説明

IgEシグナルペプチドおよび/またはIL−15をコードする核酸配列およびそれらを含む組成物およびその使用法

【課題】 IL−15タンパク質配列へ連結された非IL−15シグナルペプチドを含む融合タンパク質、および非IgEタンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質を提供する。
【解決手段】 本発明によれば、IL−15タンパク質へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む非免疫原性融合タンパク質をコードする核酸配列を含む単離された核酸分子、または、IL−15タンパク質へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質をコードする核酸配列を含む単離された核酸分子であって、IgEシグナルペプチドはIL−15と同一の種からの遺伝子からである、単離された核酸分子が提供される。上記核酸分子を含むベクター、上記ベクターを含む宿主細胞、ならびに融合タンパク質をコードする組換えワクチンおよび生弱毒化病原体、そしてそれらを使用する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良されたワクチン、免疫原に対して個体を予防的および/または療法的に免疫化するための改良された方法、そして改良された免疫療法的組成物および改良された免疫療法に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫療法とは、望ましい療法効果を与えるためにヒトの免疫応答を調節することを指している。免疫療法剤とは、個体に投与された場合、望ましくない免疫応答に関連する症状を最終的に減少させるため、あるいは望ましい免疫応答の増加により症状を最終的に緩和するために十分である個体の免疫系を調節する組成物を指している。ある場合、免疫療法は、免疫原(それに対して個体が免疫応答を発生する)へ個体を暴露するワクチンを個体に投与する、ワクチン接種プロトコールの一部である。こうした場合において、免疫療法は、免疫応答を増加させ、および/または、特定の状態、感染または疾患を処置するまたは予防するために望ましい免疫応答(細胞性部門または体液性部門のごとき)の一部を選択的に増進する。
【0003】
ワクチンは、アレルゲン、病原体抗原またはヒト疾患に関与する細胞に関連する抗原のごとき標的抗原に対して、個体を免疫化するために有用である。ヒト疾患に関与する細胞に関連する抗原には、癌関連の腫瘍抗原および自己免疫疾患に関与する細胞に関連する抗原が含まれる。
【0004】
こうしたワクチンを設計することにおいて、ワクチン接種された個体の細胞中で標的抗原を産生するワクチンが、免疫系の細胞性部門を誘導することに有効であると認められてきた。具体的には、生弱毒化ワクチン、非病原性ベクターを使用する組換えワクチン、およびDNAワクチンは、各々、ワクチン接種された個体の細胞中で抗原の産生を導き、免疫系の細胞性部門の誘導を生じる。一方、死菌または不活化ワクチン、そしてタンパク質のみを含むサブユニットワクチンは、体液性応答を誘導するが、良好な細胞性免疫応答を誘導しない。
【0005】
病原体感染に対する防御を提供するため、および病原体感染、癌、自己免疫疾患の処置のために有効な免疫仲介療法を提供するためには、細胞性免疫応答が多くの場合必要である。したがって、生弱毒化ワクチン、非病原性ベクターを使用する組換えワクチンおよびDNAワクチンのごとき、ワクチン接種された個体の細胞中に標的抗原を産生するワクチンが、しばしば好ましい。
【0006】
こうしたワクチンは、病原体感染またはヒト疾患に対して予防的あるいは療法的に個体を免疫化するためにしばしば有効であるが、改良されたワクチンが必要とされている。促進された免疫応答を産生する組成物および方法が必要とされている。
【0007】
同様に、いくつかの免疫療法は、患者の免疫応答を調節するために有用であるが、改良された免疫療法的組成物および方法に対する要求が残っている。
【0008】
遺伝子療法とは、タンパク質によってコードされたタンパク質を必要とする、または利益を得ることが可能な個体への遺伝子の搬送を指している。タンパク質(それに対し個体は十分なおよび/または完全に機能的なタンパク質を産生する、対応する遺伝子を有していない)を搬送するために多くの戦略が開発されてきた。それ故、遺伝子療法は、十分完全に機能する内因性タンパク質の不足を補償している。ある遺伝子療法戦略では、患者に、療法的に有効なタンパク質の量を産生するために設計された構築物を使用して、療法的に有効なタンパク質を提供する。遺伝子療法は、タンパク質療法剤を搬送するための代替法を提供する。改良された遺伝子療法組成物および方法に対する要求が残っている。
【0009】
個体への核酸分子の直接投与に加えて、タンパク質がしばしば搬送される。組換え法によるこうしたタンパク質の産生は、しばしばそれらを製造する最も効果的な方法である。改良されたタンパク質を製造する組成物および方法に対する要求が残っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
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【非特許文献13】Goulder PJ, Sewell AK, Lalloo DG, 1997, HLA A0201を有する二つのヒト組織適合性白血球抗原HLA同一同胞におけるHIV−1特異的細胞障害性Tリンパ球応答の免疫優性パターンは、エピトープ変異により影響される.J Exp Med, 185: 1423-1433 。
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【非特許文献32】Lucey DR., Pinto LA, Bethke, FR., Rusnak J., Mekher GP, Hashemi, FN, Landay, AL., Kessler, HA, Paxton, RJ., Grabstein, K., Shearer GM., 正常ドナーおよびヒト免疫不全ウイルス1型感染患者からの末梢血単核細胞に対するインターロイキン−15のインビトロでの免疫学的およびウイルス学的効果,Clin Diagn Lab Imm, 4: 43-48 。
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【非特許文献36】McCarrick III JW, Parties JR, Seong RH, Solter D, Knowles BB. 1993, マウス胚性幹細胞におけるジフテリア毒素A鎖遺伝子で標的化されている陽性−陰性選択遺伝子,Transgenic Res 2: 183-190 。
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【非特許文献40】Ku, CC., Murakami, M., Sakamoto, A., Kappler, J., Marrack. P., 2000, 対抗するサイトカインによるCD8記憶T細胞のホメオスタシスの制御,Science, 288: 675-678 。
【非特許文献41】Manjunath, N., Shankar,P., Wan,J., Weninger,W., Crowley,MA. Hieshmina, K., Springer,TA., Fan, X., Shen, H., Lieberman, J., von Andrian, UH., 2001,記憶細胞障害性Tリンパ球の発生のためには、エフェクター分化は必須ではない,Journal of Clinical Investigation,108:871-878 。
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【発明の概要】
【0011】
本発明は、免疫原をコードする核酸配列およびIL−15タンパク質配列へ連結された非IL−15シグナル配列を含む融合タンパク質をコードする核酸配列、および所望により、CD40Lをコードする核酸配列、を含む核酸分子を含む組換えワクチン;およびこうした組換えワクチンを個体に投与することを含む、免疫原に対する個体を免疫化する方法に関する。
【0012】
本発明は、IL−15タンパク質配列へ連結された非IL−15シグナル配列を含む融合たんぱく質をコードする核酸配列、および所望により、CD40Lをコードする核酸配列を含む核酸分子、を含む生弱毒化病原体;個体を免疫化する方法;およびこうした生弱毒化病原体を個体に投与することを含む、病原体に対して個体を免疫化する方法に関する。
【0013】
本発明は、IL−15タンパク質をコードする核酸配列およびCD40Lタンパク質をコードする核酸配列、および所望により、免疫原をコードする核酸配列を含む単離された核酸分子に関する。
【0014】
本発明は、IL−15タンパク質配列をコードする核酸配列を含む核酸分子およびCD40Lタンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子、そして免疫原をコードする核酸分子を、どちらかまたは両方の核酸分子上に含む組成物に関する。
【0015】
本発明は、IL−15タンパク質をコードする核酸配列およびCD40Lタンパク質をコードする核酸配列を含む、一つまたはそれより多い核酸分子を含む組成物を個体に投与することを含む、個体において免疫応答を調節する方法に関する。多様な異なったタンパク質をコードする多様な核酸配列は、同一核酸分子および/または異なった核酸分子、あるいは両方に存在することができる。
【0016】
本発明は、IL−15タンパク質配列をコードする核酸配列および免疫原をコードする核酸配列、およびCD40Lタンパク質をコードする核酸配列を含む一つまたはそれより多い核酸分子を含む組成物を個体に投与することを含む、個体において免疫原に対する免疫応答を誘導する方法に関する。多様な異なるタンパク質をコードする多様な核酸配列は、同一核酸分子および/または異なる核酸分子、あるいはその組合せに存在することができる。
【0017】
本発明は、免疫原をコードする核酸配列、IL−15タンパク質配列をコードする核酸配列およびCD40Lをコードする核酸配列を含む核酸分子、を含む組換えワクチン;そしてこうした組換えワクチンを個体に投与することを含む、免疫原に対して個体を免疫化する方法に関する。
【0018】
本発明は、IL−15タンパク質配列をコードする核酸配列およびCD40Lをコードする核酸配列を含む核酸分子を含む生弱毒化病原体;そしてこうした生弱毒化病原体を個体に投与することを含む、病原体に対して個体を免疫化する方法に関する。
【0019】
本発明は、非IgEタンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドからなる融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子に関し、ここにおいてIgEシグナルペプチドおよび非IgEタンパク質配列は同一動物種に由来する。
【0020】
本発明は、非IgEタンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドからなる融合タンパク質をコードする核酸配列を含むインビトロ宿主細胞で機能可能な発現ベクターを含むインビトロ宿主細胞培養;こうした核酸分子;そしてこうしたベクターを含む宿主細胞に関する。
【0021】
本発明は、発現に必要とされる制御要素へ機能可能なように連結された非IgEタンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質をコードする核酸配列、および発現に必要とされる制御要素へ機能可能なように連結された免疫原をコードする核酸配列を含む核酸分子に関する。
【0022】
本発明は、非IgEタンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子および免疫原をコードする核酸配列を含む核酸分子、を含む組成物に関し、ここにおいて融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子は、免疫原をコードする核酸配列を含む核酸分子と同一ではない。
【0023】
本発明は、非IgEタンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む単離された融合タンパク質に関する。
【0024】
本発明は、免疫調節タンパク質へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子を含む組成物を、個体に投与することを含む、個体において免疫応答を調節する方法に関する。
【0025】
本発明は、免疫調節タンパク質へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質をコードする核酸配列および免疫原をコードする核酸配列、を含む核酸分子を個体に対する投与することを含む、個体において免疫原に対する免疫応答を誘導する方法に関する。異なったタンパク質の多様なコード配列は、同一核酸分子および/または異なった核酸分子に存在することができる。
【0026】
本発明は、免疫原をコードする核酸配列および免疫調節タンパク質へ連結されたIgEシグナル配列を含む融合タンパク質をコードする核酸配列、を含む核酸分子を含む組換えワクチン;そしてこうした組換えワクチンを個体に投与することを含む、免疫原に対して個体を免疫化する方法に関する。
【0027】
本発明は、免疫調節タンパク質へ連結されたIgEシグナル配列を含む融合タンパク質をコードする核酸配列、を含む核酸分子を含む生弱毒化病原体;そしてこうした生弱毒化病原体を個体に投与することを含む、病原体に対して個体を免疫化する方法に関する。
【0028】
本発明は、IL−15タンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子;こうした核酸分子を含むベクター;そしてこうしたベクターを含む宿主細胞に関する。
【0029】
本発明は、IL−15タンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質に関する。
【0030】
本発明は、IL−15タンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子、および免疫原をコードする核酸配列を含む核酸分子を含む、組成物に関する。所望により、CD40Lをコードする核酸配列は、融合タンパク質および/または免疫原をコードする核酸配列を含む核酸分子中、あるいは別の核酸分子中に存在することができる。
【0031】
本発明は、IL−15タンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質をコードする核酸配列、および所望により、CD40Lをコードする核酸配列を含む、一つまたはそれより多い核酸分子を含む組成物を個体に対する投与することを含む、個体において免疫応答を調節する方法に関する。多様な異なったタンパク質をコードする多様な核酸配列は、同一核酸分子および/または異なった核酸分子、あるいは両方に存在することができる。
【0032】
本発明は、IL−15タンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質をコードする核酸配列、免疫原をコードする核酸配列、そして所望により、CD40Lをコードする核酸配列を含む、一つまたはそれより多い核酸分子を含む組成物を個体に対する投与することを含む、個体において免疫原に対する免疫応答を誘導する方法に関する。多様な異なったタンパク質をコードする多様な核酸配列は、同一核酸分子および/または異なった核酸分子またはその組み合わせに存在することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1はIL−15およびCD3に対するモノクローナル抗体でヒトPBMCを刺激した後のIFN−γの産生を示している、実施例1からのデータを示す。PBMCは、三重療法(HAART)で処置されているHIV−1慢性感染対象から得た。すべてのドナーのウイルス量は500コピー/ml以下であり、そしてそのCD計数は500細胞/mlより上であった。エフェクタ−機能の指標として、IL−15がIFN−γ産生を増進しているかどうかを決定するため、細胞をIL−15および抗CD3で刺激し、そして標準ELIspotアッセイにより分析した。
【図2】図2はIL−15およびCD3に対するモノクローナル抗体でのヒトPBMC刺激後のIFN−γの産生が主にCD8仲介であることを示している、実施例1からのデータを示す。図1で説明されたように、三重療法(HAART)で処置されているHIV−1慢性感染対象からのPBMCのCD4かまたはCD8を枯渇させ、そして次ぎにIL−15および抗CD3で刺激し、そして標準ELIspotアッセイにより分析した。
【図3A】図3A、3B、3Cおよび3Dは、HIV−1ペプチドおよびIL−15でのヒトPBMC刺激後のIFN−γの抗原特異的産生を示している、実施例1からのデータを示す。三重療法(HAART)で処置されているHIV−1慢性感染対象から得たPBMCを、25ng/mlのIL−15(図3Aおよび3C)およびIL−15と組み合わせたHIV−1 Gagタンパク質(図3Bおよび3C)に応答してIFN−γを分泌する能力で、標準ELIspotアッセイにより分析した。
【図3B】図3A、3B、3Cおよび3Dは、HIV−1ペプチドおよびIL−15でのヒトPBMC刺激後のIFN−γの抗原特異的産生を示している、実施例1からのデータを示す。三重療法(HAART)で処置されているHIV−1慢性感染対象から得たPBMCを、25ng/mlのIL−15(図3Aおよび3C)およびIL−15と組み合わせたHIV−1 Gagタンパク質(図3Bおよび3C)に応答してIFN−γを分泌する能力で、標準ELIspotアッセイにより分析した。
【図3C】図3A、3B、3Cおよび3Dは、HIV−1ペプチドおよびIL−15でのヒトPBMC刺激後のIFN−γの抗原特異的産生を示している、実施例1からのデータを示す。三重療法(HAART)で処置されているHIV−1慢性感染対象から得たPBMCを、25ng/mlのIL−15(図3Aおよび3C)およびIL−15と組み合わせたHIV−1 Gagタンパク質(図3Bおよび3C)に応答してIFN−γを分泌する能力で、標準ELIspotアッセイにより分析した。
【図3D】図3A、3B、3Cおよび3Dは、HIV−1ペプチドおよびIL−15でのヒトPBMC刺激後のIFN−γの抗原特異的産生を示している、実施例1からのデータを示す。CD8を枯渇させ、そしてHIV−1ペプチドおよびIL−15での刺激後のIFN−γ産生を同様に評価した(図3D)。
【図4】図4、パネルA、BおよびCは、HIV−1 DNAワクチンおよびIL−15で免疫化後の、HIV−1抗原特異的細胞性免疫応答を示している、実施例1からのデータを示す。Balb/cマウスは、50μgのpCenvまたはpCgagと共に50μgのpIL−15、IL−15発現プラスミドを、0および2週目に同時注射した。脾臓細胞を、最終免疫化の2週間後に採取した。図4、パネルAにおいて、HIV−1外被組換えワクシニア感染P815細胞に対するCTL活性を、標準クロム放出アッセイにより、脾臓細胞を試験した。図4、パネルBにおいて、HIV−1抗原特異的ケモカイン分泌のレベルを分析した。脾臓細胞は、HIV−1外被組換えワクシニア感染P815細胞で刺激した。3日目に上清を採取し、MIP−1βの分泌を試験した。図4、パネルCにおいて、IFN−ガンマの抗原特異的分泌のレベルを評価した。脾臓細胞を5x10細胞/mlの濃度で再懸濁した。100μlを96ウェルマイクロタイター平底プレートの各ウェルへ加えた。組換えp24タンパク質をウェルに三通りで加えると、5μg/mlおよび1μg/mlの最終濃度を生じる。細胞は5%CO中、37℃で3日間インキュベートし、そして上清を採取した。分泌されたサイトカインのレベルは、商業的に入手可能なELISAキットを使用して決定した。
【図5】図5、パネルAおよびBは、Th1サイトカインの細胞内染色を示している、実施例1からのデータを示す。マウスにpCgag単独かまたはpCgagにpIL−15を加えたものを2回注射した。一週間後、脾臓細胞を採取し、そしてp55ペプチドプール(11aaの重複でHIV−1 p55に広がる122の15merを含んでいる)およびブレフェルジンAを含んでいる培地中で5時間、インビトロで培養した。刺激後、細胞を、抗マウスCD3および抗マウスCD8抗体で細胞外から、そして次ぎに抗マウスで細胞内的に染色した。図5、パネルAはIFN−γのデータを示している。図5、パネルBは、腫瘍壊死因子−αのデータを示している。ドットプロットはCD3+/CD8+リンパ球からの応答を示している。
【図6】図6は、マウスTヘルパー細胞増殖アッセイにおける、実施例1からのデータを示す。Balb/cマウスは、0および2週目に、50μgのpCgagまたはpCenv、およびIL−2R依存性Th1サイトカインIL−2またはIL−15を発現する50μgのプラスミドを同時ワクチン接種した。5x10細胞を含んでいる100μlを直ちに96ウェルマイクロタイター平底プレートの各ウェルへ加えた。組換えp24タンパク質をウェルに三通りで加えると、5μg/mlおよび1μg/mlの最終濃度を生じる。刺激指数を決定した。自発的カウントウェルは無関係タンパク質対照として働く10%ウシ胎児血清を含んでいる。同様に、pCGagまたは対照は、無関係gp120タンパク質に対して1のSIを常に有している。細胞が健康であるのを確かめるため、PHAまたはconA(Sigma)をポリクローナル刺激物質陽性対照として使用した。
【図7】図7は、DNAワクチンpCgagでの免疫化後の、Balb/cマウスにおけるGagのエピトープマッピングにおける、実施例1からのデータを示す。Balb/cマウスは、0および2週目に、50μgのpCgagおよび50μgのpIL−15プラスミドまたは、遺伝子IL−15を発現するベクター主鎖あるいはベクター主鎖とを同時注射した。脾臓細胞を単離し、そして一連のペプチドを使用する標準ELISPOTアッセイ用に設定した。ペプチドを、マトリックス形式で一連の22のプールに混合し、IFN−γを産生するように細胞を活性化する能力で試験した。
【図8】図8、パネルA、BおよびCは、CD4ノックアウトマウス由来の脾臓細胞刺激後の、IFN−γの産生を示している、実施例1からのデータを示す。図8、パネルAにおいて、Balb/cマウスは、50μgのpCenvまたはpCgagと共に50μgのpIL−15、IL−15発現プラスミドを、0および2週目に同時注射した。脾臓細胞を、最終免疫化の2週間後に採取し、そしてELISPOTによりIFN−γのHIV−1特異的産生を試験した。図8、パネルBにおいては、Cd4tm1Kmvマウスを、IL−15と共にまたはなしで、pCgagで免疫した。図8、パネルBにおいては、Cd4tm1Kmvマウスを、IL−15かまたはCD40L、またはその両方と組み合わせたpCgagで免疫した。脾臓細胞を最終免疫化の2週間後に採取し、そしてHIV−1 Gagペプチドでのインビトロ刺激後に、IFN−ガンマのHIV−1 Gag特異的産生をアッセイした。
【図9】図9は、ワクチン部位でのIL−15およびCD40Lの局所的産生が、CD8エフェクターT細胞の拡大のためのT細胞支援の要求性と置換可能であることを示している、実施例2のデータを示す。
【図10】図10は実施例3に示した開示を参照されたい。
【図11】図11は実施例3に示した開示を参照されたい。
【図12】図12、パネルA−Cは実施例3に示した開示を参照されたい。
【図13】図13、パネルA−Bは実施例3に示した開示を参照されたい。
【図14】図14は実施例3に示した開示を参照されたい。
【図15】図15は実施例3に示した開示を参照されたい。
【図16】図16は実施例4に示した開示からのデータを参照されたい。
【発明を実施するための形態】
【0034】
好ましい態様の詳細な説明
定義
本明細書において、用語「標的タンパク質」とは、免疫応答のための標的タンパク質として働く本発明の遺伝子構築物によりコードされているペプチドとタンパク質を指すことを意味する。用語「標的タンパク質」および「免疫原」は同義的に用いられ、免疫応答を惹起可能であるタンパク質を指している。標的タンパク質は、病原体または、癌細胞のごとき望ましくない細胞型あるいは免疫応答が望まれる自己免疫疾患に関与する細胞からのタンパク質と、少なくとも一つのエピトープを共有する免疫原性タンパク質である。標的タンパク質に対する免疫応答は、標的タンパク質が関連する特定の感染または疾患に対して個体を保護するおよび/または個体を処置するであろう。
【0035】
本明細書において、用語「遺伝子の構築物」とは、標的タンパク質または免疫調節タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むDNAまたはRNA分子に関する。コード配列は、核酸分子が投与された個体の細胞中での発現を指示可能なプロモーターおよびポリアデニル化シグナルを含む制御要素に機能可能であるように連結された開始および終止シグナルを含む。
【0036】
本明細書において、用語「発現可能形」とは、個体の細胞中に存在する場合にコード配列が発現されるであろうように、標的タンパク質または免疫調節タンパク質をコードしているコード配列へ機能可能なように連結された必須制御要素を含んでいる遺伝子構築物を指している。
【0037】
本明細書において、用語「エピトープを共有している」とは、別のタンパク質のエピトープと同一であるまたは実質的に同じである少なくとも一つのエピトープを含むタンパク質を指している。
【0038】
本明細書において、用語「実質的に同じであるエピトープ」とは、タンパク質のエピトープとは同一の構造を持ってはいないが、それにも関わらず、そのタンパク質と交叉反応する細胞性または体液性免疫応答を引き起こすエピトープを指すことを意味している。
【0039】
本明細書において、用語「細胞内病原体」とはその生殖または生活環の少なくとも一部で、宿主細胞内に存在し、そしてその中で病原性タンパク質を産生するまたは産生を引き起こすウイルスまたは病原性生物体を指すことを意味している。
【0040】
本明細書において、用語「過増殖性疾患」とは細胞の過増殖により特徴付けられるような疾患および障害を指していることを意味している。
【0041】
本明細書において、用語「過増殖性関連タンパク質」とは過増殖性疾患に関連するタンパク質を指していることを意味している。
【0042】
本明細書において、用語「免疫調節タンパク質」とは、免疫調節タンパク質が搬送されるヒトの免疫システムを調節するタンパク質を指している。免疫調節タンパク質の例には次のものが含まれる:IL−15、CD40L、TRAIL;TRAILrecDRC5、TRAIL−R2、TRAIL−R3、TRAIL−R4、RANK、RANK LIGAND、Ox40、Ox40 LIGAND、NKG2D、F461811またはMICA、MICB、NKG2A、NKG2B、NKG2C、NKG2E、NKG2F、CD30、CD153(CD30L)、Fos、c−jun、Sp−1、Ap1、Ap−2、p38、p65Rel、MyD88、IRAK、TRAF6、IkB、NIK、SAP K、SAP1、JNK2、JNK1B2、JNK1B1、JNK2B2、JNK2B1、JNK1A2、JNK2A1、JNK3A1、JNK3A2、NF−カッパ−B2、p49スプライス形、NF−カッパ−B2、p100スプライス形、NF−カッパ−B2、p105スプライス形、NF−カッパ−B 50K鎖前駆体、NFkB p50、ヒトIL−1 α、ヒトIL−2、ヒトIL−4、マウスIL−4、ヒトIL−5、ヒトIL−10、ヒトIL−15、ヒトIL−18、ヒトTNF−α、ヒトTNF−β、ヒトインターロイキン12、MadCAM−1、NGF IL−7、VEGF、TNF−R、Fas、CD40L、IL−4、CSF、G−CSF、GM−CSF、M−CSF、LFA−3、ICAM−3、ICAM−2、ICAM−1、PECAM、P150.95、Mac−1、LFA−1、CD34、RANTES、IL−8、MIP−1α、E−セレクトン、CD2、MCP−1、L−セレクトン、P−セレクトン、FLT、Apo−1、Fas、TNFR−1、p55、WSL−1、DR3、TRAMP、Apo−3、AIR、LARD、NGRF、DR4(TRAIL)、DR5、KILLER、TRAIL−R2、TRICK2、DR6、ICE、VLA−1およびCD86(B7.2)。
【0043】
概説
本発明は以下の発見に起因する。1)IL−15タンパク質発現レベルは、発現されるIL−15タンパク質が、「一部切除されている(truncated)」IL−15タンパク質であろうと、あるいは非IL−15シグナルペプチド、特にIgEシグナルペプチドに連結されたIL−15タンパク質配列を含む融合タンパク質であろうと、IL−15シグナルペプチドが存在しない場合により高い。IL−15シグナルペプチドを含まないIL−15タンパク質は、「一部切除されている」IL−15タンパク質であろうと、非IL−15シグナルペプチド、特にIgEシグナルペプチドに連結されたIL−15タンパク質配列を含む融合タンパク質であろうと、ワクチンにおいてそして免疫調節タンパク質として、IL−15タンパク質の搬送のための構築物において特に有用である。2)CD40Lと組み合わされたIL−15の搬送を含む、ワクチンおよび免疫調節組成物は特に有用である。3)IgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質は増進された発現を容易にし、そして中でも、タンパク質産生、ワクチンおよび免疫調節タンパク質ごときタンパク質の搬送のための遺伝子治療学において特に有用である。いくつかの好ましい態様において、本発明は、IL−15シグナルペプチドを含まないそして好ましくはIL−15コザック(Kozak)領域および非翻訳領域を含まない、ヒトIL−15コード配列を含むタンパク質;あるいはヒトIL−15コード配列が非IL−15シグナルペプチド、好ましくはIgEシグナル配列と共に提供されている融合タンパク質、をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む、ベクター、ワクチンおよび免疫調節組成物および方法を提供する。IL−15コード配列は、好ましくはIL−15コード配列を含まず、そして好ましくはIL−15コザック領域および非翻訳領域を含んでいない。いくつかの好ましい態様において、本発明は、IL−15シグナルペプチド含んでいないIL−15タンパク質、あるいはヒトCD40Lをコードするヌクレオチド配列と組み合わされた、IgEシグナルペプチドのごとき非IL−15シグナルペプチドに連結されたIL−15タンパク質配列を含む融合タンパク質のごとき、IL−15をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む、ベクター、ワクチンおよび免疫調節組成物および方法を提供する。IL−15コード配列は、好ましくはIL−15コード配列を含まず、そして好ましくはIL−15コザック領域および非翻訳領域を含んでいない。いくつかの好ましい態様において、本発明は、IgEシグナルペプチドが非IgEタンパク質配列、好ましくはヒトIL−15タンパク質配列へ連結された融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む、ベクター、ワクチンおよび免疫調節組成物および方法を提供する。
【0044】
非IgEタンパク質と連結されたIgEシグナル配列を含む融合タンパク質およびその配列をコードする遺伝子構築物
本発明の一般的側面は、非IgEタンパク質と連結されたIgEシグナル配列を含む融合タンパク質および、その配列をコードする遺伝子構築物、そして発現ベクター、ワクチンおよび免疫調節組成物におけるこうした構築物の使用に関する。この側面に関していくつかの異なった態様および形態が提供される。
【0045】
いくつかの態様に従うと、非IgEタンパク質配列に機能可能であるように連結されたIgEシグナル配列を含む融合タンパク質をコードする核酸配列を含む単離された核酸分子を含む組成物が提供される。
【0046】
非IgEタンパク質の性質は、構築物の意図された使用に依存する。例えば、遺伝子療法態様のためには、タンパク質配列は、機能するまたは完全に機能するタンパク質の十分な量が患者には欠乏しているタンパク質のごとき、望まれるタンパク質の配列であろう。この型の例には、DNAseのごとき酵素、成長ホルモン(ヒト、ウシ、ブタ)のごとき成長因子、凝固因子、インスリン、ジストロフィンなどが含まれる。望まれるタンパク質はまた、患者で発現された場合、エリスロポエチン、IL−2、GM−CSF、TPAなどのごとき、治療的な利益を提供するものであることができる。いつくかの態様において、非IgEタンパク質配列は免疫原である。こうした構築物は、免疫原の発現が免疫応答の標的として提供されるワクチンにおいて有用である。いくつかの態様において、非IgEタンパク質配列は免疫調節タンパク質である。こうした構築物は、免疫原の発現が免疫応答の標的として提供されるワクチン、ならびに望まれる効果が、患者の免疫系または、処置されている患者の状態に依存して上方制御または下方制御された免疫系の特定の側面を有するための免疫調節組成物、において有用である。免疫系を上方制御する免疫調節剤は、例えば、免疫抑制または感染性疾患を罹患している患者を処置するために有用であり、一方、免疫系を下方制御する剤は、例えば、免疫抑制が望まれる自己免疫疾患、臓器移植、移植組織片または細胞療法を受けている患者を処置するために有用である。いくつかの態様において、IgEシグナルペプチドを、IgEタンパク質の産生が望まれるシステムにおける使用のために、非IgEタンパク質配列に連結する。好ましい態様において、IgEシグナルペプチドは、それが連結されるタンパク質配列と同一の動物種から誘導する。好ましい方法において、こうした構築物を投与されている動物は、IgEシグナルペプチドおよびタンパク質配列が誘導された動物と同一種である。こうした融合タンパク質は、非免疫性であると考えられるであろう。
【0047】
いくつかの態様において、免疫調節タンパク質である非IgEタンパク質配列に連結された、IgEシグナルのコード配列を含む構築物を含む組成物はまた、免疫原をコードする核酸配列である同一の核酸分子または異なる核酸分子も含むことができる。一般に、以下に議論される免疫原は、アレルゲン、病原体抗原、癌関連抗原または自己免疫疾患に関連する細胞に連結された抗原を含む任意の免疫原性タンパク質である。好ましい態様において、免疫原は病原体抗原、最も好ましくは、HIV、HSV、HCVおよびWNVから成る群より選択された病原体である。
【0048】
上で述べたように、非IgEタンパク質配列は、好ましくはIL−15タンパク質、より好ましくはIL−15シグナル配列を含まないIL−15タンパク質、より好ましくはIL−15シグナル配列を含まず、IL−15コザック領域を含まずそしてIL−15非翻訳領域配列を含まないIL−15タンパク質である。いくつかの好ましい態様において、こうした組成物は、さらにCD40Lをコードするヌクレオチド配列を含む。このヌクレオチド配列は、融合タンパク質として同一の核酸分子上、または異なる分子上に含まれていてもよい。CD40Lは、免疫原をコードする配列を含むワクチン組成物中に含ませることができ、改良されたワクチンが得られる。他の態様において、CD40Lは、免疫原をコードする配列を含んでいない免疫調節組成物中に含まれていてもよく、改良された免疫調節組成物が得られる。
【0049】
いくつかの好ましい態様において、核酸構築物はプラスミドである。いくつかの好ましい態様において、核酸分子は、ワクシニア、アデノウイルス、アデノウイルス関連ウイルス、レトロウイルスあるいはワクチンまたは遺伝子療法ベクターとして有用な、任意の他の受容可能なウイルスベクターのごとき、ウイルスベクターに組み入れられている。
【0050】
免疫調節タンパク質である非IgEタンパク質配列に連結されているIgEシグナル配列を含む遺伝子構築物は、本発明のいくつかの態様に従って、生弱毒化病原体内に直接組み入れることができる。ワクチンとして有用なこうした病原体の例が以下に示されている。好ましい態様において、免疫調節タンパク質はIL−15、より好ましくはIL−15シグナル配列を含まないIL−15タンパク質、より好ましくはIL−15シグナル配列を含まず、IL−15コザック領域を含まずそしてIL−15非翻訳領域配列を含まないIL−15タンパク質である。いくつかの態様において、こうした弱毒化病原体はさらに、CD40Lをコードするヌクレオチド配列と共に提供される。
【0051】
非IgEタンパク質配列に機能可能なように連結されたIgEシグナル配列を含む融合タンパク質もまた、本発明の側面である。いくつかの態様において、融合タンパク質の非IgEタンパク質配列部分は免疫調節タンパク質である。好ましい非IgEタンパク質配列は、IL−15タンパク質であり、最も好ましくはIL−15シグナル配列を含んでいない。
【0052】
IL−15タンパク質に連結されたIL−15シグナル配列を含む融合タンパク質およびその配列をコードする遺伝子構築物
本発明の一つの一般的側面は、IL−15タンパク質に連結された非IL−15シグナル配列を含む融合タンパク質およびその配列をコードする遺伝子構築物、そしてワクチンおよび免疫調節組成物におけるこうした構築物の使用に関する。いくつかの異なった態様および形態をこの側面に関して提供する。一般に、IL−15はヒトIL−15を指している。しかしながら、構築物はまた、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタまたはヒツジのごとき他の種からのIL−15を指すことも可能である。
【0053】
本発明のこの側面は、天然のIL−15 mRNAにより発現されたタンパク質中の配列が、発現を阻害するシグナルまたは要素を含んでいるという観察に起因する。これらの阻害要素を除去することにより、改良された発現が達成される。好ましい態様において、IL−15コード配列はIL−15シグナルペプチドのコード配列を含んでおらず、そして好ましくは、IgEシグナルタンパク質のごとき別のシグナルタンパク質をその場所に提供する。さらに、阻害要素を除去するため、IL−15コザック領域および非翻訳領域も同様に除去する。好ましくは、IL−15配列のみを含んでいる構築物が、IL−15シグナルペプチドを含んでいない成熟IL−15タンパク質のアミノ酸配列をコードするIL−15配列である。
【0054】
いくつかの態様に従うと、IL−15タンパク質に連結された非IL−15シグナル配列を含む融合タンパク質をコードする、核酸配列を含む単離された核酸分子を含む組成物を提供する。いくつかの好ましい態様において、融合タンパク質は、IL−15タンパク質へ連結された非IL−15シグナル配列から成っている。いくつかの好ましい態様において、IL−15タンパク質はIL−15シグナル配列を含んでいない。いくつかの好ましい態様において、融合タンパク質は、IL−15配列が誘導された種に関して非免疫原性である。それ故、ヒトIL−15を含む非免疫原性融合タンパク質は、ヒトにおいて非免疫原性であろう。
【0055】
いくつかの態様に従うと、IL−15タンパク質に連結された非IL−15シグナル配列を含む融合タンパク質のためのコード配列、を含む構築物を含むように提供される組成物はまた、免疫原をコードする核酸配列を同一の核酸分子上に、または異なった核酸分子上に含むことができる。一般に、以下に議論される免疫原は、アレルゲン、病原体抗原、癌関連抗原または自己免疫疾患に関連する細胞に連結された抗原を含む任意の免疫原性タンパク質である。好ましい態様において、免疫原は病原体抗原、最も好ましくは、HIV、HSV、HCVおよびWNVから成る群より選択された病原体である。
【0056】
好ましい態様において、組成物は、さらにCD40Lをコードするヌクレオチド配列を含む。このヌクレオチド配列は、融合タンパク質として同一の核酸分子上、または異なる分子上に含まれていてもよい。CD40Lは、免疫原をコードする配列を含むワクチン組成物中に含ませることができ、改良されたワクチンが得られる。他の態様において、CD40Lは、免疫原をコードする配列を含んでいない免疫調節組成物中に含まれていてもよく、改良された免疫調節組成物が得られる。
【0057】
いくつかの好ましい態様において、核酸構築物はプラスミドである。いくつかの好ましい態様において、核酸分子は、ワクシニア、アデノウイルス、アデノウイルス関連ウイルス、レトロウイルスあるいはワクチンまたは遺伝子療法ベクターとして有用な、任意の他の受容可能なウイルスベクターのごとき、ウイルスベクターに組み入れられている。
【0058】
IL−15タンパク質に連結されている非IL−15シグナル配列を含む融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物は、本発明のいくつかの態様に従って、生弱毒化病原体内に直接組み入れることができる。ワクチンとして有用なこうした病原体の例が以下に示されている。好ましい態様において、ヒトIL−15(好ましくはIL−15シグナル配列を含んでいない)をヒトIgEシグナル配列に連結する。いくつかの態様において、こうした弱毒化病原体はさらに、CD40Lをコードするヌクレオチド配列と共に提供される。
【0059】
IL−15タンパク質に連結された非IL−15シグナル配列を含む融合タンパク質は本発明の一つの側面である。いくつかの好ましい態様において、融合タンパク質はIL−15タンパク質に連結された非IL−15シグナル配列から成っている。いくつかの好ましい態様において、IL−15タンパク質はIL−15シグナル配列を含んでいない。いくつかの好ましい態様において、シグナル配列はIgEシグナル配列である。配列は、好ましくはヒトである。いくつかの好ましい態様において、融合タンパク質は非免疫原性である。非免疫原性とは、IL−15配列が誘導された種に関して非免疫原性であるタンパク質を指している。
【0060】
IL−15およびCD40Lをコードする遺伝子構築物を含む組成物そしてその使用
本発明の別の一般的な側面は、IL−15およびCD40Lをコードする遺伝子構築物を含む組成物、そしてワクチンおよび免疫調節組成物におけるこうした構築物の使用に関する。いくつかの異なった態様および形態をこの側面に関して提供する。一般に、IL−15はヒトIL−15を指している。しかしながら、構築物はまた、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタまたはヒツジのごとき他の種からのIL−15を指すことも可能である。IL−15は天然の形、即ち、IL−15シグナル配列を伴うことができる。好ましくは、IL−15は非IL−15シグナル配列を含む融合タンパク質の一部であり、そして最も好ましくはさらにIL−15シグナル配列を含んでいない。好ましい態様において、IL−15はIgEシグナル配列へ連結されている。
【0061】
いくつかの態様に従うと、IL−15およびCD40Lをコードする核酸配列を含む単離された核酸分子、あるいは、IL−15をコードする核酸配列を含む第一の配列そしてCD40Lをコードする核酸配列を含む第二の配列を含んでいる単離された核酸分子、を含む組成物を提供する。いくつかの好ましい態様において、IL−15を含むタンパク質は、IL−15配列が誘導された種に関して非免疫原性である。
【0062】
いくつかの態様に従うと、IL−15およびCD40Lのためのコード配列を含む構築物を含むように提供される組成物はまた、免疫原をコードする核酸配列を同一の核酸分子上に、または異なった核酸分子上に含むことができる。一般に、以下に議論される免疫原は、アレルゲン、病原体抗原、癌関連抗原または自己免疫疾患に関連する細胞に連結された抗原を含む任意の免疫原性タンパク質である。好ましい態様において、免疫原は病原体抗原、最も好ましくは、HIV、HSV、HCVおよびWNVから成る群より選択された病原体である。
【0063】
免疫原のためのコード配列を含む組成物は、ワクチンとして有用である。免疫原のためのコード配列を含んでいない組成物は、免疫調節組成物として有用であることができる。いくつかの態様において、タンパク質免疫原はまた、IL−15およびCD40Lの組み合わせにより増進される免疫応答の標的としても提供する。
【0064】
いくつかの好ましい態様において、核酸構築物はプラスミドである。いくつかの好ましい態様において、核酸分子は、ワクシニア、アデノウイルス、アデノウイルス関連ウイルス、レトロウイルスあるいはワクチンまたは遺伝子療法ベクターとして有用な、任意の他の受容可能なウイルスベクターのごとき、ウイルスベクターに組み入れられている。
【0065】
IL−15およびCD40Lをコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物は、本発明のいくつかの態様に従って、生弱毒化病原体内に直接組み入れることができる。ワクチンとして有用なこうした病原体の例が以下に示されている。好ましい態様において、ヒトIL−15(好ましくはIL−15シグナル配列を含んでいない)をヒトIgEシグナル配列に連結する。
【0066】
ワクチンおよび免疫調節組成物
本発明のいくつかの態様に従うと、本発明の組成物は、免疫原および/または免疫原性タンパク質のためのコード配列を含む遺伝子構築物を含む。こうした組成物は、個体の免疫系の活性を調節し、そしてそれにより免疫原に対する免疫応答を増進するために個体へ搬送する。免疫調節タンパク質をコードする核酸分子が、個体の細胞により取り込まれた場合、免疫調節タンパク質をコードするヌクレオチド配列が細胞中で発現され、前記タンパク質がそれにより個体へ搬送されたことになる。本発明の側面は、組換えワクチンの一部としてあるいは弱毒化ワクチンの一部として、一つまたはそれより多くの多様な転写因子または中間体因子をコードする、異なった核酸分子を含む組成物中に、シグナル核酸分子上のタンパク質のコード配列を搬送する方法を提供する。
【0067】
本発明のいくつかの側面に従うと、病原体あるいは異常な疾患関連細胞に対して個体を予防的及び/又は療法的に免疫化する組成物および方法を提供する。ワクチンは、生弱毒化ワクチン、細胞ワクチン、組換えワクチンまたは核酸またはDNAワクチンのごとき任意の型であることができる。
【0068】
本発明は、免疫調節タンパク質を搬送するための組成物、そしてそれを使用するための方法に関する。
【0069】
核酸分子は、DNA注射(DNAワクチン接種とも称されている)、組換えアデノウイルスのごとき組換えベクター、組換えアデノウイルス関連ウイルスそして組換えワクシニアを含む、いくつかのよく知られている技術のいずれかを使用して搬送することができる。
DNAワクチンは、各々が本明細書において援用される、米国特許第5,593,972、5,739,118、5,817,637、5,830,876、5,962,428、5,981,505、5,580,859、5,703,055、5,676,594号に記載されており、そして優先出願がそこに引用されている。これらの出願に記載されている搬送プロトコールに加え、DNA搬送の代替方法が米国特許第4,945,050号および5,036,006号(両方とも本明細書において援用される)に記載されている。
投与経路には筋肉内、鼻腔内、腹腔内、皮内、皮下、静脈内、動脈内、眼内および経口ならびに局所、経皮、吸入または坐剤により、または膣、直腸、尿管、口腔および舌下組織への潅注によるごとき粘膜組織へ、などが含まれるが、それらに限定されるわけではない。好ましい投与経路には粘膜組織、筋肉内、腹腔内、皮内および皮下注射が含まれる。遺伝子構築物は、限定されるわけではないが、伝統的注射器、針無し注入装置または「微小弾丸衝撃遺伝子銃」を含む手段により投与することができる。
【0070】
細胞により取り込まれた場合、遺伝子構築物は機能的染色体外分子として残存し、および/または細胞の染色体DNAへ組み込まれる。DNAは細胞内へ導入することができ、そこでプラスミド形で別の遺伝子物質として残存する。もしくは、染色体内へ組み込むことが可能な直鎖状DNAを細胞内へ導入することができる。DNAが細胞内へ導入された場合、染色体内へのDNA組込みを促進する試薬を加えることができる。組込みを促進するために有用なDNA配列もまたDNA分子に含ませることができる。もしくは、RNAを細胞に投与することができる。遺伝子構築物は動原体、テロメアおよび複製起点を含んでいる線状ミニ染色体として提供されることも意図されている。遺伝子構築物は弱毒化生ワクチン中の遺伝子物質または細胞中で生きている組換え体微生物ベクターの一部として残存することができる。遺伝子構築物は組換えウイルスワクチンのゲノムの一部であることもでき、遺伝子物質は細胞の染色体内へ組み込まれるかまたは染色体外に残存する。遺伝子構築物は核酸分子の遺伝子発現に必要な制御要素を含んでいる。その要素には:プロモーター、開始コドン、終止コドンおよびポリアデニル化シグナルが含まれる。加えて、標的タンパク質または免疫調節タンパク質をコードする配列の遺伝子発現にエンハンサーがしばしば必要とされる。これらの要素は所望のタンパク質をコードする配列へ機能可能なように連結されていること、そして制御要素はそれらが投与された個体中で機能可能であることが必要である。
【0071】
開始コドンおよび終止コドンは一般的に所望のタンパク質をコードするヌクレオチド配列の一部であるべきと考えられている。しかしながら、これらの要素は遺伝子構築物が投与された個体中で機能的であることが必要である。開始および終止コドンはコード配列の読み枠内に存在しなければならない。
【0072】
使用されるプロモーターおよびポリアデニル化シグナルは個体の細胞内で機能的でなければならない。
【0073】
本発明の実施に有用なプロモーターの例としては、特にヒトのための遺伝子ワクチン の製造において、シミアンウイルス40(SV40)、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)プロモーター、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)(HIVの長い末端反復配列(LTR)プロモーターのごとき)、モロニーウイルス、ALV、サイトメガロウイルス(CMV)(CMV前初期プロモーターのごとき)、エプスタインバーウイルス(EBV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、ならびにヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチンおよびヒトメタロチオネインのごときヒト遺伝子からのプロモーター類が含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0074】
本発明の実施に有用なポリアデニル化シグナルの例としては、特にヒトのための遺伝子ワクチンの製造において、SV40ポリアデニル化シグナルおよびLTRポリアデニル化シグナルが含まれるが、これらに限定されるわけではない。特に、SV40ポリアデニル化シグナルと称される、pCEP4プラスミド中に存在するSV40ポリアデニル化シグナル(Invitrogen,カリフォルニア州サンディエゴ)を使用する。
【0075】
DNA発現に必要とされる制御要素に加え、他の要素もDNA分子に含ませることができる。こうした追加の要素にはエンハンサーが含まれる。エンハンサーは:ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチンおよびCMV、RSVおよびEBVからのエンハンサーのごときウイルスエンハンサーから成る群より選択することができる。
【0076】
遺伝子構築物を染色体外に維持するためおよび細胞中で構築物の多数のコピーを生成するために、構築物は哺乳動物複製起点とともに提供可能である。Invitrogen(カリフォルニア州サンディエゴ)からのプラスミドpVAX1、pCEP4およびpREP4はエプスタインバーウイルス複製起点、そして組込みなしで高コピーエピソーム複製を生成する核抗原EBNA−1コード領域を含んでいる。
【0077】
免疫化応用に関するいくつかの好ましい態様において、標的タンパク質、免疫調節タンパク質、そして加えて、こうした標的タンパク質に対する免疫応答をさらに促進するタンパク質のための遺伝子をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子が搬送される。こうした遺伝子の例はアルファ−インターフェロン、ガンマ−インターフェロン、血小板由来成長因子(PDGF)、TNF、GM−CSF、上皮成長因子(EGF)、IL−1、IL−2、IL−4、IL−6、IL−10、IL−12およびシグナル配列が欠失されそしてIgEからのシグナル配列を所望により含んでいるIL−15を含むIL−15のごとき他のサイトカインおよびリンホカインをコードするものである。
【0078】
何らかの理由で遺伝子構築物を受けている細胞を除去することが望ましいのであれば、細胞破壊の標的として働く追加の要素を加えることができる。発現可能形のヘルペスチミジンキナーゼ(tk)遺伝子を遺伝子構築物に含ませることが可能である。薬剤ガングシクロビルが個体へ投与可能であり、そして本薬剤はtkを産生している細胞を選択的に殺すので、遺伝子構築物を含む細胞を選択的に破壊する手段が提供される。
【0079】
タンパク質産生を最大にするため、構築物が投与された細胞内での遺伝子発現にうまく適している制御配列を選択することができる。さらに、細胞内で最も効率的に転写されるコドンを選択することができる。当業者は細胞内で機能的であるDNA構築物を製造することが可能である。
【0080】
本発明の一つの方法は、筋肉内、鼻孔内、腹腔内、皮下、皮内または局所的に、あるいは吸入、膣、直腸、バッカルまたは舌下から成る群より選択される粘膜組織の洗浄により、核酸分子を投与する工程を含む。
【0081】
いくつかの態様において、核酸分子をポリヌクレオチド機能増進剤または遺伝子ワクチン促進剤の投与と組み合わせて細胞へ搬送する。ポリヌクレオチド機能増進剤は、各々が本明細書において援用される米国特許第5,593,972、5,962,428号、および1994年1月26日に提出された国際出願番号第PCT/US94/00899号に記載されている。遺伝子ワクチン促進剤は、本明細書において援用される1994年4月1日に提出された米国特許番号第021,579号に記載されている。核酸分子と組み合わせて投与される共薬剤は、核酸分子との混合物として投与するか、または核酸分子と同時に、投与前にまたは投与後に別々に投与することができる。加えて、トランスフェクト剤および/または複製剤および/または催炎物質として機能することができ、そしてGVFと同時投与することができる他の物質にはα−インターフェロン、ガンマ−インターフェロン、GM−CSF、血小板由来成長因子(PDGF)、TNF、上皮増殖因子(EGF)、ILA、IL−2、IL−4、IL−6、IL−10、IL−12およびIL−15ならびに線維芽細胞成長因子のごとき成長因子、サイトカインおよびリンホカイン、免疫刺激複合体(ISCOMS)のごとき表面活性剤、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリル脂質A(WL)を含むLPS類似体、ムラミールペプチド、キノン類似体およびスクアレンおよびスクアレンのようなベシクル、が含まれ、そしてヒアルロン酸もまた遺伝子構築物と組み合わせて投与するのに使用することができる。いくつかの態様において、免疫調節タンパク質はGVFとして使用することができる。いくつかの態様において、搬送/取り込みを増進させるために核酸をPLGに結合して提供する。
【0082】
本発明に従った医薬組成物は約1ナノグラムから約2000マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好ましい態様において、本発明に従った医薬組成物は約5ナノグラムから約1000マイクログラムのDNAを含む。いくつかの好ましい態様において、本医薬組成物は約10ナノグラムから約800マイクログラムのDNAを含んでいる。いくつかの好ましい態様において、本医薬組成物は約0.1から約500マイクログラムのDNAを含んでいる。いくつかの好ましい態様において、本医薬組成物は約1から約350マイクログラムのDNAを含んでいる。いくつかの好ましい態様において、本医薬組成物は約25から約250マイクログラムのDNAを含んでいる。いくつかの好ましい態様において、本医薬組成物は約100から約200マイクログラムのDNAを含んでいる。
【0083】
本発明に従った医薬組成物は、使用されるべき投与様式に従って処方する。医薬組成物が注射可能な医薬組成物である場合、それらは無菌であり、発熱物質および粒子状物質を含んでいない。好ましくは等張処方を使用する。一般に、等張性のための添加物は塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトールおよびラクトースを含むことが可能である。いくつかの場合、リン酸緩衝液のごとき等張溶液が好ましい。安定化剤にはゼラチンおよびアルブミンが含まれる。いくつかの態様において、処方に血管収縮剤を添加する。
【0084】
本発明のいくつかの態様に従うと、免疫原に対して免疫応答を誘導する方法を、個体へ本発明の組成物を搬送することにより提供する。ワクチンは生弱毒化ワクチン、細胞ワクチン、組換えワクチンあるいは核酸またはDNAワクチンであることができる。
【0085】
遺伝子ワクチンを改良するために免疫調節タンパク質コード配列の発現可能形を使用するのに加え、本発明は抗原をコードする外来遺伝子を搬送するための、改良された弱毒化生ワクチンおよび組換えベクターを使用する改良されたワクチンに関する。外来抗原を搬送するために弱毒化生ワクチンおよび組換えベクターを使用するワクチンの例は、各々が本明細書において援用される、米国特許第4,772,848;5,017,487;5,077,044;5,110,587;5,112,749;5,174,993;5,223,424;5,225,336;5,240,703;5,242,829;5,294,441;5,294,548;5,310,668;5,387,744;5,389,368;5,424,065;5,451,499;5,453,364;5,462,734;5,470,734および5,482,713号に記載されている。発現を達成するためにワクチン中で機能可能である、制御配列へ機能可能なように連結されている免疫調節タンパク質をコードしている、ヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物を提供する。遺伝子構築物を弱毒化生ワクチンおよび組換えワクチンへ取り込み、本発明に従った改良されたワクチンを製造する。
【0086】
本発明は、遺伝子構築物が、DNAワクチン、弱毒化生ワクチンおよび組換えワクチンを含むワクチン組成物の一部として提供され、個体の細胞へ遺伝子構築物を搬送する工程を含む、個体を免疫化する改良された方法を提供する。遺伝子構築物は免疫調節タンパク質をコードし、そして発現を達成するためにワクチン中で機能可能である、制御配列へ機能可能なように連結されたヌクレオチド配列を含む。改良されたワクチンは増進された細胞性免疫応答を生じる。
【0087】
免疫原
本発明は標的タンパク質に対する増進された免疫応答を惹起するのに有用である、即ち、具体的には病原体、アレルゲンまたは個体自身の「異常な」細胞に関連するタンパク質。本発明は病原体タンパク質に対する免疫応答が、病原体に対する保護的免疫性を与えるように、病原性因子および生物体に対して個体を免疫化するのに有用である。本発明は、具体的には過増殖性細胞に関連する標的タンパク質に対する免疫応答を惹起することにより、癌のごとき過増殖性疾患および障害と戦うために有用である。本発明は具体的には自己免疫状態に関与する細胞に関連する標的タンパク質に対する免疫応答を惹起することにより、自己免疫疾患および障害と戦うために有用である。
【0088】
本発明のいくつかの態様に従うと、標的タンパク質および免疫調節タンパク質をコードするDNAまたはRNAが個体の組織細胞内へ導入され、そこで発現され、コードされたタンパク質を産生する。標的タンパク質および一つまたは両方の免疫調節タンパク質をコードするDNAまたはRNA配列は、個体の細胞中での発現に必要とされる制御要素に連結されている。DNA発現のための制御要素にはプロモーターおよびポリアデニル化シグナルが含まれる。加えて、コザック領域のごとき他の要素もまた遺伝子構築物に含ませることができる。
【0089】
いくつかの態様において、標的タンパク質をコードしている発現可能形配列および両方の免疫調節タンパク質をコードする発現可能形配列は、個体へ搬送される同一の核酸分子上に見られる。
【0090】
いくつかの態様において、標的タンパク質をコードしている発現可能形配列は、一つまたはそれより多くの免疫調節タンパク質をコードする配列の発現可能形を含む核酸分子は別の核酸分子上に存在する。いくつかの態様において、標的タンパク質をコードする配列の発現可能形、および一つまたはそれより多くの免疫調節タンパク質をコードする配列の発現可能形は、一つまたはそれより多くの免疫調節タンパク質をコードする配列の発現可能形を含む核酸分子とは別の一つの核酸分子上に見いだされる。本発明に従って複数の異なった核酸分子を産生しそして搬送することが可能であり、そして個体へ搬送する。例えば、いくつかの態様において、標的タンパク質をコードする配列の発現可能形は、一つまたはそれより多くの免疫調節タンパク質をコードする配列の発現可能形を含む核酸分子とは別の核酸分子上に見いだせる、一つまたはそれより多くの免疫調節タンパク質をコードする配列の発現可能形を含む核酸分子とは別の核酸分子上に見いだせる。こうした場合、三つの分子全てを個体へ搬送する。
【0091】
核酸分子は、プラスミドDNA、組換えベクターの核酸分子として、あるいは弱毒化ワクチンまたは細胞ワクチンで提供される遺伝子物質の一部として提供することができる。あるいは、いくつかの態様において、標的タンパク質および/または両方の免疫調節タンパク質はことによると、それらをコードする核酸分子に加え、あるいはそれらをコードする核酸分子に代わりに、タンパク質として搬送する。
【0092】
遺伝子構築物は、遺伝子発現に必要とされる制御要素へ機能可能なように連結された、標的タンパク質または免疫調節タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むことができる。本発明に従うと、標的タンパク質をコ−ドするヌクレオチド配列の発現形を含む構築物、そして免疫調節タンパク質をコ−ドするヌクレオチド配列の発現形を含む構築物、を含む遺伝子構築物の組み合わせを提供する。遺伝子構築物の組み合わせを含むDNAまたはRNA分子の生きている細胞内への組込は、DNAまたはRNAの発現そして標的タンパク質および一つまたはそれより多くの免疫調節タンパク質の産生を生じる。標的タンパク質に対する増進した免疫応答を生じる。
【0093】
本発明はウイルス、原核生物そして単細胞病原性生物体および多細胞寄生虫のような病原性真核生物体のごときすべての病原体に対して、個体を免疫化するために使用することができる。本発明は、細胞に感染し、およびウイルスおよび原核生物(淋菌、リステリアおよび赤痢菌のような)のような被包性でない病原体に対して個体を免疫化するのに特に有用である。加えて、本発明はまた、それらが細胞内病原体である生活環の段階を含む原虫病原体に対して個体を免疫化するのにも有用である。表1に、本発明に従ってワクチンが作製できるいくつかのウイルスファミリーおよび属の一覧を提供する。表に収載した抗原のごとき病原体抗原上に示されるエピトープと同一かまたは実質的に同じである少なくとも一つのエピトープを含むペプチドをコードするDNA配列を含むDNA構築物はワクチンに有用である。さらに、本発明はまた、原核生物および真核生物原虫病原体ならびに表2に収載されているような多細胞寄生虫を含む他の病原体に対して、個体を免疫化するのにも有用である。
【0094】
病原体感染に対して保護するための遺伝子ワクチンを製造するため、保護的免疫応答を開始することが可能な免疫原性タンパク質をコードする遺伝子物質は、標的のためのコード配列として遺伝子構築物中に含まれていなければならない。病原体感染が細胞内(それに対して本発明は特に有用である)であるにせよあるいは細胞外であるにせよ、すべての病原体抗原が保護的応答を惹起することはありそうもない。DNAおよびRNAは両方とも比較的小さくそして比較的容易に製造可能であるので、本発明は多病原体抗原を備えたワクチン接種を可能にする追加の利点を提供する。遺伝子ワクチンに使用される遺伝子構築物は、多くの病原体抗原をコードする遺伝子物質を含むことが可能である。例えば、数個のウイルス遺伝子を単一の構築物に含ませることができ、それにより複数の標的を提供する。
【0095】
表1および2は、感染から個体を保護するために遺伝子ワクチンが調製可能であるいくつかの病原性因子および生物体の一覧表を含んでいる。いくつかの好ましい態様において、病原体に対して個体を免疫化する方法はHIV、HSV、HCV、WNYまたはHBVに対するものである。
【0096】
本発明の別の側面は、過増殖性疾患に特徴的である過増殖している細胞に対する保護的免疫応答を与える方法、および過増殖性疾患に罹患している個体を処置する方法を提供する。増殖性疾患の例にはすべての形の癌および乾癬が含まれる。
【0097】
免疫原性の「過増殖している細胞」関連タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物を個体の細胞内へ導入すると、ワクチン接種された個体の細胞にこれらのタンパク質の産生を生じることが発見されている。過増殖性疾患に対して免疫するため、過増殖性疾患に関連したタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物を個体に投与する。
【0098】
過増殖性関連タンパク質が有効な免疫原性標的であるためには、それは正常な細胞と比較して、過増殖性細胞中で独占的にまたは高レベルで産生されるタンパク質でなければならない。標的抗原は、こうしたタンパク質に観察される少なくとも一つのエピトープを含むタンパク質、その断片およびペプチドを含んでいる。いくつかの場合、過増殖性関連タンパク質は、タンパク質をコードする遺伝子の突然変異の生成物である。突然変異した遺伝子は、正常のタンパク質とほとんど同一であるが、正常タンパク質では観察されない、異なったエピトープを生じるわずかに異なったアミノ酸配列を有するタンパク質をコードしている。こうした標的タンパク質には、myb、myc、fynのごとき癌遺伝子、そして転座遺伝子bcr/abl、ras、src、P53、neu、trkおよびEGRFによりコードされているタンパク質が含まれる。標的抗原としての癌遺伝子生成物に加え、抗癌処置および保護的計画のための標的タンパク質には、B細胞リンパ球により作られる抗体の可変領域およびT細胞リンパ球のT細胞レセプター可変領域が含まれ、それらはいくつかの態様において自己免疫疾患のための標的抗原としても使用される。モノクローナル抗体17−1Aにより認識されるタンパク質および葉酸結合タンパク質またはPSAを含む、腫瘍細胞において高レベルで観察されるタンパク質のごとき他の腫瘍関連タンパク質が標的タンパク質として使用可能である。
【0099】
本発明は一つまたはそれより多くの癌のいくつかの形に対して個体を免疫化するために使用されるであろうが、本発明は特定の癌が発現し易い人または以前に癌を発病し、従って再発しやすい人のような個体を予防的に免疫化するのに特に有用である。遺伝学および技術ならびに疫学の発展は、個体における癌の発生の可能性および危険事前評価の決定を可能にしている。遺伝子スクリーニングおよび/または家族健康履歴を用いて、特定の個人がいくつかの型の癌のいずれか一つを発生する可能性を予測することが可能である。
【0100】
同様に、すでに癌が発生した、そして癌を取り除く処置を受けた、またはさもなければ寛解期にある個体は特に再発そして再発現し易い。処置計画の一部として、こうした個体は再発と戦うために、有していたと診断された癌に対して免疫可能である。それ故、個体が癌の一つの型を有していたことがあり、再発の危険性があることが解ったら、癌の将来の出現と戦う免疫系を準備するために免疫化可能である。
【0101】
本発明は過増殖性疾患を罹患している個体を処置する方法を提供する。こうした方法において、遺伝子構築物の導入は、標的タンパク質を産生する過増殖性細胞と戦うために個体の免疫系を向けさせるおよび促進する免疫療法剤として働く。
【0102】
本発明は、細胞レセプターおよび「自己」指向性抗体を産生する細胞を含む、自己免疫性に関連した標的に対して広範囲な保護的免疫応答を与えることにより、自己免疫疾患および障害を患っている個体を処置する方法を提供する。
【0103】
T細胞仲介自己免疫疾患にはリウマチ様関節炎(RA)、多発性硬化症(MS)、シェーグレン症候群、サルコイドーシス、インシュリン依存性糖尿病(IDDM)、自己免疫性甲状腺炎、反応性関節炎、強直性脊椎炎、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、乾癬、脈管炎、ヴェグナー肉芽腫症、クローン病および潰瘍性大腸炎が含まれる。これらの疾患の各々は、内因性抗原に結合し、自己免疫疾患に関連した炎症性カスケードを開始させるT細胞レセプターにより特徴付けられる。T細胞の可変領域に対するワクチン接種は、これらのT細胞を除去するためにCTLを含む免疫応答を惹起するであろう。
【0104】
RAにおいて、この疾患に関与するT細胞レセプター(TCR)のいくつかの特異的可変領域が特徴付けられている。これらのTCRにはVβ−3、Vβ−14、Vβ−17、およびVα−17が含まれる。それ故、これらのタンパク質の少なくとも一つをコードするDNA構築物を用いるワクチン接種は、RAに関与するT細胞を標的とするであろう免疫応答を惹起するであろう。Howell, M. D. et al., 1991 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 10921-10925; Paliard, X., et al., 1991 Science 253: 325-329; Williams, W. V., et al.,1992 J. Clin. Invest. 90: 326-333 (これらの各々は本明細書において援用される)を参照されたい。MSにおいて、この疾患に関与するTCRのいくつかの特異的可変領域が特徴付けられている。これらのTCRにはVfpおよびVα−10が含まれる。それ故、これらのタンパク質の少なくとも一つをコードするDNA構築物を用いるワクチン接種はMSに関与するT細胞を標的とするであろう免疫応答を惹起するであろう。Wucherpfennig, K. W., et al., 1990 Science 248: 1016-1019; Oksenberg, J. R., et al.,1990 Nature 345: 344-346 (これらの各々は本明細書において援用される)を参照されたい。
【0105】
強皮症において、この疾患に関与するTCRのいくつかの特異的可変領域が特徴付けられている。これらのTCRにはVβ−6、Vβ−8、Vβ−14およびVα−16、Vα−3C、Vα−7、Vα−14、Vα−15、Vα−16、Vα−28およびVα−12が含まれる。それ故、これらのタンパク質の少なくとも一つをコードするDNA構築物を用いるワクチン接種は強皮症に関与するT細胞を標的とするであろう免疫応答を惹起するであろう。
【0106】
特にTCRの可変領域がまだ同定されていない場合、T細胞仲介自己免疫疾患を罹患している患者を処置するためには、滑液生検が実施可能である。存在するT細胞の試料を取り出すことが可能で、そしてそれらのTCRの可変領域が標準法を使用して同定される。遺伝子ワクチンはこの情報を用いて製造可能である。
【0107】
B細胞仲介自己免疫疾患には狼蒼(SLE)、グレーブス病、重症筋無力症、自己免疫性血小板減少症、喘息、クリオグロブリン血症、原発性胆汁性硬化症、および悪性貧血が含まれる。これらの疾患の各々は、内因性抗原に結合し、自己免疫疾患に関連した炎症性カスケードを開始させる抗体により特徴付けられる。抗体の可変領域に対するワクチン接種は、この抗体を産生するB細胞を除去するためにCTLを含む免疫応答を惹起するであろう。
【0108】
B細胞仲介自己免疫疾患を罹患している患者を処置するためには、自己免疫活性に関与する抗体の可変領域を同定しなければならない。生検が実施可能であり、炎症部位に存在する抗体の試料を取り出すことが可能である。抗体の可変領域が標準法を使用して同定可能である。遺伝子ワクチンはこの情報を用いて製造可能である。
【0109】
SLEの場合、一つの抗原がDNAであると信じられている。それ故SLEに対して免疫化されるべき患者においては、血清を抗DNA抗体でスクリーニングし、血清中に観察されたこうした抗DNA抗体の可変領域をコードするDNA構築物を含むワクチンが製造可能である。
【0110】
TCRおよび抗体両方の可変領域間に共通の構造的特色はよく知られている。特定のTCRまたは抗体をコードするDNA配列は一般的にKabat, et al., 1987 Sequence of Proteins of Immunological Interest, 米国保健社会福祉省,メリーランド州ベセスダ(本明細書において援用される)に記載されているごとく、よく知られた方法に従って見出すことができる。加えて、抗体からの機能的可変領域クローニングの一般法は、本明細書において援用されるChaudhary, V. K., et al.,1990 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 1066 、に見ることができる。
【0111】
組換えタンパク質産生
本発明は、インビトロ宿主細胞培養物、前記培養物は、非IgEタンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドから成る融合タンパク質をコードする核酸配列を含む、こうした宿主細胞中で機能可能な発現ベクターを含む;こうした核酸分子;そしてこうしたベクターを含む宿主細胞、に関する。本発明はまた、宿主細胞を培養する工程を含む、単離された融合タンパク質を産生する方法にも関する。本発明は、非IgEタンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む、単離された融合タンパク質に関する。
【0112】
融合タンパク質は、上述のように、容易に入手可能な出発物質を使用し、日常的手段により産生することができる。所望のタンパク質をコードする、適したDNA配列の供給は、当該技術分野で現在知られている技術を使用するタンパク質の産生を可能にする。
【0113】
当業者は、周知の技術を使用し、周知の発現系で使用するための商業的に入手可能な発現ベクター内へ、融合タンパク質をコードするDNAを挿入することが可能である。商業的に入手可能なプラスミドpYES2(Invitrogen,カリフォルニア州サンディエゴ)を、酵母のS.セレビジエ株における産生のために使用することができる。商業的に入手可能なMaxBac(登録商標)(Invitrogen,カリフォルニア州サンディエゴ)、完全バキュロウイスル発現系、を昆虫細胞における産生に使用することができる。商業的に入手可能なプラスミドpcDNA I(Invitrogen,カリフォルニア州サンディエゴ)は、チャイニーズハムスター卵巣細胞のごとき哺乳動物細胞における産生に使用することができる。当業者は、日常的技術そして商業的に入手可能な出発物質を使用し、融合タンパク質を産生するため、これらの商業的発現ベクターまたは他のものを使用することが可能である。
【0114】
当業者は、周知の方法および容易に入手可能な出発物質を使用し、他の商業的に入手可能な発現ベクターおよび系を使用する、あるいはベクターを産生することができる。プロモーターおよびポリアデニル化シグナル、そして好ましくはエンハンサーのごとき必須の制御配列を含んでいる発現系は、容易に入手可能であり、そして多様な宿主のために当該技術分野で知られている。例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning a Laboratory Manual, 第二版,Cold Spring Harbor Press (1989) を参照されたい。それ故、所望のタンパク質は、原核生物および真核生物の両方で調製することが可能であり、一連のタンパク質の加工形を生じる。
【0115】
広範囲の真核生物宿主もまた、組換え外来タンパク質の産生のために現在利用可能である。真核生物宿主は、IgEシグナルペプチドを使用して直接所望のタンパク質を産生する発現ベクターで、形質転換することが可能である。
【0116】
普通に使用される真核生物系には、限定されるわけではないが、酵母、真菌細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞、鳥細胞そして高等植物の細胞が含まれる。適したプロモーターは入手可能であり、例えば、バキュロウイスルポリヘドロンプロモーターのような、それはこれらの宿主型各々での使用に適合性でありそして機能可能であり、ならびに終止配列およびエンハンサーである。上記のように、プロモーターは構成的または誘導可能であることが可能である。例えば、哺乳動物系において、マウスメタロチオネインプロモーターは、重金属イオンの添加により誘導することが可能である。
【0117】
所望の宿主に適した発現系の構築についての詳細は、当業者にはよく知られている。タンパク質の組換え産生には、それをコードするDNAを、選択された発現ベクター内へ適切にライゲートし、そして次ぎに、適合性宿主を形質転換するために使用し、それは次ぎに、外来遺伝子の発現が起こる条件下で培養および維持する。このようにして産生された本発明のタンパク質は、適切にそして当業者には既知であるように、細胞を溶解することにより、または好ましくは培養培地から回収する。
【0118】
当業者は、周知の技術を使用し、こうした発現系を使用して産生された融合レセプタータンパク質またはその断片を単離する。
【実施例】
【0119】
実施例1

感染対象においてウイルス負荷を減少させるための、組み合わせ抗レトロウイルス療法の成功は、多くのHIV−1陽性個体に対して改良された予後を生じた。しかしながら、多くの研究室は、確立されたウイルス蓄積が、組み合わせ薬剤投与計画によってあまり影響を受けないことを報告している(下記参考文献1−3)。現在まで、組み合わせ療法アプローチはウイルスクリアランスを生じておらず、そして患者のコンプライアンス(compliance)に最終的に影響するそして疾患過程に影響する現在の療法投与計画に関連する著しい副作用が存在する。従って、HIV−1のための有望な免疫療法的アプローチを含む、療法の代替形を探索する大きな要求が存在する。CD8+ T細胞応答が、HIV−1感染を制御するために、そして疾患進行を遅くすることにおいて重要であると信じられている。ウイルス複製を制御することにおける、HIV−1特異的CD8+ T細胞応答の正確な機能は未だ完全には解明されていないが、HIV−1に対する個体の血清陽性の長期非進行と特異的CD8+ T細胞仲介細胞応答との間の相関が確立されている(下記参考文献4−7)。加えて、高度に暴露されたコホート(cohort)、しかしHIV陰性のガンビアの個体は、抗体応答を示さなかったが、抗HIV−1CD8+ T細胞免疫応答を示した(下記参考文献8および9)。実際、HIV−1感染後、強い細胞性免疫応答が、ウイルス負荷における同時的低下とともに誘導される。さらに、高レベルのHIV特異的細胞障害性Tリンパ球(CTL)の存在にもかかわらず、HIV−1感染は除去されない。高CD8仲介応答と継続した疾患進行間の矛盾は重要である。ウイルスを除去するCD8の無力さは、一部にはCTL逃避変異体(下記参考文献10−14)、多分、MHCクラスIのNef−関連下方制御あるいは宿主免疫性に対するVprまたはEnv効果(下記参考文献15−18)のごときウイルスの免疫病原性によるものであろう。追加の問題点は、CD8+ Tリンパ球を支援する有効なCD4+ T細胞の欠如である(下記参考文献19および20)。循環しているCD8+細胞は障害性機能を有するかもしれないことが観察されている(下記参考文献21)。もしHIV−1免疫病原性が有効なCD8応答の発生を制限しているとすると、抗レトロウイルス療法に関連したHIV−1抗原の提示は、CD8記憶およびエフェクター細胞を制限された様式でブーストすることがありうる。これらの出来事は、疾患の結末に潜在的影響を有することができる。しかしながら、CD8+ T細胞増殖に支援を提供することが重要であろう。これに関し、CD8+記憶T細胞の生存は、継続した抗原提示には付随的ではないことが観察されており(下記参考文献22)、それはむしろ、末梢環境における特異的サイトカインの産生に依存しているであろう。
【0120】
CD8+ T細胞に著しく影響すると思われる、こうしたサイトカインの一つはインターロイキン−15(IL−5)である。Waldmannおよび共同研究者は、シグナルT細胞に独特なアルファ鎖と協調した、IL−2レセプター複合体のガンマおよびベータ鎖を使用する、15kDaタンパク質であることを最初に報告している(下記参考文献23)。IL−15は抗アポトーシス活性を現し、そして記憶CD8+ T細胞表現型を刺激することに役割を果たしているようである。HIV−1感染に果たしているIL−15の役割は、多数のグループにより調べられている。IL−15は、HIV−1感染対象から単離されたリンパ球のアポトーシスを減少させること(下記参考文献24)、そしてナチュラルキラー細胞の活性および増殖を増加させること(下記参考文献25−27)が示されている。IL−15はまた、HIV−1感染対象のB細胞増殖(下記参考文献28および29)、およびマクロファージの活性化(下記参考文献30)にも関係づけられている。重要なことは、IL−15はまた、HIV−1エフェクターT細胞増殖およびインターフェロン−ガンマ(IFN−ガンマ)産生に対して直接的な役割を有しているようである(下記参考文献31および32)。さらに、IL−15は、HIV−1に対して血清陽性である、試験された多くの対象においてIFN−ガンマを刺激することができなかった。抗原特異的CD8+ T細胞性免疫応答に対するIL−15の効果がそれ故に探索された。
【0121】
慢性的に感染しているHIV−1血清陽性対象から単離されたT細胞に対するIL−15の効果が試験された。rhIL−15はCD8 T細胞の増殖を増進し、そして重要なことには、IL−15は、全ての対象においてエフェクター抗原特異的CD8+ IFN−ガンマ産生を拡大させたことが見出された。免疫化モデルにおいて、IL−15はCD8+エフェクター機能をブーストし、それは免疫化モデル系において探索された。マウスからのCD8+リンパ球は、IL−15がトランス(trans)で提供された場合、より高いレベルで標的発現HIV−1抗原を溶解することが可能であった。この効果は、CD4+ T細胞の強い増殖なしで起こった。しかしながら、CD4ノックアウト(KO)マウスにおいて、IL−15は、CD8エフェクター応答の発生におけるCD4支援のための要求を完全にはバイパス(by−pass)できなかった。これらの結果は、IL−15はCD8記憶細胞の拡大に高度に有効であるが、IL−15単独ではその初期発生には十分でないことを示唆している。
【0122】
材料および方法
ヒトPBMCのELIspotアッセイ
基本フィコール−ハイパーク技術によりHIV−1陽性ボランティアから単離されたPBMCについて、標準ELIspotアッセイによりエフェクター機能を評価した。PBMCを、10%FCSを含んだRPMI(M10)に、1x10細胞/mlの濃度で再懸濁した。抗体1−DIK(Mabtech,オハイオ州マリーモント;ナクカ,SE)を、0.1M炭酸塩−重炭酸塩溶液(pH9.6)中、15μg/mlに希釈し、そして96ウェルニトロセルロース膜プレート(Millipore,マサチューセッツ州ベッドフォード)を被覆するために使用した。プレートを4℃で一夜インキュベートした。プレートを200μlのPBSで6回洗浄した。122の無菌ペプチドの混合物を、DMSO中、50μg/μlの濃度(各ペプチドについて)でカクテルとして調製した。ペプチドは、すべてのHIV−1 Gagを包含する、15アミノ酸長の一連の重複したペプチドである(AIDS Reagent and Reference Repository, ARRR )。50ng/mlのIL−15(最終濃度25ng/ml)を含むまたは含まない、R10で1:200に希釈したペプチドカクテルの100μlとともに、100,000のPBMCを、ニトロセルロース抗体被覆プレートの各ウェルへ加えた(100μl@1.0x10細胞/ml)。各試料は三重にアッセイした。5μg/mlのPHAを陽性対照として使用した。プレートは37℃でおよそ24時間インキュベートした。プレートは次ぎに、200μlのPBSで6回洗浄した。100μlの抗体7−B6−1−ビオチン(Mabtech)を、PBS中、1μg/mlの濃度で各ウェルへ加えた。プレートを室温で2−4時間インキュベートした。プレートを200μlのPBSで6回洗浄した。100μlのストレプトアビジン−ALP(Mabtech)を、PBS中、1μg/mlの濃度で各ウェルへ加えた。プレートを室温で1−2時間インキュベートした。プレートを200μlのPBSで6回洗浄した。100μlの基質溶液(BCIP/NBT,Sigma)を各プレートへ加えた。発色溶液を水道水で除去した。CD8かまたはCD4に特異的なモノクローナル抗体と共役させたDynabeads(Dynal Biotech,ニューヨーク州レイクサクセス;オスロ,NO)を、CD8およびCD4集団を枯渇させるために使用した。
【0123】
CD3に対するモノクローナル抗体によるPBMCの同時刺激
HIV−1に対して血清陽性の対象からの単離PBMCを、IL−15(50ng/ml)と共にまたは無しで、Dynabeads(Dynal Biotech)へ結合されたCD3に特異的なモノクローナル抗体で刺激し、上記のようにELISPOTにより、IFN−ガンマの産生を分析した。CD8かまたはCD4に特異的なモノクローナル抗体と共役させたDynabeads(Dynal Biotech)を、CD8およびCD4集団を枯渇させるために使用した。
【0124】
CD40LによるPBMCの同時刺激
CD40Lタンパク質を、250μg/mlの濃度で、IL−15およびペプチド混合物と組み合わせて試験し、そして上記のようなELISPOTにより、IFN−ガンマの産生を分析した。
【0125】
マウスにおけるプラスミド免疫化
メスBalb/cマウスは、以前に記載されているように、0および2週目に、50μgのpCgagまたはpCenv、および50μgのIL−2R依存性Th1サイトカインIL−15を同時ワクチン接種した(下記参考文献33)。Cd4tm1Kmv標的化変異体のホモ接合性マウスもまた使用した。これらのマウスは、CD4遺伝子における変異のため、CD4+ T細胞発生が完全に阻止されている;それらの循環T細胞の90%はCD8+である。ホモ接合性マウスはまた、ヘルパーT細胞活性および他のT細胞応答におけるクラスII制限欠損も示す。B6.129S6−は、0および2週目に、50μgのpCgagおよび50μgのCD40L、IL−15または両方を組み合わせて発現するプラスミドを同時ワクチン接種した。すべてのDNAはQiagenカラムを使用して作製し、そして最終処方は、0.25%ブピバカインを含む等張クエン酸緩衝液であった。脾臓を二回目の注射から一週間後に採取した。
【0126】
マウス細胞毒性Tリンパ球アッセイ
CTL応答は、標的として組換えワクシニア感染細胞を使用する、5時間51Cr放出CTLアッセイで評価した。脾臓細胞は、ワクチン接種して一週間後に単離し、そしてインビトロで刺激した。エフェクターは、関連ワクシニア感染細胞で刺激した。P815を、gag/polのためのvDK1(ARRR)またはenvのためのvMN462(ARRR)で感染させた。以前に記載されているように刺激細胞を0.1%グルタルアルデヒドで固定し、そしてCTL培養培地中で4から5日、1:20の比で脾臓細胞とインキュベートした。CTL培養培地は、イスコブ(Iscove)変法ダルベッコ培地(Gibc−−BRL,ニューヨーク州グランドアイランド)、そして10%ウシ胎児血清1640(Gibco−BRL)およびConAを含まない10%RAT−T−STIM(Becton Dickinson Labware,マサチューセッツ州ベッドフォード)を加えたハンクス平衡塩類溶液(Gibco−BRL)の1:1の比から成っている。ワクシニア感染標的は、3x10P815細胞を10の感染効率(MOI)で、37℃にて12時間感染させることにより調製した。標準クロム放出アッセイは、標的細胞を20μCi/ml Na51CrOで120分標識し、そして刺激されたエフェクター脾臓細胞と37℃で6時間インキュベートすることにより実施した。CTL溶解は50:1から12.5:1の範囲のエフェクター:標的(E:T)比で決定した。上清を採取し、LKB CliniGammaガンマ−カウンターで計数した。パーセント特異的溶解は式:
100x{(実験的放出−自発的放出)/(最大放出−自発的放出)}
から決定する。最大放出は1%トリトンX−100含有培地中の標的細胞の溶解により決定した。「自発的放出」のカウントが「最大放出」の20%を超えたならば、アッセイは正当とは考えなかった。
CD8+T細胞の補体溶解
CD8T細胞は抗−CD8モノクローナル抗体(Pharmingen,カリフォルニア州サンディエゴ)での処理により脾臓細胞から取り出され、続いてウサギ補体(Sigma)と37℃で45分間インキュベートした(下記参考文献33)。
【0127】
マウスTヘルパー細胞増殖アッセイ
リンパ球増殖アッセイは、リンパ球の全体の免疫適格性を評価するため、および抗原特異的分裂細胞を検出するために使用した。リンパ球を脾臓から採取し、記載されているように、赤血球を除去しそして新鮮な培地で数回洗浄することにより調製した(下記参考文献34)。単離された細胞懸濁液を5x10細胞/mlの濃度で再懸濁した。5x10細胞を含んでいる100μlを直ちに96ウェルマイクロタイター平底プレートの各ウェルへ加えた。組換えp24タンパク質をウェルに三通りで加えると、5μg/mlおよび1μg/mlの最終濃度を生じる。細胞は5%CO中、37℃で3日間インキュベートした。各ウェルに1μCiのトリチウム化チミジンを加え、そして細胞を37℃で12から18時間インキュベートした。プレートを採取し、取り込まれたトリチウム化チミジンの量をBeta Plateリーダー(Wallac,トゥルク,フィンランド)で測定した。刺激指数は式:
刺激指数(SI)=(実験的カウント/自発的カウント)
から決定した。自発的カウントウェルは無関係タンパク質対照として働く10%ウシ胎児血清を含んでいる。同様に、pCGagまたは対照免疫化マウスからの脾臓細胞は、無関係タンパク質標的に対して1のSIを有している。細胞が健康であるのを確かめるため、PHAまたはconA(Sigma)をポリクローナル刺激物質陽性対照として使用した。
【0128】
刺激マウス細胞のサイトカインおよびケモカイン分析
リンパ球を脾臓から採取し、そして単離した細胞を1x10細胞/mlの濃度で再懸濁した。5x10細胞/mlを含んでいる100μlを96ウェルマイクロタイター平底プレートの各ウェルへ加えた。組換えp24または外被タンパク質をウェルに三通りで加えると、5μg/mlおよび1μg/mlの最終濃度を生じる。細胞を5%CO中、37℃で3日間インキュベートし、そして上清を採取した。サイトカインおよびケモカインは商業的に入手可能なELISAキットで測定した。
【0129】
刺激マウス細胞インターフェロン−γの細胞内染色
マウスにpCgag DNAかまたはpCgag DNAにpIL−15を加えたものを2回注射した。一週間後、脾臓細胞を採取し、そしてp55ペプチドカクテル(11aaの重複でHIV−1 p55に広がる122の15merを含んでいる)およびブレフェルジンAを含んでいる培地中で5時間、インビトロで培養した。刺激後、細胞を、抗マウスCD3および抗マウスCD8抗体で細胞外から、そして次ぎに抗マウスIFN−γで細胞内的に染色した。ドットプロットはCD3+/CD8+リンパ球からの応答を示している。
【0130】
エピトープマッピング(mapping)
脾臓細胞を、10%FCSを含むRPMI(R10)に、1x10細胞/mlの濃度で再懸濁した。AIDS Reference and Reagent Repository から得られた一連の122のペプチドを、プール当たり10ペプチドのプールとして20μg/ml/ペプチドの最終濃度で混合した。各ペプチドは総計で22ペプチドプールの二つの異なったプールに含まれていた。プールをマトリックス形式で配置し、そして脾臓細胞刺激に使用した。IFN−ガンマ産生を、ELISPOT(R and D systems)により評価した。プレートは37℃でおよそ24時間インキュベートした。各試料は三重にアッセイした。
【0131】
結果
CD3およびIL−15によるリンパ球の刺激
IL−15は、T細胞レセプター刺激と相乗的様式で、T細胞エフェクター活性化を増加させる能力で評価した。PBMCはHIV−1感染個体から単離した。PBMCは、CD3に対する表面結合抗体で刺激し、そして次ぎにIL−15と一夜インキュベートした。予測されたように、PBMCのCD3刺激単独でIFN−γの産生が誘導され、一方、IL−15補給単独では低い応答が誘導されるかまたは無応答であった。しかしながら、リンパ球をCD3およびIL−15で一緒に刺激した場合、IFN−γを分泌している細胞数の、数倍の増加が観察された(図1)。刺激された集団のCD4+またはCD8+T細胞を枯渇させ、次ぎにIL−15を補給し、そして活性を再び試験した。再び、CD8細胞の喪失は、活性化シグナルを枯渇させた。データは、慢性感染HIV−1個体からのCD8+エフェクターT細胞が、IL−15/CD3刺激により拡大可能であることを示している(図2)。
【0132】
IL−15刺激後のHIV−1陽性試料の抗原特異的IFN−γ産生
HIV−1抗原特異的CD8+応答を増進するIL−15の能力を、インビトロで評価した。試料は、組み合わせ抗レトロウイルス療法(HAART)で処置されている、慢性感染HIV−1+対象から採集した。PBMCは、IL−15存在下あるいは非存在下、HIV−1特異的ペプチドでの刺激後に、IFN−ガンマを分泌する能力で評価した。PBMCを、HIV−1gagタンパク質の全読み取り枠を包含する、重複HIV−1 15アミノ酸ペプチドで刺激した。ペプチドで刺激された対象からのPBMCは、IL−15で処理した場合、拡大されたIFN−ガンマ産生を示し(図3Aおよび3B)、IL−15存在下および非存在下でのIFN−ガンマ産生間に有意な相違が存在した(p=.009)(図3C)。幾人かの対象は、IL−15刺激単独でIFN−ガンマ分泌の高いレベルを有しており(図3A)、阻止されそして有効であるにはサイトカイン補給を必要とする、部分的T細胞活性化を有していたことを示唆している。この活性は、IFN−ガンマ産生がCD8細胞集団を枯渇した場合に消失するので、明らかにCD8仲介であった(図3D)。
【0133】
IL−15はインビトロでマウスにおけるCD8+CTL応答を増進する
HIV−1応答およびIL−15の上記の研究は、IL−15が刺激されたT細胞集団においてIFN−ガンマ産生を増進できることを確立した。しかしながら、インビボでのCD8+T細胞の機能的誘導に対して、IL−15がどのような効果を有しているのかは明らかではない。この質問に取り組むため、マウスモデル系を使用した。HIV−1抗原を搬送する、そしてインビボでのCD8免疫性の誘導を研究する手段としてHIV−1プラスミドをマウスにワクチン接種した。HIV−1発現プラスミドは、IL−15を発現するプラスミドかまたは対照プラスミドと同時注射し、生じる免疫応答を比較した。大量CTLアッセイにおいて、HIV−1外被およびIL−15を発現するプラスミドとの同時注射は、外被プラスミドおよび対照ベクターで観察された11%の溶解と比較し、50:1のエフェクター:標的比で、HIV−1外被発現標的のほとんど40%の溶解を生じた(図4、パネルA)。これらの結果はCD8T細胞依存性であり、そしてエフェクターT細胞応答に対するIL−15の有意な効果を示している。
【0134】
マウスにおいて、IL−15は抗原刺激後にMIP−1βおよびIFN−γ分泌を誘導する
ワクチン誘導細胞性免疫応答を、免疫活性化のマーカーとしてβ−ケモカインMIP−1βの発現プロフィールを試験することによりさらに拡張した。ケモカインは免疫および炎症性応答の重要な調節剤である。それらは、宿主防御の血管から末梢部位への白血球輸送の分子制御において特に重要である。さらに、MIP−1βを含むT細胞産生ケモカインが、細胞性免疫拡大に決定的な役割を果たしていることが以前に報告されている(下記参照文献24)。それ故、刺激されたT細胞により産生されたケモカインのレベルは、抗原特異的細胞性免疫応答のレベルおよび質についての追加の洞察を提供することができる。刺激されたT細胞からの上清(材料および方法に記載されているような)を分析し、そしてMIP−1βの放出を試験した。IL−15との同時免疫化は、高レベルのMIP−1βの分泌を生じた(図4、パネルB)。
【0135】
上清はまた、Th1サイトカイン、IFN−γの産生も評価した。試料は、HIV−1外被を発現する組換えワクシニアを感染させた刺激細胞による、3日間のリンパ球刺激後にCTLアッセイで使用される細胞からその直前に得られた。図4、パネルCは、プラスミドワクチン単独または対照を注射したマウスと比較して、IL−15を同時注射したマウスからの脾臓細胞はより高いレベルのIFN−γ(120pg/ml)を誘導したことを示している。対照的に、これらの研究において、いずれの培養物によっても有意なIL−4産生は観察されなかった(データは示されていない)。
【0136】
IFN−γおよびTNF−αの細胞内染色
HIV−1ワクチンに対するT細胞応答を定量するため、細胞内サイトカイン染色を実施した。免疫化動物を殺し、脾臓細胞を採取し、そしてp55カクテル混合物およびブレフェルジンAを含んでいる培地中で、5時間インビトロ培養した。CD8+ CD3+T細胞のIFN−γおよびTNF−αの産生について、フローサイトメトリーによりアッセイした(図5、パネルAおよび図5、パネルB)。IL−15を同時ワクチン接種した動物では、2.6%のCD8+T細胞がIFN−γを産生し、3.7%がTNF−αを産生しているという高いCD8エフェクターT細胞応答を示した。これらのデータは、IL−15が機能的CD8+T細胞応答に対して著明な効果を示していることを例証している。
【0137】
IL−15およびHIV−1ワクチンで同時免疫化したマウス脾臓細胞のリンパ球増殖
Tヘルパーリンパ球の活性化および増殖は、体液性および細胞性免疫拡大に重要である。免疫化マウスからの脾臓細胞は、組換えHIV−1抗原での刺激に応答して増殖する能力について、基礎リンパ球増殖アッセイにおいて評価した。IL−15は、増殖性応答に対して劇的な影響を有していないようである(図6)。しかしながら、IL−2を対照として使用し、IL−2プラスミドを同時注射したマウスにおいては、gp120envタンパク質への脾臓細胞増殖の有意な増加が明瞭に観察された。IL−2を同時注射したマウスの脾臓細胞の刺激指数は、対照(pCgag単独)またはpCEnv+IL−15で免疫化したマウスの指数よりも少なくとも3倍以上高い指数を生じた(図6)。このデータはさらに、IL−15が、T細胞支援の劇的拡大なしでCD8T細胞機能を増進させると思われることを例証している。このことは、こうした場合における、CD4ならびにCD8エフェクター機能の拡大を示唆している。
【0138】
エピトープマッピング
IL−15処理によるCD8+T細胞応答の増進が、応答するエピトープの数の増加によるものか(即ち、エピトープスプレッディング)、または同一のエピトープに特異的なCD8+T細胞の全体数の増加によるものかという問題を解決するため、ELISPOTアッセイおよびAIDS Reference and Reagent Repository から得られた一連のペプチド(マトリックス形式のプールとして混合されている)を利用した。二つのエピトープを同定した。優位なエピトープはGagアミノ酸197から211に位置づけられた(AMQMLKETMEEAAE −配列番号1)(図7)。Patersonらは以前に、組換えL.モノサイトジェネスHIV−1ワクチンでの免疫化後の優位なCD8エピトープをAMQMLKETI −配列番号2と定義している(下記参考文献35)。準優位なエピトープ、Gagアミノ酸293−307(FRDVDRFYKTRAE −配列番号3)(図7)をさらに定義した。Gagでのみ免疫化された群において、両方のエピトープに対して、応答したエピトープの数の増加は観察されなかった。しかしながら、IL−15はこれらのエピトープへの応答の大きさを劇的に拡大した。IL−15同時ワクチン接種動物においてのみ、準優位のエピトープが明瞭に明らかであった。IL−15はエフェクターCD8細胞の拡大に強い影響を与える。
【0139】
CD4ノックアウトマウス
我々は、IL−15がHIV−1感染個体からのPBMCにおいて抗原特異的CD8 T細胞拡大を可能にすることを観察した。我々はまた、我々のワクチンモデルにおいて、CD4拡大に依存しない、有意なCD8エフェクター細胞誘導も観察した。それ故、IL−15免疫拡大に対するCD4ヘルパーT細胞の寄与が問題となった。この問題に立ち向かうために、CD4細胞が完全に非存在下での、CD8エフェクター集団を誘導するIL−15の能力を調べた。Cd4tm1Kmv標的化変異体のホモ接合性マウスを免疫した。これらのマウスは、CD4+ T細胞発生が完全に阻止されており、そしてそれ故、循環リンパ球のほとんどはCD8細胞である。正常マウスにおいて、百万の脾臓細胞当たり平均およそ200のIFN−ガンマ産生細胞が誘導される、プラスミド同時免疫化モデルを利用し、CD4細胞の完全非存在下では、IL−15は誘導されたCD8エフェクター機能を救出することはできなかった(図8、パネルB)。IL−15の効果はCD4拡大には関与していないと思われたので(図6)、欠損はTヘルパー細胞により提供される別の機能の欠如によると理由づけられた。CD4 Tヘルパー細胞はまた抗原提示細胞(APC)の活性化を通してCD8拡大のための支援を提供する。APC活性化のこのモデルにおいて、APC上の、T細胞CD40リガンドへのCD40のライゲーションは、T細胞活性化を可能にするB7発現を上方制御する。B7分子は、MHCクラスIペプチド提示の関連において、CD8 T細胞拡大のための同時刺激を提供する。また、Bourgeoisらは(下記参考文献37)、CD40Lが直接CD8記憶細胞発生に強く影響を与えることが可能であることを示している。
【0140】
CD4支援における欠損が、それ自身同時刺激の欠如のレベルを示していることを次ぎに考慮しそして探求した。この仮説を試験するため、IL−15およびCD40Lの両方、ならびにpCgagを含んでいるプラスミドでマウスを免疫した。固着CD40L分子を使用した。固着CD40Lは局所的におよび免疫細胞の輸送において発現されるであろうが、実験を複雑化する分泌は行われないであろう(下記参考文献38)。こうしたワクチン接種は、プラスミドモデルにおいて、トランスでの同時刺激を提供することが可能である(下記参考文献38)。実際、pCgagがpCD40Lと組み合わされて研究された場合、Gag特異的CD8免疫応答がCD40 KOマウスにおいて誘導された(図8)。このデータはさらに、IL−15が記憶CD8リンパ球に直接強い影響を与えることを示している。CD4細胞非存在下では、IL−15は未処理の細胞から抗原特異的CD8細胞性応答を誘導することができなかった。
【0141】
議論
HIV−1特異的CD8免疫応答の維持および増進は、多くの研究の源であった。最近の研究は、IL−15が、記憶細胞生存を支援することにおいて重要な役割を果たすことができることを報告している。マウスモデルにおいて、IL−15の存在は記憶細胞分裂を導くことが可能であることを観察している(下記参考文献39)。生体外機能分析、ならびに遺伝的にIL−12、IL−15またはその特異的レセプターを欠いているトランスジェニックマウスを使用する研究が、IL−15により果たされている役割の特徴づけに重要であった。実際、Zhangおよび共同研究者(下記参考文献39)は、インビボマウスモデルにおいて、IL−15が記憶表現型、CD44hi CD8+ T細胞の有効でそして区別を示す刺激を提供することを示している。そして、Kuら(下記参考文献40)は、記憶CD8+ T細胞の分裂がIL−15により刺激されるが、IL−2によっては阻害されることを報告している。IL−2がCD8+記憶T細胞の増殖を阻害することも観察されている。
【0142】
本明細書で開示した研究は、インビトロおよびインビボでCD8+エフェクターT細胞を誘導することにも特に有効であることを示している。HIV−1感染患者から単離されたCD8+ T細胞は、ペプチドおよびIL−15とインキュベートした場合、抗原特異的様式でIFN−ガンマを分泌することが可能である。IL−15はTCRと協力してリンパ球を刺激してIFN−γを産生するように働き、そしてエフェクター表現型を呈している。幾人かの対象において、IL−15は、抗原非存在下で、IFN−γの産生を導いた。このことは、HIV感染において、ある細胞が部分的に活性化され、そしてこの活性化状態がIL−15により救助できることを示唆している。しかしながら、重要なことは、PBMCがIL−15およびHIV−1抗原の両方で刺激された場合の、すべての対象におけるエフェクター機能の有意な増加である。
【0143】
最近、von Adrianおよび共同研究者(下記参考文献41)は、リンパ球のIL−15刺激が、未処理の細胞から直接、記憶細胞表現型へ進行しているCD8+ T細胞を生じることが可能であることを示唆した。しかしながら、本明細書のデータは、TCRの関与がCD8+ Tリンパ球のより完全な活性化を導くことができることを示唆しており、未処理細胞に対するIL−15単独の影響は最小であろうことを示している。加えて、IL−15は非機能的である記憶細胞へ導いたことが示唆されている(下記参考文献41)。本明細書のデータは、ヒトならびにマウス研究の両方で評価されるように、IL−15拡大が完全に機能的なCD8+ T細胞を生じることを示している。マウスにおいて、IL−15はCD8+ T細胞応答ならびにβ−ケモカインおよびIFN−ガンマ応答の増進を劇的に増加し、抗原特異的拡大を明瞭に示しており、そして従来の研究(下記参考文献33および42)を樹立している。CD8+ T細胞機能のこの拡大は、CD4+ T細胞拡大の非存在下で観察された。さらに、CD8応答の発生において、CD4 T細胞の重要な役割が存在する。CD4ノックアウトマウスの研究において、CD4 T細胞に対する要求は、CD40Lを利用することにより回避することができた。この発見は、ウイルス感染の免疫療法に決定的に重要であることができる。
【0144】
多くの免疫療法戦略は、CD8+ T細胞応答の拡大に焦点を当ててきた。HIV−1感染は、効果的なCD4+ T細胞支援の欠如へ寄与する、ウイルス誘導免疫抑制を通して免疫療法を複雑にしている。順に、この支援の欠如は、非生産性CD8+ T細胞応答の原因であると考えられている。一般に、慢性感染は、ウイルス複製の制御を維持するためのCD4+支援を必要とし、そしてこのことはHIV−1感染の場合に可能性がある。Serbinaら(下記参考文献43)は、CD8+細胞障害性T細胞の発生は、CD4+ T細胞に依存していることを示した。彼らはさらに、CD4 T細胞ノックアウトマウスは減少したIL−15産生を有していたことも観察した。さらに、IL−15はCD4+ T細胞により産生されない。それは主として間質細胞、単球およびマクロファージにより産生される。CD4+ T細胞がIL−15の産生を増進する場合、いくらのフィードバック機構が存在することが可能であり、そして減少したCD4支援の場合、最終的にCD8+ T細胞機能は減少する。このフィードバック機構は、IL−15単独の添加後、6人の対象中の3人においてなぜIFN−γの産生があったかを説明することができる。CD4非存在下、そしてそれ故に低レベルのIL−15で、残存ウイルスは、HIV−1に血清陽性な対象においてCD8+ Tリンパ球を部分的にのみ活性化することができる。重要なことは、ここで、ウイルス免疫抑制により起こされた欠損を置換するため、IL−15をトランスで加えることが可能であると思われる。この仮説からの意味を、HIV−1の免疫療法の領域で考慮すべきである。
【0145】
要約すると、IL−15はマウスにおいてCD8+ T細胞エフェクター機能を拡大し、そしてHIV−1感染に陽性な対象から単離されたCD8+ T細胞の機能性を拡大した。有効な免疫療法への補給物としてのIL−15の使用を、HAARTへの補助療法として考慮すべきである。
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【0146】
実施例2
免疫易感染性個体ならびに抗腫瘍免疫学において、ウイルス複製を制御するためにCD4(+)Th細胞およびIFN−ガンマの産生が必要とされている。実施された実験からのデータは、CD8エフェクターまたはT細胞の拡大のためのT細胞支援の要求性が、ワクチン部位でのIL−15およびCD40Lの局所産生により置き換えることが可能であることを示している。CD4(+)T細胞がMHCクラスIIベータ鎖の遺伝子ノックアウト(MHC II KO)により除去されているマウスを使用した実験は、抗原gag+IL−15+CD40Lで動物を抗原刺激すると、CD8T細胞の活性化を導くことを明らかにした。活性化はスポット(spot)としてIFN−ガンマ産生を測定した。このアッセイにおいて、50スポットより多いものが陽性である。図9に示されたこれらのデータは、CD4(+)T細胞支援に非依存性である、エフェクターCD8T細胞の活性化のための簡単な方法を例示している。これらの研究は、免疫無防備状態の個体の処置に重要である。
【0147】
実施例3
ヒト、マウスおよびサルIL−15 cDNAは、48アミノ酸(aa)リーダーを含んでいる162aa残基前駆体タンパク質をコードしており、それは切断されて114aa残基の成熟IL−15を発生する。ヒトIL−15は、サルおよびマウスIL−15と各々、およそ97%および73%の配列同一性を共有している。ヒトおよびサルIL−15の両方ともマウス細胞に対して活性である。IL−15の構造は決定されていないが、IL−2および4本へリックスバンドルサイトカインファミリーの他のメンバーと類似していると予測されている。(Grabstein, K. et al. (1994) Science 264: 965, Anderson, D. M. et al. (1995) Genomics 25: 701 ;およびBamford, R. N. et al. (1995) Cytokine 7: 595, Brandhuber, B. J. et al. (1987) Science 238: 1707, 両方とも本明細書において援用される)。
【0148】
IL−15 mRNAは心臓、肺、肝臓、胎盤、骨格筋、接着性末梢血単核細胞、APC(樹状細胞)そして上皮および繊維芽細胞株において検出されている。しかしながら、IL−15 mRNAは高レベルのIL−2 mRNAを含む活性化末梢血T細胞では検出されていない。IL−15はナチュラルキラー細胞、活性化末梢血Tリンパ球、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)およびB細胞の増殖を刺激することが示されている。加えて、IL−15はまた、ヒト血液Tリンパ球に対して化学誘引物質であり、NK細胞においてリンホカイン活性化キラー(LAK)活性を誘導し、そして細胞溶解性エフェクター細胞の発生を誘導することも示されている。(Armitage, R. J. et al. (1995) J. Immunol. 154: 483 ; P. Wilkinson and F. Liew (1995) J. Exp. Med. 181: 1255 ; Grabstein, K. et al. (1994) Science 264: 965 ;Giri, J. G. et al. (1994) EMBO J. 13: 2822 ;およびGiri, J. G. et al. (1995) EMBO J. 15: 3654, 各々が本明細書において援用される)。
【0149】
IL−15はプロトタイプTh1サイトカインであるので、そしてT細胞、NK細胞、LAK細胞およびTILの刺激剤としてのその活性のため、IL−15は、細胞性免疫応答を増進させるために、HIVワクチンのごときDNAワクチンと共に分子補助剤として使用するための刺激的な候補である。IL−15はHIV特異的CTLを拡大し、そしてIL−15の過剰産生は、クローン病のごとき炎症性疾患と関連している。
【0150】
ノーザンブロット分析は、IL−15の広範囲に広がった構成的発現を示している。発現の制御は、翻訳およびトランスロケーション(細胞内輸送)のレベルで、転写後に起こっている。IL−15 mRNAはタンパク質へのその翻訳を妨害する多くの要素を含んでおり、以下のものが含まれる:1)効果的なIL−15翻訳を妨害する、5’AUGが上流AUGとともに負担となる(マウスで5、ヒトで12);2)IL−15コード配列のための開始コドンは弱いコザック含有物(GTAATGA) を有している;3)IL−15成熟タンパク質コード配列のC末端における負の要素の存在。(Grabstein et al., (1994) Science 264: 965-968, Bamford et al., (1996) PNAS 93: 2897-2902; Bamford et al., (1998) J. Immunol 160: 4418-4426 ;およびKozak et al., (1991) J. Cell Biol. 115: 887-903, これらは各々、本明細書において援用される)。これら三つの制御の各々は、発現を改良するために除去することができる。
【0151】
天然のIL−15アイソフォームは二つのリーダーペプチドを含んでいる:21aaシグナルペプチド(SSP)または48aaシグナルペプチド(LSP)(Waldmannら,Ann. Rev.Immunol. (1999) 17: 19-49, 本明細書において援用される)。
【0152】
免疫化のためのIL−15 DNA構築物の最適化を通して、IL−15の発現を増加させるため、以下の戦略に従った。プライマーはシグナルペプチドの開始からIL−15を増幅するように設計し、それ故上流抑制性AUGは最終IL−15メッセージ中には存在しない。プライマーは強力なコザック含有物(GCCGCCACC) を含むように設計した。PCRアンチセンスプライマー設計を使用して、C末端負の制御要素を除去した。プライマーは図10に示されている。
【0153】
IgEリーダーでの48アミノ酸IL−15シグナルペプチド(LSP)の置換を通した、IL−15の発現を増加させるための以下の戦略を実施した。センスプライマーは48aaLSP後に開始するように設計し、一方アンチセンスプライマーは終止部位から増幅した。プライマーは強力なコザック含有物(GCCGCCACC−配列番号4)を含むように設計した。センスプライマーは、ATG開始部位を加えたIgEリーダー配列のための配列を含むように設計した。プライマーは図11に示されている。
【0154】
多様な構築物を調製し、そしてRD細胞をトランスフェクトするために使用した。IL−15タンパク質産生を、多様な構築物について測定した。データは図12、パネルA−Cに示されている。図13AはIL−15へ連結された21アミノ酸シグナルペプチドのためのコード配列(IL−15 SSP−左)およびヒト48アミノ酸シグナルペプチドのためのコード配列(IL−15 LSP−右)を含むヒト構築物による発現の比較を示している。図12,パネルBは、48アミノ酸シグナルペプチドのためのコード配列(ヒトIL−15 LSP−左)およびIgEシグナルペプチドのためのコード配列(ヒトIL−15−IgE−右)を含むヒト構築物による発現の比較を示している。図12、パネルCは、48アミノ酸シグナルペプチドのためのコード配列(MacIL−15 LSP−左)およびIgEシグナルペプチドのためのコード配列(MacIL−15−IgE−右)を含むマカク構築物による発現の比較を示している。
【0155】
IL−15生物活性は、多様な構築物から産生されたIL−15タンパク質を測定した。データは図13パネルAおよびBに示されている。図13、パネルAは、48アミノ酸シグナルペプチド(ヒトIL−15 LSP−左)およびIgEシグナルペプチドのためのコード配列(ヒトIL−15−IgE−右)を含むヒト構築物間のIL−15生物活性の比較を示している。図13、パネルBは、48アミノ酸シグナルペプチドのためのコード配列(MacIL−15 LSP−左)およびIgEシグナルペプチドのためのコード配列(MacIL−15−IgE−右)を含むマカク構築物間のIL−15生物活性の比較を示している。
【0156】
IgEシグナルペプチドのためのコード配列に連結されたIL−15コード配列の挿入を含む発現ベクターpVAXを使用して構築物を作製した。HIV−1 Gagをコードする構築物も発生させた。HIV−1 Gagと組み合わせたIL−15操作プラスミドを使用して、免疫応答に対する効果を比較する免疫学的実験を実施した。図14に示された免疫化スケジュールに従って、Balb/cマウスをワクチン接種した。
【0157】
免疫応答は、3回目の免疫化から5週後に、抗原特異的IFN−γ産生の再刺激を比較することにより研究した。データは図15に示されている。ワクチン群には、未処理マウス、ベクターpCDN3をワクチン接種したマウス、HIV−1 Gagをコードする構築物をワクチン接種したマウス、HIV−1 Gagおよび48アミノ酸シグナルペプチドへ連結されたIL−15をコードする構築物をワクチン接種したマウス、そしてIgEシグナルペプチドへ連結されたHIV−1 Gagをコードする構築物をワクチン接種したマウスが含まれていた。
【0158】
実施例4
操作されたIL−15プラスミドワクチンを、天然のIL−15コザック領域、AUGおよびUTRを除去することにより構築した。操作されたIL−15プラスミドは、IgEシグナルペプチドのためのコード配列と共に提供した。操作されたIL−15は、匹敵する野生型プラスミドで観察されたレベルより、30から50倍のレベルで発現した。操作されたIgEシグナル−IL−15およびHIV−1 gag構築物で同時免疫されたマウスで観察された免疫応答は、HIV−1 gag構築物単独で免疫されたマウスよりも著しい倍数で大きかった。データは図16に示されている。
【0159】
実施例5
免疫調節タンパク質をコードする単離されたcDNAは、免疫調節タンパク質を産生可能である構築物の構築において出発物質として有用である。いくつかの態様において、以下の免疫調節タンパク質の一つのコード配列がIgEシグナルペプチドへ連結されている構築物を提供する。いくつかの態様において、こうした構築物を本明細書に記載されているようなワクチンおよび免疫調節組成物の一部として提供する。
【0160】
標準技術および容易に入手可能な出発物質を使用して、免疫調節タンパク質をコードする核酸分子を調製し、そして本明細書に記載されているような構築物、ベクター、ワクチンその他の中へ組み込むことができる。
【0161】
Genbank受入番号AF031167は、ヒトIL−15 mRNAの完全コード配列を示している。Genbank受入番号Y09908、X91233、X94223およびX94222もまたヒトIL−15配列を示している。各々の配列は本明細書において援用される。
【0162】
Genbank受入番号L07414は、ヒトCD40−リガンド mRNAを示している。本配列は本明細書において援用される。
【0163】
Baxのためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はL22473であり、本明細書において援用される。
【0164】
TRAILのためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はU37518またはAF023849であり、本明細書において援用される。
【0165】
TRAILrecDRC5のためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はU90875またはAF016266であり、本明細書において援用される。また、本明細書において援用されるのは、TRAIL−R2 AF016849;TRAIL−R3 AF014794;およびTRAIL−R4 AF021232である。
【0166】
RANKのためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はAF018253であり、本明細書において援用される。
【0167】
RANK LIGANDのためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はAF019047またはAF333234であり、本明細書において援用される。
【0168】
Ox40のためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はX75962であり、本明細書において援用される。
【0169】
Ox40 LIGANDのためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はX79929またはAB007839であり、本明細書において援用される。
【0170】
NKG2Dのためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はAF461811またはX54870であり、本明細書において援用される。
【0171】
MICAのためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はX92841であり、本明細書において援用される。
【0172】
MICBのためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はU65416であり、本明細書において援用される。
【0173】
NKG2Aのためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はX54867であり、本明細書において援用される。
【0174】
NKG2Bのためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はX54868であり、本明細書において援用される。
【0175】
NKG2Cのためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はX54869またはAj0016984であり、本明細書において援用される。
【0176】
NKG2Eのためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はL14542であり、本明細書において援用される。
【0177】
NKG2Fのためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はAH006173、U96845またはU96846であり、本明細書において援用される。
【0178】
CD30のためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はM83554であり(Durkop, H et al. Cell 68 (3), 421-427 (1992)) 、本明細書において援用される。
【0179】
CD153(CD30L)のためのヌクレオチドおよびアミノ酸配列のGENBANK受入番号はL09753であり(Smith, C. A. , et al. Cell 73 (7), 1349-1360 (1993)) 、本明細書において援用される。
【0180】
Fosのためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はK00650またはV01512であり、各々が本明細書において援用される。
【0181】
c−junのためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はJ04111またはM29039であり、各々が本明細書において援用される。
【0182】
Sp−1のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はBC021101、BC005250、BC002878、M31126、J02893またはX15102であり、各々が本明細書において援用される。
【0183】
Ap1のためのヌクレオチド配列は、Lee et al, 1987 Cell 49: 741-752, Rauscher et al. 1988 Science 240: 1010-1016, およびChiu et al, 1988 Cell 54: 541- 552 に記載されているように同定することが可能であり、各々が本明細書において援用される。
【0184】
Ap−2のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はM36711であり、本明細書において援用される。
【0185】
p38のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はU66243であり、本明細書において援用される。
【0186】
p38のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はU66243であり、本明細書において援用される。
【0187】
p65Relのためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はL19067であり、本明細書において援用される。
【0188】
MyD88のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はU70451であり、本明細書において援用される。
【0189】
IRAKのためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はNM001569であり、本明細書において援用される。
【0190】
TRAF6のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はU78798であり、本明細書において援用される。
【0191】
IkBのためのヌクレオチド配列は、Gilmore et al. Trends Genet 1993 Dec; 9 (12): 427-33 、に記載されているように見出すことが可能であり、本明細書において援用される。
【0192】
NIKのためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はY10256であり、本明細書において援用される。
【0193】
SAP Kのためのヌクレオチド配列は、Franklin et al. Oncogene. 1995 Dec 7; 11 (11) : 2365-74 、に記載されているように見出すことが可能であり、本明細書において援用される。
【0194】
SAP1のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はM85164またはM85165であり、各々が本明細書において援用される。
【0195】
JNK2のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はL31951であり、本明細書において援用される。
【0196】
JNK1B2のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はU35005である;本明細書において援用される。
【0197】
JNK1B1のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はU35004である;本明細書において援用される。
【0198】
JNK2B2のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はU35003である;本明細書において援用される。
【0199】
JNK2B1のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はU35002である;本明細書において援用される。
【0200】
JNK1A2のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はU34822である;本明細書において援用される。
【0201】
JNK2A1のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はU34821である;本明細書において援用される。
【0202】
JNK3A1のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はU34820である;本明細書において援用される。
【0203】
JNK3A2のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はU34819であり、本明細書において援用される。
【0204】
NF−カッパ−B2、p49スプライス形のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はA57034であり、本明細書において援用される。
【0205】
NF−カッパ−B2、p100スプライス形のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はA42024であり、本明細書において援用される。
【0206】
NF−カッパ−B2、p105スプライス形のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はS17233であり、本明細書において援用される。
【0207】
NF−カッパ−B2 50K鎖前駆体のためのヌクレオチド配列のGENBANK受入番号はA37867であり、本明細書において援用される。
【0208】
NFkB p50のためのヌクレオチド配列は、Meyer R. , et al. (1991) Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 88 (3), 966 970 、に記載されており、本明細書において援用される。
【0209】
ヒトIL−1 αのヌクレオチドおよびアミノ酸配列はよく知られており、そしてTelford, et al. (1986) Nucl. Acids Res. 14: 9955-9963, Furutani, et al. (1985) Nucl. Acids Res. 14: 3167-3179, March, et al. (1985) Nature 315: 641-647 、および受入コードSwissprot P01583に示されており、各々が本明細書において援用される。
【0210】
ヒトIL−2のヌクレオチドおよびアミノ酸配列はよく知られており、そしてHolbrook, et al. (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 1634-1638, Fujita, et al. (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80: 7437-7441, Fuse, et al. (1984) Nucl. Acids Res. 12: 9323- 9331, Taniguchi, et al. (1983) nature 302: 305-310, Meada, et al. (1983) Biochem. Biophys. Res. Comm. 115: 1040-1047, Devos, et al. (1983) Nucl. Acids Res. 11: 4307-4323, および受入コードSwissprot P01585に示されており、各々が本明細書において援用される。
【0211】
ヒトIL−4のヌクレオチドおよびアミノ酸配列はよく知られており、そしてArai, et al. (1989) J. Immunol. 142: 274-282 Otsuka, et al. (1987) Nucl. Acids Res. 15: 333- 344, Yokota, et al. (1986) Proc. Natl. Acad. Sci USA 83: 5894-5898, Noma, et al. (1984) Nature 319: 640-646, Lee, et al. (1986) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83: 2061-2063 およびSwissprot 05112(マウスIL−4の受入コードはSwissprot 07750である)に示されており、各々が本明細書において援用される。
【0212】
ヒトIL−5のヌクレオチドおよびアミノ酸配列はよく知られており、そしてCampbell, et al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 6629-6633, Tanabe, et al. (1987) J. Biol. Chem. 262: 16580-16584, Campbell, et al. (1988) Eur. J. Biochem. 174: 345-352, Azuma, et al. (1986) Nucl. Acids Res. 14: 9149-9158, Yokota, et al. (1986) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 7388-7392 、および受入コードSwissprot P05113に示されており、各々が本明細書において援用される。
【0213】
ヒトIL−10のヌクレオチドおよびアミノ酸配列はよく知られており、そしてViera, et al. (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 1172-1176 7392 、および受入コードSwissprot P22301に示されている。
【0214】
ヒトIL−15のヌクレオチドおよびアミノ酸配列はよく知られており、そしてGrabstein, et. al. (1994) Science 264: 965-968 、および受入コードSwissprot UO3099に示されており、各々が本明細書において援用される。
【0215】
ヒトIL−18のヌクレオチドおよびアミノ酸配列はよく知られており、そしてUshio, et al. (1996) J. Immunol. 156: 4274-4279 、および受入コードSwissprot D49950に示されており、各々が本明細書において援用される。
【0216】
ヒトTNF−αのヌクレオチドおよびアミノ酸配列はよく知られており、そしてPennica, (1984) Nature 312: 724-72 、および受入コードSwissprot PO1375に示されており、各々が本明細書において援用される。
【0217】
ヒトTNF−βのヌクレオチドおよびアミノ酸配列はよく知られており、そしてGray, (1984) Nature 312: 721-724 、および受入コードSwissprot PO1374に示されており、各々が本明細書において援用される。
【0218】
ヒトインターロイキン12 mRNAの完全コード配列はGENBANK受入番号AF180563(P40 mRNA)およびAF180562(P35 mRNA)および米国特許第5,840,530号に示されており、各々が本明細書において援用される。
【0219】
MadCAM−1のための配列情報は、Genbank受入番号U80016に見出せ(Leung, E. , et al, Immunogenetics 46 (2), 111-119 (1997)) 、各々が本明細書において援用される。
【0220】
MadCAM−1のための配列情報は、Genbank受入番号U43628に見出せ(Shyjan, A. M. , et al, J. Immunol. 156 (8), 2851-2857 (1996)) 、各々が本明細書において援用される。
【0221】
NGFのための配列情報は、Genbank受入番号M57399に見出せ(Kretschmer, P. J. , et al., Growth Factors 5,99-114 (1991)) 、各々が本明細書において援用される。
【0222】
IL−7のための配列情報は、Genbank受入番号J04156に見出せ(Goodwin, R. G., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 86 (1), 302-306 (1989) ) 、各々が本明細書において援用される。
【0223】
VEGFのための配列情報は、Genbank受入番号M32977に見出せ(Leung, D. W. , et al., Science 246,1306-1309 (1989) ) 、各々が本明細書において援用される。
【0224】
TNF−Rのための配列情報は、Genbank受入番号M60275に見出せ(Gray, P. W. , et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 87,7380-7384 (1990) ) 、各々が本明細書において援用される。
【0225】
TNF−Rのための配列情報は、Genbank受入番号M63121に見出せ(Himmler, A., et al. DNA Cell Biol. 9,705-715 (1990)) 、各々が本明細書において援用される。
【0226】
Fasのための配列情報は、Genbank受入番号M67454に見出せ(Itoh, N. , et al. , Cell 66 (2), 233-243 (1991)) 、各々が本明細書において援用される。
【0227】
CD40Lのための配列情報は、Genbank受入番号L07414に見出せ(Gauchat, J. F. M., et al. FEBS Lett, 315,259-266 (1992)) 、各々が本明細書において援用される。
【0228】
IL−4のための配列情報は、Genbank受入番号M23442に見出せ(Arai, N. , et al. , J. Immunol. 142 (1), 274-282 (1989)) 、各々が本明細書において援用される。
【0229】
IL−4のための配列情報は、Genbank受入番号M13982に見出せ(Yokota, T., et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 83 (16), 5894-5898 (1986)) 、各々が本明細書において援用される。
【0230】
CSFのための配列情報は、Genbank受入番号M37435に見出せ(Wong, G. G. , et al. Science 235 (4795), 1504-1508(1987)) 、各々が本明細書において援用される。
G−CSFのための配列情報は、Genbank受入番号X03656に見出せ (Nagata, S., et al, EMBO J. 5 (3), 575-581 (1986)) 、本明細書において援用される。
【0231】
G−CSFのための配列情報は、Genbank受入番号X03655に見出せNumber (Nagata, S. , et al., EMBO J. 5 (3), 575-581 (1986)) 、本明細書において援用される。
【0232】
GM−CSFのための配列情報は、Genbank受入番号M11220に見出せ(Lee, F. , et al., Proc. Ntl. Acad. Sci. U. S. A. (13), 4360-4364 (1985)) 、本明細書において援用される。
【0233】
GM−CSFのための配列情報は、Genbank受入番号M10663に見出せ(Wong, G. G. , et al. , Science 228 (4701), 810-815 (1985)) 、本明細書において援用される。
【0234】
M−CSFのための配列情報は、Genbank受入番号M27087に見出せ(Takahashi, M., et al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 161 (2), 892-901 (1989)) 、本明細書において援用される。
【0235】
M−CSFのための配列情報は、Genbank受入番号M374355に見出せM37435 (Wong G. G. , et al., Science 235 (4795), 1504-1508(1987)) 、本明細書において援用される。
【0236】
LFA−3のための配列情報は、Genbank受入番号Y00636に見出せ(Wallner, B. P. , et al. , J. Exp. Med. 166 (4), 923-932 (1987)) 、本明細書において援用される。
【0237】
ICAM−3のための配列情報は、Genbank受入番号X69819に見出せ、本明細書において援用される。
【0238】
ICAM−2のための配列情報は、Genbank受入番号X15606に見出せ(Staunton, D. E. , et al. , Nature 339 (6219), 61-64 (1989)) 、本明細書において援用される。
【0239】
ICAM−1のための配列情報は、Genbank受入番号J03132に見出せ(Staunton, D. E. , et al., Cell 52 (6), 925-933 (1988)) 、本明細書において援用される。
【0240】
PECAMのための配列情報は、Genbank受入番号M28526に見出せ(Newman, P. J. , et al. , Science 247,1219-1222 (1990)) 、本明細書において援用される。
【0241】
P150.95のための配列情報は、Genbank受入番号Y00093に見出せ(Corbi, A. L. , et al. , EMBO J. 6 (13), 4023-4028 (1987)) 、本明細書において援用される。
【0242】
Mac−1のための配列情報は、Genbank受入番号J03925に見出せ(Corbi, A. L. , et al. , J. Biol. Chem. 263 (25), 12403-12411 (1988)) 、本明細書において援用される。
【0243】
LFA−1のための配列情報は、Genbank受入番号Y00796に見出せ(Larson. R. , et al. , J. Cell Biol. 108 (2), 703-712 (1989)) 、本明細書において援用される。
【0244】
CD34のための配列情報は、Genbank受入番号M81104に見出せ(Simmons, D. L. et al. , J. Immunol. 148,267-271 (1992)) 、本明細書において援用される。
【0245】
RANTESのための配列情報は、Genbank受入番号M21121に見出せ(Schall, T. J. , et al. , J. Immunol. 141,1018-1025 (1988)) 、本明細書において援用される。
【0246】
IL−8のための配列情報は、Genbank受入番号M28130に見出せ(Mukaida, N. , et al. , J. Immunol. 143 (4), 1366-1371 (1989)) 、本明細書において援用される。
【0247】
MIP−1αのための配列情報は、Genbank受入番号U72395に見出せ(Fridell, R. A. , et al. , J. Cell. Sci 110 (pt 11), 1325-1331 (1997)) 、本明細書において援用される。
【0248】
E−セレクトンのための配列情報は、Genbank受入番号M24736に見出せ(Bevilacqua, M. P. , et al. , Science 243 (4895), 1160-1165 (1989)) 、本明細書において援用される。
【0249】
CD2のための配列情報は、Genbank受入番号M14362に見出せ(Sewell, W. A. , et al. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 83,8718-8722 (1986); Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 84,7256-7256 (1987)) 、本明細書において援用される。
【0250】
MCP−1のための配列情報は、Genbank受入番号S69738に見出せ(Li, Y. S. , et al. , Mol. Cell. Biochem. 126 (1), 61-68 (1993)) 、本明細書において援用される。
【0251】
L−セレクトンのための配列情報は、Genbank受入番号X16150に見出せ(Tedder, T. F. , et al. , J. Exp. Med. 170 (1), 123-133 (1989)) 、本明細書において援用される。
【0252】
P−セレクトンのための配列情報は、Genbank受入番号M25322に見出せ(Johnston, G. I. , et al., Cell 56,1033-1044 (1989)) 、本明細書において援用される。
【0253】
FLTのための配列情報は、Genbank受入番号X94263に見出せ(Mandriota, S. J. , et al. , J. Biol. Chem. 271 (19), 11500-11505 (1996)) 、本明細書において援用される。
【0254】
FLTのための配列情報は、Genbank受入番号X51602に見出せ(Shibuya, M. et al. Oncogene 5 (4), 519-524 (1990) Han, H. J. , et al. Hum. Mol. Genet. 2 (12), 2204 (1993)) 、本明細書において援用される。
【0255】
Apo−1のための配列情報は、Genbank受入番号X63717に見出せ(Oehm, et al, J. Biol. Chem., (1992), 267 (15), 10709-15) 、本明細書において援用される。
【0256】
Fasのための配列情報は、Genbank受入番号M67454に見出せ(Itoh, et al. , Cell, (1991), 66 (2), 233-43) 、本明細書において援用される。
【0257】
TNFR−1ための配列情報は、Genbank受入番号M67454に見出せ(Nophar, et al. , EMBO J. , 1990,9 (10), 3269-78) 、本明細書において援用される。
【0258】
p55のための配列情報は、Genbank受入番号M58286に見出せ(Loetscher, et al., Cell, 1990,61, 351-359) 、本明細書において援用される。
【0259】
WSL−1のための配列情報は、Genbank受入番号Y09392に見出せ(Kitson, et al. , Nature, 1996,384 (6607), 372-5) 、本明細書において援用される。
【0260】
DR3のための配列情報は、Genbank受入番号U72763に見出せ(Chinnaiyan, et al. , Science, 1996,274 (5829), 990-2) 、本明細書において援用される。
【0261】
TRAMPのための配列情報は、Genbank受入番号U75381に見出せ(Bodmer, et al. , Immunity, 1997,6 (1), 79-88) 、本明細書において援用される。
【0262】
Apo−3のための配列情報は、Genbank受入番号U74611に見出せ(Marsters, et al. , Curr. Biol. , 1996,6 (12), 1669-76) 、本明細書において援用される。
【0263】
AIRのための配列情報は、Genbank受入番号U78029に見出せ、本明細書において援用される。
【0264】
LARDのための配列情報は、Genbank受入番号U94512に見出せ(Screaton, et al. , Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1997,94 (9), 4615-19) 、本明細書において援用される。
【0265】
NGRFのための配列情報は、Genbank受入番号M14764に見出せ(Johnson, et al. , Cell, 1986,47 (4), 545-554) 、本明細書において援用される。
【0266】
DR4(TRAIL)のための配列情報は、Genbank受入番号U90875に見出せ(Pan, et al., Science, 1997,276 (5309), 111-113) 、本明細書において援用される。
【0267】
DR5のための配列情報は、Genbank受入番号AF012535に見出せ(Sheridan, et al. , Science, 1997,1 227 (5327), 818-821) 、本明細書において援用される。
【0268】
KILLERのための配列情報は、Genbank受入番号AF022386に見出せ(Wu, et al. , Nat. Genet. 17 (2), 141-143 (1997)) 、本明細書において援用される。
【0269】
TRAIL−R2のための配列情報は、Genbank受入番号AF020501に見出せ、本明細書において援用される。
【0270】
TRICK2のための配列情報は、Genbank受入番号AF018657に見出せ、本明細書において援用される。
【0271】
DR6のための配列情報は、Genbank受入番号AF068868に見出せ、本明細書において援用される。
【0272】
ICEのための配列情報は、Genbank受入番号U13697、U13698およびU13699に見出せ(Alnemri, E. S., et al. , J. Biol. Chem. 270 (9), 4312-4317 (1995)) 、本明細書において援用される。
【0273】
VLA−1のための配列情報は、Genbank受入番号X17033に見出せ(Takada. , et al. , J. Biol. Chem. 109 (1), 397-407 (1989)) 、本明細書において援用される。
【0274】
CD86(B7.2)のための配列情報は、Genbank受入番号U04343に見出せ(Azuma, et al. , Nature. 366 (6450), 76 (1993)) 、本明細書において援用される。
【0275】
【表1】

【0276】
【表2】

【0277】
【表3】

【0278】
【表4】

【0279】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
IL−15タンパク質またはその機能性断片へ連結された非IL−15シグナルペプチドを含む非免疫原性融合タンパク質をコードする核酸配列を含む単離された核酸分子、または、IL−15タンパク質またはその機能性断片へ連結された非IL−15シグナルペプチドであって、IL−15と同一の種からの遺伝子からである前記非IL−15シグナルペプチドを含む融合タンパク質をコードする核酸配列を含む単離された核酸分子。
【請求項2】
非IL−15シグナルペプチドがIgEシグナルペプチドである、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項3】
融合タンパク質がIL−15タンパク質またはその機能性断片へ連結された非IL−15シグナルペプチドから成る、請求項1に記載の単離された核酸分子。
【請求項4】
前記IL−15タンパク質またはその機能性断片が、IL−15シグナルペプチドを含んでいないIL−15タンパク質、またはIL−15シグナルペプチドを含んでいないIL−15タンパク質の機能性断片である、請求項1−3に記載の単離された核酸分子。
【請求項5】
IL−15タンパク質またはその機能性断片をコードする核酸配列が、IL−15コザック領域および/またはIL−15 5’非翻訳領域および/またはIL−15 3’非翻訳領域を含んでいない、請求項1−4に記載の単離された核酸分子。
【請求項6】
さらにCD40Lまたはその機能性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1−5に記載の単離された核酸分子。
【請求項7】
IL−15タンパク質またはその機能性断片をコードする核酸配列およびCD40Lまたはその機能性断片をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項8】
さらに免疫原をコードする核酸配列を含む、請求項1−7に記載の単離された核酸分子。
【請求項9】
前記免疫原が病原体抗原、癌関連抗原または自己免疫疾患に関連した細胞へ連結された抗原である、請求項8に記載の単離された核酸分子。
【請求項10】
前記免疫原が病原体抗原である、請求項9に記載の単離された核酸分子。
【請求項11】
前記病原体抗原が、HIV、HSV、HCVおよびWNVから成る群より選択される病原体からである、請求項10に記載の単離された核酸分子。
【請求項12】
IL−15コード配列が、IL−15シグナルペプチドを含んでいない、請求項1−11に記載の単離された核酸分子。
【請求項13】
IL−15コード配列が、IL−15コザック領域および/またはIL−15 5’非翻訳領域および/またはIL−15 3’非翻訳領域を含んでいない、請求項1−12に記載の単離された核酸分子。
【請求項14】
前記単離された核酸分子がプラスミドである、請求項1−13に記載の単離された核酸分子。
【請求項15】
ウイルスベクター内へ組み込まれた、請求項1−13に記載の単離された核酸分子。
【請求項16】
請求項1−15の核酸分子および免疫原をコードする核酸配列を含む核酸分子、を含む組成物。
【請求項17】
前記免疫原が病原体抗原、癌関連抗原または自己免疫疾患に関連した細胞へ連結された抗原である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記免疫原が病原体抗原である、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記病原体抗原が、HIV、HSV、HCVおよびWNVから成る群より選択される病原体からである、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
請求項1−19の核酸分子およびさらにCD40Lをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子、を含む組成物。
【請求項21】
請求項1−15の核酸分子または請求項16−20の組成物を含む、注射可能な医薬組成物。
【請求項22】
請求項1−13の核酸分子を含む、組換えワクチン。
【請求項23】
前記組換えワクチンが組換えワクシニアワクチンである、請求項22の組換えワクチン。
【請求項24】
請求項1−13の核酸分子を含む、生弱毒化病原体。
【請求項25】
IL−15タンパク質配列へ連結された非IL−15シグナル配列を含む非免疫原性融合タンパク質、または、IL−15タンパク質配列へ連結された非IL−15シグナル配列であって、IL−15タンパク質配列と同一の種からである前記非IL−15シグナル配列を含む融合タンパク質。
【請求項26】
非IL−15シグナル配列がIgEシグナル配列である、請求項25に記載の融合タンパク質。
【請求項27】
IL−15タンパク質配列へ連結された非IL−15シグナル配列から成る、請求項25または26に記載の融合タンパク質。
【請求項28】
IL−15タンパク質配列がIL−15シグナル配列を含んでいない、請求項25ー27に記載の融合タンパク質。
【請求項29】
IL−15タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子、およびCD40Lタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子、を含む組成物。
【請求項30】
さらに免疫原をコードする核酸配列を含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記免疫原が病原体抗原、癌関連抗原または自己免疫疾患に関連した細胞へ連結された抗原である、請求項29または30に記載の組成物。
【請求項32】
前記免疫原が病原体抗原である、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記免疫原が、HIV、HSV、HCVおよびWNVから成る群より選択される病原体からの病原体抗原である、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
単離された核酸分子がプラスミドである、請求項29−33に記載の組成物。
【請求項35】
個体の免疫応答を調節する方法であって、請求項58または63の組成物を前記個体へ投与することを含む、前記方法。
【請求項36】
免疫原に対する個体の免疫応答を誘導する方法であって、請求項59、62または64−67の組成物を前記個体へ投与することを含む、前記方法。
【請求項37】
非IgEタンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドから成る融合タンパク質をコードする核酸配列を含む単離された核酸分子であって、IgEシグナルペプチドおよび非IgEタンパク質配列が同一の動物種に由来する、前記単離された核酸分子。
【請求項38】
非IgEタンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドから成る融合タンパク質をコードする核酸配列を含む単離された核酸分子であって、非IgEタンパク質が酵素またはその機能性断片である、前記単離された核酸分子。
【請求項39】
非IgEタンパク質配列へ連結されたIgEシグナルペプチドから成る融合タンパク質をコードする核酸配列を含む単離された核酸分子であって、非IgEタンパク質が免疫調節タンパク質またはその機能性断片である、前記単離された核酸分子。
【請求項40】
融合タンパク質が、免疫調節タンパク質またはその機能性断片へ連結されたIgEシグナルペプチドから成る、請求項39に記載の単離された核酸分子。
【請求項41】
IgEシグナルペプチドおよび非IgEタンパク質配列が同一の動物種に由来する、請求項39−40に記載の単離された核酸分子。
【請求項42】
前記単離された核酸分子がプラスミドである、請求項39−41に記載の単離された核酸分子。
【請求項43】
ウイルスベクター内へ組み込まれた、請求項39−41に記載の単離された核酸分子。
【請求項44】
請求項39−41の核酸分子を含む、注射可能医薬組成物。
【請求項45】
請求項39−41の核酸分子を含む、組換えワクチン。
【請求項46】
請求項39−41の核酸分子を含む、生弱毒化病原体。
【請求項47】
非IgEタンパク質へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質であって、IgEシグナルペプチドおよび非IgEタンパク質が同一の動物種に由来する、前記融合タンパク質。
【請求項48】
非IgEタンパク質へ連結されたIgEシグナルペプチドを含む融合タンパク質であって、非IgEタンパク質が酵素またはその機能性断片である、前記融合タンパク質。
【請求項49】
非IgEタンパク質配列が免疫調節タンパク質またはその機能性断片である、請求項47に記載の融合タンパク質。
【請求項50】
免疫調節タンパク質またはその機能性断片へ連結されたIgEシグナルペプチドから成る、請求項47に記載の融合タンパク質。
【請求項51】
IgEシグナルペプチドおよび非IgEタンパク質が同一の動物種に由来する、請求項49−50に記載の融合タンパク質。
【請求項52】
非IgEタンパク質配列へ連結されているIgEシグナルペプチドから成る融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子であって、前記核酸配列は前記細胞中での発現に必要とされる制御要素へ機能可能なように連結されている前記核酸分子を含む細胞を含む、インビトロ細胞培養。
【請求項53】
非IgEタンパク質を製造する方法であって、非IgEタンパク質配列へ連結されているIgEシグナルペプチドから成る融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子であって、前記核酸配列は前記細胞中での発現に必要とされる制御要素へ機能可能なように連結されている前記核酸分子を含む細胞を、前記融合タンパク質を発現するために前記細胞に十分な期間、前記融合タンパク質発現に必要な条件下で培養することを含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−110345(P2012−110345A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−29973(P2012−29973)
【出願日】平成24年2月14日(2012.2.14)
【分割の表示】特願2006−533791(P2006−533791)の分割
【原出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【出願人】(500429103)ザ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ペンシルバニア (102)
【Fターム(参考)】