伝言情報を作成する処理を実行する(ステップS110)。この伝言情報の作成処理については後述する。
【0070】
次に、CPU101は、伝言情報の作成処理が終了して伝言情報の送信がOKであるかを確認する(ステップS111)。このステップS111の処理は、例えば、後述する伝言情報の作成処理ルーチンにおいて、伝言情報についての必要な使用者の操作入力があり、かつ、伝言情報の作成完了を確認する処理である。
【0071】
ステップS111で、伝言情報の送信がOKではないと判別したときには、CPU101は、例えば伝言送出指示キーが再度押下されたなどの中止操作が使用者によりなされたか否か判別し(ステップS112)、中止操作が使用者によりなされていないと判別したときには、ステップS110に戻り、中止操作が使用者によりなされたと判別したときには、ステップS114に進んで、切断処理を行なって、発信呼を放棄する。そして、この処理ルーチンを終了する。
【0072】
ステップS111で、伝言情報の送信がOKであると判別したときには、CPU101は、ステップS110で作成された伝言情報をINFOメッセージのパケットに含めて、相手先に送出する(ステップS113)。そして、ステップS114に進み、切断処理を行なって、発信呼を放棄する。そして、この処理ルーチンを終了する。
【0073】
なお、ステップS111からステップS112の伝言情報の送信の確認処理はなくても良い。
【0074】
[伝言情報作成処理]
上述のステップS110における伝言情報の作成処理ルーチンの例を、図7のフローチャートに示す。この図7の各ステップの処理動作は、図3に示した伝言情報作成部113が行なうものであるが、ここでは、CPU101が、ROM102に記憶されているプログラムにしたがって、RAM103をワークエリアとして使用して実行されるものとして説明する。
【0075】
CPU101は、ステップS108において、伝言送出指示キーが使用者に操作されたことを検出すると、図7の処理ルーチンをスタートから開始する。そして、CPU101は、先ず、伝言リスト記憶部112から伝言リストを読み出して、ディスプレイ114の表示画面に表示し、使用者に、送信する伝言番号の入力を促す(ステップS121)。
【0076】
次に、CPU101は、使用者からの伝言番号の入力を待ち(ステップS122)、このステップS122で、伝言番号の入力を受け付けたと判別したときには、ステップS103で受け付けられた相手先は、電話帳メモリ110に記憶されているか否か判別する(ステップS123)。
【0077】
このステップS123で、相手先が電話帳メモリ110に記憶されていると判別したときには、CPU101は、電話帳メモリ110から、相手先の名称(相手名称)を取得する(ステップS124)。
【0078】
また、ステップS123で、相手先が電話帳メモリ110に記憶されていないと判別したときには、CPU101は、相手名称の入力を促すメッセージをディスプレイ114の表示画面に表示する(ステップS125)。そして、CPU101は、使用者からの相手名称の入力を待ち(ステップS126)、相手名称の入力の受け付けを完了したと判別したときには、当該相手名称を一時保持する(ステップS127)。
【0079】
なお、このとき、相手名称が不要であるときには、その旨の入力を受け付けるようにしても良い。その場合には、伝言情報の相手名称の部分は、空欄となる。
【0080】
そして、ステップS124またはステップS127の次には、ステップS128に進み、ステップS122で選択された伝言番号の伝言に含まれる返信要求有無情報を判別して、伝言情報に付加する返信要求有無フラグを生成する。ここで、返信要求有無フラグは、特定の記号、例えば返信要求有りの場合には、[Y]、返信要求なしの場合には、[N]を用いるようにすることができる。
【0081】
次に、CPU101は、ステップS122で選択された伝言番号の伝言と、ステップS124またはステップS127で取得された相手名称と、ステップS128で取得された返信要求有無フラグと、電話帳メモリ110に保持されている自名称とを用いて、伝言情報を作成する(ステップS129)。
【0082】
すなわち、ステップS129では、先ず、テキスト情報とからなる伝言の先頭に、返信要求有無フラグを付加する。次に、返信要求有無フラグの後に、ステップS124またはステップS127で取得された相手名称を付加する。次に、相手名称の後に、選択された伝言番号の伝言メッセージを付加する。最後に、自名称を付加する。したがって、作成された伝言情報は、例えば、相手名称が「阿部」、選択された伝言番号が「1」、自名称が「田中」である場合には、「[Y]阿部様 折り返し連絡ください 田中」となる。
【0083】
以上で、伝言作成の処理ルーチンが終了し、図6のステップS111では、伝言送信OKの状態となる。
【0084】
なお、以上の例では、伝言情報には自名称を付加するようにしたが、この自名称に加えて自端末の電話番号を付加、あるいは、自名称に代えて自端末の電話番号を付加するようにしても良い。
【0085】
[着信側での伝言情報の取得時の処理]
図8に、相手先としてのIP電話端末1Bにおける伝言情報の取得時の処理動作例のフローチャートを示す。この図8の各ステップの処理動作は、この例では、IP電話端末1BのCPU101が、ROM102に記憶されているプログラムにしたがって、RAM103をワークエリアとして使用して実行されるものである。
【0086】
CPU101は、着信を監視し(ステップS201)、着信を検出しないときには、その他の処理を実行する(ステップS202)。ステップS201で、着信を検出したと判別したときには、CPU101は、着信鳴動を行なって、使用者に着信を報知し(ステップS203)、使用者による着信応答操作を監視する(ステップS204)。
【0087】
ステップS204で、着信応答操作があったと判別したときには、CPU101は、着信応答処理ルーチンに移行する(ステップS205)。また、ステップS204で、着信応答操作がないと判別したときには、CPU101は、INFOメッセージのパケットを受信したか否か判別する(ステップS206)。
【0088】
ステップS206で、INFOメッセージのパケットを受信してはいないと判別したときには、CPU101は、着信呼が相手により切断されたか否か判別し(ステップS207)、切断されていないと判別したときには、ステップS204に戻り、切断されたと判別したときには、着信呼の切断処理をして(ステップS208)、この処理ルーチンを終了する。
【0089】
ステップS206で、INFOメッセージのパケットを受信したと判別したときには、CPU101は、受信したINFOメッセージのパケットから伝言情報を抽出し、履歴情報として履歴情報記憶部111に記憶する(ステップS209)。
【0090】
そして、発信元からの切断メッセージの受信を待ち(ステップS210)、切断メッセージを受信したと判別したときには、着信呼の切断処理を実行する(ステップS211)。続いて、CPU101は、伝言情報に含まれている返信要求有無フラグを参照して、返信要求があるか否か判別する(ステップS212)。
【0091】
ステップS212で、返信要求があると判別したときには、CPU101は、伝言キーに内蔵するLEDを点滅表示の状態に制御する(ステップS213)。また、ステップS212で、返信要求はないと判別したときには、CPU101は、伝言キーに内蔵するLEDは点灯状態に制御する(ステップS214)。そして、ステップS213またはステップS214の後、この処理ルーチンを終了する。
【0092】
[伝言情報の読み出し]
前述したように、この実施形態のIP電話端末では、伝言キーを押すことで、履歴情報記憶部111に記憶されている伝言情報を読み出して、ディスプレイ114の表示画面に表示させることができる。
【0093】
図9は、この実施形態のIP電話端末において、伝言キーが使用者により押下されたときの処理動作例を示すフローチャートである。この図9の各ステップの処理動作も、IP電話端末のCPU101が、ROM102に記憶されているプログラムにしたがって、RAM103をワークエリアとして使用して実行されるものである。
【0094】
CPU101は、伝言キーが押下されたか否か監視し(ステップS221)、伝言キーが押下されていないときには、その他の処理を実行する(ステップS222)。ステップS221で、伝言キーが押下されたと判別したときには、CPU101は、伝言キーのLED表示状態は、どの様になっているかを判別する(ステップS223)。
【0095】
ステップS223で、伝言キーのLED表示状態が、点滅状態であると判別したときには、CPU101は、履歴情報記憶部111から、新たに受信した伝言情報のうちの返信要求有無フラグが返信要求有りを示している伝言情報のみを読み出して、ディスプレイ114の表示画面にリスト表示し、伝言キーのLEDの点滅表示を停止する(ステップS224)。
【0096】
また、ステップS223で、伝言キーのLED表示状態が、点灯状態であると判別したときには、返信要求の有無に関係なく新たに受信した伝言情報のすべてを読み出して、ディスプレイ114の表示画面にリスト表示し、伝言キーのLEDの点灯表示を停止する(ステップS225)。
【0097】
また、ステップS223で、伝言キーのLED表示状態が、消灯状態であると判別したときには、履歴情報記憶部226に記憶されている全ての伝言情報を読み出して、ディスプレイ114の表示画面にリスト表示する(ステップS226)。
【0098】
なお、ステップS224,225および226において、伝言情報は、一覧表示するのではなく、カーソルキーの上下操作に応じて、1個ずつ順次に、表示するようにしても良い。
【0099】
ステップS224,225または226の次には、CPU101は、ディスプレイ114に表示された伝言情報の中から、使用者により選択された伝言情報の発信元を相手先とした発信指示がなされたか否か判別する(ステップS227)。
【0100】
次に、CPU101は、ステップS227で、発信指示がなされていないと判別したときには、伝言情報がリスト表示されてから一定時間経過したか否か判別し(ステップS228)、一定時間経過していないと判別したときには、ステップS227に戻り、一定時間経過したと判別したときには、この処理ルーチンを終了する。
【0101】
そして、ステップS227で、使用者により選択された伝言情報の発信元を相手先とした発信指示がなされたと判別したときには、CPU101は、着信履歴の発信元電話番号を抽出し、発信を行う(ステップS229)。なお、伝言情報の発信元を示す自名称により電話帳メモリを参照して、発信元の電話番号を取得し、発信元を相手先とした発信を行うこともできる。
【0102】
次に、CPU101は、発信に対する相手先応答を待ち(ステップS230)、相手先が応答したと判別したときには、通話路を生成して通話を行い(ステップS231)、終話を待って(ステップS232)、呼切断処理を行い(ステップS234)、この処理ルーチンを終了する。
【0103】
また、ステップS230で、相手先が応答しないと判別したときには、呼切断操作がなされたか否か判別し(ステップS233)、呼切断操作がなされていないと判別したときには、ステップS230に戻り、呼切断操作がなされたと判別したときには、呼切断処理を行い(ステップS234)、この処理ルーチンを終了する。
【0104】
なお、上述の第1の例においては、伝言送出指示キーを操作した後に、伝言選択をするようにしたが、予め、発信操作を行なう前に、伝言リストから送信する伝言メッセージを選択しておくようにしてもよい。その場合には、予め選択された伝言メッセージを、例えば送信伝言バッファに記憶しておく。そして、上述の第1の例において、伝言付き切断操作がなされたときには、当該送信伝言バッファに記憶されている伝言メッセージに、返信要求有無フラグ、相手名称、自名称を付加することで、自動的に伝言情報が生成される。
【0105】
したがって、使用者は、伝言送出指示キーを操作するだけで、伝言リストからの伝言メッセージの選択操作は不要となり、操作が簡単になる。
【0106】
[発信に対する相手不応答の場合の伝言通知方法の第2の例の説明]
上述した伝言通知方法の第1の例においては、伝言送出指示キーは、相手先に発信した後、相手が不応答であるときに使用者が押下操作するようにした。これに対して、以下に説明する伝言通知方法の第2の例は、発信時に、発信(INVITE)メッセージを送出する前に、伝言送出指示キーを使用者が押下して、送る伝言メッセージを決めておき、その後、相手先を指定して、実際の発信動作をするようにする。
【0107】
図10は、この第2の場合のシーケンス例を示す図である。この例も、IP電話端末1AからIP電話端末1Bに対して発信を行ったが、IP電話端末1Bが不応答であった場合に、伝言をIP電話端末1AからIP電話端末1Bに送るようにした場合である。
【0108】
すなわち、この例においては、先ず、IP電話端末1Aの使用者は、ハンドセットを取り上げてオフフックした後、伝言送出指示キーを押下する。すると、IP電話端末1Aは、前述の第1の例における伝言送出指示キーの操作時と同様に、伝言リストをディスプレイ114に表示して、使用者に、その中から、送る伝言の番号を選択入力するように促し、その選択入力を受け付けて一時保持する。
【0109】
その後、IP電話端末1Aは、使用者からの相手先の入力を受け付けて、発信メッセージ(INVITE)をIP交換網2を通じてIP電話端末1Bに送る。
【0110】
この発信の着信に対して、IP電話端末1Bでは不応答である。この実施形態では、この相手IP電話端末1Bが不応答である間に、IP電話端末1Aの使用者は、呼放棄の切断操作(オンフック)をする。
【0111】
こうして、呼切断操作がなされると、IP電話端末1Aでは、前述の第1の実施形態における図6のステップS110の処理である伝言作成処理がなされる。そして、IP電話端末1Aは、作成した伝言情報を含むINFOメッセージのパケットをIP交換網2を通じて相手先であるIP電話端末1Bに送信する。続いて、IP電話端末1Aは、切断メッセージ(BYE)を、相手先であるIP電話端末1Bに送信する。
【0112】
INFOメッセージを受け取ったIP電話端末1Bの処理動作は、この第2の例の場合も、第1の例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0113】
[第2の例の場合のIP電話端末での発信時の処理動作]
図11および図12は、上述の図10のシーケンス例の場合におけるIP電話端末1Aでの発信時の処理動作例を示すフローチャートである。この図11および図12の各ステップの処理動作も、図3に示したCPU101が、ROM102に記憶されているプログラムにしたがって、RAM103をワークエリアとして使用して実行されるものである。
【0114】
CPU101は、先ず、ハンドセットがオフフックされたか否か判別し(ステップS131)、オフフックされていないと判別したときには、その他の処理を実行する(ステップS132)。
【0115】
ステップS131で、オフフックされたと判別したときには、CPU101は、伝言送出指示キーが押下されたか否か判別する(ステップS133)。ステップS133で、伝言送出指示キーが押下されていないと判別したときには、CPU101は、オンフック操作されたか否か判別し(ステップS134)、オンフック操作されたと判別したときには、ステップS131に戻る。
【0116】
ステップS134で、オンフックされていないと判別したときには、CPU101は、相手先の入力を受け付けた否か判別し(ステップS135)、相手先の入力を受け付けていないと判別したときには、ステップS134に戻る。
【0117】
ステップS135で相手先の入力を受け付けたと判別したときには、CPU101は、入力された相手先に対して発信処理をする(ステップS136)。そして、相手先の着信応答を監視し(ステップS137)、着信応答があれば、相手との通話路を生成して、通話処理ルーチンに移行する(ステップS138)。
【0118】
ステップS137で、相手先の着信応答がないと判別したときには、CPU101は、オンフック操作されることによる切断操作がなされたか否か判別する(ステップS139)。ステップS139で、切断操作されていないと判別したときには、CPU101は、ステップS137に戻る。また、ステップS139で、切断操作がなされたと判別したときには、CPU101は、切断処理を行なって、発信呼を切断する(ステップS140)。そして、この処理ルーチンを終了する。
【0119】
ステップS133で、伝言送出指示キーが押下されたと判別したときには、CPU101は、伝言入力を受け付ける処理を実行する(図12のステップS151)。この伝言入力を受け付ける処理においては、CPU101は、先ず、伝言リスト記憶部112から伝言リストを読み出して、ディスプレイ114の表示画面に表示し、使用者に、送信する伝言番号の入力を促す。そして、CPU101は、使用者からの伝言番号の入力を受け付け、受け付けた伝言番号の情報を一時保持する。
【0120】
次に、CPU101は、使用者による電話帳からの相手先選択またはテンキーを通じた直接的な電話番号などによる相手先の入力を受け付けた否か判別する(ステップS152)。ステップS152で、相手先の入力を受け付けていないと判別したときには、オンフックされたか否か判別し(ステップS153)、オンフックされたと判別したときには、ステップS131に戻る。また、ステップS153で、オンフックされていないと判別したときには、ステップS152に戻る。
【0121】
ステップS152で、相手先の入力を受け付けたと判別したときには、CPU101は、入力された相手先に対して発信処理をする(ステップS154)。そして、相手先の着信応答を監視し(ステップS155)、着信応答があれば、相手との通話路を生成して、通話処理ルーチンに移行する(ステップS156)。
【0122】
ステップS155で、相手先の着信応答がないと判別したときには、CPU101は、オンフック操作による切断操作がなされたか否か判別し(ステップS157)、切断操作されていないと判別したときには、ステップS155に戻る。
【0123】
また、ステップS157で、切断操作がなされたと判別したときには、CPU101は、伝言情報を作成する処理を実行する(ステップS158)。この伝言情報の作成処理としては、図7に示した前述の第1の例における伝言情報の作成処理ルーチンのうち、ステップS123以降の処理が実行される。
【0124】
次に、CPU101は、ステップS158で作成された伝言情報をINFOメッセージのパケットに含めて、相手先に送出する(ステップS159)。その後、CPU101は、相手先に切断メッセージ(BYE)を送って切断処理を行い、発信呼を放棄する。そして、この処理ルーチンを終了する。
【0125】
[発信に対する相手不応答の場合の伝言通知方法の第3の例の説明]
この第3の例は、IP電話端末からの発信に対して、IP電話システムが、その着信を複数個のIP電話端末のすべてに対して行なう一斉着信を行なう場合である。この第3の例の場合には、発信元の動作は、上述の例と全く同じであるが、伝言情報の受信側のIP電話端末における動作が、上述の例とは異なる。
【0126】
この第3の例においては、一斉着信を受けるIP電話システムのIP電話端末21〜2nのそれぞれは、電話帳メモリ110に記憶されている自名称と、伝言情報に含まれる相手名称とが一致する伝言情報のみを、自端末の履歴情報記憶部111に記憶保持するようにする。伝言情報に含まれる相手名称と、自名称とが異なる場合には、当該伝言情報は、自端末宛ではないと考えられるからである。その他の構成は、上述の第1の例または第2の例と同様である。
【0127】
図13は、第3の例の場合におけるシーケンス例を示す図である。この図13の例は、IP電話端末1AからIP電話システム10に対して発信を行ったが、IP電話システムのいずれのIP電話端末も不応答であった場合に、伝言をIP電話端末1AからIP電話システムの各IP電話端末21〜23に送るようにしたときのシーケンスの例を示す図である。図13では、便宜上、IP電話システム10は、3台のIP電話端末21,22,23からなるものとしている。
【0128】
この図13の例では、IP電話端末1Aの自名称が「田中」であり、IP電話システム10のIP電話端末23の自名称が「阿部」であるとしている。そして、伝言情報は、相手名称が阿部であり、自名称が「田中」である場合としている。
【0129】
図13のシーケンス例は、上述した第1の例の場合に対応している。ただし、第2の例も、同様にして、適用できることは言うまでもない。
【0130】
すなわち、図13の例においては、使用者は、相手先をIP電話システム10とした発信操作をする。すると、この発信操作に応じて、IP電話端末1Aは、発信メッセージ(INVITE)をIP交換網2を通じてIP電話システム宛に送る。
【0131】
IP電話システムの主装置11は、この発信呼の着信を受けると、システム内の各IP電話端末21,22,23の一斉着信させる。この例では、この着信に対して、各IP電話端末21,22,23は不応答である。
【0132】
この実施形態では、この相手IP電話端末21,22,23が不応答である間に、IP電話端末1Aの使用者は、伝言付き切断操作をする。こうして、伝言付き切断操作がなされると、IP電話端末1Aでは、伝言作成処理がなされる。この例では、例えば、「阿部様 折り返し連絡ください 田中」という伝言情報が生成される。そして、IP電話端末1Aは、生成した伝言情報をINFOメッセージのパケットに含めて、IP電話システム10に送出する。
【0133】
IP電話システム10の主装置11は、このINFOメッセージを、一斉着信を行なった全てのIP電話端末21,22,23に送る。IP電話端末21,22,23のそれぞれは、INFOメッセージを受信する。その後、IP電話端末1Aから切断メッセージ(BYE)が送られてくるので、主装置11は、それをIP電話端末21,22,23の全てに送り、相手呼放棄を通知する。これにより、着信呼は切断される。
【0134】
次に、IP電話端末21,22,23のそれぞれは、受け取ったINFOメッセージから伝言情報を抽出し、その相手名称と自名称とを比較して、一致したときにのみ、抽出した伝言情報を履歴情報記憶部111に記憶するようにする。
【0135】
[第3の例における着信側での伝言情報の取得時の処理]
図14および図15に、IP電話システムのIP電話端末における伝言情報の取得時の処理動作例のフローチャートを示す。この図14および図15の各ステップの処理動作は、この例では、IP電話システムのIP電話端末が備えるCPU(説明の便宜上、CPU200とする)が、ROMに記憶されているプログラムにしたがって、RAMをワークエリアとして使用して実行されるものである。
【0136】
CPU200は、着信を監視し(ステップS301)、着信を検出しないときには、その他の処理を実行する(ステップS302)。ステップS301で、着信を検出したと判別したときには、CPU200は、着信鳴動を行なって、使用者に着信を報知し(ステップS303)、使用者による着信応答操作を監視する(ステップS304)。
【0137】
ステップS304で、着信応答操作があったと判別したときには、CPU200は、着信応答処理ルーチンに移行する(ステップS305)。また、ステップS304で、着信応答操作がないと判別したときには、CPU200は、INFOメッセージのパケットを受信したか否か判別する(ステップ306)。
【0138】
ステップS306で、INFOメッセージのパケットを受信してはいないと判別したときには、CPU200は、着信呼が相手により切断されたか否か判別し(ステップS307)、切断されていないと判別したときには、ステップS304に戻り、切断されたと判別したときには、着信呼の切断処理をして(ステップS308)、この処理ルーチンを終了する。
【0139】
ステップS306で、INFOメッセージのパケットを受信したと判別したときには、CPU200は、受信したINFOメッセージのパケットから伝言情報を抽出して一時保持する(ステップS309)。そして、発信元からの切断メッセージの受信を待ち(ステップS310)、切断メッセージを受信したと判別したときには、着信呼の切断処理を実行する(ステップS311)。
【0140】
続いて、CPU200は、伝言情報を解析して(ステップS321)、伝言情報に含まれている相手名称と、自端末の電話帳メモリに記憶されている自名称とが一致しているか否か判別する(ステップS322)。
【0141】
ステップS322で、相手名称と自名称とが一致していると判別したときには、CPU200は、一時保持した伝言情報を履歴情報記憶部に格納する(ステップS323)。次に、伝言情報に含まれている返信要求有無フラグを参照して、返信要求があるか否か判別する(ステップS324)。
【0142】
ステップS324で、返信要求があると判別したときには、CPU200は、伝言キーに内蔵するLEDを点滅表示の状態に制御する(ステップS325)。また、ステップS324で、返信要求はないと判別したときには、CPU200は、伝言キーに内蔵するLEDは点灯状態に制御する(ステップS326)。そして、ステップS325またはステップS326の後、この処理ルーチンを終了する。
【0143】
また、ステップS322で、相手名称と自名称とが一致していないと判別したときには、CPU200は、一時保持した伝言情報を履歴情報記憶部には記憶せずに廃棄し、この処理ルーチンを終了する。
【0144】
なお、IP電話システム10を構成する複数個のIP電話端末のそれぞれにおける、伝言キーが押下されたときの処理動作や、発信時の処理動作は、上述した第1の例および第2の例と全く同様である。
【0145】
この第3の例によれば、IP電話システムの各内線IP電話端末は、自分宛の伝言情報のみを履歴情報として記憶することができ、不要な履歴情報の記憶を排除することができる。
【0146】
[実施形態の効果]
上述の実施形態のIP電話端末によれば、相手端末が留守応答機能および大容量のメモリや録音装置などを搭載していなくても、少ない容量の伝言情報を、相手端末に送ることができる。
【0147】
また、返信要求の有無に応じて、伝言キーのLED表示態様を変更することができるので、使用者は、伝言キーのLED表示態様を見るだけで、返信の必要な不応答着信があることを認識することができる。
【0148】
また、この発明によるIP電話システムのIP電話端末によれば、一斉着信に対して不応答であった場合に、自端末の使用者宛の伝言情報のみを記憶しておくことができ、便利である。
【0149】
[他の実施形態および変形例]
上述の実施の形態では、伝言リスト記憶部の各伝言のメッセージ情報には、予め、返信要求有無情報が付加されていたが、伝言送出指示キーを操作した後の伝言作成時に、作成した伝言に対して返信要求をするかどうかを使用者に問い合わせ、その問い合わせに対する使用者の入力に応じた返信要求有無フラグを付加して、伝言情報を作成するようにしても良い。その場合には、使用者は、伝言を伝送する都度、相手先に対してその返信要求をするかどうかを設定入力することができるという効果を奏する。
【0150】
なお、返信要求有無フラグは、伝言情報の先頭に付加するようにしたが、これは、一例であり、伝言情報の受信側で、返信要求有無フラグを検出することができる位置であれば、例えば、自名称の後等、伝言情報中のどの様な位置であっても良い。
【0151】
また、返信要求有無フラグを用いなくても、返信要求の有無を検出するようにすることができる。すなわち、上述の実施形態では、IP電話端末は、送信される伝言メッセージの伝言リストを備えており、伝言情報の送受は、この発明によるIP電話端末のみで可能である。そして、伝言リストに登録されている伝言メッセージのそれぞれが返信を要求するものであるかどうかを、前述の例のように、予め伝言リストにおいて登録しておくことができる。
【0152】
したがって、返信要求有無フラグが伝言情報に存在しない場合にも、伝言メッセージが伝言リストのいずれの伝言メッセージであるかを判断することにより、その伝言メッセージが返信を要求しているものであるかどうかを判別することができる。
【0153】
また、上述の例では、伝言情報は、テキスト情報として伝送するようにしたが、伝言情報は、テキスト情報ではなくても良い。例えば、実施形態のIP電話端末1A,1Bは、伝言リストとしては、工場出荷時に記憶したもののみを用いるように構成した場合、伝言メッセージのテキスト情報の代わりに、伝言のリスト番号を送ることで、受信側の端末は、送られてきた伝言内容を知ることができる。
【0154】
しかし、上述のようにテキスト情報として、伝言を伝送するようにした場合には、受信側端末では、受信した伝言情報をそのまま表示情報に変換して、表示することができ、構成を簡略化することができるという効果がある。また、テキスト情報であれば、相手名称や自名称を送ることができるので、上述したような実施形態の効果が得られるものである。
【0155】
また、上述の実施形態では、伝言メッセージは、予め伝言リストで登録したもののみを送るようにしたが、使用者が、伝言メッセージを、その都度、入力するようにしても良い。特に、発信前に、送信伝言バッファに伝言メッセージを記憶するように構成し、伝言送出指示キーを操作したときに、当該送信伝言バッファに記憶されている伝言メッセージを送出するように構成した場合、送信伝言バッファには、予め、伝言メッセージを入力して記憶しておくようにすることができる。
【0156】
なお、上述の実施形態では、伝言情報をテキスト情報として伝送することを想定したので、伝言情報の伝送には、INFOメッセージのパケットを用いるようにしたが、伝言情報は、上述したようにテキスト情報に限らないので、伝言情報の伝送には、INFOメッセージのパケットに限らず、可能な制御用メッセージのパケットを用いることが可能である。
【0157】
また、伝言メッセージは、上述の実施形態では、ディスプレイに表示する場合のみを説明したが、音声合成手段により、伝言メッセージから、伝言音声信号を生成して、音声により、使用者に伝言メッセージを報知するようにすることもできる。
【0158】
なお、上述の実施形態では、回線交換中継装置は、主装置としたが、SIPサーバやゲートキーパーなどとしても良い。その場合には、複数のIP電話端末が接続されるLANは、ルーターを通じて、SIPサーバやゲートキーパーなどと接続する構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】この発明によるIP電話端末の実施形態を用いた発信に対する処理シーケンス例を示す図である。
【図2】この発明によるIP電話端末の実施形態が用いられる通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図3】この発明によるIP電話端末の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図4】この発明によるIP電話端末の実施形態を説明するために用いる図である。
【図5】この発明によるIP電話端末の実施形態を説明するために用いる図である。
【図6】この発明によるIP電話端末の実施形態における発信時の処理動作の第1の例の説明のためのフローチャートを示す図である。
【図7】この発明によるIP電話端末の実施形態における伝言情報の作成処理動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図8】この発明によるIP電話端末の実施形態における着信時の処理動作の例の説明のためのフローチャートを示す図である。
【図9】この発明によるIP電話端末の実施形態における伝言情報の表示処理動作の例を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図10】この発明によるIP電話端末の実施形態を用いた発信に対する処理シーケンス例の他の例を示す図である。
【図11】この発明によるIP電話端末の実施形態における発信時の処理動作の第2の例の説明のためのフローチャートの一部を示す図である。
【図12】この発明によるIP電話端末の実施形態における発信時の処理動作の第2の例の説明のためのフローチャートの一部を示す図である。
【図13】この発明によるIP電話端末の実施形態を用いた発信に対する処理シーケンス例のさらに他の例を示す図である。
【図14】この発明によるIP電話端末の実施形態における着信時の処理動作の第3の例の説明のためのフローチャートの一部を示す図である。
【図15】この発明によるIP電話端末の実施形態における着信時の処理動作の第3の例の説明のためのフローチャートの一部を示す図である。
【符号の説明】
【0160】
1A,1B,21〜2n…IP電話端末、110…電話帳メモリ、111…履歴情報記憶部、112…伝言リスト記憶部、113…伝言情報作成部、114…ディスプレイ、115…キーに関連する表示用のLED群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝言送出指示入力手段と、
使用者により指定された相手先に発信を行う発信手段と、
前記発信手段で発信をした後、相手が不応答である間に、前記伝言送出指示入力手段の操作を伴う発信呼の切断操作がなされたか否かを判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段で、前記伝言送出指示入力手段が操作されたと判別されたときに、使用者の入力に基づく伝言情報を作成する作成手段と、
前記作成された伝言情報を、所定の通知データにより前記相手先に送信する送信手段と、
前記送信手段で、前記通知データを送信した後に、切断メッセージを送出する手段と、
相手からの発信の着信を受けた後、使用者からの着信応答操作がなく、かつ、前記相手からの前記切断メッセージを受信する前に、前記所定の通知データを受信したか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段で、前記所定の通知データを受信したと判別したときに、前記通知データに含まれる前記伝言情報を記憶する記憶手段と、
前記伝言情報を使用者に報知するための報知手段と、
を備えるIP(Internet Protocol)電話端末。
【請求項2】
伝言送出指示入力手段と、
使用者により指定された相手先に発信を行う発信手段と、
前記発信手段で発信をした後、相手が不応答である間に、前記使用者により発信呼の切断操作がなされたことを検出する検出手段と、
前記検出手段で、前記発信呼の切断操作がなされたことが検出されたときに、前記相手先への発信を行う前に、前記伝言送出指示入力手段が使用者により操作されたか否かを判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段で、前記伝言送出指示入力手段が操作されたと判別されたときに、使用者の入力に基づく伝言情報を作成する作成手段と、
前記作成された伝言情報を、所定の通知データにより前記相手先に送信する送信手段と、
前記送信手段で、前記通知データを送信した後に、切断メッセージを送出する手段と、
相手からの発信の着信を受けた後、使用者からの着信応答操作がなく、かつ、前記相手からの前記切断メッセージを受信する前に、前記所定の通知データを受信したか否かを判別する第2の判別手段と、
前記第2の判別手段で、前記所定の通知データを受信したと判別したときに、前記通知データに含まれる前記伝言情報を記憶する記憶手段と、
前記伝言情報を使用者に報知するための報知手段と、
を備えるIP電話端末。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のIP電話端末において、
前記伝言情報は、テキストメッセージからなる
ことを特徴とするIP電話端末。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のIP電話端末において、
前記伝言情報の存在の有無を使用者に報知するための発光素子を備えると共に、
前記第2の判別手段で前記所定の通知データを受信したときに、前記通知データに含まれる前記伝言情報から、当該伝言情報が返信を要求するか否かを判別する第3の判別手段と、
前記第3の判別手段の判別結果に応じて、前記発光素子の発光状態を変更制御する発光制御手段と、
を備えることを特徴とするIP電話端末。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のIP電話端末において、
前記作成手段は、使用者の入力に基づく伝言メッセージの情報に、相手先情報と、発信元情報とを付加して、前記伝言情報を生成する
ことを特徴とするIP電話端末。
【請求項6】
請求項5に記載のIP電話端末において、
前記記憶手段は、前記第2の判別手段で、前記所定の通知データを受信したと判別したときに、前記通知データに含まれる前記伝言情報の前記相手先情報が、自端末を指定するものであるか否かをさらに判別し、自端末を指定するものであると判別したときに、前記伝言情報を記憶する
ことを特徴とするIP電話端末。
【請求項7】
IP網を通じて、発信元のIP電話端末から相手方のIP電話端末に対して伝言情報を通知する方法であって、
前記発信元のIP電話端末が、
使用者により指定された相手先に発信を行う発信工程と、
前記発信手段で発信をした後、相手が不応答である間に、前記伝言送出指示入力手段の操作を伴う発信呼の切断操作がなされたか否かを判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別工程で、前記伝言送出指示入力手段が操作されたと判別されたときに、使用者の入力に基づく伝言情報を作成する作成工程と、
前記作成された伝言情報を、所定の通知データにより前記相手先に送信する送信工程と、
前記送信工程で、前記通知データを送信した後に、切断メッセージを送出する工程と、
を行い、
前記相手方のIP電話端末が、
前記発信元からの着信を受けた後、使用者からの着信応答操作がなく、かつ、前記発信元からの前記切断メッセージを受信する前に、前記所定の通知データを受信したか否かを判別する第2の判別工程と、
前記第2の判別工程で、前記所定の通知データを受信したと判別したときに、前記通知データに含まれる前記伝言情報を記憶する記憶工程と、
前記伝言情報を使用者に報知するための報知工程と、
を行なうことを特徴とする伝言通知方法。
【請求項8】
IP網を通じて、発信元のIP電話端末から相手方のIP電話端末に対して伝言情報を通知する方法であって、
前記発信元のIP電話端末が、
相手先への発信前に、使用者による伝言送出指示入力手段の操作を受け付ける工程と、
使用者により指定された相手先に発信を行う発信工程と、
前記発信工程で発信をした後、相手が不応答である間に、前記使用者により発信呼の切断操作がなされたことを検出する検出工程と、
前記検出工程で、前記発信呼の切断操作がなされたことが検出されときに、前記相手先への発信を行う前に、前記伝言送出指示入力手段が使用者により操作されたか否かを判別する第1の判別工程と、
前記第1の判別工程で、前記伝言送出指示入力手段が操作されたと判別されたときに、使用者の入力に基づく伝言情報を作成する作成工程と、
前記作成された伝言情報を、所定の通知データにより前記相手先に送信する送信工程と、
前記送信手段で、前記通知データを送信した後に、切断メッセージを送出する工程と、
を行い、
前記相手方のIP電話端末が、
前記発信元からの着信を受けた後、使用者からの着信応答操作がなく、かつ、前記発信元からの前記切断メッセージを受信する前に、前記所定の通知データを受信したか否かを判別する第2の判別工程と、
前記第2の判別工程で、前記所定の通知データを受信したと判別したときに、前記通知データに含まれる前記伝言情報を記憶する記憶工程と、
前記伝言情報を使用者に報知するための報知工程と、
を行なう伝言通知方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−87798(P2010−87798A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253979(P2008−253979)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(304020498)サクサ株式会社 (678)
【Fターム(参考)】