説明

LP−PLA2濃度を減少させるためのオメガ−3脂肪酸

リポタンパク質−関連ホスホリパーゼA(Lp−PLA)濃度を減少させるための、オメガ−3脂肪酸、または脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせを利用する方法が提供される。該方法は、原発性高コレステロール血症または高トリグリセリド血症または混合型脂質異常症、冠状動脈性心臓病(CHD)、血管疾患、アテローム性動脈硬化症および関連病態に罹患する患者の治療、ならびに主要有害心血管系イベント(MACE)、主要冠動脈イベント(MCE)、特に心筋梗塞(MI)、血行再建および虚血性脳卒中の予防または減少に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リポタンパク質−関連ホスホリパーゼA(Lp−PLA)濃度を減少させるための、投与あるいはオメガ−3脂肪酸の単剤療法または脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせの単位剤形を利用する方法に関する。該方法は、原発性高トリグリセリド血症または高コレステロール血症または混合型脂質異常症、冠状動脈性心臓病(CHD)、血管疾患、アテローム性動脈硬化症および関連病態に罹患する患者の治療に、ならびに主要有害心血管系イベント(MACE)、主要冠動脈イベント(MCE)、特に心筋梗塞(MI)、血行再建および虚血性脳卒中の予防または減少に特に有用である。
【背景技術】
【0002】
ヒトにおいて、コレステロールおよびトリグリセリドは、血流のリポタンパク質複合体の一部であり、高密度リポタンパク質(HDL)、中間密度リポタンパク質(IDL)、低密度リポタンパク質(LDL)および超低密度リポタンパク質(VLDL)画分中に超遠心分離法を介して分離されうる。コレステロールおよびトリグリセリドは、肝臓で合成され、VLDLの一部となり、血漿中に放出される。高濃度の総コレステロール(総−C)およびLDL−Cは、ヒトアテローム性動脈硬化症を促進し、HDL−C濃度の減少は、アテローム性動脈硬化症の発症に付随する。
【0003】
Lp−PLAは、主にマクロファージによって産生されるが、単球、T−リンパ球、および肥満細胞によっても産生される。例えば、Hakkinen,Tら,Atheroscler Thromb Vasc Biol.19:2909−2917(1999)を参照のこと。それは、血管壁内で作用し、アテローム性動脈硬化症でアップレギュレートされる。Lp−PLA濃度は、炎症性サイトカイン、例えば、IL−1、IL−6、またはTNF−αに反応して増加しない。Lp−PLAは、LDLで移動し、2種の高度な炎症性メディエーター、リゾホスファチジルコリン(lyso−PC)および酸化脂肪酸(oxFA)を産生するために酸化LDL粒子を加水分解する。LDLおよびHDLが減少すると、Lp−PLAは減少する。例えば、MacPhee,CHら,Biochem J.338:479−487(1999)を参照のこと。
【0004】
リポタンパク質−関連ホスホリパーゼA(Lp−PLA)は、炎症に付随することが示されており、炎症を積極的に促進しうる炎症性マーカーである。例えば、Lp−PLAが、アテローム性動脈硬化症に存在するマクロファージで発現され、ウサギモデルにおいてアテローム性動脈硬化症血管中で6倍以上の活性濃度を示すことを立証した、Hakkinen,Tら,supraをご参照のこと。Lp−PLAの血漿濃度の上昇はまた、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心臓病(CHD)、および心臓血管疾患(CVD)に相関しており、卒中の危険性の増加にも付随している。
【0005】
大部分の集団研究は、Lp−PLAが上昇すると、心臓血管疾患の危険性が2倍増加することを立証している。Packard,CJら,N Engl J Med 343:1148−55(2000)は、冠動脈イベントの予防におけるプラバスタチン療法の数値を評価した、スコットランド西部冠動脈疾患予防研究(West of Scotland Coronary Prevention Study)(WOSCOPS)に登録された、高コレステロール血症に罹患する男性においてC−反応性タンパク質、白血球、フィブリノーゲン、およびLp−PLA濃度を含む血液因子を試験した。該研究は、Lp−PLA濃度と他の因子で悪化しなかった冠動脈イベントの危険性に強い関連性があることを見出した。Lp−PLA濃度に対する最も高い五分位数の患者は、Lp−PLA濃度が最も低い五分位数であった患者の危険性の約2倍の冠動脈イベントの危険性があった。LDLは、CHD、CVD、および関連病態の危険性を評価するために未だに最も一般的に用いられる脂質値であるが、Lp−PLAがより良く危険性を示すかもしれないことを、該および他の研究は立証する。
【0006】
Koenig,Wら,Circulation 110(14):1903−1908(2004)は、大部分のCHD患者は少なくとも1種の危険因子を示すが、必ずしもそのような場合ではなく、CHD発症の、特にリポタンパク質濃度の上昇を伴わない患者における長期的危険性をより正確に予測するためにC−反応性タンパク質とLp−PLAとの関連性を調査しようとしていることに言及した。45−64歳の男性の患者集団において、Lp−PLA濃度は、年齢および総コレステロールに正に相関するが、喫煙、BMI、または収縮期血圧には相関しないことを見出した。他の研究では相関がなかったということが知られていたが、Lp−PLAはHDL−C濃度にわずかに相関した。Lp−PLAはC−反応性タンパク質濃度にごくわずかに相関した。
【0007】
しかしながら、Blake,GJら,J.Am.Coll.Cardiol.38(5)1302−1306(2001)は、Lp−PLAがLDL−C、BMI、およびHDL−Cに高度に相関すること、ならびにこれらの危険因子を調整した後、健常中年女性における将来の心血管系リスクとの関連性についての証拠がほとんどなかったことを見出した。
【0008】
Ballantyne,CMら,Circulation 109(7):837−842(2004)は、Lp−PLAおよびC−反応性タンパク質が、低LDL−C濃度にもかかわらずCHDになる危険性が高い個体、男性および女性両方を特定するのに相補的でありうることを見出した。重要な関連性は、高濃度のLDL−Cを有する個体にて観測されなかった。Ballantyneら,Scientific Session of American Heart Association,New Orleans(2004)はまた、地域アテローム性動脈硬化症リスク(Atherosclerosis Risk in Communities)(ARIC)研究からのデータを評価し、同様のLDL−C濃度にもかかわらず、卒中コホートにおけるLp−PLAの平均基準濃度が非卒中コホートと有意に異なることを決定し、他の危険因子を明らかにした後も、卒中の危険性が約2倍増加することを見出した。Arch.Intern.Med.165:2479−2482(2005)に公開された研究において、Ballantyneらはまた、Lp−PLAおよびC−反応性タンパク質がまた、虚血性脳卒中になる危険性の高い個体を特定するのに相補的であり、Lp−PLAの選択的抑制が虚血性脳卒中を減少するかどうか、ならびにスタチン系および/またはフィブラート系がLp−PLA濃度の上昇を伴う患者における卒中予防に対しより有効であるかどうかを決定するためのさらなる研究を推奨することを見出した。
【0009】
Lp−PLAは、冠状動脈性心臓病にすでに罹患している患者の将来の心血管系イベントを予測しうる。例えば、Koenig,Wら,Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.26:1586−1593(2006)を参照のこと。しかしながら、この30日の間に急性冠症候群、例えば、心筋梗塞または不安定狭心症を経験した患者において、Lp−PLA濃度は、その後の心血管系イベントの危険性に有意に付随しなかった。例えば、O’Donoghue,Mら,Circulation 113(4):1745−1752(2006)を参照のこと。追跡治療の間に測定すると、Lp−PLA濃度は、従来の危険因子LDL−CおよびC−反応性タンパク質に加えて検討した時に予後因子として有用であった。
【0010】
前臨床動物試験において、Lp−PLAの阻害は、炎症過程を軽減し、アテローム性動脈硬化症発症を遅らせることが見出されている。例えば、Hakkinen,Tら,supraを参照のこと。ヒト試験において、スタチン系およびフィブラート系両方とも、Lp−PLA濃度を減少させると見られている。Packardら,supraは、患者がプラバスタチンで治療した場合にLp−PLA濃度の17%減少することを立証した。Tsimihodimosら,J Lipid Res 43:256−263(2002)は、フェノフィブラートで治療した患者においてLp−PLAが22−28%減少すること、ならびにアトルバスタチンで治療した患者においてLp−PLAが28−42%減少することを立証した。Muhleshteinら,J Am Coll Cardiol 48:396−401(2006)は、シンバスタチン単剤でLp−PLA濃度が25%減少することを立証した。O’Donoghue,Mら,supraは、アトルバスタチンがLp−PLA濃度を20%減少するのに対し、プラバスタチンでLp−PLA濃度が3.6%上昇することを立証した。
【0011】
他の化合物はまた、PLA活性を抑制するために開発されている。米国出願公開番号第2006/0014759号の実施態様は、患者の疾患または障害を治療または予防するか、あるいは患者の疾患の症状の進行を阻害する方法であって、種々のホスホリパーゼ酵素、特に細胞質ホスホリパーゼA酵素(cPLA)の活性を抑制する治療的置換インドール化合物を投与することによるところの方法である。治療または予防を受けている疾患または障害は、卒中およびアテローム性動脈硬化症を含みうる。
【0012】
Lp−PLA濃度におけるその効果は研究されていないけれども、種々の薬剤、例えば、脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸は、脂質異常症、高コレステロール血症および高トリグリセリド血症を治療するための単剤療法として用いられている。
【0013】
脂質異常症治療剤には、一般的に、HMG−CoA還元酵素阻害剤(スタチン系)、コレステロール吸収阻害剤、ナイアシンおよび誘導体、例えば、ニコチンアミド、フィブラート系、胆汁酸捕捉剤、MTP阻害剤、LXRアゴニストおよび/またはアンタゴニストならびにPPARアゴニストおよび/またはアンタゴニストが含まれる。
【0014】
3−ヒドロキシ−3−メチル グルタリル コエンザイムA(HMG−CoA)還元酵素阻害剤である、スタチン系は、例えば、脂質異常症およびアテローム性動脈硬化症を治療するために用いられている。典型的には、スタチン単剤療法は、コレステロール濃度を治療するために、特に患者が許容されるLDL−C濃度ではない場合に用いられている。スタチン系は、酵素HMG−CoAレダクターゼを抑制し、体内のコレステロール酸性の割合を制御する。スタチン系は、コレステロールの産生を抑制することおよび血中ですでにLDL−コレステロールを除去する肝臓能力を増加することによりコレステロールを減少させる。例えば、Ballantyneら,Am.Heart J.151(5):975.e1−975.e9(2006)を参照のこと。
【0015】
コレステロール吸収阻害剤、例えば、エゼチミブおよびMD−0727は、コレステロールの腸管吸収を選択的に抑制する脂質低下化合物群である。エゼチミブは、小腸の刷子縁で作用し、小腸から腸細胞に取り込まれた胆汁性および食事性コレステロールを減少する。例えば、Orseら,Effects Of Ezetimibe/simvastatin On Lipoprotein Subclasses In Patients With Primary Hypercholesterolemia,2006 World Cardiology Congress−poster presentation;およびBallantyneら,Effects of Ezetimibe/Simvastatin Compared to Simvastatin Monotherapy in Reducing C−Reactive Protein and Low Density Lipoprotein−Cholesterol,2006 World Cardiology Congress−poster presentationを参照のこと。
【0016】
コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤、例えば、トルセトラピブは、とりわけ、HDL形態またはLDL形態からコレステロールを移動するCETP分子を抑制する。したがって、該分子を抑制することは、HDLコレステロール濃度を増加するのに有望なアプローチである。例えば、Bhardwajら,Indian J.Pharmacol.37:46(2005)を参照のこと。
【0017】
ナイアシン(ニコチン酸または3−ピリジンカルボン酸)は、脂質異常症およびアテローム性動脈硬化症を治療するのにすでに用いられていた。ナイアシンは、総コレステロール、LDL−Cおよびトリグリセリドを減少させ、HDL−Cを増加させることが知られている。ナイアシン療法はまた、apo−Bの血中濃度を減少させることが知られている。しかしながら、ナイアシン療法からの個々の脂質およびリポタンパク質反応の大きさは、潜在的脂質異常の重症度および種類に影響されうる。例えば、McKenneyら.Atherosclerosis 7(suppl):174.Abstract Tu−W27:4(2006)を参照のこと。
【0018】
フィブラート系、例えば、フェノフィブラート、ベザフィブラート、クロフィブラートおよびゲムフィブロジルは、PPAR−αアゴニストであり、トリグリセリドが豊富なリポタンパク質を減少させ、HDLを増加させ、アテローム高密度LDLを減少させるために患者にて用いられる。フィブラート系は、典型的には、かかる患者に経口投与される。
【0019】
フェノフィブラートまたは2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、1−メチルエチルエステルは、フィブラートファミリーに属し、血中トリグリセリドおよびコレステロール濃度を減少させるのに有効であるため、何年間も医薬有効成分として知られている。フェノフィブラートは、水に非常に難溶性である有効成分であり、消化管におけるフェノフィブラートの吸収は制限される。1日当たり40ないし300mgのフェノフィブラートの治療は、コレステロール血を20ないし25%減少させることおよびトリグリセリド血を40ないし50%減少させることを可能にする。
【0020】
胆汁酸捕捉剤、例えば、コレスチラミン、コレスチポールおよびコレセベラムは、胆汁酸と結合し、消化器系から再吸収するのを阻止し、コレステロール濃度を減少させる薬物群である。胆汁酸捕捉剤の通常効果は、LDL−コレステロールを約10ないし20%減少させることである。少量の捕捉剤は、LDL−コレステロールの有用な減少をもたらしうる。例えば、Bardら,Am.J.Cardiol.,76(2):65A−70A(2005)を参照のこと。
【0021】
MTP阻害剤、例えば、インプリタピドは、コレステロールおよびトリグリセリドの分泌を抑制することが知られている。
【0022】
肝臓X受容体(LXR)は、特異的オキシステロールリガンドに反応して脂質代謝に関与する遺伝子の発現を調節する「コレステロールセンサー」である(Repaら,Annu.Rev.Cell Dev.Biol.16:459−481(2000))。LXRアゴニストおよびアンタゴニストは、脂質異常症およびアテローム性動脈硬化症の潜在的治療剤である。
【0023】
PPAR−γアゴニスト、例えば、チアゾリジンジオン系ピオグリタゾンおよびロシグリタゾンは、心血管系リスクおよびアテローム性動脈硬化症の代理マーカーを改善することが示されている。例えば、チアゾリジンジオン系は、C−反応性タンパク質および頸動脈内膜中膜厚を減少する。非チアゾリジンジオン系、例えば、テサグリタザル、ナビグリチザル(naviglitizar)およびムラグリタザルは、デュアルPPARα/γアゴニストである。これらの化合物は、グルコース、インスリン、トリグリセリドおよび遊離脂肪酸を減少させるために用いられる。
【0024】
部分PPARγアゴニスト/アンタゴニスト、例えば、メタグリダセンは、II型糖尿病の治療に用いられる。
【0025】
魚油(fish oil)としても一般に呼ばれる、魚油(Marine oil)は、脂質代謝を調節することが見出されている、2種のオメガ−3脂肪酸、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)が豊富に含まれている。オメガ−3脂肪酸は、心臓血管疾患、特に軽症高血圧、高トリグリセリド血症の危険因子および凝固因子VIIリン脂質複合体活性に優れた効果を有することが見出されている。オメガ−3脂肪酸は、血清トリグリセリドを減少し、血清HDL−コレステロールを増加し、収縮期および拡張期血圧および脈拍数を減少し、ならびに血液凝固因子VII−リン脂質複合体の活性を減少する。さらに、オメガ−3脂肪酸は、任意の重い副作用を引き起こすことなく、良好な耐容性を示すように見える。
【0026】
オメガ−3脂肪酸の1のかかる形態は、DHAおよびEPAを含有する魚油からのオメガ−3、長鎖、ポリ不飽和脂肪酸の濃縮物であり、商標OMACOR(登録商標)で販売され、現在、LOVAZA(商標)として知られている。オメガ−3脂肪酸のかかる形態は、例えば、米国特許第5,502,077号、第5,656,667号および第5,698,594号に記載され、各々、出典明示により本明細書の一部とする。
【0027】
混合型脂質異常症および高コレステロール血症に罹患する患者は大抵、190mg/dl以上の血中LDLコレステロール濃度、200mg/dl以上のトリグリセリド濃度、および350μg/l以上のLp−PLA濃度を示す。食事および単剤療法の使用は、必ずしも混合型脂質異常症または高コレステロール血症に罹患する患者において目標値に達するのに十分なLDLコレステロール、トリグリセリドおよび/またはLp−PLA濃度に減少するわけではない。これらの患者において、単剤療法、または脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の相補的併用療法としてオメガ−3脂肪酸を用いる療法は、Lp−PLA濃度を減少させるのが望ましい。
【0028】
研究は、オメガ−3脂肪酸(補給または食事の改善により得られた)およびスタチン療法の併用効果を試験している。例えば、Hongら,Chin.Med.Sci.J.19:145−49(2004);Contacosら,Arterioscl.Thromb.13:1755−62(1993);Hansenら,Arterioscl.Thromb.14(2):223−229(February 1994);Nordoyら,Nutr.Metab.Cardiovasc.Dis.(2001)11:7−16;Durringtonら,Heart,85:544−548(2001)を参照のこと。オメガ−3脂肪酸での治療、または脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせでの治療の効果、Lp−PLA濃度に関するこれらの研究報告はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】米国出願公開番号第2006/0014759号明細書
【特許文献2】米国特許第5,502,077号明細書
【特許文献3】米国特許第5,656,667号明細書
【特許文献4】米国特許第5,698,594号明細書
【非特許文献】
【0030】
【非特許文献1】Hakkinen,Tら,Atheroscler Thromb Vasc Biol.19:2909−2917(1999)
【非特許文献2】MacPhee,CHら,Biochem J.338:479−487(1999)
【非特許文献3】Hakkinen,Tら,supra
【非特許文献4】Packard,CJら,N Engl J Med 343:1148−55(2000)
【非特許文献5】Koenig,Wら,Circulation 110(14):1903−1908(2004)
【非特許文献6】Blake,GJら,J.Am.Coll.Cardiol.38(5)1302−1306(2001)
【非特許文献7】Ballantyne,CMら,Circulation 109(7):837−842(2004)
【非特許文献8】Ballantyneら,Scientific Session of American Heart Association,New Orleans(2004)
【非特許文献9】Arch.Intern.Med.165:2479−2482(2005)
【非特許文献10】Koenig,Wら,Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.26:1586−1593(2006)
【非特許文献11】O’Donoghue,Mら,Circulation 113(4):1745−1752(2006)
【非特許文献12】Packardら,supra
【非特許文献13】Tsimihodimosら,J Lipid Res 43:256−263(2002)
【非特許文献14】Muhleshteinら,J Am Coll Cardiol 48:396−401(2006)
【非特許文献15】O’Donoghue,Mら,supra
【非特許文献16】Ballantyneら,Am.Heart J.151(5):975.e1−975.e9(2006)
【非特許文献17】Orseら,Effects Of Ezetimibe/simvastatin On Lipoprotein Subclasses In Patients With Primary Hypercholesterolemia,2006 World Cardiology Congress−poster presentation
【非特許文献18】Ballantyneら,Effects of Ezetimibe/Simvastatin Compared to Simvastatin Monotherapy in Reducing C−Reactive Protein and Low Density Lipoprotein−Cholesterol,2006 World Cardiology Congress−poster presentation
【非特許文献19】Bhardwajら,Indian J.Pharmacol.37:46(2005)
【非特許文献20】McKenneyら.Atherosclerosis 7(suppl):174.Abstract Tu−W27:4(2006)
【非特許文献21】Bardら,Am.J.Cardiol.,76(2):65A−70A(2005)
【非特許文献22】Repaら,Annu.Rev.Cell Dev.Biol.16:459−481(2000)
【非特許文献23】Hongら,Chin.Med.Sci.J.19:145−49(2004)
【非特許文献24】Contacosら,Arterioscl.Thromb.13:1755−62(1993)
【非特許文献25】Hansenら,Arterioscl.Thromb.14(2):223−229(February 1994)
【非特許文献26】Nordoyら,Nutr.Metab.Cardiovasc.Dis.(2001)11:7−16
【非特許文献27】Durringtonら,Heart,85:544−548(2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
Lp−PLA濃度を、特に原発性高トリグリセリド血症または高コレステロール血症または混合型脂質異常症、冠状動脈性心臓病(CHD)、血管疾患、アテローム性動脈硬化症および関連病態に罹患する患者において減少させるのに有用であって、その危険性がある患者の心血管系および血管イベントを予防または減少するための組成物、ならびにかかる組成物を製造する方法が当該分野において大いに必要なことは明らかである。処方を用いてLp−PLA濃度を減少させ、脂質異常症を治療する方法はまた、特に原発性高トリグリセリド血症または高コレステロール血症または混合型脂質異常症、冠状動脈性心臓病(CHD)、血管疾患、アテローム性動脈硬化症および関連病態に罹患する患者においてならびに心血管系および血管イベント、例えば、卒中に罹患する危険性のある患者において必要である。
【課題を解決するための手段】
【0032】
単剤療法としてまたは脂質異常症治療剤単剤での単剤療法を超えて有意に減少する脂質異常症治療剤との併用療法のいずれかにて、オメガ−3脂肪酸でLp−PLA濃度を減少させるための方法について当該分野にて満たされていない要求がある。該方法は、原発性高コレステロール血症または高トリグリセリド血症または混合型脂質異常症、冠状動脈性心臓病(CHD)、血管疾患、アテローム性動脈硬化症および関連病態に罹患するヒト患者などの対象の治療において、ならびに主要有害心血管系イベント(MACE)、主要冠動脈イベント(MCE)、特に心筋梗塞(MI)、血行再建および虚血性脳卒中の予防または減少に特に有用である。
【0033】
本発明のいくつかの実施態様は、原発性高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、または混合型脂質異常症、冠状動脈性心臓病、血管疾患、アテローム性動脈硬化症および関連病態の治療、ならびに主要有害市血管系イベント(MACE)、主要冠動脈イベント(MCE)、特に心筋梗塞(MI)および虚血性脳卒中の予防または減少に適当である、Lp−PLA濃度を減少させるための、オメガ−3脂肪酸、または脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせを利用する方法を提供する。
【0034】
本発明に記載のいくつかの実施態様には、それを必要とする対象における脂質療法の方法であって、Lp−PLA濃度を減少させるための有効量のオメガ−3脂肪酸、または有効量の脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせを対象に投与することを含み、対象のLp−PLA濃度が、脂質異常症治療剤単剤での治療に比べて減少するところの、方法が含まれる。
【0035】
他の実施態様において、本発明には、それを必要とする対象群における脂質療法の方法であって、Lp−PLA濃度を減少させるための有効量のオメガ−3脂肪酸、または有効量の脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせを対象群に投与することを含み、対象群への投与後、対象群のLp−PLA濃度が、脂質異常症治療剤単剤で治療した対照群に比べて減少するところの、方法が含まれる。好ましい実施態様において、対象群は、少なくとも1種の以下の病態:原発性高トリグリセリド血症または高コレステロール血症または混合型脂質異常症がある。他の好ましい実施態様において、該方法は、主要有害心血管系イベント(MACE)、主要冠動脈イベント(MCE)、特に心筋梗塞(MI)、血行再建および虚血性脳卒中の予防または減少に有用である。さらに他の実施態様において、対象または対象群は、平均健常人集団に比べて比較的高い基準Lp−PLAを有する。
【0036】
1の実施態様は、
対象または対象群における基準Lp−PLA濃度を決定すること;
有効量のオメガ−3脂肪酸を対象または対象群に投与すること、ここで、対象または対象群が、Lp−PLA濃度の上昇を有し;および
対象または対象群における基準Lp−PLA濃度に比べてLp−PLA濃度を減少させることを含む、脂質療法の方法を対象とする。
【0037】
別の実施態様は、
対象または対象群における基準Lp−PLA濃度を決定すること;
有効量のオメガ−3脂肪酸および脂質異常症治療剤の組み合わせを対象または対象群に投与すること、ここで、対象または対象群が、Lp−PLA濃度の上昇を有し;および
対象または対象群における基準Lp−PLA濃度に比べてあるいは脂質異常症治療剤を単剤投与された対象におけるLp−PLA濃度に比べてLp−PLA濃度を減少させることを含む、脂質療法の方法を対象とする。
【0038】
さらなる実施態様において、脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸は、脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸を含む、組み合わせ生成物、例えば、単位剤形として単一医薬組成物として投与される。
【0039】
好ましい実施態様において、医薬組成物(群)は、米国特許第5,502,077号、第5,656,667号および第5,698,594号に記載される、LOVAZA(商標)オメガ−3脂肪酸を含む。他の好ましい実施態様において、医薬組成物(群)は、組成物(群)の全脂肪酸含量に比べて少なくとも40重量%の濃度で存在するオメガ−3脂肪酸を含む。
【0040】
また別の好ましい実施態様において、オメガ−3脂肪酸は、組成物の全脂肪酸含量に比べて少なくとも50重量%のEPAおよびDHAを含み、EPAおよびDHAは、99:1〜1:99、好ましくは1:2〜2:1のEPA:DHAの重量比である。
【0041】
組成物が脂質異常症治療剤を含む本発明の変化において、脂質異常症治療剤は、限定されるものではないが、ピタバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチンおよびフルバスタチンを含むスタチンである。好ましい実施態様において、オメガ−3脂肪酸と組み合わせて用いられるスタチンは、シンバスタチンである。
【0042】
本発明の1の態様において、オメガ−3脂肪酸、または脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせは、原発性高トリグリセリド血症または高コレステロール血症または混合型脂質異常症に罹患する対象の治療あるいは主要有害心血管系イベント(MACE)、主要冠動脈イベント(MCE)、特に心筋梗塞(MI)、血行再建および虚血性脳卒中の予防または減少に用いられる。
【0043】
本発明のさらにさらなる好ましい実施態様において、本発明の組成物(群)の第1投与前(すなわち、「基準」時)の対象(または対象群)の血中トリグリセリド濃度は、約200〜約499mg/dlである。
【0044】
本発明にはまた、本明細書に示されるいずれかの治療方法に有用な医薬の製造のための、有効量のオメガ−3脂肪酸、または有効量の脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせの使用が含まれる。
【0045】
本発明の他の特徴および効果は、以下の試験により、または本発明の実施により理解することにより、当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明は、Lp−PLA濃度を減少させるために、オメガ−3脂肪酸、所望により脂質異常症治療剤との組み合わせの利用を対象とする。好ましくは、併用療法において、Lp−PLA濃度の減少は、脂質異常症治療剤単剤での治療により得られるものを超える。本発明の方法は、原発性高トリグリセリド血症または高コレステロール血症または混合型脂質異常症、冠状動脈性心臓病、血管疾患、アテローム性動脈硬化症および関連病態の治療に特に有用である。本発明はまた、オメガ−3脂肪酸、所望により脂質異常症治療剤を組み合わせて投与することによる、主要有害心血管系イベント(MACE)、主要冠動脈イベント(MCE)、特に心筋梗塞(MI)、血行再建および虚血性脳卒中の予防または減少を対象とする。
【0047】
典型的な実施態様において、対象または対象群は、基準Lp−PLA濃度について試験し、基準Lp−PLA濃度が上昇するならば、対象または対象群は、基準濃度、または.対象または対象群が脂質異常症治療剤を単剤投与される場合に達成されるLp−PLA濃度に比べて、Lp−PLA濃度を減少させる量で、オメガ−3脂肪酸、所望により脂質異常症治療剤と組み合わせて投与されてもよい。
【0048】
本発明の1の実施態様において、対象または対象群は、約300μg/Lを超える基準Lp−PLA濃度を有し、本発明の使用は、約300μg/L未満にLp−PLA濃度を減少させる。別の実施態様によれば、対象または対象群は、約250−300μg/Lの基準Lp−PLA濃度を有し、Lp−PLA濃度は約250μg/L未満に減少する。さらに別の実施態様によれば、対象または対象群は、約200−250μg/Lの基準Lp−PLA濃度を有し、Lp−PLA濃度は約200μg/Lに減少する。Lp−PLAは、未だに心臓血管疾患に対する新たなマーカーであるので、「上昇した」と考えられるLp−PLA濃度は時間毎に変化しうる。本発明は、当時の科学的理解にしたがって濃度が「上昇」するという決定のみに依存し、数値指数には依存しない。
【0049】
いくつかの実施態様において、本発明は、新規の組み合わせを提供する。好ましい実施態様において、組み合わせは、オメガ−3脂肪酸および脂質異常症治療剤を含み、オメガ−3脂肪酸は、脂質異常症治療剤の投与と同時に、例えば、単一固定用量医薬組成物としてまたは同時に投与される個々の組成物として投与される。
【0050】
他の好ましい実施態様において、投与はオメガ−3脂肪酸および脂質異常症治療剤を含み、オメガ−3脂肪酸は、脂質異常症治療剤の投与とは別であるが、併用治療計画にて投与される。例えば、脂質異常症治療剤は毎週投与されていてもよく、オメガ−3脂肪酸は毎日投与されていてもよい。本開示の恩恵を受ける当業者は、オメガ−3脂肪酸および脂質異常症治療剤の投与の正確な用量および計画が、多数の因子、例えば、投与経路および病態の重症度によって変化するであろう。
【0051】
好ましい実施態様において、本発明には、対象群における脂質療法の方法であって、Lp−PLA濃度を減少させるための有効量のオメガ−3脂肪酸、または有効量の脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせを対象群に投与することを含み、対象群が、200ないし499mg/dlなどの、150mg/dlを超える基準トリグリセリド濃度の上昇を有し、対象群への投与後、対象群のトリグリセリド濃度およびLp−PLA濃度が脂質異常症治療剤単剤で治療した対照群に比べて減少し、対象群のHDL−C濃度が脂質異常症治療剤単剤で治療した対照群に比べておよび/または基準に比べて増加するところの、方法が含まれる。
【0052】
他の好ましい実施態様において、本発明には、対象群における血中脂質療法の方法であって、Lp−PLA濃度を減少させるための有効量のオメガ−3脂肪酸、または有効量の脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせを対象群に投与することを含み、対象群が、200ないし499mg/dlなどの、150mg/dlを超える基準トリグリセリド濃度の上昇を有し、対象群への投与後、基準値に比べて1%以上LDL−Cを増加することなく、対象群のトリグリセリド濃度およびLp−PLA濃度が脂質異常症治療剤で治療した対照群に比べて減少するところの、方法が含まれる。
【0053】
他の好ましい実施態様において、本発明には、対象群における脂質療法の方法であって、Lp−PLA濃度を減少させるための有効量のオメガ−3脂肪酸、または有効量の脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせを対象群に投与することを含み、対象群への投与後、対象群の非HDL−C濃度、総コレステロール濃度、トリグリセリド濃度、およびLp−PLA濃度が、脂質異常症治療剤単剤で治療した対照群に比べて減少し、対象群のHDL−C濃度が、基準値に比べて1%以上LDL−Cを増加することなく、脂質異常症治療剤単剤で治療した対照群に比べて増加するところの、方法が含まれる。
【0054】
他の好ましい実施態様において、本発明には、対象群における脂質療法の方法であって、Lp−PLA濃度を減少させるための有効量のオメガ−3脂肪酸、または脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせを対象群に投与することを含み、対象群が、200ないし499mg/dlなどの、150mg/dlを超える基準トリグリセリド濃度の上昇を有し、対照群への投与後、対象群の非HDL−Cが、脂質異常症治療剤単剤で治療した対照群に比べて減少するところの、方法が含まれる。
【0055】
またさらなる実施態様において、本発明は、原発性高トリグリセリド血症、高コレステロール血症または混合型脂質異常症、冠状動脈性心臓病、血管疾患、およびアテローム性動脈硬化症からなる群より選択される病態の対象群を治療するために用いられうる。本発明の方法はまた、対象群における主要有害心血管系イベント(MACE)または主要冠動脈イベント(MCE)の出現を阻止または減少させるために用いられうる。MACEには、心臓死、MCE(非致死性MIまたは血行再建(例えば、CABGおよびステントの有無を問わない血管形成)を含む)、不安定狭心症、卒中、一過性脳虚血発作(TIA)による入院および末梢動脈疾患(PAD)による入院が含まれる。特に好ましい実施態様によれば、予防または減少しているMACE/MCEは、MI、血行再建または虚血性脳卒中である。
【0056】
「脂質異常症治療剤単剤での治療に比べて」なる語句は、異なる治療群における同一対象または対象群の治療、あるいは同等の対象または対象群(すなわち、コレステロールまたはトリグリセリド濃度などの特定の血中タンパク質または脂質に関する同クラス中の対象(群))の治療に言及しうる。本発明によれば「減少させる」および「増加させる」なる語は、その一般的かつ慣習的意味、すなわち、5%以下(p=0.05以下)、好ましくはp=0.025以下の可能性の確率にしたがって統計的に有意な減少または増加を意味することを意図とする。本発明のいくつかの実施態様において、脂質異常症治療剤単剤は、ある濃度を統計的に有意に減少するかまたは増加し(Lp−PLA濃度の減少など)、オメガ−3脂肪酸を用いる療法は、その濃度をさらに統計的に有意に減少するかまたは増加する。本明細書の療法は、それを必要とする対象または対象群により用いられうる。「それを必要とする」なる語は、療法についての処方情報に従うことなど、規定の目的の療法を実施する対象または対象群をいう。
【0057】
本発明の方法および組成物はまた、脂質異常症治療剤単剤での治療に比べて、単剤療法または組み合わせのいずれかで治療の対象または対象群におけるいずれかの以下の脂質濃度を減少するために用いられうる:非HDL−C濃度、トリグリセリド濃度、VLDL−C濃度、総C濃度、レムナント様粒子コレステロール(RLP−C)濃度、アポリポタンパク質−B(Apo−B)濃度および/またはアポリポタンパク質−C3(Apo−C3)濃度。本発明の方法および組成物はまた、脂質異常症治療剤単剤での治療に比べて、単剤療法または組み合わせで、HDL−C濃度を増加させるために用いられうる。
【0058】
好ましくは、非HDL−C濃度は、基準値から少なくとも約5%、好ましくは約7%および/またはさらに脂質異常症治療剤単剤での治療よりさらに少なくとも約5%、好ましくは約7%減少しうる。
【0059】
好ましくは、トリグリセリド濃度は、基準値に比べて少なくとも約20%、好ましくは約25%および/または脂質異常症治療剤単剤での治療よりさらに少なくとも約15%、好ましくは少なくとも約20%減少しうる。
【0060】
好ましくは、VLDL−C濃度は、基準値に比べて少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約25%および/または脂質異常症治療剤単剤での治療よりさらに少なくとも約15%、好ましくは少なくとも約20%減少しうる。
【0061】
好ましくは、総C濃度は、基準値に比べて少なくとも約3%、好ましくは少なくとも約5%および/または脂質異常症治療剤単剤での治療よりさらに少なくとも約2%、好ましくは少なくとも約3%減少しうる。
【0062】
好ましくは、RLP−C濃度は、基準値に比べて少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約25%および/または脂質異常症治療剤単剤での治療よりさらに少なくとも約15%、好ましくは少なくとも約20%減少しうる。
【0063】
好ましくは、Lp−PLA濃度は、基準値に比べて少なくとも約7%、好ましくは少なくとも約10%および/または脂質異常症治療剤単剤での治療よりさらに少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約7%減少しうる。
【0064】
好ましくは、Apo−B濃度は、基準値に比べて少なくとも約3%、好ましくは少なくとも約4%および/または脂質異常症治療剤単剤での治療よりさらに少なくとも約1%、好ましくは少なくとも約2%減少しうる。
【0065】
好ましくは、Apo−C3濃度は、基準値に比べて少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約7%および/または脂質異常症治療剤単剤よりさらに少なくとも約8%、好ましくは少なくとも約10%減少しうる。
【0066】
好ましくは、HDL−C濃度は、基準値に比べて少なくとも約2%、好ましくは少なくとも約3%および/または脂質異常症治療剤単剤よりさらに少なくとも約3%、好ましくは少なくとも約5%減少しうる。
【0067】
好ましくは、本発明はまた、HDL−Cに対する総コレステロールの比率を、好ましくは基準値に比べて少なくとも約5%、より好ましくは約10%および/または脂質異常症治療剤単剤での治療よりさらに少なくとも約5%、好ましくは少なくとも約10%減少させる。
【0068】
脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせを投与する特定の実施態様によれば、本発明は、安全と一般に認められる量の現在既知または将来既知の脂質異常症治療剤を包含しうる。
【0069】
好ましい脂質異常症治療剤には、スタチン系を含むHMG−CoA還元酵素阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、例えば、限定されるものではないが、エゼチミブ、ナイアシンおよび誘導体、例えば、ニコチンアミド、CETP阻害剤、例えば、限定されるものではないが、トルセトラピブ、フィブラート系、例えば、限定されるものではないが、フェノフィブラート、ベザフィブラート、クロフィブラートおよびゲムフィブロジル、胆汁酸捕捉剤、例えば、限定されるものではないが、コレスチラミン、コレスチポールおよびコレセベラム、MTP阻害剤、例えば、限定されるものではないが、出典明示により本明細書の一部とする、WO00/38725およびScience,282,23 October 1998,pp.751−754に記載のもの、LXRアゴニストおよび/またはアンタゴニスト、ならびにPPARアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、限定されるものではないが、PPARα、PPARγ、PPARδ、PPARα/γ、PPARγ/δ、PPARα/δ、およびPPARα/γ/δアゴニスト、アンタゴニストおよび部分アゴニストおよび/またはアンタゴニスト)、例えば、限定されるものではないが、チアゾリジンジオン系、非チアゾリジンジオン系およびメタグリダセンが含まれる。現在、広く利用可能である6種のスタチン系が存在する:アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、およびシンバスタチン。第7のスタチン、ピタバスタチンは、臨床試験中である。第8のスタチン、セリバスタチンは、この執筆時点で米国市場から除外されている。しかしながら、セリバスタチンが安全かつ有効であると最終的に決定されれば、セリバスタチンが、本発明のいくつかの実施態様とともに用いられうることは当業者であれば想到し得る。
【0070】
一般的に、提供される場合、脂質異常症治療剤の効果は、用量依存性、すなわち、高用量であるほど、治療効果も大きい。しかしながら、各脂質異常症治療剤の効果は異なるため、1種の脂質異常症治療剤の治療効果の水準は、他の脂質異常症治療剤の治療効果の水準と必ずしも直接相関があるとは限らない。しかしながら、当業者は、経験および病態の重症度に基づき、特定の対象に与えられる正確な用量を理解するであろう。
【0071】
本明細書に用いられる、「オメガ−3脂肪酸」なる語には、天然または合成オメガ−3脂肪酸、またはその医薬上許容されるエステル、誘導体、コンジュゲート(例えば、各々、出典明示により本明細書の一部とする、Zalogaら,米国特許公開番号第2004/0254357号、およびHorrobinら,米国特許第6,245,811号を参照のこと)、前駆体または塩およびその混合物が含まれる。オメガ−3脂肪酸油脂の例として、限定されるものではないが、オメガ−3ポリ不飽和、長鎖脂肪酸、例えば、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、およびα−リノレン酸;オメガ−3脂肪酸とグリセロールとのエステル、例えば、モノ、ジおよびトリグリセリド;およびオメガ−3脂肪酸および第一級、第二級または第三級アルコールのエステル、例えば、脂肪酸メチルエステルおよび脂肪酸エチルエステルが挙げられる。好ましいオメガ−3脂肪酸油脂は、長鎖脂肪酸、例えば、EPAまたはDHA、そのトリグリセリド、そのエチルエステルおよびその混合物である。オメガ−3脂肪酸またはそのエステル、誘導体、コンジュゲート、前駆体、塩およびその混合物は、その純粋な形態でまたは油、例えば、魚油、好ましくは精製魚油濃縮物の成分として用いられうる。本発明に用いるのに適当なオメガ−3脂肪酸の商業的な例として、Incromega F2250、F2628、E2251、F2573、TG2162、TG2779、TG2928、TG3525およびE5015(Croda International PLC,Yorkshire,England)、ならびにEPAX6000FA、EPAX5000TG、EPAX4510TG、EPAX2050TG、K85TG、K85EE、K80EEおよびEPAX7010EE(EPAX a.s.,Lysaker,Norway)が挙げられる。
【0072】
好ましい組成物には、その全体を出典明示により本明細書の一部とする、米国特許番号第5,502,077号、第5,656,667号および第5,698,694号に引用されるオメガ−3脂肪酸が含まれる。
【0073】
別の好ましい組成物には、少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、さらにより好ましくは少なくとも70重量%、最も好ましくは少なくとも80重量%、またはさらに少なくとも90重量%の濃度で存在するオメガ−3脂肪酸が含まれる。好ましくは、オメガ−3脂肪酸は、EPAおよびDHAの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、さらにより好ましくは少なくとも70重量%、最も好ましくは少なくとも80%、例えば、約84重量%を含む。好ましくは、オメガ−3脂肪酸は、EPAの約5〜100重量%、より好ましくは約25〜75重量%、さらにより好ましくは約40〜約55重量%、および最も好ましくは約46重量%を含む。好ましくは、オメガ−3脂肪酸は、DHAの約5〜約100重量%、より好ましくは約25〜約75重量%、さらにより好ましくは約30〜約60重量%、および最も好ましくは約38重量%を含む。上記の全てのパーセントは、特に明記しない限り、組成物中の全脂肪酸含量に対する重量である。重量パーセントは、遊離酸またはエステル形態に基づくものでありうるが、他の形態が本発明にしたがって利用されるとしても、好ましくはオメガ−3脂肪酸のエチルエステル形態に基づく。
【0074】
EPA:DHA比率は、99:1〜1:99、好ましくは4:1〜1:4、より好ましくは3:1〜1:3、最も好ましくは2:1〜1:2でありうる。オメガ−3脂肪酸は、純粋EPAまたは純粋DHAを含みうる。
【0075】
オメガ−3脂肪酸組成物には、所望により、化学抗酸化物質、例えば、α−トコフェロール、油脂、例えば、大豆油および部分的に水素化された植物油、ならびに潤滑剤、例えば、ヤシ油、レシチンおよびそれらの混合物が含まれていてもよい。
【0076】
オメガ−3脂肪酸の最も好ましい形態は、LOVAZA(商標)オメガ−3酸(K85EE,Pronova Biocare A.S.,Lysaker,Norway)であり、好ましくは以下の特性(剤形当たり)を含む:
【表1】

【0077】
濃縮オメガ−3脂肪酸生成物ならびに脂質異常症治療剤および濃縮オメガ−3脂肪酸の組み合わせ生成物両方とも、カプセル、錠剤、飲料に分散されうる粉末、または別の固体経口剤形、液剤、軟ゲルカプセル、コーティングされた軟ゲルカプセル(出典明示により本明細書の一部とする、米国特許出願シリアル番号第11/716,020号を参照のこと)または他の便利な剤形、例えば、当該分野にて既知の、カプセル中経口液体で投与されうる。いくつかの実施態様において、カプセルは、硬ゼラチンを含む。生成物はまた、注射または注入に適当な液体中に含有されうる。本発明の活性成分はまた、1種または複数の非活性医薬成分(本明細書中、「賦形剤」としても一般的に知られている)の組み合わせで投与されうる。非活性成分は、例えば、安全で、便利で、あるいは使用のために許容される適当かつ有効な製剤中にて活性成分を可溶化し、懸濁化し、増粘し、希釈し、乳濁化し、安定化し、保存し、保護し、着色し、フレーバー化し、および成形するのに有用である。
【0078】
オメガ−3脂肪酸は、約0.1g〜約10g、より好ましくは約1g〜約8g、および最も好ましくは約2g〜約6gの1日量で投与されうる。
【0079】
提供される場合、脂質異常症治療剤は、単回投与生成物として通常の成人用量以上の、同等のまたは未満の量で投与されうる。例えば、脂質異常症治療剤は、単回投与生成物として通常の成人用量の10−100%、好ましくは約25−100%、最も好ましくは約50−80%の量で投与されうる。本発明の1の実施態様において、スタチンは、一般的には、オメガ−3脂肪酸のグラム当たり約0.5mg〜320mg、好ましくは約1mg〜約160mg、および最も好ましくは約5mg〜約80mgの量で存在しうる。1日量は、約2mg〜約640mg、好ましくは約4mg〜約160mgの範囲でありうる。
【0080】
本発明のいくつかの変化において、脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせは、単回投与または単位剤形中に処方される。好ましい実施態様において、用いられるスタチンは、以下の群から選択される:ピタバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、およびシンバスタチン。
【0081】
Bristol−Myers Squibb,Princeton,NJによって製造されたPRAVACHOL(登録商標)として市場で知られている、プラバスタチンは親水性である。プラバスタチンは、食事をせずに、すなわち、空の胃で最も吸収される。濃縮オメガ−3脂肪酸の併用投与における、プラバスタチンの用量は、濃縮オメガ−3脂肪酸の用量当たり好ましくは2.5〜160mg、好ましくは5〜120、およびより好ましくは10〜80mgである。1の変化において、プラバスタチンを用いる組み合わせ生成物は、就寝時または就寝前後、例えば、午後10時に投与される。
【0082】
Merck,Whitehouse Station,NJによりMEVACOR(登録商標)という名で市販される、ロバスタチンは疎水性である。プラバスタチンとは異なり、ロバスタチンは、食事とともにおよびそれに応じて投与されるべきであり、いくつかの実施態様において、濃縮オメガ−3脂肪酸およびロバスタチンの組み合わせ生成物は食事とともに投与されるべきである。濃縮オメガ−3脂肪酸の併用投与における、ロバスタチンの用量は、濃縮オメガ−3脂肪酸の用量当たり好ましくは2.5〜160mg、好ましくは5〜120mg、およびより好ましくは10〜60mgである。
【0083】
Merck,Whitehouse Station,NJによりZOCOR(登録商標)という名で市販される、シンバスタチンは疎水性である。濃縮オメガ−3脂肪酸の併用投与における、シンバスタチンの用量は、濃縮オメガ−3脂肪酸の用量当たり好ましくは1〜320mg/日、好ましくは2〜160mg、およびより好ましくは5〜80mgである。
【0084】
Pfizer,New York,NYによりLIPITOR(登録商標)という名で市販される、アトルバスタチンは疎水性であり、合成スタチンとして知られている。濃縮オメガ−3脂肪酸の併用投与における、アトルバスタチンの用量は、濃縮オメガ−3脂肪酸の用量当たり好ましくは2.5〜320mg、好ましくは5〜160mg、およびより好ましくは10〜80mgである。
【0085】
Novartis,New York,NYによりLESCOL(登録商標)という名で市販される、フルバスタチンは親水性であり、合成スタチンとして知られている。濃縮オメガ−3脂肪酸の併用投与における、フルバスタチンの用量は、濃縮オメガ−3脂肪酸の用量当たり5〜320mg、好ましくは10〜160mg、およびより好ましくは20〜80mgである。
【0086】
ロスバスタチンは、Astra Zeneca,Wilmington,DEによりCRESTOR(登録商標)という名で市販される。濃縮オメガ−3脂肪酸の併用投与における、ロスバスタチンの用量は、濃縮オメガ−3脂肪酸の用量当たり1〜160mg、好ましくは2〜80mg、およびより好ましくは5〜40mgである。
【0087】
濃縮オメガ−3脂肪酸、または脂質異常症治療剤および濃縮オメガ−3脂肪酸の1日量は、1日1〜4回の好ましい用量回数、最も好ましくは1日1〜2回で、1〜10用量で一緒に投与されうる。好ましくは、投与は経口投与である。投与の他の形態もまた用いられうる。
【0088】
いくつかの実施態様において、本発明の処方は、先行技術の処方に比べて活性成分(群)の改善された有効性を可能にする。オメガ−3脂肪酸および脂質異常症治療剤両方が提供される実施態様において、1種または両方は、成人用量として投与される。他の実施態様において、本発明の処方は、活性成分(群)の有効性を維持しつつまたはさらに改善しながら、先行技術の処方に比べて、活性成分(群)の用量の減少を可能にしうる。オメガ−3脂肪酸および脂質異常症治療剤両方が提供される実施態様において、1種または両方が減少した用量として投与されうる。
【0089】
本発明の脂質異常症治療剤および濃縮オメガ−3脂肪酸の組み合わせは、2種の薬剤単剤の任意の期待した組み合わせまたは付加的効果より大きな効果を可能にしうる。そのため、2種の薬剤の組み合わせまたは付加的効果は、対象の血中トリグリセリドの初期濃度に依存しうる。例えば、対象のトリグリセリド濃度は、一般的に、150mg/dLであれば正常であり、約150−199mg/dLであれば高い寸前であり、約200−499mg/dLであれば高く、および500mg/dL以上であれば非常に高い。本発明は、48週未満、好ましくは24週内、より好ましくは12週内、および最も好ましくは8週内に、トリグリセリド濃度の「非常に高い」を「高い」または「高い寸前」まで減少させるために用いられうる。本発明はまた、48週未満、好ましくは24週内、より好ましくは12週内、および最も好ましくは8週中内に、トリグリセリド濃度の「高い」を「高い寸前」または「正常」まで減少させるために用いられうる。
【実施例】
【0090】
臨床試験:高トリグリセリド血症患者における混合LOVAZA(商標)およびシンバスタチン療法の有効性および安全性を評価するための無作為化、二重盲検、プラセボ−対照試験
【0091】
基準値測定を行ってすぐに、患者を、最初に40mg/日 シンバスタチンで8週間治療した。その後、初期治療を、二重盲検法において、スタチン療法を続けながら、4g/日 LOVAZA(商標)オメガ−3脂肪酸またはプラセボのいずれかでさらに8週間治療を続けた。NCEP ATP−III目標を超える200〜499mg/dlの中央基準値トリグリセリド濃度およびLDL−C≦10%を有する243人の患者は試験を終了した。以下の値は、種々の脂質パラメータおよびマーカーについて得られた。
【表2】

【0092】
本発明の組成物および方法のさらなる使用はまた、原発性高コレステロール血症または高トリグリセリド血症または混合型脂質異常症、冠状動脈性心臓病、血管疾患、アテローム性動脈硬化症および関連病態の治療を超えて、MACEおよび/またはMCE、例えば、MIおよび虚血性脳卒中の発症の予防または減少が想定される。組成物はまた、有利には、これらおよび他の病態の治療に使用するための製剤の一部とされうる。
【0093】
もちろん、上記がほんの一例として与えられていることならびに本発明の範囲内で詳細な修飾を行ってもよいことは分かるであろう。
【0094】
本出願を通して、種々の特許および刊行物が引用されている。本発明に付随する最新技術をさらに十分に記載するために、これらの特許および刊行物の開示をその出典明示により本明細書の一部とする。
【0095】
本発明は、この開示内容の利益を有する当業者に想起されるように、形式および機能において多くの修飾、変更および均等物が可能である。
【0096】
本発明は、現在考えられる好ましい実施形態について記載されているが、本発明はそれらに限定されるものではない。それどころか、本発明は、上記の詳細な記載の精神および範囲内に含まれる種々の改変および均等置換に及ぶものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂質療法の方法であって、
対象または対象群における基準Lp−PLA濃度を決定すること;
有効量のオメガ−3脂肪酸を対象または対象群に投与すること、ここで、対象または対象群は、Lp−PLA濃度の上昇を有し;および
対象または対象群における基準Lp−PLA濃度と比べてLp−PLA濃度を減少させることを含む、方法。
【請求項2】
脂質療法の方法であって、
対象または対象群における基準Lp−PLA濃度を決定すること;
有効量のオメガ−3脂肪酸および脂質異常症治療剤の組み合わせを対象または対象群に投与すること、ここで、対象または対象群は、Lp−PLA濃度の上昇を有し;および
対象または対象群における基準Lp−PLA濃度に比べてあるいは脂質異常症治療剤単剤を投与された対象におけるLp−PLA濃度に比べてLp−PLA濃度を減少させることを含む、方法。
【請求項3】
対象が、少なくとも1種の以下の病態または疾患:高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型脂質異常症、血管疾患、冠状動脈性心臓病、およびアテローム性動脈硬化症に罹患する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
オメガ−3脂肪酸が、組成物の全脂肪酸含量に比べて少なくとも40重量%の濃度で存在している、請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
オメガ−3脂肪酸が、組成物の全脂肪酸含量に比べて少なくとも80重量%の濃度で存在している、請求項1または2記載の方法。
【請求項6】
オメガ−3脂肪酸が、組成物の全脂肪酸含量に比べて約40重量%ないし約55重量%のEPAを含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項7】
オメガ−3脂肪酸が、組成物の全脂肪酸含量に比べて約30重量%ないし約60重量%のDHAを含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項8】
オメガ−3脂肪酸が、オメガ−3ポリ不飽和、長鎖脂肪酸、オメガ−3脂肪酸とグリセロールとのエステル、オメガ−3脂肪酸および第一級、第二級もしくは第三級アルコールのエステル、またはその混合物を含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項9】
オメガ−3脂肪酸が、EPA:DHA 2:1〜1:2の割合のEPAおよびDHAを含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項10】
脂質異常症治療剤単剤での治療に比べて、総コレステロール(TC)濃度、トリグリセリド濃度、超低密度リポタンパク質コレステロール(VLDL−C)濃度、レムナント様粒子コレステロール(RLP−C)濃度、アポリポタンパク質−B(Apo−B)濃度、およびアポリポタンパク質−C3(Apo−C3)濃度からなる群より独立して選択される、対象または対象群の少なくとも1種の付加的濃度を減少させることをさらに含む、請求項2記載の方法。
【請求項11】
オメガ−3脂肪酸および脂質異常症治療剤が、単位剤形で一緒に投与される、請求項2記載の方法。
【請求項12】
対象または対象群のLp−PLA濃度を減少させるのに十分な量のオメガ−3脂肪酸を含有する医薬組成物を対象または対象群に投与することによりそれを必要とする対象または対象群のLp−PLA濃度を減少させることを含む、脂質療法の方法。
【請求項13】
有効量の脂質異常症治療剤およびオメガ−3脂肪酸の組み合わせをそれを必要とする対象または対象群に投与することを含み、対象または対象群への投与後、対象または対象群のLp−PLA濃度が脂質異常症治療剤単剤で治療した対照者または群に比べて減少するところの、脂質療法の方法。
【請求項14】
対象が、少なくとも1種の以下の病態または疾患:高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、混合型脂質異常症、血管疾患、冠状動脈性心臓病、およびアテローム性動脈硬化症に罹患する、請求項12または13記載の方法。
【請求項15】
オメガ−3脂肪酸が、組成物の全脂肪酸含量に比べて少なくとも40重量%の濃度で存在している、請求項12または13記載の方法。
【請求項16】
オメガ−3脂肪酸が、組成物の全脂肪酸含量に比べて少なくとも80重量%の濃度で存在している、請求項12または13記載の方法。
【請求項17】
オメガ−3脂肪酸が、組成物の全脂肪酸含量に比べて約40重量%ないし約55重量%のEPAを含む、請求項12または13記載の方法。
【請求項18】
オメガ−3脂肪酸が、組成物の全脂肪酸含量に比べて約30重量%ないし約60重量%のDHAを含む、請求項12または13記載の方法。
【請求項19】
オメガ−3脂肪酸が、オメガ−3ポリ不飽和、長鎖脂肪酸、オメガ−3脂肪酸とグリセロールとのエステル、オメガ−3脂肪酸および第一級、第二級もしくは第三級アルコールのエステル、またはその混合物を含む、請求項12または13記載の方法。
【請求項20】
オメガ−3脂肪酸が、EPA:DHA 2:1〜1:2の割合のEPAおよびDHAを含む、請求項12または13記載の方法。
【請求項21】
脂質異常症治療剤単剤での治療に比べて、総コレステロール(TC)濃度、トリグリセリド濃度、超低密度リポタンパク質コレステロール(VLDL−C)濃度、レムナント様粒子コレステロール(RLP−C)濃度、アポリポタンパク質−B(Apo−B)濃度、およびアポリポタンパク質−C3(Apo−C3)濃度からなる群より独立して選択される、対象または対象群の少なくとも1種の付加的濃度を減少させることをさらに含む、請求項13記載の方法。
【請求項22】
オメガ−3脂肪酸および脂質異常症治療剤が、単位剤形で一緒に投与される、請求項13記載の方法。

【公表番号】特表2010−506920(P2010−506920A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533351(P2009−533351)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/022092
【国際公開番号】WO2008/088415
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(506219731)リライアント・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】RELIANT PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】