説明

LEDランプ

【課題】使用者にLEDランプの取り付け時に不便を発生させないLEDランプを提供する。
【解決手段】LEDランプは、放熱管体と、端蓋と、回路板と、複数のLEDと、絶縁部材と、交直流変換器と、を含む。この放熱管体は、安置表面及び収容空間を有し、端蓋は、放熱管体の一端に設置される。回路板は、放熱管体の安置表面に設置され、交直流変換器は、収容室内に位置し、且つその出力端は、回路板上に設置され、回路板上のLEDに電源を供給する。絶縁部材は、放熱管体の一端に設置され、端蓋と相互に組み合わさり、それは、阻隔板152及び延伸部を含み、そのうち、阻隔板は、貫通孔を有する。交直流変換器は、入力導線を有し、それは、阻隔板152の貫通孔を貫通して導電棒と電気接続する。阻隔板152は、交直流変換器及び端蓋の導電棒間に位置し、交直流変換器を端蓋上の導電棒と電気絶縁させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管型灯具に関し、特にLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light emitting diode、以下LEDと略記する)は、低エネルギー消耗、使用寿命が長い、体積が小さい、反応が速い等の利点を有し、且つ近年よりその技術の発展が日増しに成熟しているということができるので、既に徐々に従来の灯具に取って代わり、特に、LEDを使用量が最大の蛍光灯方面に応用するようになっており、即ち、LEDランプは、現在の業界研究の主な課題となっている。
【0003】
現在、市場のLEDランプは、一般に回路板及び複数のLEDを含み、これらLEDは、回路板のうちの一表面上に設置される。LEDが発出する熱量を排除する為、往々にして回路板の他表面上に半円柱状の放熱管体を設置し、この放熱管体は、アルミで形成される。この放熱管体により、LEDが発する廃熱を排除することができる。放熱管体は、アルミ又はその他の高熱伝導係数を有する金属から形成され、これら熱伝導係数を有する金属は、往々にして良好な導電性も有するので、漏電の状況を発生する可能性があり、使用者がLEDランプを設置する時に安全上の懸念を有することになる。
【0004】
漏電の状況を発生する主な要因として、電流がLEDランプ内部で流動する時、電気絶縁の設計不良により、電流を放熱管体上に伝導させることによる可能性がある。漏電の状況が発生することを回避する為、一部のLEDメーカーは、交直流変換器をLEDランプの外部に設置しているが、このように、灯構造上に別途空間を設け、交直流変換器を収容する必要があり、これは、LEDランプの取り付け上の不便を招いている。
【0005】
従って、如何にLEDランプの設計を安全上の規範に適合させ、同時に使用者にLEDランプの取り付け時に不便を発生させないようにするかは、当業者が重視するに値する問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、安全上の規範に適合し、同時に使用者にLEDランプの取り付け時に不便を発生させないLEDランプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的及びその他の目的に基づき、本発明は、LEDランプを提供する。このLEDランプは、放熱管体と、端蓋と、少なくとも1つの回路板と、複数のLEDと、絶縁部材と、交直流変換器と、を含む。この放熱管体は、安置表面及び収容空間を有し、端蓋は、放熱管体の一端に設置される。端蓋上に2つの導電棒を設置し、該導電棒は、端蓋を貫通する。回路板は、放熱管体の安置表面上に設置され、LEDは、回路板上に分布される。交直流変換器は、収容空間内に位置し、且つその出力端は、回路板上に設置され、回路板上に設置するLEDに電源を供給する。絶縁部材は、放熱管体の一端に設置され、且つ絶縁材質から形成され、該絶縁部材及び端蓋は、相互に組み合わさる。この絶縁部材は、阻隔板及び延伸部を含み、そのうち、阻隔板は、貫通孔を有する。延伸部は、阻隔板上に設置され、該延伸部は、放熱管体の内部表面上に固定される。そのうち、交直流変換器は、入力導線を有し、該入力導線は、阻隔板の貫通孔を貫通し、導電棒と電気接続する。また、阻隔板は、交直流変換器及び導電棒間に位置し、交直流変換器を導電棒と電気絶縁させる。
【0008】
上記LEDランプにおいて、延伸部の上方辺縁は、凸リブを設け、該凸リブは、回路板の端部を包囲し、交直流変換器の出力端を放熱管体と電気絶縁する。
【0009】
上記のLEDランプにおいて、入力導線は、延伸部が包囲する空間を貫通し、該入力導線は、該放熱管体と電気絶縁する。
【0010】
上記のLEDランプにおいて、放熱管体の安置表面上に2つの回路板を設け、該2つの回路板の連接箇所に絶縁ペーストを塗布する。
【0011】
上記のLEDランプにおいて、LED及び該回路板の側辺間に安全な距離を有し、この安全な距離は、例えば、6mmである。
【0012】
上記のLEDランプにおいて、放熱管体の材質がアルミである。
【0013】
上記のLEDランプにおいて、端蓋の内側に少なくとも1つのラッチを設け、該端蓋は、該ラッチ及び阻隔板上の貫通孔により該絶縁部材と嵌合する。
【0014】
上記のLEDランプにおいて、放熱管体が中空半円柱状を呈する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、安全上の規範に適合し、同時に使用者にLEDランプの取り付け時に不便を発生させないLEDランプを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】本発明のLEDランプの第1実施例である。
【図1B】LEDランプの分解図である。
【図2A】絶縁部材の立体図である。
【図2B】絶縁部材及び端蓋間の分解図である。
【図3】LEDランプのうちの一部分を示し、回路板、LED、絶縁部材、及び放熱管体間の組み合わせ関係を示す図である。
【図4】本発明のLEDランプの第2実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1A及び図1Bを参照し、図1Aが示すのは、本発明のLEDランプの第1実施例であり、図1Bが示すのは、LEDランプの分解図である。このLEDランプ100は、放熱管体110と、端蓋120と、回路板130と、複数のLED140と、絶縁部材150と、交直流変換器160と、を含む。そのうち、放熱管体110は、半円柱状を呈し、且つ安置表面112を有し、回路板130は、安置表面112上に設置される。放熱管体110に相対して、LED140は、回路板130のもう片側に分布する。本実施例において、放熱管体110は、中空状を呈し、放熱管体110の内部に収容空間114を有し、交直流変換器160は、放熱管体110の内部に設置され、交直流変換器160は、交流電を直流電に変換することができ、直流電をLED140に伝送し、LED140を発光させる。一般に、交直流変換器160の外部に絶縁管を更に設け(図示せず)、この絶縁管も放熱管体110の内部に位置し、放熱管体110及び交直流変換器160を電気絶縁することに用いる。LED140が駆動された後、発光すると同時に廃熱を発生し、これら廃熱は、放熱管体110を介して外部に伝導される。本実施例において、放熱管体110は、アルミで形成されるが、当業者は、その他の熱伝導材質を選択して放熱管体110を製造することもできる。また、絶縁部材150は、絶縁材質(例えば、ポリメチルメタクリレート)から形成され、且つ放熱管体110の一端に設置される。また、LEDランプ100は、更に灯カバー170を含むが、回路板130及びLED140を表示するため、図1Aにおいて、灯カバー170を隠している。灯カバー170の効用は、回路板130及びLED140が外部環境の汚染を受けることを防止することができるだけでなく、更にLED140が発する光を均一化することができる。
【0018】
更に、図2A及び図2Bを参照し、図2Aが示すのは、絶縁部材150の立体図であり、図2Bが示すのは、絶縁部材150及び端蓋120間の分解図である。この絶縁部材150は、一体に成型される部材であり、それは、阻隔板152と、延伸部154と、凸リブ156と、接合部材158と、を含み、そのうち、延伸部154は、阻隔板152上に設置され、且つ放熱管体110の内部に伸入する。本実施例において、延伸部154は、阻隔板152上に設置され、且つ放熱管体110の内部に伸入する。本実施例において、延伸部154は、粘着固定の方式を利用し、放熱管体110上に組み合わせられる。
【0019】
端蓋120の内側に更に一対のラッチ126を設け、阻隔板152上に2つの貫通孔、即ち、貫通孔152a及び貫通孔152bを設ける。ラッチ126を貫通孔152a、貫通孔152b上に嵌合することにより、端蓋120を絶縁部材150上に組み合わせることができる。また、端蓋120が絶縁部材150上に組み合わさる時、接合部材158により、端蓋120の位置合わせを便利にし、且つ端蓋120を絶縁部材150上に安定して組み付けることができる。
【0020】
端蓋120上に更に2つの導電棒122を設置し(図1A参照)、この導電棒122は、端蓋120を介し、導電棒122のうちの一端は、端蓋120に凸出し、挿入ソケット(図示せず)に挿入接続することができ、導電棒122の他端は、端蓋120の内部に挿入され、且つ変換接続部材124は、その上に設置される。また、交直流変換器160は、更に、入力導線164を有し、この入力導線164は、阻隔板152上の通孔152aを貫通して変換接続部材124と相互に接続する。従って、外部電力は、導電棒122と、変換接続部材124と、入力導線164と、を経由し交直流変換器160に伝導され、その後、交直流変換器160は、交流電を直流電に変換する。交直流変換160と導電棒122又は変換接続部材124との間に阻隔板152を設けることにより、導電棒122又は変換接続部材124の端部の放電が放熱管体110上に伝導されることがなくなる。また、本実施例中の延伸部154は、半円弧状であり、それが包囲する空間154aは、入力導線164を通過させることができる。延伸部154は、絶縁材質であるので、それは、入力導線164及び放熱管体110を電気絶縁することができ、入力導線164中の電流が放熱管体110上に伝導されることを回避することができる。
【0021】
また、図2A及び図3を同時に参照し、図3が示すのは、LEDランプのうちの一部分であり、図3中に回路板130と、LED140と、絶縁部材150と、放熱管体110と、の間の組み合わせ関係を示す。図3から分かるように、交直流変換器160の出力端162は、回路板130上に設置され、交直流変換器160は、直流電源を出力端162から出力後、回路板130上の回路(図示せず)を経て各LED140上に伝導する。また、絶縁部材150は、更に凸リブ156を含み、この凸リブ156は、延伸部154の上方辺縁に設置され、且つ回路板130の端部に包囲され、交直流変換器160の出力端162を放熱管体110と電気絶縁させる。また、LED140及び回路板130側辺の距離は、安全距離Dに保持され、本実施例では、この安全距離Dは、6mmである。即ち、LED140が発生する漏電が放熱管体110に伝導されることがない。
【0022】
絶縁部材150の阻隔板152の設置により、導電棒122又は変換接続部材124の端部の放電は、放熱管体110上に伝導されることがない。また、交直流変換器160及び放熱管体110の間に絶縁部材150を有する延伸部154が存在するので、放熱管体110は、交直流変換器160の影響により帯電することがない。また、交直流変換器160の出力端162の両端は、凸リブ156の設置により、出力端162の放電が放熱管体110上に伝導されることがない。このことにもより、放熱管体110は、LEDランプ100内部の電流により帯電することがないので、使用者は、LEDランプ100を取り付ける時に感電等の安全の問題を懸念することがない。
【0023】
図4を参照し、図4が示すのは、本発明のLEDランプの第2実施例である。本実施例において、第1実施例と相似する部材は、同一の符号で示し、且つ再度詳細な説明を行わない。本実施例において、LEDランプ100’は、2つの回路板130を有し、この2つの回路板130は、相互に突き合わせ接合される。また、2つの回路板130の間は、絶縁ペースト132を充填し、この絶縁ペースト132は、例えば、シリコンゲルであり、それは、2つの回路板130間の隙間を充填することに用い、電流が隙間中の空気を経由して放熱管体110に伝導することを回避する。また、この絶縁ペースト132は、更に、回路130を固定する効果を有する。
【符号の説明】
【0024】
100…LEDランプ、
110…放熱管体、
112…安置表面、
114…収容空間、
120…端蓋、
122…導電棒、
124…変換接続部材、
126…ラッチ、
130…回路板、
140…LED、
150…絶縁部材、
152…阻隔板、
152a,152b…貫通孔、
154…延伸部、
156…凸リブ、
158…接合部材、
160…交直流変換器、
162…出力端、
164…入力導線、
170…灯カバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱管体と、端蓋と、少なくとも1つの回路板と、複数のLEDと、交直流変換器と、絶縁部材と、を含むLEDランプであって、
前記放熱管体は、安置表面及び収容空間を有し、
前記端蓋は、前記放熱管体の一端に設置され、前記蓋体上に2つの導電棒を設置し、前記導電棒が前記端蓋を貫通し、
前記回路板は、前記安置表面上に設置され、
前記LEDは、前記回路板上に設置され、
前記交直流変換器は、前記収容空間内に位置し、前記交直流変換器の出力端は、前記回路板上に設置され、前記LEDに電源を供給し、
前記絶縁部材は、前記放熱管体の一端に設置され、且つ絶縁材質から形成され、前記絶縁部材は、前記端蓋と相互に組み合わさり、前記絶縁部材は、
貫通孔を有する阻隔板と、
前記阻隔板上に設置され、前記放熱管体の内部表面上に固定される延伸部と、
を含み、そのうち、前記交直流変換器は、入力導線を有し、前記入力導線は、前記阻隔板の貫通孔を貫通して前記導電棒と電気接続し、且つ前記阻隔板は、前記交直流変換器及び前記導電棒間に位置し、前記交直流変換器を前記導電棒と電気絶縁させるLEDランプ。
【請求項2】
前記延伸部の上方辺縁は、凸リブを設け、前記凸リブは、前記回路板の端部を包囲し、前記交直流変換器の出力端の出力端を前記放熱管体と電気絶縁する請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項3】
前記入力導線は、前記延伸部が包囲する空間を貫通し、前記入力導線を前記放熱管体と電気絶縁させる請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項4】
前記安置表面上に2つの回路板を設け、前記2つの回路板の接続箇所に絶縁ペーストを塗布する請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項5】
前記LED及び前記回路板の側辺の間に安全な距離を有し、そのうち、前記安全な距離が6mmである請求項1に記載のLEDランプ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−65535(P2013−65535A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−270443(P2011−270443)
【出願日】平成23年12月9日(2011.12.9)
【出願人】(594063511)桐生株式会社 (6)
【Fターム(参考)】