説明

LEDバックライト装置及び該装置を備える画像表示装置

【課題】一部のLEDの破壊や断線等の事故が生じた場合でもLEDバックライトにより照明される液晶パネルの表示画面に輝度むらを生じさせないようにする。
【解決手段】LEDバックライト装置は、複数のLEDを直列に接続したLEDユニット24a〜24nを複数配設して構成される。そして各LEDユニット24a〜24nには、駆動電流を供給するための電流制御部22a〜22nと、LEDユニットの電気的な異常検出を行う異常検出部23a〜23nとが設けられる。また各異常検出部23a〜23nによる異常検出に応じて電流制御部22a〜22nを制御する制御部25が備えられる。制御部25は、異常検出部23a〜23nによってLEDユニット24a〜24nに電気的な異常が検出された際、隣接する他のLEDユニット24a〜24nの発光輝度を増大させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDバックライト装置及び該装置を備える画像表示装置に関し、より具体的には、液晶パネル等の光変調素子を照明する素子としてLEDを使用したLEDバックライトと、そのLEDバックライトを使用して画像表示を行う画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルなどの光変調素子を背面から照明するバックライトとして、LEDバックライトが注目されている。LEDバックライトには、白色LEDを配列して白色光の照明光を発光する構成のものや、R(赤),G(緑),B(青)の3色のLEDを配列し、これらの3色の光を混色して白色光とする構成のものがある。また上記白色LEDには、短波長LEDに蛍光体を組み合わせて白色を得る方式のものや、青色LEDに蛍光体を組み合わせて白色を得る方式、あるいは青色LEDに黄色の蛍光体を組み合わせて白色を得る方式のもの等がある。
【0003】
このような、LEDを利用したバックライトは、従来一般的な冷陰極管(CCFL)等の蛍光管を利用したバックライトに比較して、いくつかの特徴的な利点が得られている。
例えば、従来バックライトとして使用されていた蛍光管は、点灯するときに高い電圧を必要とし、また蛍光管の点灯・消灯を煩雑に繰り返すとその寿命が短くなる、という課題を有していた。また蛍光管は、通常ガラス材によって形成されているため、バックライト光源として形状の自由度に制限がある、という課題もあった。
【0004】
これに対して、LEDを使用したバックライトは、蛍光管に比して低電圧で駆動することができ、また消費電力が少なく、寿命が長い等の優位な性能を備えている。
また3色のLEDを使用したバックライトでは、光の3原色に近い波長から白色光を得るため、従来の冷陰極管に比べて色の自由度が高まるという特徴がある。特に色再現性を大幅に拡大することが可能で、NTSC規格比で100%を超える色再現性を実現したり、白色点(白の色味)を自由に調整したりすることができるようになる。
【0005】
LEDバックライトには、例えば、液晶パネルの背面側に導光板を配置し、その導光板の端部に複数のLEDをアレイ状に配列した導光板方式のものがある。この場合、LEDアレイから発光した照明光は、導光板を介して液晶パネルを照明する。また導光板と液晶パネルとの間には、照明光に配光特性や輝度分特性を与えるために、拡散板やプリズムシート等の光学シート類が適宜配設される。
【0006】
上記のような導光板方式に対して、液晶パネルの背面側の直下にLEDを配列する直下型のLEDバックライトが提供されている。直下型のLEDバックライトにおいても、LEDと液晶パネルの間には上記のような光学シート類が適宜配設される。
【0007】
上記のような直下型のLEDバックライトは、導光板方式に比して光利用効率が高く、また軽量化が可能であるなどの長所がある。光利用効率に関し、導光板方式のLEDバックライトでは、その光利用効率は例えば約50%程度であるのに対して、直下型のLEDバックライトでは、光利用効率は例えば約75%と高くなる。
一般に液晶パネルを用いた表示装置では高レベルの画面輝度が求められる。例えば、液晶テレビジョン装置では、画面の輝度レベルは少なくとも450cd/m2が要求され、このような要求を満足するためには、基本的には光利用効率の高い直下型方式のLEDバックライトが有利であるものといえる。
【0008】
上記のようなLEDバックライトの構成に関し、例えば、特許文献1では、電圧損失ならびに電流損失を抑制し、電力損失が少なく効率の良いLEDバックライト装置が開示されている。ここではLEDバックライトを構成する各LEDに並列接続されたスイッチ手段、または各LEDに直列接続されたスイッチ手段の動作タイミングを制御するタイミング制御手段を有するLED駆動手段を備える。このLED駆動手段により、LEDを一定のタイミングで切り換えて点滅させることができ、これによりLEDによる電圧損失と電流損失を最小に抑制するようにしている。
【特許文献1】特開2002−373795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図6は、上記のような直下型のLEDバックライトを構成するときの電源回路とLEDの接続構成例を模式的に示すもので、図中、11はLED、A1〜A7は電流制御部である。図6に示すように、バックライトを構成するLED11を点灯するために、複数のLED11を一組としてこれらを直列に接続し、その一組のLEDに対して定電流を付加する電流制御部A1〜A7を接続する。電流制御部A1〜A7には、電源回路21から電源を供給する。
【0010】
上記のように複数のLEDを一組として、それぞれ電流制御部により定電流を供給するように構成した場合、例えば、その一組のLEDの一つが破壊して電流が流れなくなったり、あるいは接続配線の一部が断線したり接続部が不良になるなどの事故が発生した場合、その一組のLEDの全てが非点灯状態となってしまう。
【0011】
このような場合、その一組のLEDが非点灯となるため、その一組のLEDに沿って液晶パネルの表示画面に輝度むらが発生して画質が低下するという問題が生じる。
従来では、このような場合には、不具合の部分を修理するという手法しかなかった。
また上記特許文献1では、LEDバックライトによる電力損失を抑えて低消費電力化を図るようにした思想は開示されているが、上記のようにLEDの不良等による消灯に対して画質が低下しないように対処するための思想は開示されていない。
【0012】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであって、複数のLEDを一組として複数組のLEDにより構成されたLEDバックライトにおいて、各組のLEDが直列接続されて電源が供給されるとき、一部のLEDの破壊や断線等の事故が生じた場合であっても、LEDバックライトにより照明される液晶パネルの表示画面に輝度むらを生じさせないようにすることで、高画質の画面表示を常に可能とするLEDバックライト装置と、該LEDバックライト装置を有する画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、第1の技術手段は、LEDから発光された光により被照明体を背面から照明するようにしたLEDバックライト装置において、LEDバックライト装置は、複数のLEDを直列に接続したLEDユニットを複数配設してなるLEDバックライト部と、各LEDユニット毎に設けられLEDユニットに対して駆動電流を供給する電流制御部と、各LEDユニット毎に設けられLEDユニットの電気的な異常検出を行う異常検出部と、各異常検出部による異常検出に応じてその異常検出部に対応する電流制御部を制御する制御部とを有し、制御部は、異常検出部によっていずれかのLEDユニットに電気的な異常が検出された際、電気的な異常が検出されたLEDユニットに隣接して配設された他のLEDユニットの電流制御部を制御して、他のLEDユニットの発光輝度を増大させることを特徴としたものである。
【0014】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、制御部によって発光輝度を増大させる他のLEDユニットは、電気的な異常が検出されたLEDユニットの両側でそれぞれ隣接する二つのLEDユニットであることを特徴としたものである。
【0015】
第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、他のLEDユニットの発光輝度の増大幅が、通常の状態の発光輝度の1.5倍以上2.0倍未満の幅であることを特徴としたものである。
【0016】
第4の技術手段は、第1ないし第3のいずれか1の技術手段において、LEDバックライト部が、複数のLEDが行方向と列方向でマトリックス状に配列されてなり、LEDユニットは、LEDユニットに含まれる複数のLEDの行方向の配列が、列方向に交互に移動しながらZ字形状に配列されるように構成されていることを特徴としたものである。
【0017】
第5の技術手段は、第1の技術手段において、異常検出部が、自身に接続されているLEDユニットに対する電流値または電圧値を検出することにより、電気的異常を検出することを特徴としたものである。
【0018】
第6の技術手段は、第1ないし第5のいずれか1の技術手段におけるLEDバックライト装置と、LEDバックライト装置により照明される液晶パネルとを備え、液晶パネルによりLEDバックライトによる照明光を変調することにより画像表示を行うことを特徴とする画像表示装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数のLEDを一組として複数組のLEDにより構成されたLEDバックライトにおいて、各組のLEDが直列接続されて電源が供給されるとき、一部のLEDの破壊や断線等の事故が生じた場合であっても、LEDバックライトにより照明される液晶パネルの表示画面に輝度むらを生じさせないようにすることで、高画質の画面表示を常に可能とするLEDバックライト装置と、そのLEDバックライト装置を有する画像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、直下型のLEDバックライトの構成例を説明するための図で、図中、10はLEDバックライト装置、11はLED、12は拡散板、13は他の光学シート、14は反射板、15はLEDバックライト装置の筐体、16は液晶パネルである。
図1に示す例では、バックライトユニットの筐体15の底面側に反射板14が配置され、その上面側に複数のLED11がマトリックス状に配設されている。マトリックス状のLED11は、複数のLED11を基板上にアレイ状に配設したユニットを、さらに複数並べて構成することができる。また、反射板14に貫通孔を開けて、その貫通孔に個々のLED11を配設するようにしてもよい。あるいは、LED11を配設する基板表面に印刷等の手法により反射面を形成し、LED基板に反射板14の機能を付与するようにしてもよい。
【0021】
本発明では、これらLED11の構成については何ら限定されるものではなく、複数のLED11が液晶パネル16の背面側に配置された構成を備えていればよい。また本実施形態のLEDバックライト装置は、上記のような白色LEDを使用した照明方式であってもよく、またRGBの3色のLEDを配設した照明方式であってもよく、特に使用するLEDを限定するものではない。
またLEDを点灯制御するためのLED点灯回路,調光制御部,LED点灯回路等からなる図示しない各種電気回路部品は、バックライトユニットの背面にまとめて配置されるが、特にその詳細な位置関係については限定されない。
【0022】
LED11から発光した光は、拡散板12により拡散され、さらに他の光学シート類13で所定の作用を受けて液晶パネル16を背面側から照明する。上記他の光学シート類13は、例えば、プリズムシート等の光学シートが適宜用いられる。
液晶パネル16は、入力する映像信号に応じて各画素の液晶の配向が制御され、LED11から発光した照明光を変調する。これにより液晶パネル16上に映像信号に応じた映像が表示される。
【0023】
図2は、LEDバックライト装置の電源部の構成例を説明するための図である。LEDバックライト装置は、電源回路21と、電流制御部22a〜22nと、異常検出部23a〜23nと、LEDユニット24a〜24nと、制御部25とを有している。LEDユニット24a〜24nは、上記のLED11を複数一組として接続したものである。これら複数のLEDユニット24a〜24nにより、本発明のLEDバックライト部が構成される。
【0024】
本実施形態では、複数のLED11を一組として複数組のLEDにより各LEDユニット24a〜24nを構成する。一つのLEDユニットを構成する複数のLED11は、直列に接続される。
そして電流制御部22a〜22nは、各LEDユニット24a〜24nに対してそれぞれ設けられ、自身が接続するLEDユニット24a〜24nに電流を供給して各LED11を点灯させる。
【0025】
上記の電流制御部22a〜22nは、LEDユニット24a〜24nに供給する電流を制御することでLED11の発光輝度を調光することができる。ここでLED11を調光制御する手段としては、電圧(電流)調光方式や、明るさが時分割されるデューティー調光方式などを適用することができる。一般には動画表示に適した高速応答に対応するために後者のデューティー調光方式を用いるのが好ましい。
【0026】
電流制御部22a〜22nに上記の電圧(電流)調光方式を適用する場合、電流制御部22a〜22nは、電源回路21からの入力電圧または入力電流をDC−DCコンバータ等で変化させて、その駆動電圧(電流)の大きさで直接LED11の電流を変化させて調光することができる。
一方デューティー調光方式を適用する場合、電流制御部22a〜22nは、LEDを駆動するための調光パルス(PWM信号)を生成し、そのPWM比設定データに応じたデューティー比となるようにパルス幅を可変することで、LED11の明るさを調光することができる。
【0027】
各LEDユニット24a〜24nには、電流制御部22a〜22nから供給される電流を監視して、一部のLEDの破壊や断線等の事故が生じた場合の異常を検出する異常検出部23a〜23nが備えられている。異常検出部23a〜23nは、LEDの破壊や断線等によりLEDユニット24a〜24nに流れる電流値の減少を検出する。あるいは、LEDユニット24a〜24nへの電圧上昇を検出するようにしてもよい。そして異常検出部23a〜23nにおける異常検出結果は、制御部25に送られる。
【0028】
制御部25は、各LEDユニット24a〜24nに対応する電流制御部22a〜22nを制御することができる。そして異常検出部23a〜23nのいずれかで異常が検出されると、その異常が検出されたLEDユニットに隣接して配設されているLEDユニットの発光輝度を上げるように該当する電流制御部22a〜22nを制御する。このとき、異常が検出されたLEDユニット24a〜24nを構成するLEDは全て消灯しているため、隣接したLEDユニットの各LEDを1.5倍以上2.0倍未満の発光輝度で発光するように制御する。ここでは、上記電流制御部22a〜22nの調光方式に従ってLEDの駆動電流が制御される。
【0029】
そしてこれにより、消灯したLEDの発光輝度分が隣接したLEDにより補償され、液晶パネル16全体を照明する光量が一定となる。LED11と液晶パネル16との間には拡散板12等の光拡散手段が配置されているため、一部のLEDユニットが消灯したことによる変化が目立つことなく、画面輝度を維持することができる。
【0030】
上記の制御例を図3を使用して具体的に説明する。図3は、本発明のLEDバックライト装置における電源回路とLEDの接続構成例を模式的に示すものである。図3において、A1〜A7は電流制御部で、上記図2に示す電流制御部22a〜22nに該当する。またB1〜B7は異常検出部で、上記図2に示す異常検出部23a〜23nに該当する。
ここでは複数のLED11を直列に接続した複数のLEDユニットを構成し、各LEDユニットに対して駆動電流を供給する電流制御部A1〜A7をそれぞれ接続する。電流制御部A1〜A7には、電源回路21から電源を供給する。また各電流制御部A1〜A7には異常検出部B1〜B7が接続され、各LEDユニットの異常検出を行う。各異常検出部B1〜B7は、図示しない制御部(図2の制御部25)に接続され、自身が接続するLEDユニットの異常を検出する。
【0031】
ここで、図3に示すLEDユニットY1においてLEDの破壊や断線等が生じたものとする。このLEDユニットY1の異常は、異常検出部B4で検出され、制御部に通知される。制御部では、異常検出部B4における異常検出に応じて、LEDユニットY1の両隣に配設されているLEDユニットY2,Y3の発光輝度を上げるように、電流制御部A3,A5を制御する。異常が検出されたLEDユニットY1を構成するLEDは全て消灯しているため、その両隣のLEDユニットY2,Y3の各LEDをそれぞれ1.5倍の発光輝度で発光するように制御する。
【0032】
そしてこれにより、消灯したLEDユニットY1の発光輝度分が、両隣のLEDユニットY2,Y3により補償され、液晶パネル16全体を照明する光量が一定となる。LED11と液晶パネル16との間には拡散板12等の光拡散手段が配置されているため、一部のLEDユニットが消灯したことによる変化が目立つことなく、画面輝度を維持することができる。
【0033】
図4は、本発明のLEDバックライト装置における電源回路とLEDの他の接続構成例を模式的に示すものである。図4においても、図3と同様にA1〜A7は電流制御部で、上記図2に示す電流制御部22a〜22nに該当する。またB1〜B7は異常検出部で、上記図2に示す異常検出部23a〜23nに該当する。
ここでも図3の構成と同様に、複数のLED11を直列に接続した複数のLEDユニットを構成し、各LEDユニットに対して駆動電流を供給する電流制御部A1〜A7をそれぞれ接続する。電流制御部A1〜A7には、電源回路21から電源を供給する。また各電流制御部A1〜A7には、異常検出部B1〜B7が接続され、各LEDユニットの異常検出を行う。各異常検出部B1〜B7は、図示しない制御部(図2の制御部25)に接続され、自身が接続するLEDユニットの異常を検出する。
【0034】
図4の例では、各LEDユニットを構成する複数のLEDを千鳥状に接続する。すなわちLED11が縦列と横列(行方向と列方向)でマトリックス状に配置されているとき、LEDユニットは、そのLEDユニットに含まれる複数のLED11の行方向の配列が、列方向に交互に移動しながらZ字形状に配列されるように構成されている。
なお図4において左右両端のLED発光部には配線されていないLED11が示されているが、図4はLED11の千鳥状配線を模式的に示すものであり、実際には全てのLED11がいずれかのLEDユニットに組み込まれるものとする。
【0035】
図4に示すLEDユニットY1においてLEDの破壊や断線等が生じたものとする。このLEDユニットY1の異常は、異常検出部B4で検出され、制御部に通知される。制御部では、異常検出部B4における異常検出に応じて、LEDユニットY1の両隣に配設されているLEDユニットY2,Y3の発光輝度を上げるように、電流制御部A3,A5を制御する。異常が検出されたLEDユニットY1を構成するLEDは全て消灯しているため、その両隣のLEDユニットY2,Y3の各LEDをそれぞれ1.5倍以上2.0倍未満の発光輝度で発光するように制御する。
【0036】
このときに、図4に示す構成では、各LEDユニットが千鳥状に配置しているため、一つのLEDユニットY1が消灯してしまっても、液晶パネル状の暗い部分がストライプ状に生じることがなく、輝度むらをより目立たなくすることができる。
そしてこの状態で両隣のLEDユニットY2,Y3の発光輝度を1.5倍以上2.0倍未満の幅で増大させることにより、消灯したLEDユニットY1の発光輝度分が補償され、液晶パネル16全体を照明する光量が一定となる。光量が増大されるLEDユニットY2,Y3も千鳥状にLED11が配設されているため、明るい部分ストライプ状に生じることなく画面上で目立ちにくくすることができる。
【0037】
なお上記のような効果を得るためには、LEDユニットを構成する各LED11の配置は、図4の例に限定されないのは明らかである。配線の引き回し等がやや複雑になるが、2列またはそれ以上の列幅で千鳥状に屈曲させてLED11を配線してもよく、また千鳥状配線にこだわらずに、筐体底面部に配置されたLED11をランダムに複数直列接続してLEDユニットを構成してもよい。この場合、破壊や断線が生じたLEDユニットの近傍に隣接配置されているLEDユニットの輝度を増大させるように制御する。
【0038】
図5は、本発明のLEDバックライトを備えた画像表示装置の構成例を説明するためのブロック図で、画像表示装置として構成された液晶テレビジョン装置の例を示すものである。本例では、液晶テレビジョン装置が備える液晶パネル(LCD)の照明用として、上記実施形態で説明したごとくのLEDバックライトを適用したものとする。
【0039】
テレビジョン装置30において、チューナ32は、アンテナ31によって受信されたテレビジョン放送信号からチャンネルを選局する。またビデオ入力端子33は、テレビジョン装置30に内蔵もしくは外部接続されたAV機器からのビデオ信号を入力する。そして切換部34において、チューナ32で選局されたテレビジョン放送信号とビデオ入力端子33を介して入力したビデオ信号とを切換出力する。
【0040】
切換部34から出力された映像信号は映像処理部35で映像処理され、LCD制御部36に出力される。映像処理部35は、入力したビデオ信号から映像信号の生成処理や各種の画質調整処理等を行う。映像処理部35は、コンポジット信号のYC分離処理、YC信号からRGB信号を生成するRGB信号デコード処理、AD変換処理、色空間変換処理、IP変換処理、スケーリング処理、FRC処理、色補正処理、同期検出処理、γ補整処理、OSD表示処理等の映像信号処理を適宜実行する
【0041】
LCD制御部36は、映像処理部35から出力されたRGBの画像表示信号に従ってLCD37のソースドライバに出力する階調データ及び信号線制御信号を生成するとともに、ゲートドライバに出力する走査線制御信号を生成し、LCD37における画像表示制御を行う。またLCD制御部36は、光源駆動部38へ出力するバックライト制御信号を生成し、LEDバックライト39の発光駆動制御を行う。
【0042】
光源駆動部38は、図2に示した電流制御部22a、異常検出部23a、及び制御部25を含むもので、図示しない液晶テレビジョン装置に電源回路から供給される電力を使用して、LEDバックライト39の点灯駆動制御を実行する。そして、LEDバックライト39にLEDの破壊や断線等の事故が生じたときに、上述したようにその事故が生じたLEDユニットの両隣に配設されたLEDを含むユニットの発光輝度を増大させ、消灯したLEDによる輝度減少を補償して画面内の輝度むらが生じないように制御する。
【0043】
またテレビジョン装置30において、切換部34から出力された音声信号は、音声処理部40で処理されてスピーカ41から音声出力される。
またリモコン受光部42は、リモコン装置50から送信された赤外線によるリモコン操作信号を受光し、制御部43へ送る。制御部43は、リモコン受光部42で受光したリモコン操作信号を検出・解析し、チューナ32、切換部34、映像処理部35、LCD制御部36、音声処理部40等に対してそれらの動作を制御する制御信号を出力する。ここではメモリ44に記憶されたプログラムやデータが使用される。また液晶テレビジョン装置に対するユーザによる操作入力は、上記リモコン装置50だけでなく、テレビジョン装置30の本体操作部に設けられた操作キーやスイッチを用いて実行することもできる。
【0044】
なお、本発明に関わる画像表示装置は、上記の液晶テレビジョンに限定されることはなく、液晶パネルを背面から照明して、表示画像を生成する構成を有する種々の画像表示装置に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】直下型のLEDバックライトの構成例を説明するための図である。
【図2】LEDバックライト装置の電源部の構成例を説明するための図である。
【図3】本発明のLEDバックライト装置における電源回路とLEDの接続構成例を模式的に示すものである。
【図4】本発明のLEDバックライト装置における電源回路とLEDの他の接続構成例を模式的に示すものである。
【図5】本発明のLEDバックライトを備えた画像表示装置の構成例を説明するためのブロック図である。
【図6】直下型のLEDバックライトを構成するときの電源回路とLEDの接続構成例を模式的に示すものである。
【符号の説明】
【0046】
10…LEDバックライト装置、11…LED、12…拡散板、13…光学シート類、14…反射板、15…筐体、16…液晶パネル、21…電源回路、22a〜22n…電流制御部、23…スピーカ、23a〜23n…異常検出部、24a〜24n…LEDユニット、25…制御部、30…テレビジョン装置、31…アンテナ、32…チューナ、33…ビデオ入力端子、34…切換部、35…映像処理部、36…LCD制御部、37…LCD、38…光源駆動部、39…LEDバックライト、40…音声処理部、42…リモコン受光部、43…制御部、44…メモリ、50…リモコン装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDから発光された光により被照明体を背面から照明するようにしたLEDバックライト装置において、該LEDバックライト装置は、複数のLEDを直列に接続したLEDユニットを複数配設してなるLEDバックライト部と、各前記LEDユニット毎に設けられ該LEDユニットに対して駆動電流を供給する電流制御部と、各前記LEDユニット毎に設けられ該LEDユニットの電気的な異常検出を行う異常検出部と、各前記異常検出部による異常検出に応じてその異常検出部に対応する前記電流制御部を制御する制御部とを有し、該制御部は、前記異常検出部によっていずれかの前記LEDユニットに電気的な異常が検出された際、該電気的な異常が検出されたLEDユニットに隣接して配設された他のLEDユニットの前記電流制御部を制御して、該他のLEDユニットの発光輝度を増大させることを特徴とするLEDバックライト装置。
【請求項2】
請求項1に記載のLEDバックライト装置において、前記制御部によって前記発光輝度を増大させる前記他のLEDユニットは、前記電気的な異常が検出されたLEDユニットの両側でそれぞれ隣接する二つのLEDユニットであることを特徴とするLEDバックライト装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のバックライト装置において、前記他のLEDユニットの発光輝度の増大の幅は、通常の状態の発光輝度の1.5倍以上2.0倍未満の幅であることを特徴とするLEDバックライト装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1に記載のバックライト装置において、前記LEDバックライト部は、複数のLEDが行方向と列方向でマトリックス状に配列されてなり、前記LEDユニットは、該LEDユニットに含まれる複数のLEDの行方向の配列が、列方向に交互に移動しながらZ字形状に配列されるように構成されていることを特徴とするLEDバックライト装置。
【請求項5】
請求項1に記載のLEDバックライト装置において、前記異常検出部は、自身に接続されている前記LEDユニットに対する電流値または電圧値を検出することにより、前記電気的異常を検出することを特徴とするLEDバックライト装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1に記載のLEDバックライト装置と、該LEDバックライト装置により照明される液晶パネルとを備え、該液晶パネルにより前記LEDバックライトによる照明光を変調することにより画像表示を行うことを特徴とする画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−67313(P2007−67313A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−254445(P2005−254445)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】