説明

LEDランプおよび照明器具

【課題】感電のおそれが小さい直流点灯型のLEDランプを提供する。
【解決手段】口金ソケット220およびアース端子受け治具240を備えた照明器具200に取り付けられ直流点灯されるLEDランプ100であって、長尺状の基板111にその長手方向に沿って複数のLED113が実装されたLEDモジュール110と、前記LEDモジュール110が内部に収容され少なくとも一部が導電性部材120で構成された長尺状の外殻101と、当該外殻101の長手方向一端側に配置され前記口金ソケット220に装着される口金140と、前記外殻101の長手方向他端側に配置され前記導電性部材120と電気的に接続されたアース端子152,153を有し前記アース端子受け治具220に装着されるアース部材150と、を備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDランプおよび照明器具に関し、特に、直管蛍光灯の代替品として好適な直管蛍光灯型のLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
寿命による交換頻度を低減すると共に省電力化を図るため、蛍光灯よりも長寿命かつ省電力であるLEDランプが蛍光灯の代替品として提案されている。
例えば、直管蛍光灯の代替品となる直管蛍光灯型のLEDランプの場合、蛍光灯に応じた長さを有する長尺状の基板と、当該基板上に長手方向に沿って実装された複数個のLEDとを備えた構成を有する。そして、基板のLEDとは反対側には外殻の一部を構成するアルミニウム製のヒートシンクが取り付けられ、そのヒートシンクによる放熱効果によって、LEDの温度上昇を抑えてLEDの発光効率の低下を防止している。また、LEDランプにはAC/DCコンバータを含む点灯回路が内蔵されており、照明器具から入力される交流電圧を前記点灯回路によって直流電圧に変換しLEDに供給し点灯させている。
【0003】
このような交流点灯型のLEDランプは、LEDランプに点灯回路が内蔵されているためLEDで生じる熱によって点灯回路の寿命が縮まり易く、そのためLEDランプ自体の寿命も縮まり易い。また、点灯回路で生じる熱によってLEDの温度が上昇しLEDの発光効率が低下するおそれもある。さらに、点灯回路の内蔵はLEDランプの大型化や高価格化の原因にもなる。そこで、AC/DCコンバータを含む点灯回路をランプ外部の例えば照明器具等に設ける等して、LEDランプの口金には直流電圧が供給される構成とし、この構成で点灯させる直流点灯型のLEDランプの開発が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−103304号公報
【特許文献2】特開2009−266432号公報
【特許文献3】特開2008−282793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ヒートシンクは、アルミニウム製であるため導電性を有するが、LEDランプを照明器具に取り付けられた状態において接地されていない。そのため、LEDモジュールや照明器具からにヒートシンクに電流が漏れた場合に、ヒートシンクに触れると感電のおそれがある。特に、直流点灯型のLEDランプの場合、ヒートシンクの対地電圧が、電源電圧とランプ電圧との単純な総和となり、交流点灯型のLEDランプの場合の対地電圧の実効値よりも大きくなるため、感電のおそれが大きい。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑み、感電のおそれが小さい直流点灯型のLEDランプおよび照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るLEDランプは、口金ソケットおよびアース端子受け治具を備えた照明器具に取り付けられ直流点灯されるLEDランプであって、長尺状の基板にその長手方向に沿って複数のLEDが実装されたLEDモジュールと、前記LEDモジュールが内部に収容され、少なくとも一部が導電性部材で構成された長尺状の外殻と、当該外殻の長手方向一端側に配置され、前記口金ソケットに装着される口金と、前記外殻の長手方向他端側に配置され、前記導電性部材と電気的に接続されたアース端子を有し、前記アース端子受け治具に装着されるアース部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る照明器具は、上記LEDランプが取り付けられる照明器具であって、前記口金が装着される口金ソケットと、前記アース部材が装着されるアース端子受け治具とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るLEDランプおよび照明器具は、LEDランプの外殻の少なくとも一部を構成する導電性部材と電気的に接続されたアース端子を有するアース部材が、照明器具のアース端子受け治具に装着されるため、導電性部材に電流が漏れたとしても感電のおそれが小さい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態に係るLEDランプを示す一部破断平面図
【図2】図1におけるA−A線断面図
【図3】図1におけるB−B線断面図
【図4】図1におけるC−C線断面図
【図5】LEDランプの照明器具への取り付け状態を説明するための図
【図6】LEDランプおよび照明器具の回路図
【図7】変形例1に係るLEDランプを示す一部破断平面図
【図8】変形例2に係る口金およびアース部材の装着構造を説明するための模式図
【図9】変形例3に係る口金を示す図
【図10】変形例4に係る口金を示す図
【図11】変形例5に係る口金を示す図
【図12】変形例6に係る口金を示す図
【図13】変形例7に係る口金を示す図
【図14】変形例7に係る口金ソケットを示す斜視図
【図15】変形例7に係る口金ソケットの開状態を示す図
【図16】変形例7に係る口金ソケットの閉状態を示す図
【図17】変形例7に係る口金の口金ソケットへの取り付け態様を説明するための図
【図18】変形例7に係る口金を口金ソケットへの取り付けた状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るLEDランプおよび照明器具の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[実施の形態]
図1は、本実施の形態に係るLEDランプを示す一部破断平面図であり、図2は、図1におけるA−A線断面図であり、図3は、図1におけるB−B線断面図であり、図4、図1におけるC−C線断面図である。
【0012】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係るLEDランプ100は、直管蛍光灯の代替品となる直管蛍光灯型のLEDランプであって、LEDモジュール110、ヒートシンク120、カバー130、口金140およびアース部材150を備える。なお、ヒートシンク120とカバー130とでLEDモジュール110の外殻101が構成されている。
【0013】
LEDモジュール110は、長尺直線状の基板111を有し、当該基板111の実装面112には、基板111の長手方向に沿って複数個のLED113が例えば一列に直線状に実装されていると共に、温度ヒューズ114および電流ヒューズ115がそれぞれ1つずつ実装されている。複数のLED113、温度ヒューズ114および電流ヒューズ115は、基板111の実装面112に形成された配線パターン116によって電気的に、例えば直列接続されている。例えば、LED113の電圧は1つが3.3Vであって、それが30個実装され直列接続されることによりLEDランプ100全体としてのランプ電圧は3.3V×30=99Vとなる。
【0014】
基板111は、例えば、金属ベースプリント配線板、ガラスコンポジット基板、ガラスエポキシ基板等とすることが考えられる。LED113で生じる熱をヒートシンク120へ効率良く伝導させるためには、基板111の熱伝導性が高いことが好ましい。
【0015】
LED113は、例えば表面実装(SMD)型の白色LEDである。なお、LED113は、表面実装型のものに限らず、例えば、基板111にLEDチップをフリップチップ実装またはワイヤーボンディング実装し、前記LEDチップを蛍光体分散樹脂で封止した構成であっても良い。この場合、例えば、LEDチップを青色発光するものとし、蛍光体分散樹脂の樹脂をシリコーン樹脂とし、蛍光体を黄緑色蛍光体(例えば(Ba,Sr)2SiO4:Eu2+やY3(Al,Ga)512:Ce3+)と赤色蛍光体(Sr2Si58:Eu2+や(Ca,Sr)S:Eu2+や(Ba,Sr,Ca)AlSiN3:Eu2+)との混合物とすることが考えられる。
【0016】
ヒートシンク120は、例えば、長尺直線状のアルミニウム製であって、基板111の背面117(実装面112とは反対側の面)に、基板111と長手方向を揃えて配置されており、例えば接着やねじ止め等で基板111に固定されている。ヒートシンク120とLEDモジュール110とは熱的に接触しており、LED113で生じた熱は、基板111を介してヒートシンク120に伝導し、ヒートシンク120から放射により放熱される。ヒートシンク120と基板111とを面接触させることによって、高い放熱効果を得ることができる。
【0017】
なお、ヒートシンク120は、アルミニウム製のものに限定されないが、熱伝導性が良くかつ軽量であることが好ましい。また、ヒートシンク120は、どのような形状であっても良いが、LEDモジュール110からの出射光を遮らない形状であることが好ましい。
【0018】
図3および図4に示すように、カバー130は、例えば、横断面形状が略円弧形の長尺状であって、ヒートシンク120と長手方向を揃えて配置されており、一対の側端部(短手方向端部)131,132を、ヒートシンク120の側面121,122に設けられた溝123,124に嵌め込むことによって、LEDモジュール110を覆った状態でヒートシンク120に取り付けられている。
【0019】
カバー130は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂やガラス等の透光性材料で形成されている。なお、ガラスは、熱伝導率が高く(ポリカーボネートの5倍程度)、LEDの温度上昇を抑制するための放熱効果が高いため、カバー130の材料として好適である。
【0020】
図2に戻って、口金140は、キャップ状をした本体141および一対の口金ピン142,143を有し、外殻101の長手方向一端側に配置されている。本体141は、例えば、シリコン樹脂等の耐熱性の合成樹脂からなる。一対の口金ピン142,143は、例えばアルミニウムや銅等の金属からなり、本体141に設けられた貫通孔144,145を貫通するようにそれぞれ圧入により本体141に植設されており、LEDモジュール110の配線パターン116とリード線146,147を介して電気的に接続されている。
【0021】
アース部材150は、キャップ状をした本体151、一対のアース端子152,153および導電部材154を有し、外殻101の長手方向他端側に配置されている。本体151は、例えば、シリコン樹脂等の耐熱性の合成樹脂からなる。一対のアース端子152,153は、例えば、アルミニウムや銅等の金属からなり、本体151の設けられた貫通孔155,156を貫通するようにそれぞれ圧入により本体151に植設されている。
【0022】
導電部材154は、導電性を有する略方形板状の部材であって、本体151のヒートシンク120側に配置されており、例えば接着やビス止め等で本体151に固定されている。導電部材154には、本体151の貫通孔155,156に対応させた位置に貫通孔157,158が設けられており、一対のアース端子152,153は、導電部材154の貫通孔157,158に挿入した状態で、例えば半田付け、溶接、導電性接着剤による接着等で導電部材154と電気的に接続されている。
【0023】
導電部材154は、ヒートシンク120側の面159がヒートシンク120と面接触しており、この接触により導電部材154とヒートシンク120とが電気的に接続されている。なお、導電部材154とヒートシンク120との電気的な接続は単なる接触によるものに限定されず、例えば半田付け、溶接、導電性接着剤による接着等により電気的だけでなく機械的にも接続された構成であっても良い。
【0024】
なお、導電部材154は本発明には必須ではなく、ヒートシンク120とアース端子152,153とが電気的に接続されていれば導電部材154の有無は問わない。したがって、例えば、アース端子152,153とヒートシンク120とが直接電気的に接続された構成であっても良い。
【0025】
図5は、LEDランプの照明器具への取り付け状態を説明するための図である。図5に示すように、照明器具200は、筐体210、口金ソケット220、点灯回路230およびアース端子受け治具240を備える。
【0026】
筐体210は、例えば、下面が開口した略箱状であって、上面211が天井等への取付面となっており、内面212は光反射面となっており、内部にLEDランプ100が収納されている。また、筐体210の上面211には点灯回路230が取り付けられており、筐体210の内部には、口金ソケット220およびアース端子受け治具240が互いに対向するように取り付けられている。
【0027】
口金ソケット220には、口金ピン142,143と電気的に接続される板ばね状の給電端子221,222が内蔵されており、口金ソケット220に設けられたピン孔223,224に口金ピン142,143を差し込むと、口金ピン142,143と給電端子221,222とが電気的に接続される。
【0028】
点灯回路230は、商用交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換し、その直流電圧を口金ソケット220を介してLEDランプ100の口金140に供給し、LED114を点灯させる。当該点灯回路230と商用交流電源とは、電力供給線231を介して接続されており、点灯回路230と口金ソケット220の一対の給電端子221,222とは電力供給線232を介して接続されている。なお、電力供給線232は、給電端子221,222側が2つの配線232a,232bに分岐されており、それぞれ給電端子221,222と電気的に接続されている。
【0029】
図6は、LEDランプおよび照明器具の回路図である。なお、図においてLED114は数を省略して記載している。図6に示すように、点灯回路230は、例えば定電流直流回路233を備える。なお、定電流直流回路233は、例えば整流ダイオード、平滑コンデンサなどを利用して構成することが考えられる。
【0030】
図5に戻って、アース端子受け治具240には、アース端子152,153と電気的に接続される板ばね状の導電端子241,242が内蔵されており、アース端子受け治具240に設けられた端子孔243,244にアース端子152,153を差し込むと、アース端子152,153と導電端子241,242とが電気的に接続される。
【0031】
導電端子241,242は、アース線245を介して接地されている。アース線245は、導電端子241,242側が2つの導電線245a,245bに分岐しており、それぞれ導電端子241,242と電気的に接続されている。
【0032】
アース端子受け治具240は、筐体210の内面212に取り付けられた治具保持部材250によって保持されている。治具保持部材250は、アース端子受け治具240を口金ソケット220側に付勢する付勢体251,252と、アース端子受け治具240のランプ長手方向への移動を一定範囲に規制するためにアース端子受け治具240のスリット溝246,247内に嵌め込まれた爪部253,254とを有し、アース端子受け治具240は治具保持部材250に対して摺動可能である。
【0033】
LEDランプ100を照明器具200に取り付ける際は、まず、アース部材150のアース端子152,153をアース端子受け治具240の端子孔243,244に差し込みながらアース部材150でアース端子受け治具240を口金ソケット220から遠ざける方向に移動させる。これにより、アース端子受け治具240と口金ソケット220との間の距離が広がる。次に、LEDランプ100を口金ソケット220側に移動させ、口金140の口金ピン142,143を口金ソケット220のピン孔223,224に差し込んで口金140を口金ソケット220に装着する。アース端子受け治具240が付勢体251,252により口金ソケット220側へ付勢されているため、アース端子受け治具240と口金ソケット220とによってLEDランプ100は保持される。
【0034】
LEDランプ100を装着することによって、口金ピン142,143と給電端子221,222とが電気的に接続されるため、照明器具200から口金140へ直流電圧が入力される。また、ヒートシンク120は、導電部材154、アース端子152,153、導電端子241,242およびアース線245を介して接地される。
【0035】
ヒートシンク120はアルミニウム製であるため導電性を有する。したがって、LEDモジュール110や点灯回路230の漏電等によりヒートシンク120に電流が流れる可能性がある。しかしながら、LEDランプ100を照明器具200に取り付けた状態において、ヒートシンク120は接地された状態になっており電位を持たない。したがって、ヒートシンク120に触れても感電することがない。
【0036】
なお、カバー130が導電性の材料からなる場合も、カバー130はヒートシンク120に取り付けられているため、接地された状態となっており、カバー130に触れても感電のおそれがない。
【0037】
[変形例]
以上、本発明に係るLEDランプおよび照明器具を実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係るLEDランプおよび照明器具は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、以下のような変形例が考えられる。
【0038】
(変形例1)
図7は、変形例1に係るLEDランプ等を示す平面図である。なお、照明器具の口金ソケットおよびアース端子受け治具は断面で表している。図7に示すように、変形例1に係るLEDランプ300は、環形蛍光ランプ型である点において、上記実施の形態に係るLEDランプ100と大きく相違する。以下では、相違点のみを説明し、LEDランプ100と同様の点ついては重複を避けるため説明を省略する。
【0039】
図7に示すように、変形例1に係るLEDランプ300は、環形蛍光灯の代替品であって、LEDモジュール310、ヒートシンク320、カバー330、口金340およびアース部材350を備え、ヒートシンク320とカバー330とで外殻301が構成されている。
【0040】
LEDモジュール310は、長尺円弧状の基板311を有し、基板311に複数のLED313が基板311の長手方向に沿って一列に、すなわち円弧状に一列に実装されている。ヒートシンク320とカバー330も、基板311の形状に合わせた長尺円弧状であって、それらで構成される外殻301も長尺円弧状である。
【0041】
LEDランプ300の口金340は照明器具の口金ソケット220に装着され、アース部材350はアース端子受け治具240に装着される。図7に示す例では、口金ソケット220およびアース端子受け治具240は照明器具の筐体(不図示)に固定されておらず、筐体とは電力供給線232またはアース線245によって繋がっているだけである。したがって、口金ソケット220およびアース端子受け治具240ではLEDランプ300を保持することはできず、LEDランプ300は筐体に別途取り付けられたランプ保持部材(不図示)によって保持される。
【0042】
このように、本発明に係るLEDランプは直管蛍光灯の代替品に限定されず、環形蛍光灯やU形蛍光灯など直管蛍光灯以外の形の蛍光灯の代替品であっても良く、外殻の形状は直線状に限定されず、例えば円弧状やU字状等であっても良い。
【0043】
(変形例2)
図8は、変形例2に係る口金およびアース部材の装着構造を説明するための模式図であって、(a)は口金回転前の状態、(b)は口金回転後の状態を示す。
【0044】
口金ソケット220は、口金140を回転させ装着する装着構造であっても良い。その場合、口金ソケット220の一対の給電端子221,222は、図8(a)に示すように口金140を回転させる前は、一対の口金ピン142,143と電気的に接続されず、かつ、図8(b)に示すように口金140を回転させ終えた後は、一対の口金ピン142,143と電気的に接続される位置に配置することが考えられる。
【0045】
このように、口金140を回転させ終えた後、すなわち口金ソケット220に口金140を装着し終えた際に、口金ピン142,143と給電端子221,222とが電気的に接続される構成とすることで、照明器具200にLEDランプ100を取り付ける途中でLEDランプ100に電流が流れてしまうのを防止することができ、ランプ取り付け時の安全性をより向上させることができる。
【0046】
また、アース端子受け治具240は、アース部材150を回転させ装着する装着構造であっても良い。その場合、アース端子受け治具240の一対の導電端子241,242は、図8(a)に示すようにアース部材150を回転させる前は、一対のアース端子152,153と電気的に接続されず、かつ、図8(b)に示すようにアース部材150を回転させた後は、一対のアース端子152,153と電気的に接続される位置に配置することが考えられる。
【0047】
このように、アース部材150を回転させ終えた後、すなわちアース端子受け治具240にアース部材150を装着し終えた際に、アース端子152,153と導電端子241,242とが電気的に接続される構成とすることで、照明器具200にLEDランプ100を取り付ける途中で、アース端子152,153を介してヒートシンク120に電流が流れ、LEDランプ100を持つ手を離して落としてしまう等の事故を防止することができ、ランプ取り付け時の安全性をより向上させることができる。
【0048】
(変形例3)
本発明に係る口金の構成は、上記実施の形態に限定されず、例えば以下のよう構成であっても良い。図9は、変形例3に係る口金を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は左側面図、(f)は右側面図である。
【0049】
図9に示す変形例3に係る口金440は、一対の口金ピン441,442が突設されたピン突設面443よりも口金ピン441,442の突出方向に膨出した凸部444と、ピン突設面443よりも前記突出方向と反対方向に凹入した凹部445とを有する。この口金440が装着される口金ソケット(不図示)は、口金440の凸部444に対応する位置に凹部を有し、かつ、口金440の凹部445に対応する位置に凸部を有する。
【0050】
このような構成により、本発明に係るLEDランプが既存の照明器具に誤って取り付けられることを防止できるとともに、本発明に係る照明器具に既存のLEDランプが誤って取り付けられることも防止できる。なお、このような効果を得るためには、必ずしも凸部444と凹部445の両方が不可欠なわけではなく、いずれか一方のみであっても良い。
【0051】
また、口金440の凹部445には、口金ソケットに設けられた被掛止部(不図示)に係合される掛止部446が設けられており、前記被掛止部に掛止部446を係合させることによっても口金440は口金ソケットに保持される。例えば、口金ソケットの被掛止部は鉤状のものであって、口金440を口金ソケットに回転装着する際に、口金400に設けられた掛止部446の鉤孔447に被掛止部を引っ掛けることで、口金400は口金ソケットに掛止される。このような構成とすることで、照明器具からのLEDランプの落下を防止することができる。
【0052】
(変形例4)
また、本発明に係る口金は以下のような構成であっても良い。図10は、変形例4に係る口金を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は左側面図、(f)は右側面図である。
【0053】
図10に示す変形例4に係る口金540は、変形例3に係る口金440と同形状の、一対の口金ピン541,542、ピン突設面543、凸部544および凹部545を有し、凹部545には鉤孔547を有する掛止部546が設けられている。さらに、凹部545には、第2の掛止部548が設けられている。第2の掛止部を設けることで、より照明器具から落下し難いLEDランプとすることができる。
【0054】
(変形例5)
また、本発明に係る口金は以下のような構成であっても良い。図11は、変形例5に係る口金を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は左側面図、(f)は右側面図である。
【0055】
図11に示す変形例5に係る口金640も、一対の口金ピン641,642、ピン突設面643、凸部644および凹部645を有し、凹部645ではなく凸部644に鉤孔647を有する掛止部646が設けられている。
【0056】
(変形例6)
また、本発明に係る口金は以下のような構成であっても良い。図12は、変形例6に係る口金を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は左側面図、(f)は右側面図である。
【0057】
図12に示す変形例6に係る口金740も、一対の口金ピン741,742、ピン突設面743、凸部744および凹部745(図12(e)参照)を有し、口金740の側面748に鉤孔747を有する掛止部746が設けられている。
【0058】
(変形例7)
図13は、変形例7に係る口金を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は左側面図、(f)は右側面図である。図13に示す口金840は、一対の口金ピンの代わりに、DCジャック841(図13(d)参照)を有している。また、口金840は、口金ソケットに当接される面842に凸部843および凹部844を有し、LEDランプと照明器具との誤った組み合わせでの取り付けが防止されている。さらに、鉤孔845を有する掛止部846が設けられており、LEDランプの落下が防止されている。
【0059】
口金840は、図14〜16に示すような口金ソケット920に装着される。図14は、変形例7に係る口金ソケットを示す斜視図であって、(a)は開状態、(b)は閉状態を示す。 図15は、変形例7に係る口金ソケットの開状態を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は左側面図、(f)は右側面図である。図16は、変形例7に係る口金ソケットの閉状態を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は左側面図、(f)は右側面図である。
【0060】
図14に示すように、口金ソケット920は、口金840のDCジャック841に接続されるDCプラグ921を有する。DCプラグ921は、一端部が回転自在に支持された支持部922(例えば棒状)の他端部に設けられている。支持部922を回転させることによって、口金ソケット920を図14(a)および図15に示すような開状態と、図14(b)および図16に示すような閉状態とに変形させることができる。
【0061】
また、図14に示すように、口金ソケット920は、口金840に当接される面923に、口金840の凸部843に合わせた形状の凹部924と、口金840の凹部844に合わせた形状の凸部925とを有し、LEDランプと照明器具の誤った組み合わせによる取り付けが防止されている。さらに、口金840の掛止部846の鉤孔845に嵌まり込む鉤状の被掛止部926を有し、LEDランプの落下が防止されている。
【0062】
図17は、変形例7に係る口金の口金ソケットへの取り付け態様を説明するための図である。図18は、変形例7に係る口金を口金ソケットへの取り付けた状態を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は底面図、(e)は左側面図、(f)は右側面図である。なお、図17及び図18においてLEDランプの外殻は模式的に表している。
【0063】
図17に示すように、口金ソケット920に口金840を取り付ける場合は、まず、口金840の凸部843が口金ソケット920の凹部924に嵌まり込み、口金ソケット920の凸部925が口金840の凹部844に嵌まり込むように、口金840の口金ソケット当接面842と口金ソケット920の口金当接面923とを対向させる。
【0064】
そして、口金840を回転させて、口金ソケット920の被掛止部926に口金840の掛止部846を引っ掛ける。次に、今度は支持部922を回転させて、当該支持部922を口金840に設けられた溝部847(図13(d)参照)内に嵌め込むことによって、口金ソケット920のDCプラグ921が口金840のDCジャック841と接続される。なお、口金ソケットがDCジャックを有し、口金がDCプラグを有する構成であっても良い。
【0065】
(その他の変形例)
上記実施の形態では、外殻が、導電性部材としてのヒートシンクと、カバーとで構成されていたが、本発明に係る外殻はこの構成に限定されず、少なくとも一部が導電性部材で構成されていれば良い。したがって、外殻全体が導電性部材であっても良い。また、外殻がヒートシンクとして全く機能しない構成であっても良い。
【0066】
上記実施の形態では、アース部材が一対のアース端子を有していたが、アース端子は一対、すなわち2つに限定されず、1つでも3以上の複数であっても良い。また、アース端子受け治具の導電端子も一対、すなわち2つに限定されず、1つでも3以上の複数であっても良い。
【0067】
上記実施の形態では、LEDモジュールを1つの基板で構成したが、これに限らず、2つ以上の基板を電気的に接続連結してLEDモジュールを構成しても良い。また、上記実施の形態では、基板に複数個のLEDを一列に設けたが、これに限らず2列以上に列設しても構わない。また、LEDモジュールを構成するLEDの個数も任意である。さらに、上記実施の形態では、複数個のLEDの全てを直列に接続したが、これに限らず、所定個数ずつを直列に接続したもの同士を並列に接続する、または、所定個数ずつを並列に接続したもの同士を直列に接続する、いわゆる直並列接続しても良い。
【0068】
カバーは、その内周面または外周面に光散乱剤を塗布しても構わない。例えば、内周面に、光散乱剤としてアルミナの粉体を塗布することとしても構わない。これにより、LEDからの光が拡散されて均一化されてカバーから出射されると共に、当該アルミナ粉体による熱伝導効果により放熱性が改善される。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係るLEDランプおよび照明器具は、例えば、直管蛍光灯の代替照明として用いられる直管蛍光灯型のLEDランプに好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0070】
100,300 LEDランプ
101,301 外殻
110,310 LEDモジュール
111,311 基板
113,313 LED
117 反対側の面
120 導電性部材(ヒートシンク)
140,340,440,540,640,740,840 口金
142,143,441,442,541,542,641,642,741,742 口金ピン
150 アース部材
152,153 アース端子
200 照明器具
220,920 口金ソケット
221,222 給電端子
240 アース端子受け治具
241,242 導電端子
446,546,646,746,846 掛止部
841 DCジャック
926 被掛止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口金ソケットおよびアース端子受け治具を備えた照明器具に取り付けられ直流点灯されるLEDランプであって、
長尺状の基板にその長手方向に沿って複数のLEDが実装されたLEDモジュールと、
前記LEDモジュールが内部に収容され、少なくとも一部が導電性部材で構成された長尺状の外殻と、
当該外殻の長手方向一端側に配置され、前記口金ソケットに装着される口金と、
前記外殻の長手方向他端側に配置され、前記導電性部材と電気的に接続されたアース端子を有し、前記アース端子受け治具に装着されるアース部材と、
を備えることを特徴とするLEDランプ。
【請求項2】
前記導電性部材は、前記LEDモジュールと熱的に接触したヒートシンクであることを特徴とする請求項1記載のLEDランプ。
【請求項3】
直管蛍光灯型であることを特徴とする請求項1または2に記載のLEDランプ。
【請求項4】
前記口金は、前記口金ソケットに装着された状態において前記口金ソケットの被掛止部と係合する掛止部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のLEDランプ。
【請求項5】
前記口金は一対の口金ピンを有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のLEDランプ。
【請求項6】
前記口金はDCプラグまたはDCジャックを有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のLEDランプ。
【請求項7】
請求項1から4のいずれかに記載のLEDランプが取り付けられる照明器具であって、前記口金が装着される口金ソケットと、前記アース部材が装着されるアース端子受け治具とを備えることを特徴とする照明器具。
【請求項8】
前記口金ソケットは、前記口金を回転させて装着する装着構造であって、
前記口金は一対の口金ピンを有すると共に、前記口金ソケットは前記一対の口金ピンへの給電用の一対の給電端子を有し、
前記一対の給電端子は、前記口金を回転させる前は前記一対の口金ピンと電気的に接続されず、かつ、前記口金を回転させ終えた後は前記一対の口金ピンと電気的に接続される位置に配置されていることを特徴とする請求項7記載の照明器具。
【請求項9】
前記アース端子受け治具は、前記アース部材を回転させて装着する装着構造であって、
前記アース端子受け治具は、前記アース端子と電気的に接続される導電端子を有し、
前記導電端子は、前記アース部材を回転させる前は前記アース端子と電気的に接続されず、かつ、前記アース部材を回転させ終えた後は前記アース端子と電気的に接続される位置に配置されていることを特徴とする請求項7または8に記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−9379(P2012−9379A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146280(P2010−146280)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】