説明

LNGの冷熱を利用した蓄冷パックの冷却方法およびシステム並びに保冷トラック冷却方法

【課題】保冷効果を持続させるための蓄冷パックを安価に提供することを可能とするLNGの冷熱を利用した蓄冷パックの冷却方法およびシステム並びに保冷トラック冷却方法の提供。
【解決手段】冷凍庫または冷蔵庫を保冷する用途に用いられる蓄冷材が充填された容器である蓄冷パックの冷却方法であって、LNGを気化させて天然ガスを得る際のLNGの冷熱を一次冷媒で回収し、冷熱を蓄えた一次冷媒で冷却された二次冷媒が貯留された冷凍槽に、蓄冷パックを浸漬することで蓄冷パックを冷却することを特徴とする方法およびシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LNG(液化天然ガス)の冷熱を利用した蓄冷パックの冷却方法およびシステムに関し、より具体的には、例えば、保冷トラック等に積載することでエンジン停止時も保冷効果を持続できる蓄冷パックをLNGの冷熱を利用することで廉価に供給する方法およびシステム並びに保冷トラック冷却方法に関する。
なお、本明細書においては、「冷凍」および「冷蔵」が含まれる意味で「保冷」と言う場合がある。
【背景技術】
【0002】
我が国に輸入される天然ガスは、通常約40気圧以上の高圧と約−150℃以下の低温に冷却され、600分の1の体積に圧縮液化された状態でLNGタンカーによって運ばれる。天然ガスが供給される際には、再び気化されるが、常温、常圧に戻ることにより約−160℃の冷熱を発することが知られている。しかしながら、LNGの冷熱はLNG受入基地内で蒸発LNG(BOG)の再液化や、受入基地に隣接する地域で冷凍倉庫の冷熱源などに一部が直接的に利用されるのみで、そのほとんど(約70%)は蒸発器において海水に棄てられていた。この冷熱を利用すべく、従来から種々の冷熱利用方法および装置が提言されており、例えば、LNGの冷熱を有効利用する用途の一環として、CO ガスを冷却して液化し、精留して高純度の液化炭酸を得ることが行われている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、−56.6℃以下では液化炭酸が固化してしまうため中間冷媒を介して冷却する必要があり、冷熱の有効利用の非効率が生じていた。そこで、冷熱をより効率的に利用すべく、−160℃〜−60℃程度の低温域では炭化水素を分離する設備を設け、−60℃〜−20℃の低温域では液化炭酸を製造する設備を設け、−20℃〜0℃の低温域ではブタンを液化するための設備を設けること、すなわち、LNGの低温から常温までの温度範囲を複数の温度区間に区分して、それぞれの区間で液炭設備、ブタン冷却設備及び吸気冷却設備のように異なる低温利用プロセスを実行するシステムが提言されている(特許文献2)。
【0004】
LNGの冷熱を受入れ基地から離れた冷熱消費地域へ効率的に移送する冷熱の移送システムとしては、蓄冷器から冷媒移送管によって各冷熱使用者へ冷熱が送られるシステムが知られている(特許文献3)。
冷熱を蓄積するための蓄冷材としては、例えば、粉末状、粒状、成形されたペレット状またはシート状のマイクロカプセル型蓄冷材が提言されている(特許文献4)。
【特許文献1】特開平8−311438号公報
【特許文献2】特開2004−211969号公報
【特許文献3】特開平10−30094号公報
【特許文献4】特開2004−347167号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の原油価格の高騰により、トラック運送業界においては燃費削減が命題となっている。しかしながら、冷凍車や保冷車においては、停車中も冷却のためにアイドリングが必要であり、燃費の改善が難しかった。
また、京都議定書を受けて、トラック輸送を始めとする運輸分野についても二酸化炭素の削減計画が義務づけられる方向にある。
一方でLNGの冷熱は十分に活用されておらず、その活用が期待されている。しかしながら、冷熱を蓄えた保冷剤等を冷熱使用箇所で適宜利用するためには、冷熱使用箇所に保冷剤の備蓄タンクや保冷剤を移送するためのパイプラインを設けるなど多大な設備投資が必要であった。
【0006】
そこで、本発明は、保冷効果を持続させるための蓄冷パックを安価に提供することを可能とするLNGの冷熱を利用した蓄冷パックの冷却方法およびシステム並びに保冷トラック冷却方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、冷凍庫または冷蔵庫を保冷する用途に用いられる蓄冷材が充填された容器である蓄冷パックの冷却方法であって、LNGを気化させて天然ガスを得る際のLNGの冷熱を一次冷媒で回収し、冷熱を蓄えた一次冷媒で冷却された二次冷媒が貯留された冷凍槽に、蓄冷パックを浸漬することで蓄冷パックを冷却することを特徴とする方法を要旨とする。
当該方法においては、好ましくは、前記一次冷媒が密閉状態とされた設備内を循環することでLNGの冷熱を回収すること、前記一次冷媒がブタンであり、二次冷媒がエタノール−水混合液であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記の方法で冷却された蓄冷パックを保冷トラックに搭載することで、エンジン停止時においても保冷トラックの保冷効果を持続させることを特徴とする保冷トラック冷却方法を要旨とする。
当該方法においては、好ましくは、前記蓄冷パックの重量が5〜20kgであること、蓄冷パックのリユース回数を蓄冷パックに付したバーコードまたはICタグにより管理することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、冷凍庫または冷蔵庫を保冷する用途に用いられる蓄冷材が充填された容器である蓄冷パックの冷却システムであって、貯蔵タンク内のLNGをLNG気化器によりガス化し、高圧ガス供給管へ送出するLNG備蓄設備と、ガス化する前のLNGの冷熱を一次冷媒で回収するための一次熱交換器、冷熱を蓄えた一次冷媒を貯留するための一次冷媒貯蔵タンク、および一次冷媒を循環させるポンプ手段を備えた一次冷媒設備と、一次冷媒で二次冷媒を冷却するための二次熱交換器、冷却された二次冷媒を貯留するための冷凍槽、冷凍槽に蓄冷パックを浸漬するための昇降手段、および二次冷媒を循環させるポンプ手段を備えた二次冷媒設備、並びに、これらを制御するコンピュータとを具備する蓄冷パックの冷却システムを要旨とする。
当該システムにおいては、好ましくは、前記一次冷媒設備は、一次冷媒が密閉状態とされた設備内を循環するよう構成されたこと、前記冷凍槽は、異なる温度域の複数の冷凍槽から構成されること、前記一次冷媒がブタンであり、二次冷媒がエタノール−水混合液であること、前記二次冷媒設備は、二次冷媒により保冷状態とされる蓄冷パックの貯蔵庫を有すること、前記蓄冷パックは、バーコードまたはICタグが付されており、前記コンピュータによりリユース回数を管理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、冷凍庫または冷蔵庫に載置することで保冷効果を持続できる蓄冷パックを、LNGの冷熱を利用して安価に提供することが可能となる。
また、本発明によれば、多大な設備投資をすることなく、LNGの冷熱を効果的に利用することが可能である。
また、保冷トラックに蓄冷パックを搭載することで、エンジン停止時においても保冷効果を持続させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のシステムは、LNGと熱交換させて極低温となった一次冷媒を貯蔵し、その蓄冷熱を二次冷媒に伝達し、二次冷媒を冷凍槽内に循環させるというカスケード構成を採用するものである。
一次冷媒は密閉系で使用し、二次冷媒は開放系で使用する。一次冷媒を密閉系とすることで二次冷媒の循環量の制御を容易にし、異なる冷却能力を有する蓄冷パックを同時に冷却することを可能としている。
また、二次冷媒を貯留する冷凍槽内に蓄冷パックをドブ漬けして冷却することで、蓄冷パックを冷媒に非接触として冷やすよりも冷却時間を短縮することができ、更にはシステムを小型化できるという利点がある。
一次冷媒はLNGとの熱交換において流動性を保てるものであれば特に制限は無いが、好ましいものとしてはブタン液が例示される。ここで、ブタンは常圧下では約−138℃で液化するが、加圧することにより常時液化状態とするのが好ましい。
二次冷媒は蓄冷パックと直接接触するため、蓄冷パック浸漬時に気化しないものがよく、好ましいものとしてはエタノール−水混合液(50〜60%)が例示される。エタノール濃度が高いほど融点は下がるが、濃度60%を超えると危険性の問題が生じるため、制約を受けない程度の高濃度とするのがよい。
なお、温度帯によってはエタノール−水混合液をブタンの代わりに一次冷媒として利用することもできるが、上流側を下流側と比べて低温としたカスケード構成により、高い冷却効果を得ることができるため、低融点の冷媒を利用することが好ましい。
【0012】
本発明のシステムで冷熱を蓄えた蓄冷パックは、二次冷媒により保冷状態とされた貯蔵庫に一時的に格納され、そこから宅配業者等のユーザーが所有する冷蔵庫に移送される。本発明のシステムでは、蓄冷パックを保管するための特別な設備がユーザー側に不要であるため、導入コストを抑えることができる。例えば、従来のシステムのように、保冷剤の備蓄タンクや保冷剤を移送するためのパイプラインの初期投資が不要である。
以下では、本発明を実施するための最良の形態を図面に記載した実施例により説明するが、本発明は何ら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0013】
《システム構成》
本実施例のシステムは、図1に示すように、LNG貯蔵タンク1内のLNGを、一次熱交換器4を通過させた後、LNG気化器8によりガス化し、高圧ガス供給管9へ送出するLNG備蓄設備と、LNGの冷熱を一次冷媒で回収し、二次冷媒を冷却する一次冷媒設備と、二次冷媒により蓄冷パックを冷却する二次冷媒設備とから構成される。図1中、LIAはレベル計、FICは流量計、TICは温度計、DPCは差圧計、PICは圧力計、PSは圧力スイッチを意味するものとする。
【0014】
本実施例のシステムの構成要素の詳細を説明する。LNG貯蔵タンク1内の−162℃のLNGは、一次熱交換器4内を循環する一次冷媒であるブタンに冷熱を回収され、その後LNG気化器8に送出される。
一次熱交換器4で冷却された一次冷媒は、一次冷媒貯蔵タンク7に格納され、ポンプ42により二次熱交換器5へ送出される。二次熱交換器5は、二次冷媒であるエタノール−水混合液が格納されたタンクとなっており、一次冷媒はタンク内の管を通過する際に二次冷媒に冷熱を回収され、その後一次熱交換器4へ送出されて冷却される。二次熱交換器5で冷却された二次冷媒は、ポンプ43により冷凍槽に送出される。
【0015】
一次熱交換器4は、扱う温度が極低温のため直接式(チューブなどを通してLNG蒸発部と一次冷媒が直に熱交換する方式)としている。例えば、図2(a)に示すようなシェル&コイル方式が公知のものとして知られている。
二次熱交換器5は、間接式(中間媒体を通じて熱交換する方式)としている。本実施例の場合、ブタン液とエタノール−水混合液の間の環状部に気化ガスを流し、管表面でのエタノール−水混合液の着氷を抑制する観点から、図2(b)に示す二重管式を採用している。
【0016】
図1に記載のシステムは、−50℃クラスの冷凍槽を2つ、−30℃クラスの冷凍槽を2つ備えている。各冷凍槽には約−75℃の二次冷媒が異なる循環量で循環しており、これにより−50℃と−30℃の蓄冷パックを凍結させることができる。各冷凍層の基本仕様等は表1に示すとおりである。
【0017】
【表1】

【0018】
蓄冷パックは、強制対流された冷凍槽内にドブ漬けして冷却される。蓄冷パックのドブ漬けは危険を伴うため、昇降手段を備えた専用の機械によりオートメーション化するのが好ましい。例えば、ロボットアーム等に吊り下げられた金属製のかごに複数の蓄冷パックを搭載し、冷凍槽の位置まで搬送し、モーター等の駆動手段により昇降することで実現可能である。
冷却された蓄冷パックは、二次冷媒により保冷状態とされた蓄冷パック貯蔵庫34および54に格納される。
【0019】
蓄冷パックの構成について説明する。蓄冷パックは、例えば、直方体形状の容器に、蓄冷材を充填して構成される。容器の材質は作業者の皮膚に直接触れた際に凍傷を生じさせないよう、プラスチック等の樹脂で構成するのが好ましい。熱伝導率の高い材とした方が冷却時間は短縮できるが、人が取り扱うという観点から安全性を重視する必要がある。
また、一定の冷却力を発揮するために、ある程度の容積を確保できる寸法とする必要があるが、一方で作業者が容易にトラック等に積載できるように重すぎてはならない。最適な容積は用途に応じて決定する設計事項であるが、人が搬送するという制約上5〜20kgの範囲に限定されるものと考えられる。本実施例の蓄冷パックは、W40cm×L50cm×t5cmの寸法であり、10kgの重さとなるよう構成した。これによれば、−30℃クラスの10kg蓄冷パックを2個搭載すれば、宅配用保冷車(2t積トラック)において、車載冷凍機を稼働させなくとも、保冷力を4時間維持することができる。
また、蓄冷パックは繰り返し利用されるが、冷媒の耐久性による寿命の問題があるため、利用回数を管理できるようICタグやバーコードを付すことが好ましい。
蓄冷パックを搭載する保冷車には、保冷庫の上方部に蓄冷パックを搭載するための棚を設け、冷却された空気が循環するようにするのが好ましい。当該棚は稼働棚とし、蓄冷パックを着脱する際は、引き下ろせるようにするのが好ましい。
【0020】
蓄冷材は、蒸気圧より高い圧力で充填されており、移送途中の熱損失に拘わらず液の状態を保持できる。蓄冷材としては低沸点で比較的常温で蒸気圧が低い物質であることが望ましく、例えば、HCFC(沸点−12℃、蒸気圧3.9kgf/cm2 、分子式CF3 CHClF)、HFC(沸点−24℃、蒸気圧6.1kgf/cm2 、分子式CHF2 CH3 )など公知の蓄冷材として知られている。
また、運送中のパックの包装容器が運送中に破損した場合等でも、解凍後の内容物が激しく流出しないよう、また流出した溶液の廃棄が容易となるように、内容物である水溶液に適度な粘性を有するものがよい。
【0021】
本実施例のシステムにおける試算結果を説明する。
本実施例では、前記宅配用保冷車750台分の蓄冷パックを1日あたりに製造する能力を有している。 また、10kgの蓄冷パック1個を冷却するのに要するコストは約140円である。試算条件は、設備費を約350百万円(金利3.8%、15年償却)、運転維持比率2.8%、人件費および諸費が各々1千万円/年、蓄冷パック製造個数が約450千個/年(≒1,500個/日×290日/年)である。本実施例の蓄冷パックにより、保冷車の燃費は5〜10%向上すると考えられる。
【0022】
《手順》
本実施例のシステムにおいては、蓄冷パックは繰り返し利用され、その手順は以下に示すとおりである。
(1)エタノール−水混合液が満たされた冷凍槽に蓄冷パックを約2時間ドブ漬けして冷熱を蓄える。
(2)蓄熱済みの蓄冷パックは、一時的に蓄冷パック貯蔵庫に格納される。
(3)貯蔵庫に格納された蓄冷パックは、2〜3日間隔で宅配業者の集配基地に配送され、宅配業者所有の冷蔵庫で保管される。
(4)運転手は、保管されている蓄冷パックを冷蔵庫/冷凍庫から取り出して保冷車に積み込み、集配送に出る。2tトラックの場合、−30℃クラスの蓄冷パックを2個積載すれば約4時間の冷却効果が得られるので、集配送の時間に応じて、最適な数量の蓄冷パックを積載する。
(5)集配基地に戻って来た保冷車の運転手は、冷却機能の低下した蓄冷パックを冷蔵庫/冷凍庫に保管している蓄熱済み蓄冷パックと交換し、再び集配送に出る。
(6)使用済みの蓄冷パックが回収される。
(7)(1)〜(6)の手順が繰り返される。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の蓄冷パックを使用することで、エンジン停止中の積荷の保冷のみならず、トラックの運転席を冷房する冷熱利用システムを実現することも可能である。また、その利用範囲はトラックに限定されず、すべての保冷設備において、主位的ないしは補助的な冷熱源として利用することが可能である。
また、本発明は複数の用途に応じてカスケードを増やすことができ、例えば、温度差が大きいほど発電電力量が大きくなる熱電発電設備を最上流に設け、続いて保冷車用の−50〜−30℃クラスの冷凍槽、保冷倉庫庫用の−50〜−0℃クラスの冷凍槽、蓄産加工工場用の−30〜−0℃クラスの冷凍槽および工場・一般家庭用の−10〜−0℃クラスの冷凍槽をLNG備蓄設備の規模、近隣の需要に応じて適宜併設することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を実施するためのシステム構成図の一例である。
【図2】本発明のシステムにおける熱交換器の一例である。
【符号の説明】
【0025】
1 LNG貯蔵タンク
2 BOG圧縮機(低温圧縮機)
3 BOG液化器
4 一次熱交換器
5 二次熱交換器
7 一次冷媒貯蔵タンク
8 LNG気化器
9 高圧ガス供給管
11 昇圧機
12 低圧ガス供給管
31 −30℃冷凍槽A
32 −30℃冷凍槽B
34 −30℃著0パック貯蔵庫
51 −50℃冷凍槽A
52 −50℃冷凍槽B
54 −50℃著0パック貯蔵庫
70 融雪装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍庫または冷蔵庫を保冷する用途に用いられる蓄冷材が充填された容器である蓄冷パックの冷却方法であって、
LNGを気化させて天然ガスを得る際のLNGの冷熱を一次冷媒で回収し、冷熱を蓄えた一次冷媒で冷却された二次冷媒が貯留された冷凍槽に、蓄冷パックを浸漬することで蓄冷パックを冷却することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記一次冷媒が密閉状態とされた設備内を循環することでLNGの冷熱を回収することを特徴とする請求項1の蓄冷パック冷却方法。
【請求項3】
前記一次冷媒がブタンであり、二次冷媒がエタノール−水混合液であることを特徴とする請求項1または2の蓄冷パックの冷却方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかの方法で冷却された蓄冷パックを保冷トラックに搭載することで、エンジン停止時においても保冷トラックの保冷効果を持続させることを特徴とする保冷トラック冷却方法。
【請求項5】
前記蓄冷パックの重量が5〜20kgであることを特徴とする請求項4の保冷トラック冷却方法。
【請求項6】
蓄冷パックのリユース回数を蓄冷パックに付したバーコードまたはICタグにより管理することを特徴とする請求項4または5の保冷トラック冷却方法。
【請求項7】
冷凍庫または冷蔵庫を保冷する用途に用いられる蓄冷材が充填された容器である蓄冷パックの冷却システムであって、
貯蔵タンク内のLNGをLNG気化器によりガス化し、高圧ガス供給管へ送出するLNG備蓄設備と、ガス化する前のLNGの冷熱を一次冷媒で回収するための一次熱交換器、冷熱を蓄えた一次冷媒を貯留するための一次冷媒貯蔵タンク、および一次冷媒を循環させるポンプ手段を備えた一次冷媒設備と、一次冷媒で二次冷媒を冷却するための二次熱交換器、冷却された二次冷媒を貯留するための冷凍槽、冷凍槽に蓄冷パックを浸漬するための昇降手段、および二次冷媒を循環させるポンプ手段を備えた二次冷媒設備、並びに、これらを制御するコンピュータとを具備する蓄冷パックの冷却システム。
【請求項8】
前記一次冷媒設備は、一次冷媒が密閉状態とされた設備内を循環するよう構成されたことを特徴とする請求項7の蓄冷パック冷却システム。
【請求項9】
前記冷凍槽は、異なる温度域の複数の冷凍槽から構成されることを特徴とする請求項7または8の蓄冷パックの冷却システム。
【請求項10】
前記一次冷媒がブタンであり、二次冷媒がエタノール−水混合液であることを特徴とする請求項7、8または9の蓄冷パックの冷却システム。
【請求項11】
前記二次冷媒設備は、二次冷媒により保冷状態とされる蓄冷パックの貯蔵庫を有することを特徴とする請求項7ないし10のいずれかの蓄冷パックの冷却システム。
【請求項12】
前記蓄冷パックは、バーコードまたはICタグが付されており、前記コンピュータによりリユース回数を管理することを特徴とする請求項7ないし11のいずれかの蓄冷パックの冷却システム。

【図2】
image rotate

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2007−298215(P2007−298215A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−125598(P2006−125598)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000180368)四国電力株式会社 (95)
【出願人】(000144991)株式会社四国総合研究所 (116)
【Fターム(参考)】