説明

PTP包装の薬剤やカプセル等の取り出し容器と、該容器と対にセットする4色別キャップの使用方法。(part,2)

【課題】従来のPTP包装シ−ト中から錠剤やカプセル等を取り出す容器には、両側にス
リットを有したために粉薬を入れられなかった。また、口部に抜き差しできる栓機構もな
かったばかりでなく、容器を区別できるような下記のような方策もなかったものである。
【解決手段】そこで前記口部に、クラリネットのマウスキャッフに似たキャップを挿脱、
係止式に構成して、このキャップ色を、緑色、黄色、赤色、白色の4色に成型し、該色別
のキャップと前記容器とを一対にして夫々用いる様にすると、病院や医療機関等から出さ
れる様々な薬の服用時間帯を、例えば、朝は緑色、昼は黄色、晩は赤色、白色は特別、の
ように、色別で判断できる様にした衛生的な服用容器を兼ねるキャップ付の容器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院や医療機関等から投与されるPTP包装 (Push through Package) にお
ける錠剤やカプセル等の取り出し容器において、該容器における口部側とその周辺を改良
すると共に、当該容器の口部と底面側との双方へ挿脱できる下記の4色別のキャップを夫
々対にセットした色別キャップ付容器に関するものである。
【0002】
上記のように、当該容器に夫々4色別のキャップをセットして、該セットに夫々4色の
色分け「カラ−ル−ル」策を講じておくと、病院、医療機関等々から投与されるPTP包
装における錠剤やカプセル等の「指定服用時間帯」に合わせて「朝」、「昼」、「晩」、
そして「特別」・・の時の如くに、色別キャップ付容器へ夫々その色別に従って投入でき
るようにして、毎日を薬頼りにする人々、家庭において病人を看病する人、養護施設、病
院、医療機関等々において、至便に使用できるようにすることを目的としたものである。
【背景技術】
【0003】
従来、PTP包装におけるシ−ト中の錠剤等を取り出す容器や器具類においては、少な
くとも以下に記載する(A、B,C,D)のような4種類がある。
【0004】
即ち、(A)においては、開閉可能なレンジ部を介して重合連結機構の上板と中板と下
板からなる中板に錠剤の通過帯に相通じる穴と突起を有した、(包装剤から薬剤を取り出
す器具)である。(例えば、実願文献1参照。)。
【0005】
(B)においては、上下の可動体であるプラスチックカバ−とプラスチックケ−スとの
間に有した押し出し棒下に抜き枠固定器を対応させて、直下のスライド式ウインドウへ複
数の錠剤を衛生的に押し出される(PTP包装より錠剤を簡単に取り出す器具)がある。
(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
(C)における、容器においては、両側に有したスリットの後側にPTP包装シ−ト面
へ挟めれるクリップを一体的に設けた(PTP包装における錠剤やカプセル等の取り出し
容器)がある。(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
(D)における、短形状のシ−ト体に一対の雄側面ファスナ−を設置し、該雄側面ファ
スナ−に接合する雌側面ファスナ−を保持体に設置し、更に該保持体の一辺を、前記雄側
面ファスナ−の一端付近に固着することにより形成される薬剤保持部を前記シ−ト体に適
宜間隔を有するように複数設置したことを特徴とした(薬剤保管具)がある。(例えば、
特許文献3参照。)。
【0008】
以下、前記(A,B,C,D)における各構成について順次説明する。
【0009】
前記、(A)においては、図8に示すようにレンジ部から上下に設けられた上板と下板
との間に包装剤を当てて上板の穴から錠剤を取り出す仕組みになっている。
【0010】
前記、(B)においては、図9に示すように、上下のプラスチックカバ−間に有した押
し出し棒下に抜き枠固定器に対応するスライド式のウインドウ中へ錠剤を衛生的に押し出
される仕組みになっている。
【0011】
前記、(C)においては、図8に示すように、先願の(PTP包装における錠剤やカプ
セル等の取り出し容器)には、口部(2)へ被せれるキャップが無かった問題と、容器1
の両側に有したスリット(3,3)から粉薬が溢れると云う問題と、口部(2)の先端に
突き出たクリップ(4)機構の先端部が、服用容器として用いる場合に邪魔になると云う
問題等があった。
【0012】
前記、(D)においては、病院や薬局から渡される複数の薬を朝、昼、晩、または曜日
ごとに区分けし管理する短形状のシ−ト体に一対の雄側面ファスナ−を設置し、該雄側面
ファスナ−に接合する雌側面ファスナ−を保持体に設置し、更に該保持体の一辺を、前記
雄側面ファスナ−の一端付近に固着することにより形成される薬剤保持部を、前記シ−ト
体に適宜間隔を有するように複数設置したり、複数の保持リングを設ける如くして、薬剤
の取り出しを容易にすると共に、前記のように、複数の薬を、朝、昼、晩または曜日ごと
に区分して管理できるので、飲み忘れや飲み間違いを解消するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2001−9007号
【特許文献2】特願2008−310240号
【特許文献3】特開平9−266941号
【特許文献4】実用新案登録第3030975号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
前記の先行技術(A)、(B)、(C)、(D)中の関連する(C)におけるPTP包
装における錠剤やカプセル等の取り出し容器においては、粉薬を投入すると、容器1の両
側に有したスリット3,3から溢れる欠点と、傾斜口部2上端のクリップ4先端部が服用
容器に兼用する際に邪魔になる問題点と、傾斜口部2を密閉するキャップが無かったと云
う問題点等である。
【0015】
また、(D)における薬剤保管具においては、短形状のシ−トに一対の雄側面ファスナ
−を設置し、該雄側面ファスナ−に接合するめす側面ファスナ−を保持体に設置し、更に
該保持体の一辺を前記雄側面ファスナ−の一端付近に固着することにより形成される薬剤
保持部を、前記シ−ト体に適宜間隔を有するように複数設置したことを特徴とする薬剤保
持具であり、前記シ−ト体の一端に単数又は複数の保持リングを設ける如くした薬剤保管
具である点は賛同しても、本願における構成手段とは大いに異なるものである。
【0016】
本発明は、前記のような従来の錠剤の取り出し手段や、それらの容器等に有した様々な
問題点を改良して、PTP包装シ−ト中からの錠剤やカプセル等を至便に取り出せるシン
プルな容器と、該容器の口部と底面側とにパチンと係止させれる4色別のキャップを夫々
セットして、4色別のキャップ付容器に構成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は上記目的を達成するための第1の手段は、透明な筒型の容器(1)の周囲を滑
らかな丸みを付けた断面A−Aの如くの逆台型に似た形態に形成し、該容器(1)の口部
(2)を(前願(C)同様に)前方へ45°の傾斜状に設け、該傾斜状の口部(2)とそ
の周面を口当たりの良い丸みのあるシンプルな形態に改め、前記容器(1)口部(2)下
の両側に中間を空けた2段式の突起(3,3)(30,30)を形成させたものである。
【0018】
また、上記目的を達成するための第2の構成手段は、図5に示すように、前記容器(1
)の傾斜口部(2)へ被せるキャッフ(4)であって、該キャップ(4)は恰もクラリネ
ットのマウスキャップ状を呈した形態にして、その内周面下の両側の係止用突起(5,5
)と後側のクリップ(6)とを一体的に成型される過程において、緑色、黄色、赤色、白
色の4色別にして、この色別のキャップ(4,4,4,4)を前記容器(1,1,1,1
)に夫々セットして、この容器(1,1,1,1)と前記色別のキャップ(4,4,4,
4)とペアにして、「4対の容器」(10,10,10,10)に構成したものである。
【0019】
また、上記目的を達成するための第3の手段は、当該キャップ(4)の使い方を、図6
に示すように、前記容器(1)の底面側へもパチンと差し込めるようにして、当該容器(
1)を掴み易いようにすることで、服用時における衛生的な容器としても兼用できるよう
に構成されている。
【0020】
そして、上記第1の課題の解決手段による作用は次の通りである。すなわち、持ち易い
逆台型の筒型の容器(1)の傾斜口部(2)に、前記PTP包装の錠剤(t)又はカプセ
ル(c)下のアルミ箔のリット(r)面を合わせた時点において、前記包装シ−ト(s)
上の凸状ボトム(b)面を親指(t”)で押すと、ボトム(b)内の錠剤(t)も押され
て下側のリット(r)は一方側へ破れ残り、錠剤(t)は容器(1)中へポタ−ンと落下
する様になるのは、カプセル(c)の場合も同様である。また、その取り出した薬剤の種
別や数等も容易に透視できるようになるのは先願と同様ではあるが、容器(1)自体の周
囲を丸みのあるシンプルな形態にしたことによって、薬剤等の取り出す過程において、左
右へ回す位置決めの仕種が極めてし易いように構成された万能型の容器を提供することを
この目的としている。
【0021】
また、前記目的を達成するための第2の課題の解決手段による作用は次の通りである。
即ち、上記容器(1)の傾斜口部(2)へ挿脱式にセットできるクリップ(6)付きのキ
ャップ(4)は、その内面側の両側に有した突起(5,5)を、前記容器(1)の口部(
2)下の1段目の突起(3,3)に係止されると密封状になるので、容器(1)の口部(
2)回りを衛生的にカバ−するだけでなく粉薬(p)を投入しても溢れないようになる。
【0022】
また、前記キャップ(4)を容器(1)の底側へ逆向きに差し込めば、前記キャップ(
4)内の突起(5,5)は、容器(1)下の2段目の突起(30,30)に係止されて、
図6に示すような握り易い形状になるので、服用容器として用いる場合には前述したよう
に大変掴み易い形態になる。
【0023】
また、当該キャップ(4)の傾斜面には、薬品名・服用者名等を記載できる楕円型のデ
−タ−(d)を貼り付けれるので、多くの患者を抱える病院、医療施設、養護施設等にお
いては、各自のデ−タ−(d)を記載できるので、そのデ−タ−(d)に基づいて患者名
や薬名等が明確になると共に、シビアを究めると云う分別、投薬、管理等のシステムを、
単に、4色に色分けするようにすることによって、一目瞭然のように整然と整理できるよ
うになる。
【発明の効果】
【0024】
上述したように、4色別のキャップを付けた容器(10,10,10,10)は、手指
等に何らかの障害のある人、歳老いて指先が思うように動かないような人達にも、図3、
図4の付随説明図のような仕種によって、錠剤(t)やカプセル(c)等をシンプル化し
た容器(1)中へ容易に取り出せるようになるばかりでなく、図6のようにキャップ(4
)を容器(1)の底側へ差し込めば服用容器としても便利に使い分けれるようにもなるの
で、前述した従来の服用時の仕種のように、他方側の手の平を用いて飲む仕種に比べて極
めて衛生的になるものである。
【0025】
また、前記キャップ(4)のクリップ(6)を包装シ−ト(s)や投薬箱等に差し込ん
でおけるようにもなるので紛失等も防止できる。
【0026】
そして、本発明の最大の特徴は、前記した容器1へ、「4色別のキャップ」を夫々対に
したものであるから、誰にも迷わずに所望の色別の「容器」を選べるので、この「色別」
とその「ル−ル」に従えば、病院、医療機関、擁護施設等から投与される薬を、朝、昼、
晩、そして、特別・・・等の薬類を色別の「容器」へ夫々簡単に色分けして入れておける
ようになるし、その色別と服用時間帯とを自覚していれば、指定された服用時間帯に合わ
せて間違いなく服用できると云う大変便利な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】容器の斜視図である。(実施例1)
【図2】A−A断面図である。(実施例1)
【図3】錠剤の取り出し状態図である。(実施例1)
【図4】カプセルの取り出し状態図である。(実施例1)
【図5】キャップの斜視図である。(実施例2)
【図6】キャップを底面側へセットした服用時の形態を示す斜視図である。
【図7】キャップの取り付け状態図である。(実施例2)
【図8】先願の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図7に基づいて順次説明する。
【実施例1】
【0029】
図においては、1は透明で周囲を丸みのある逆台形に似た筒型状の形態に形成させた樹
脂製の容器で、該容器1は、その断面A−Aに示すように後方に最大径12,5mmの錠
剤が通過するのに十分な大きさの円弧状を呈し、その前方側は最小径6mmの錠剤や6m
m径のカプセル等の通過できる小さな円弧状とを滑らかに繋いだ形態の逆台型に似た形態
を呈したものであって、2は概ね45°の傾斜角に形成された変楕円型の口部であり、3
,3及び30,30は前記口部2下の両前方へ2段式に形成させた突起である。
【実施例2】
【0030】
4は其れなりの硬度と弾性とを有した樹脂製の下記色別のキャップであって、5,5は
該キャップ内の両側に有した突起で、該突起5,5は前記容器1の口部下の突起3,3と
パチンと係合して、図5のようにキャップ4を密封状態状にしたり、また、図6のように
容器1の底側へ逆向きにセットして服用時に掴み易い形態にできるように、当該キャップ
4内の前記突起5,5は、容器1下の2段目の突起30,30にパチンと係止されるよう
に構成されている。
【実施例3】
【0031】
6は、キャップ4の後側へ一体的に設けたクリップであり、該クリップ6は上記PTP
包装の錠剤tやカプセルc間のシ−トsへ差し込めるばかりでなく、投薬袋内に差し込ん
だり、病院、医療機関、養護施設等々においては、投薬箱の外縁や投薬板等に色分けして
差し込んでシビアな投薬の管理を簡便にできるようにしたものである。
【0032】
また、当該キャップ4は、「緑色、黄色、赤色、白色」の4色の如くに成型されて、下
記のように使用するようにしたものである。
【0033】
即ち、「朝は緑色」、「昼は黄色」、「夜は赤色」・・・「白色」は特別の場合・・・
の如くに、その「ル−ル」を上記のように決めておくと、日々錠剤やカプセル等を服用す
る人々は勿論、多くの患者さんを抱える病院、医療施設、養護施設、etc 等においても至
便になるので、複雑化していた投薬のシステムを簡便にできるばかりでなく、前記のよう
にシビアな投薬の管理態勢も、この色別によって的確な判断ができると云う多大な効果が
期待できるものである。
【符号の説明】
【0034】
1=容器
2=口部
3=突起(容器上の)
4=キャップ
5=突起(キャップ内面側の)
6=クリップ
10=色別キャップ付の容器
30=突起(容器下の)
b=ボトム(錠剤を囲む凸状のポケット)
c=カプセル
d=デ−タ−(キャップの楕円面に貼る)
p=粉薬
r=リット(アルミ箔の)
s=包装シ−ト
t=錠剤
t”=親指

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な樹脂により横断面を逆台型の筒型に成型されて上方に傾斜口部を有したPTP包
装における錠剤やカプセル等の取り出し容器において、前記透明な筒型の逆台型の容器1
の傾斜口部2下の両側に上方の突起3,3と、下方側の突起30,30とを2段式に形成
させたPTP包装の錠剤やカプセル等の取り出し容器。
【請求項2】
前記容器1の口部2側と容器1下の底面側との双方へ挿脱させれるようにするキャップ
4はその内周面下の両側に、前記容器1の口部2下の2段式の突起3,3、30,30に
夫々係止状に対応する突起5,5を有し、且つ、当該キャップ4の後側の上部からクリッ
プ6を一体的に形成させたことを特徴とする請求項1記載のPTP包装の錠剤やカプセル
等の取り出し容器にセットするキャップ。
【請求項3】
前記キャップ4の色を、緑色、黄色、赤色、白色の4色の色別に成型して、該色別にし
た当該キャップ4,4,4,4を、前記容器1,1,1,1の各口部2,2,2,2へ夫
々対にセットするように構成したことを特徴とする請求項1,2記載のPTP包装の錠剤
やカプセル等の取り出し容器と対にセットする4色別のキャップの使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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