IP電話網における加入者サーバ及びゲートウェイ装置並びに通信方法
【課題】IP電話網において相互接続される通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避し、低コストかつ効率的な多数事業者の通信網と相互接続することが可能なIP電話網における加入者サーバを提供する。
【解決手段】電話端末10と、IP変換装置20と、加入者サーバ30と、ゲートウェイ装置50と、を備えるIP電話網1における加入者サーバ30は、発呼信号を取得し、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、ダイヤル番号情報に基づいてダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出されたダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、検索されたプログラムIDに対応するプログラムを起動し、起動されたプログラムによって、発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた発呼信号をゲートウェイ装置50へ送信する。
【解決手段】電話端末10と、IP変換装置20と、加入者サーバ30と、ゲートウェイ装置50と、を備えるIP電話網1における加入者サーバ30は、発呼信号を取得し、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、ダイヤル番号情報に基づいてダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出されたダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、検索されたプログラムIDに対応するプログラムを起動し、起動されたプログラムによって、発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた発呼信号をゲートウェイ装置50へ送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP電話網における加入者サーバ、ゲートウェイ装置、加入者サーバによる通信方法及びゲートウェイ装置による通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電話サービスを提供する通信事業者の通信網において、自社の通信網に収容される電話端末と他通信事業者の通信網に収容される電話端末との間の通信を確保すること、及び、自社収容電話端末が任意の国内中継事業者又は国際通信事業者によって提供されるサービスを選択して使用することができること等を目的として、他通信事業者の通信網との相互接続が実施されている。異なる通信事業者の通信網間の相互接続のインタフェース条件については、例えば日本国内ではTTC(Telecommunication Technology Committee)によって標準化されている(非特許文献1参照)。かかる標準化により、通信事業者は、相互接続される通信事業者ごとに当該標準をベースにした接続呼の種類ごとの受信信号(例えば、発呼信号)のチェック条件、送信信号の設定条件等を協議し、合意された条件に基づいてシステム実装を行い、通信網間の相互接続を実施している。
【0003】
多数の通信事業者の通信網と相互接続を行う大規模通信事業者の通信網においては、相互接続される通信網の通信事業者ごとにインタフェース条件を協議してシステムを実装するのは設備コストの増加となるため、汎用的な相互接続インタフェースを予め複数種類用意し、いずれかのインターフェースを用いて接続を行うことによって設備コストの増加を抑止している(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「相互接続用共通インターフェース」、TTC−JJ−90.10
【非特許文献2】「相互接続ガイドブック2」、NTT東日本、[on line]、[平成22年5月20日検索]、インターネット (http://www.ntt-east.co.jp/info-st/conguide/ntt-e2/guide2.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、通信事業者動向としては、IP(Internet Protocol)電話技術の普及が盛んになっている。その理由の1つとして、従来のPSTN網(公衆電話交換回線網)での回線交換方式の場合には通話ごとに1回線を占有するため各回線交換機間ではピーク呼量に耐えうる設備(回線)が必要となり、そのための設備コストがかかること、かつこれら設備(回線)の使用効率が高くないのに対し、IP電話の場合には全通話の呼制御信号パケット、主信号(音声等)パケットがIP電話網を共用するため、通信事業者にとっては設備コストを削減でき、かつそれによりユーザ料金を低減できるといったメリットがあるからである。しかしながら、現状のIP電話の技術としては自IP網内での接続や、IP網とPSTN網との相互接続技術は確立されつつあるが、PSTN網で実現しているような汎用的な通信事業者間相互接続インタフェースの実現手法までは確立されていない。
【0006】
本発明は、前記した事情に鑑みて創案されたものであり、IP電話網において相互接続される通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避し、低コストかつ効率的な多数事業者の通信網と相互接続することが可能なIP電話網における加入者サーバ、ゲートウェイ装置、加入者サーバによる通信方法及びゲートウェイ装置による通信方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網における加入者サーバであって、前記電話端末から発信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、を備え、前記電話端末から発信された発呼信号を前記IP変換装置を介して取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動し、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記ゲートウェイ装置へ送信することを特徴とする。
【0008】
かかる構成によると、自網発信の場合において、加入者サーバは、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいてプログラムを選択して起動し、起動されたプログラムによって発呼信号に必要なパラメータの設定を行うので、通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避することが可能となる。
【0009】
また、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置であって、前記電話端末から送信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、を備え、前記電話端末から送信された前記発呼信号を取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動し、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記他社の通信網へ送信することを特徴とする。
【0010】
かかる構成によると、自網発信の場合において、ゲートウェイ装置は、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいてプログラムを選択して起動し、起動されたプログラムによって発呼信号に必要なパラメータの設定を行うので、通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避することが可能となる。
【0011】
また、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置であって、前記加入者サーバから送信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、前記他社の通信網の通信網IDと、事業形態と、前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶された事業形態データベースと、前記事業形態と、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けて記憶された第一のプログラム起動可否データベースと、を備え、前記他社の通信網から送信された発呼信号を取得し、前記発呼信号の取得によって通信網IDを特定し、特定された前記通信網IDに基づいて前記事業形態データベースを参照することによって、特定された前記通信網IDに対応する事業者ID及びプログラムIDを検索し、検索された前記事業形態、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第一のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業形態及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索し、検索された前記プログラムの起動可否が起動可を示すものである場合に、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動し、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記加入者サーバへ送信することを特徴とする。
【0012】
かかる構成によると、他社網発信かつ自網着信の場合において、ゲートウェイ装置は、発呼信号に含まれる通信網IDに基づいてプログラムを選択して起動し、起動されたプログラムによって発呼信号に必要なパラメータの設定を行うので、通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避することが可能となる。
【0013】
前記事業形態データベースには、さらに事業者IDが前記通信網IDと関連付けて記憶されており、前記ゲートウェイ装置は、前記事業形態ごとに、前記事業者IDと、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けられた第二のプログラム起動可否データベースをさらに備え、前記事業形態及び前記プログラムIDに加えて前記事業者IDを検索し、前記第一のプログラム起動可否データベースにおいて検索された前記プログラムの起動可否が再検索を示すものである場合に、検索された前記事業者ID、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第二のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業者ID及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索する構成であってもよい。
【0014】
かかる構成によると、他社網発信かつ自網着信の場合において、ゲートウェイ装置は、さらに発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいてプログラムを選択して起動し、起動されたプログラムによって発呼信号に必要なパラメータの設定を行うので、通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避することが可能となる。
【0015】
また、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網における加入者サーバによる通信方法であって、前記加入者サーバは、前記電話端末から発信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、を備えており、前記加入者サーバが、前記電話端末から発信された発呼信号を前記IP変換装置を介して取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出するステップと、前記加入者サーバが、抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索するステップと、前記加入者サーバが、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動するステップと、前記加入者サーバが、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記ゲートウェイ装置へ送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法であって、前記ゲートウェイ装置は、前記電話端末から送信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、を備え、前記ゲートウェイ装置が、前記電話端末から送信された前記発呼信号を取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出するステップと、前記ゲートウェイ装置が、抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索するステップと、前記ゲートウェイ装置が、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動するステップと、前記ゲートウェイ装置が、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記他社の通信網へ送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法であって、前記ゲートウェイ装置は、前記加入者サーバから送信された前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、前記他社の通信網の通信網IDと、事業形態と、前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶された事業形態データベースと、前記事業形態と、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けて記憶された第一のプログラム起動可否データベースと、を備え、前記ゲートウェイ装置が、前記他社の通信網から送信された発呼信号を取得し、前記発呼信号の取得によって通信網IDを特定する第一ステップと、前記ゲートウェイ装置が、特定された前記通信網IDに基づいて前記事業形態データベースを参照することによって、特定された前記通信網IDに対応する事業者ID及びプログラムIDを検索する第二ステップと、前記ゲートウェイ装置が、検索された前記事業形態、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第一のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業形態及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索する第三ステップと、前記ゲートウェイ装置が、検索された前記プログラムの起動可否が起動可を示すものである場合に、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動する第四ステップと、前記ゲートウェイ装置が、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記加入者サーバへ送信する第五ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
前記事業形態データベースには、さらに事業者IDが前記通信網IDと関連付けて記憶されており、前記ゲートウェイ装置は、前記事業形態ごとに、前記事業者IDと、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けられた第二のプログラム起動可否データベースをさらに備え、前記第二ステップにおいて、前記ゲートウェイ装置が、前記事業形態及び前記プログラムIDに加えて前記事業者IDを検索し、前記第三ステップと前記第四ステップとの間に、前記第一のプログラム起動可否データベースにおいて検索された前記プログラムの起動可否が再検索を示すものである場合に、前記ゲートウェイ装置が、検索された前記事業者ID、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第二のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業者ID及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索するステップを含む構成であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、IP電話網において相互接続される通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避し、低コストかつ効率的な多数事業者の通信網と相互接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係るIP電話網を模式的に示す図である。
【図2】図1の加入者サーバを示すブロック図である。
【図3】図2のダイヤル番号DBを示す図である。
【図4】図1のゲートウェイ装置(PSTN−GW又はIP−GW)を示すブロック図である。
【図5】図4の事業形態DBを示す図である。
【図6】図4の第一のプログラム起動可否DBを示す図である。
【図7】図4の第二のプログラム起動可否DBを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るIP電話網の動作例を説明するための図である。
【図9】本発明の実施形態に係るIP電話網の動作例を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態に係るIP電話網の動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。まず、本発明の実施形態に係るIP(Internet Protocol)電話網における通信システム(以下、単に「IP電話網」と記載する)の構成について、図1から図7を参照して説明する。
【0022】
<IP電話網>
図1に示すように、本発明の実施形態に係るIP電話網1は、他事業者PSTN(Public Switched Telephone Network)網2A及び他事業者IP網2Bと通信可能に接続された通信システムであり、複数の電話端末10,10と、各電話端末10,10と通信可能に接続されたIP変換装置20と、IP変換装置20と通信可能に接続された加入者サーバ30と、加入者サーバ30と通信可能に接続された中継サーバ40と、中継サーバ40と通信可能に接続されたPSTN−GW(Public Switched Telephone Network - Gate Way)50A及びIP−GW(Internet Protocol - Gate Way)50Bと、を備える。
【0023】
かかるIP電話網1は、他事業者の通信網(他事業者PSTN網2A又は他事業者IP網2B)と通信するために、料金決定権(呼の料金を決定する通信事業者)、ユーザ課金回収及び接続形態により分類される4種のインタフェースに関するプログラムを備え、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に応じて4つのプログラムを使い分ける。
【0024】
第一のプログラムは、自網(IP電話網1)と地域系事業者の通信網とを接続するためのものであり、料金決定権及びユーザ課金回収は自網の通信事業者に設定される。
【0025】
第二のプログラムは、自網と中継系事業者の通信網とを接続するためのものであり、料金決定権及びユーザ課金回収は中継系事業者に設定される。
【0026】
第三のプログラムは、自網と外国の通信網とを接続するためのものであり、一般電話発信の場合には、料金決定権及びユーザ課金回収は国際事業者に設定され、公衆電話発信の場合には、料金決定権は国際事業者に設定されるとともにユーザ課金回収は自網の事業者に設定される。
【0027】
第四のプログラムは、自網と移動体電話とを接続するためのものであり、料金決定権は移動体電話の事業者に設定されるとともにユーザ課金回収は自網の事業者に設定される。
【0028】
≪電話端末≫
電話端末10は、事業所等に設置される据置型の電話機等であり、着呼音等を発するためのスピーカ、受話器が架けられるフック、及び電話番号等を入力するためのボタンを有する本体部と、通話用のマイク及びスピーカを有する受話器と、を備える。電話端末10は、ユーザの操作に応じて、通話先の電話端末の電話番号等からなるダイヤル番号情報を含む発呼信号(呼制御信号の一種)を生成してIP変換装置20へ発信する。
【0029】
≪IP変換装置≫
IP変換装置20は、電話端末10及び加入者サーバ30と通信可能に接続されており、アナログ端末又はISDN端末である電話端末10から送信された呼制御信号、音声信号等をIPパケット化し、IPパケット化済み信号を通話先の電話端末に接続されたIP変換装置へ送信したり、通話先の電話端末に接続されたIP変換装置から送信されたIPパケット化済み信号を受信し、受信されたIPパケット化済み信号を復号して電話端末10へ送信したりする装置であり、電話端末10のユーザ宅内又は通信事業者の局舎内に設置される。なお、IPパケット化された呼制御信号(例えば、発呼信号)は、加入者サーバ、中継サーバ30及びゲートウェイ装置50(PSTN−GW50A又はIPGW−50B)を介して他事業者通信網2A,2Bにおける通話先の電話端末が収容されたIP変換装置へ送信される。
【0030】
≪加入者サーバ≫
加入者サーバ30は、IP変換装置20及び中継サーバ40と通信可能に接続されており、配下に収容する全ての電話端末10のサービス契約情報の管理及び呼状態の管理を行うとともに、配下の電話端末10から送信された発呼信号の送信先(他事業者PSTN網2A又は他事業者IP網2B)を決定したり、配下の一の電話端末10から配下の他の電話端末10へ向けて送信された発呼信号、応答信号等(呼制御信号)を当該他の電話端末10へ転送するためのルーティング処理を行う等といった呼制御を行うサーバである。かかる加入者サーバ30は、予め記憶されたプログラムによって、発呼信号に対して、加入者サーバ30しか知り得ない情報(端末種別情報等)を設定するとともに、後記するPSTN−GW50A及びIP−GW50Bのチェック機能の保険的意味合いで、他事業者通信網2A,2Bから受信した発呼信号等の呼制御信号が、他事業者通信網2A,2Bとの間で合意された条件を満たしているか否かをチェックする。
【0031】
図2に示すように、加入者サーバ30は、機能部として、ダイヤル番号DB31と、プログラム選択部32と、設定部33と、を備える。
【0032】
ダイヤル番号DB31は、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、プログラムIDと、が関連付けて記憶されたデータベースである。図3に示すように、ダイヤル番号情報が0A〜J(0で始まる10桁の数字)である場合には、プログラムIDが「1」である第一のプログラムが選択される。
【0033】
また、ダイヤル番号情報が00XY+0A〜J(00で始まる4桁の数字+0で始まる10桁の数字)である場合には、プログラムIDが「2」である第二のプログラムが選択される。ここで、00XYは、中継事業者に付与されたプレフィクス番号である。
【0034】
また、ダイヤル番号情報が010+国番号+ダイヤル番号である場合には、プログラムIDが「3」である第三のプログラムが選択される。ここで、010は、通話先が外国(国際電話)であることを示すプレフィクス番号である。
【0035】
また、ダイヤル番号情報が0A0C〜K(0A0で始まる11桁の数字)である場合には、プログラムIDが「4」である第四のプログラムが選択される。
【0036】
プログラム選択部32は、電話端末10から発信された発呼信号をIP変換装置20を介して取得し、取得された発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、抽出されたダイヤル番号情報に基づいてダイヤル番号DB31を参照することによって、抽出されたダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、検索された前記プログラムIDに対応するプログラムを起動するための起動信号を設定部33へ出力するとともに、発呼信号を設定部33へ出力する。
【0037】
設定部33は、ダイヤル番号情報の種類ごとのプログラム(本実施形態では、4個)が記憶された記憶部33aを備えており、プログラム選択部32から出力された起動信号及び発呼信号を取得し、取得された起動信号に基づいて、当該起動信号に応じたプログラムを起動し、起動されたプログラムによって、発呼信号に予め設定されたパラメータのチェックを行うとともに、発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた発呼信号を中継サーバ40へ送信する。
【0038】
≪中継サーバ≫
図1に戻り、中継サーバ40は、加入者サーバ30、PSTN−GW50A及びIP−GW50Bと通信可能に接続されており、IP電話網1内の他装置から受信した発呼信号、応答信号等を転送するためのルーティング処理を行う等といった呼制御信号の中継を行うサーバである。
【0039】
≪PSTN−GW≫
PSTN−GW50Aは、中継サーバ40を介して加入者サーバ30と他事業者PSTN網2Aとを通信可能に接続するゲートウェイ装置である。
PSTN−GW50Aは、IP電話網1内の呼制御信号を、他事業者PSTN網2Aとの間で予め合意された条件の信号に変換し、変換された信号を他事業者PSTN網2Aへ送信したり、他事業者PSTN網2Aから送信された呼制御信号を取得し、取得された呼制御信号を、IP電話網1の条件の信号に変換し、変換された信号を中継サーバ40へ送信したりする。
【0040】
≪IP−GW≫
IP−GW50Bは、中継サーバ40を介して加入者サーバ30と他事業者IP網2Bとを通信可能に接続するゲートウェイ装置である。
IP−GW50Bは、IP電話網1内の呼制御信号を、他事業者IP網2Bとの間で予め合意された条件の信号に変換し、変換された信号を他事業者IP網2Bへ送信したり、他事業者IP網2Bから送信された呼制御信号を取得し、取得された呼制御信号を、IP電話網1の条件の信号に変換し、変換された信号を中継サーバ40へ送信したりする。
【0041】
前記したPSTN−GW50A及びIP−GW50Bは、予め記憶されたプログラムによって、発呼信号等の呼制御信号を他事業者通信網2A,2Bとの間で合意された条件で設定するとともに、他事業者通信網2A,2Bから受信した発呼信号等の呼制御信号が、他事業者通信網2A,2Bとの間で合意された条件を満たしているか否かをチェックする。これらPSTN−GW50A及びIP−GW50Bは、信号送信のプロトコルに違いはあるが、機能としては同等であるため、以下、ゲートウェイ装置50としてまとめて説明する。
【0042】
図4に示すように、ゲートウェイ装置50(PSTN−GW50A、IP−GW50B)は、機能部として、ダイヤル番号DB51と、プログラム選択部52と、設定部53と、事業形態DB54と、第一のプログラム起動可否DB55と、第二のプログラム起動可否DB56と、を備える。
【0043】
ダイヤル番号DB51は、前記したダイヤル番号DB31と同様、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、プログラムIDと、が関連付けて記憶されたデータベースである。
【0044】
プログラム選択部52は、前記したプログラム選択部32と同様、加入者サーバ30から送信された発呼信号を中継サーバ40を介して取得し、取得された発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、抽出されたダイヤル番号情報に基づいてダイヤル番号DB51を参照することによって、抽出されたダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、検索された前記プログラムIDに対応するプログラムを起動するための起動信号を設定部53へ出力するとともに、発呼信号を設定部53へ出力する。
【0045】
設定部53は、前記した設定部33と同様、ダイヤル番号情報の種類ごとのプログラム(本実施形態では、4個)が記憶されたプログラム記憶部53aを備えており、プログラム選択部52から出力された起動信号及び発呼信号を取得し、取得された起動信号に基づいて、当該起動信号に応じたプログラムを起動し、起動されたプログラムによって、発呼信号に予め設定されたパラメータのチェックを行うとともに、発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた発呼信号を他事業者の通信網(他事業者PSTN網2A又は他事業者IP網2B)又は中継サーバ40へ送信する。
【0046】
事業形態DB54は、図5に示すように、通信網IDの一例である回線群情報と、事業者IDと、プログラムIDと、事業形態と、が関連付けて記憶されたデータベースである。本実施形態において、事業者の事業形態としては、地域系事業(図5の「a」)、中継事業(図5の「b」)、国際事業、移動体電話電話事業の4つが挙げられる。なお、回線群情報は、通信網がPSTN網である場合の通信網IDであり、ゲートウェイ装置50は、事業者ごとに異なる回線群によって他事業者通信網2A,2Bと通信可能に接続されている。ゲートウェイ装置50は、回線群を介して発呼信号を受信することによって、発呼信号が伝送された回線群に固有の回線群情報を特定することができる。なお、通信網がIP網である場合には、発呼信号の送信元のIPアドレス等といった発側の事業者を特定することが可能な情報を通信網IDとして利用可能である。
【0047】
第一のプログラム起動可否DB55は、図6に示すように、事業形態と、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けて記憶されたデータベースである。ここで、「○」は、プログラムの起動可否が起動可であることを示し、「△」は、プログラムの起動可否が第二のプログラム起動可否DB56を参照して決定されること(再検索)を示し、図6には記載されていないが、「×」は、プログラムの起動可否が起動不可であることを示す。かかる第一のプログラム起動可否DB55は、他事業者通信網2A,2Bの事業者の事業形態によって着信を非許容とする着番号(発呼信号に含まれるダイヤル番号情報)が想定されることを鑑みて、着番号及び事業形態ごとに着信の許容・非許容を判定するためのデータベースである。例としては、国際電話において着番号がフリーダイヤルの場合(国番号の後に0120が含まれる)には着信を非許容とすることが挙げられる。
【0048】
第二のプログラム起動可否DB56は、図7に示すように、事業形態ごとに、事業者IDと、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けて記憶されたデータベースである(図7には、事業形態が「a」の分のみを図示)。ここで、「○」は、プログラムの起動可否が起動可であることを示し、「×」は、プログラムの起動可否が起動不可であることを示す。かかる第二のプログラム起動可否DB56は、事業者によって着信を非許容とする着番号が想定されることを鑑みて、着番号及び事業者ごとに着信の許容・非許容を判定するためのデータベースである。例としては、着番号が104(番号案内)の場合には、事業者ごとに着信を許容するか否かが決められている。
【0049】
プログラム選択部52は、他事業者PSTN網2A又は他事業者IP網2Bから送信された発呼信号を取得した場合には、前記したDB54〜56を参照することによって起動すべきプログラムを選択する(詳しい動作例については後記する)。
【0050】
<動作例>
続いて、本発明の実施形態に係るIP電話網1の動作例について、自網発信の場合、他網発信かつ自網着信の場合、の順に説明する。
【0051】
≪自網発信≫
まず、自網発信の場合における加入者サーバ30の動作例について、図8を参照して説明する(適宜図1参照)。ユーザが電話端末10を操作すると、電話端末10は、発呼信号をIP変換装置20を介して加入者サーバ30へ発信する。続いて、加入者サーバ30のプログラム選択部32は、電話端末10から発信されてIP変換装置20によってパケット化されたSIP(Session Initiation Protocol)信号としての発呼信号を取得し(ステップS11)、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出する(ステップS12)。
【0052】
続いて、プログラム選択部32は、抽出されたダイヤル番号情報に基づいてダイヤル番号DB31を参照することによって、抽出されたダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索する。詳細には、プログラム選択部32は、抽出されたダイヤル番号情報をキーとしてダイヤル番号DB31へ問い合わせ信号を出力し(ステップS13)、問い合わせ信号に含まれるダイヤル番号情報をキーとしてDB内を検索し(ステップS14)、ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索結果として取得する(ステップS15)。
【0053】
続いて、プログラム選択部32は、ステップS11において発信された発呼信号、及び、取得されたプログラムIDに対応するプログラムを起動するための起動信号を設定部33へ出力する(ステップS16)。
【0054】
設定部33は、プログラム選択部32から出力された発呼信号及び起動信号を取得し、取得された起動信号によって当該起動信号に対応するプログラムを起動する。
続いて、設定部33は、起動されたプログラムによって、発呼信号に予め設定されたパラメータをチェックする(ステップS17)。
予め設定されたパラメータが必要条件を満たしている場合には、設定部33は、起動されたプログラムによって、発呼信号に必要なパラメータの設定を行い(ステップS18)、パラメータの設定が行われた発呼信号を中継サーバ40を介してゲートウェイ装置50(PSTN−GW50A又はIP−GW50B)へ送信する(ステップS19)。
【0055】
なお、ステップS17においてパラメータが必要条件を満たしていないと判定された場合には、設定部33は、パラメータの設定を行わず、発呼信号に係る呼の切断処理等を行う。パラメータが必要条件を満たしていないと判定される場合としては、料金決定権の無い事業者による課金指示、非課金指示、課金レート情報が発呼信号のパラメータとして設定されていたり、料金決定権のある事業者による課金レート情報が発呼信号のパラメータとして設定されていない場合等が挙げられる。
【0056】
ステップS18におけるパラメータの設定としては、電話端末10の種別に関する情報(端末種別情報)の設定、発番号非通知呼(発呼信号のダイヤル番号情報の先頭に184がある場合)における発番号非通知の設定等が挙げられる。
【0057】
次に、自網発信の場合におけるゲートウェイ装置50の動作例について、図9を参照して説明する(適宜図1参照)。ゲートウェイ装置50のプログラム選択部52は、前記したステップS19において加入者サーバ30の設定部33から送信された発呼信号を取得し(ステップS21)、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出する(ステップS22)。
【0058】
続いて、プログラム選択部52は、抽出されたダイヤル番号情報に基づいてダイヤル番号DB51を参照することによって、抽出されたダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索する。詳細には、プログラム選択部52は、抽出されたダイヤル番号情報をキーとしてダイヤル番号DB51へ問い合わせ信号を出力し(ステップS23)、問い合わせ信号に含まれるダイヤル番号情報をキーとしてDB内を検索し(ステップS24)、ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索結果として取得する(ステップS25)。
【0059】
続いて、プログラム選択部52は、ステップS21において発信された発呼信号、及び、取得されたプログラムIDに対応するプログラムを起動するための起動信号を設定部53へ出力する(ステップS26)。
【0060】
設定部53は、プログラム選択部52から出力された発呼信号及び起動信号を取得し、取得された起動信号によって当該起動信号に対応するプログラムを起動する。
続いて、設定部53は、起動されたプログラムによって、発呼信号に予め設定されたパラメータをチェックする(ステップS27)。
予め設定されたパラメータが必要条件を満たしている場合には、設定部53は、起動されたプログラムによって、発呼信号に必要なパラメータの設定を行い(ステップS28)、パラメータの設定が行われた発呼信号を他事業者PSTN網2A又は他事業者IP網2Bへ送信する(ステップS29)。
【0061】
なお、ステップS27においてパラメータが必要条件を満たしていないと判定された場合には、設定部53は、パラメータの設定を行わず、発呼信号に係る呼の切断処理等を行う。パラメータが必要条件を満たしていないと判定される場合としては、料金決定権の無い事業者による課金指示、非課金指示、課金レート情報が発呼信号のパラメータとして設定されていたり、料金決定権のある事業者による課金レート情報が発呼信号のパラメータとして設定されていない場合等が挙げられる。
【0062】
ステップS28におけるパラメータの設定としては、PSTN−GW50Aの場合には、IP電話網1の発呼信号(信号形式は、一般的にはSIP(Session Initiation Protocol))を他事業者PSTN網2Aの信号形式(一般的にはISUP(ISDN User Part))に設定する(変換する)ことが挙げられる。また、IP−GW50Bの場合には、IP電話網1の事業者に関する事業者IDの設定等が挙げられる。
【0063】
≪他網発信かつ自網着信≫
続いて、他網発信かつ自網着信の場合におけるゲートウェイ装置50の動作例について、図10を参照して説明する(適宜図1参照)。ゲートウェイ装置50のプログラム選択部52は、他事業者の通信網(他事業者PSTN網2A又は他事業者IP網2B)から送信された発呼信号を取得し(ステップS31)、発呼信号の取得によって通信網IDを特定する(ステップS32)。
【0064】
続いて、プログラム選択部52は、特定された回線群情報に基づいて事業形態DB54を参照することによって、特定された回線群情報に対応する事業者ID、事業者形態及びプログラムIDを検索する。詳細には、プログラム選択部52は、特定された回線群情報をキーとして事業形態DB54へ問い合わせ信号を出力し(ステップS33)、問い合わせ信号に含まれる回線群情報をキーとしてDB内を検索し(ステップS34)、回線群情報に対応する事業者ID、事業者形態及びプログラムIDを検索結果として取得する(ステップS35)。
【0065】
続いて、プログラム選択部52は、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、抽出されたダイヤル番号情報、及び、取得された事業形態に基づいて第一のプログラム起動可否DB55を参照することによって、プログラムの起動可否を検索する。詳細には、プログラム選択部52は、抽出されたダイヤル番号情報、及び、取得された事業形態をキーとして第一のプログラム起動可否DB55へ問い合わせ信号を出力し(ステップS36)、問い合わせ信号に含まれるダイヤル番号情報及び事業形態をキーとしてDB内を検索し(ステップS37)、ダイヤル番号情報及び事業形態に対応するプログラム起動可否を検索結果として取得する(ステップS38)。
【0066】
続いて、ステップS38において検索されたプログラム起動可否が「△」である場合には、プログラム選択部52は、ダイヤル番号、事業者ID及び事業形態に基づいて第二のプログラム起動可否DB56を参照することによって、プログラムの起動可否をさらに検索する。詳細には、プログラム選択部52は、ダイヤル番号、事業者ID及び事業形態をキーとして第二のプログラム起動可否DB56へ問い合わせ信号を出力し(ステップS39)、問い合わせ信号に含まれるダイヤル番号、事業者ID及び事業形態をキーとしてDB内を検索し(ステップS40)、ダイヤル番号、事業者ID及び事業形態に対応するプログラム起動可否を検索結果として取得する(ステップS41)。
【0067】
続いて、ステップS37において検索されたプログラム起動可否が「○」である場合、又は、ステップS40において検索されたプログラム起動可否が「○」である場合には、プログラム選択部52は、ステップS31において送信された発呼信号、及び、ステップS34において検索されたプログラムIDに対応するプログラムを起動するための起動信号を設定部53へ出力する(ステップS42)。
【0068】
なお、ステップS37において検索されたプログラム起動可否が「×」である場合、又は、ステップS40において検索されたプログラム起動可否が「×」である場合には、プログラム選択部52は、プログラムの起動信号を出力せず、発呼信号に係る呼の切断処理等を行う。
【0069】
設定部53は、プログラム選択部52から出力された発呼信号及び起動信号を取得し、取得された起動信号によって当該起動信号に対応するプログラムを起動する。
続いて、設定部53は、起動されたプログラムによって、発呼信号に予め設定されたパラメータをチェックする(ステップS43)。
予め設定されたパラメータが必要条件を満たしている場合には、設定部53は、起動されたプログラムによって、発呼信号に必要なパラメータの設定を行い(ステップS44)、パラメータの設定が行われた発呼信号を中継サーバ40及び加入者サーバ30を介してIP変換装置20へ送信する(ステップS45)。
【0070】
なお、ステップS43においてパラメータが必要条件を満たしていないと判定された場合には、設定部53は、パラメータの設定を行わず、発呼信号に係る呼の切断処理等を行う。パラメータが必要条件を満たしていないと判定される場合としては、料金決定権の無い事業者による課金指示、非課金指示、課金レート情報が発呼信号のパラメータとして設定されていたり、料金決定権のある事業者による課金レート情報が発呼信号のパラメータとして設定されていない場合等が挙げられる。
【0071】
本発明の実施形態に係るIP電話網1は、相互接続される通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避し、低コストかつ効率的な多数事業者の通信網と相互接続することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。例えば、プログラムの種類は4つに限定されず、3つ以下又は5つ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 IP電話網
10 電話端末
20 IP変換装置
30 加入者サーバ
40 中継サーバ
50A PSTN−GW(ゲートウェイ装置)
50B IP−GW(ゲートウェイ装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP電話網における加入者サーバ、ゲートウェイ装置、加入者サーバによる通信方法及びゲートウェイ装置による通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電話サービスを提供する通信事業者の通信網において、自社の通信網に収容される電話端末と他通信事業者の通信網に収容される電話端末との間の通信を確保すること、及び、自社収容電話端末が任意の国内中継事業者又は国際通信事業者によって提供されるサービスを選択して使用することができること等を目的として、他通信事業者の通信網との相互接続が実施されている。異なる通信事業者の通信網間の相互接続のインタフェース条件については、例えば日本国内ではTTC(Telecommunication Technology Committee)によって標準化されている(非特許文献1参照)。かかる標準化により、通信事業者は、相互接続される通信事業者ごとに当該標準をベースにした接続呼の種類ごとの受信信号(例えば、発呼信号)のチェック条件、送信信号の設定条件等を協議し、合意された条件に基づいてシステム実装を行い、通信網間の相互接続を実施している。
【0003】
多数の通信事業者の通信網と相互接続を行う大規模通信事業者の通信網においては、相互接続される通信網の通信事業者ごとにインタフェース条件を協議してシステムを実装するのは設備コストの増加となるため、汎用的な相互接続インタフェースを予め複数種類用意し、いずれかのインターフェースを用いて接続を行うことによって設備コストの増加を抑止している(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「相互接続用共通インターフェース」、TTC−JJ−90.10
【非特許文献2】「相互接続ガイドブック2」、NTT東日本、[on line]、[平成22年5月20日検索]、インターネット (http://www.ntt-east.co.jp/info-st/conguide/ntt-e2/guide2.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、通信事業者動向としては、IP(Internet Protocol)電話技術の普及が盛んになっている。その理由の1つとして、従来のPSTN網(公衆電話交換回線網)での回線交換方式の場合には通話ごとに1回線を占有するため各回線交換機間ではピーク呼量に耐えうる設備(回線)が必要となり、そのための設備コストがかかること、かつこれら設備(回線)の使用効率が高くないのに対し、IP電話の場合には全通話の呼制御信号パケット、主信号(音声等)パケットがIP電話網を共用するため、通信事業者にとっては設備コストを削減でき、かつそれによりユーザ料金を低減できるといったメリットがあるからである。しかしながら、現状のIP電話の技術としては自IP網内での接続や、IP網とPSTN網との相互接続技術は確立されつつあるが、PSTN網で実現しているような汎用的な通信事業者間相互接続インタフェースの実現手法までは確立されていない。
【0006】
本発明は、前記した事情に鑑みて創案されたものであり、IP電話網において相互接続される通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避し、低コストかつ効率的な多数事業者の通信網と相互接続することが可能なIP電話網における加入者サーバ、ゲートウェイ装置、加入者サーバによる通信方法及びゲートウェイ装置による通信方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網における加入者サーバであって、前記電話端末から発信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、を備え、前記電話端末から発信された発呼信号を前記IP変換装置を介して取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動し、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記ゲートウェイ装置へ送信することを特徴とする。
【0008】
かかる構成によると、自網発信の場合において、加入者サーバは、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいてプログラムを選択して起動し、起動されたプログラムによって発呼信号に必要なパラメータの設定を行うので、通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避することが可能となる。
【0009】
また、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置であって、前記電話端末から送信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、を備え、前記電話端末から送信された前記発呼信号を取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動し、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記他社の通信網へ送信することを特徴とする。
【0010】
かかる構成によると、自網発信の場合において、ゲートウェイ装置は、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいてプログラムを選択して起動し、起動されたプログラムによって発呼信号に必要なパラメータの設定を行うので、通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避することが可能となる。
【0011】
また、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置であって、前記加入者サーバから送信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、前記他社の通信網の通信網IDと、事業形態と、前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶された事業形態データベースと、前記事業形態と、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けて記憶された第一のプログラム起動可否データベースと、を備え、前記他社の通信網から送信された発呼信号を取得し、前記発呼信号の取得によって通信網IDを特定し、特定された前記通信網IDに基づいて前記事業形態データベースを参照することによって、特定された前記通信網IDに対応する事業者ID及びプログラムIDを検索し、検索された前記事業形態、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第一のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業形態及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索し、検索された前記プログラムの起動可否が起動可を示すものである場合に、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動し、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記加入者サーバへ送信することを特徴とする。
【0012】
かかる構成によると、他社網発信かつ自網着信の場合において、ゲートウェイ装置は、発呼信号に含まれる通信網IDに基づいてプログラムを選択して起動し、起動されたプログラムによって発呼信号に必要なパラメータの設定を行うので、通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避することが可能となる。
【0013】
前記事業形態データベースには、さらに事業者IDが前記通信網IDと関連付けて記憶されており、前記ゲートウェイ装置は、前記事業形態ごとに、前記事業者IDと、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けられた第二のプログラム起動可否データベースをさらに備え、前記事業形態及び前記プログラムIDに加えて前記事業者IDを検索し、前記第一のプログラム起動可否データベースにおいて検索された前記プログラムの起動可否が再検索を示すものである場合に、検索された前記事業者ID、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第二のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業者ID及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索する構成であってもよい。
【0014】
かかる構成によると、他社網発信かつ自網着信の場合において、ゲートウェイ装置は、さらに発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいてプログラムを選択して起動し、起動されたプログラムによって発呼信号に必要なパラメータの設定を行うので、通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避することが可能となる。
【0015】
また、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網における加入者サーバによる通信方法であって、前記加入者サーバは、前記電話端末から発信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、を備えており、前記加入者サーバが、前記電話端末から発信された発呼信号を前記IP変換装置を介して取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出するステップと、前記加入者サーバが、抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索するステップと、前記加入者サーバが、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動するステップと、前記加入者サーバが、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記ゲートウェイ装置へ送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法であって、前記ゲートウェイ装置は、前記電話端末から送信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、を備え、前記ゲートウェイ装置が、前記電話端末から送信された前記発呼信号を取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出するステップと、前記ゲートウェイ装置が、抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索するステップと、前記ゲートウェイ装置が、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動するステップと、前記ゲートウェイ装置が、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記他社の通信網へ送信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法であって、前記ゲートウェイ装置は、前記加入者サーバから送信された前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、前記他社の通信網の通信網IDと、事業形態と、前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶された事業形態データベースと、前記事業形態と、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けて記憶された第一のプログラム起動可否データベースと、を備え、前記ゲートウェイ装置が、前記他社の通信網から送信された発呼信号を取得し、前記発呼信号の取得によって通信網IDを特定する第一ステップと、前記ゲートウェイ装置が、特定された前記通信網IDに基づいて前記事業形態データベースを参照することによって、特定された前記通信網IDに対応する事業者ID及びプログラムIDを検索する第二ステップと、前記ゲートウェイ装置が、検索された前記事業形態、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第一のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業形態及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索する第三ステップと、前記ゲートウェイ装置が、検索された前記プログラムの起動可否が起動可を示すものである場合に、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動する第四ステップと、前記ゲートウェイ装置が、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記加入者サーバへ送信する第五ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
前記事業形態データベースには、さらに事業者IDが前記通信網IDと関連付けて記憶されており、前記ゲートウェイ装置は、前記事業形態ごとに、前記事業者IDと、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けられた第二のプログラム起動可否データベースをさらに備え、前記第二ステップにおいて、前記ゲートウェイ装置が、前記事業形態及び前記プログラムIDに加えて前記事業者IDを検索し、前記第三ステップと前記第四ステップとの間に、前記第一のプログラム起動可否データベースにおいて検索された前記プログラムの起動可否が再検索を示すものである場合に、前記ゲートウェイ装置が、検索された前記事業者ID、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第二のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業者ID及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索するステップを含む構成であってもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、IP電話網において相互接続される通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避し、低コストかつ効率的な多数事業者の通信網と相互接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係るIP電話網を模式的に示す図である。
【図2】図1の加入者サーバを示すブロック図である。
【図3】図2のダイヤル番号DBを示す図である。
【図4】図1のゲートウェイ装置(PSTN−GW又はIP−GW)を示すブロック図である。
【図5】図4の事業形態DBを示す図である。
【図6】図4の第一のプログラム起動可否DBを示す図である。
【図7】図4の第二のプログラム起動可否DBを示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るIP電話網の動作例を説明するための図である。
【図9】本発明の実施形態に係るIP電話網の動作例を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態に係るIP電話網の動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。同様の部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。まず、本発明の実施形態に係るIP(Internet Protocol)電話網における通信システム(以下、単に「IP電話網」と記載する)の構成について、図1から図7を参照して説明する。
【0022】
<IP電話網>
図1に示すように、本発明の実施形態に係るIP電話網1は、他事業者PSTN(Public Switched Telephone Network)網2A及び他事業者IP網2Bと通信可能に接続された通信システムであり、複数の電話端末10,10と、各電話端末10,10と通信可能に接続されたIP変換装置20と、IP変換装置20と通信可能に接続された加入者サーバ30と、加入者サーバ30と通信可能に接続された中継サーバ40と、中継サーバ40と通信可能に接続されたPSTN−GW(Public Switched Telephone Network - Gate Way)50A及びIP−GW(Internet Protocol - Gate Way)50Bと、を備える。
【0023】
かかるIP電話網1は、他事業者の通信網(他事業者PSTN網2A又は他事業者IP網2B)と通信するために、料金決定権(呼の料金を決定する通信事業者)、ユーザ課金回収及び接続形態により分類される4種のインタフェースに関するプログラムを備え、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に応じて4つのプログラムを使い分ける。
【0024】
第一のプログラムは、自網(IP電話網1)と地域系事業者の通信網とを接続するためのものであり、料金決定権及びユーザ課金回収は自網の通信事業者に設定される。
【0025】
第二のプログラムは、自網と中継系事業者の通信網とを接続するためのものであり、料金決定権及びユーザ課金回収は中継系事業者に設定される。
【0026】
第三のプログラムは、自網と外国の通信網とを接続するためのものであり、一般電話発信の場合には、料金決定権及びユーザ課金回収は国際事業者に設定され、公衆電話発信の場合には、料金決定権は国際事業者に設定されるとともにユーザ課金回収は自網の事業者に設定される。
【0027】
第四のプログラムは、自網と移動体電話とを接続するためのものであり、料金決定権は移動体電話の事業者に設定されるとともにユーザ課金回収は自網の事業者に設定される。
【0028】
≪電話端末≫
電話端末10は、事業所等に設置される据置型の電話機等であり、着呼音等を発するためのスピーカ、受話器が架けられるフック、及び電話番号等を入力するためのボタンを有する本体部と、通話用のマイク及びスピーカを有する受話器と、を備える。電話端末10は、ユーザの操作に応じて、通話先の電話端末の電話番号等からなるダイヤル番号情報を含む発呼信号(呼制御信号の一種)を生成してIP変換装置20へ発信する。
【0029】
≪IP変換装置≫
IP変換装置20は、電話端末10及び加入者サーバ30と通信可能に接続されており、アナログ端末又はISDN端末である電話端末10から送信された呼制御信号、音声信号等をIPパケット化し、IPパケット化済み信号を通話先の電話端末に接続されたIP変換装置へ送信したり、通話先の電話端末に接続されたIP変換装置から送信されたIPパケット化済み信号を受信し、受信されたIPパケット化済み信号を復号して電話端末10へ送信したりする装置であり、電話端末10のユーザ宅内又は通信事業者の局舎内に設置される。なお、IPパケット化された呼制御信号(例えば、発呼信号)は、加入者サーバ、中継サーバ30及びゲートウェイ装置50(PSTN−GW50A又はIPGW−50B)を介して他事業者通信網2A,2Bにおける通話先の電話端末が収容されたIP変換装置へ送信される。
【0030】
≪加入者サーバ≫
加入者サーバ30は、IP変換装置20及び中継サーバ40と通信可能に接続されており、配下に収容する全ての電話端末10のサービス契約情報の管理及び呼状態の管理を行うとともに、配下の電話端末10から送信された発呼信号の送信先(他事業者PSTN網2A又は他事業者IP網2B)を決定したり、配下の一の電話端末10から配下の他の電話端末10へ向けて送信された発呼信号、応答信号等(呼制御信号)を当該他の電話端末10へ転送するためのルーティング処理を行う等といった呼制御を行うサーバである。かかる加入者サーバ30は、予め記憶されたプログラムによって、発呼信号に対して、加入者サーバ30しか知り得ない情報(端末種別情報等)を設定するとともに、後記するPSTN−GW50A及びIP−GW50Bのチェック機能の保険的意味合いで、他事業者通信網2A,2Bから受信した発呼信号等の呼制御信号が、他事業者通信網2A,2Bとの間で合意された条件を満たしているか否かをチェックする。
【0031】
図2に示すように、加入者サーバ30は、機能部として、ダイヤル番号DB31と、プログラム選択部32と、設定部33と、を備える。
【0032】
ダイヤル番号DB31は、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、プログラムIDと、が関連付けて記憶されたデータベースである。図3に示すように、ダイヤル番号情報が0A〜J(0で始まる10桁の数字)である場合には、プログラムIDが「1」である第一のプログラムが選択される。
【0033】
また、ダイヤル番号情報が00XY+0A〜J(00で始まる4桁の数字+0で始まる10桁の数字)である場合には、プログラムIDが「2」である第二のプログラムが選択される。ここで、00XYは、中継事業者に付与されたプレフィクス番号である。
【0034】
また、ダイヤル番号情報が010+国番号+ダイヤル番号である場合には、プログラムIDが「3」である第三のプログラムが選択される。ここで、010は、通話先が外国(国際電話)であることを示すプレフィクス番号である。
【0035】
また、ダイヤル番号情報が0A0C〜K(0A0で始まる11桁の数字)である場合には、プログラムIDが「4」である第四のプログラムが選択される。
【0036】
プログラム選択部32は、電話端末10から発信された発呼信号をIP変換装置20を介して取得し、取得された発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、抽出されたダイヤル番号情報に基づいてダイヤル番号DB31を参照することによって、抽出されたダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、検索された前記プログラムIDに対応するプログラムを起動するための起動信号を設定部33へ出力するとともに、発呼信号を設定部33へ出力する。
【0037】
設定部33は、ダイヤル番号情報の種類ごとのプログラム(本実施形態では、4個)が記憶された記憶部33aを備えており、プログラム選択部32から出力された起動信号及び発呼信号を取得し、取得された起動信号に基づいて、当該起動信号に応じたプログラムを起動し、起動されたプログラムによって、発呼信号に予め設定されたパラメータのチェックを行うとともに、発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた発呼信号を中継サーバ40へ送信する。
【0038】
≪中継サーバ≫
図1に戻り、中継サーバ40は、加入者サーバ30、PSTN−GW50A及びIP−GW50Bと通信可能に接続されており、IP電話網1内の他装置から受信した発呼信号、応答信号等を転送するためのルーティング処理を行う等といった呼制御信号の中継を行うサーバである。
【0039】
≪PSTN−GW≫
PSTN−GW50Aは、中継サーバ40を介して加入者サーバ30と他事業者PSTN網2Aとを通信可能に接続するゲートウェイ装置である。
PSTN−GW50Aは、IP電話網1内の呼制御信号を、他事業者PSTN網2Aとの間で予め合意された条件の信号に変換し、変換された信号を他事業者PSTN網2Aへ送信したり、他事業者PSTN網2Aから送信された呼制御信号を取得し、取得された呼制御信号を、IP電話網1の条件の信号に変換し、変換された信号を中継サーバ40へ送信したりする。
【0040】
≪IP−GW≫
IP−GW50Bは、中継サーバ40を介して加入者サーバ30と他事業者IP網2Bとを通信可能に接続するゲートウェイ装置である。
IP−GW50Bは、IP電話網1内の呼制御信号を、他事業者IP網2Bとの間で予め合意された条件の信号に変換し、変換された信号を他事業者IP網2Bへ送信したり、他事業者IP網2Bから送信された呼制御信号を取得し、取得された呼制御信号を、IP電話網1の条件の信号に変換し、変換された信号を中継サーバ40へ送信したりする。
【0041】
前記したPSTN−GW50A及びIP−GW50Bは、予め記憶されたプログラムによって、発呼信号等の呼制御信号を他事業者通信網2A,2Bとの間で合意された条件で設定するとともに、他事業者通信網2A,2Bから受信した発呼信号等の呼制御信号が、他事業者通信網2A,2Bとの間で合意された条件を満たしているか否かをチェックする。これらPSTN−GW50A及びIP−GW50Bは、信号送信のプロトコルに違いはあるが、機能としては同等であるため、以下、ゲートウェイ装置50としてまとめて説明する。
【0042】
図4に示すように、ゲートウェイ装置50(PSTN−GW50A、IP−GW50B)は、機能部として、ダイヤル番号DB51と、プログラム選択部52と、設定部53と、事業形態DB54と、第一のプログラム起動可否DB55と、第二のプログラム起動可否DB56と、を備える。
【0043】
ダイヤル番号DB51は、前記したダイヤル番号DB31と同様、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、プログラムIDと、が関連付けて記憶されたデータベースである。
【0044】
プログラム選択部52は、前記したプログラム選択部32と同様、加入者サーバ30から送信された発呼信号を中継サーバ40を介して取得し、取得された発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、抽出されたダイヤル番号情報に基づいてダイヤル番号DB51を参照することによって、抽出されたダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、検索された前記プログラムIDに対応するプログラムを起動するための起動信号を設定部53へ出力するとともに、発呼信号を設定部53へ出力する。
【0045】
設定部53は、前記した設定部33と同様、ダイヤル番号情報の種類ごとのプログラム(本実施形態では、4個)が記憶されたプログラム記憶部53aを備えており、プログラム選択部52から出力された起動信号及び発呼信号を取得し、取得された起動信号に基づいて、当該起動信号に応じたプログラムを起動し、起動されたプログラムによって、発呼信号に予め設定されたパラメータのチェックを行うとともに、発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた発呼信号を他事業者の通信網(他事業者PSTN網2A又は他事業者IP網2B)又は中継サーバ40へ送信する。
【0046】
事業形態DB54は、図5に示すように、通信網IDの一例である回線群情報と、事業者IDと、プログラムIDと、事業形態と、が関連付けて記憶されたデータベースである。本実施形態において、事業者の事業形態としては、地域系事業(図5の「a」)、中継事業(図5の「b」)、国際事業、移動体電話電話事業の4つが挙げられる。なお、回線群情報は、通信網がPSTN網である場合の通信網IDであり、ゲートウェイ装置50は、事業者ごとに異なる回線群によって他事業者通信網2A,2Bと通信可能に接続されている。ゲートウェイ装置50は、回線群を介して発呼信号を受信することによって、発呼信号が伝送された回線群に固有の回線群情報を特定することができる。なお、通信網がIP網である場合には、発呼信号の送信元のIPアドレス等といった発側の事業者を特定することが可能な情報を通信網IDとして利用可能である。
【0047】
第一のプログラム起動可否DB55は、図6に示すように、事業形態と、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けて記憶されたデータベースである。ここで、「○」は、プログラムの起動可否が起動可であることを示し、「△」は、プログラムの起動可否が第二のプログラム起動可否DB56を参照して決定されること(再検索)を示し、図6には記載されていないが、「×」は、プログラムの起動可否が起動不可であることを示す。かかる第一のプログラム起動可否DB55は、他事業者通信網2A,2Bの事業者の事業形態によって着信を非許容とする着番号(発呼信号に含まれるダイヤル番号情報)が想定されることを鑑みて、着番号及び事業形態ごとに着信の許容・非許容を判定するためのデータベースである。例としては、国際電話において着番号がフリーダイヤルの場合(国番号の後に0120が含まれる)には着信を非許容とすることが挙げられる。
【0048】
第二のプログラム起動可否DB56は、図7に示すように、事業形態ごとに、事業者IDと、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けて記憶されたデータベースである(図7には、事業形態が「a」の分のみを図示)。ここで、「○」は、プログラムの起動可否が起動可であることを示し、「×」は、プログラムの起動可否が起動不可であることを示す。かかる第二のプログラム起動可否DB56は、事業者によって着信を非許容とする着番号が想定されることを鑑みて、着番号及び事業者ごとに着信の許容・非許容を判定するためのデータベースである。例としては、着番号が104(番号案内)の場合には、事業者ごとに着信を許容するか否かが決められている。
【0049】
プログラム選択部52は、他事業者PSTN網2A又は他事業者IP網2Bから送信された発呼信号を取得した場合には、前記したDB54〜56を参照することによって起動すべきプログラムを選択する(詳しい動作例については後記する)。
【0050】
<動作例>
続いて、本発明の実施形態に係るIP電話網1の動作例について、自網発信の場合、他網発信かつ自網着信の場合、の順に説明する。
【0051】
≪自網発信≫
まず、自網発信の場合における加入者サーバ30の動作例について、図8を参照して説明する(適宜図1参照)。ユーザが電話端末10を操作すると、電話端末10は、発呼信号をIP変換装置20を介して加入者サーバ30へ発信する。続いて、加入者サーバ30のプログラム選択部32は、電話端末10から発信されてIP変換装置20によってパケット化されたSIP(Session Initiation Protocol)信号としての発呼信号を取得し(ステップS11)、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出する(ステップS12)。
【0052】
続いて、プログラム選択部32は、抽出されたダイヤル番号情報に基づいてダイヤル番号DB31を参照することによって、抽出されたダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索する。詳細には、プログラム選択部32は、抽出されたダイヤル番号情報をキーとしてダイヤル番号DB31へ問い合わせ信号を出力し(ステップS13)、問い合わせ信号に含まれるダイヤル番号情報をキーとしてDB内を検索し(ステップS14)、ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索結果として取得する(ステップS15)。
【0053】
続いて、プログラム選択部32は、ステップS11において発信された発呼信号、及び、取得されたプログラムIDに対応するプログラムを起動するための起動信号を設定部33へ出力する(ステップS16)。
【0054】
設定部33は、プログラム選択部32から出力された発呼信号及び起動信号を取得し、取得された起動信号によって当該起動信号に対応するプログラムを起動する。
続いて、設定部33は、起動されたプログラムによって、発呼信号に予め設定されたパラメータをチェックする(ステップS17)。
予め設定されたパラメータが必要条件を満たしている場合には、設定部33は、起動されたプログラムによって、発呼信号に必要なパラメータの設定を行い(ステップS18)、パラメータの設定が行われた発呼信号を中継サーバ40を介してゲートウェイ装置50(PSTN−GW50A又はIP−GW50B)へ送信する(ステップS19)。
【0055】
なお、ステップS17においてパラメータが必要条件を満たしていないと判定された場合には、設定部33は、パラメータの設定を行わず、発呼信号に係る呼の切断処理等を行う。パラメータが必要条件を満たしていないと判定される場合としては、料金決定権の無い事業者による課金指示、非課金指示、課金レート情報が発呼信号のパラメータとして設定されていたり、料金決定権のある事業者による課金レート情報が発呼信号のパラメータとして設定されていない場合等が挙げられる。
【0056】
ステップS18におけるパラメータの設定としては、電話端末10の種別に関する情報(端末種別情報)の設定、発番号非通知呼(発呼信号のダイヤル番号情報の先頭に184がある場合)における発番号非通知の設定等が挙げられる。
【0057】
次に、自網発信の場合におけるゲートウェイ装置50の動作例について、図9を参照して説明する(適宜図1参照)。ゲートウェイ装置50のプログラム選択部52は、前記したステップS19において加入者サーバ30の設定部33から送信された発呼信号を取得し(ステップS21)、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出する(ステップS22)。
【0058】
続いて、プログラム選択部52は、抽出されたダイヤル番号情報に基づいてダイヤル番号DB51を参照することによって、抽出されたダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索する。詳細には、プログラム選択部52は、抽出されたダイヤル番号情報をキーとしてダイヤル番号DB51へ問い合わせ信号を出力し(ステップS23)、問い合わせ信号に含まれるダイヤル番号情報をキーとしてDB内を検索し(ステップS24)、ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索結果として取得する(ステップS25)。
【0059】
続いて、プログラム選択部52は、ステップS21において発信された発呼信号、及び、取得されたプログラムIDに対応するプログラムを起動するための起動信号を設定部53へ出力する(ステップS26)。
【0060】
設定部53は、プログラム選択部52から出力された発呼信号及び起動信号を取得し、取得された起動信号によって当該起動信号に対応するプログラムを起動する。
続いて、設定部53は、起動されたプログラムによって、発呼信号に予め設定されたパラメータをチェックする(ステップS27)。
予め設定されたパラメータが必要条件を満たしている場合には、設定部53は、起動されたプログラムによって、発呼信号に必要なパラメータの設定を行い(ステップS28)、パラメータの設定が行われた発呼信号を他事業者PSTN網2A又は他事業者IP網2Bへ送信する(ステップS29)。
【0061】
なお、ステップS27においてパラメータが必要条件を満たしていないと判定された場合には、設定部53は、パラメータの設定を行わず、発呼信号に係る呼の切断処理等を行う。パラメータが必要条件を満たしていないと判定される場合としては、料金決定権の無い事業者による課金指示、非課金指示、課金レート情報が発呼信号のパラメータとして設定されていたり、料金決定権のある事業者による課金レート情報が発呼信号のパラメータとして設定されていない場合等が挙げられる。
【0062】
ステップS28におけるパラメータの設定としては、PSTN−GW50Aの場合には、IP電話網1の発呼信号(信号形式は、一般的にはSIP(Session Initiation Protocol))を他事業者PSTN網2Aの信号形式(一般的にはISUP(ISDN User Part))に設定する(変換する)ことが挙げられる。また、IP−GW50Bの場合には、IP電話網1の事業者に関する事業者IDの設定等が挙げられる。
【0063】
≪他網発信かつ自網着信≫
続いて、他網発信かつ自網着信の場合におけるゲートウェイ装置50の動作例について、図10を参照して説明する(適宜図1参照)。ゲートウェイ装置50のプログラム選択部52は、他事業者の通信網(他事業者PSTN網2A又は他事業者IP網2B)から送信された発呼信号を取得し(ステップS31)、発呼信号の取得によって通信網IDを特定する(ステップS32)。
【0064】
続いて、プログラム選択部52は、特定された回線群情報に基づいて事業形態DB54を参照することによって、特定された回線群情報に対応する事業者ID、事業者形態及びプログラムIDを検索する。詳細には、プログラム選択部52は、特定された回線群情報をキーとして事業形態DB54へ問い合わせ信号を出力し(ステップS33)、問い合わせ信号に含まれる回線群情報をキーとしてDB内を検索し(ステップS34)、回線群情報に対応する事業者ID、事業者形態及びプログラムIDを検索結果として取得する(ステップS35)。
【0065】
続いて、プログラム選択部52は、発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、抽出されたダイヤル番号情報、及び、取得された事業形態に基づいて第一のプログラム起動可否DB55を参照することによって、プログラムの起動可否を検索する。詳細には、プログラム選択部52は、抽出されたダイヤル番号情報、及び、取得された事業形態をキーとして第一のプログラム起動可否DB55へ問い合わせ信号を出力し(ステップS36)、問い合わせ信号に含まれるダイヤル番号情報及び事業形態をキーとしてDB内を検索し(ステップS37)、ダイヤル番号情報及び事業形態に対応するプログラム起動可否を検索結果として取得する(ステップS38)。
【0066】
続いて、ステップS38において検索されたプログラム起動可否が「△」である場合には、プログラム選択部52は、ダイヤル番号、事業者ID及び事業形態に基づいて第二のプログラム起動可否DB56を参照することによって、プログラムの起動可否をさらに検索する。詳細には、プログラム選択部52は、ダイヤル番号、事業者ID及び事業形態をキーとして第二のプログラム起動可否DB56へ問い合わせ信号を出力し(ステップS39)、問い合わせ信号に含まれるダイヤル番号、事業者ID及び事業形態をキーとしてDB内を検索し(ステップS40)、ダイヤル番号、事業者ID及び事業形態に対応するプログラム起動可否を検索結果として取得する(ステップS41)。
【0067】
続いて、ステップS37において検索されたプログラム起動可否が「○」である場合、又は、ステップS40において検索されたプログラム起動可否が「○」である場合には、プログラム選択部52は、ステップS31において送信された発呼信号、及び、ステップS34において検索されたプログラムIDに対応するプログラムを起動するための起動信号を設定部53へ出力する(ステップS42)。
【0068】
なお、ステップS37において検索されたプログラム起動可否が「×」である場合、又は、ステップS40において検索されたプログラム起動可否が「×」である場合には、プログラム選択部52は、プログラムの起動信号を出力せず、発呼信号に係る呼の切断処理等を行う。
【0069】
設定部53は、プログラム選択部52から出力された発呼信号及び起動信号を取得し、取得された起動信号によって当該起動信号に対応するプログラムを起動する。
続いて、設定部53は、起動されたプログラムによって、発呼信号に予め設定されたパラメータをチェックする(ステップS43)。
予め設定されたパラメータが必要条件を満たしている場合には、設定部53は、起動されたプログラムによって、発呼信号に必要なパラメータの設定を行い(ステップS44)、パラメータの設定が行われた発呼信号を中継サーバ40及び加入者サーバ30を介してIP変換装置20へ送信する(ステップS45)。
【0070】
なお、ステップS43においてパラメータが必要条件を満たしていないと判定された場合には、設定部53は、パラメータの設定を行わず、発呼信号に係る呼の切断処理等を行う。パラメータが必要条件を満たしていないと判定される場合としては、料金決定権の無い事業者による課金指示、非課金指示、課金レート情報が発呼信号のパラメータとして設定されていたり、料金決定権のある事業者による課金レート情報が発呼信号のパラメータとして設定されていない場合等が挙げられる。
【0071】
本発明の実施形態に係るIP電話網1は、相互接続される通信事業者ごとにインタフェースを開発することを回避し、低コストかつ効率的な多数事業者の通信網と相互接続することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。例えば、プログラムの種類は4つに限定されず、3つ以下又は5つ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 IP電話網
10 電話端末
20 IP変換装置
30 加入者サーバ
40 中継サーバ
50A PSTN−GW(ゲートウェイ装置)
50B IP−GW(ゲートウェイ装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網における加入者サーバであって、
前記電話端末から発信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、
前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、
を備え、
前記電話端末から発信された発呼信号を前記IP変換装置を介して取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、
抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、
検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動し、
起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記ゲートウェイ装置へ送信する
ことを特徴とするIP電話網における加入者サーバ。
【請求項2】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置であって、
前記電話端末から送信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、
前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、
を備え、
前記電話端末から送信された前記発呼信号を取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、
抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、
検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動し、
起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記他社の通信網へ送信する
ことを特徴とするIP電話網におけるゲートウェイ装置。
【請求項3】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置であって、
前記加入者サーバから送信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、
前記他社の通信網の通信網IDと、事業形態と、前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶された事業形態データベースと、
前記事業形態と、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けて記憶された第一のプログラム起動可否データベースと、
を備え、
前記他社の通信網から送信された発呼信号を取得し、前記発呼信号の取得によって通信網IDを特定し、
特定された前記通信網IDに基づいて前記事業形態データベースを参照することによって、特定された前記通信網IDに対応する事業者ID及びプログラムIDを検索し、
検索された前記事業形態、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第一のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業形態及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索し、
検索された前記プログラムの起動可否が起動可を示すものである場合に、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動し、
起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記加入者サーバへ送信する
ことを特徴とするIP電話網におけるゲートウェイ装置。
【請求項4】
前記事業形態データベースには、さらに事業者IDが前記通信網IDと関連付けて記憶されており、
前記ゲートウェイ装置は、
前記事業形態ごとに、前記事業者IDと、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けられた第二のプログラム起動可否データベースをさらに備え、
前記事業形態及び前記プログラムIDに加えて前記事業者IDを検索し、
前記第一のプログラム起動可否データベースにおいて検索された前記プログラムの起動可否が再検索を示すものである場合に、検索された前記事業者ID、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第二のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業者ID及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索する
ことを特徴とする請求項3に記載のIP電話網におけるゲートウェイ装置。
【請求項5】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網における加入者サーバによる通信方法であって、
前記加入者サーバは、
前記電話端末から発信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、
前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、
を備えており、
前記加入者サーバが、前記電話端末から発信された発呼信号を前記IP変換装置を介して取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出するステップと、
前記加入者サーバが、抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索するステップと、
前記加入者サーバが、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動するステップと、
前記加入者サーバが、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記ゲートウェイ装置へ送信するステップと、
を含むことを特徴とするIP電話網における加入者サーバによる通信方法。
【請求項6】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法であって、
前記ゲートウェイ装置は、
前記電話端末から送信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、
前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、
を備え、
前記ゲートウェイ装置が、前記電話端末から送信された前記発呼信号を取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出するステップと、
前記ゲートウェイ装置が、抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索するステップと、
前記ゲートウェイ装置が、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動するステップと、
前記ゲートウェイ装置が、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記他社の通信網へ送信するステップと、
を含むことを特徴とするIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法。
【請求項7】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法であって、
前記ゲートウェイ装置は、
前記加入者サーバから送信された前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、
前記他社の通信網の通信網IDと、事業形態と、前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶された事業形態データベースと、
前記事業形態と、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けて記憶された第一のプログラム起動可否データベースと、
を備え、
前記ゲートウェイ装置が、前記他社の通信網から送信された発呼信号を取得し、前記発呼信号の取得によって通信網IDを特定する第一ステップと、
前記ゲートウェイ装置が、特定された前記通信網IDに基づいて前記事業形態データベースを参照することによって、特定された前記通信網IDに対応する事業者ID及びプログラムIDを検索する第二ステップと、
前記ゲートウェイ装置が、検索された前記事業形態、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第一のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業形態及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索する第三ステップと、
前記ゲートウェイ装置が、検索された前記プログラムの起動可否が起動可を示すものである場合に、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動する第四ステップと、
前記ゲートウェイ装置が、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記加入者サーバへ送信する第五ステップと、
を含むことを特徴とするIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法。
【請求項8】
前記事業形態データベースには、さらに事業者IDが前記通信網IDと関連付けて記憶されており、
前記ゲートウェイ装置は、前記事業形態ごとに、前記事業者IDと、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けられた第二のプログラム起動可否データベースをさらに備え、
前記第二ステップにおいて、前記ゲートウェイ装置が、前記事業形態及び前記プログラムIDに加えて前記事業者IDを検索し、
前記第三ステップと前記第四ステップとの間に、前記第一のプログラム起動可否データベースにおいて検索された前記プログラムの起動可否が再検索を示すものである場合に、前記ゲートウェイ装置が、検索された前記事業者ID、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第二のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業者ID及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索するステップを含む
ことを特徴とする請求項7に記載のIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法。
【請求項1】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網における加入者サーバであって、
前記電話端末から発信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、
前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、
を備え、
前記電話端末から発信された発呼信号を前記IP変換装置を介して取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、
抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、
検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動し、
起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記ゲートウェイ装置へ送信する
ことを特徴とするIP電話網における加入者サーバ。
【請求項2】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置であって、
前記電話端末から送信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、
前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、
を備え、
前記電話端末から送信された前記発呼信号を取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出し、
抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索し、
検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動し、
起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記他社の通信網へ送信する
ことを特徴とするIP電話網におけるゲートウェイ装置。
【請求項3】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置であって、
前記加入者サーバから送信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、
前記他社の通信網の通信網IDと、事業形態と、前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶された事業形態データベースと、
前記事業形態と、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けて記憶された第一のプログラム起動可否データベースと、
を備え、
前記他社の通信網から送信された発呼信号を取得し、前記発呼信号の取得によって通信網IDを特定し、
特定された前記通信網IDに基づいて前記事業形態データベースを参照することによって、特定された前記通信網IDに対応する事業者ID及びプログラムIDを検索し、
検索された前記事業形態、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第一のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業形態及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索し、
検索された前記プログラムの起動可否が起動可を示すものである場合に、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動し、
起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記加入者サーバへ送信する
ことを特徴とするIP電話網におけるゲートウェイ装置。
【請求項4】
前記事業形態データベースには、さらに事業者IDが前記通信網IDと関連付けて記憶されており、
前記ゲートウェイ装置は、
前記事業形態ごとに、前記事業者IDと、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けられた第二のプログラム起動可否データベースをさらに備え、
前記事業形態及び前記プログラムIDに加えて前記事業者IDを検索し、
前記第一のプログラム起動可否データベースにおいて検索された前記プログラムの起動可否が再検索を示すものである場合に、検索された前記事業者ID、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第二のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業者ID及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索する
ことを特徴とする請求項3に記載のIP電話網におけるゲートウェイ装置。
【請求項5】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網における加入者サーバによる通信方法であって、
前記加入者サーバは、
前記電話端末から発信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、
前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、
を備えており、
前記加入者サーバが、前記電話端末から発信された発呼信号を前記IP変換装置を介して取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出するステップと、
前記加入者サーバが、抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索するステップと、
前記加入者サーバが、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動するステップと、
前記加入者サーバが、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記ゲートウェイ装置へ送信するステップと、
を含むことを特徴とするIP電話網における加入者サーバによる通信方法。
【請求項6】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法であって、
前記ゲートウェイ装置は、
前記電話端末から送信された発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、
前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報と、当該ダイヤル番号情報に対応する前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶されたダイヤル番号データベースと、
を備え、
前記ゲートウェイ装置が、前記電話端末から送信された前記発呼信号を取得し、取得された前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報を抽出するステップと、
前記ゲートウェイ装置が、抽出された前記ダイヤル番号情報に基づいて前記ダイヤル番号データベースを参照することによって、抽出された前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムIDを検索するステップと、
前記ゲートウェイ装置が、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動するステップと、
前記ゲートウェイ装置が、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記他社の通信網へ送信するステップと、
を含むことを特徴とするIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法。
【請求項7】
複数の電話端末と、当該複数の電話端末と通信可能に接続されたIP変換装置と、前記IP変換装置と通信可能に接続された加入者サーバと、前記加入者サーバと他社の通信網とを通信可能に接続するゲートウェイ装置と、を備えるIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法であって、
前記ゲートウェイ装置は、
前記加入者サーバから送信された前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行うプログラムがダイヤル番号情報の種類ごとに記憶されるプログラム記憶部と、
前記他社の通信網の通信網IDと、事業形態と、前記プログラムのプログラムIDと、が関連付けて記憶された事業形態データベースと、
前記事業形態と、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けて記憶された第一のプログラム起動可否データベースと、
を備え、
前記ゲートウェイ装置が、前記他社の通信網から送信された発呼信号を取得し、前記発呼信号の取得によって通信網IDを特定する第一ステップと、
前記ゲートウェイ装置が、特定された前記通信網IDに基づいて前記事業形態データベースを参照することによって、特定された前記通信網IDに対応する事業者ID及びプログラムIDを検索する第二ステップと、
前記ゲートウェイ装置が、検索された前記事業形態、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第一のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業形態及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索する第三ステップと、
前記ゲートウェイ装置が、検索された前記プログラムの起動可否が起動可を示すものである場合に、検索された前記プログラムIDに対応する前記プログラムを起動する第四ステップと、
前記ゲートウェイ装置が、起動された前記プログラムによって、前記発呼信号に必要なパラメータの設定を行い、パラメータの設定が行われた前記発呼信号を前記加入者サーバへ送信する第五ステップと、
を含むことを特徴とするIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法。
【請求項8】
前記事業形態データベースには、さらに事業者IDが前記通信網IDと関連付けて記憶されており、
前記ゲートウェイ装置は、前記事業形態ごとに、前記事業者IDと、ダイヤル番号情報と、プログラムの起動可否と、が関連付けられた第二のプログラム起動可否データベースをさらに備え、
前記第二ステップにおいて、前記ゲートウェイ装置が、前記事業形態及び前記プログラムIDに加えて前記事業者IDを検索し、
前記第三ステップと前記第四ステップとの間に、前記第一のプログラム起動可否データベースにおいて検索された前記プログラムの起動可否が再検索を示すものである場合に、前記ゲートウェイ装置が、検索された前記事業者ID、及び、前記発呼信号に含まれるダイヤル番号情報に基づいて前記第二のプログラム起動可否データベースを参照することによって、前記事業者ID及び前記ダイヤル番号情報に対応するプログラムの起動可否を検索するステップを含む
ことを特徴とする請求項7に記載のIP電話網におけるゲートウェイ装置による通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−254244(P2011−254244A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126042(P2010−126042)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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