説明

LED表札

【課題】LEDが雨水によって劣化するのを防止でき、剛性が高く、見栄えが良く、かつ簡易な構造のLED表札を提供する。
【解決手段】おもて面に名前またはデザインである表示部11が形成され、裏面の、表示部11と重ならない部分におもて面に対して非貫通の凹部12が形成された表示用プレート10と、凹部12に収納されたLED20と、LED20に電力を供給する回路23,24と、表示用プレート10のおもて面の、凹部12と重なる部分に取付けられ、少なくとも、LED20を覆い隠す大きさで非透光性材料である装飾プレート30と、を備え、LED20からの光で表示部11を輝かせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED表札に関する。より詳細には、LED(発光ダイオード)を利用した発光機能を有する表札に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LED(発光ダイオード)を表札の裏側あるいは側端部から発光させて、夜間でも判読可能にした表札が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3780459号公報
【特許文献2】特開2008−33378号公報
【0004】
特許文献1に記載の発明は、ガラスや樹脂で形成され、LEDからの光を透す表示プレートを、木材や金属で形成されたベースプレートにボルトで締結して構成したものであり、表示プレートに、ボルトを挿通するための挿通孔を、板厚方向に貫通させている。また、ボルトの内部には窓部を有する空洞部を形成し、空洞部に挿入したLEDの光を窓部から表示プレートに向けて発光させている。さらに、ボルトの先端部を表示プレートのおもて面から突出させ、その突出部分に袋ナットを螺合させている。
【0005】
また、特許文献2に記載の発明は、表示プレートのコーナーを把持する把持具にLEDを収容するように構成し、LEDの交換が容易に行えるようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の発明は、表示プレートのおもて面に突出させたボルトに袋ナットを螺合しているので、ボルトと袋ナットの螺合部分(表示プレートのおもて面)から雨水が侵入し、窓部を通ってLEDに達する。従って、侵入した雨水でLEDが劣化し易いといった問題がある。また、表示プレートに挿通穴を形成しているので、その剛性を低下させてしまうといった問題もある。さらに、ボルトと袋ナットの螺合部分に水が溜まり、錆が発生し、あるいは汚れが付着してしまい、LED表札の見栄えが悪くなるといった問題もある。
【0007】
また、特許文献2に記載の発明は、把持片の構造が複雑であり、製造が厄介であり、製造コストが嵩むといった問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的とするところは、LEDが雨水によって劣化するのを防止でき、剛性が高く、見栄えが良く、かつ簡易な構造のLED表札を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のLED表札(1)は、おもて面に名前またはデザインである表示部(11)が形成され、裏面の、前記表示部(11)と重ならない部分に前記おもて面に対して非貫通の凹部(12)が形成された表示用プレート(10)と、前記凹部(12)に収納されたLED(20)と、前記LED(20)に電力を供給する回路(23,24)と、前記表示用プレート(10)のおもて面の、前記凹部(12)と重なる部分に取付けられ、少なくとも、前記LED(20)を覆い隠す大きさで非透光性材料である装飾プレート(30)と、を備え、前記LED(20)からの光で前記表示部(11)を輝かせることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載のLED表札(1)は、前記表示用プレート(10)の前記装飾プレート(30)が取付けられる部分を、他の部分より光透過性の高い高透過部(13)としたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載のLED表札(1)は、前記装飾プレート(30)をステンレス板で形成したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載のLED表札(1)は、裏面に、おもて面に対して非貫通の凹部(12)が形成されたベースプレート(40)と、前記凹部(12)に収納されたLED(20)と、前記LED(20)に電力を供給する回路(23,24)と、前記ベースプレート(40)のおもて面の、前記凹部(12)と重なる部分に取付けられ、少なくとも、前記LED(20)を覆い隠す大きさであるとともに、名前またはデザインである表示部(11)が略中央部に形成されその表示部を除く部分を非透光性材料で形成してなる表示プレート(41)と、を備え、前記LED(20)からの光で前記表示部(11)を輝かせることを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載のLED表札(1)は、前記ベースプレート(40)のおもて面の、前記凹部(12)と重なる部分に、開口部(42a)を有する装飾板(42)を取付けるとともに、前記表示プレート(41)を前記装飾板(42)の上に重ねて前記開口部(42a)を介して導かれる前記LED(20)からの光で前記表示部(11)を輝かせることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載のLED表札(1)は、裏面に、おもて面に対して非貫通の凹部(12)が形成されたベースプレート(40)と、前記凹部(12)に収納されたLED(20)と、前記LED(20)に電力を供給する回路(23,24)と、前記ベースプレート(40)のおもて面の、前記凹部(12)と重なる部分に形成され、少なくとも、前記LED(20)を覆い隠す大きさであるとともに、名前またはデザインである表示部(11)が略中央部に形成されその表示部を除く部分を非透光性材料で形成してなる表示膜(45)と、を備え、前記LED(20)からの光で前記表示部(11)を輝かせることを特徴とする。
【0015】
なお、カッコ内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載のLED表札によれば、光によって表示部を輝かせる機能を有するLEDを、表示用プレートの裏面におもて面に対して貫通しないように形成した凹部に収納しているので、表示用プレートのおもて面には雨水が浸入してLEDに達する部分が存在しない。従って、LEDが雨水によって劣化するのを確実に防止することができる。また、LEDが太陽光によって劣化することも防止される。
【0017】
また、この表示用プレートは、従来例で示したものとは異なりLEDを収納するための貫通した孔部を持たないので、高い剛性を維持することができる。また、LED用の孔部が存在しないので、表示用プレートのおもて面に錆が発生し、あるいは汚れが付着し、見栄えが悪くなるといった事態も発生しない。
【0018】
さらに、このLED表札は、従来技術のように把持具を必要としないので、構成が極めて簡易である。従って、製造が容易で製造コストも廉価である。
また、表示用プレートの裏面に収納されたLEDは、おもて面に取付けられた、例えば請求項3に記載したようなステンレス板からなる非透光性材料の装飾プレートで覆い隠されるので見栄えが良いのに加えて、装飾プレート自体によってデザイン性を高めることができる。
【0019】
また、本発明の請求項2に記載のLED表札によれば、表示用プレートにおいて装飾プレートが取付けられる部分を、装飾プレートが取付けられていないその他の部分より光透過性の高い高透過部としたので、表示部に加えて装飾プレートが取付けられる部分の周辺についても輝かせることができる。光の濃淡によってデザイン性を一層高めることが出きる。
【0020】
また、本発明の請求項4に記載のLED表札によれば、請求項1記載の発明と同様に、LEDを、ベースプレートの裏面におもて面に対して貫通しないように形成した凹部に収納しているので、ベースプレートのおもて面には雨水が浸入してLEDに達する部分が存在しない。従って、LEDが雨水によって劣化するのを確実に防止することができる。また、LEDが太陽光によって劣化することも防止される。また、このベースプレートは、従来例で示したものとは異なりLEDを収納するための貫通した孔部を持たないので、高い剛性を維持することができる。また、LED用の孔部が存在しないので、ベースプレートのおもて面に錆が発生し、あるいは汚れが付着し、見栄えが悪くなるといった事態も発生しない。
さらに、LEDについては、表示部が略中央部に形成されその表示部を除く部分を非透光性材料で形成してなる表示プレートで覆い隠すようにしたので見栄えが良い。
【0021】
また、本発明の請求項5に記載のLED表札によれば、表示プレートを装飾板の上に重ねて装飾板の開口部を介して導かれるLEDからの光で表示部を輝かせるようにしたので、光はベースプレートの内部だけでなく開口部となる空間も通過して表示部に導かれる。これにより表示部のエッヂの部分だけでなく内部についても明るく輝かせることができる。また、ベースプレートと表示プレートの間に装飾板を設けたのでデザイン性が向上する。
【0022】
また、本発明の請求項6に記載のLED表札によれば、請求項1記載の発明と同様に、LEDを、ベースプレートの裏面におもて面に対して貫通しないように形成した凹部に収納しているので、ベースプレートのおもて面には雨水が浸入してLEDに達する部分が存在しない。従って、LEDが雨水によって劣化するのを確実に防止することができる。また、LEDが太陽光によって劣化することも防止される。また、このベースプレートは、従来例で示したものとは異なりLEDを収納するための貫通した孔部を持たないので、高い剛性を維持することができる。また、LED用の孔部が存在しないので、ベースプレートのおもて面に錆が発生し、あるいは汚れが付着し、見栄えが悪くなるといった事態も発生しない。
さらに、LEDについては、表示部が略中央部に形成されその表示部を除く部分を非透光性材料で形成してなる表示膜で覆い隠すようにしたので見栄えが良い。また、表示部を表示膜に形成しているので全体的に厚みを薄くすることができさらに見栄えが良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係るLED表札のおもて面側を示す正面斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るLED表札の裏面側を示す背面斜視図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図3の要部拡大断面図である。
【図5】図1のB−B線断面図である。
【図6】図5の要部拡大断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るLED表札を壁面に取付けた状態を示す側面図である。
【図8】本発明の実施形態におけるLEDの発光状態を示す模式図である。
【図9】本発明の実施形態に係る別のLED表札のおもて面側を示す正面斜視図である。
【図10】図9のC−C線拡大断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係るさらに別のLED表札のおもて面側を示す正面斜視図である。
【図12】図11のD−D線拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1乃至図8を参照して、本発明の実施形態に係るLED表札1について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るLED表札1のおもて面側を示す正面斜視図であり、図2は、その裏面側を示す背面斜視図である。図3は、図1のA−A線断面図であり、図4は、図3の要部拡大断面図である。また、図5は、図1のB−B線断面図であり、図6は、図5の要部拡大断面図である。
【0025】
本発明の実施形態に係るLED表札1は、表示用プレート10、LED(発光ダイオード)20、LED20に電力を供給する回路23,24および装飾プレート30を備える。表示用プレート10は、肉薄(10mm前後)で矩形状(正方形でも直方形でもよい)の半透明ガラス(透明ガラスでもよい)で形成され、そのおもて面に表示部11(ここでは、「山田」および「yamada」の文字)が形成されている。また、表示用プレート10の裏面の、表示部11と重ならない部分にはおもて面側に貫通しない(非貫通)凹部12が形成されている。なお、表示部11として、名前とともに草木などのデザインを施すことができる。
【0026】
この表示用プレート10は、板ガラスの他に、アクリル板などの樹脂材やフュージングガラスで構成することができる。フュージングガラスとは、透明ガラスの上に色つきガラスを重ね、電気炉内で熱融着させたものである。
【0027】
また、この表示用プレート10には取付穴15を穿設し、図7に示すように、その取付穴15に挿通するねじ釘などの取付部材14によって壁面Wに固定するようにしている。この取付穴15は、図1および図2に示すように、LED20が設けられている左側部分とは逆の右側端部に形成している。そのため、取付穴15から雨水が侵入することがあっても、その水はLED20に到達し難く、よって、LED20の雨水による劣化を防ぐことができる。なお、図7に示すように、表示用プレート10の外周端と壁面Wとの間にシール材Sを充填することによって、雨水の侵入を防止することができる。
【0028】
表示用プレート10のおもて面に形成された表示部11は、高圧エアで金剛砂などの堅くて細かい砂を吹き付けるサンドブラスト方法によって形成することができるが、これに代えて、レーザーなどによって彫刻したり、あるいはカッティングシートを容易に剥がれないように貼着したり、さらには、薬剤を使用したエッチング方法によって形成することもできる。
【0029】
なお、表示部11は、表示用プレート10のおもて面のみでなく、裏面、あるいは内部に形成することも可能である。内部に形成する場合は、あらかじめ作成しておいた表示部11を、板ガラスを製造する際に埋め込んだり、表示用プレート10を二枚の板ガラスで構成し、その二枚の板ガラスの間に挟み込むなどの手段をとることができる。
【0030】
LED20は、基板21によって支持され、表示用プレート10の裏面に形成された凹部12に収納される。このLED20は、図8に示すように、側面方向への発光量が垂直方向への発光量より大きいものを使用しており、これにより、表示部11に多くの光量を供給している。なお、側面方向への発光量と垂直方向への発光量を同程度にしてもよく、逆に側面方向への発光量を垂直方向への発光量より小さくすることもできる。
なお、LED20にはACアダプタ23と差込プラグ24を接続していてLED20に電力を供給している。このACアダプタ23によって、100Vの商用交流電源を5V(又は12V)の直流電源に変換する。また、LED20は、ACアダプタ23の近傍に設けた光センサー22によって、自動的に点灯および消灯する。
【0031】
装飾プレート30は、肉薄(数mm)で矩形状のステンレス板で形成され、表示用プレート10のおもて面の、凹部12と重なる部分に取付けられており、LED20を覆い隠す大きさに設定されている。この装飾プレート30によってLED20が表示用プレート10のおもて面から視覚されないようにし、デザイン性を高めている。また、この装飾プレート30は、その上下に設けた二本の固定部材31によって表示用プレート10に固定している。
【0032】
なお、装飾プレート30の右側端部には、LED20が視覚されない程度の大きさの窓穴部32を複数(ここでは上下に3つ)形成し、この窓穴部32からLEDの光を放射させて、デザイン性をさらに高めている。
【0033】
この装飾プレート30は、非透光性材料であれば良く、ステンレス板の他に、他の金属(例えば、銅板やメッキ層を有する鉄板)、木材、樹脂で形成することができる。また、その肉厚および形状は限定されない。
【0034】
また、本実施形態に係るLED表札1は、表示用プレート10の装飾プレート30が取付けられる部分である左側部分を、装飾プレート30が十分に収まる範囲で、他の部分、すなわち右側部分で表示部11を除く部分より光透過性の高い高透過部13としている。
【0035】
この高透過部13は、サンドブラストで形成したスリガラス状の表示用プレート10の表面を、フッ化水素と硫酸の混合液で溶かすといったエッチング処理によって形成している。高透過部13を形成したことにより、表示用プレート10のおもて面には、他の部分よりも明度の高い高透過部13とそれに重なる装飾プレート30によって明暗が形成されるので、このLED表札1のデザイン性をさらに向上させることができる。また表示部11に加えて装飾プレート30が取付けられる部分の周辺についても輝かせることができ、光の濃淡によってデザイン性を一層高めることが出きる。
【0036】
本実施形態に係るLED表札1は、LED20を、表示用プレート10の裏面に形成した非貫通の凹部12に収納しており、表示用プレート10のおもて面には雨水が浸入してLED20に達する部分を設けていない。従って、LED20が雨水によって劣化するのを確実に防止することができる。
【0037】
また、この表示用プレート10はLED20を収納するための貫通式の孔部を形成していないので、高い剛性を発揮することができる。また、LED20用の貫通式の孔部が存在しないので、その部分に雨水が溜まり、錆が発生し、あるいは汚れが溜まり、見栄えが悪くなるといった事態を未然に防止することができる。
【0038】
さらに、このLED表札1は、矩形状の表示用プレート10とLED20と電源供給用回路23,24と矩形状の装飾プレート30とで構成しているので構成が極めて簡易である。従って、製造を容易とし、製造コストも廉価に抑えることができる。
【0039】
また、このLED表札1を構成する表示用プレート10および装飾用プレートは共に肉薄(前者は10mm前後、後者は数mm)であるため、壁面Wから突出しない。従って、例えば、通行人の邪魔になることがなく、きわめて実用性に優れる。
【0040】
なお本発明の実施形態に係るLED表札1では、右側部分に表示部11を設けるとともに、左側部分にLED20を設け装飾プレート30で覆うようにしたが、図9及び図10に示すように、表示部11をLED20の上部に位置させるようにしてもよい。
図9及び図10に示すLED表札1は、裏面に、おもて面に対して非貫通の凹部12が形成されたベースプレート40と、凹部12に収納されたLED20と、LED20に電力を供給する回路23,24と、開口部42aを有する装飾板42と、装飾板42の上に重ねられた表示プレート41を備えている。表示プレート41の略中央部には名前またはデザインである表示部11が形成されていて、その表示部11を除く部分は非透光性材料で形成してあり、この非透光性材料の部分でLED20を覆い隠している。装飾板42は、ベースプレート40のおもて面の、凹部12と重なる部分に取付けられ、また、表示プレート41は装飾板42の矩形状の開口部42aの大きさよりも僅かに大きい矩形状としている。
ここでは、表示プレート41と装飾板42をベースプレート40の左側面よりも左側に突出させたデザインにしているが特に限定されるものではない。
【0041】
これによれば、LED20を、ベースプレート40の裏面におもて面に対して貫通しないように形成した凹部12に収納しているので、ベースプレート40のおもて面には雨水が浸入してLED20に達する部分が存在しない。従って、LED20が雨水によって劣化するのを確実に防止することができる。また、このベースプレート40は、LED20を収納するための貫通した孔部を持たないので、高い剛性を維持することができる。また、LED20用の孔部が存在しないので、ベースプレート40のおもて面に錆が発生し、あるいは汚れが付着し、見栄えが悪くなるといった事態も発生しない。
さらに、LED20については、表示部11が略中央部に形成されその表示部11を除く部分を非透光性材料で形成してなる表示プレート41で覆い隠すようにしたので見栄えが良い。
【0042】
また、表示プレート41を装飾板42の上に重ねて装飾板42の開口部42aを介して導かれるLED20からの光で表示部11を輝かせるようにしたので、光はベースプレート40の内部だけでなく開口部42aとなる空間も通過して表示部11に導かれる。これにより表示部11のエッヂの部分だけでなく内部についても明るく輝かせることができる。また、ベースプレート40と表示プレート41の間に装飾板42を設けたのでデザイン性が向上する。
【0043】
なお、ここでは、表示プレート41を装飾板42の上に重ねて設けたが、装飾板42を省略して表示プレート41を直接、ベースプレート40の上に設けることもできる。
このとき、表示プレート41はその分、厚みがあるが、これを、図11及び図12に示すように、薄膜状の表示膜45で形成することもできる。
【0044】
図11及び図12に示すLED表札1は、裏面に、おもて面に対して非貫通の凹部12が形成されたベースプレート40と、凹部12に収納されたLED20と、LED20に電力を供給する回路23,24と、ベースプレート40のおもて面の、凹部12と重なる部分に形成され、少なくとも、LED20を覆い隠す大きさであるとともに、名前またはデザインである表示部11が略中央部に形成されその表示部11を除く部分を非透光性材料で形成してなる表示膜45と、を備え、LED20からの光で表示部11を輝かせるようにしたものである。
表示膜45の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、ベースプレート40に対して、色付きで非透光性材料のガラス塗料を高温で焼成し、表示部11の形状分カットすることによって形成される。
【0045】
これによれば、LED20を、ベースプレート40の裏面におもて面に対して貫通しないように形成した凹部12に収納しているので、ベースプレート40のおもて面には雨水が浸入してLED20に達する部分が存在しない。従って、LED20が雨水によって劣化するのを確実に防止することができる。また、このベースプレート40は、従来例で示したものとは異なりLED20を収納するための貫通した孔部を持たないので、高い剛性を維持することができる。また、LED20用の孔部が存在しないので、ベースプレート40のおもて面に錆が発生し、あるいは汚れが付着し、見栄えが悪くなるといった事態も発生しない。
さらに、LED20については、表示部11が略中央部に形成されその表示部11を除く部分を非透光性材料で形成してなる表示膜45で覆い隠すようにしたので見栄えが良い。また、表示部11を表示膜45に形成しているので全体的に厚みを薄くすることができさらに見栄えが良い。
【符号の説明】
【0046】
1 LED表札
10 表示用プレート
11 表示部
12 凹部
13 高透過部
14 取付部材
15 取付穴
20 LED
21 基板
22 光センサー
23 ACアダプタ
24 差込プラグ
30 装飾プレート
31 固定部材
32 窓穴部
40 ベースプレート
41 表示プレート
42 装飾板
42a 開口部
45 表示膜
S シール材
W 壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
おもて面に名前またはデザインである表示部が形成され、裏面の、前記表示部と重ならない部分に前記おもて面に対して非貫通の凹部が形成された表示用プレートと、
前記凹部に収納されたLEDと、
前記LEDに電力を供給する回路と、
前記表示用プレートのおもて面の、前記凹部と重なる部分に取付けられ、少なくとも、前記LEDを覆い隠す大きさで非透光性材料である装飾プレートと、を備え、
前記LEDからの光で前記表示部を輝かせることを特徴とするLED表札。
【請求項2】
前記表示用プレートの前記装飾プレートが取付けられる部分を、他の部分より光透過性の高い高透過部としたことを特徴とする請求項1に記載のLED表札。
【請求項3】
前記装飾プレートをステンレス板で形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のLED表札。
【請求項4】
裏面に、おもて面に対して非貫通の凹部が形成されたベースプレートと、
前記凹部に収納されたLEDと、
前記LEDに電力を供給する回路と、
前記ベースプレートのおもて面の、前記凹部と重なる部分に取付けられ、少なくとも、前記LEDを覆い隠す大きさであるとともに、名前またはデザインである表示部が略中央部に形成されその表示部を除く部分を非透光性材料で形成してなる表示プレートと、を備え、
前記LEDからの光で前記表示部を輝かせることを特徴とするLED表札。
【請求項5】
前記ベースプレートのおもて面の、前記凹部と重なる部分に、開口部を有する装飾板を取付けるとともに、前記表示プレートを前記装飾板の上に重ねて前記開口部を介して導かれる前記LEDからの光で前記表示部を輝かせることを特徴とする請求項4に記載のLED表札。
【請求項6】
裏面に、おもて面に対して非貫通の凹部が形成されたベースプレートと、
前記凹部に収納されたLEDと、
前記LEDに電力を供給する回路と、
前記ベースプレートのおもて面の、前記凹部と重なる部分に形成され、少なくとも、前記LEDを覆い隠す大きさであるとともに、名前またはデザインである表示部が略中央部に形成されその表示部を除く部分を非透光性材料で形成してなる表示膜と、を備え、
前記LEDからの光で前記表示部を輝かせることを特徴とするLED表札。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−221184(P2011−221184A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88883(P2010−88883)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(508323322)株式会社安芸グラス工芸 (3)
【Fターム(参考)】