説明

OH−保護された[4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メタノール−誘導体の製法

本発明は、OH−保護された[4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メタノール−誘導体をラセミ形でまたは光学的に純粋な形で、2,6−ジアミノプリンもしくは1回以上シリル化された2,6−ジアミノプリンと構成成分との直接的な反応により製造するための方法において、グリコシル化反応の際に、ルイス酸の他に、1,3−ジカルボニル化合物または1,3−ジカルボニル化合物のシリル化誘導体の形で助剤が存在するOH−保護された[4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メタノール−誘導体の製法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(1)のヒドロキシ基に保護基Rを有する(以降、短くヒドロキシ保護基または“OH−保護した”とする)[4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メタノール−誘導体の製法に関し、この際基R、R、R10およびR11は相互に独立して水素またはアミノ保護基を表す。
【0002】
【化1】

【0003】
ヌクレオシドおよびヌクレオシド類縁体は抗ウィルス有効物質の重要な群を形成する。HIVに対して効果を示すヌクレオシド類縁体の例は、3′−アジド−3′−デオキシチミジン(AZT)および2′,3′−ジデオキシシチジン(ddC)である。種々の効果、特に、耐性の発現のために、異なる作用プロフィルを有する新しい物質が開発された。
【0004】
特に、1,3−オキサチオラン環を有するヌクレオシド類縁体、例えばLamivudin(3TC)およびCoviracil(FTC)または1,3−ジオキソラン環を有するヌクレオシド類縁体、例えば[(2R,4R)−[4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]]メタノール(以降“(−)−DAPDと省略”)は特に有利であることが示されている。
【0005】
そのようなヌクレオシド類縁体の合成のためには、ヌクレオ塩基もしくはその合成前駆体と糖構成成分とをルイス酸の存在で反応させることが、近年公知技術としての標準的な反応を形成している。その際シリル化ヌクレオ塩基を使用するので、この反応は“シリル−ヒルベルト−ジョンソン−反応(Silyl-Hilbert-Johnson-Reaktion)”として公知である[H.Vorbrueggen,G.Hoefle,Chem.Ber.1981、114、1256−1268]。
【0006】
ルイス酸としては金属−および遷移金属−ハロゲン化物および−アルコラート、例えばSnCl、TiClまたはTiCl(OiPr)の他にしばしばペルフルオロスルホン酸のシリル誘導体、例えばトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステルまたはトリアルキルシリルハロゲン化物、例えばヨードトリメチルシランを使用する。
【0007】
リボース誘導体(すなわち2′−置換糖構成成分)の場合、機構的には、1′−位に脱離基、例えばアセテートを有する糖構成成分からルイス酸の影響下に隣接基効果によりカチオンが形成し、これは第2の工程においてシリル化ヌクレオ塩基と反応する、ということを前提としている。シリルハロゲン化物、例えばヨードトリメチルシランの場合、WO01/58894中には、離脱基のハロゲン化物、例えばヨージド、による置換が前提となっている。引き続き、形成されたヨード化合物は次いでシリル化ヌクレオ塩基と反応する。
【0008】
2,6−ジアミノプリンを塩基として含有するヌクレオシド類縁体の合成のためには、通常最初に2,6−ジアミノプリンまたは2−アミノ−6−クロロプリンを塩基前駆体として供給し、その後の工程において1つ以上の塩素原子をアミノ基に変換する。このことは、直接アンモニアとの反応により実施するか、またはアジドとの反応によりジアジド誘導体とし、かつ引き続き接触水素化してジアミノ誘導体にする2工程で実施することができる。アンモニアとの直接的な反応は非常に低い収率をもたらし、適当な反応ではない。アジド法は2工程を必要とする欠点を有している。しかしながら、この2つの方法の大きな欠点は、非常に高価な2,6−ジクロロプリンもしくは2−アミノ−6−クロロプリンの使用であり、このことによりこれらの反応は経済的に興味をなくさせるものである。更に、記載した反応法における出発物質が高い分子量を有するので、ジアミノプリン1kgの代わりにジクロロプリン約1.25kgもしくはアミノクロロプリン1.13kg(同じ収率を前提として)を使用しなければならない。
【0009】
WO97/21706には、1,3−ジオキソラン環を有するβ−ヌクレオシド類縁体の製法が記載されており、この際、プリン−またはピリミジン塩基を−10℃を下回る温度で、脱離基としてハロゲン原子を有する1,3−ジオキソラン構成成分と反応させる。この際、ジオキソラン構成成分は、有利に相応するアセトキシ誘導体からヨードトリメチルシランまたはジヨードシランとの反応により製造される。
その際、低い温度で実施する際に、特に高い立体選択性が示される。この方法の欠点は、低温反応に頼らざるをえないことである、それというのも特に高い選択性(β:α−異性体比)は−78℃の反応温度で記載されている。2,6−ジアミノプリンを塩基として使用する場合、この方法により非常に低い収率もしくは多数の副生成物が得られる(比較例5参照)。更に、ジアミノプリンの低い反応性のために、低い反応温度は非常に長い反応時間(>24時間)を条件とするので方法技術的には大きな欠点である、しかしながらこの低い温度はWO97/21706の教示により立体選択性を達成するためには必要である。
【0010】
WO01/58894中には、DAPDもしくはそのエナンチオマーの製造が記載されており、ここでは4−アセトキシ−2−ベンゾイルオキシメチル−1,3−ジオキソランと2−アミノ−6−クロロプリンとの反応に、WO97/21706から公知の方法を適用している(−15℃での実施)。カラムクロマトグラフィーにより精製したβ:α=2.3:1の異性体比を有する生成物を、引き続きメタノール性アンモニアと反応させ、引き続きカラムクロマトグラフィーを実施することによりβ:α=2:1の異性体比を有するDAPDに変換する。ここでも欠点は、高価な2−アミノ−6−クロロプリンおよびカラムクロマトグラフィーの複数回の使用である。
【0011】
本発明の課題は、OH−保護された[4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メタノール−誘導体をラセミ形でまたは光学的に純粋な形で製造するための安価でかつ大規模工業的に簡単に変換可能な方法であって、2,6−ジアミノプリンもしくは1つ以上シリル化された2,6−ジアミノプリンまたはその誘導体の直接的な反応を基礎とする方法を提供することである。
【0012】
グリコシル化反応の際に反応混合物中に少なくとも1種の助剤が1,3−ジカルボニル化合物または1,3−ジカルボニル化合物のシリル化誘導体の形で存在している場合、2,6−ジアミノプリンもしくは1つ以上シリル化された2,6−ジアミノプリンまたはその誘導体の直接的な反応が、高い化学的収率および場合により高い立体選択性を費用のかかる精製工程なしに達成することができることが、意外にも見いだされた。
【0013】
本発明の対象は、一般式
【0014】
【化2】

[式中、Rはヒドロキシ保護基を表し、かつ
、R、R10、R11は相互に独立して水素またはアミノ保護基を有する群から選択される]の化合物を、
一般式(2)
【0015】
【化3】

[式中、Xは脱離基を表す]の化合物と、一般式(5)
【0016】
【化4】

[式中、R12はシリル基を表す]の2,6−ジアミノプリン誘導体とをルイス酸の存在で反応させることにより製造する方法において、付加的に1,3−ジカルボニル化合物または1,3−ジカルボニル化合物のシリル化誘導体が存在することを特徴とする、一般式(1)の化合物の製法である。
【0017】
本発明の方法により、反応を大規模工業においては実現困難な低温条件で実施する必要なしに、または得られた粗生成物をその後の費用のかかる後処理法により不所望な副生成物から分離することなしに、安価な2,6−ジアミノプリン誘導体を、大規模工業的に簡単に実現可能な反応において、直接出発物質として使用することが可能となった。
【0018】
その際、本発明による方法は、一般式(1)のラセミ化合物の製造のためにも、一般式(1a)、(1b)、(1c)および(1d)の光学的配置を有する一般式(1)の光学的に純粋な生成物を製造するためにも適用可能である。
【0019】
【化5】

【0020】
相応する光学的配置の出発物質を選択することにより、高い立体選択性を有する方法を実施することを可能にする。
【0021】
特に、本発明による方法は一般式(1a)の光学的配置の生成物の製造のために好適である。
【0022】
その際、ヒドロキシ保護基Rは、当業者に好適でありかつ公知の全てのOH−保護基から選択することができ;好適なOH−保護基の選択は、特に、T.W.Greene,P.G.M.Wuts、“Protective Groups in Organic Synthesis”、第二版、Wiley 1991,p10−117に記載されている。
【0023】
ヒドロキシ保護基Rはアシル基、アルキル基、アルコキシアルキル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシアルキル基またはシリル基を含有する群から有利に選択される。
【0024】
その際、Rのアシル基は炭素原子2〜20個を有する芳香族または脂肪族カルボン酸から有利に誘導され、特にベンゾイル−、n−ブチリル−、イソブチリル−(2−メチルプロピオニル−)、ピバロイル−、プロピオニル−およびアセチル−を含有する群から有利に誘導される。
【0025】
のアルキル基は有利に炭素原子1〜20個からなり、メチル−、エチル−およびプロピル−を含有する群からの基が特に有利である。
【0026】
のアルコキシアルキル基は炭素原子1〜20個からなるのが有利であり、特にメトキシメチル−、1−エトキシエチル−および2−メトキシエトキシメチル−を含有する群からの基が有利である。
【0027】
のアリールアルキル基は1〜20個からなるのが有利であり、特にベンジル−、4−メトキシベンジル−およびトリフェニルメチル−を含有する群からの基が有利である。
【0028】
その際、Rのアリールアルコキシアルキル基は炭素原子1〜20個からなるのが有利であり、特にベンジルオキシメチル−および4−メトキシベンジルオキシメチル−を含有する群からの基が有利である。
【0029】
のシリル基はSi−原子に一般にそれぞれ炭素原子1〜20個を有する、特に炭素原子1〜10個を有する脂肪族および/または芳香族置換基を含有していてよい。トリメチルシリル−、トリエチルシリル−、トリイソプロピルシリル−、t−ブチルジメチルシリル−およびt−ブチルジフェニルシリル−を含有する群からの基が有利である。
【0030】
脱離基XはJ.March、“Advanced Organic Chemistry”第3版、Wiley 1985,p179〜310以降により、反応の際に脱離する置換基分子の部分として定義されている。その際脱離基が分解する結合の電子対を携帯する場合には“核脱離(Nucleofug)”に関する。
【0031】
脱離基Xがハロゲン、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を含有する群から選択されるのが有利である。
【0032】
Xのハロゲンは有利にヨウ素または臭素であり、特にヨウ素が有利である。
【0033】
Xのアシルオキシ基は、その際炭素原子1〜20個からなるのが有利であり、アセトキシ−、ベンゾイルオキシ−、プロピオニルオキシ−、n−ブチリルオキシ−およびトリフルオロアセトキシ−を含有する群からの基が特に有利である。特に、アセトキシ−が有利である。
【0034】
Xのアルキルスルホニルオキシ基は、その際炭素原子1〜20個からなるのが有利であり、メタンスルホニルオキシ−、トリフルオロメタンスルホニルオキシ−およびノナフルオロブチルスルホニルオキシ−を含有する群からの基であるのが特に有利である。
【0035】
Xのアリールスルホニルオキシ基は、その際炭素原子1〜20個からなるのが有利であり、p−トルエンスルホニルオキシ−(トシル−)、p−ブロムベンゼンスルホニルオキシ−およびp−ニトロベンゼンスルホニルオキシ−を含有する群からの基であるのが特に有利である。
【0036】
Xのアルコキシ基は、その際炭素原子1〜20個からなるのが有利であり、メトキシ−およびエトキシ−を含有する群からの基であるのが特に有利である。
【0037】
Xのアリールオキシ基は、その際炭素原子1〜20個からなるのが有利であり、フェノキシ−、4−ニトロフェノキシ−および2,4,6−トリニトロフェノキシ−を含有する群からの基であるのが特に有利である。
【0038】
出発物質として使用した、一般式(5)の2,6−ジアミノプリン誘導体は少なくとも1個のシリル基R12を9位の窒素原子に、更に選択的にその他のシリル基を2−および6−位の両方のアミノ官能基に有しており、これは可能な実施態様においては9位の窒素原子のシリル基R12と一緒に導入され、かつ本発明方法による更なる反応において2−および6−位の両方のアミノ官能基のためのアミノ保護基として機能する。その際、一般式(5)のペルシリル化出発物質は5個までの同一または異なるシリル基を含有することができる。1〜3つのシリル基を有する一般式(5)の2,6−ジアミノプリン誘導体が有利であり、3つのシリル基を、特に9位の窒素原子に1つのシリル基、および2位および6位の両方のアミノ官能基にそれぞれ1つのシリル基を有するのが特に有利である。
【0039】
12のシリル基は、その際一般にSi−原子に、それぞれ炭素原子1〜20個、特にそれぞれ炭素原子1〜10個を有する脂肪族および/または芳香族置換基を有する。トリメチルシリル−、トリエチルシリル−、トリイソプロピルシリル−、t−ブチルジメチルシリル−およびt−ブチルジフェニルシリル−を含有する群からの基が有利である。特にトリメチルシリル−が有利である。
【0040】
一般式(5)の少なくとも9位の窒素原子でシリル化された2,6−ジアミノプリン誘導体は、2位および6位のアミノ官能基に関して遊離アミンとして、保護されていない形で使用することも、または1方または両方の第1アミノ基が他のアミノ保護基で保護されている形で使用することもできる。
【0041】
従って、基R、R、R10、R11は相互に独立して水素またはアミノ保護基を表すことができる。
【0042】
好適なアミノ保護基の選択は、当業者にとってT.W.Greene,P.G.M.Wuts、“Protective Groups in Organic Synthesis”、第二版、Wiley 1991,p309−385から明らかである。アミノ保護基としては、その際、アシル基、アシルオキシカルボニル基、アルキル基、アリールアルキル基またはシリル基を使用するのが有利である。
【0043】
この際、アミノ保護基としてのアシル基は、炭素原子2〜20個を有する芳香族または脂肪族カルボン酸から誘導されたものが有利であり、特にベンゾイル−、アセチル−およびホルミル−を含有する群からの基が有利である。
【0044】
この際、アミノ保護基としてのアシルオキシカルボニル基は有利に炭素原子2〜20個を有し、t−ブチルオキシカルボニル−(BOC−)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル−(Fmoc−)およびベンジルオキシカルボニル−(Z−)を含有する群からの基が特に有利である。
【0045】
この際、アミノ保護基としてのアルキル基は有利に炭素原子1〜20個からなり、特にメチル−およびアリル−を含有する群からの基が有利である。
【0046】
この際、アミノ保護基としてのアリールアルキル基は炭素原子1〜20個からなり、特にベンジル−および4−メトキシベンジル−を含有する群からの基が有利である。
【0047】
この際、アミノ保護基としてのシリル基は、Si−原子にそれぞれ炭素原子1〜20個、特にそれぞれ炭素原子1〜10個を有する脂肪族および/または芳香族置換基を有していてよい。トリメチルシリル−、トリエチルシリル−、トリイソプロピルシリル−、t−ブチルジメチルシリル−およびt−ブチルジフェニルシリル−を含有する群からの基が有利である。特に、トリメチルシリル−が有利である。
【0048】
本発明方法の、特に有利な実施態様においては、R12、および2位および6位のアミノ官能基の基RまたはRもしくはR10またはR11のそれぞれ1つの基がトリメチルシイル基を表し、かつRまたはRもしくはR10またはR11のそれぞれ他の基が水素を表すのが特に有利である。
【0049】
反応の際に存在する1,3−ジカルボニル化合物は、有利に一般式(3)
【0050】
【化6】

のβ−カルボニルカルボン酸エステル、特に炭素原子5〜20個を有するβ−ケトカルボン酸エステル、1,3−ジケトンまたはマロン酸誘導体、または一般式(4)
【0051】
【化7】

のβ−カルボニルカルボン酸エステル、特にβ−ケトカルボン酸エステル、1,3−ジケトンまたはマロン酸誘導体のシリル誘導体であり、この際一般式(3)および一般式4中のYおよびZは相互に独立して、水素、炭素原子1〜20個を有するアルキル基、炭素原子6〜20個を有するアリール基または炭素原子1〜20個を有するアルキルオキシ基を表してよく、かつ
一般式(3)中のRおよびRは、相互に独立して、および一般式(4)中のRは、水素、炭素原子2〜20個を有する芳香族または脂肪族カルボン酸のアシル基、炭素原子1〜20個を有するアルキル基または炭素原子6〜20個を有するアリール基を表わしてよく、かつ
一般式(4)中のR、RおよびRは相互に独立して、炭素原子1〜20個を有する脂肪族基または芳香族基を表わしてよい。
【0052】
グリオキシル酸メチルエステル、グリオキシル酸エチルエステル、アセト酢酸メチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、アセト酢酸−t−ブチルエステル、アセト酢酸イソブチルエステル、アセト酢酸イソプロピルエステル、アセト酢酸−n−プロピルエステル、アセト酢酸ベンジルエステル、2−アセチル−アセト酢酸メチルエステル、2−アセチル−アセト酢酸エチルエステル、2−アセチル−アセト酢酸−t−ブチルエステル、3−オキソペンタン酸メチルエステル、3−オキソペンタン酸エチルエステル、3−オキソペンタン酸−t−ブチルエステル、3−オキソヘキサン酸メチルエステル、3−オキソヘキサン酸エチルエステル、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、3,5−ヘプタンジオン、マロン酸ジメチルエステル、マロン酸ジエチルエステル、マロン酸ジイソブチルエステル、マロン酸ジイソプロピルエステルおよびマロン酸ジ−t−ブチルエステルを含有する群からの1,3−ジカルボニル化合物が特に有利である。
【0053】
3−トリメチルシリルオキシアクリル酸メチルエステル、3−トリメチルシリルオキシアクリル酸エチルエステル、4−トリメチルシリルオキシペンテ−3−エン−2−オン、4−トリエチルシリルオキシペンテ−3−エン−2−オン、4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)ペンテ−3−エン−2−オン、4−(t−ブチルジフェニルシリルオキシ)ペンテ−3−エン−2−オン、3−トリメチルシリルオキシブテ−2−エン酸メチルエステル、3−トリメチルシリルオキシブテ−2−エン酸エチルエステル、3−トリメチルシリルオキシブテ−2−エン酸−t−ブチルエステル、3−トリメチルシリルオキシブテ−2−エン酸メチルエステル、3−トリメチルシリルオキシブテ−2−エン酸エチルエステルおよび3−トリメチルシリルオキシブテ−2−エン酸−t−ブチルエステルを含有する群からの1,3−ジカルボニル化合物のシリル誘導体が特に有利である。
【0054】
ルイス酸としては、トリアルキルシリルハロゲン化物およびペルフルオロアルカンスルホン酸トリアルキルシリルエステルが有利である。この際、ヨードトリメチルシランおよびトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステルが特に有利である。殊に有利であるのはヨードトリメチルシランである。
【0055】
溶剤としては、一般に全ての非プロトン有機溶剤を使用することができる。好適な溶剤の例は、塩化メチレン(ジクロロメタン)、1,2−ジクロロエタンおよびアセトニトリルである。塩化メチレン(ジクロロメタン)および1,2−ジクロロエタンが特に有利である。塩化メチレン(ジクロロメタン)が特に有利である。
【0056】
この反応は基本的に任意の温度で実施することができ、この温度は一般に溶剤および使用した成分の特性(沸点、融点、溶解性など)によってのみ制限される。
【0057】
反応は−5℃〜使用した溶剤の沸点の間の温度で実施するのが有利である。0℃〜+30℃の温度で実施するのが特に有利である。大気圧で操作するのが有利である。
【0058】
一般式(2)の化合物の形の糖構成成分としては脱離基X=OCOR(アシルオキシ基)を有する化合物が特に適していることが示された、その際基−CORは炭素原子1〜20個を有する脂肪族または芳香族カルボン酸から誘導され、特に酢酸(アセトキシ−)、プロピオン酸(プロピオニルオキシ−)、n−酪酸(n−ブチリルオキシ−)、トリフルオロ酢酸(トリフルオロアセトキシ−)または安息香酸(ベンゾイルオキシ−)から誘導される。
【0059】
そのような化合物の製造のためには、一連の公知法が選択するためにあるが、その際特に1,3−ジオキソラン−4−オン−誘導体からの合成が適することが認められている。
【0060】
この際、WO92/14729によりラクトン官能基を選択的な還元剤で還元し、かつ生成物を単離することなしにアシル化剤、例えば酢酸無水物または塩化ベンゾイルと直接反応させる。還元剤としては、例えばジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL−H)またはリチウム−トリ(t−ブトキシ)アルミニウムヒドリド(LTTBA)が好適である。
【0061】
一般式(2)のタイプの化合物はこのように製造した粗生成物中に約40〜70%の含量で含まれている。この際、粗生成物の副生成物およびその他の成分としては、特に1,3−ジカルボニル化合物、特にβ−ケトカルボン酸エステル、例えばアセト酢酸−t−ブチルエステルまたはアセト酢酸イソブチルエステルを同定することができる。
【0062】
WO92/14729により製造した一般式2の出発化合物を、含有されている1,3−ジカルボニル化合物を粗生成物から予め分離することなしに、シリル−ヒルベルト−ジョンソン−反応に供給することが、特に有利であることが明らかになった。このようにして反応混合物に供給された1,3−ジカルボニル化合物は、本発明方法の実施の際に、一般式2のタイプの化合物と一般式5のシリル化2,6−ジアミノプリン誘導体とのルイス酸の存在における反応に、直接発明的な効果をもたらすことができる。
【0063】
比較例は、WO92/14729により製造された一般式(2)の出発物質から例えばクロマトグラフィーにより1,3−ジカルボニル化合物を除去する場合(例4)、その後の一般式(5)のシリル化2,6−ジアミノプリンとの反応において、一般式1の所望の生成物の非常に僅かな収率のみが、実質的に分離不可能な複雑な生成物混合物の範囲で得られるということを証明している(例5)。
【0064】
これに対して、一般式(2)のタイプの精製した化合物に、1,3−ジカルボニル化合物またはそのシリル化誘導体を本発明により適切に添加することにより、所望の生成物が高い収率および高い純度で得られる。
【0065】
本発明方法により、1,3−ジカルボニル化合物もしくはそのシリル化誘導体はその適切な添加によりまたは一般式(2)の出発物質の相当する合成の選択により、グリコシル化のための反応混合物に供給され、本発明による効果を達成することができる。
【0066】
記載したシリル−ヒルベルト−ジョンソン−反応において、その相対立体化学により異なる2種の主生成物が常に生じる。すでにWO97/21706に記載されているように、2′−置換基(糖における数え方において)の不在のために、立体選択性(シス/トランス)が非常に僅かに現れるにすぎない。
【0067】
WO97/21706の教示とは異なり、一般式(2)のタイプの化合物とシリル化2,6−ジアミノプリンとの本発明による反応の際には、反応温度へのシス/トランス−選択性の依存は全く観察されなかった。温度を−78℃〜+25℃の範囲で変化させる際に、見いだされた異性体の割合は有意でない揺れの範囲で一定であった。
【0068】
しかしながら、シス/トランス−選択性に関して明らかな効果を、使用したルイス酸に依存して観察することができたことは驚きであった(第2表参照):ヨードトリメチルシランの使用の際には、一般にシス−異性体は主生成物であり(シス/トランス比は1.5:1〜2.5:1)、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステルを使用する際には、トランス異性体が主生成物として見いだされた(シス/トランス比は0.7:1〜0.8:1)。
【0069】
本発明方法による反応混合物の後処理は、有利に最初に水、酸水溶液またはアルカリ水溶液での加水分解により実施される。その際、使用したルイス酸を加水分解し、かつ後処理条件に依存して、形成された反応生成物のアミノ保護基を場合により同時に加水分解し、こうして2位および6位の遊離アミン官能基が生じる。所望の最終生成物に依存して、加水分解条件を2位および6位のアミノ保護基が維持されるように選択することもできる。
【0070】
シリル保護基、例えばトリメチルシリル−を、すでに室温で希釈した酸で切断し、次いでアシル基、例えばベンゾイル−を塩基性で加熱することによりまたはアンモニアもしくはアミンとの反応により切断する。
【0071】
典型的には、加水分解による後処理をまず酸性pH−範囲(pH0〜3)で実施する。副生成物および不純物を有機溶剤、特に塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、THFまたはジエチルエーテルでの抽出により除去することができる。引き続き、アルカリ水溶液、特に水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸カリウムの水溶液の添加および有機溶剤、特に前記溶剤での新たな抽出により、生成物を有機溶相中に移動させる。有機溶剤を蒸留により除去した後、生成物が得られ、引き続きこれを場合により更なる工程、特に再結晶またはクロマトグラフィーにより、更に精製することができる。
【0072】
従って、最終的な水性加水分解は、式中の基R、R、R10およびR11が相互に独立して水素またはアミノ保護基であってよい一般式(1)の反応生成物に導き、特に全ての基R、R、R10およびR11が水素である一般式(1)の反応生成物に導く。
【0073】
本発明による方法の有利な実施態様においては光学的に純粋な反応生成物を、相応する光学的配置の出発物質を選択することにより、一般式(1a)、(1b)、(1c)および(1d)の光学的配置で製造することができる、ここで全ての基R、R、R10およびR11は水素を表す。この方法を一般式1aの光学配置の生成物の製造に使用するのが特に有利である、ここで全ての基R、R、R10およびR11は水素を表す。
【0074】
本発明方法により製造した化合物の後処理の際に、所望の異性体(一般には、一般式1aまたは1cの光学的配置におけるシス−異性体)の更なる富化は、特に結晶化またはカラムクロマトグラフィーにより達成することができる。その際、特に本発明による方法の大規模工業的な反応においては、結晶化が費用上有利である。こうして、本発明による更なる対象は、本発明方法により得られた一般式(1)の化合物の再結晶による精製法である。
【0075】
一般式(1)の生成物は比較的高い融点を有する強い極性化合物であるので、再結晶のために、特に極性溶剤、例えば炭素原子1〜10個を有するアルコール、エーテルまたはエステルが好適である。
【0076】
式中のRが(HC)CHCO−である一般式(1)のイソブチレートの再結晶のためには、例えばイソプロパノールが溶剤として特に有利である。
【0077】
一回の結晶化により混合物(シス/トランスがほぼ60〜70:30〜40)からシス−異性体の含量97〜99%を有する生成物が得られる(実施例4参照)。新たに再結晶することにより、シス−異性体の含量を>99.5%まで濃縮することができる。
【0078】
一般式1のRがここでは水素を表す、(OH保護されていない)[4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メタノール−誘導体の製造のためには、相応するOH−保護基の切断のために当業者に汎用されている方法を適用する。
【0079】
方法の選択は特にT.W.Greene,P.G.M.Wuts、“Protective Groups in Organic Synthesis”、第二版、Wiley 1991,p10−117に記載されている。
【0080】
従って、本発明の更なる対象は本発明方法により得られた一般式(1)の化合物の、一般式(5)
【0081】
【化8】

の化合物を製造するための使用である。
【0082】
このことは一般にヒドロキシル保護基の切断により行われる。
【0083】
特に有利な方法は、アミノ保護基がすでに前記の方法により切断されており、このことにより全ての基R、R、R10およびR11が水素を表す、準備された一般式(1)の化合物を使用する。
【0084】
一般式(5)の化合物は、ラセミ形でまたは工学的に純粋な形で得ることができる。特に本発明により製造された光学的に純粋な形の一般式(1)の生成物を一般式(5)の光学的に純粋な化合物に変換することができる。
【0085】
本発明により製造した生成物の特に有利な適用において、この方法で(2R,4R)−[4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メタノール[(−)−DAPD]を製造することができる。
【0086】
OH−保護基としてのアシル基を切断するための有利な方法は、アンモニアまたは脂肪族アミンとの反応、塩基性水性加水分解およびアルコラート、例えばナトリウムメチラート反応とのである。
【0087】
実施例
(いくつかの例中に記載されているギリシャ文字“Ξ”は確定された絶対配置を有さない立体中心を示す)
例1:(2,6−ジアミノプリンのシリル化)
2,6−ジアミノプリン75g、硫酸アンモニウム17.8gおよびヘキサメチルジシラザン1451gを4 l三頚フラスコ中に装入した。この懸濁液を撹拌しつつ還流下に加熱し(還流開始 108℃)、そこで3〜4時間保持し、この際還流温度は122℃に上昇し、この混合物は透明になった。この溶液を僅かに冷却し(約80℃に)、かつゆっくりと真空にした。過剰のヘキサメチルジシラザンを引き続き塔底温度85℃/5ミリバールまで留去した。残分のGC−分析は次の組成を示した:トリス(トリメチルシリル)−2,6−ジアミノプリン86.3%、トリメチルシリル−2,6−ジアミノプリン0.5%、ビス(トリメチルシリル)−2,6−ジアミノプリン0.9%、ビス(トリメチルシリル)サルフェート10.0%、ヘキサメチルジシラザン0.3%。
【0088】
残分を乾燥した塩化メチレン中に溶かした。この量は、約1モル溶液が生じるように計算した。
【0089】
例2:((2R−4Ξ)−4−アセトキシ−2−イソブチリルオキシメチル−1,3−ジオキソランの製造)
【0090】
【化9】

【0091】
THF中のLiAlH(OtBu)の1.1モル溶液316.2gおよびTHF142gを乾燥フラスコ中に装入し、−5℃に冷却した。(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−4−オン53.0gを45分以内に滴加した。この混合物を25℃に加温し、4−ジメチルアミノピリジン33.7gを添加し、1時間撹拌した。新たに−5℃に冷却し、引き続き酢酸無水物209gをこの温度で滴加した。この混合物を−5〜0℃で15時間撹拌した。次いで、15%NHCl−溶液415gの添加により反応を中止し、水400gで希釈した。THFを真空での蒸留により十分に除去し、引き続き酢酸エチル480gを添加した。この混合物を十分に振盪し、相を分離した。水相を酢酸エチルで一回後抽出し、合した有機相を水およびNaHCO−溶液で洗浄した。溶剤を真空中で留去し、生成物がオレンジ色の液体として得られた(収量:含量65%で69.0g、理論値の70%に相当する)。
【0092】
生成物は、この方法により40〜70%の含量で(GC)、シス/トランス混合物として得られる。シス/トランス−比は2.8〜3.6の間であった。その他の成分としては、特にアセト酢酸−t−ブチルエステル(約8〜約27%)および2−アセチル−アセト酢酸−t−ブチルエステル(約6%〜約15%)である。
【0093】
例3:((2R−4Ξ)−4−アセトキシ−2−イソブチリルオキシメチル−1,3−ジオキソランのカラムクロマトグラフィーによる精製)
例2により製造した含量42.5%の生成物30gをシリカゲル200gを介してクロマトグラフィーにかけた(溶離剤n−ヘプタン/酢酸エチル4:1)。生成物含有フラクションを合して、溶剤を真空中で除去した。無色溶液14gが得られた。GCによる含量は79.5%(収率88%)であった。
【0094】
例4:(シス−およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソランの製造)
【0095】
【化10】

【0096】
含量55.3%を有する(2R−4Ξ)−4−アセトキシ−2−イソブチリルオキシメチル−1,3−ジオキソラン(アセト酢酸−t−ブチルエステル13.2%および2−アセチル−アセト酢酸−t−ブチルエステル;これはジオキソラン1モルあたり1,3−ジカルボニル化合物0.48モルに相当する)105.1gを塩化メチレン540ml中に装入した。塩化メチレン120ml中のアセト酢酸−t−ブチルエステル19.8gおよび塩化メチレン中のトリス(トリメチルシリル)−2,6−ジアミノプリンの1.0モル溶液(実施例1による)275mlを同様に添加した。この溶液を0℃に冷却し、この温度で塩化メチレン250ml中のヨードトリメチルシラン(含量95.8%)125.0gの溶液を20分間かけて滴加した。この混合物を0℃で1時間後撹拌し、25℃に加熱し、この温度で15時間撹拌した。10%のNaCO−溶液1 lを添加することにより、反応を中止し、10分間撹拌した。相を分離し、かつこの水相を塩化メチレンで2回後抽出した。合した有機相を10%のNaCO−溶液および水で洗浄し、ケイソウ土を介して濾過した。引き続きこの溶液を約1000mlに濃縮した。この溶液のHPLC−分析はシス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン67.8%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン31.7%を示した(異性体比2.1:1;HPLC Fl%(面積%))。
【0097】
この溶液を0.5NのHCl 750mlと混合し、30分間撹拌した。相を分離し、水相を塩化メチレンで4回洗浄した。塩化メチレン500mlを新たに添加した後、pH−値を10%のNaCO−溶液の添加により8〜9に調節し、15分間撹拌した。相を分離し、水相を塩化メチレンで後抽出した。
【0098】
塩化メチレンを十分に留去し、イソプロパノール1 lを添加した。更に塔頂部温度が80℃に達するまで蒸留した。析出した生成物を、イソプロパノール900mlを更に添加し、沸点まで加熱することにより溶かした。この溶液を2時間かけて25℃に冷却し、1時間後撹拌し、かつ析出した結晶を吸引濾過した。引き続きイソプロパノールで洗浄し、60℃で真空中で乾燥させた。
【0099】
無色の結晶35.2gが得られ、これはNMR−分析によれば、(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソランの他に、更にイソプロパノールを1モル含有した。HPLCによれば、シス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン98.0%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン1.6%を含有した。このことは、(2R−4Ξ)−4−アセトキシ−2−イソブチリルオキシメチル−1,3−ジオキソランに対してシス異性体36.1%の収率に相当した。イソプロパノールからの再結晶により純粋なシス異性体が99.6%(再結晶の収率90%)の含量で得られた。
【0100】
例5:(比較例)
塩化メチレン中のトリス(トリメチルシリル)−2,6−ジアミノプリンの1.0モル溶液(例1による)9.3mlを0℃に冷却した。含量79.5%を有する例3からの(2R−4Ξ)−4−アセトキシ−2−イソブチリルオキシメチル−1,3−ジオキソラン2.52gの溶液を添加した。0〜5℃でヨードトリメチルシラン4.0gの溶液を添加し、引き続き25℃に加熱し、かつ15時間撹拌した。10%のNaCO−溶液で加水分解した。この相を引き続き分離し、有機相をHPLCで分析した。有機相のHPLCは多数の副生成物の他に2,6−ジアミノプリン1.6%並びにシス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン34.2%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン30.4%を示した。
【0101】
例6:
例5と同様にして実施したが、但し、ヨードトリメチルシランの添加の前に塩化メチレン5ml中のアセト酢酸−t−ブチルエステル1.16gの溶液を添加した。
【0102】
HPLCは2,6−ジアミノプリンを示さず、シス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン67.8%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン31.7%を示した。
【0103】
例7:
例5と同様にして実施したが、但し、ヨードトリメチルシランの添加の前に塩化メチレン5ml中の3−トリメチルシリルオキシ−2−ブテン酸−t−ブチルエステル0.9gの溶液を添加した。
【0104】
HPLCは2,6−ジアミノプリン0.5%、シス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン62.6%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン33.6%を示した。
【0105】
例8:
塩化メチレン中のトリス(トリメチルシリル)−2,6−ジアミノプリン(例1による)の0.93モル溶液10.3mlを乾燥フラスコ中に装入した。含量50.4%の(2R−4Ξ)−4−アセトキシ−2−イソブチリルオキシメチル−1,3−ジオキソラン(例2参照)、および含量17.1%のアセト酢酸−t−ブチルエステル並びに7.5%の2−アセチル−アセト酢酸−t−ブチルエステル(これはジオキソラン1モル当たり1,3−ジカルボニ化合物0.67モルに相当する)3.97gを塩化メチレン20ml中に溶かし、添加した。0℃で塩化メチレン10ml中のヨードトリメチルシラン4.31gの溶液を添加した。この混合物を25℃に加熱し、かつ15時間撹拌した。引き続き10%のNaCO−溶液で加水分解した。
【0106】
この相を分離し、有機相をHPLCで分析した。このHPLCは2,6−ジアミノプリンを示さず、シス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン58.2%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン28.0%を示した。
【0107】
例9:
含量58.9%の(2R−4Ξ)−4−アセトキシ−2−イソブチリルオキシメチル−1,3−ジオキソラン(9.0%のアセト酢酸−t−ブチルエステルおよび8.7%の2−アセチル−アセト酢酸−t−ブチルエステル;これはジオキソラン1モル当たり1,3−ジカルボニル化合物0.40モルに相当する)3.40gを使用して、例8と同様に実施した、但し、アセト酢酸−t−ブチルエステルの代わりにアセト酢酸メチルエステル0.5モル当量(Mol−Eq)を添加した。
【0108】
HPLCは2,6−ジアミノプリンを示さず、シス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン59.5%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン27.1%を示した。
【0109】
例10:
例9と同様に実施したが、但し、付加的な1,3−ジカルボニル化合物の添加を実施しなかった(すなわち、出発物質に由来する1,3−ジカルボニル化合物をジオキソラン1モルあたり0.4モルの割合で含有している)。
【0110】
HPLCは2,6−ジアミノプリン8.9%並びにシス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン45.9%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン28.8%を示した。
【0111】
例11:
含量58.9%の(2R−4Ξ)−4−アセトキシ−2−イソブチリルオキシメチル−1,3−ジオキソラン(9.0%のアセト酢酸−t−ブチルエステルおよび8.7%の2−アセチル−アセト酢酸−t−ブチルエステル;これはジオキソラン1モル当たり1,3−ジカルボニル化合物0.40モルに相当する)49.3gを使用して、例4と同様に実施した、但し、アセト酢酸−t−ブチルエステルの代わりにアセチルアセトン0.5モル当量を添加した。
【0112】
粗生成物のHPLC−分析はシス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン57.1%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン27.1%を示した(異性体比2.1:1;HPLC Fl%)。
【0113】
イソプロパノールから結晶化した後、無色の結晶17.7gが得られ、これはNMR−分析によれば、(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソランの他に、更にイソプロパノールを1モル含有する。HPLCによれば、シス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン97.5%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン2.2%を含有する。このことは、(2R−4Ξ)−4−アセトキシ−2−イソブチリルオキシメチル−1,3−ジオキソランに対してシス異性体36.1%の収率に相当する。イソプロパノールからの再結晶により99.8%の含量の純粋なシス異性体(再結晶の収率90%)が得られる。
【0114】
【表1】

【0115】
例12:
例8と同様に実施するが、但し、溶剤として塩化メチレンの代わりに1,2−ジクロロエタンを使用した。
【0116】
HPLCは2,6−ジアミノプリンを示さず、シス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン53.1%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン29.9%を示した。
【0117】
例13:
例8と同様に実施するが、但し、溶剤として塩化メチレンの代わりにアセトニトリルを使用した。後処理の際には、生成物を抽出するために、塩化メチレンを添加した。
【0118】
HPLCは2,6−ジアミノプリンを示さず、シス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン45.3%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン36.4%を示した。
【0119】
例14:
例8と同様に実施するが、但し、ルイス酸としてヨードトリメチルシランの代わりにトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステルを使用した。
【0120】
HPLCは2,6−ジアミノプリンを示さず、シス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン33.7%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン47.5%を示した。
【0121】
例15:
例14と同様に実施するが、但し、溶剤として塩化メチレンの代わりに1,2−ジクロロエタンを使用した。
【0122】
HPLCは2,6−ジアミノプリンを示さず、シス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン31.7%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン40.9%を示した。
【0123】
【表2】

【0124】
例16:(シス−およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソランの製造)
【0125】
【化11】

【0126】
含量60.5%を有する(2R−4Ξ)−4−アセトキシ−2−イソブチリルオキシメチル−1,3−ジオキソラン(アセト酢酸−t−ブチルエステル9.0%および2−アセチル−アセト酢酸−t−ブチルエステル3.1%;これはジオキソラン1モルあたり1,3−ジカルボニル化合物0.28モルに相当する)48.0gを塩化メチレン520ml中に装入した。アセト酢酸−t−ブチルエステル14.8gおよび塩化メチレン中のトリス(トリメチルシリル)−2,6−ジアミノプリンの0.8モル溶液(実施例1による)179.8gを添加した。この溶液を0℃に冷却し、この温度で塩化メチレン125ml中のヨードトリメチルシラン(含量98%)62.6gの溶液を20分間かけて滴加した。この混合物を0〜10℃で20時間後撹拌した。
【0127】
この反応混合物を0〜10℃で水725g中の20%塩酸34.2gの溶液に滴加した。この混合物を25℃に加熱し、この温度で15分間撹拌した。相を分離し、かつ有機相を0.5N塩酸125mlで1回抽出した。合した水相をそれぞれ塩化メチレン100mlで2回洗浄した。引き続き、更に塩化メチレン474mlを添加した後にpH−値を10%の炭酸ナトリウム溶液700gを添加することにより9.0に調節した。25℃で1時間攪拌し、相を分離した。この水相をそれぞれ塩化メチレン123mlで2回後抽出し、合した有機相を水200mlで1回洗浄した。溶剤を真空中で除去した後、帯黄色の固体27.6gが得られた。
【0128】
HPLC−分析はシス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン71.2%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン26.5%を示した(異性体比2.7:1;HPLC FL%;粗収率49%)を示した。
【0129】
粗生成物をイソプロパノールから再結晶した。無色の結晶16.2gが得られ、NMR−分析によれば、(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソランの他に、更にイソプロパノールを1モル含有した。HPLCによれば、シス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン99.0%およびトランス−(2R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン0.9%を含有した。このことは、(2R−4Ξ)−4−アセトキシ−2−イソブチリルオキシメチル−1,3−ジオキソランに対してシス異性体33.3%の収率に相当する。
【0130】
例17:((2R−4Ξ)−4−アセトキシ−2−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−1,3−ジオキソランの製造)
【0131】
【化12】

【0132】
LiAlH(OtBu) 98.4gおよびTHF964gを乾燥させたフラスコ中に装入し、−10℃に冷却した。(2R)−2−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−4−オン98.5gを45分以内に滴加した。この混合物を25℃に加温し、4−ジメチルアミノピリジン33.7gを添加し、1時間撹拌した。新たに−10℃に冷却し、引き続き酢酸無水物209gをこの温度で滴加した。この混合物を−10〜0℃で15時間撹拌した。次いで、15%NHCl−溶液415gの添加により反応を中止し、水400gで希釈した。THFを真空での蒸留により十分に除去し、引き続き酢酸エチル480gを添加した。この混合物を十分に振盪し、相を分離した。水相を酢酸エチルで一回後抽出し、合した有機相を水およびNaHCO−溶液で洗浄した。溶剤を真空中で留去し、生成物がオレンジ色のオイルとして得られた(収量:含量70%で110.7g、理論値の70%に相当する)。
【0133】
例18:(シス−およびトランス−(2R)−2−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソランの製造)
【0134】
【化13】

【0135】
含量70.0%の(2R−4Ξ)−4−アセトキシ−2−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−1,3−ジオキソラン(アセト酢酸−t−ブチルエステル11.2%および2−アセチル−アセト酢酸−t−ブチルエステル5.3%;これはジオキソラン1モルあたり1,3−ジカルボニル化合物0.50モルに相当する)27.5gを塩化メチレン96ml中に装入した。塩化メチレン21ml中のアセト酢酸−t−ブチルエステル5.4gの溶液および塩化メチレン中のトリス(トリメチルシリル)−2,6−ジアミノプリンの1.0モル溶液(実施例1による)50mlを同様に添加した。この溶液を0℃に冷却し、この温度で塩化メチレン45ml中のヨードトリメチルシラン(含量95.8%)22.6gの溶液を20分間かけて滴加した。この混合物を0℃で1時間後撹拌し、25℃に加熱し、この温度で15時間撹拌した。10%のNaCO−溶液250mlを添加することにより反応を中止し、10分間攪拌した。この相を分離し、水相を塩化メチレンで2回後抽出した。合した有機相を10%のNaCO−溶液および水で洗浄し、ケイソウ土を介して濾過した。この溶剤を真空中で除去して、帯黄色の固体13.5gが得られた。
【0136】
HPLC−分析はシス−(2R)−2−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン65.8%およびトランス−(2R)−2−t−ブチルジフェニルシリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン33.4%を示した(異性体比2.0:1;HPLC FL%)を示した。これはシス−異性体40%の収率に相当する。
【0137】
例19:[(2R,4R)−[4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メタノール[(−)−DAPD]の製造)
【0138】
【化14】

【0139】
(2R,4R)−2−イソブチリルオキシメチル−4−(2,6−ジアミノプリン−9−イル)−1,3−ジオキソラン×2−プロパノール(例4参照)31.05gをNH−飽和メタノール310ml中に溶かした。この溶液を25℃で15時間攪拌し、この溶剤を真空中で留去した。残分をエタノール/水から再結晶した。(−)−DAPD17.10g(83%)が無色結晶として得られた。
【0140】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、Rはヒドロキシ保護基を表し、かつ
、R、R10、R11は相互に独立して水素またはアミノ保護基を含有する群から選択される]の化合物を、一般式(2)
【化2】

[式中、Xは脱離基を表す]の化合物と、一般式(5)
【化3】

[式中、R12はシリル基を表す]の2,6−ジアミノプリン誘導体とをルイス酸の存在で反応させることにより製造する方法において、付加的に1,3−ジカルボニル化合物または1,3−ジカルボニル化合物のシリル化誘導体が存在することを特徴とする、一般式(1)の化合物の製法。
【請求項2】
一般式(1)の化合物が一般式(1a)、(1b)、(1c)または(1d)
【化4】

の光学的配置で得られる、請求項1記載の製法。
【請求項3】
がアシル、アルキル、アルコキシアルキル、アリールアルキル、アリールアルコキシアルキルまたはシリルを含有する群から選択される、請求項1または2記載の製法。
【請求項4】
Xがハロゲン、アシルオキシル、アルキルスルホニルオキシル、アリールスルホニルオキシル、アルコキシルまたはアリールオキシルを含有する群から選択される、請求項1から3までのいずれか1項記載の製法。
【請求項5】
ルイス酸としてトリアルキルシリルハロゲン化物またはペルフルオロアルカンスルホン酸トリアルキルシリルエステルを含有する群から選択される化合物を使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の製法。
【請求項6】
1,3−ジカルボニル化合物として、一般式(3)
【化5】

[式中、YおよびZは相互に独立して、水素、炭素原子1〜20個を有するアルキル基、炭素原子6〜20個を有するアリール基または炭素原子1〜20個を有するアルキルオキシ基を表してよく、
およびRは相互に独立して、水素、炭素原子2〜20個を有する芳香族または脂肪族カルボン酸のアシル基、炭素原子1〜20個を有するアルキル基または炭素原子6〜20個を有するアリール基を表わしてよい]の炭素原子5〜20個を有するβ−カルボニルカルボン酸エステル、1,3−ジケトンまたはマロン酸誘導体を使用する、請求項1から5までのいずれか1項記載の製法。
【請求項7】
1,3−ジカルボニル化合物のシリル化誘導体として、一般式(4)
【化6】

[式中、Y、ZおよびRは請求項6に記載の意味を有し、
、RおよびRは相互に独立して、炭素原子1〜20個を有する脂肪族基または芳香族基を表わしてよい]のβ−カルボニルカルボン酸エステル、1,3−ジケトンまたはマロン酸誘導体のシリル誘導体を使用する、請求項1から6までのいずれか1項記載の製法。
【請求項8】
アミノ保護基がアシル基、アシルオキシカルボニル基、アルキル基、アリールアルキル基またはシリル基を含有する群から選択される、請求項1から7までのいずれか1項記載の製法。
【請求項9】
得られた一般式(1)の化合物を、引き続き再結晶することにより精製する、請求項1から8までのいずれか1項記載の製法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項により得られた一般式(1)化合物の、一般式(5)
【化7】

の化合物を製造するための使用。

【公表番号】特表2007−533598(P2007−533598A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521481(P2006−521481)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008197
【国際公開番号】WO2005/012302
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】