説明

PCカードのLED表示方法

【課題】 PCカードスロット位置の異なるノート型パーソナルコンピュータでPCカードを使用しても使用者が発光部の状態認識を混乱せずに把握する。
【解決手段】 LEDのような発光部を備えるPCカードをノート型パーソナルコンピュータに挿入して使用する際、ノート型パーソナルコンピュータのPCカードスロットが右側にあっても左側にあっても使用者からみた発光部の位置状態が同じになるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、ノート型パーソナルコンピュータなどの情報処理装置に用意されているPCカード用スロットに挿入して使用するPCカードで、動作状態に応じて点燈、消灯、点滅を行う少なくとも2つ以上のLEDなどの発光部を備えるPCカードに関するもので、PCカードの挿入方向に応じて発光位置を変更しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のようにプリンタ装置の置き方によって使用者に対し表示方向を変更するもの、あるいは特許文献2のようにノート型パーソナルコンピュータのPCカードスロット側にLEDなどの発光素子を用意しPCカードが挿入されている間はその発光素子を点燈させるといったものが公開されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
ところで、PCカードスロットを備えるノート型パーソナルコンピュータが普及し、用途に応じて個人で複数のノート型パーソナルコンピュータを利用することが多くなってきている。PCカードにはメモリカードや通信カードなどがあり、使用者の用途に応じて、それぞれのノート型パーソナルコンピュータに挿入しノート型パーソナルコンピュータの機能を拡張することができる。
【0004】
つまり複数のノート型パーソナルコンピュータに対し、通信機能用のPCカードが一枚あれば、その通信機能用のPCカードを、それぞれのノート型パーソナルコンピュータに挿入すれば、挿入されたノート型パーソナルコンピュータが通信端末として機能するようになる。
【0005】
例えば、個人で所有するノート型パーソナルコンピュータが、車などで移動することを前提とした比較的大型のサイズのものと鞄などに入れて常に持ち歩ける比較的小型軽量な2台のノート型パーソナルコンピュータで、通信用PCカードは一枚あるとした場合、それぞれのノート型パーソナルコンピュータは、用途に応じてどちらかを一方を持ち出して使用することになる。さて、PCカードスロットが比較的大型サイズのノート型パーソナルコンピュータには使用者からみて左側に用意され、小型軽量のノート型パーソナルコンピュータには使用者からみて右側に用意されて、使用する通信用PCカードには動作状態を示すLEDが2つあり、この2つのLEDで通信状態を使用者に示すものとする。
【0006】
この様子を図5に示しており同図において、例えば100通信用PCカードには101LED1と102LED2の2つのLEDがあり、101LED1が点燈で102LED2が消灯のときは通信可能かどうかの判定を行っている状態、101LED1が消灯で102LED2が点燈の時は通信不可能状態であり使用者は通信可能な場所に移動する必用があることなどを示すものとする。
【0007】
図5を見てわかるように、通信可能かどうかの判定を行っている状態を示す101LED1が点燈で102LED2が消灯のとき、200比較的大きなサイズのノート型パーソナルコンピュータに100通信用PCカードが挿入されている場合と、300比較的小型軽量のノート型パーソナルコンピュータに100通信用PCカードが挿入されている場合では、使用者からみてLED1とLED2の点燈および消灯の位置関係が全く逆になって見える。
【0008】
つまり200比較的大きなサイズのノート型パーソナルコンピュータの場合は使用者からみて手前側のLEDが点燈で奥側のLEDが消灯して見え、300比較的小型軽量のノート型パーソナルコンピュータの場合は使用者からみて手前側のLEDが消灯で奥側のLEDが点燈して見えることになる。
【特許文献1】特開平8-58193号公報
【特許文献2】特開2001-222383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述したように個人で複数のノート型パーソナルコンピュータを使用し、各ノート型パーソナルコンピュータのPCカードスロットの位置が異なるノート型パーソナルコンピュータにPCカードを挿入して使用する場合において、ノート型パーソナルコンピュータごとにLEDの位置状態が異なってしまうと、一般的に使用者はいちいち各LEDの意味を確認しながら状況を判断するわけではなく直感的にLEDの位置関係で状態を把握することが多いので混乱することになる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本提案は上記に鑑み、個人で複数のノート型パーソナルコンピュータを使用し、各ノート型パーソナルコンピュータのPCカードスロットの位置が異なるノート型パーソナルコンピュータにPCカードを挿入して使用する場合においても、ノート型パーソナルコンピュータごとにLEDの位置状態が異なってしまうことの無いように、使用する各ノート型パーソナルコンピュータ内に、PCカードスロットの位置情報ファイルを用意し、PCカードを挿入した際には、PCカードはその情報に応じてLEDの切替を行うように制御することでPCカードのLED表示を制御する。
【発明の効果】
【0011】
以上説明してきたように、本案はPCカードスロットの位置が右側であったり左側であったりしても、挿入した状態でのPCカードのLED表示位置は、常に使用者から見て同じ位置に見えるようになるので、混乱せずにスムーズな運用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
<実施形態1>
以下に図面を参照して、本発明に係る一実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本案のひとつの実施形態を示すブロック図の一例である。100はPCカードを示し、200はPCカードスロットを持つ一般的なノート型パーソナルコンピュータを示し、100PCカードは200ノート型パーソナルコンピュータの210PCカードスロットに挿入してその機能を果たすことを示している。また、図1には本案の説明に必用な各部を示しており、100PCカードは、PCカードの状態を使用者に明示するためのLED駆動部を含む101LED1および102LED2、駆動するLEDを切替える103セレクタ、101LED1を駆動するための制御信号106、102LED2を駆動するための制御信号105、駆動するLEDを切替えるための制御線104、通信機能など100PCカードの機能を満足するための107コントロール部、パーソナルコンピュータとの接続部である108PCインターフェース部を備える。また200ノート型パーソナルコンピュータは、201CPU、202ROM、203RAM、キーボードおよびその制御回路などの204入力部、LCDやCRT及びその制御回路などの205表示部、LANなどの206ネットワーク部、CD-ROM及びその制御回路などの207外部記憶装置、208ハードディスク、209PCカード制御部、210PCカードスロットなどを備えこれは一般的な構成である。
【0014】
100PCカードを200ノート型パーソナルコンピュータで動作させる際には、必ず200ノート型パーソナルコンピュータに対し100PCカード用のソフトウエアを208ハードディスクに対しインストールする必要があるが、本案ではこのインストール作業中に使用者に対しPCカードスロットがどのような位置にあるかを入力するようにしている。即ち図2においてPCカードドライバソフトのインストールの際に、205表示部に使用者に対し現在使用中のノート型パーソナルコンピュータのPCカードスロットは使用者に対し右側にあるのか左側にあるのかを問い合わせる表示を行う(S101)。使用者はそれに対し204入力部から回答を入力する(S102)。この入力情報を208ハードディスクに記憶し(S103)、所定のPCカードドライバソフトウエアのインストールを終了する(S104)。
【0015】
図3はPCカードが挿入されたときの動作をしている。PCカードを挿入すると、最初に208ハードディスクから前述したPCカードスロットがどちらにあるかという情報をPCカードは取得する(S201)。この情報を取得したPCカードの図1の107コントロール部は図1の104切替信号を適宜High状態もしくはLow状態にする(S202)。以降PCカードがノート型パーソナルコンピュータに挿入されている間、104切替信号はその状態を保持している。このように最初のPCカードのソフトウエアをノート型パーソナルコンピュータにインストールする際にPCカードスロットの位置情報をコンピュータ側に記憶させ、以後PCカードはその情報を取得できればよいので、このPCカードを使用するすべてのコンピュータでLEDの切替が動作するようになる。
【0016】
図4は、図1の103セレクタの構成例を示している。ここではLEDは2つであるとして説明している。また図1の信号線の番号と図4の各部の番号は対応しており、104は切替信号線、105はLED2の駆動信号、106はLED1の駆動信号である。さて、ノート型パーソナルコンピュータのPCカードスロットが左側にあった場合PCカードはノート型パーソナルコンピュータに挿入されると、PCカードのコントローラ部はノート型パーソナルコンピュータ内のハードディスクにすでに用意されているこの情報を取得する。
【0017】
そして、PCカードのコントローラ部は例えばPCカードスロットが左側であることを検出した場合104切替信号はHigh出力するようにしておくと、有効になるANDゲートは110と112になり信号線105の状態はLED2の駆動を行うことになり、信号線106の状態はLED1の駆動を行う。
【0018】
もしノート型パーソナルコンピュータのPCカードスロットが右側にあった場合104切替信号はLow出力するようにしておくと、PCカードスロット有効になるANDゲートは111と113になり信号線105の状態はLED1の駆動を行うことになり、信号線106の状態はLED2の駆動を行う。
【0019】
ここではLEDが2個の場合を説明したが同様のセレクタ回路を複数設ければ2つ以上のLEDにも対応できる。あるいはPCカードのコントローラ部を動作させるソフトウエアを、前述のPCカードスロットの位置情報を読み取ることでLEDを切替えるようにプログラムすればセレクタ回路なしでも実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本案ひとつの実施形態を説明するブロック図の一例。
【図2】PCカードドライバソフトのインストール時に本案の位置情報を保持するステップを示すフロー図。
【図3】本案の位置情報をPCカードが読み込むステップを示すフロー図。
【図4】LEDの表示位置を変更するセレクタ部の一例を示す。
【図5】従来の説明をするための図。
【符号の説明】
【0021】
100 PCカード
101 LED1
102 LED2
103 セレクタ部
104 切替信号線
105 LED2駆動線
106 LED1駆動線
107 コントロール部
108 PCインターフェース部
109 NOT回路
110、111、112、113 AND回路
114、115 OR回路
200 ノート型パーソナルコンピュータ
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 入力部
205 表示部
206 ネットワーク部
207 外部記憶装置
208 ハードディスク
209 PCカード制御部
210 PCカードスロット
300 ノート型パーソナルコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノート型パーソナルコンピュータなどの情報処理装置に用意されているPCカード用スロットに挿入して使用するPCカードで、動作状態に応じて点燈、消灯、点滅を行う2つ以上のLEDなどの発光部を備えるPCカードにおいて、
情報処理装置に挿入する方向に応じて、動作状態を示す2つ以上のLEDの点燈、消灯、点滅する発光部の位置を入れ替えることを特徴とするPCカードのLED表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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