説明

OFDMシステムにおけるロバスト制御シグナリングの配信方法及び装置

【解決手段】 直交周波数分割多重(OFDM)システムは、ある数のパイロットサブキャリアを、OFDM信号を含むもっと大きいサブキャリアセット内に分散させる。この状況において、本発明に提示する教示に従って、パイロットサブキャリアに近接しているために選択したサブキャリア上で、制御シグナリングを送信する。従って、OFDM受信器(40)は、周波数−時間平面においてパイロットサブキャリアに近接して位置する制御シグナリングサブキャリアを有するOFDM信号を受信すると共に、近接するパイロットサブキャリアに限定された観察に基づいて制御シグナリングサブキャリアからシンボルを復調するためのスカラー値チャネル推定値を発生するように構成されている。このため、制御シグナリングサブキャリアに関するチャネル推定は、ロバストであるが簡略化される。この方法は、制御シグナリング全てに適用することができ、又は、ページング等の優先順位の高い制御シグナリングに選択的に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
技術分野
本発明は、一般に、OFDM通信システムに関し、更に具体的には、OFDM通信システムにおけるロバスト(robust)制御シグナリングに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
直交周波数分割多重(OFDM)システムにおいては、パイロットと称する既知のシンボルを時間−周波数平面上で送信し、受信デバイスによって用いて、データシンボルのコヒーレントな復調を実行するためにチャネルの時間−周波数応答を推定する。チャネルの時間−周波数応答はゆっくり変動する2次元プロセスであるので、パイロットシンボルは、基本的にこのプロセスをサンプリングし、従って、受信デバイスがチャネルの全応答を再構築する(又は内挿する)ために充分な高い密度である必要がある。
【0003】
むろん、パイロットの高密度化の代償として、情報を送信するために利用可能な帯域幅は狭くなる。この結果、パイロット送信の一般的な手法では、受信器において良好なチャネル推定性能を得るための送信パイロットの数(及びパターン)と、OFDMキャリアの情報搬送容量を最大限に高めたいという要求との間でうまくバランスを取っている。そして、受信器のタスクは、パイロット周波数におけるチャネルの観察に基づいて非パイロット周波数のためのチャネル推定値を発生することである。パイロットに基づくチャネル推定値を非パイロットサブキャリア周波数へと拡張するために、様々な内挿及び外挿手法が用いられる。
【発明の概要】
【0004】
要約
直交周波数分割多重(OFDM)システムは、ある数のパイロットサブキャリアを、OFDM信号を含むもっと大きいサブキャリアセット内に分散させる。この状況において、本発明に提示する教示に従って、パイロットサブキャリアに近接しているために選択したサブキャリア上で、制御シグナリングを送信する。制御シグナリングを搬送するためにパイロットサブキャリアに近接したサブキャリアを用いることの利点は、限定ではないが、そうすることで制御シグナリングサブキャリアのためのチャネル推定が容易になり、これによって制御シグナリングの復調が改善することである。
【0005】
本発明において提示する一実施形態では、OFDM信号内で制御シグナリングを送信して、制御シグナリングに関する受信器におけるチャネル推定を容易にする方法は、周波数−時間平面(a frequency-time plane)においてOFDM信号内の1つ以上のパイロットサブキャリアに近接するOFDM信号内の1つ以上のサブキャリアを選択するステップを含む。この方法は、1つ以上の選択したサブキャリア上で制御シグナリングを送信するステップを更に含む。
【0006】
本発明において用いる場合、「近接している(proximate)」という言葉は、周波数における近接及び時間における近接を指す。例えば、パイロットサブキャリアから周波数ステップで1つ又は2つ分離れた周波数位置にあるサブキャリアは、周波数においてそのパイロットサブキャリアに近接している。同様に、パイロットサブキャリアと同一の周波数にあるが、OFDMシンボル時間1つ分だけ早いか又は遅い時間に変位しているサブキャリアも、そのパイロットサブキャリアに近接している。つまり、近接とは、連続的なOFDMシンボル期間上にOFDM信号を規定する周波数−時間平面における周波数の近接及び/又は時間の近接を意味する。
【0007】
別の実施形態においては、OFDM送信器において用いるための処理回路は、周波数−時間平面においてOFDM信号内のパイロットサブキャリアに近接する制御シグナリングを搬送するためのサブキャリアを選択することに基づいて、制御シグナリングに関する受信器におけるチャネル推定を改善するように構成された1つ以上のプロセッサを含む。前述のように、近接するサブキャリアの選択は、周波数−時間平面に関する周波数の近接及び/又は時間の近接を利用している。
【0008】
本発明において教示する少なくとも1つの実施形態において、近接するサブキャリアは、周波数又は(シンボル)時間のいずれかにおいてパイロットサブキャリアのすぐ隣にあるサブキャリアである「第1の行(tier)」サブキャリアを含み、更に、「第2の行」のサブキャリアを含む。第2の行のサブキャリアは、OFDM周波数−時間平面においてパイロットサブキャリアからOFDMシンボル時間1つ分及びサブキャリア周波数位置1つ分離れたサブキャリアである。1つ以上の実施形態は、第1の行のサブキャリアを優先的に用いる。例えば、制御シグナリングを送信するために充分な数の第1の行のサブキャリアがある限り、第1の行のサブキャリア上で制御シグナリングを送信することができる。
【0009】
同一又は他の実施形態においては、ある制御シグナリングが、他の制御シグナリングよりも優先順位が高いと考えられる。この優先順位の高い制御シグナリングを、第1の行及び/又は第2の行のサブキャリア上で送信し、他の(優先順位の低い)制御シグナリングを、パイロットサブキャリアから更に離れた1つ以上のサブキャリア上で送信する。
【0010】
上述の送信方法及び装置によって、受信器において、いっそうロバストであるが簡略化されたチャネル推定が可能となる。本発明において提示する少なくとも1つの実施形態においては、無線通信受信器におけるチャネル推定の方法は、周波数−時間平面においてパイロットサブキャリアに近接して位置する制御シグナリングサブキャリアを有するOFDM信号を受信するステップと、近接するパイロットサブキャリアに限定された観察に基づいて制御シグナリングサブキャリアからシンボルを復調するためのスカラー値チャネル推定値を発生するステップと、を含む。スカラー値の計算は著しく簡略化され、制御シグナリングサブキャリアに必ずしも近接していないパイロットサブキャリア間でOFDMチャネルを内挿する場合に必要となる行列/ベクトル手法に比べ、性能の低下はほとんどない。
【0011】
従って、無線通信受信器の一実施形態は、周波数−時間平面においてパイロットサブキャリアに近接して位置する制御シグナリングサブキャリアを有するOFDM信号を受信するように構成された受信回路と、近接するパイロットサブキャリアに限定された観察に基づいて制御シグナリングサブキャリアからシンボルを復調するためのスカラー値チャネル推定値を発生するように構成されたチャネル推定回路と、を含む。例えば、チャネル推定回路は、近接するパイロットサブキャリアに基づいて制御シグナリングサブキャリアのためのスカラー値最小平均二乗誤差(MMSE)チャネル推定値を発生することによって、スカラー値チャネル推定値を発生するように構成することができる。その状況において、受信器の1つ以上の実施形態は、チャネル推定の一部として、制御シグナリングサブキャリアと近接するパイロットサブキャリアとの間のチャネル相関を考慮するように構成されている。1つ以上の他の実施形態は、1対1のチャネル相関を想定することによって、制御シグナリングサブキャリアのためのチャネル推定を更に簡略化する。
【0012】
むろん、本発明は、上述の特徴及び利点には限定されない。実際、以下の詳細な説明を読み、更に添付図面を参照すれば、当業者には追加のフィーチャ及び利点が認められよう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面の簡単な説明
【図1】図1は、OFDM送信器の一実施形態及びOFDMベースの無線通信デバイスの一実施形態のブロック図である。
【図2】図2は、OFDM送信器の一実施形態における回路の詳細のブロック図であり、1つ以上の処理回路が、制御シグナリングを送信するためにパイロットサブキャリアに近接するサブキャリアを選択するように構成されている。
【図3】図3は、制御シグナリングを送信するためにパイロットサブキャリアに近接するサブキャリアを選択する方法の論理フロー図である。
【図4】図4は、OFDM信号における例示的なサブキャリアセットの図であり、多数のシンボル時間上に示されたパイロットサブキャリア及び近接するサブキャリアを含む。
【図5】図5は、OFDMチャネルのナイキストレートにおいて及びナイキストレート未満においてのパイロット情報についてパイロットサブキャリアからの時間及び周波数の距離の関数としてチャネル推定誤差を比較するグラフである。
【図6】図6は、受信したOFDM信号内のバイロットサブキャリアに近接する制御シグナリングサブキャリアについてロバストであるが簡略化したチャネル推定を行うための、図1の無線通信デバイスにおいて実施可能なもの等の受信器の一実施形態のブロック図である。
【図7】図7は、受信したOFDM信号内のバイロットサブキャリアに近接する制御シグナリングサブキャリアについてロバストであるが簡略化したチャネル推定を行う方法の一実施形態の論理フロー図である。
【図8】図8は、図7に概略を示したようなロバストであるが簡略化したチャネル推定によって得られる例示的なフレーム誤差レートを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
図1は、直交周波数分割多重(OFDM)信号を1つ以上の受信デバイスに送信するように構成された送信器10の一実施形態を示すが、簡略化のために、1つのみの無線通信デバイス12を示す。本発明において後に詳述するように、送信器10は、パイロットサブキャリアに近接したOFDM信号内の1つ以上のサブキャリアを選択し、それらの選択したサブキャリアを、制御シグナリングの送信のために用いる。この制御シグナリングサブキャリア送信の方法は、1つ以上の実施形態において、パイロットサブキャリアの周囲に制御シグナリングサブキャリアをクラスタリング(clustering)することを含み、無線通信デバイス12におけるチャネル推定を容易にする。
【0015】
より具体的には、パイロットサブキャリアに近接したサブキャリアを制御シグナリングのために選択することによって、制御シグナリングに関して無線通信デバイス12におけるチャネル推定が容易になる。いっそう具体的には、無線通信デバイス12は、パイロットサブキャリアに対する制御シグナリングサブキャリアの近接に基づいて、それらの制御シグナリングサブキャリアのためのロバストであるが計算上簡略化されたチャネル推定プロセスを実施するように構成されている。
【0016】
限定ではないが、一例として、送信器10は、無線通信ネットワーク14内の無線基地局を含む。少なくとも1つのかかる実施形態において、送信器10は、3GPP(Third Generation Partnership Project)によって発表された広帯域符号分割多元接続(WCDMA)規格のLTE(Long Term Evolution)拡張版に従って構成された基地局を含む。従って、無線通信デバイス12は、互換性のあるセル式無線電話、PDA、ページャ、無線モデムカード、又は他の移動局もしくは通信デバイスを含む。
【0017】
具体的な実施の詳細には関係なく、図2は、送信器10のための機能回路の一実施形態を示す。送信器10は、1つ以上の処理回路16及び動作的に関連付けられた送信回路18を含む。概して、送信回路18は、部分的に又は全体的に処理回路(複数の回路)16の制御のもとで動作することができ、1つ以上のOFDM信号を送信する。それらの信号の各々が複数のサブキャリアを含み、それらのサブキャリアのうち選択されたものがパイロットとして機能する。そして、処理回路(複数の回路)16は、制御シグナリングを送信する際に用いるために、1つ以上のパイロットサブキャリアに近接した1つ以上のサブキャリアを選択する。
【0018】
より詳細には、少なくとも1つの実施形態において、処理回路(複数の回路)16は、図3に示す処理動作を実行するように構成されている。1つ以上の処理回路16は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせを含むことは、当業者には認められよう。例えば、処理回路16は、1つ以上の汎用又は特定用途向けのマイクロプロセッサ又はデジタル信号プロセッサを含み、これらがコンピュータ読み取り可能媒体に記憶されたコンピュータプログラム命令を実行し、それらの命令が図3の処理動作又はその変形を実施する。
【0019】
更に、図3に示した処理動作は進行中の処理を表しており、それ自体は、送信器10におけるもっと大きい処理作業セットと共に又はその一部として実行可能であることは、当業者には認められよう。例えば、図3に示した制御シグナリングに関連する動作は、いずれかの数の進行中のOFDM送信処理作業と連係させて実行することができる。
【0020】
上述のことを理解した上で、図3に示した方法の実施形態は、周波数−時間平面においてOFDM信号内の1つ以上のパイロットサブキャリアに近接したOFDM信号内の1つ以上のサブキャリアを選択することから「開始」する(ブロック100)。処理は引き続き、1つ以上の選択したサブキャリア上で制御シグナリングを送信する(ブロック102)。
【0021】
本発明において考えられる一実施形態では、OFDM信号内の一般的なパイロットサブキャリアに近接したサブキャリア上で制御シグナリングを送信することに留意すべきである。むろん、制御シグナリング受信の改善を可能とするように、図1に示した無線通信デバイス12等の個々の受信器又は受信器群に対して固有のものとすることができる専用パイロットに近接したサブキャリア上で制御シグナリングを送信することも考えられる。つまり、本発明において提示する制御シグナリング方法の実施形態は、制御シグナリングを送信する際に用いるために、1つ以上の一般的な又は専用のパイロットサブキャリアに近接した1つ以上のサブキャリアを選択することを含む。
【0022】
むろん、必ずしも、送信器10によって送信される制御シグナリングの全てを選択サブキャリア上で送信するわけではないことは、理解されよう。例えば、送信器10について図2に示した1つ以上の処理回路16は、(OFDM)周波数−時間平面内でパイロットサブキャリアに近接しているために選択された1つ以上のサブキャリア上で、優先順位の高い、例えばクリティカルな制御シグナリングを送信するように構成することができる。同時に、又は異なる時点で、いずれのパイロットサブキャリアにも近接しないサブキャリア上で、優先順位の低い制御シグナリングを送信することができる。限定ではないが、一例として、ページング制御シグナリングを優先順位の高い制御シグナリングと見なすと、この方法は、1つ以上の選択したサブキャリア上で少なくともページング制御シグナリングを送信することを含むことができる。
【0023】
いくつかのシステムのタイプでは、OFDM周波数−時間平面においてOFDMパイロットサブキャリアに近接したOFDMサブキャリア上でページング制御シグナリングを送信することは、特に有利であり得る。むろん、かかるシステムにおいては、更には一般的には、本発明において提示する制御シグナリングを送信する方法は、OFDM信号内のパイロットサブキャリアの指定が変更されたことに対応して、必要に応じて制御シグナリングを搬送するためのサブキャリアを再選択することが考えられることは理解されよう。すなわち、パイロット信号として用いられる特定のサブキャリアがOFDMシンボル時間上で変更されるならば、制御シグナリングを搬送するための近接サブキャリアの選択も同様である。
【0024】
図4は、制御シグナリングを送信するためのサブキャリア選択の限定としてではない一例を与え、更に、「近接」が評価されるOFDM周波数−時間平面を視覚的に示す。この図において、各列は、OFDM信号内で規定された異なるサブキャリア周波数を表し、各行は、異なるOFDMシンボル時間を表す。(OFDM「シンボル時間」とは、1つ以上の実施形態において、規則的に反復する送信間隔で取得されるOFDM信号内の全てのサブキャリアセットである。)
【0025】
図4に示した周波数軸及び時間軸は、一例としての周波数−時間平面を規定するが、図4は説明のためのものとして理解するべきであり、サブキャリアの数、パイロットサブキャリアの配置及び反復等の点で限定的なOFDM信号構造を図示することは意図していない。しかしながら、図4は、周波数−時間平面内のパイロットサブキャリアに対する近接に基づいて制御シグナリングサブキャリアを選択するための1つの手法を示す。
【0026】
より具体的には、例示したパイロットサブキャリアについて、図4は、制御シグナリング送信において選択される可能性がある2つのクラスの近接サブキャリアを示す。「第1の行」のサブキャリアは、OFDM信号内において、周波数−時間平面内のパイロットサブキャリアのすぐ隣のサブキャリアである。この状況において、「すぐ隣の」とは、(同一のシンボル時間内で)周波数位置がパイロットサブキャリアの隣であるか、又はパイロットサブキャリアと同一の周波数位置にあるが直前又は直後のOFDMシンボル時間内にあるものと規定される。換言すると、制御シグナリングを搬送するための候補である第1の行のサブキャリアは、時間又は周波数のいずれかにおいてパイロットサブキャリアのすぐ隣にあるサブキャリアである。
【0027】
また、図4は、「第2の行」のサブキャリアと称される第2のクラスの近接サブキャリアも識別する。更に具体的には、4つの第1の行の位置は、パイロットサブキャリアからOFDMシンボル時間1つ分又はサブキャリア1つ分離れたサブキャリア位置であり、4つの第2の行の位置は、パイロットからシンボル時間1つ分及びサブキャリア1つ分離れたサブキャリア位置である。合計すると、各パイロットシンボルの周囲には、割り当てに利用可能な隣接した第1の行及び第2の行の位置が8個ある。
【0028】
図4を考慮すると、周波数−時間平面内で1つ以上のパイロットサブキャリアに近接したOFDM信号内の1つ以上のサブキャリアを選択する一実施形態は、1つ以上の第1の行のサブキャリアを選択することを含む。他の実施形態においては、この方法は、第1の行のサブキャリア及び第2の行のサブキャリアの少なくとも一方を選択することを含む。
【0029】
むろん、第1の行のサブキャリアの方が第2の行のサブキャリアよりもパイロットサブキャリアに近接していることから、送信器10は、少なくとも何らかの制御シグナリングを送信するために、第2の行のサブキャリアよりも第1の行のサブキャリアを優先的に選択するように構成することができる。例えば、この選択方法は、制御シグナリングを送信するために利用可能な第1の行のサブキャリアが充分にある限り、第1の行のサブキャリア上で制御シグナリングが送信されるように、第2の行のサブキャリアよりも第1の行のサブキャリアを優先的に選択することを含むことができる。
【0030】
サブキャリア選択の優先は、制御シグナリングの優先順位によって決めることができる。例えば、制御シグナリングは、第2の制御シグナリングよりも優先順位が高いと考えられる第1の制御シグナリングを含むことができる。このため、サブキャリア選択方法の1つ以上の実施形態は、第1の行又は第2の行のサブキャリア上で第1の制御シグナリングを送信することと、周波数−時間平面において第1の行及び第2の行のサブキャリアよりも遠い(beyond)1つ以上の他のサブキャリア上で第2の制御シグナリングを送信することと、を含む。異なるタイプの制御シグナリングを扱う別の実施形態においては、第1の行のサブキャリア又は第2の行のサブキャリア上で第1のタイプの制御シグナリングを送信し、第1及び第2の行のサブキャリアよりも遠いサブキャリア上で第2のタイプの制御シグナリングを送信する。これらのタイプは、異なる優先順位の指定及び/又は一般対専用の制御シグナリングタイプを含むことができる。この手法を改良したものでは、第1の行のサブキャリア上で最も優先順位の高い制御シグナリングを送信し、第2の行又は更に離れたサブキャリア上でもっと低い優先順位の制御シグナリングを送信する。
【0031】
別の実施形態においては、所与のパイロットサブキャリア位置に対する制御シグナリングサブキャリアの配置は、好ましくは、パイロットサブキャリアからサブキャリア周波数位置1つ分又はOFDMシンボル時間1つ分のいずれかだけ離れた第1の行の4個の隣接するサブキャリア位置特定から開始する。必要に応じて、又は所望の場合、制御シグナリングサブキャリア配置はこれに続いて、第2の行の4個のサブキャリア位置特定を行う。合計すると、所与のパイロットサブキャリアの周囲の第1の行及び第2の行の位置特定によって、制御シグナリングサブキャリアのために8個までの近接サブキャリア位置が得られる。むろん、必要に応じて追加の行を加えることも可能である。しかしながら、例えばLTEシステムにおいては、パイロット密度は通常1パーセントを超え、第1及び第2の行の位置特定を用いることで、8パーセントを超える制御シグナリングオーバーヘッドが与えられ、これは多くの用途において充分なものである。
【0032】
制御シグナリングサブキャリアを配置するために採用した特定の変形に無関係なく、制御シグナリングを送信する際に用いるためのパイロットサブキャリアに近接したサブキャリアの選択によって、制御シグナリングサブキャリアに関する受信器チャネル推定が改善する。この改善を理解するため、図5に、2つのチャネル推定誤差表面30及び32を示す。これらは各々、パイロットサブキャリア位置からの周波数−時間平面の距離の関数として、チャネル推定の平均平方誤差(MSE)を表す。
【0033】
この図において、パイロットサブキャリアは各誤差表面の各角にあり、パイロットサブキャリア位置から最も遠いサブキャリア位置において最大の誤差が生じることがわかる。しかしながら、誤差表面30は、このチャネルのナイキストレート(Nyquist rate)で、例えば所与のチャネル状況について充分に高いパイロット密度でパイロットサブキャリアが与えられた場合には、図示したパイロット及び非パイロットサブキャリアセットについての最大の誤差でさえ比較的小さいことを示す。これに対して、誤差表面32は、サブナイキストレートが1:1.25の場合のチャネル推定誤差を示す。誤差表面32の最大MSEは、誤差表面30のものに比べて著しく大きい。
【0034】
従って、図5は、チャネル状況が不良である間であっても、パイロットサブキャリアに比較的近接した位置では良好なチャネル推定性能が存在することを示す。換言すると、本発明における教示によって、チャネル状況が不良であっても、制御シグナリングに関して受信器における良好なチャネル推定性能が保証される。この性能向上は、パイロットを高密度化することによってではなく(これは所望の場合には実行可能であるが)、パイロットサブキャリアに近接して制御シグナリングサブキャリアを配置したことによって得られたものである。
【0035】
より詳細には、所与の受信器(例えば無線通信デバイス12)において、受信したOFDM信号のサンプルは、離散周波数ドメインにおいて以下のように表すことができる。
X[t,f]=H[t,f]Λ[t,f]+Z[t,f] 式(1)
ここで、指数[t,f]は、t番目のOFDMシンボルにおけるf番目のサブキャリアに対応する。H[t,f]は、その時点におけるチャネルの時間−周波数応答である。Λ[t,f]は送信されたシンボルであり、Z[t,f]は、付加白色ガウス雑音(AWGN)である。
【0036】
パイロットサブキャリアサンプル(パイロットシンボルと称される)に対応する式(1)に表されたサンプルを整理し、パイロット観察を簡潔な行列形式で表現することができる。
c=Λcc+Zc 式(2)
ここで、Λcは、その対角要素として(既知の)パイロットシンボルを含む対角行列であり、Xc、Hc、及びZcは、それぞれ、受信したパイロットシンボルの実際の観察、チャネル推定値、及びノイズ対応する同一次元の列ベクトルである。N個のパイロットシンボルがあると想定すると、ΛcはNxN行列であり、3つのベクトルは次元Nx1のものである。
【0037】
2次元ゼロ平均(zero-mean)広義定常(Wide Sense Stationary(WSS))ガウスランダムプロセスとして、OFDM信号内の所与の時間/周波数位置においてチャネルH[t,f]をモデリングすることが知られている。別の時間/周波数位置に対するチャネル相関は、以下のように規定される。
Γ[t−t,f−f]≡E{H[t,f]H*[t,f]} 式(3)
【0038】
式(2)に与えられた行列表現及びチャネルの統計の知識を用いて、最小平均二乗誤差(MMSE)チャネル推定量は、以下のように与えられる。
【数1】


式(4)は、以下のように表すことができる。
【数2】


ここで、
【数3】


であり、これは、HcのNxN自己共分散行列を示す。
【数4】


であり、これは、HとHcとの間のLxN共分散行列を示す。
【数5】


は、HとXcとの間の同様のディメンション行列(dimensioned matrix)を示す。
【0039】
上述の式に対して、チャネル推定をいっそう簡単にし(すなわち行列/ベクトルベースでなくスカラー値を用いる)、かつ、いっそうロバストにする(すなわちパイロットサブキャリアに対する近接によってMSEを小さくする)ことによって、パイロットサブキャリアに近接した制御シグナリングサブキャリアの位置決めが制御シグナリングに対する受信器チャネル推定を改善する。
【0040】
これらの利点が特に有益であると考えられる実施とは、例えば所与のセル式無線セクタ内の全ての受信器のような多数のユーザが制御シグナリングの対象となり、異なるユーザのチャネル状況が多種多様であるような場合である。かかる場合、共通のパイロットに近接して共通の制御シグナリングを位置決めすることによって、対象となる全ての受信器が制御シグナリングに関して正確なチャネル推定を確実に実行可能とすることに役立ち、特に不良のチャネル状況にあるユーザについてチャネル推定を支援するための補足的なパイロットを追加する必要もない。
【0041】
実際、送信器10における制御シグナリング送信、及び(その制御シグナリングのための)無線通信デバイス12における対応するチャネル推定処理、及びいずれかの数の他の受信器における同様のチャネル推定は、最悪の場合の状況下での充分な性能マージンを見込んで設計することができる。最悪の場合の状況とは、例えば、最小の信号対雑音比(SNR)が最大のチャネル遅延−ドップラースプレッド(Doppler spread)と組み合わされたものである。
【0042】
本発明において、かかる状況下では一般に、所与の制御シグナリングサブキャリアにおけるチャネルと、最も近接したパイロットサブキャリアのもの以外のいずれかのチャネルとの間に、意味のある相関は存在しないことが認められる。更に、本発明において、送信器10は、最悪の場合のチャネル状況であっても、パイロットサブキャリアに近接して制御シグナリングサブキャリアを配置することによって、所与の制御シグナリングサブキャリアと所与のパイロットサブキャリアとの間に、できる限り強いチャネル相関を確実に与えられることが認められる。
【0043】
この近接位置決めによって、受信器におけるチャネル推定は、所与の制御シグナリングサブキャリアにおけるチャネル推定のために最も近接したパイロットのみを用いる簡略化したMMSE推定量に基づくことができる。図6は、無線通信受信器40の一実施形態を示す。受信器40は、例えば無線通信デバイス12において実施され、パイロットサブキャリアに近接するOFDM信号内で位置決めされた制御シグナリングサブキャリアのための、本発明において教示されるような改善されたチャネル推定を組み込む。
【0044】
例示した受信器40は、受信回路42(例えば受信フロントエンド回路)及びチャネル推定回路44を含む。受信器40は、受信信号の処理に関連した他の機能要素を含むことができ、図示した回路は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて実施可能であることは、当業者には認められよう。例えば、受信回路42は、フィルタリング、増幅/利得制御等のアナログフロントエンド回路、及び、アンテナ受信のOFDM信号(複数の信号)に対応するデジタルサンプルストリームを供給するように構成されたアナログ−デジタル変換回路を含むことができる。
【0045】
次に、チャネル推定回路44は、ベースバンド処理回路の一部を含むことができ、これは、チャネル推定を含む多数のデジタル信号処理機能を実行するようにプログラム命令によって構成された1つ以上の汎用又は特定用途向けのマイクロプロセッサを含む。むろん、本発明において、他の実施も考えられる。
【0046】
受信器40の特定の実施の詳細には関係なく、図7は、無線通信デバイス12の受信器40によって実施される受信処理の方法の一実施形態を示す。図示する処理は、もっと大きい受信処理機能セットの一部を含む場合もあり、周波数−時間平面内にパイロットサブキャリアに近接して位置決めされた制御シグナリングサブキャリアを有するOFDM信号を受信することから「開始」する(ブロック110)。1つ以上の実施形態において、受信回路42は、この機能を実行するように構成され、これは少なくとも、アンテナ受信のOFDM信号からデジタルサンプルストリームを取得するためのフロントエンド回路を含み、追加の処理要素を含む場合もある。
【0047】
処理は引き続き、近接パイロットサブキャリアに限定された観察に基づいて、制御シグナリングサブキャリアからシンボルを復調するためのスカラー値チャネル推定値を発生する(ブロック112)。パイロット観察を近接パイロットサブキャリアに限定するということは、チャネル推定プロセスにおいてスカラー値を用いるが、内挿チャネル推定プロセスにおいて多数のパイロットを考慮する場合に従来行われたように行列/ベクトル値は用いられないことを意味する。式(4)及び式(5)を参照のこと。
【0048】
チャネル推定回路44は、1つ以上の実施形態において、ブロック110の処理を実行するように構成されている。すなわち、チャネル推定回路44は、近接パイロットサブキャリアに限定された観察に基づいて、制御シグナリングサブキャリアからシンボルを復調するためのスカラー値チャネル推定値を発生するように構成されている。スカラー値チャネル推定値は、計算上簡略化されたがロバストチャネル推定方法を表し、これは、最も近接したパイロットサブキャリアに限定されたパイロット観察を用いて、所与の制御シグナリングサブキャリアのためのチャネルを正確に推定可能であるという事実を利用している。これは、むろん、最も近いパイロットサブキャリアが充分に近いこと、例えば、制御シグナリングサブキャリアがパイロットサブキャリアに対して第1の行又は第2の行の位置を占めることを想定している。
【0049】
少なくとも1つの実施形態においては、チャネル推定回路44は、近接したパイロットサブキャリアに基づいて、所与の制御シグナリングサブキャリアのためのスカラー値最小平均二乗誤差(MMSE)チャネル推定値を発生させることによって、スカラー値チャネル推定値を発生するように構成されている。かかる処理において、チャネル推定回路44は、既知のパイロットシンボル値、近接したパイロットサブキャリアについて受信器40で行われたパイロットシンボル観察、及び制御シグナリングサブキャリアと近接パイロットサブキャリアとの間のチャネル相関を表す相関値に対応するスカラー値の関数として、スカラー値チャネル推定値を決定する。
【0050】
例えば、チャネル推定回路44は、以下のように、所与の制御シグナリングサブキャリアのためのスカラー値チャネル推定値、
【数6】


を決定するように構成されている。
【数7】


ここで、
【数8】


は、パイロットシンボル値、パイロット観察、及び(OFDM周波数−時間平面内の)制御シグナリングサブキャリア位置におけるチャネル応答と観察位置すなわち(OFDM周波数−時間平面内の)パイロットサブキャリア位置におけるチャネル応答との間の相関に対応するスカラー値である。
【0051】
図8は、無線通信デバイス12の3GPP LTE実施形態についてのチャネル推定性能を示す。ここで、チャネル推定回路44は、図4に示した第1の行の近接に基づいて、式(6)のスカラー値処理を用いて、所与の制御シグナリングサブキャリアのためのチャネル推定を実行するように構成されている。この性能図は、更に、以下のシミュレーションパラメータを想定している。すなわち、離散フーリエ変換(DFT)長=256、(送信器10における)巡回プレフィクス長(Cyclic Prefix Length)=32、パイロット期間当たりの送信されるOFDMシンボル数=12、パイロット期間当たりのサブキャリア数=8、情報ビット数=256、ターボコードレート=2分の1(1/2)、送信変調フォーマット=横軸位相偏移変調(QPSK)、無線通信デバイスにおけるチャネル推定タイプ=MMSE、チャネルモデル=指数xベッセル関数。
【0052】
図8に示したフレーム誤差レート(FER)は、パイロット密度がチャネルの最大遅延−ドップラースプレッドの2分の1である場合でも許容可能であることがわかる。提示した制御シグナリングサブキャリアマッピングの更に別の利点は、OFDM周波数帯域に制御シグナリングシンボルを拡散させたことによってダイバーシチ利得が向上することである(パイロットサブキャリアがこの帯域に拡散し、制御シグナリングサブキャリアがこれらのパイロットの異なるものの周囲に分散すると想定される)。
【0053】
これに関連するが更に計算上の簡略化が得られる実施形態においては、チャネル推定回路44は、既知のパイロットシンボル値及び近接するパイロットサブキャリアについて受信器において行われるパイロットシンボル観察に対応するスカラー値の関数としてスカラー値チャネル推定値を決定するが、制御シグナリングサブキャリアと近接するパイロットサブキャリアとの間の1対1の相関を想定することによってこの決定を簡略化する。すなわち、制御シグナリングサブキャリア及びパイロットサブキャリアが隣接しているので(例えば第1の行又は第2の行の近接)、制御シグナリングサブキャリアチャネルHとパイロットサブキャリアチャネルHcとの間の相関は1であると想定することができる(すなわち、
【数9】


である)。(いくつかの実施形態では、対象の制御シグナリングサブキャリアが第1の行の位置を占める場合はこの簡略化した相関想定を用いるが、これが第2の行の位置を占める場合は用いないことに留意すべきである。)
【0054】
むろん、適切に構成した受信器において、様々な又は多数の制御シグナリング送信構成を用いた補足的な方法で、スカラー値チャネル推定についての多数の変形を実施可能であることは、当業者には認められよう。概して、本発明における教示は、OFDM信号パイロット密度が意図されるよりも劣っているチャネル状況で受信デバイスが動作する場合であっても、OFDM信号において制御シグナリングを確実に受信する方法及び装置を提供する。
【0055】
この受信機能は、制御シグナリングを送信する際に用いられる、OFDM信号内の周波数/時間におけるパイロットサブキャリアに近接したサブキャリアを選択することによって与えられる。この近接のために、所与の制御シグナリングサブキャリアについての受信器によるチャネル状況推定は、近接するパイロットサブキャリアに限定されたパイロット観察を含めて、スカラー値量に限定することができる。この限定によって、少なくとも制御シグナリングサブキャリアについて、多数のパイロットの観察においてチャネル状況を内挿することが回避される。追加の利点として、ロバストチャネル推定性能により、パイロットシンボルのオーバーヘッドを小さくすることができる。なぜなら、受信デバイスが不良のチャネル状況にあっても、良好な制御シグナリング受信を確実とするために余分なパイロットは一般的に必要ないからである。
【0056】
これら及び他の利点を理解した上で、前述の説明及び添付図面は、本発明において教示した方法及び装置の例を表すが、この例は限定でないことは当業者には理解されよう。このため、本発明は前述の説明及び添付図面によって限定されない。本発明は、特許請求の範囲及びそれらの法律上の均等物によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信器(10)において、直交周波数分割多重(OFDM)信号内で制御シグナリングを送信して、前記制御シグナリングに関する受信器(40)におけるチャネル推定を容易にする方法であって、
周波数−時間平面において前記OFDM信号内の1つ以上のパイロットサブキャリアに近接する前記OFDM信号内の1つ以上のサブキャリアを選択するステップ(100)と、
前記1つ以上の選択したサブキャリア上で前記制御シグナリングを送信するステップ(102)と、
を特徴とする、方法。
【請求項2】
周波数−時間平面において前記OFDM信号内の1つ以上のパイロットサブキャリアに近接する前記OFDM信号内の1つ以上のサブキャリアを選択するステップが、1つ以上の第1の行のサブキャリアを選択することを含み、第1の行のサブキャリアが、前記周波数−時間平面においてパイロットサブキャリアのすぐ隣にあるサブキャリアであることを更に特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
周波数−時間平面において前記OFDM信号内の1つ以上のパイロットサブキャリアに近接する前記OFDM信号内の1つ以上のサブキャリアを選択するステップが、第1の行のサブキャリア及び第2の行のサブキャリアの少なくとも一方を選択することを含み、第1の行のサブキャリアが、前記周波数−時間平面においてパイロットサブキャリアのすぐ隣にあるサブキャリアであり、第2の行のサブキャリアが、前記OFDM周波数−時間平面においてパイロットサブキャリアからOFDMシンボル時間1つ分及びサブキャリア周波数位置1つ分離れたサブキャリアであることを特徴とする、請求項1から2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
第2の行のサブキャリアよりも第1の行のサブキャリアを優先的に選択し、前記制御シグナリングを送信するために利用可能な第1の行のサブキャリアが充分にある限り、第1の行のサブキャリア上で前記制御シグナリングが送信されるようにすることを更に特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記制御シグナリングが、第2の制御シグナリングよりも優先順位が高いと考えられる第1の制御シグナリングを含み、更に、第1の行又は第2の行のサブキャリア上で前記第1の制御シグナリングを送信することと、前記周波数−時間平面において前記第1の行及び第2の行のサブキャリアよりも遠い1つ以上の他のサブキャリア上で前記第2の制御シグナリングを送信することと、を含むことを更に特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上の選択したサブキャリア上で前記制御シグナリングを送信するステップが、前記1つ以上の選択したサブキャリア上で少なくともページング制御シグナリングを送信することを含むことを更に特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記OFDM信号内のパイロットサブキャリアの指定が変更されたことに対応して、必要に応じて前記制御シグナリングを搬送するためのサブキャリアを再選択することを更に特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
周波数−時間平面において前記OFDM信号内の1つ以上のパイロットサブキャリアに近接する前記OFDM信号内の1つ以上のサブキャリアを選択するステップが、1つ以上の一般的な又は専用のパイロットサブキャリアに近接する1つ以上のサブキャリアを選択することを含むことを更に特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
周波数−時間平面において前記OFDM信号内の1つ以上のパイロットサブキャリアに近接する前記OFDM信号内の1つ以上のサブキャリアを選択するステップが、パイロットサブキャリアの周囲に制御信号サブキャリアをクラスタリングして前記制御シグナリングに関する受信器(40)におけるチャネル推定を容易にすることを含むことを更に特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
直交周波数分割多重(OFDM)送信器(10)において用いるための処理回路(16)であって、周波数−時間平面において前記OFDM信号内のパイロットサブキャリアに近接する制御シグナリングを搬送するためのサブキャリアを選択することによって、制御シグナリングに関する受信器(40)におけるチャネル推定を改善するように構成された1つ以上のプロセッサを特徴とする、処理回路(16)。
【請求項11】
前記処理回路(16)が、前記制御シグナリングを搬送するためのサブキャリアを1つ以上の第1の行のサブキャリアとして選択するように構成され、第1の行のサブキャリアが、前記周波数−時間平面においてパイロットサブキャリアのすぐ隣にあるサブキャリアであることを更に特徴とする、請求項10に記載の処理回路(16)。
【請求項12】
前記処理回路(16)が、前記制御シグナリングを搬送するためのサブキャリアを第1の行又は第2の行のサブキャリアとして選択するように構成され、第1の行のサブキャリアが、前記周波数−時間平面においてパイロットサブキャリアのすぐ隣にあるサブキャリアであり、第2の行のサブキャリアが、前記OFDM周波数−時間平面においてパイロットサブキャリアからOFDMシンボル時間1つ分及びサブキャリア周波数位置1つ分離れたサブキャリアであることを更に特徴とする、請求項10又は11のいずれかに記載の処理回路(16)。
【請求項13】
前記処理回路(16)が、第2の行のサブキャリアよりも第1の行のサブキャリアを優先的に選択するように構成され、前記制御シグナリングを送信するために利用可能な第1の行のサブキャリアが充分にある限り、第1の行のサブキャリア上で前記制御シグナリングが送信されるようにすることを更に特徴とする、請求項12に記載の処理回路(16)。
【請求項14】
前記制御シグナリングが、第2の制御シグナリングよりも優先順位が高いと考えられる第1の制御シグナリングを含み、更に、前記処理回路(16)が、第1の行又は第2の行のサブキャリア上で前記第1の制御シグナリングを送信すると共に、前記周波数−時間平面において前記第1の行及び第2の行のサブキャリアよりも遠い1つ以上の他のサブキャリア上で前記第2の制御シグナリングを送信するように構成されていることを更に特徴とする、請求項12に記載の処理回路(16)。
【請求項15】
前記処理回路(16)が、前記1つ以上の選択したサブキャリア上で少なくともページング制御シグナリングを送信するように構成されていることを更に特徴とする、請求項10から14のいずれかに記載の処理回路(16)。
【請求項16】
前記処理回路(16)が、前記OFDM信号内のパイロットサブキャリアの指定が変更されたことに対応して、必要に応じてOFDMシンボル時間上で前記制御シグナリングを搬送するためのサブキャリアを再選択するように更に構成されていることを更に特徴とする、請求項10から15のいずれかに記載の処理回路(16)。
【請求項17】
前記処理回路(16)が、周波数−時間平面において1つ以上の一般的な又は専用のパイロットサブキャリアに近接する1つ以上のサブキャリアを選択することによって、前記制御シグナリングを搬送するためのサブキャリアを選択するように構成されていることを更に特徴とする、請求項10から16のいずれかに記載の処理回路(16)。
【請求項18】
無線通信受信器(40)におけるチャネル推定の方法であって、
周波数−時間平面においてパイロットサブキャリアに近接して位置する制御シグナリングサブキャリアを有するOFDM信号を受信するステップ(110)と、
前記近接するパイロットサブキャリアに限定された観察に基づいて前記制御シグナリングサブキャリアからシンボルを復調するためのスカラー値チャネル推定値を発生するステップ(112)と、
を特徴とする、方法。
【請求項19】
前記近接するパイロットサブキャリアに限定された観察に基づいて前記制御シグナリングサブキャリアからシンボルを復調するためのスカラー値チャネル推定値を発生するステップが、前記近接するパイロットサブキャリアに基づいて前記制御シグナリングサブキャリアのためのスカラー値最小平均二乗誤差(MMSE)チャネル推定値を発生することを含むことを更に特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記近接するパイロットサブキャリアに限定された観察に基づいて前記制御シグナリングサブキャリアからシンボルを復調するためのスカラー値チャネル推定値を発生するステップが、既知のパイロットシンボル値、前記近接するパイロットサブキャリアについて前記受信器(40)で行われたパイロットシンボル観察、及び前記制御シグナリングサブキャリアと前記近接するパイロットサブキャリアとの間のチャネル相関を表す相関値に対応するスカラー値の関数として、前記スカラー値チャネル推定値を決定することを含むことを更に特徴とする、請求項18から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記近接するパイロットサブキャリアに限定された観察に基づいて前記制御シグナリングサブキャリアからシンボルを復調するためのスカラー値チャネル推定値を発生するステップが、既知のパイロットシンボル値及び前記近接するパイロットサブキャリアについて前記受信器(40)において行われるパイロットシンボル観察に対応するスカラー値の関数としてスカラー値チャネル推定値を決定することと、前記制御シグナリングサブキャリアと前記近接するパイロットサブキャリアとの間の1対1のチャネル相関を想定することと、を含むことを更に特徴とする、請求項18から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
無線通信受信器(40)であって、
周波数−時間平面においてパイロットサブキャリアに近接して位置する制御シグナリングサブキャリアを有するOFDM信号を受信するように構成された受信回路(42)と、
前記近接するパイロットサブキャリアに限定された観察に基づいて前記制御シグナリングサブキャリアからシンボルを復調するためのスカラー値チャネル推定値を発生するように構成されたチャネル推定回路(44)と、
を特徴とする、無線通信受信器(40)。
【請求項23】
前記チャネル推定回路(44)が、前記近接するパイロットサブキャリアに基づいて前記制御シグナリングサブキャリアのためのスカラー値最小平均二乗誤差(MMSE)チャネル推定値を発生することによって、前記スカラー値チャネル推定値を発生するように構成されていることを更に特徴とする、請求項22に記載の無線通信受信器(40)。
【請求項24】
前記チャネル推定回路(44)が、既知のパイロットシンボル値、前記近接するパイロットサブキャリアについて前記受信器(40)で行われたパイロットシンボル観察、及び前記制御シグナリングサブキャリアと前記近接するパイロットサブキャリアとの間のチャネル相関を表す相関値に対応するスカラー値の関数として、前記スカラー値チャネル推定値を決定することによって、前記スカラー値チャネル推定値を発生するように構成されていることを更に特徴とする、請求項22又は23のいずれかに記載の無線通信受信器(40)。
【請求項25】
前記チャネル推定回路(44)が、既知のパイロットシンボル値及び前記近接するパイロットサブキャリアについて前記受信器(40)において行われるパイロットシンボル観察に対応するスカラー値の関数としてスカラー値チャネル推定値を決定し、前記制御シグナリングサブキャリアと前記近接するパイロットサブキャリアとの間の1対1の相関を想定することによって、前記スカラー値チャネル推定値を発生するように構成されていることを更に特徴とする、請求項22から24のいずれかに記載の無線通信受信器(40)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−538527(P2010−538527A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522862(P2010−522862)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際出願番号】PCT/SE2008/050943
【国際公開番号】WO2009/029025
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】