説明

PHAブレンド

【課題】ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)成分の有する特性の1以上を増強するブレンド法の提供。
【解決手段】第1のPHAおよび第2のPHAを含むブレンドであって、前記第1のPHAは、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)ホモポリマーであり、前記第2のPHAは、第1のコモノマーおよび第2のコモノマーを有するコポリマーであり、第1のコモノマーは、3−ヒドロキシブチレートであり、前記第2のコモノマーは、3−ヒドロキシオクタノエート、4−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエートまたは3−ヒドロキシドデセノエートであるブレンド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、本願と同日付けで出願された「PHA接着剤組成物(PHA Adhesive Compositions)」と題された米国特許出願[代理人整理番号14074−007001]の一部継続であり、そして2003年2月21日付けで出願された「PHA接着剤組成物(PHA Adhesive Compositions)」と題された米国仮特許出願第60/449,187号の利益を請求する。これらの両出願の内容は全体的に、本明細書に参照により援用される。
【0002】
技術分野
本発明は、2以上のポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を含有するブレンド、ならびに関連する方法および物品に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
多様な製品の製造のための原材料として、ポリマーを使用することができる。ときには、その物理特性が特定のポリマーの最終用途を決定することがある。もう1つの材料とポリマーをブレンドすることによって、ポリマーの1以上の物理特性を変更することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概要
本発明は、2以上のポリヒドロキシアルカノエート(PHA、本明細書ではPHAブレンド成分とも称される)を含有するブレンド、ならびに関連する方法および物品に関する。一般的に、PHAブレンドは、個々のPHAブレンド成分の同一の1以上の特性と関連して増強された1以上の特性(たとえば、屈曲性)を有する。いくつかの実施形態において、ブレンドは等しくない量で存在する2以上のPHAブレンド成分を有し得、そしてブレンドの1以上の特性は、主要なPHAブレンド成分の同一の1以上の特性と関連して増強される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の態様において、本発明は、第1のPHAと、第2のPHAとを有するブレンドを特徴とする。ここでは、第2のPHAは第1のPHAとは異なり、そして第1のPHAとブレンドされる。ブレンド中の第1のPHAの量はブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、そしてブレンドの剛性は第1のPHAの剛性よりも低い。第1のPHAと第2のPHAとをブレンドしてブレンドを成型する時に、このブレンドは少なくとも約5°の変形角度公差を有する。
【0006】
もう1つの態様において、本発明は、第1のPHAと、第2のPHAとを有するブレンドを特徴とする。ここでは、第2のPHAは第1のPHAとは異なり、そして第1のPHAとブレンドされる。ブレンド中の第1のPHAの量はブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、そしてブレンドの剛性は第1のPHAの剛性よりも低い。第1のPHAと第2のPHAとをブレンドしてブレンドを成型する時に、このブレンドは少なくとも約80℃の熱変形抵抗温度を有する。
【0007】
さらなる態様において、本発明は、第1のPHAと、第2のPHAとを有するブレンドを特徴とする。ここでは、第2のPHAは第1のPHAとは異なり、そして第1のPHAとブレンドされる。ブレンド中の第1のPHAの量はブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、そしてブレンドの剛性は第1のPHAの剛性よりも低い。第1のPHAと第2のPHAとをブレンドしてブレンドを成型する時に、このブレンドは少なくとも約5°の変形角度公差および少なくとも約80℃の熱変形抵抗温度を有する。
【0008】
一の態様において、本発明は、第1のPHAと、第2のPHAとを有する接着剤PHAブレンドを特徴とする。ここでは、第2のPHAは第1のPHAとは異なり、そして第1のPHAとブレンドされる。ブレンド中の第1のPHAの量はブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、そしてブレンドの剛性は第1のPHAの剛性未満である。この接着剤ブレンドは、多くとも約15秒の表面タックタイム値を有する。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、この接着剤ブレンドは表面またはそれ自体と、少なくとも約10N/mの剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0009】
もう1つの態様において、本発明は、第1のPHAと、第2のPHAとを有するPHAブレンドを特徴とする。第2のPHAは第1のPHAとは異なり、そしてそれぞれのコモノマーが互いに異なる少なくとも3つのコモノマーを有するコポリマーである。ブレンド中の第1のPHAの量はブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、そしてブレンドの剛性は第1のPHAの剛性よりも低い。第1のPHAと第2のPHAとをブレンドしてブレンドを成型する時に、このブレンドは少なくとも約5°の変形角度公差を有する。
【0010】
もう1つの態様において、本発明は、第1のPHAと、第2のPHAとを有するPHAブレンドを特徴とする。第2のPHAは第1のPHAとは異なり、そしてそれぞれのコモノマーが互いに異なる少なくとも3つのコモノマーを有するコポリマーである。ブレンド中の第1のPHAの量はブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、そしてブレンドの剛性は第1のPHAの剛性よりも低い。第1のPHAと第2のPHAとをブレンドしてブレンドを成型する時に、このブレンドは少なくとも約80℃の熱変形抵抗温度を有する。
【0011】
もう1つの態様において、本発明は、第1のPHAと、第2のPHAとを有する接着剤PHAブレンドを特徴とする。第2のPHAは第1のPHAとは異なり、そしてそれぞれのコモノマーが互いに異なる少なくとも3つのコモノマーを有するコポリマーである。ブレンド中の第1のPHAの量はブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、そしてブレンドの剛性は第1のPHAの剛性よりも低い。この接着剤ブレンドは、多くとも約15秒の表面タックタイム値を有する。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、この接着剤ブレンドは表面またはそれ自体と、少なくとも約10N/mの剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0012】
実施形態として、1以上の以下の特徴を挙げることができる。
【0013】
ブレンドは、多くとも約250MPaの剛性を有し得る。
【0014】
ブレンドは、少なくとも約15°、少なくとも約30°、少なくとも約60°、少なくとも約90°、少なくとも約120°または少なくとも約150°の変形角度公差を有し得る。
【0015】
第1のPHAおよび第2のPHAは、両方ともホモポリマーであり得る。
【0016】
第1のPHAは、ホモポリマー(たとえば、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸)であり得る。第2のPHAは、第1のコモノマー(たとえば、3−ヒドロキシブチレート)と、第2のコモノマー(たとえば、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシプロピオネート、3−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシヘプタノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシノナオエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエート、3−ヒドロキシドデセノエート、3−ヒドロキシテトラデカノエート、3−ヒドロキシヘキサデカノエート、3−ヒドロキシオクタデカノエート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレートおよび6−ヒドロキシヘキサノエート)とを有するコポリマーであり得る。第1のコモノマーは、第2のコモノマーとは異なる。
【0017】
第1のPHAは、コモノマー1−Aとコモノマー1−Bとを有するコポリマーであり得、そして第2のPHAは、コモノマー2−Aとコモノマー2−Bとを有するコポリマーであり得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、コモノマー1−Aおよびコモノマー2−Aは同一コモノマーであり得(たとえば、双方が3−ヒドロキシブチレートである)、そしてコモノマー1−Bおよびコモノマー2−Bは互いに異なり、そしてコモノマー1−Aおよびコモノマー2−Aとは異なる。第1のPHAコポリマーは、多くとも約99重量%のコモノマー1−B、多くとも約50重量%のコモノマー1−B、多くとも約15重量%のコモノマー1−B、多くとも約7重量%のコモノマー1−B、多くとも約1重量%のコモノマー1−Bを含有してよい。第2のPHAコポリマーは、多くとも約99重量%のコモノマー2−B、多くとも約50重量%のコモノマー2−B、多くとも約35重量%のコモノマー2−B、多くとも約15重量%のコモノマー2−B、多くとも約5重量%のコモノマー2−Bを含有してよい。いくつかの実施形態において、コモノマー1−Bおよびコモノマー2−Bは、3−ヒドロキシバレレート、4−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシヘキサノエートまたは3−ヒドロキシオクタノエートのいずれか1つであり得る。
【0019】
他の実施形態において、第1のPHAコポリマーおよび第2のPHAコポリマーは同一コポリマーであり得、ここでは、コモノマー1−A:コモノマー1−Bの比率は、コモノマー2−A:コモノマー2−Bの比率とは異なる。コモノマー1−Aおよびコモノマー2−Aは、双方とも3−ヒドロキシブチレートであり得る。コモノマー1−Bおよびコモノマー2−Bは、双方とも3−ヒドロキシプロピオネート、4−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシヘキサノエートまたは3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシプロピオネート、6−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエートまたは3−ヒドロキシドデセノエートであり得る。
【0020】
第1のPHAはホモポリマーであり得、そして第2のPHAは、それぞれのコモノマーが互いに異なる少なくとも3つのコモノマーを有するコポリマーであり得る。第1のPHAはポリ(3−ヒドロキシ酪酸)であり得、そして第2のPHAはポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)またはポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート−コ−3−ヒドロキシオクタノエート−コ−3−ヒドロキシデカノエート−コ−3−ヒドロキシドデカノエート−コ−3−ヒドロキシドデセノエート)であり得る。
【0021】
ブレンドは、少なくとも約90重量%の第1のPHA、少なくとも約70重量%の第1のPHA、少なくとも約51重量%の第1のPHAと、多くとも約49重量%の第2のPHA、多くとも約30重量%の第2のPHA、多くとも約10重量%の第2のPHAとを含有してよい。
【0022】
第1のPHAは第1の分子量を有し得、そして第2のPHAは第2の分子量を有し得る。ここでは、第1の分子量は、約10,000ダルトン〜約1,600,000ダルトンであり得、そして第2の分子量は、約10,000ダルトン〜約1,600,000ダルトンであり得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、第1の分子量は、約200,000ダルトン〜約650,000ダルトンであり得、そして第2の分子量は、約200,000ダルトン〜約650,000ダルトンであり得る。
【0024】
他の実施形態において、1つのPHAは多くとも約200,000ダルトンの分子量を有し得、そして、他のPHAは多くとも約1,000,000ダルトンの分子量を有し得る。
【0025】
なお他の実施形態において、第1の分子量および第2の分子量は、多くとも約750,000ダルトンであり得る。
【0026】
いくつかの実施形態において、1つのPHAは、他のPHAの分子量よりも約10倍大きい分子量、他のPHAの分子量よりも約6倍大きい分子量、他のPHAの分子量よりも約3倍大きい分子量、他のPHAの分子量とほぼ同じ分子量を有し得る。
【0027】
第1のPHAは第1のガラス転移温度を有し得、そして第2のPHAは第2のガラス転移温度を有し得、ここでは、第1のガラス転移温度と第2のガラス転移温度との間の差異が、少なくとも約1℃、少なくとも約5℃、少なくとも約40℃、少なくとも約60℃、少なくとも約70℃、少なくとも約80℃、少なくとも約90℃、少なくとも約100℃、少なくとも約105℃、少なくとも約110℃、少なくとも約120℃である。
【0028】
第1のPHAは第1の融解温度を有し得、そして第2のPHAは第2の融解温度を有し得、ここでは、第1の融解温度と第2の融解温度との間の差異が、少なくとも約10℃、または少なくとも約50℃である。
【0029】
第1のPHAは第1のハンセン溶解パラメーター(Hansen solubility parameter)を有し得、そして第2のPHAは第2のハンセン溶解パラメーターを有し得、ここでは、第1のハンセン溶解パラメーターと第2のハンセン溶解パラメーターとの間の差異が、少なくとも約0.02J/モル、少なくとも約0.04J/モル、少なくとも約0.05J/モル、少なくとも約0.10J/モルである。
【0030】
ブレンドは、混和性ブレンドであり得る。
【0031】
ブレンドは、非混和性ブレンドであり得る。
【0032】
ブレンドは、部分的混和性ブレンドであり得る。
【0033】
ブレンドは、少なくとも約85℃、少なくとも約90℃、少なくとも約100℃、少なくとも約120℃の熱変形抵抗温度を有し得る。
【0034】
第1のPHAコポリマーは第1のガラス転移温度、第1の融解温度および第1のハンセン溶解パラメーターを有し得、そして第2のPHAコポリマーは第2のガラス転移温度、第2の融解温度および第2のハンセン溶解パラメーターを有し得る。
【0035】
いくつかの実施形態において、第1のガラス転移温度および第1の融解温度の双方は、第2のガラス転移温度および第2の融解温度よりも高く、より正数である。
【0036】
他の実施形態において、ブレンドは、単一のガラス転移温度および単一の融解温度を有し得る。
【0037】
なお、他の実施形態において、ブレンドのガラス転移温度は第2のガラス転移温度と実質的に同じであり、そしてブレンドの融解温度は第1の融解温度と実質的に同じである。
【0038】
第1のハンセン溶解パラメーターと第2のハンセン溶解パラメーターとの間の差異は、多くとも約0.04J/モルまたは少なくとも約0.05J/モルであり得る。
【0039】
PHAブレンドは、コモノマー2−Aとコモノマー2−Bとを有する第2のPHAコポリマーとブレンドされた、コモノマー1−Aとコモノマー1−Bとを有する第1のPHAコポリマーを有し得る。いくつかの実施形態において、第1のPHAコポリマーは第1のハンセン溶解パラメーターを有し得、そして第2のPHAコポリマーは第2のハンセン溶解パラメーターを有し得、ここでは、第1のハンセン溶解パラメーターと第2のハンセン溶解パラメーターとの間の差異が、少なくとも約0.02J/モルである。いくつかの実施形態において、第1のPHAコポリマーは多くとも約15重量%のコモノマー1−Bを含有し、そして第2のPHAコポリマーは多くとも約50%のコモノマー2−Bを含有する。いくつかの実施形態において、1つのPHAコポリマーは多くとも約200,000ダルトンの分子量を有し得、そして他のPHAコポリマーは多くとも約1,000,000ダルトンの分子量を有し得る。
【0040】
ブレンドは、デンプン、熱可塑性デンプン、ポリブチレンスクシネート、合成生分解性樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸セルロース材料、植物繊維またはポリオレフィンから選択される添加剤をさらに含み得る。
【0041】
ブレンドは、たとえば、多くとも約15秒の表面タックタイムを有し得る。
【0042】
ブレンドは、たとえば、少なくとも約10分のオープンタイムを有し得る。
【0043】
組成物は、1以上の溶媒をさらに含み得る。
【0044】
組成物は、1以上の接着剤添加剤(たとえば、1以上の粘着付与剤、架橋剤、開始剤、着色剤、ワックス、安定剤および/または可塑剤)を含んでもよい。
【0045】
圧力は、たとえば、多くとも約50psigであり得る。
【0046】
剥離結合強度は、たとえば、少なくとも約100N/mであり得る。
【0047】
もう1つの態様において、本発明は、第1のPHAと第2のPHAとを含有するPHAブレンドを特徴とする。ここでは、第1のPHAは、式(I):
【化1】


のモノマー繰り返し単位を有するホモポリマー、または式(II)および式(III):
【化2】


(式中、RはR1’とは異なり、そして/またはmはnとは異なる)のモノマー繰り返し単位を有するコポリマーであり得、そして第2のPHAは、式(IV):
【化3】


のモノマー繰り返し単位を有するホモポリマー、または式(V)および式(VI):
【化4】


(式中、RはR2’とは異なり、そして/またはqはpとは異なる)のモノマー繰り返し単位を有するコポリマーであり得る。ここでは、R1h、R、R1’、R2h、RおよびR2’のそれぞれは、HまたはC〜Cアルキルであり、そしてm、m、n、p、pおよびqは、1、2または3である。特定の実施形態において、RがCHであり、R2’がCHCHであり、そしてpおよびqが1である場合、(a)R1hおよびmが、それぞれ同時にCHおよび1となることは不可能である。いくつかの実施形態において、mおよびpが両方とも1である場合、R1hおよびR2hが両方ともCHとなることは不可能である。
【0048】
第1のPHAはホモポリマーであり得る。
1hはC〜Cアルキルであり得、そしてmは1であり得る。
1hはCHであり得る。
第2のPHAは、ホモポリマーまたはコポリマーであり得る。
はC〜Cアルキルであり得、そしてR2’はC〜Cアルキルであり得る。
はC〜Cアルキルであり得、そしてR2’はHであり得る。
pは1であり得、そしてqは2であり得る。
はCHであり得る。
コポリマーは、多くとも約50%の式(VI)のモノマー繰り返し単位を含有してよい。
第1のPHAおよび第2のPHAは、両方ともコポリマーであり得る。
はC〜Cアルキルであり得、そしてR1’はC〜Cアルキルであり得る。
pおよびqは両方とも1であり得る。
はCHであり得、そしてR1’はCHCH、CHCHCHまたはCHCHCHCHCHであり得る。
はC〜Cアルキルであり得、そしてR1’はHであり得る。
pは1であり得、そしてqは2であり得る。
はCHであり得る。
およびR1’は両方ともHであり得る。
コポリマーは、多くとも約15%の式(III)のモノマー繰り返し単位を含有してよい。
はC〜Cアルキルであり得、そしてR2’はC〜Cアルキルであり得る。
pおよびqは両方とも1であり得る。
はCHであり得、そしてR2’はCHCH、CHCHCHまたはCHCHCHCHCHであり得る。
はC〜Cアルキルであり得、そしてR2’はHであり得る。
pは1であり得、そしてqは2であり得る。
はCHであり得る。
およびR2’は両方ともHであり得る。
コポリマーは、多くとも約50%の式(VI)のモノマー繰り返し単位を含有してよい。
第1のPHAコポリマーおよび第2のPHAコポリマーは同一であり得る。
他の実施形態として、上記された特徴のいずれかを挙げてよい。
【0049】
一の態様において、本発明は、本明細書に記載のPHAブレンドのいずれか1以上を少なくとも約1重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約99重量%含有する物品を特徴とする。
【0050】
もう1つの態様において、本発明は、PHAブレンドを設計する方法を特徴とする。この方法は、PHAブレンド成分のハンセン溶解パラメーターを基準として2以上のPHAブレンド成分を選択する工程を含む。
【0051】
さらなる態様において、本発明は、PHAブレンドの調製方法を特徴とする。この方法は、第1のPHAと第2のPHAとをブレンドする工程を含む。いくつかの実施形態において、第1のPHAと第2のPHAとを溶媒ブレンドする。いくつかの実施形態において、第1のPHAと第2のPHAとを乳化ブレンドする。いくつかの実施形態において、第1のPHAと第2のPHAとを融解ブレンドする。
【0052】
一の態様において、本発明は、表面を有する基材と、第1のPHAおよび第2のPHAを含有する接着剤ブレンドとを含む物品を特徴とする。ここでは、第2のPHAは第1のPHAとは異なり、そして第1のPHAとブレンドされる。ブレンド中の第1のPHAの量はブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、そしてブレンドの剛性は第1のPHAの剛性よりも低い。ブレンドは、基材の表面によって支持される。ブレンドは、多くとも約15秒の表面タックタイム値を有し、そして多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、このブレンドは第2の基材の表面と、少なくとも約10N/mの剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0053】
もう1つの態様において、本発明は、表面を有する基材と、第1のPHAおよび第2のPHAを含有する接着剤ブレンドとを含む物品を特徴とする。ここでは、第2のPHAは第1のPHAとは異なり、そして第1のPHAとブレンドされる。ブレンド中の第1のPHAの量はブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、そしてブレンドの剛性は第1のPHAの剛性よりも低い。ブレンドは、基材の表面によって支持される。ブレンドは、多くとも約15秒の表面タックタイム値を有し、そしてブレンドは少なくとも約70分のオープンタイムを有する。
【0054】
さらなる態様において、本発明は、ブレンドを物品の表面に接触させる工程と、ブレンドを加工して層を形成する工程とを含む方法を特徴とする。この層は、多くとも約15秒の表面タックタイム値を有し、そして多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、この層は、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る。ブレンドは、第1のPHAおよび第2のPHAを含有し、ここでは、第2のPHAは第1のPHAとは異なり、そして第1のPHAとブレンドされる。
【0055】
一の態様において、本発明は、少なくとも2つの表面間でPHAブレンド(このブレンドは、第1のPHAと第2のPHAとを有し、ここでは、第2のPHAは第1のPHAとは異なり、そして第1のPHAとブレンドされ、そしてブレンド中の第1のPHAの量はブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、そしてブレンドの剛性は第1のPHAの剛性よりも低い)をプレスして、プレス加工PHAを形成する工程と、表面を分離して、プレス加工PHAを暴露する工程とを含む方法を特徴とする。このプレス加工PHAは、多くとも約15秒の表面タックタイム値を有する。多くとも約100psigの圧力に暴露された時に、このプレス加工PHAは表面と、少なくとも約10N/mの剥離結合強度を有する結合を形成し得る。
【0056】
実施形態は、以下の利点の1以上を有し得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、相対的に硬質で高融点のPHAを、相対的に屈曲性で低融点のPHAとブレンドして、相対的に高融点で屈曲性のPHAブレンドを提供することができる。
【0058】
特定の実施形態において、ブレンドは一方で成型または成形が容易に受け入れられる(たとえば、スターラー、スプーン)が、相対的に高温の物質(たとえば、コーヒー、ベークドポテト)に暴露された時に、なおそれらの形状完全性を維持することが可能である。
【0059】
いくつかの実施形態において、たとえば、食品産業用物品、例えば、成型器具、食品貯蔵用トレイ、食品用ラップ、カップ用コーテッドペーパー、ファーストフードサンドイッチ用の紙およびラップ、射出成型カップ、ブロー成型ボトルの製造のために、PHAブレンドは有用であり得る。いくつかの実施形態において、たとえば、射出成型、シート押出、共押出フィルム、ブローンフィルム、キャストフィルム、押出繊維、ブローン繊維、スパンボンド繊維、水流交絡繊維、ブローンフォーム、キャストフィルム、サーモフォーミングまたは回転成型変換プロセスによって、これらの物品を製造することができる。
【0060】
いくつかの実施形態において、たとえば、消費者製品産業用物品、たとえば、繊維、不織物、おむつ、女性用衛生用品、ウェットワイプの製造のために、または医療用ガウンおよびドレープのような医療用途のために、PHAブレンドは有用であり得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、たとえば、自動車産業用物品、たとえば、繊維、不織物、カーペット、マット、防音および成型部品の製造のために、PHAブレンドは有用であり得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、たとえば、包装産業、例えば、フィルム、コーテッドペーパー、ラミネート、テープ、接着剤ボトルおよび容器のために、PHAブレンドは有用であり得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、PHAブレンドは、核化剤、可塑剤、スリップ剤、充填剤、熱安定剤等を含む他の材料を含有し得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、たとえば、熱可塑性スターチ、ポリグリコール酸ポリマー、ポリビニルアルコールポリマー、ポリ乳酸ポリマーまたは合成生分解性ポリマーを含む他の材料とブレンドするために、PHAブレンドは有用であり得る。
【0065】
特定の実施形態において、個々のブレンド成分の分子量は、一般的に10ダルトンより多く、このため、ブレンドが液体または固体接触媒体中に抽出する可能性を低くすることができる。
【0066】
特定の実施形態において、PHAブレンドは良好な接着特性を有し得る。いくつかの実施形態において、PHAブレンドは、相対的に粘着性である接着剤組成物、例えば、感圧接着剤であり得る。いくつかの用途において、相対的に軽い圧力を使用して、PHAブレンド接着剤組成物によってコートされた表面を、第2のコートされていない表面と接触させて、2つの表面間に接着結合を形成することができる。
【0067】
他の実施形態において、PHAブレンドは、相対的に非粘着性である接着剤組成物、たとえば、コンタクト接着剤組成物またはホットメルト接着剤であり得る。いくつかの用途において、相対的に軽い圧力を使用して、PHAブレンドコンタクト接着剤組成物によってコートされた表面を、第2のコートされた、またはコートされていない表面と接触させて、2つの表面間に接着結合を形成することができる。適切な温度および/または圧力条件下で表面を接触させた時に、表面間に接着結合を形成することができる。
【0068】
本発明の他の特徴および利点は、明細書および特許請求の範囲から明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0069】
詳細な説明
本発明は、2以上のポリヒドロキシアルカノエート(PHA、本明細書ではPHAブレンド成分とも称される)を含有するブレンド、並びに関連する方法および物品に関する。
【0070】
特定の実施形態において、PHAブレンドは相対的に高い屈曲性を有し得る。たとえば、いくつかの実施形態において、物品(たとえば、シート、フィルム、ストリップ)へと成型され、そして物品の2つの端部が近くに集まるように曲げられた時に、PHAブレンドは相対的に高い変形角度公差を有し得る。特定の実施形態において、変形角度公差は、少なくとも約1°(たとえば、少なくとも約5°、少なくとも約10°、少なくとも約15°、少なくとも約20°、少なくとも約25°、少なくとも約30°、少なくとも約40°、少なくとも約50°、少なくとも約60°、少なくとも約70°、少なくとも約80°、少なくとも約85°、少なくとも約90°、少なくとも約95°、少なくとも約100°、少なくとも約110°、少なくとも約115°、少なくとも約120°、少なくとも約125°、少なくとも約130°、少なくとも約140°、少なくとも約150°)である。
【0071】
本明細書において使用される場合、以下の通りにPHAブレンドの変形角度公差を決定する。PHAブレンド成分を、ブラベンダー(Brabender)単一押出機または二軸スクリュー押出機、あるいは他の融解加工装置においてブレンドする。加工条件としては、5分未満の時間で、(示差走査熱量計、DSCによって決定される)最低融点のPHAのピーク融解温度と200℃との間である温度措置にブレンドを暴露することが挙げられる。本明細書では、最低融点のPHAのピーク融解温度をTm(PHAα)と称する。いくつかの実施形態において、温度プロフィールは、供給ゾーン:170℃とTm(PHAα)+30℃との間(ここで、Tm(PHAα)は140℃未満である);ゾーン1:165℃とTm(PHAα)+25℃との間;ゾーン2:160℃とTm(PHAα)+20℃との間;ゾーン3:160℃とTm(PHAα)+20℃との間;ダイ:160℃とTm(PHAα)+10℃との間である。融解されたPHAブレンドをストランドとして押出し、そして10℃と80℃との間の温度で水浴中を通して、ペレットへとカットされる前または水中ペレット化の前に結晶化する。ペレットを乾燥させて残留水分を除去し、次いで圧縮成型、射出成型またはシート押出によってシートまたはバーへと変換する。圧縮成型に関して、200℃と、最低融点のPHAのDSCピーク融解温度(本明細書では、Tm(PHAβ)と称する)+10℃との間の温度を使用する。特定の実施形態において、160℃〜110℃の圧縮成型温度が、容認できるポリマー流量をもたらすことがわかっている。0.1mmと0.5mmとの厚さのフィルム試料上でPHAブレンドの屈曲性を測定する。変形角度公差の試験片(幅2.54cmおよび長さ15cm)を、成型するか、またはより長いフィルム試料からカットする。試験片を水平表面上に置き、そして試験片の長さの半分を静止した状態に保持しながら、試験片の長さのもう半分を表面から持ち上げることによって、試験片を室温で曲げる。試験片の持ち上げられた半分と水平表面との間に形成された角度が、変形角度である。分度器を使用して、この角度を直接的に測定する。変形角度公差とは、試験片が破壊することなく形成され得る最大角度を指す。
【0072】
特定の実施形態において、PHAブレンドは、相対的に高い温度に暴露された時に、形状完全性の損失に対して相対的に抵抗し得る。たとえば、いくつかの実施形態において、PHAブレンドを物品(例えば、シート、フィルム、ストリップ)へと成型し、加熱飲料、たとえば、コーヒーをシュミレートする液体または固体媒体、あるいは加熱食料品、例えばベークドポテトに特定の時間で浸し、そして曲げを受けさせた時に、PHAブレンドは相対的に高い熱変形抵抗温度を有し得る。特定の実施形態において、熱変形抵抗温度は、少なくとも約80℃(たとえば、少なくとも約85℃、少なくとも約90℃、少なくとも約100℃、少なくとも約105℃、少なくとも約110℃、少なくとも約120℃)である。
【0073】
本明細書で使用される場合、以下の通りに熱変形抵抗温度を決定する。試験片の長さが7.5cmであり、そして試験片の厚さを1mmと2mmとの間まで増加させたことを除き、変形角度公差試験片に関して記載された通りに熱抵抗温度試験片を調製する。あるいは、組み立て成型品、たとえば、射出成型ナイフ、フォーク、スプーンまたは成型カップを評価に使用してもよい。85℃で5分間、試験片を不活性液体中に完全に浸す(80℃と120℃との間のいずれかの試験温度で、試験片を不活性液体中に浸すこともできる)。この液体は、PHAを溶解せず、PHAと反応せず、またはPHAのための可塑剤であってはならない。次いで、試験片を液体から除去し、そして周囲条件下で試験片の一端から5cmの地点で水平位置に保持する。熱変形抵抗温度は、試験片の端部が水平位置から3mmより多く歪まない温度である。
【0074】
特定の実施形態において、本明細書に記載のPHAブレンドは、相対的に高い屈曲性および相対的に高い使用温度を有してよい。他の実施形態において、PHAブレンドは、他の有用な特性、たとえば、生分解性速度の増加と組み合わせて、相対的に高い屈曲性および/または相対的に高い使用温度を有してよい。
【0075】
特定の実施形態において、本明細書に記載のPHAブレンドは、相対的に低い剛性を有してよい。いくつかの実施形態において、PHAブレンドは、等しくない量で存在する2以上のPHAブレンド成分を有し得、そしてブレンドの剛性は、主要なPHAブレンド成分の剛性よりも低い。特定の実施形態において、PHAブレンドは、多くとも約250MPa(たとえば、多くとも約225MPa、多くとも約200MPa、多くとも約175MPa、多くとも約150MPa)の剛性を有し得る。
【0076】
本明細書に記載のPHAブレンドの剛性を評価するために、「二軸引裂き試験(biaxial tear test)」を使用することができる。この試験は、そのより長い辺縁に沿って幅3インチ×長さ0.5インチのストリップのフィルムの引張荷重を含み、鋭利なカミソリ刃を使用して試験片の中心に長さ1インチのプレカットを配置した後、インストロン(Instron)の汎用試験機器をシングする(sing)。前から存在するカットの先端で適用される負荷のモードは、開裂モード、またはモデルIとしても既知である引張−オープニングモードである。引抜き時にフィルムが経験する負荷をロードセルで記録して、材料の負荷−置換曲線特性を構成する。上記実験による曲線から、剛性の測定を得ることが可能である。
【0077】
特定の実施形態において、PHAブレンド接着剤組成物は、相対的に低い表面タックを有し得る。たとえば、いくつかの実施形態において、PHAブレンド接着剤組成物は、2つの表面間に接着結合を形成させるために使用される前に、触れるほど実質的に非粘着性であり得る。特定の実施形態において、PHAブレンド接着剤組成物は、2つの表面間に接着結合を形成させるために使用される前に、多くとも約15秒(たとえば、多くとも約12秒、多くとも約10秒、多くとも約9秒、多くとも約8秒、多くとも約7秒、多くとも約6秒、多くとも約5秒、多くとも約4秒、多くとも約3秒、多くとも約2秒、多くとも約1秒、多くとも0.5秒、多くとも0.1秒、0秒)の表面タックタイム値を有し得る。
【0078】
本明細書で言及される場合、PHAブレンド接着剤組成物の表面タックタイム値は、以下の通り決定される。13.85グラム(g)の質量を有する外径38.17ミリメートル(mm)および内径13.41ミリメートル(mm)の亜鉛めっき鋼洗浄機を、水平移動された、PHA接着剤組成物によってコートされた表面上に置く。次いで、物体上の引力と、物体上の組成物の接着力とが互いに反対するように、表面を反転させる。物体が表面から落下するために必要とされる時間が、PHAブレンド接着剤組成物の表面タックタイム値である。一般的に、より低い表面タックを有するPHAブレンド接着剤組成物は、より高い表面タックを有するPHAブレンド接着剤組成物よりも短い表面タックタイム値を有する。
【0079】
いくつかの実施形態において、PHAブレンド組成物は、相対的に低い積層化圧力に暴露された時に、2つの表面間に相対的に強力な結合を形成し得る。たとえば、特定の実施形態において、多くとも約100ポンド/平方インチゲージ(psig)(たとえば、多くとも約90psig、多くとも約80psig、多くとも約70psig、多くとも約60psig、多くとも約50psig、多くとも約40psig、多くとも約30psig、多くとも約20psig、多くとも約15psig、多くとも約10psig、多くとも約5psig、多くとも約1psig)の積層化圧力にPHAブレンド接着剤組成物が暴露された時に、少なくとも約10ニュートン/平方メートル(N/m)(たとえば、少なくとも約50N/m、少なくとも約100N/m、少なくとも約250N/m、少なくとも約500N/m、少なくとも約1000N/m)の剥離結合強度によって、PHAブレンド接着剤組成物は2つの表面間に接着結合を形成し得る。
【0080】
本明細書で使用される場合、積層化圧力は、組成物が両表面と接触する時に組成物に適用される圧力を指す。
【0081】
本明細書で言及される場合、インストロン(Instron)引張試験機に結合表面を配置し、そして90度の剥離角度および25ミリメートル/分のクロスヘッド速度を使用して表面を分離するために必要とされる力を評価することによって、ASTM 1995−92試験法に従って、2つの表面間の結合の剥離結合強度が決定される。
【0082】
いくつかの実施形態において、PHAブレンド接着剤組成物は、相対的に長いオープンタイムを有し得る。例えば、特定の実施形態において、PHAブレンド接着剤組成物は、少なくとも約10分(たとえば、少なくとも約50分、少なくとも約70分、少なくとも約100分、少なくとも約200分、少なくとも約3時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約24時間、少なくとも約48時間、少なくとも約96時間、少なくとも約120時間)のオープンタイムを有し得る。本明細書で使用される場合、PHAブレンド接着剤組成物のオープンタイムとは、PHAブレンド接着剤組成物が、接着結合を形成させるために使用される前に周囲環境条件(たとえば、周囲温度、圧力、湿度)に暴露され得る時間の最大量を指す。いくつかの実施形態において、オープンタイムとは一般的に、PHAブレンド接着剤組成物が非接着剤組成物になる前のPHAブレンド接着剤組成物の上限の許容暴露および/または貯蔵時間である。特定の実施形態において、組成物が多くとも約100psigの積層化圧力に暴露された時に、PHAブレンド接着剤組成物が、少なくとも約10N/mの剥離結合強度によって2つの表面間で接着結合を形成できない場合、オープンタイムを超える。
【0083】
所望の接着剤特性を有するPHA組成物については、たとえば、2003年2月21日付けで出願された「PHA接着剤組成物(PHA Adhesive Compositions)」と題された米国特許出願第60/449,187号明細書に開示されている。これは、本明細書に参照により援用される。
【0084】
一般的に、ブレンドは、いずれかの数の異なるPHAブレンド成分(たとえば、2つの異なるPHA、3つの異なるPHA、4つの異なるPHA、5つの異なるPHA、6つの異なるPHA)を含有してよい。
【0085】
いくつかの実施形態において、ブレンドは2つのPHA成分、たとえば、PHA(1)およびPHA(2)を有してよく、多くとも約1重量%のPHA(1)(たとえば、多くとも約3重量%のPHA(1)、多くとも約5重量%のPHA(1)、多くとも約10重量%のPHA(1)、多くとも約15重量%のPHA(1)、多くとも約20重量%のPHA(1)、多くとも約25重量%のPHA(1)、多くとも約30重量%のPHA(1)、多くとも約35重量%のPHA(1)、多くとも約40重量%のPHA(1)、多くとも約45重量%のPHA(1)、多くとも約50重量%のPHA(1)、多くとも約55重量%のPHA(1)、多くとも約60重量%のPHA(1)、多くとも約65重量%のPHA(1)、多くとも約70重量%のPHA(1)、多くとも約75重量%のPHA(1)、多くとも約80重量%のPHA(1)、多くとも約85重量%のPHA(1)、多くとも約90重量%のPHA(1)、多くとも約95重量%のPHA(1)、多くとも約99重量%のPHA(1))、および多くとも約1重量%のPHA(2)(例えば、多くとも約3重量%のPHA(2)、多くとも約5重量%のPHA(2)、多くとも約10重量%のPHA(2)、多くとも約15重量%のPHA(2)、多くとも約20重量%のPHA(2)、多くとも約25重量%のPHA(2)、多くとも約30重量%のPHA(2)、多くとも約35重量%のPHA(2)、多くとも約40重量%のPHA(2)、多くとも約45重量%のPHA(2)、多くとも約50重量%のPHA(2)、多くとも約55重量%のPHA(2)、多くとも約60重量%のPHA(2)、多くとも約65重量%のPHA(2)、多くとも約70重量%のPHA(2)、多くとも約75重量%のPHA(2)、多くとも約80重量%のPHA(2)、多くとも約85重量%のPHA(2)、多くとも約90重量%のPHA(2)、多くとも約95重量%のPHA(2)、多くとも約97重量%のPHA(2)、多くとも約99重量%のPHA(2))を有する。
【0086】
いくつかの実施形態において、ブレンドは3つのPHA成分、例えば、PHA(1)、PHA(2)およびPHA(3)を有してよく、多くとも約1重量%のPHA(1)(例えば、多くとも約3重量%のPHA(1)、多くとも約5重量%のPHA(1)、多くとも約10重量%のPHA(1)、多くとも約15重量%のPHA(1)、多くとも約20重量%のPHA(1)、多くとも約25重量%のPHA(1)、多くとも約30重量%のPHA(1)、多くとも約31重量%のPHA(1)、多くとも約32重量%のPHA(1)、多くとも約33重量%のPHA(1)、多くとも約34重量%のPHA(1)、多くとも約35重量%のPHA(1)、多くとも約36重量%のPHA(1)、多くとも約37重量%のPHA(1)、多くとも約38重量%のPHA(1)、多くとも約39重量%のPHA(1)、多くとも約40重量%のPHA(1))を有し、多くとも約1重量%のPHA(2)(たとえば、多くとも約3重量%のPHA(2)、多くとも約5重量%のPHA(2)、多くとも約10重量%のPHA(2)、多くとも約15重量%のPHA(2)、多くとも約20重量%のPHA(2)、多くとも約25重量%のPHA(2)、多くとも約30重量%のPHA(2)、多くとも約31重量%のPHA(2)、多くとも約32重量%のPHA(2)、多くとも約33重量%のPHA(2)、多くとも約34重量%のPHA(2)、多くとも約35重量%のPHA(2)、多くとも約36重量%のPHA(2)、多くとも約37重量%のPHA(2)、多くとも約38重量%のPHA(2)、多くとも約39重量%のPHA(2)、多くとも約40重量%のPHA(2))を有し、そして多くとも約1重量%のPHA(3)(たとえば、多くとも約3重量%のPHA(3)、多くとも約5重量%のPHA(3)、多くとも約10重量%のPHA(3)、多くとも約15重量%のPHA(3)、多くとも約20重量%のPHA(3)、多くとも約25重量%のPHA(3)、多くとも約30重量%のPHA(3)、多くとも約35重量%のPHA(3)、多くとも約40重量%のPHA(3)、多くとも約45重量%のPHA(3)、多くとも約50重量%のPHA(3)、多くとも約55重量%のPHA(3)、多くとも約60重量%のPHA(3)、多くとも約65重量%のPHA(3)、多くとも約70重量%のPHA(3)、多くとも約75重量%のPHA(3)、多くとも約80重量%のPHA(3)、多くとも約85重量%のPHA(3)、多くとも約90重量%のPHA(3))を有する。
【0087】
いくつかの実施形態において、PHAブレンドは、少なくとも約51重量%のPHA(1)(少なくとも約55重量%のPHA(1)、少なくとも約60重量%のPHA(1)、少なくとも約70重量%のPHA(1)、少なくとも約80重量%のPHA(1)、少なくとも約90重量%のPHA(1)、少なくとも約95重量%のPHA(1))、および多くとも約49重量%(多くとも約45重量%、多くとも約40重量%、多くとも約30重量%、多くとも約20重量%、多くとも約10重量%、多くとも約5重量%)の1以上の他のPHAブレンド成分(PHA(2)、PHA(3)等)を有してよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、それぞれのPHAブレンド成分は、少なくとも約10,000ダルトン、および多くとも約100,000ダルトン〜約2,000,000ダルトン(例えば、約100,000ダルトン〜約1,000,000ダルトン、約150,000ダルトン〜約800,000ダルトン、約175,000ダルトン〜約750,000ダルトン、約200,000ダルトン〜約650,000ダルトン)の分子量を有し得る。本明細書で使用される場合、分子量は重量平均分子量を指し、これは、たとえば、PHA試料の溶出剤および希釈剤の両方としてクロロホルムを使用するゲル透過クロマトグラフィーによって決定される。ポリスチレン分子量標準を使用して、分子量を決定するための検量線を作成することができる。
【0089】
いくつかの実施形態において、ブレンドは、2つの異なるPHAブレンド成分を有してよく、ここでは、1つのPHAは、少なくとも約10,000ダルトンおよび多くとも約200,000ダルトン(たとえば、多くとも約175,000ダルトン、多くとも約150,000ダルトン、多くとも約125,000ダルトン、多くとも約100,000ダルトン)の分子量を有し得、そして他のPHAは、少なくとも約50,000ダルトンおよび多くとも約1,000,000ダルトン(たとえば、多くとも約900,000ダルトン、多くとも約800,000ダルトン、多くとも約750,000ダルトン、多くとも約650,000ダルトン)の分子量を有し得る。他の実施形態において、1つのPHAの分子量は、他のPHAの分子量の約10倍大きい(たとえば、約9倍大きい、約8倍大きい、約7倍大きい、約6倍大きい、約5倍大きい、約4倍大きい、約3倍大きい、約2倍大きい)。他の実施形態において、2つのPHAブレンド成分のそれぞれの分子量は、ほぼ同じである。
【0090】
いくつかの実施形態において、それぞれのPHAブレンド成分は、約−60℃〜約70℃(たとえば、約−50℃〜約65℃、約−30℃〜約30℃、約−25℃〜約15℃、約−20℃〜約10℃)のガラス転移温度(Tg)を有し得る。本明細書で言及される場合、以下の通り、示差走査熱量測定法(DSC)を使用して、PHAのTgを決定する。示差走査熱量測定計において、たとえば、試料を3℃/分で−70℃〜+200℃に加熱する。ガラス転移温度は、DSCの熱容量対温度曲線における屈曲である。
【0091】
いくつかの実施形態において、ブレンドは、2つのPHA間のTgの差異が、少なくとも約1℃(たとえば、少なくとも約5℃、少なくとも約10℃、少なくとも約20℃、少なくとも約30℃、少なくとも約40℃、少なくとも約60℃、少なくとも約70℃、少なくとも約80℃、少なくとも約90℃、少なくとも約100℃、少なくとも約105℃、少なくとも約110℃、少なくとも約120℃)である2つの異なるPHAブレンド成分を有してよい。
【0092】
いくつかの実施形態において、それぞれのPHAブレンド成分は、約50℃〜約190℃(たとえば、約55℃〜約180℃、約75℃〜約150℃、約100℃〜約130℃)の融解温度(Tm)を有し得る。本明細書で言及される場合、以下の通りに示差走査熱量計(DSC)を使用してPHAのTmを決定する。3℃/分で、たとえば−70℃〜+200℃で、示差走査熱量計において試料を加熱する。DSC吸熱から、融解温度を決定する。
【0093】
いくつかの実施形態において、PHAは、少なくとも約1.5(たとえば、少なくとも約1.8、少なくとも約2.1、少なくとも約2.2、少なくとも約2.3、少なくとも約2.4、少なくとも約2.5、少なくとも約2.6、少なくとも約2.7、少なくとも約2.8、少なくとも約2.9、少なくとも約3.0、少なくとも約4.0、少なくとも約5.0、少なくとも約6.0、少なくとも約7.0、少なくとも約8.0、少なくとも約9.0、少なくとも約10.0)の多分散性インデックス(PDI)を有し得る。本明細書で言及される場合、PHAの重量平均分子量をPHAの数平均分子量で除算することによって、PHAのPDIを算出する。ゲル透過クロマトグラフィーを使用することによって、PHAの数平均分子量を測定することができる。
【0094】
PHAは、約0.1%〜約75%(たとえば、約5%〜約60%、約20%〜約55%、約40%〜約50%)の体積パーセント結晶化度を有し得る。本明細書で言及される場合、PHAの体積結晶化度は、DSCの熱容量対温度曲線に含まれるデータから決定され、PHA試料の結晶質量をPHA試料の全質量で除算することによって算出される。
【0095】
いくつかの実施形態において、ブレンドは、2つのPHA間のTmの差異が、少なくとも約10℃(たとえば、少なくとも約25℃、少なくとも約50℃、少なくとも約75℃、少なくとも約110℃、少なくとも約130℃)である2つの異なるPHAブレンド成分を有して良い。
【0096】
いくつかの実施形態において、ハンセン溶解パラメーターを基準として、PHAブレンド成分を選択することができる。本明細書で使用される場合、δ(分散または「非極性」パラメーター)、δ(極性パラメーター)、およびδ(水素結合パラメーター)を基準として、PHAブレンド成分のハンセン溶解パラメーターを決定する。これらのパラメーターは、表式:δ=(δ+δ+δ1/2によって、ヒルドブランド(Hildebrand)パラメーターδに関連する。例えば、ハンセン C.M.(Hansen,C.M.),ハンセン ソルビリティー パラメーター,ユーザーズ ハンドブック(Hansen Solubility Parameter,A User’s Handbook),CRC プレス(CRC Press),1999を参照のこと。特定の実施形態において、ブレンドは、2つのPHA間のハンセン溶解パラメーター(δ)の差異が、少なくとも約0.02J.モル(少なくとも約0.03J/モル、少なくとも約0.04J/モル、少なくとも約0.05J/モル、少なくとも約0.06J/モル、少なくとも約0.07J/モル、少なくとも約0.08J/モル、少なくとも約0.09J/モル、少なくとも約0.10J/モル、少なくとも約0.11J/モル、少なくとも約0.12J/モル)である2つの異なるPHAブレンド成分を有してよい。
【0097】
いくつかの実施形態において、PHAブレンド、たとえば、2つのPHAを有するブレンドは、混和性ブレンド、非混和性ブレンド、または部分的混和性ブレンドであり得る。
【0098】
本明細書で使用される場合、「混和性ブレンド」とは、単一の組成依存性Tgおよび単一の組成依存性Tmを有するブレンドを指す。観察されたTmは、融点がより高い成分のTmの組成依存性の低下から得られる。用語「組成依存性」とは、本明細書で使用される場合、PHAブレンド成分のモル分率に対してTgおよびTmの値が直線的に変化することを意味する。
【0099】
本明細書で使用される場合、「非混和性ブレンド」とは、組成依存性Tgおよび組成依存性Tmを有するブレンドを指す。非混和性ブレンドの観察されたTgおよびTmは、そのままの成分のものとほぼ同じ値である。加えて、非混和性ブレンドのTgおよびTmの数は、成分の数と同じであり、たとえば、2成分のPHAブレンドは、2つの組成依存性Tgおよび2つの組成依存性Tmを示す。
【0100】
本明細書で使用される場合、「部分的混和性ブレンド」とは、2以上の成分、ならびに少なくとも1つのTgおよび少なくとも1つのTmを有するブレンドを指す。たとえば、2成分ブレンドが1つのTgおよび1つのTmのみを有してもよい。部分的混和性ブレンドのTgおよびTmは、組成の変化によって変化し得るが、必ずしもPHAブレンド成分のモル分率に対して直線的に変化するというわけではない。たとえば、ブレンドのTgおよびTmは、個々の成分のものと実質的に同じであってよい。
【0101】
ブレンドのメルトクエンチ試料、たとえば、いずれの熱履歴も破壊するであろう温度でアニール化され、続いて液体窒素中でクエンチされた試料上で、前記された通りにDSCを使用して、PHAブレンドのTgおよびTmを決定することができる。
【0102】
いくつかの実施形態において、PHAブレンドは、2つのPHAブレンド成分、たとえば、PHA(1)およびPHA(2)を有する部分的混和性ブレンドであってよく、PHA(1)は、PHA(2)のTgおよびTmよりも高く、より正数であるTgおよびTmを有する。いくつかの実施形態において、ブレンドは、PHA(2)のTgとほぼ同じである単一のTg、およびPHA(1)のTgとほぼ同じである単一のTmを示す。理論に拘束されることを望まないが、それぞれより高いTmおよびより低いTgのため、耐久性(例えば、高衝撃物品)および屈曲性の両方である物品の製造において、かかるブレンドは有用となり得ると考えられる。
【0103】
特定の実施形態において、混和性ブレンド、非混和性ブレンド、または部分的混和性ブレンドのためのPHAブレンド成分は、ハンセン溶解パラメーターの差異、例えば、2成分ブレンドに関して、他のPHAから1つのPHAのハンセン溶解パラメーターを引算することによって得られる差異の絶対値を基準として選択することができる。理論に拘束されることを望まないが、ブレンドが混和性ブレンドであるか、非混和性ブレンドであるか、または部分的混和性ブレンドであるか先験的に決定するために、ハンセン溶解パラメーターの差異を使用することができると考えられる。再び、理論に拘束されることを望まないが、約0.05J/モル以上のハンセン溶解パラメーターの差異は、一般的に部分的混和性または非混和性ブレンドをもたらし、そして約0.05J/モル未満のハンセン溶解パラメーターの差異は、一般的に混和性ブレンドをもたらすと考えられる。したがって、ハンセン溶解パラメーターを基準としてPHAブレンドを設計する方法は、本発明の範囲内である。
【0104】
成分PHAは、ホモポリマー、コポリマー、またはホモポリマーとコポリマーとのいずれかの組み合わせ、たとえば、2つのホモポリマー、2つのコポリマー、または1つのホモポリマーおよび1つのコポリマーであってよい。用語「ホモポリマー」は、同一モノマー単位を有するポリマーを指す。用語「コポリマー」は、2以上(たとえば、3、4、5、6、7、8、9、10)の異なるモノマー単位を有するポリマーを指し、そして、たとえば、交互、ブロックおよびランダムコポリマーが挙げられる。
【0105】
モノマー単位(コモノマーおよびコモノマー単位を含む)の例としては、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシプロピオネート、3−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシヘプタノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシノナオエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエート、3−ヒドロキシドデセノエート、3−ヒドロキシテトラデカノエート、3−ヒドロキシヘキサデカノエート、3−ヒドロキシオクタデカノエート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレートおよび6−ヒドロキシヘキサノエートが挙げられる。
【0106】
PHAホモポリマーの例としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ3−ヒドロキシアルカノエート(たとえば、ポリ3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ3−ヒドロキシブチレート、ポリ3−ヒドロキシヘキサノエート、ポリ3−ヒドロキシヘプタノエート、ポリ3−ヒドロキシオクタノエート、ポリ3−ヒドロキシデカノエート、ポリ3−ヒドロキシドデカノエート)、ポリ4−ヒドロキシアルカノエート(たとえば、ポリ4−ヒドロキシブチレート)、ポリ5−ヒドロキシアルカノエート(たとえば、ポリ5−ヒドロキシペンタノエート)およびポリ6−ヒドロキシアルカノエート(たとえば、ポリ6−ヒドロキシヘキサノエート)が挙げられる。
【0107】
PHAコポリマーの例としては、ポリ乳酸−コ−グリコール酸、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシブチレート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシバレレート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−6−ヒドロキシヘキサノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘプタノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシオクタノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシデカノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシドデカノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシオクタノエート−コ−3−ヒドロキシデカノエート、ポリ3−ヒドロキシデカノエート−コ−3−ヒドロキシオクタノエートおよびポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシオクタデカノエートが挙げられる。2つの異なるモノマー単位を有するPHAコポリマーの例が提供されているが、PHAは、2より多い異なるモノマー単位(たとえば、3つの異なるモノマー単位(たとえば、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)、4つの異なるモノマー単位、5つの異なるモノマー単位(たとえば、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート−コ−3−ヒドロキシオクタノエート−コ−3−ヒドロキシデカノエート−コ−3−ヒドロキシドデカノエート−コ−3−ヒドロキシドデセノエート(3−ヒドロキシブチレートモノマー含量は70重量%より高くあり得る))、6つの異なるモノマー単位、7つの異なるモノマー単位、8つの異なるモノマー単位、9つの異なるモノマー単位等)を有し得る。
【0108】
ブレンドのサブセットとしては、2つの異なるPHAブレンド成分、たとえば、PHA(1)およびPHA(2)を有し、PHA(1)がPHA(2)とは異なるものが挙げられる。
【0109】
いくつかの実施形態において、PHA(1)は、式(I)のモノマー単位を有するホモポリマーであり得るか、または式(II)および式(III)の2つの異なるコモノマーを有するコポリマーであり得る。
【化5】


PHA(1)がホモポリマーである場合、mは0〜6(たとえば、0〜5、0〜4、0〜3、0〜2、0〜1)であり得、そしてR1hは、水素、C〜C16アルキル(たとえば、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、C10アルキル、C11アルキル、C12アルキル、C13アルキル、C14アルキル、C15アルキル、C16アルキル)またはC〜C16アルケニル(たとえば、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、C12アルケニル、C13アルケニル、C14アルケニル、C15アルケニル、C16アルケニル)であり得る。用語「アルキル」は、示された数の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状であってよい炭化水素鎖を指す。例えば、C〜Cアルキルは、基がその中に1〜6個の(1と6を含む)炭素原子を有してよいことを示す。用語「アルケニル」は、1以上の二重結合を有する直鎖状または分枝鎖状炭化水素鎖を指す。アルケニル基の例としては、限定されないが、アリル、プロペニル、2−ブテニル、3−ヘキセニルおよび3−オクテニル基が挙げられる。二重結合炭素の1つは、任意に、アルケニル置換基の結合点であってもよい。特定の実施形態において、mは1〜6(たとえば、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2)であり、そして少なくとも1つのメチレン基(−CH−)は、カルボニル基(C=O)と、側鎖R1hを有する炭素との間に存在する。PHA(1)がコポリマーである場合、式(II)において、mは0〜6(たとえば、0〜5、0〜4、0〜3、0〜2、0〜1)であり得、そしてRは、水素、C〜C16アルキル(たとえば、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、C10アルキル、C11アルキル、C12アルキル、C13アルキル、C14アルキル、C15アルキル、C16アルキル)またはC〜C16アルケニル(たとえば、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、C12アルケニル、C13アルケニル、C14アルケニル、C15アルケニル、C16アルケニル)であり得、そして式(III)において、nは0〜6(たとえば、0〜5、0〜4、0〜3、0〜2、0〜1)であり得、そしてR1’は、水素、C〜C16アルキル(たとえば、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、C10アルキル、C11アルキル、C12アルキル、C13アルキル、C14アルキル、C15アルキル、C16アルキル)またはC〜C16アルケニル(たとえば、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、C12アルケニル、C13アルケニル、C14アルケニル、C15アルケニル、C16アルケニル)であり得る。特定の実施形態において、mおよびnの両方は1〜6(たとえば、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2)であり、そして少なくとも1つのメチレン基(−CH−)は、カルボニル基(C=O)と、側鎖RおよびR1’を有する炭素との間に存在する。一般的に、RはR1’とは異なり得、そして/またはmはnとは異なり得る。R、R1’、mおよびnに関する値を互いに独立して選択することができる。
【0110】
いくつかの実施形態において、PHA(2)は、式(IV)のモノマー単位を有するホモポリマーであり得るか、または式(V)および式(VI)の2つの異なるコモノマーを有するコポリマーであり得る。
【化6】


PHA(2)がホモポリマーである場合、pは0〜6(たとえば、0〜5、0〜4、0〜3、0〜2、0〜1)であり得、そしてR2hは、水素、C〜C16アルキル(たとえば、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、C10アルキル、C11アルキル、C12アルキル、C13アルキル、C14アルキル、C15アルキル、C16アルキル)またはC〜C16アルケニル(たとえば、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、C12アルケニル、C13アルケニル、C14アルケニル、C15アルケニル、C16アルケニル)であり得る。特定の実施形態において、pは1〜6(たとえば、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2)であり、そして少なくとも1つのメチレン基(−CH−)は、カルボニル基(C=O)と、側鎖R2hを有する炭素との間に存在する。PHA(2)がコポリマーである場合、式(V)において、pは0〜6(たとえば、0〜5、0〜4、0〜3、0〜2、0〜1)であり得、そしてRは、水素、C〜C16アルキル(たとえば、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、C10アルキル、C11アルキル、C12アルキル、C13アルキル、C14アルキル、C15アルキル、C16アルキル)またはC〜C16アルケニル(たとえば、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、C12アルケニル、C13アルケニル、C14アルケニル、C15アルケニル、C16アルケニル)であり得、そして式(VI)において、qは0〜6(たとえば、0〜5、0〜4、0〜3、0〜2、0〜1)であり得、そしてR2’は、水素、C〜C16アルキル(たとえば、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、C10アルキル、C11アルキル、C12アルキル、C13アルキル、C14アルキル、C15アルキル、C16アルキル)またはC〜C16アルケニル(たとえば、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、Cアルケニル、C10アルケニル、C11アルケニル、C12アルケニル、C13アルケニル、C14アルケニル、C15アルケニル、C16アルケニル)であり得る。特定の実施形態において、pおよびqの両方は1〜6(たとえば、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2)であり、そして少なくとも1つのメチレン基(−CH−)は、カルボニル基(C=O)と、側鎖RおよびR2’を有する炭素との間に存在する。一般的に、RはR2’とは異なり得、そして/またはpはqとは異なり得る。R、R2’、pおよびqに関する値を互いに独立して選択することができる。
【0111】
いくつかの実施形態において、2つのPHA成分を有するブレンドとしては、ホモポリマー−ホモポリマーブレンド(PHA(1)およびPHA(2)の両方がホモポリマーである。表1のブレンドタイプH−H)、ホモポリマー−コポリマーブレンド(PHA(1)がホモポリマーであり、そしてPHA(2)がコポリマーである。表1のブレンドタイプH−C)、ならびにコポリマー−コポリマーブレンド(PHA(1)がコポリマーであり、そしてPHA(2)がコポリマーである。表1のブレンドタイプC−C)が挙げられる。適切なモノマーまたはコモノマー式(I)〜(IV)と一緒に、組み合わせを表1にまとめる。
【0112】
【表1】

【0113】
H−Hブレンドは、PHA成分の1つとしてポリ3−ヒドロキシブチレート(PHB、(I)においてm=1、R1h=CH)を含む。特定の実施形態において、H−Hブレンドは、より長い側鎖を有するPHA、たとえば、ポリ3−ヒドロキシオクタノエート(PHO、式(IV)においてp=1、R2h=(CHCH)とブレンドされた主要成分としてPHBを含む。もう1つの実施形態において、H−Hブレンドは、少量成分としてのポリ4−ヒドロキシブチレートとブレンドされた、主要成分としてのポリ3−ヒドロキシブチレート PHBを含む。
【0114】
H−Cブレンドは、ホモポリマーPHA成分としてポリ3−ヒドロキシブチレート(PHB、式(I)においてm=1、R1h=CH)を含む。コポリマー成分は、好ましくは、1つのコモノマーとして3−ヒドロキシブチレート(式(V)においてp=1、R=CH)、および他のコモノマーとして分枝状、たとえば、3−ヒドロキシバレレート(式(VI)においてq=1、R2’=CHCH)または3−ヒドロキシヘキサノエート(式(VI)においてq=1、R2’=CHCHCH)、あるいは非分枝状、たとえば、4−ヒドロキシブチレート(式(VI)においてq=2、R2’=H)のいずれかを含む。コモノマー(VI)は、たとえば、3−ヒドロキシオクタノエート(式(VI)においてq=1、R2’=CHCHCHCHCH)を含んでもよい。
【0115】
コポリマーは、多くとも約1重量%の1つのコモノマー(たとえば、多くとも約3重量%の1つのコモノマー、多くとも約7重量%の1つのコモノマー、多くとも約10重量%の1つのコモノマー、多くとも約13重量%の1つのコモノマー、多くとも約15重量%の1つのコモノマー、多くとも約20重量%の1つのコモノマー、多くとも約25重量%の1つのコモノマー、多くとも約30重量%の1つのコモノマー、多くとも約31重量%の1つのコモノマー、多くとも約32重量%の1つのコモノマー、多くとも約33重量%の1つのコモノマー、多くとも約34重量%の1つのコモノマー、多くとも約35重量%の1つのコモノマー、多くとも約40重量%の1つのコモノマー、多くとも約45重量%の1つのコモノマー、多くとも約50重量%の1つのコモノマー、多くとも約60重量%の1つのコモノマー、多くとも約75重量%の1つのコモノマー、多くとも約85重量%の1つのコモノマー、多くとも約95重量%の1つのコモノマー、多くとも約99重量%の1つのコモノマー)、および多くとも約1重量%の他のコモノマー(たとえば、多くとも約3重量%の他のコモノマー、多くとも約7重量%の他のコモノマー、多くとも約10重量%の他のコモノマー、多くとも約13重量%の他のコモノマー、多くとも約15重量%の他のコモノマー、多くとも約20重量%の他のコモノマー、多くとも約25重量%の他のコモノマー、多くとも約30重量%の他のコモノマー、多くとも約31重量%の他のコモノマー、多くとも約32重量%の他のコモノマー、多くとも約33重量%の他のコモノマー、多くとも約34重量%の他のコモノマー、多くとも約35重量%の他のコモノマー、多くとも約40重量%の他のコモノマー、多くとも約45重量%の他のコモノマー、多くとも約50重量%の他のコモノマー、多くとも約60重量%の他のコモノマー、多くとも約75重量%の他のコモノマー、多くとも約85重量%の他のコモノマー、多くとも約95重量%の他のコモノマー、多くとも約99重量%の他のコモノマー)を有し得る。
【0116】
代表的なH−Cブレンドとしては、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−11%−4−ヒドロキシブチレートとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレート、およびポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−33%−4−ヒドロキシブチレートとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−6%−3−ヒドロキシヘキサノエートとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレートが挙げられる。他の代表的なH−Cブレンドとしては、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−Xとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレートが挙げられ、ここではXは、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエートおよび3−ヒドロキシドデセノエートから選択される。いくつかの実施形態において、ブレンドは、少なくとも約70重量%のホモポリマー、ポリ3−ヒドロキシブチレートを含有する。
【0117】
いくつかの実施形態において、ブレンドとしては、相対的に低いTg(たとえば、約0℃未満のTg、約−5℃未満のTg、約−10℃未満のTg、約−15℃未満のTg、約−20℃未満のTg、約−25℃未満のTg、約−25℃未満のTg、約−30℃未満のTg、約−35℃未満のTg、約−40℃未満のTg、約−45℃未満のTg、約−50℃未満のTg、約−55℃未満のTg)を有するホモポリマーまたはコポリマーとブレンドされたホモポリマー(たとえば、ポリ乳酸)を挙げることができる。いくつかの実施形態において、ブレンドは、H−HブレンドまたはH−Cブレンドであり得る。たとえば、ポリ(乳酸)をポリ(4−ヒドロキシブチレート)とブレンドすることができる。
【0118】
C−Cブレンドは、以下のコモノマーの組み合わせの1つを含んでよい。
【0119】
いくつかの実施形態において、それぞれのコモノマーは異なるモノマー単位であり、たとえば、コモノマー(II)、コモノマー(III)、コモノマー(V)およびコモノマー(VI)は全て互いに異なり、例えば、(II)≠(III)≠(V)≠(VI)である。特定の実施形態において、コモノマー(II)、(III)、(IV)および(V)は、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシプロピオネート、3−ヒドロキシバレレート、4−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシヘキサノエートまたは3−ヒドロキシオクタノエートから選択される。
【0120】
いくつかの実施形態において、PHA(1)中の1つのコモノマーは、PHA(2)中の1つのコモノマーと同一であり得、たとえば、コモノマー(II)およびコモノマー(V)が同一コモノマーであり得、そしてPHA(1)中の他のコモノマーは、PHA(2)中の他のコモノマーと異なり得、たとえば、(II)=(V)≠(III)≠(VI)である。特定の実施形態において、(II)および(V)は、3−ヒドロキシブチレートであり得、そして(III)および(VI)は、3−ヒドロキシバレレート、4−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシヘキサノエートまたは3−ヒドロキシオクタノエートから選択され得るが、ただし、(III)および(V)は異なるコモノマーである。
【0121】
いくつかの実施形態において、PHA(1)およびPHA(2)は同一コポリマーであり得、例えば、(II)=(V)≠(III)=(VI)であり、ここでは(II)/(III)の比率は、(V)/(VI)の比率とは異なる。特定の実施形態において、(II)および(V)は、両方とも3−ヒドロキシブチレートであり得、そして(III)および(VI)は、双方とも、たとえば、4−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシヘキサノエートまたは3−ヒドロキシオクタノエートであり得る。いくつかの実施形態において、(II)=(V)=3−ヒドロキシブチレート、および(III)=(VI)=3−ヒドロキシバレレートであって、コポリマーがポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート(PHBV)であることは望ましくない。理論に拘束されることは望まないが、PHBVはイソジモルフィック(isodimorphic)であり(3−ヒドロキシバレレートが、3−ヒドロキシブチレート結晶格子中に適合し、逆もまた同様である)、そして結果として、例えばPHBV(8%)、およびたとえばPHBV(20%)の最終結晶化度が同一となり得る。
【0122】
それぞれのコポリマーは、独立して、多くとも約1重量%の1つのコモノマー(たとえば、多くとも約3重量%の1つのコモノマー、多くとも約7重量%の1つのコモノマー、多くとも約10重量%の1つのコモノマー、多くとも約13重量%の1つのコモノマー、多くとも約15重量%の1つのコモノマー、多くとも約20重量%の1つのコモノマー、多くとも約25重量%の1つのコモノマー、多くとも約30重量%の1つのコモノマー、多くとも約31重量%の1つのコモノマー、多くとも約32重量%の1つのコモノマー、多くとも約33重量%の1つのコモノマー、多くとも約34重量%の1つのコモノマー、多くとも約35重量%の1つのコモノマー、多くとも約40重量%の1つのコモノマー、多くとも約45重量%の1つのコモノマー、多くとも約50重量%の1つのコモノマー、多くとも約60重量%の1つのコモノマー、多くとも約75重量%の1つのコモノマー、多くとも約85重量%の1つのコモノマー、多くとも約95重量%の1つのコモノマー、多くとも約99重量%の1つのコモノマー)、および多くとも約1重量%の他のコモノマー(たとえば、多くとも約3重量%の他のコモノマー、多くとも約7重量%の他のコモノマー、多くとも約10重量%の他のコモノマー、多くとも約13重量%の他のコモノマー、多くとも約15重量%の他のコモノマー、多くとも約20重量%の他のコモノマー、多くとも約25重量%の他のコモノマー、多くとも約30重量%の他のコモノマー、多くとも約31重量%の他のコモノマー、多くとも約32重量%の他のコモノマー、多くとも約33重量%の他のコモノマー、多くとも約34重量%の他のコモノマー、多くとも約35重量%の他のコモノマー、多くとも約40重量%の他のコモノマー、多くとも約45重量%の他のコモノマー、多くとも約50重量%の他のコモノマー、多くとも約60重量%の他のコモノマー、多くとも約75重量%の他のコモノマー、多くとも約85重量%の他のコモノマー、多くとも約95重量%の他のコモノマー、多くとも約99重量%の他のコモノマー)を有してよい。
【0123】
代表的なC−Cブレンドとしては、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−33%−4−ヒドロキシブチレートとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−8%−3−ヒドロキシバレレート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−33%−4−ヒドロキシブチレートとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−6%−3−ヒドロキシヘキサノエート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−33%−4−ヒドロキシブチレートとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−7%−4−ヒドロキシブチレート、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−20%−3−ヒドロキシヘキサノエートとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−8%−3−ヒドロキシバレレート、およびポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−33%−4−ヒドロキシブチレートとブレンドされたポリ乳酸が挙げられる。
【0124】
ブレンドのもう1つのサブセットとしては、2つの異なるPHAブレンド成分、たとえば、PHA(1)はPHA(2)とは異なり、そしてPHA(1)およびPHA(2)の1つは、少なくとも3つの異なるモノマー単位(たとえば、少なくとも4つの異なるモノマー単位、少なくとも5つの異なるモノマー単位、少なくとも6つの異なるモノマー単位、少なくとも7つの異なるモノマー単位、少なくとも8つの異なるモノマー単位、少なくとも9つの異なるモノマー単位、少なくとも10の異なるモノマー単位)を有するコポリマーであるPHA(1)およびPHA(2)を有するものが挙げられる。いくつかの実施形態において、PHA(1)は、ホモポリマー、たとえば、ポリ3−ヒドロキシブチレートであり得、そしてPHA(2)は、3〜7つの異なるモノマー単位(3、4、5、6または7つの異なるモノマー単位)を有するコポリマーであり得る。例としては、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエートとブレンドされたポリ−3−ヒドロキシブチレート、およびポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート−コ−3−ヒドロキシオクタノエート−コ−3−ヒドロキシデカノエート−コ−3−ヒドロキシドデカノエート−コ−3−ヒドロキシドデセノエートとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレートを挙げることができる。いくつかの実施形態において、コモノマーは、少なくとも約60%(少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%)の3−ヒドロキシブチレートコモノマーを有し得る。いくつかの実施形態において、ブレンドは、少なくとも約50%のポリ(3−ヒドロキシブチレート)(たとえば、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%)を有し得る。
【0125】
特定の実施形態において、PHAは、植物バイオマスおよび/または微生物バイオマス(たとえば、細菌バイオマス、酵母バイオマス、真菌バイオマス)のようなバイオマスから誘導され得る。例えば、モノマー単位の酵素的重合によって、バイオマス誘導PHAを形成することができる。バイオマスは、1以上の様々な実体の形態であり得る。かかる実体としては、例えば、PHAを産生する微生物株(たとえば、アルカリゲネス ユウトロファス(Alcaligenes eutrophus)(ラルストニア ユウトロファと改名されている)、バシラス(Bacillus)、アルカリゲネス ラタス(Alcaligenes latus)、アゾトバクター(Azotobacter)、アエロモナス(Aeromonas)、コマモナス(Comamonas)、シュードモナス(Pseudomonads))、PHAを産生する遺伝子改変生物(たとえば、シュードモナス(Pseudomonas)、ラルストニア(Ralstonia)、大腸菌(Escherichia coli)、クレブシェラ(Klebsiella))、PHAを産生する酵母、およびPHAを産生する植物系が挙げられる。かかる実体は、たとえば、リー(Lee)、バイオテクノロジー&バイオエンジニアリング(Biotechnology & Bioengineering)49:1−14(1996);ブローネグ(Braunegg)ら、(1998)、ジャーナル オブ バイオテクノロジー(J.Biotechnology)65:127−161;マディソン L.L.(Madison,L.L.)およびユイスマン G.W.(Huisman,G.W.)(1999)、メタボリック エンジニアリング オブ ポリ(3−ヒドロキシアルカノエーツ):フローム DNA トゥ プラスチック)(Metabolic Engineering of Poly(3−Hydroxyalkanoates):From DNA to Plastic.)マイクロバイオロジー アンド モレキュラー バイオロジー レビューズ(Microbiol.Mol.Biol.Rev.)63,21−53;ならびにスネル(Snell)およびピープルズ(Peoples)2002、メタボリック エンジニアリング(Metabolic Engineering)4:29−40に開示されており、これらは本明細書に参照により援用される。
【0126】
特定の実施形態において、PHAは、アルミノキサン、ジスタノキサン、またはアルコキシ亜鉛およびアルコキシアルミニウム化合物のような様々な触媒または開始剤を使用するβ−ラクトンモノマーの開環重合によるような化学合成によって誘導され得る(アゴスティニ D.E.(Agostini,D.E.)ら、ジャーナル オブ ポリマー サイエンス パート A−1(Polym.Sci.,Part A−1)、9:2775−2787(1971);グロス R.A.(Gross,R.A.)ら、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、21:2657−2668(1988);デュボイス P.I.(Dubois,P.I.)ら、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、26:4407−4412(1993);ラボーグン A.(LeBorgne,A.)およびスパスキー N.(Spassky,N.)、ポリマー(Polymer)、30:2312−2319(1989);タナハシ N.(Tanahashi,N.)およびドイ Y.(Doi,Y.)、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、24:5732−5733(1991);ホリ Y.M.(Hori,Y.M.)ら、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、26:4388−4390(1993);ケムニッツア J.E.(Kemnitzer,J.E.)ら、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、26:1221−1229(1993);ホリ Y.M.(Hori,Y.M.)ら、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、26:5533−5534(1993);ホッキング P.J.(Hocking,P.J.)およびマーチェスソルト R.H.(Marchessault,R.H.)、ポリマー ブリティン(Polym Bull.)、30:163−170(1993)を参照のこと)。また、エステルの縮合重合(ハブス J.C.(Hubbs,J.C.)およびハリソン M.N.(Harrison,M.N.)、米国特許第5,563,239号明細書を参照のこと)、または化学酵素法(シエ(Xie)ら、マイクロモレキュールズ(Macromolecules)、30:6997−6998(1997)を参照のこと)によってPHAを得ることもできる。
【0127】
いくつかの実施形態において、相対的に低い分子量のPHAを以下の通りに得ることができる。少なくとも約10,000ダルトン(例えば、少なくとも約80,000ダルトン、少なくとも約100,000ダルトン、少なくとも約150,000ダルトン、少なくとも約200,000ダルトン、少なくとも約300,000ダルトン、調製された、少なくとも約400,000ダルトン、少なくとも約500,000ダルトン、少なくとも約600,000ダルトン、少なくとも約700,000ダルトン、少なくとも約800,000ダルトン、少なくとも約900,000ダルトン、少なくとも約1,000,000ダルトン、少なくとも約1,600,000ダルトン、少なくとも約2,000,000ダルトン)の重量平均分子量のPHAを調製する(たとえば、上記方法の1つによって)。次いで、PHAからの1以上のモノマー単位の加水分解性開裂が生じ得る間、PHAに酸加水分解反応を受けさせる。1以上のモノマー単位の損失によって、より低分子量のPHA(加水分解反応の開始時に導入されたPHAよりも少ないモノマー単位を有するPHA)の製造が結果として生じ得る。強酸触媒、たとえば、硫酸または塩酸の存在下で、酸加水分解反応を実行することができる。周囲温度、または少なくとも約70℃(たとえば、少なくとも約80℃、少なくとも約90℃、少なくとも約100℃、少なくとも約110℃、少なくとも約120℃、少なくとも約130℃、少なくとも約140℃)の高温で、この反応を実行することができる。任意に、アルコール、ジオールまたはポリオールの存在下で反応を実行することができ、それによって、低分子量のPHAを得ることができる。ここでは、PHAの末端カルボニル基がエステル化され得る。PHAの加水分解反応については、共有の同時係属中の米国特許出願第09/999,782号(発行日:2002年6月6日;公開番号:米国特許出願公開第2002/0068810A1号)明細書に記載されており、これは本明細書に参照により援用される。
【0128】
一般的に、溶媒ブレンド、乳化ブレンド、または融解ブレンドとしてPHAブレンドを調製することができる。溶媒ブレンド工程は、溶媒、例えば有機溶媒中でのPHAブレンド成分の溶解と、溶液をフィルムとしてキャスティングする工程とを一般的に伴う。乳化ブレンド工程は、2以上の非混和性溶媒中でブレンド成分を組み合わせて乳液を形成する工程と、乳液をフィルムとしてキャスティングする工程とを一般的に伴う。最後に、融解ブレンド工程は、成分が相対的に溶媒を含まない状態で融解物の形態でブレンド成分を組み合わせる工程を一般的に伴う。
【0129】
特定の実施形態において、溶媒ブレンド工程によってPHAブレンドを調製することができる。たとえば、PHA成分を溶媒または溶媒混合物に溶解して、多くとも約50重量%のPHA(たとえば、多くとも約45重量%のPHA、多くとも約40重量%のPHA、多くとも約35重量%のPHA、多くとも約30重量%のPHA、多くとも約25重量%のPHA、多くとも約20重量%のPHA、多くとも約15重量%のPHA、多くとも約14重量%のPHA、多くとも約13重量%のPHA、多くとも約12重量%のPHA、多くとも約11重量%のPHA、多くとも約10重量%のPHA、多くとも約9重量%のPHA、多くとも約8重量%のPHA、多くとも約7重量%のPHA、多くとも約6重量%のPHA、多くとも約5重量%のPHA、多くとも約2.5重量%のPHA、多くとも約1重量%のPHA)を含有する溶液を形成することができる。他の実施形態において、その後に組み合わせることができる別々の溶液として、それぞれのPHA成分を調製することができる。
【0130】
一般的に、所望の通りに溶媒を選択することができる。有機溶媒の例としては、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、エーテル、メチル第三級ブチルエーテル(MTBE)、酢酸エチル、酢酸ブチル、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよび2,2,2−トリフルオロエタノール、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが挙げられる。バイオマスからのポリマー抽出のために有用な溶媒および溶媒系を使用してもよく、これは、2002年8月6日付けで出願された「溶媒抽出系(Solvent Extraction System)」と題された米国特許出願第60/401,498号明細書、「微生物の細胞物質からポリヒドロキシアルカノエートを得るための方法(Process for obtaining a polyhydroxyalkanoate from the cell material of a microogranism)」と題された米国特許第5,213,976号明細書、「極めて少量の非溶媒の使用によって促進されたバイオマスからのポリヒドロキシ−アルカノエートの溶媒抽出(Solvent Extraction of Polyhydroxy−Alkanoates from Biomass Facilitated by the Use of Marginal Nonsolvent)」と題された米国特許第5,821,299号明細書、「ポリヒドロキシアルカン酸の回収方法(Process for the Recovery of Polyhydroxyalkanoic Acid)」と題された米国特許第5,894,062号明細書、「バイオマスからのポリヒドロキシアルカノエートの溶媒抽出(Solvent Extraction of Polyhydroxyalkanoates from Biomass)」と題された米国特許第5,942,597号明細書、「非ハロゲン化溶媒を使用するPHAの抽出および回収方法(Methods of PHA Extraction and Recovery Using Non−Halogenated Solvents)」と題された米国特許第6,043,063号明細書、「PHA貧溶媒を使用する、高温PHA抽出(High Temperature PHA Extraction Using PHA−Poor Solvents)」と題された米国特許第6,087,471号明細書、1995年2月7日付けで公開された「バイオポリマー抽出方法(The Biopolymer Extraction Process)」と題されたブラジル特許出願アブストラクト第PI9302312−0A号明細書、1998年10月22日付けで公開された「非ハロゲン化溶媒を使用するPHAの抽出および回収方法(Methods of PHA Extraction and Recovery Using Non−Halogenated Solvents)」と題された国際公開第98/46782号パンフレット、および2001年9月20日付けで公開された「剪断力を使用するポリヒドロキシアルカノエート溶液のゲル化の防止(Prevention of Gelation of Polyhydroxyalkanoate Solutions Using Shear)」と題された国際公開第01/68890A2号パンフレットに開示されている。これらは、本明細書に参照により援用される。
【0131】
溶媒は、単独溶媒でも、混合溶媒でもあり得る。特定の実施形態において、溶媒は、2以上の溶媒を含む混合溶媒系であり得る。かかる溶媒系としては、均質混合水性溶媒混合物(たとえば、アセトニトリル/水)、均質混合有機溶媒混合物(たとえば、MTBE/酢酸ブチル、シクロヘキサノン/ヘプタン、酢酸ブチル/メチルイソブチルケトン)、不均質混合有機溶媒混合物(たとえば、ヘプタン/アセトニトリル、トルエン/エタノール、トルエン/メタノール)、または不均質混合有機溶媒/水混合物(たとえば、コアレッシング溶媒、たとえば、トルエン/水)が挙げられる。
【0132】
PHAブレンド溶液を表面に、(たとえば、機械で、または手で)適用して、表面上にPHAブレンド溶液の層(たとえば、実質的に均一な層)を形成することができる。いくつかの実施形態において、ブレンド層は、多くとも約300ミクロン(μ)(たとえば、多くとも約275μ、多くとも約250μ、多くとも約225μ、多くとも約200μ、多くとも約175μ、多くとも約150μ)の厚さを有し得る。
【0133】
次いで、いくつかまたは全ての溶媒を除去し、表面上にPHAブレンドの層を残すことができる。特定の実施形態において、自然エバポレーションによって溶媒除去を実行することができる(たとえば、基材付近から溶媒蒸気の意図的な置換、または強制的なエバポレーションが実質的にない周囲条件下で)。いくつかの実施形態において、ブレンド付近からの溶媒蒸気の意図的な置換によって溶媒の除去を実行することができる(たとえば、空気、または窒素もしくはアルゴンのような不活性気体の直接流によって)。他の実施形態において、減圧下、例えば、約5トール(約1トール、約0.10トール、約0.05トール)の圧力でのブレンドからの残留溶媒の除去が続く、上記の方法の1つによって溶媒を除去してよい。例えば、多くとも約60℃(たとえば、多くとも約50℃、多くとも約40℃、多くとも約35℃、多くとも約30℃、多くとも約25℃、多くとも約20℃、多くとも約15℃)の温度で、溶媒除去を実行することができる。
【0134】
溶媒除去の範囲を、重量方法(たとえば、ブレンドが一定重量に達するまで、ブレンドを乾燥させる)または分光技術(たとえば、基材表面からブレンドの試料を除去し、そして試料のH NMRスペクトルを得て、溶媒を検出する)によってモニターすることができる。
【0135】
いくつかの実施形態において、PHAブレンドは1以上の溶媒を含有し得る。例えば特定の実施形態において、PHAブレンド接着剤組成物は、多くとも約90重量%の溶媒(たとえば、多くとも約80重量%の溶媒、多くとも約75重量%の溶媒、多くとも約70重量%の溶媒、多くとも約65重量%の溶媒、多くとも約60重量%の溶媒、多くとも約55重量%の溶媒、多くとも約50重量%の溶媒、多くとも約45重量%の溶媒、多くとも約40重量%の溶媒、多くとも約35重量%の溶媒、多くとも約30重量%の溶媒、多くとも約25重量%の溶媒、多くとも約20重量%)の溶媒を含有し得る。
【0136】
特定の実施形態において、PHAブレンドは、PHA成分に加えて1以上の成分を含有し得る。いくつかの実施形態において、追加成分は、生分解性添加剤、たとえば、熱可塑性スターチ、ポリビニルアルコールポリマー、合成生分解性ポリマーであり得る。他の実施形態において、追加成分は、性能添加剤、例えば、接着剤性能添加剤、例えば、粘着付与剤、架橋剤、ワックスであり得る。いくつかの実施形態において、PHAブレンドは、核化剤、たとえば、シアヌル酸を含有し得る。所望の特性を有する核化剤は、2003年12月30日付けで出願された「核化剤(Nucleating Agents)」と題された米国仮特許出願(代理人整理番号14074−015P01)に記載される。これは、本明細書に参照により援用される。
【0137】
いくつかの実施形態において、PHAブレンドは、多くとも約95重量%(たとえば、多くとも約90重量%、多くとも約80重量%、多くとも約70重量%、多くとも約60重量%、多くとも約50重量%、多くとも約40重量%、多くとも約30重量%、多くとも約20重量%、多くとも約10重量%、多くとも約5重量%、多くとも約1重量%)の1以上の追加成分、および/または少なくとも約5重量%の全PHA(たとえば、少なくとも約10重量%の全PHA、少なくとも約20重量%の全PHA、少なくとも約30重量%の全PHA、少なくとも約40重量%の全PHA、少なくとも約50重量%の全PHA、少なくとも約60重量%の全PHA、少なくとも約70重量%の全PHA、少なくとも約80重量%の全PHA、少なくとも約90重量%の全PHA、少なくとも約95重量%の全PHA、少なくとも約99重量%の全PHA)を含有し得る。
【0138】
特定の実施形態において、PHAブレンドは、1以上の接着剤添加剤を含有し得る。たとえば、いくつかの実施形態において、PHA接着剤組成物は、多くとも約95重量%の接着剤添加剤(たとえば、多くとも約90重量%の接着剤添加剤、多くとも約85重量%の接着剤添加剤、多くとも約80重量%の接着剤添加剤、多くとも約75重量%の接着剤添加剤、多くとも約70重量%の接着剤添加剤、多くとも約65重量%の接着剤添加剤、多くとも約60重量%の接着剤添加剤、多くとも約55重量%の接着剤添加剤、多くとも約50重量%の接着剤添加剤、多くとも約45重量%の接着剤添加剤、多くとも約40重量%の接着剤添加剤、多くとも約35重量%の接着剤添加剤、多くとも約30重量%の接着剤添加剤、多くとも約25重量%の接着剤添加剤、多くとも約20重量%の接着剤添加剤、多くとも約15重量%の接着剤添加剤、多くとも約10重量%の接着剤添加剤、多くとも約5重量%の接着剤添加剤、多くとも約1重量%の接着剤添加剤、多くとも0.5重量%の接着剤添加剤)を含有し得、その残部は、1以上のPHA、および任意に1以上の溶媒である。
【0139】
接着剤添加剤の例としては、粘着付与剤(たとえば、炭化水素粘着付与樹脂)が挙げられる。炭化水素粘性付与樹脂は、たとえば、テルペン型樹脂(商品名、ゾノレックス(ZONOREX)、アリゾナ ケミカル カンパニー(Arizona Chemical Company))またはフェノール変性テルペン樹脂(商品名、ピコテックス(PICOTEX)、ヘラクレス コーポレイション(Hercules Corporation))として市販品として入手可能である。
【0140】
いくつかの実施形態において、PHA接着剤組成物が、多くとも約10重量%(たとえば、多くとも約9重量%、多くとも約8重量%、多くとも約7重量%、多くとも約6重量%、多くとも約5重量%、多くとも約4重量%、多くとも約3重量%、多くとも約2重量%、多くとも約1重量%、多くとも0.5重量%、多くとも0.1重量%)の溶媒を含有する場合、第2の基材表面との接着結合を形成するために、PHAブレンド接着剤組成物の層を含有する基材表面を使用することができる。
【0141】
特定の実施形態において、2つの基材表面間にPHAブレンドを配置し、そして圧力(たとえば、多くとも約10psig、多くとも約5psig、多くとも約1psig)によって、所望の温度(たとえば、多くとも約130℃(たとえば、多くとも約120℃、多くとも約110℃、多くとも約100℃、多くとも約90℃、多くとも約80℃)で、ある期間(たとえば、多くとも約30秒、多くとも約20秒、多くとも約15秒、多くとも約10秒、多くとも約5秒、多くとも約1秒)で、表面をプレスすることによって、PHAブレンド接着剤組成物を形成することができる。たとえば、このプロセス間に家庭用アイロンを使用することができる。次いで、プレス加工された基材表面を、ある期間(たとえば、少なくとも約5分、少なくとも約10分、少なくとも約15分)で、冷却(たとえば、多くとも約20℃、多くとも約15℃、多くとも約10℃まで)することができる。次いで、基材表面を分離し、所望の温度(たとえば、少なくとも約20℃、少なくとも約23℃、少なくとも約25℃、少なくとも約27℃)で、ある期間(たとえば、少なくとも約60分、少なくとも約70分、少なくとも約80分、少なくとも約90分、少なくとも約100分)で貯蔵することができる。
【0142】
特定の実施形態において、2つの表面が互いに接着される場合、1つの基材表面を接着剤組成物によってコートすることができ、そして第2の表面をコートしないことが可能である。他の実施形態において、両表面をPHAブレンド接着剤組成物によってコートすることが可能である。
【0143】
特定の実施形態において、水平プラットホームに配置される接触基材表面の領域上に圧力を適用することによって、積層化を実行することができる。たとえば、人間の手のひら、手動ローラーまたは機械プレスによって、積層化圧力を適用することができる。
【0144】
それぞれの基材表面は、いずれの物品の上部、側部、底部等に相当し得る。特定の実施形態において、基材表面は、いずれの物品の上部、側部、底部等に固定されるオーバーレイ表面となり得る(たとえば、ボール箱内部または外部をライニング被覆するプラスチックフィルム)。いくつかの実施形態において、積層化される2つの基材表面を同一物品上に配置することができる(たとえば、箱または同様の容器の内容物を封着するために使用される2つのオーバーラップフラップ)。他の実施形態において、積層化される2つの基材表面を2つの別々の物品上に配置することができる。たとえば、マイラ(Mylar)、紙、コート紙、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、PHAフィルム、繊維、不織物または他の物品、ポリ乳酸フィルム、不織物、フードトレイまたは容器、合成生分解性ポリエステルフィルムまたは物品、セロファン(Cellophane)(商標)、あるいはアルミホイルを含み得る材料によって、基材表面を構成することができる。特定の実施形態において、積層化される2つの基材表面を同一材料から製造することができる。他の実施形態において、2つの基材表面を、異なる材料から製造することができる。
【0145】
以下の実施例は実例であるが、限定的に解釈されない。
【実施例】
【0146】
実施例1
PHAブレンドの調製
室温で撹拌下、典型的に30〜60分、3〜8w/w%の充填量でPHAをクロロホルムに溶解した。所望の比率でPHA1およびPHA2の溶液をブレンドし、そして超音波によって3分間混合して、溶液の完全均質性を確実にした。直径約5cmのアルミ箔皿中に深さ約3〜4mmまで溶液を注ぎ入れた。2日間、周囲条件下で溶媒をゆっくり蒸発させ、次いで5トールおよび50℃での真空乾燥によって残留溶媒を除去した。
【0147】
この手順を使用して、以下のブレンドを調製した。ポリ3−ヒドロキシオクタノエートとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレート(表2のブレンド4)、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−33%−4−ヒドロキシブチレートとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−6%−3−ヒドロキシヘキサノエート(表3のブレンド8および9)、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−33%−4−ヒドロキシブチレートとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−7%−4−ヒドロキシブチレート(表3のブレンド6および7)、ポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−11%−4−ヒドロキシブチレートとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレート(表3のブレンド2および3)、ならびにポリ3−ヒドロキシブチレート−コ−33%−4−ヒドロキシブチレートとブレンドされたポリ3−ヒドロキシブチレート(表3のブレンド10および11)。
【0148】
実施例2
PHAブレンドの屈曲性およびブレンド熱変形抵抗の評価
上記の通りに比較組成物1および5、ならびにPHAブレンド2〜4を調製し(表2を参照のこと)、そして以下の手順を使用して変形角度公差試験片および熱変形抵抗温度試験片へと成型した。
【0149】
【表2】

【0150】
供給ポート、180℃;ゾーン1、165℃;ゾーン2、160℃;ダイ、160℃のバレル温度プロフィールを使用して、ブラベンダー(Brabender)二軸スクリュー押出機において上記組成物をブレンドした。
【0151】
ブレンドを水浴中に押出し、冷却し、そして粒状化した。次いで、押出機バレル中同一温度プロフィールおよび70℃〜80℃の成型温度を使用して、配合物を射出成型した。
【0152】
上記結果は、ポリ3−ヒドロキシブチレート(PHB)を他のPHAとブレンドすることによって、親ポリマーPHBと比較して屈曲性が増加する結果が得られることを論証する。PHAホモポリマーおよびコポリマーの両方に関して、屈曲性の増加が観察される。
【0153】
引張モードアタッチメントを備えたTA機器モデル2980ユニットを使用して、動的機械分析(DMA)を実行した。試験片の形状寸法は、厚さ0.1mm〜0.2mm、幅10mmおよび長さ50mmである。液体窒素を使用して試験片を−70℃まで冷却し、そして3分間条件付ける。1Hzの振動数を受けさせながら、3℃/分で150℃まで試験片を加熱する。引張バーのDMA分析によって、配合物1、2、3および5は全て、単相モルホロジーを示す単一のタンジェントデルタピークを示すことが示された。配合物4は、二相モルホロジーを示す2つのタンジェントデルタピークを示した。ガラス転移温度が2つの個々の成分のものの中間値を有する単一のガラス転移温度のみが観察される場合、2成分ポリマーブレンドの混和性を決定する。2つの分解性ガラス転移温度の広幅化が観察される場合、2成分ポリマーブレンドの部分的混和性を決定する。個々の成分のガラス転移温度に対応する2つのガラス転移温度が観察される場合、2成分ポリマーブレンドの非混和性を決定する。
【0154】
実施例3
PHAブレンドおよびPHAブレンド成分のガラス転移温度および融解温度プロフィール
上記の通りに比較組成物13〜16およびPHAブレンド6〜12を調製し(表2を参照のこと)、そして分析用試料へと成型した(表3を参照のこと)。変調示差走査熱量計(MDSC)によって、ガラス転移温度Tgおよびピーク融解転移を測定した。TA機器Q100MDSCユニットを使用して、MDSC分析を実行する。試験片質量は5mg〜10mgであり、これを密封アルミニウムパンに配置する。試験片を−70℃まで冷却し、そして3分間条件付ける。60秒ごと0.6℃の振動温度サイクルを受けさせながら、3℃/分で200℃まで試験片を加熱する。TgおよびTmを測定し、逆転熱流曲線を区切る。3℃/分の加熱速度によって1Hzの振動数で操作されるDMAを使用して、タンジェントデルタを測定した。
【0155】
【表3】

【0156】
比較例13〜16は全て、単一ガラス転移温度および融解転移を示した。ブレンド6〜12は全て、融点がより高いPHA(主要成分)とほぼ同じ融解転移、およびより低いTgを有するPHA(少量成分)と同様のTgを示した。ブレンド6〜12において、ブレンドは、主要PHAブレンド成分(より大きく、より正数のTgおよびTm)のTmを本質的に保持し、そして少量PHAブレンド成分(より小さく、より正数ではないTgおよびTm)のTgを示す。ブレンドは単一のTmおよびTgを示し、タンジェントデルタ曲線における第2のタンジェントデルタピークまたは明確なショルダーによって示されるように部分的混和性を論証する。
【0157】
屈曲性のために、フィルムを組み立てた(試験片厚さ=0.25cm)。実施例16(PHB)は容易に破壊した。実施例6〜15は、PHBより屈曲性であった。データを表4にまとめる。
【0158】
【表4】

【0159】
実施例6および7は、室温で対照の実施例14以上に改善された屈曲性を示した。85℃で水に試料を浸した後、実施例6および7は、実施例14と同様の挙動を示し、耐久性における明白な減少を示さなかった。実施例8および9は、対照の実施例15以上に改善された屈曲性を示した。85℃で水に試料を浸した後、実施例8および9は、実施例15と同様の挙動を示し、耐久性における明白な減少を示さなかった。
【0160】
実施例4
成型器具の調製および評価
表5に示される組成を有する成型器具を調製した。対照群は、PHA成分としてポリ(3−ヒドロキシブチレート)を含有し、そして比較器具(1)は、PHA成分としてポリ(3−ヒドロキシブチレート)およびポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシブチレート)のブレンドを含有した。
【0161】
【表5】

【0162】
二軸スクリュー押出機において上記配合物を配合し、ペレットを形成した。次いで、表6に示される条件に従って、スミトモ(Sumitomo)射出成型機を使用して、配合物を単一キャビティー器具型中に射出成型した。
【0163】
【表6】

【0164】
85℃に維持された不活性液体中に器具を浸した後、3つ全ての器具は<3mmの変形を有することがわかった。周囲条件下で屈曲性のために組み立てた場合、PHA対照は、10°変形以内で破壊した。PPおよびPHA(1)器具は、90°までの変形でさえ破壊されなかった。
【0165】
実施例5
ブローンフィルムの実証
一軸スクリュー押出機中で融解ポリマーを生成し、そしてリングダイを通して押出し、チューブを形成する。一定距離でチューブを引抜き、ポリマーを結晶化させ、次いでニップローラーで密封し、シールを供給する。空気をチューブ中に導入し、チューブの直径をダイの直径の約2〜3倍まで膨張させ、安定な気泡構造を製造する(DR コリンズ ライン コンフィギュレーション(DR Collins Line Configuration):45mmスクリュー;L:D25:1−LLDPEスクリュープロフィール;ダイ直径100mm−ダイギャップ1.2mmゾーン)。
【0166】
【表7】

【0167】
【表8】

【0168】
表7に示された組成を有するフィルムによって、19M/mmの引張強さ、124%の破壊時の伸び率および60N/mmの引裂き強度を有するブローンフィルムが製造された。シトフレックス(Citraflex)A4およびシアヌル酸のみと一緒のPHBコ8%HVを有する(PHB コ 33% 4HBが存在しない)フィルムをベースとする比較の系では、22M/mmの引張強さ、40%の破壊時の伸び率および5N/mmの引裂き強度を有するブローンフィルムが製造された。
【0169】
他の実施形態は、特許請求の範囲にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のPHAと、
前記第1のPHAとは異なり、前記第1のPHAとブレンドされる第2のPHAと
を含むブレンドであって、
前記ブレンド中の第1のPHAの量が前記ブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、前記ブレンドの剛性が前記第1のPHAの剛性よりも低く、前記第1のPHAと前記第2のPHAとをブレンドしてブレンドするときに、前記ブレンドは、少なくとも約5°の変形角度公差を有するブレンド。
【請求項2】
前記ブレンドは、少なくとも約15°の変形角度公差を有する、請求項1に記載のブレンド。
【請求項3】
前記ブレンドは、少なくとも約30°の変形角度公差を有する、請求項1に記載のブレンド。
【請求項4】
前記ブレンドは、少なくとも約60°の変形角度公差を有する、請求項1に記載のブレンド。
【請求項5】
前記ブレンドは、少なくとも約90°の変形角度公差を有する、請求項1に記載のブレンド。
【請求項6】
前記ブレンドは、少なくとも約120°の変形角度公差を有する、請求項1に記載のブレンド。
【請求項7】
前記ブレンドは、多くとも約250Mpaの剛性を有する、請求項1に記載のブレンド。
【請求項8】
前記第1のPHAおよび前記第2のPHAは、双方ともホモポリマーである、請求項1に記載のブレンド。
【請求項9】
前記第1のPHAはホモポリマーであり、前記第2のPHAは、第1のコモノマーと第2のコモノマーとを有するコポリマーであり、前記第1のコモノマーは、前記第2のコモノマーとは異なる、請求項1に記載のブレンド。
【請求項10】
前記ホモポリマーは、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)である、請求項9に記載のブレンド。
【請求項11】
前記第1のコモノマーは、3−ヒドロキシブチレートである、請求項10に記載のブレンド。
【請求項12】
前記第2のコモノマーは、4−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシプロピオネート、4−ヒドロキシバレレート、6−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエートまたは3−ヒドロキシドデセノエートから選択される、請求項11に記載のブレンド。
【請求項13】
前記第1のPHAは、コモノマー1−Aとコモノマー1−Bとを有するコポリマーであり、前記第2のPHAは、コモノマー2−Aとコモノマー2−Bとを有するコポリマーである、請求項1に記載のブレンド。
【請求項14】
コモノマー1−Aおよびコモノマー2−Aが同一コモノマーである、請求項13に記載のブレンド。
【請求項15】
コモノマー1−Aおよびコモノマー2−Aは、双方とも3−ヒドロキシブチレートである、請求項14に記載のブレンド。
【請求項16】
コモノマー1−Bおよびコモノマー2−Bのそれぞれが、独立して、3−ヒドロキシバレレート、4−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシプロピオネート、4−ヒドロキシバレレート、6−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエートまたは3−ヒドロキシドデセノエートである、請求項15に記載のブレンド。
【請求項17】
前記第1のPHAコポリマーおよび前記第2のPHAコポリマーは、同一コポリマーであり、コモノマー1−A:コモノマー1−Bの比率が、コモノマー2−A:コモノマー2−Bの比率とは異なる、請求項13に記載のブレンド。
【請求項18】
コモノマー1−Aおよびコモノマー2−Aが、双方とも3−ヒドロキシブチレートである、請求項17に記載のブレンド。
【請求項19】
コモノマー1−Bおよびコモノマー2−Bが、双方とも、4−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシヘキサノエートまたは3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシプロピオネート、6−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエートまたは3−ヒドロキシドデセノエートである、請求項18に記載のブレンド。
【請求項20】
前記第1のPHAコポリマーは、多くとも約99重量%のコモノマー1−Bを含有する、請求項15に記載のブレンド。
【請求項21】
前記第1のPHAコポリマーは、多くとも約50重量%のコモノマー1−Bを含有する、請求項15に記載のブレンド。
【請求項22】
前記第1のPHAコポリマーは、多くとも約15重量%のコモノマー1−Bを含有する、請求項15に記載のブレンド。
【請求項23】
前記第1のPHAコポリマーは、多くとも約7重量%のコモノマー1−Bを含有する、請求項15に記載のブレンド。
【請求項24】
前記第1のPHAコポリマーは、多くとも約1重量%のコモノマー1−Bを含有する、請求項15に記載のブレンド。
【請求項25】
前記第2のPHAコポリマーは、多くとも約99重量%のコモノマー2−Bを含有する、請求項15に記載のブレンド。
【請求項26】
前記第2のPHAコポリマーは、多くとも約50重量%のコモノマー2−Bを含有する、請求項15に記載のブレンド。
【請求項27】
前記第2のPHAコポリマーは、多くとも約35重量%のコモノマー2−Bを含有する、請求項15に記載のブレンド。
【請求項28】
前記第2のPHAコポリマーは、多くとも約15重量%のコモノマー2−Bを含有する、請求項15に記載のブレンド。
【請求項29】
前記第2のPHAコポリマーは、多くとも約5重量%のコモノマー2−Bを含有する、請求項15に記載のブレンド。
【請求項30】
前記ブレンドは、少なくとも約90重量%の前記第1のPHAを含む、請求項1に記載のブレンド。
【請求項31】
前記ブレンドは、少なくとも約70重量%の前記第1のPHAを含む、請求項1に記載のブレンド。
【請求項32】
前記ブレンドは、少なくとも約51重量%の前記第1のPHAを含む、請求項1に記載のブレンド。
【請求項33】
前記ブレンドは、多くとも約49重量%の前記第2のPHAを含む、請求項30に記載のブレンド。
【請求項34】
前記ブレンドは、多くとも約30重量%の前記第2のPHAを含む、請求項30に記載のブレンド。
【請求項35】
前記ブレンドは、多くとも約10重量%の前記第2のPHAを含む、請求項30に記載のブレンド。
【請求項36】
前記第1のPHAは、約10,000ダルトン〜約1,600,000ダルトンの第1の分子量を有し、前記第2のPHAは、約10,000ダルトン〜約1,600,000ダルトンの第2の分子量を有する、請求項1に記載のブレンド。
【請求項37】
前記第1の分子量は、約200,000ダルトン〜約650,000ダルトンであり、前記第2の分子量は、約200,000ダルトン〜約650,000ダルトンである、請求項36に記載のブレンド。
【請求項38】
1つのPHAが、多くとも約200,000ダルトンの分子量を有し、そして他のPHAが、多くとも約1,000,000ダルトンの分子量を有する、請求項36に記載のブレンド。
【請求項39】
前記第1の分子量は、多くとも約750,000ダルトンであり、前記第2の分子量は、双方とも多くとも約750,000ダルトンである、請求項36に記載のブレンド。
【請求項40】
1つのPHAが、前記他のPHAの分子量よりも約10倍大きい分子量を有する、請求項36に記載のブレンド。
【請求項41】
1つのPHAが、前記他のPHAの分子量よりも約6倍大きい分子量を有する、請求項36に記載のブレンド。
【請求項42】
1つのPHAが、前記他のPHAの分子量よりも約3倍大きい分子量を有する、請求項36に記載のブレンド。
【請求項43】
1つのPHAが、前記他のPHAの分子量とほぼ同じ分子量を有する、請求項36に記載のブレンド。
【請求項44】
前記第1のPHAは第1のガラス転移温度を有し、前記第2のPHAが第2のガラス転移温度を有し、前記第1のガラス転移温度と前記第2のガラス転移温度との間の差異が、少なくとも約1℃である、請求項1に記載のブレンド。
【請求項45】
前記第1のガラス転移温度と前記第2のガラス転移温度との間の差異が、少なくとも約5℃である、請求項44に記載のブレンド。
【請求項46】
前記第1のガラス転移温度と前記第2のガラス転移温度との間の差異が、少なくとも約40℃である、請求項44に記載のブレンド。
【請求項47】
前記第1のガラス転移温度と前記第2のガラス転移温度との間の差異が、少なくとも約60℃である、請求項44に記載のブレンド。
【請求項48】
前記第1のPHAは第1の融解温度を有し、前記第2のPHAは第2の融解温度を有し、前記第1の融解温度と前記第2の融解温度との間の差異が、少なくとも約10℃である、請求項1に記載のブレンド。
【請求項49】
前記第1の融解温度と前記第2の融解温度との間の差異が、少なくとも約50℃である、請求項48に記載のブレンド。
【請求項50】
前記第1のPHAはホモポリマーであり、前記第2のPHAは、それぞれのコモノマーが互いに異なる少なくとも3つのコモノマーを有するコポリマーである、請求項1に記載のブレンド。
【請求項51】
前記第1のPHAは、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)であり、前記第2のPHAは、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)またはポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート−コ−3−ヒドロキシオクタノエート−コ−3−ヒドロキシデカノエート−コ−3−ヒドロキシドデカノエート−コ−3−ヒドロキシドデセノエート)である、請求項50に記載のブレンド。
【請求項52】
前記第1のPHAは第1のハンセン溶解パラメーターを有し、前記第2のPHAは第2のハンセン溶解パラメーターを有し、前記第1のハンセン溶解パラメーターと前記第2のハンセン溶解パラメーターとの間の差異が、少なくとも約0.02J/モルである、請求項1に記載のブレンド。
【請求項53】
前記第1のハンセン溶解パラメーターと前記第2のハンセン溶解パラメーターとの間の差異が、少なくとも約0.04J/モルである、請求項52に記載のブレンド。
【請求項54】
前記第1のハンセン溶解パラメーターと前記第2のハンセン溶解パラメーターとの間の差異が、少なくとも約0.05J/モルである、請求項52に記載のブレンド。
【請求項55】
前記第1のハンセン溶解パラメーターと前記第2のハンセン溶解パラメーターとの間の差異が、少なくとも約0.10J/モルである、請求項52に記載のブレンド。
【請求項56】
前記ブレンドは、混和性ブレンドである、請求項1に記載のブレンド。
【請求項57】
前記ブレンドは、非混和性ブレンドである、請求項1に記載のブレンド。
【請求項58】
前記ブレンドは、部分的混和性ブレンドである、請求項1に記載のブレンド。
【請求項59】
第1のPHAと、
前記第1のPHAとは異なり、前記第1のPHAとブレンドされる第2のPHAと
を含むブレンドであって、
前記ブレンド中の第1のPHAの量が前記ブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、前記ブレンドの剛性が前記第1のPHAの剛性よりも低く、前記第1のPHAと前記第2のPHAとをブレンドするときに、前記ブレンドは、少なくとも約80℃の熱変形抵抗温度を有するブレンド。
【請求項60】
前記ブレンドは、少なくとも約85℃の熱変形抵抗温度を示す、請求項59に記載のブレンド。
【請求項61】
前記ブレンドは、少なくとも約90℃の熱変形抵抗温度を示す、請求項59に記載のブレンド。
【請求項62】
前記ブレンドは、少なくとも約100℃の熱変形抵抗温度を示す、請求項59に記載のブレンド。
【請求項63】
前記ブレンドは、少なくとも約120℃の熱変形抵抗温度を示す、請求項59に記載のブレンド。
【請求項64】
第1のPHAと、
前記第1のPHAとは異なり、前記第1のPHAとブレンドされる第2のPHAと
を含むブレンドであって、
前記ブレンド中の第1のPHAの量が前記ブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、前記ブレンドの剛性が第1のPHAの剛性よりも低く、前記第1のPHAと前記第2のPHAとをブレンドするときに、前記ブレンドは、少なくとも約80℃の熱変形抵抗温度および少なくとも約5°の変形角度公差を有するブレンド。
【請求項65】
前記ブレンドは、コモノマー2−Aとコモノマー2−Bとを有する第2のPHAコポリマーとブレンドされた、コモノマー1−Aとコモノマー1−Bとを有する第1のPHAコポリマーを有する、請求項1に記載のブレンド。
【請求項66】
コモノマー1−Aおよびコモノマー2−Aは、同一コモノマーである、請求項65に記載のブレンド。
【請求項67】
コモノマー1−Aおよびコモノマー2−Aは、双方とも3−ヒドロキシブチレートである、請求項66に記載のブレンド。
【請求項68】
コモノマー1−Bおよびコモノマー2−Bのそれぞれが、独立して、3−ヒドロキシバレレート、4−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシプロピオネート、4−ヒドロキシバレレート、6−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエートまたは3−ヒドロキシドデセノエートである、請求項67に記載のブレンド。
【請求項69】
前記第1のPHAコポリマーは、第1のガラス転移温度、第1の融解温度および第1のハンセン溶解パラメーターを有し、前記第2のPHAコポリマーが、第2のガラス転移温度、第2の融解温度および第2のハンセン溶解パラメーターを有する、請求項68に記載のブレンド。
【請求項70】
前記第1のガラス転移温度および前記第1の融解温度が、双方とも、前記第2のガラス転移温度および前記第2の融解温度よりも高く、そしてより正数である、請求項69に記載のブレンド。
【請求項71】
前記ブレンドは、単一のガラス転移温度および単一の融解温度を示す、請求項70に記載のブレンド。
【請求項72】
前記第1のハンセン溶解パラメーターと前記第2のハンセン溶解パラメーターとの間の差異が、多くとも約0.04J/モルである、請求項71に記載のブレンド。
【請求項73】
前記第1のハンセン溶解パラメーターと前記第2のハンセン溶解パラメーターとの間の差異が、多くとも約0.05J/モルである、請求項71に記載のブレンド。
【請求項74】
前記ブレンドのガラス転移温度は、前記第2のガラス転移温度と実質的に同じであり、前記ブレンドの融解温度は、前記第1の融解温度と実質的に同じである、請求項71に記載のブレンド。
【請求項75】
前記ブレンドは、多くとも約250Mpaの剛性を有する、請求項67に記載のブレンド。
【請求項76】
前記第1のPHAは、約10,000ダルトン〜約1,600,000ダルトンの第1の分子量を有し、前記第2のPHAは、約10,000ダルトン〜約1,600,000ダルトンの第2の分子量を有する、請求項65に記載のブレンド。
【請求項77】
1つのPHAが、多くとも約200,000ダルトンの分子量を有し、他のPHAが、多くとも約1,000,000ダルトンの分子量を有する、請求項76に記載のブレンド。
【請求項78】
1つのPHAコポリマーが、多くとも約200,000ダルトンの分子量を有し、他のPHAコポリマーが、多くとも約1,000,000ダルトンの分子量を有する、請求項64に記載のブレンド。
【請求項79】
コモノマー1−Aおよびコモノマー2−Aは、同一コモノマーであり、前記第1のPHAコポリマーは、多くとも約15重量%のコモノマー1−Bを含有し、前記第2のPHAコポリマーは、多くとも約50重量%のコモノマー2−Bを含有する、請求項65に記載のブレンド。
【請求項80】
少なくとも約1重量%の請求項1に記載のPHAブレンドを含む物品。
【請求項81】
第1のPHAと、
前記第1のPHAとは異なり、前記第1のPHAとブレンドされる第2のPHAと
を含む接着剤ブレンドであって、
前記ブレンド中の第1のPHAの量が前記ブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、前記ブレンドの剛性は前記第1のPHAの剛性よりも低く、
多くとも約15秒の表面タックタイム値を有し、
多くとも約100psigの圧力に暴露されたときに、表面またはそれ自体と、少なくとも約10Nm−2の剥離結合強度を有する結合を形成し得る接着剤ブレンド。
【請求項82】
デンプン、熱可塑性デンプン、ポリブチレンスクシネート、合成生分解性樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸セルロース材料、植物繊維またはポリオレフィンから選択される添加剤をさらに含む、請求項1に記載のブレンド。
【請求項83】
第1のPHAと、
前記第1のPHAとは異なり、それぞれのコモノマーが互いに異なる少なくとも3つのコモノマーを有するコポリマーである第2のPHAと
を含むブレンドであって、
前記ブレンド中の第1のPHAの量が前記ブレンド中の第2のPHAの量よりも多く、前記ブレンドの剛性は前記第1のPHAの剛性よりも低く、前記第1のPHAと前記第2のPHAとをブレンドする時に、前記ブレンドは、少なくとも約5°の変形角度公差を有するブレンド。

【公開番号】特開2011−140656(P2011−140656A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−51376(P2011−51376)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【分割の表示】特願2006−503726(P2006−503726)の分割
【原出願日】平成16年2月20日(2004.2.20)
【出願人】(505045469)メタボリックス インコーポレイティッド (7)
【Fターム(参考)】