説明

RFID受付システム

【課題】整理券の待機順不一致、受付窓口の回転率を改善するRFID受付システムを提供する。
【解決手段】RFID受付システムは、各々固有識別子を含むICタグを有する1以上の券と、前記券を発行する際に前記ICタグから読み取った前記固有識別子に関する第1の情報を送信するICタグ管理端末と、前記ICタグから読み取った前記固有識別子と入力データとを関連付けた第2の情報を送信するデータ入力端末と、前記第1の情報と前記第2の情報を関連付けて記憶するシステム制御装置と、読み取った前記固有識別子に関する前記第2の情報を前記システム制御装置から受信し、表示するICタグ受付端末とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)タグを利用した受付システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、旅行代理店、銀行、市役所など受付窓口で業務を行う店舗では、混乱を避け業務効率を上げるために、利用者に整理券などを配付し、順番に窓口業務を行っている。配付される整理券は、紙またはプラスチックなどの素材で作られている。整理券は、待機順、受付時刻などの情報が記述されている。窓口業務が2種類以上ある場合、整理券は、受け付け内容に応じて色、形などを分別して種類分けされている。
【0003】
特許文献1は、窓口業務を依頼した顧客の位置情報を取得し、待ち時間中に顧客が占有する表示端末に対して顧客毎に異なる表示内容で情報提供するシステムについて開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−104256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、整理券は、待機順、受付時刻のみが記述されている。そのため、整理券を引き取った利用者が受付窓口を利用する前に整理券を返却して退店した場合、受付順と整理券に記述された待機順は一致しなくなる。整理券が使い捨てであれば、整理券の返却は減り、受付順と整理券に記述された待機順との不一致は減少する。しかしながら、整理券を発券する装置は維持コストがかかり、環境へ悪影響である。
【0006】
さらに、特許文献1の構成において、店舗側は、利用者が引き取った整理券の情報のみでは、待機中の利用者の訪問理由を詳細に把握できない。その結果、店舗側は、待機中の利用者を適切に応対できる従業員のいる受付窓口へ適応的に案内することが難しい。店舗によっては、利用者が待機中に氏名、連絡先などの必要事項を用紙に記入し、店舗の従業員がその用紙を確認しながら端末に入力する場合もあり得る。しかしながら、店舗側にとっては、入力ミスの発生、作業の重複など、業務効率に問題を生じる可能性がある。
【0007】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、整理券の待機順不一致、受付窓口の回転率を改善するRFID受付システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためにこの発明の第1の観点は、以下のような構成要素を備えている。すなわち、RFID受付システムは、各々固有識別子を含むICタグを有する1以上の券と、前記券を発行する際に前記ICタグから前記固有識別子を読み取る第1の読取手段と、前記第1の読取手段で読み取られた前記固有識別子に関する第1の情報を送信する第1の送信手段と、を有するICタグ管理端末と、前記ICタグから前記固有識別子を読み取る第2の読取手段と、入力データを受け付けるデータ受付手段と、前記第2の読取手段で読み取られた前記固有識別子と前記データ受付手段で受け付けられた前記入力データとを関連付けた第2の情報を送信する第2の送信手段と、を有するデータ入力端末と、前記第1の情報と前記第2の情報を受信する第1の受信手段と、前記第1の情報と前記第2の情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、要求に応じて前記記憶手段で記憶している前記第2の情報を送信する第3の送信手段と、を有するシステム制御装置と、前記ICタグから前記固有識別子を読み取る第3の読取手段と、前記第3の読取手段で読み取られた前記固有識別子に関する前記第2の情報の要求を前記システム制御装置に送信する第4の送信手段と、前記第3の読取手段で読み取られた前記固有識別子に関する前記第2の情報を受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段で受信した前記第2の情報を表示する表示手段と、を有するICタグ受付端末とを備える。
【発明の効果】
【0009】
すなわちこの発明によれば、整理券の待機順不一致、受付窓口の回転率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に係るRFID受付システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施形態に係る整理券の概観図。
【図3】実施形態に係る受付管理端末の概観図。
【図4】実施形態に係るデータ入力端末の概観図。
【図5】実施形態に係る受付表示モニタに表示される画面図。
【図6】実施形態に係る受付窓口端末の概略図。
【図7】実施形態に係るRFID受付システムの動作を示すフローチャート。
【図8】実施形態に係るRFID受付システムにおける人とデータの流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照してこの発明に係る実施形態を説明する。図1は、実施形態に係るRFID受付システム1の構成を示すブロック図である。RFID受付システム1は、整理券2、受付管理端末3、データ入力端末4、受付情報モニタ5、受付窓口端末6、制御PC(Personal Computer)7を備える。制御PC7は、受付管理端末3、データ入力端末4、受付情報モニタ5、受付窓口端末6それぞれと有線または無線接続され、情報を送受信する。
【0012】
はじめに、整理券2の構成について説明する。図2は、整理券2の概観図である。整理券2は、プラスチック等再利用可能な素材で構成されている。整理券2は、それぞれ他の整理券2と重複しない色、番号など、またはこれらの組み合わせが印字されている。なお、整理券2の印字内容は、利用者(または店舗側のサービス提供者)が他の整理券2との印字内容の違いを判断できるものであれば、絵、文字、記号など、またはこれらの組み合わせであってもよい。図2は、複数の形状の整理券2の例を示しているが、整理券2の形状は特に限定されない。整理券2は、図1に示すRFID受付システム1では3枚のみ図示しているが、1枚以上含まれていればよい。整理券2は、1つのIC(Integrated Circuit)タグ21を備える。ICタグ21には、固有識別子(ユニークID)が付与されている。
【0013】
次に、受付管理端末(ICタグ管理端末)3の構成について説明する。図3は、受付管理端末3の概略図である。受付管理端末3は、制御部31、読取部32、通信部33を備える。受付管理端末3は、1枚以上の整理券2を収納する。制御部31は、受付管理端末3の各部の動作を制御する。読取部32は、整理券2のICタグ21とデータを送受信する。つまり、読取部32は、ICタグ21に対するリーダライタである。通信部33は、制御PC7と各種情報を送受信する。なお、受付管理端末3は、RFID受付システム1全体を制御する制御PC7と共通の制御部で制御されるように構成されていても、異なる制御部で制御されるように構成されていてもよい。
【0014】
次に、受付管理端末3の動作について説明する。受付管理端末3は、利用者(ここでは、RFID受付システム1が設置された店舗を訪問した者をいう)は、受付窓口での応対を順番待ちするために、受付管理端末3から整理券2を1枚引き取ることによって受付順番待ちする。読取部(読取手段)32は、引き取られた整理券2のICタグ21から固有識別子を読み取る。制御部31は、この整理券2が引き取られた時刻(以降、受付時刻という)を取得する。通信部(送信手段)33は、利用者によって整理券2引き取られた時刻と、この整理券2の固有識別子を紐付けした情報を制御PC7へ送信する。
【0015】
RFID受付システム1は、受付時刻で利用者の受付順番待ちを管理するので、受付時刻の早い利用者つまり受付順の順番通りに案内できる。なお、制御部31は、制御PC7から受信した情報に基づいて、整理券2を引き取った利用者を待機時間なく受付窓口へ案内可能と判断した場合、整理券2が引き取られたときに図示しない報知部で音、映像、光などを発するように制御してもよい。なお、利用者が受付窓口を利用せずに整理券2を受付管理端末3に返却した場合、読取部32は、整理券2のICタグ21から固有識別子を読み取る。そして、通信部33は、返却された整理券3の固有識別子の情報を制御PC7へ送信する。したがって、受付管理端末3は、この返却された整理券3を再び使用可能な状態で内部に収納する。
【0016】
次に、データ入力端末4の構成について説明する。図4は、データ入力端末4の概略図である。データ入力端末4は、制御部41、読取部42、入力部43、表示部44、通信部45を備える。制御部41は、データ入力端末4の各部の動作を制御する。読取部42は、整理券2のICタグ21とデータを送受信する。つまり、読取部42は、ICタグ21に対するリーダライタである。入力部43は、利用者によるデータ入力を受け付ける。入力部43は、キーボード、タッチパネル、マウスなどである。表示部44は、利用者に対する各種情報を表示する。通信部45は、制御PC7と各種情報を送受信する。なお、データ入力端末4は、受付管理端末3と異なる端末として図1に示しているが、同一の端末であってもよい。
【0017】
次に、データ入力端末4の動作について説明する。利用者は、受付管理端末3で引き取った整理券2をデータ入力端末4の読取部42に翳す。読取部(読取手段)42は、整理券2のICタグ21から固有識別子を読み取る。制御部41は、制御PC7から受信した情報に基づいて、整理券2を引き取った利用者を待機時間なく受付窓口へ案内可能と判断した場合、利用者によるデータ入力が不要である内容及び受付窓口の番号を表示部44に表示するように制御する。これらの情報が表示された表示部44を見た利用者は、データ入力端末4でデータ入力することなく指定された受付窓口に行くことができる。
【0018】
制御部41は、制御PC7から受信した情報に基づいて、整理券2を引き取った利用者は受付窓口に案内されるまでに待機時間があると判断した場合、利用者によるデータ入力を要求する内容を表示部44に表示するように制御する。利用者は、入力部43を用いて、事前に必要な入力情報(入力データ)をデータ入力端末(データ受付手段)4に入力することができる。データ入力端末4で可能な入力情報とは、氏名、住所、連絡先、訪問理由などである。通信部(送信手段)45は、読取部42で読み取られた固有識別子と、その固有識別子に対応する整理券2を持つ利用者が入力部43で入力したデータとを関連付けた情報を制御PC7へ送信する。
【0019】
次に、受付情報モニタ5の構成について説明する。受付情報モニタ5は、受付順に、整理券2に記述された番号、状態、受付窓口、待機時間を関連付けた情報(以降、受付情報という)を表示するモニタである。受付情報モニタ5は、制御PC7による制御に基づいて待機情報の内容を切り替える。受付情報モニタ5は、通常、待合室に設置されている。
【0020】
次に、受付情報モニタ5における受付情報の表示について説明する。受付情報モニタ5は、受付管理端末3から整理券2が引き取られると、整理券2に記述された番号、状態「待機中」を受付情報に追加して表示する。受付情報モニタ5は、ある整理券をもつ利用者の受付窓口への案内順番が回ってくると、受付情報のうちその整理券に記述された番号に対応する状態を「待機中」から「案内中」へ変更し、さらに受付窓口の番号を表示する。受付情報モニタ5は、利用者が案内された受付窓口の従業員に整理券2を返却し、受付窓口端末6が受付窓口で返却された整理券2のICタグ21から固有識別子を読み取り、制御PC7に読み取った固有識別子の情報を送信すると、受付情報のうちその整理券2に記述された番号に対応する状態を「案内中」から「受付中」へ変更して表示する。受付情報モニタ5は、受付窓口の従業員がある利用者に対する窓口業務を終了し、受付窓口端末6が再び受付窓口で返却された整理券2のICタグ21から固有識別子を読み取り、制御PC7に読み取った固有識別子の情報を送信すると、受付情報のうちその整理券2に記述された番号の表示を削除し、他の整理券2に記述された番号の案内予定を変更して表示する。
【0021】
次に、受付窓口端末(ICタグ受付端末)6の構成について説明する。図6は、受付窓口端末6の概略図である。なお、受付窓口端末6は、図1に示すRFID受付システム1では1つしか図示されていないが、受付窓口の従業員の席毎に1台ずつ設けられている。受付窓口端末6は、制御部61、読取部62、通信部63、表示部64を備える。制御部61は、受付窓口端末6の各部の動作を制御する。読取部62は、整理券2のICタグ21とデータを送受信する。つまり、読取部62は、ICタグ21に対するリーダライタである。通信部63は、制御PC7と各種情報を送受信する。表示部64は、受付窓口の従業員に対する各種情報を表示する。例えば、受付窓口端末6は、図6に示すように、読取部62を備えるICタグ読取部と、制御部61、通信部63、表示部64を備える窓口業務PCで構成されている。窓口業務PCは、例えば、旅行代理店であれば、チケットの発券処理機能を備えていてもよい。
【0022】
次に、受付窓口端末6の動作について説明する。利用者は、受付管理端末3から引き取った整理券2に記述されている番号に対応する状態が「案内中」と受付情報が受付情報モニタ5に表示されると、指定された受付窓口に行き、整理券2を受付窓口の従業員に返却する。受付窓口の従業員は、返却された整理券2を読取部62に翳す。読取部(読取手段)62は、整理券2のICタグ21から固有識別子を読み取る。制御部61は、この整理券2のICタグ21から固有識別子を読み取った時刻(以降、窓口業務開始時刻という)を取得する。通信部(送信手段)63は、読取部62で読み取った固有識別子及び窓口業務開始時刻に関する情報と、この固有識別子と関連付けられているデータ入力端末4で入力されたデータ(つまり入力情報)を要求する情報とを制御PC7に送信する。つまり、この段階で通信部63が制御PC7に送信する情報は、窓口業務開始を通知する情報である。
【0023】
通信部(受信手段)63は、制御PC7への要求に基づいて、読取部62で読み取った固有識別子と関連付けられているデータ入力端末4で入力されたデータを制御PC7から受信する。制御部61は、制御PC7から受信した情報を表示部(表示手段)74に表示するように制御する。
【0024】
受付窓口の従業員は、データ入力端末4で入力されたデータを表示部64で確認することで、迅速に窓口業務を行うことができる。受付窓口の従業員は、窓口業務終了後、返却された整理券2を再び読取部62に翳す。読取部62は、整理券2のICタグ21から固有識別子を読み取る。制御部61は、整理券2のICタグ21から固有識別子を読み取った時刻(以降、窓口業務終了時刻という)を取得する。通信部63は、読取部62で読み取った固有識別子及び窓口業務終了時刻に関する情報を制御PC7に送信する。つまり、この段階で通信部63が制御PC7に送信する情報は、窓口業務終了を通知する情報である。
【0025】
次に、制御PC7の構成について説明する。制御PC7は、制御部71、通信部72、記憶部73を備える。制御部71は、制御PC7の各部の動作を制御する。通信部(送信手段または受信手段)72は、受付管理端末3、データ入力端末4、受付情報モニタ5、受付窓口端末6それぞれと通信する。記憶部(記憶手段)73は、各種情報を記憶する。
【0026】
次に、制御PC7の動作及び記憶部73で記憶する情報について説明する。記憶部73は、整理券2の印字内容とICタグ21の固有識別子とを1対1で紐付けして予め記憶する。第1に制御PC7と受付管理端末3との間の情報通信について説明する。通信部72は、利用者が受付管理端末3から整理券2を引き取った受付時刻と、この整理券2の固有識別子とを紐付けした情報を受付管理端末3から受信する。さらに、通信部72は、利用者が受付窓口を利用せずに受付管理端末3に返却した整理券3の固有識別子の情報を受付管理端末3から受信する。一方、通信部72は、整理券2を引き取った利用者を待機時間なく受付窓口へ案内可能か否かを示す情報を受付管理端末3に送信する。制御部71は、固有識別子、整理券2に記述された番号、状態、受付窓口、待機時間を関連付けて受付順に並べた受付情報を、受付管理端末3から情報を受信する毎に更新して記憶部73に記憶させるように制御する。
【0027】
第2に制御PC7とデータ入力端末4との間の情報通信について説明する。通信部72は、データ入力端末4から読取部42で読み取られた固有識別子と、その固有識別子に対応する整理券2を持つ利用者が入力部43で入力したデータとを関連付けた情報を受信する。一方、通信部72は、整理券2を引き取った利用者を待機時間なく受付窓口へ案内可能か否かを示す情報をデータ入力部4に送信する。制御部71は、受付情報に加え、固有識別子とデータ入力部4で入力されたデータを関連付けて記憶部73に記憶させるように制御する。
【0028】
第3に制御PC7と受付窓口端末6との間の情報通信について説明する。通信部72は、読取部62で読み取った固有識別子と窓口業務開始時刻に関する情報と、この固有識別子と関連付けられているデータ入力端末4で入力された情報を要求する情報とを受付窓口端末6から受信する。その後、通信部72は、読取部62で読み取った固有識別子及び窓口業務終了時刻に関する情報を受付窓口端末6から受信する。一方、通信部72は、受付窓口端末6からのデータ入力端末4で入力された情報の要求に基づいて、受付窓口端末6で読み取った固有識別子と関連付けられているデータ入力端末4で入力されたデータを受付窓口端末6に送信する。
【0029】
制御部71は、受付管理端末3から受信した受付時刻に加えて受付窓口端末6から受信した窓口業務開始時刻、窓口業務終了時刻に関する情報に基づいて、利用者の待機時間、各利用者に対する受付窓口での処理時間を算出し、各受付窓口の過去の業務内容と処理時間を関連付けて記憶部73に記憶させるように制御する。さらに、制御部71は、各受付窓口の過去の業務内容(訪問理由に対応)と処理時間を関連付けた情報と、待機中の利用者が持つ整理券2に記述された番号と関連付けられた訪問理由の情報とを比較することで、待機中の利用者の予測待機時間を算出する。
【0030】
第4に制御PC7と受付情報モニタ5との間の情報通信について説明する。制御部71は、利用者が受付管理端末3から整理券2を引き取った受付時刻と、この整理券2の固有識別子とを紐付けした情報を受付管理端末3から受信する毎に、整理券2に記述された番号を受付情報に追加し、受付情報における番号に対応する状態の欄を「待機中」として表示するように受付情報モニタ5を制御する。制御部71は、受付窓口端末6で読み取った固有識別子と窓口業務開始時刻に関する情報を受信すると、受付情報における整理券2に記述された番号に対応する状態の欄を「案内中」として表示するように受付情報モニタ5を制御する。制御部71は、受付窓口端末6で読み取った固有識別子及び窓口業務終了時刻に関する情報を受信すると、整理券2に記述された番号及びこれに対応する情報を受付情報から削除して表示するように受付情報モニタ5を制御する。制御部71は、受付順、データ入力端末4で入力された訪問理由、各受付窓口の空き状況に基づいて選別した案内先を、受付情報における受付窓口の欄に追加して表示するように受付情報モニタ5を制御する。制御部71は、算出した予測待機時間を、受付情報における待機時間の欄に追加して表示するように受付情報モニタ5を制御する。
【0031】
次に、利用者にRFID受付システム1における整理券2の発行から受付情報モニタ5における受付情報の表示の流れを説明する。図7は、この流れを説明するフローチャートである。はじめに、受付管理端末3は、利用者が引き取ることにより整理券2を発行する(ステップS101)。受付管理端末3は、整理券2を引き取った利用者が受付窓口に案内されるまでの待機時間があるか否か判断する(ステップS102)。受付管理端末3が待ち時間はあると判断する場合(ステップS102、YES)、制御PC7は、引き取られた整理券2に記述された番号及び対応する状態を受付情報に追加して受付情報モニタ5に表示するように制御する(ステップS103)。
【0032】
次に、データ入力端末4は、利用者による入力情報があるか否かを判断する(ステップS104)。制御PC7が入力情報はあると判断した場合(ステップS104、YES)、制御PC7は、データ入力端末4から入力情報を取得する(ステップS105)。その後、制御PC7は、算出した予測待機時間を、受付情報における待機時間の欄に追加して表示するように受付情報モニタ5を制御する(ステップS106)。制御PC7が入力情報はないと判断した場合(ステップS104、NO)もステップS106に進む。
【0033】
次に、制御PC7は、受付順、入力情報、各受付窓口の空き状況に基づいて選別した案内先を、受付情報における受付窓口の欄に追加して表示するように受付情報モニタ5を制御する(ステップS107)。受付管理端末3が待ち時間はないと判断した場合(ステップS102、NO)もステップS107に進む。受付窓口端末6は、受付窓口の従業員が窓口業務を開始するときに、整理券2のICタグ21から固有識別子を読み取る(ステップS108)。受付窓口端末6は、受付窓口の従業員が窓口業務を終了するときに、整理券2のICタグ21から固有識別子を読み取る(ステップS109)。制御PC7は、受付窓口端末6から受信した窓口業務終了時刻に関する情報に基づいて、空いた受付窓口へ次の案内者を誘導するように受付情報を更新して受付情報モニタ6に表示するように制御する(ステップS110)。
【0034】
次に、RFID受付システム1における利用者の流れとデータの流れを説明する。図8は、この流れを説明する図である。はじめに、利用者の流れについて説明する。利用者は、受付管理端末3から整理券2を引き取る。次に、利用者は、待合室に設置されているデータ入力端末4でデータを入力する。利用者は、受付情報モニタ6に表示された受付情報で自分の順番が回ってきたことを確認すると、指定された受付窓口へ移動する。
【0035】
次にデータの流れについて説明する。制御PC7は、受付管理端末3から引き取られた整理券2の固有識別子に関する情報を取得し、引き取られた整理券2に記述された番号の受付順番待ちの管理を開始する。制御PC7は、データ入力端末4から入力情報を取得する。制御PC7は、受付管理端末3及びデータ入力端末4から受信した情報に基づいて受付情報を更新して受付情報モニタ6に表示するように制御する。
【0036】
本実施形態によれば、RFID受付システム1は、ICタグ21を備える整理券2を利用することで、利用者の訪問理由などの情報を窓口業務の開始前に取得することができ、さらに、整理券を持つ各利用者の待機時間、各利用者に対する窓口での処理時間を管理することができる。したがって、本実施形態は、利用者を適切に応対できる従業員へ受付順に誘導することができる。さらに、本実施形態は、待機中に利用者が入力したデータをそのまま窓口業務で使用することにより、従業員の入力ミス及び入力作業を減らすことができ、窓口業務の効率をあげることができる。さらに本実施形態は、整理券が再利用可能なので、RFID受付システム1の運営コストを下げられる。
【0037】
なお、RFID受付システム1では、ICタグ21を備える整理券2とは別にICタグ21を備える携帯端末(例えば携帯電話)を用いて受付管理端末3で受付けするようにしてもよい。この場合、制御PC7の制御部71は、受付窓口への案内順番が回ってくる旨及び受付窓口の番号の連絡を通信部73を介して携帯端末に対してメールまたは電話で通知することができる。なお、この通知は、制御部71が自動で予め記憶部72に記憶された携帯端末のメールアドレスへのメールの送信または電話番号への電話の呼び出しをすることで実行しても、従業員が制御PC7で個別にメールの送信または電話の呼び出しを入力することで実行してもよい。携帯端末を持つ利用者は、受付後に店舗外に出たとしても、制御PC7と通信可能範囲内であれば、この通知を受信することができる。さらに、利用者は、データ入力端末4で受付内容を入力情報として入力できるが、受付内容は、ICタグ21または携帯端末に予め保存しておくようにしてもよい。この場合、受付端末3の読取部32またはデータ入力端末4の読取部42は、ICタグ21または携帯端末に保存されている受付内容を読み取ることができる。したがって、利用者は、店舗に来た後の受付に要する時間を短縮できる。
【0038】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1…RFID受付システム、2…整理券、3…受付管理端末、4…データ入力端末、5…受付情報モニタ、6…受付窓口端末、7…制御PC、21…ICタグ、31…制御部、32…読取部、33…通信部、41…制御部、42…読取部、43…入力部、44…表示部、45…通信部、61…制御部、62…読取部、63…通信部、64…表示部、71…制御部、72…通信部、73…記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々固有識別子を含むICタグを有する1以上の券と、
前記券を発行する際に前記ICタグから前記固有識別子を読み取る第1の読取手段と、前記第1の読取手段で読み取られた前記固有識別子に関する第1の情報を送信する第1の送信手段と、を有するICタグ管理端末と、
前記ICタグから前記固有識別子を読み取る第2の読取手段と、入力データを受け付けるデータ受付手段と、前記第2の読取手段で読み取られた前記固有識別子と前記データ受付手段で受け付けられた前記入力データとを関連付けた第2の情報を送信する第2の送信手段と、を有するデータ入力端末と、
前記第1の情報と前記第2の情報を受信する第1の受信手段と、前記第1の情報と前記第2の情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、要求に応じて前記記憶手段で記憶している前記第2の情報を送信する第3の送信手段と、を有するシステム制御装置と、
前記ICタグから前記固有識別子を読み取る第3の読取手段と、前記第3の読取手段で読み取られた前記固有識別子に関する前記第2の情報の要求を前記システム制御装置に送信する第4の送信手段と、前記第3の読取手段で読み取られた前記固有識別子に関する前記第2の情報を受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段で受信した前記第2の情報を表示する表示手段と、を有するICタグ受付端末と、
を備えるRFID受付システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−79224(P2012−79224A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225783(P2010−225783)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】