説明

Lバンドインダクティブ出力管

インダクティブ出力管(IOT)は1000MHzを超える周波数で動作する。出力窓を設けることでIOTの真空部をIOTの大気圧部から分離し、この出力窓は冷却用空気マニホールドに囲まれており、該マニホールドは、吸気ポートと、冷却用空気が該吸気ポートからマニホールドを通ってIOTの前記大気圧部へと移動するように複数の開口部とを含む。出力空洞は、冷却液入力ポートと、冷却液入力ポートから冷却液を受け入れるように接続した下部冷却液用円形通路と、下部冷却液用円形通路から冷却液を受け入れるように接続した垂直方向の冷却液用通路と、垂直方向の冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した上部冷却液用円形通路と、上部冷却液用円形通路から冷却液を受け入れるように接続した冷却液排出ポートを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、インダクティブ(誘導性)出力管に関する。特に、本発明は、Lバンド周波数範囲で動作するように構成したインダクティブ出力管に関する。
【背景技術】
【0002】
1980代後半から、インダクティブ出力管(「IOT」としても知られ、そのブランドは商標「Klystrode(登録商標)」でEimac社が販売している)は典型的には100MHz乃至900MHzの範囲で動作する、UHF周波数範囲における放送、応用科学、及び産業用途で実用的なデバイスとして確立された。クライストロンに比べてIOTは、その低いゲインを優れた効率及び直線性によって補い、パワー能力及びゲインに関して、電子デバイスファミリーで類縁のデバイスとされる四極管を凌ぐ性能を持つ。しかしながら、走行時間効果(transit time effect)により、IOTの実用的な周波数範囲が1000MHzよりも低く制限されると考えられてきた。1000MHzは越え難い閾値であって、これを超えると基本周波数増幅器としてのIOTの性能は急速に低下してしまうというのが業界での共通認識であった。
【0003】
図1は、従来技術による代表的なIOT10を簡略化した電子回路図である。グランド(接地)電位に比して負の高電位とされるカソード12(通常、ディスペンサ型バリウムカソード)は、電子ビーム14を出射する。ラジオ周波数(RF)の入力源32により給電される制御グリッド16は、電子ビーム14の流れを密度変調する。グランド電位とされるアノード18は、変調された電子ビーム14を加速させる。この変調された電子ビーム14は、出力ギャップ20を通過し、ここで出力電力が電子ビームから出力共振器19へと誘導電磁場を介してとり出され、普通は同軸給電ラインである出力結合器21に導かれる。コレクタ22は使用した電子を受け取る。グリッドバイアス電源30はグリッドにバイアス電圧を供給し、ライン34とライン38との間に位置したビーム出力電源は電子をカソードからアノードへと加速させる電力を供給し、ヒータ電圧源36は従来の方法でカソードヒータに電力を供給する。ソレノイド磁石(図示しない)は通常、電子ビームをとり囲んで該ビームを集束させてビームの広がりを低減させる。入力回路40については模式的に示しており、これはIOT10に対して入力信号のインピーダンスを整合させるように作用する。
【0004】
より高い周波数帯域でのさらなる高調波バージョンのIOTを使用する構想が古くから存在した。第2高調波IOTにおいては、例えば、周波数感度の高いグリッド−カソード間回路(例えば、Shrader他による「High Frequency Vacuum Tube with Closely Spaced Cathode and Non−Emissive Grid」と題する米国特許第5,767,625号を参照)は、十分に経験を積み重ねてきたUHF放送制度で信頼性をもって未だ動作可能であって、リエントラント出力空洞は、Lバンド周波数での高調波に同調することができる。この取り組みの主な欠点は、低い駆動周波数が形成する電子バンチの相対長である。出力ギャップの通過中に、出力空洞のRF電圧はその極性が2度変化し、つまり加速から減速への局面とその逆の局面で変化する。最大電流は減速の際に流れ、これにより所望の周波数への電力変換を保証するが、効率及びゲインを軽視して相当量の電子が加速されるために、コレクタ損失及びX線放射の問題を引き起こす。
【0005】
基本周波数のIOTが、その動作特性、特にその限界のグリッド−カソード間設定での動作を損なうことなく、同調可能な最高周波数を見極めるための研究が、コンピュータシミュレーション上で行われた。信頼性が証明されている既存の一次元IOTコンピュータコードを修正して、グリッド−カソード間の通過時間の影響をシミュレーションに含めるようにした。
【0006】
最初に、UHF放送及び科学応用分野において実績が確立されているIOT電子銃を分析し、周波数に対する電子バンチ波長及び基本RF電流の変化を調べた。このシミュレーション結果を図3に示すが、これは、クラスB動作での22kVのビーム電圧及び47.4VのピークRFグリッド電圧において、周波数に対する既存のIOT銃の基本周波数電流をシミュレートしたグラフである。興味深いことに、このシミュレーションのバンチにより運ばれる実用的な基本RF電流は、約2GHzまではそれほど低下しない(図3)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、適切な動作特性をもった基本モードLバンドIOTを開発することが非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
約1000MHzを超える周波数で動作するように構成したインダクティブ出力管(IOT)は、線状電子ビームを発するカソードと、非電子放射材料からなりかつビームを密度変調するグリッドであって入力RF信号がカソードとグリッドとの間に印加されるグリッドと、カソードとともにビームを加速させる電界を生成するアノードと、使用したビームを受けるコレクタ(一段型でも多段電位降下(MSDC:Multi−Stage Depressed Collector)型でもよい)と、入力RF信号の周波数で共振しかつアノードとコレクタとの間に位置する出力空洞と、を含む。この空洞内における相互のギャップを通過する電子は、空洞内にRF場を誘起させる。RF信号に応答するカプラ(結合器)は、空洞からのRF出力を負荷に結合させる。
【0009】
本発明の一態様では出力窓を設けることで、IOTの真空部をIOTの大気圧部から分離し、この出力窓は冷却用空気マニホールドに囲まれており、該マニホールドは、吸気ポートと、冷却用空気が該吸気ポートからマニホールドを通って出力窓を超えてIOTの大気圧部へと移動できるように複数の開口部を含む。
【0010】
本発明の別の態様では、出力空洞は、冷却液入力ポートと、この冷却液入力ポートから冷却液を受け入れるように接続した下部冷却液用通路と、この下部冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した垂直方向の冷却液用通路と、この垂直方向の冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した上部冷却液用通路と、この上部冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した冷却液排出ポートと、を備える。
【0011】
本発明のさらに別の態様では、出力空洞が真空気密ダイヤフラムをさらに備え、該ダイヤフラムはIOTの外部で使用可能なチューニング制御部を操作することにより、出力空洞の内方及び外方に向けて移動可能とされる。このチューニング制御部はねじ内で動くボルトでよく、またダイヤフラムを出力空洞の内方又は外方に移動させる他の機械的な構成要素でもよい。このダイヤフラムの移動によって、これに対応した出力空洞の共振周波数が変化する。
【0012】
本発明の他の態様は以下に記載されて請求され、そして本明細書の残り部分及び添付図面を参照することにより、本発明の性質及び利点をより深く理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
添付図面は本明細書の一部に組み入れられて該明細書を構成し、本発明の1つ以上の実施形態を示しており、以下の詳細な記載とともに、本発明の原理及び例示的な実施形態の説明に役立つものである。
【0014】
以下の詳細な説明に記載される本発明の実施形態は、LバンドIOTに関するものである。当業者であれば分かるように、本発明についての以下の詳細な記載は説明のためのものであって、請求項に記載された発明を如何なる意味においても限定するものではない。また、詳細な説明に記載した実施形態以外の、本発明の他の実施形態については、本開示の利益を受ける当業者に対して容易に示唆される。尚、添付図面に示した、本発明の例示的な実施形態についての詳細を参照されたい。また、必要に応じて、同一の参照符号については、図面及び以下の詳細な説明に亘り、同一又は同様の部分を参照するために使用している。
【0015】
明確化のため、以下に記載する例示的な実施形態についての定型的な特長の全てを示し、これらを記載する訳ではない。勿論、そのような実際上の実装において、多数の実装上の仕様決定が、適用上及びビジネス上の制約などに従って、開発者の特定の目的を達成するために行われるとともに、このような特定の目的は実装形態毎に異なり、そして開発者毎に異なる。さらには、そのような開発の取り組みは複雑で時間のかかるものであるが、いずれにせよ本開示の利益を有する当業者にとっては日常の工学技術的な作業である。
【0016】
既に検討した発見に基づき、完成した1300MHz/15kWの連続波IOTについて、上記した銃の構成をそのままにシミュレートした。シミュレートした本発明の一実施形態による、1300MHzで動作する基本モードIOTの、パワー出力レベル16.4kWでの結果を表1に示す。シミュレートしたIOTの動作データは、下表1に示す通りである。
【0017】
【表1】

【0018】
従って、既存のEIMAC K2シリーズのUHF用IOTを1300MHzで動作するように修正して、これらの原理に従う試作装置を構成した。外部UHF出力部は1300MHzの内部共振器に置き換えた。直径が1と8分の5インチ(約4.1275cm)の同軸出力フィーダが用いられ、これはLバンドのクライストロンデバイスで一般に用いられるタイプと同じ種類のアルミナ窓を含む。空洞は、以下に詳述するように水冷式とされるが、その目的は、空洞から廃熱を取り除き、そして1000MHzを超える周波数において低周波数の場合よりも深刻な離調に対する安定性を与えることである。
【0019】
入力回路はさらに複雑である。IOTの入力インピーダンスは10オーム程度であり、よって入力回路は、このインピーダンスを入力フィーダのインピーダンス(通常、50オーム)から下方に変換する必要がある。これに対してクライストロンの場合には上方への変換である。入力信号は、グランド電位から、電子銃アセンブリの高圧のDC電位へと安全にかつ信頼性をもって伝送することを要する。高電圧での安全な寸法と低インピーダンスは容易に両立しない。1300MHzのIOTで用いる入力回路は、従来のUHFでのIOT入力回路の修正版である。駆動信号を出力管に整合させるために、チューニングパドルを取り外してスタブチューナを追加した。これは、図8に参照符号42で示している。
【0020】
図4A及び図4BはLバンドIOT43の外観構成を示す図であり、互いに約90度の角度だけずらして示している。図5は、動作用に構成したLバンドIOT43を示す。また図6は、製品として構成されるLバンドIOTの正面図である。図5では、IOTは磁界集束回路44の内側に取り付けられた状態で示す。上部にあるボックス45は、従来の高圧接続部(カソード、ヒータ、グリッドバイアス、イオンゲッターポンプ)と入力回路を含む。磁気回路は図6に詳しく示すカートによって支持されており、このカートはまた冷却水接続部を含んでいる。出力結合器54は同軸導波管変換器47に繋がり、その上方に方向性結合器48及び水冷負荷49を示している(図5)。
【0021】
図7はIOT43の断面図である。図8はIOT43の一体化された出力空洞52の断面図である。図9及び図10はIOT43の出力空洞52を切り欠いて示す図である。図9及び図10は互いに約90度の角度をもってずらして示す図である。図11は出力結合器54を切り欠いて示す図である。結合ループ53は、出力空洞52内からのRFエネルギーを出力結合器54に結合させる。
【0022】
次に図4A、4B、5、6、7、8、9、10及び11を参照すると、IOT43は、該IOT43の長手方向の軸に対して90度の角度で位置された出力結合器54を含む。出力結合器54は、フランジ55に直径が1と8分の5インチの円形導波管とのインターフェースを与える。出力結合器54は、1対の入力ニップル58a、58bによって冷却用空気が供給されるマニホールド56を含む。このマニホールドは、アルミナの出力窓60の周囲に形成されている。出力結合器54の真空側62は真空状態となっている。アルミナの出力窓60は、出力結合器54の大気圧側64から真空側62を分離する。マニホールド56は、出力窓60に隣接する領域にてマニホールド56から出力結合器54の大気圧側64へと通じる多数の開口部57を有する。これらの開口部は、出力窓60に冷却用空気を吹きつけるように構成され、空気はその後、出力結合器モジュール及びこれに取り付けられた円形導波管(図示せず)に排出される。この出力窓冷却機構を設けることにより、セラミック窓の両端における温度勾配が最小化され、従って時間経過とともに窓の故障を引き起こす虞のある熱応力が低減される。
【0023】
Lバンド周波数でIOT43を動作させると、出力空洞52の構造体にたまる廃熱量が比較的大きくなる。この廃熱を除去する効果的なメカニズムがなければ、廃熱は出力空洞52の構造体の歪みをもたらし、その結果として出力信号には望ましくない歪みが生じる。例えば、出力空洞52のサイズ又は形状に何らかの変化があると、この構造体の共振周波数、延いては所定の動作周波数におけるインピーダンスを変化させてしまう。こうした歪みを低減させ又は排除するために、出力空洞52に冷却システムが設けられる。加圧した脱イオン水などの冷却液(又はその他の適切な冷却液、たとえば冷却油、空気、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールと水との混合物、脱イオン水と他の材料との混合物、又は他の周知の非腐食性冷媒など)が、入力ポート70を介して冷却システムに供給される。ポート70からは、冷却液が下部チャンバ72に入り込み、ここで冷却液は下部チャンバ(円形状又は他の好適な形状に形成し得る)内を循環し、構造体から熱を除去して、ポート74を通って垂直通路76(好ましくは単一の垂直通路)へと流れ込み、垂直通路76を上り、ポート78を通って上部通路80(円形状又は他の好適な形状に形成し得る)に流れ込み、ここで冷却液は循環して、構造体から熱を除去し、ポート82を通って排水ポート84から排出される。出力空洞52の構造体は、例えば無酸素の高伝導率の銅で構成され、熱伝導率が高く腐食し難いために、出力空洞冷却システムによって廃熱を効率的に除去することができる。
【0024】
出力空洞52は、周波数を微調整することができる。このためにダイヤフラム88を可撓性フランジ90(図9及び図10)に取り付ける。このフランジ90は出力空洞の本体部94との間を真空シールする。雌ねじ内で移動するボルトやその他の好適なメカニズムなどの、フランジ90を空洞52に向けて押し付けるための機械装置92を用いて、フランジ88を空洞52へと押圧する。可撓性フランジ90は、空洞52から戻るダイヤフラム88を押圧するためのバイアス要素として作用する。ダイヤフラム88の位置調整により、空洞52の共振周波数を微調整し、IOT用の周波数調整を行う。ダイヤフラムに連結されて外部に取り付けられたバネなど、その他のバイアス機構を用いてもよいことは当業者には明らかである。
【0025】
線状ビームタイプと同様に、LバンドIOTの設計は、必要であれば複数の電源から電力供給を受ける多段の電位降下型コレクタ(MSDC)を用いて製造することができる。
【0026】
本発明で用いる一体型の出力空洞52は、その共振構造体を真空筐体の一部として含むが、IOT用のより一般的な方法では外部調整ボックスを用いて共振周波数を調整する。この方法で比較的一定した周波数の管が得られるが、製造上のばらつきにより、所望の共振周波数とは僅かに異なる共振周波数を有する管をもたらすことがある。従って、上記に詳述したダイヤフラム及びフランジ調整システムは、IOTの共振周波数の微調整を目的として、一体型の出力空洞52の容積を調整するために用いられる。
【0027】
表2は、20乃至30kWの範囲における出力電力レベルについての典型的なテスト結果を示す。
【0028】
【表2】

【0029】
これらのテスト結果は、IOTがUHFバンドを超える周波数、つまり1000MHzを超えて動作したときに初めて記録されたものである。
【0030】
本発明の実施形態及び適用例を示して説明してきたが、本開示の利益を受ける当業者であれば、発明思想から離れることなく、上記した以上の数多くの修正が可能であることは明白である。従って、特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨及び範囲内とされる、これら全ての修正をその範囲内に包含する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来技術による典型的なIOTを簡略化して示す電気回路図である。
【図2】Lバンド周波数で動作する、シミュレートされた第二高調波IOTについて基準位相に対するディスク速度及びディスク電流を示すヒストグラムである。
【図3】クラスB動作での22kVのビーム電圧及び47.4VのピークRFグリッド電圧において、周波数に対する既存のIOT銃の基本周波数電流をシミュレートしたグラフである。
【図4A】本発明の一実施形態によるLバンドIOTの外観構成を示す図であり、図4Bとは約90°の角度でずらした図である。
【図4B】本発明の一実施形態によるLバンドIOTの外観構成を示す図であり、図4Aとは約90°の角度でずらした図である。
【図5】本発明の一実施形態による、動作用に構成したLバンドIOTを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による、製品として構成したLバンドIOTを示す正面図である。
【図7】本発明の一実施形態によるLバンドIOTの断面図である。
【図8】図7に示すIOTの出力空洞の断面図である。
【図9】本発明の一実施形態によるLバンドIOTの出力空洞を切り欠いて示す図である。
【図10】本発明の一実施形態によるLバンドIOTの出力空洞を切り欠いて示す図であり、図9及び図10は約90°の角度をもって互いにずらした図である。
【図11】本発明の一実施形態によるLバンドIOTの出力結合器を切り欠いて示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力RF信号を出力RF信号に増幅するように構成され、該入力RF信号及び出力RF信号が1000MHzを超える同一の所定周波数範囲を有するものとされるインダクティブ出力管(IOT)であって、
線状電子ビームを発するように構成したカソードと、
非電子放射材料からなるグリッドであって、前記入力RF信号が前記カソードとグリッドとの間に印加された場合に前記ビームを密度変調するように構成したグリッドと、
前記カソードとともに前記ビームを加速させる電界を生成するように構成したアノードと、
使用したビームを受けるように構成したコレクタと、
前記入力RF信号の周波数に共振する出力空洞であって、前記アノードと前記コレクタとの間に位置する出力空洞と、
前記出力空洞からの前記出力RF信号を負荷に結合させるように構成した結合器と、を備えるIOT。
【請求項2】
前記結合器は、IOTの真空部をIOTの大気圧部から分離する出力窓をさらに備え、前記出力窓は冷却用空気マニホールドに囲まれており、該マニホールドは、吸気ポートと、冷却用空気が該吸気ポートからマニホールドを通ってIOTの大気圧部へと移動するように複数の開口部とを含む、請求項1に記載のIOT。
【請求項3】
IOTの前記大気圧部が円形導波管の一部を含んでなる、請求項2に記載のIOT。
【請求項4】
前記出力窓がアルミナを含む、請求項3に記載のIOT。
【請求項5】
前記出力空洞は、
冷却液入力ポートと、
前記冷却液入力ポートから冷却液を受け入れるように接続した下部冷却液用通路と、
前記下部冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した1つ以上の垂直方向の冷却液用通路と、
前記1つ以上の垂直方向の冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した上部冷却液用通路と、
前記上部冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した冷却液排出ポートとをさらに備える、請求項1に記載のIOT。
【請求項6】
前記下部冷却液用通路と前記上部冷却液用通路を接続する、前記垂直方向の冷却液用通路が1つのみである、請求項5に記載のIOT。
【請求項7】
前記出力空洞は、
冷却液入力ポートと、
前記冷却液入力ポートから冷却液を受け入れるように接続した下部冷却液用通路と、
前記下部冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した1つ以上の垂直方向の冷却液用通路と、
前記1つ以上の垂直方向の冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した上部冷却液用通路と、
前記上部冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した冷却液排出ポートとをさらに備える請求項4に記載のIOT。
【請求項8】
前記下部冷却液用通路と前記上部冷却液用通路を接続する、前記垂直方向の冷却液用通路が1つのみである、請求項7に記載のIOT。
【請求項9】
前記上部冷却液用通路及び前記下部冷却液用通路が円形状である、請求項5に記載のIOT。
【請求項10】
前記上部冷却液用通路及び前記下部冷却液用通路が円形状である、請求項7に記載のIOT。
【請求項11】
前記コレクタが一段のコレクタである、請求項7に記載のIOT。
【請求項12】
前記コレクタが多段の電位降下型コレクタである、請求項7に記載のIOT。
【請求項13】
入力RF信号を出力RF信号に増幅するように構成され、該入力RF信号及び出力RF信号が1000MHzを超える同一の所定周波数範囲を有するものとされるインダクティブ出力管(IOT)であって、
線状電子ビームを発するように構成したカソードと、
非電子放射材料からなり前記ビームを密度変調するように構成したグリッドであって、前記カソードから発する電子が前記入力RF信号の4分の1の周期内に走行可能な距離以内にグリッドが前記カソードから離れて位置するとともに、前記入力RF信号を前記カソードとグリッドとの間に印加するように構成したグリッドと、
前記カソードとともに前記ビームを加速させる電界を生成するように構成したアノードと、
使用したビームを受けるように構成したコレクタと、
前記入力RF信号の周波数に共振する出力空洞であって、前記アノードと前記コレクタとの間に位置する出力空洞と、
前記出力空洞からの前記出力RF信号を負荷に結合させるように構成した結合器であって、該結合器がIOTの真空部をIOTの大気圧部から分離する出力窓を有し、該出力窓は冷却用空気マニホールドに囲まれており、該マニホールドは、吸気ポートと、冷却用空気が該吸気ポートからマニホールドを通ってIOTの大気圧部へと移動するように複数の開口部とを含むようにした結合器とを、備えるIOT。
【請求項14】
IOTの前記大気圧部は円形導波管の一部を含んでなる、請求項13に記載のIOT。
【請求項15】
前記出力窓がアルミナを含む、請求項13に記載のIOT。
【請求項16】
前記出力空洞は、
冷却液入力ポートと、
前記冷却液入力ポートから冷却液を受け入れるように接続した下部冷却液用通路と、
前記下部冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した垂直方向の冷却液用通路と、
前記垂直方向の冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した上部冷却液用通路と、
前記上部冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した冷却液排出ポートとを備える、請求項13に記載のIOT。
【請求項17】
前記上部冷却液用通路及び前記下部冷却液用通路がほぼ円形状である、請求項16に記載のIOT。
【請求項18】
前記コレクタが一段のコレクタである、請求項16に記載のIOT。
【請求項19】
前記コレクタが多段の電位降下型コレクタである、請求項16に記載のIOT。
【請求項20】
入力RF信号を出力RF信号に増幅するように構成され、該入力RF信号及び出力RF信号が1000MHzを超える同一の所定周波数範囲を有するものとされるインダクティブ出力管(IOT)であって、
線状電子ビームを発するように構成したカソードと、
非電子放射材料からなるグリッドであって、前記ビームを密度変調するように構成され、前記カソードから発する電子が前記入力RF信号の4分の1の周期内に走行可能な距離以内にグリッドが前記カソードから離れて位置するとともに、グリッド及びカソードが前記入力RF信号を受けるように構成したグリッドと、
前記カソードとともに前記ビームを加速させる電界を生成するように構成したアノードと、
前記ビームを受けるように構成したコレクタと、
前記入力RF信号の周波数に共振する出力空洞であって、前記グリッドと前記コレクタとの間に位置するとともに、
冷却液入力ポートと、
前記冷却液入力ポートから冷却液を受け入れるように接続した下部冷却液用円形通路と、
前記下部冷却液用円形通路から冷却液を受け入れるように接続した垂直方向の冷却液用通路と、
前記垂直方向の冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した上部冷却液用円形通路と、
前記上部冷却液用円形通路から冷却液を受け入れるように接続した冷却液排出ポートとを含む出力空洞と、
前記出力空洞からの前記出力RF信号を負荷に結合させるように構成した結合器と、を備えるIOT。
【請求項21】
前記コレクタが一段のコレクタである、請求項20に記載のIOT。
【請求項22】
前記コレクタが多段の電位降下型コレクタである、請求項20に記載のIOT。
【請求項23】
入力RF信号を出力RF信号に増幅するように構成され、該入力RF信号及び出力RF信号が1000MHzを超える同一の所定周波数範囲を有するものとされるインダクティブ出力管(IOT)であって、
線状電子ビームを発するように構成したカソードと、
非電子放射材料からなるグリッドであって前記ビームを密度変調するように構成され、前記カソードから発する電子が前記入力RF信号の4分の1の周期内に走行可能な距離以内にグリッドが前記カソードから離れて位置するとともに、IOTが前記カソードとグリッドとの間に印加される前記入力RF信号を有するように構成したグリッドと、
前記カソードとともに前記ビームを加速させる電界を生成するように構成したアノードと、
使用したビームを受けるように構成したコレクタと、
前記入力RF信号の周波数に共振する出力空洞であって、前記グリッドと前記コレクタとの間に位置する出力空洞と、
前記出力空洞からの前記出力RF信号を負荷に結合させるように構成した結合器と、
IOTの真空部をIOTの大気圧部から分離する出力窓とを備えるIOT。
【請求項24】
前記コレクタが一段のコレクタである、請求項23に記載のIOT。
【請求項25】
前記コレクタが多段の電位降下型コレクタである、請求項23に記載のIOT。
【請求項26】
前記出力窓が冷却用空気マニホールドで囲まれており、該マニホールドは吸気ポートと、冷却用空気が該吸気ポートからマニホールドを通ってIOTの前記大気圧部へと移動するように複数の開口部とを含む、請求項23に記載のIOT。
【請求項27】
前記出力空洞は、
冷却液入力ポートと、
前記冷却液入力ポートから冷却液を受け入れるように接続した下部冷却液用通路と、
前記下部冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した垂直方向の冷却液用通路と、
前記垂直方向の冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した上部冷却液用通路と、
前記上部冷却液用通路から冷却液を受け入れるように接続した冷却液排出ポートとを備える請求項23に記載のIOT。
【請求項28】
前記出力空洞は可撓性の気密ダイヤフラムをさらに備え、該ダイヤフラムはIOTの外部で使用可能なチューニング制御部を操作することにより、前記出力空洞の内方及び外方に向けて移動可能とされた、請求項1に記載のIOT。
【請求項29】
前記チューニング制御部がねじを含む、請求項28に記載のIOT。
【請求項30】
前記ダイヤフラムの移動により、前記出力空洞が共振するときの周波数が変化する、請求項28に記載のIOT。
【請求項31】
前記出力空洞は真空気密ダイヤフラムをさらに備え、該ダイヤフラムはIOTの外部で使用可能なチューニング制御部を操作することにより、前記出力空洞の内方及び外方に向けて移動可能とされた、請求項7に記載のIOT。
【請求項32】
前記チューニング制御部がねじを含む、請求項31に記載のIOT。
【請求項33】
前記ダイヤフラムの移動により、前記出力空洞が共振するときの周波数が変化する、請求項31に記載のIOT。
【請求項34】
前記出力空洞は真空気密ダイヤフラムをさらに備え、該ダイヤフラムはIOTの外部で使用可能なチューニング制御部を操作することにより、前記出力空洞の内方及び外方に向けて移動可能とされた、請求項13に記載のIOT。
【請求項35】
前記チューニング制御部がねじを含む、請求項34に記載のIOT。
【請求項36】
前記ダイヤフラムの移動により、前記出力空洞が共振するときの周波数が変化する、請求項34に記載のIOT。
【請求項37】
前記出力空洞は真空気密ダイヤフラムをさらに備え、該ダイヤフラムはIOTの外部で使用可能なチューニング制御部を操作することにより、前記出力空洞の内方及び外方に向けて移動可能とされた、請求項16に記載のIOT。
【請求項38】
前記チューニング制御部がねじを含む、請求項37に記載のIOT。
【請求項39】
前記ダイヤフラムの移動により、前記出力空洞が共振するときの周波数が変化する、請求項37に記載のIOT。
【請求項40】
前記出力空洞は真空気密ダイヤフラムをさらに備え、該ダイヤフラムはIOTの外部で使用可能なチューニング制御部を操作することにより、前記出力空洞の内方及び外方に向けて移動可能とされた、請求項20に記載のIOT。
【請求項41】
前記チューニング制御部がねじを含む、請求項40に記載のIOT。
【請求項42】
前記ダイヤフラムの移動により、前記出力空洞が共振するときの周波数が変化する、請求項40に記載のIOT。
【請求項43】
前記出力空洞は真空気密ダイヤフラムをさらに備え、該ダイヤフラムはIOTの外部で使用可能なチューニング制御部を操作することにより、前記出力空洞の内方及び外方に向けて移動可能とされた、請求項23に記載のIOT。
【請求項44】
前記チューニング制御部がねじを含む、請求項43に記載のIOT。
【請求項45】
前記ダイヤフラムの移動により、前記出力空洞が共振するときの周波数が変化する、請求項43に記載のIOT。
【請求項46】
前記出力空洞は真空気密ダイヤフラムをさらに備え、該ダイヤフラムはIOTの外部で使用可能なチューニング制御部を操作することにより、前記出力空洞の内方及び外方に向けて移動可能とされた、請求項26に記載のIOT。
【請求項47】
前記チューニング制御部がねじを含む、請求項46に記載のIOT。
【請求項48】
前記ダイヤフラムの移動により、前記出力空洞が共振するときの周波数が変化する、請求項46に記載のIOT。
【請求項49】
前記出力空洞は真空気密ダイヤフラムをさらに備え、該ダイヤフラムはIOTの外部で使用可能なチューニング制御部を操作することにより、前記出力空洞の内方及び外方に向けて移動可能とされた、請求項27に記載のIOT。
【請求項50】
前記チューニング制御部がねじを含む、請求項49に記載のIOT。
【請求項51】
前記ダイヤフラムの移動により、前記出力空洞が共振するときの周波数が変化する、請求項49に記載のIOT。
【請求項52】
入力RF信号を出力RF信号に増幅するように構成され、該入力RF信号及び出力RF信号が1000MHzを超える同一の所定周波数範囲を有するものとされるインダクティブ出力管(IOT)であって、
線状電子ビームを発する手段と、
前記ビームを密度変調する手段と、
前記ビームを加速させる手段と、
使用したビームを受ける手段と、
前記出力RF信号を負荷に結合させる手段と、を備えるIOT。

【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−519415(P2008−519415A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540101(P2007−540101)
【出願日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/040147
【国際公開番号】WO2006/052811
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(507145352)コミュニケーション アンド パワー インダストリーズ インコーポレイティッド (1)