説明

RFID通信により物体を位置特定するための装置

【課題】 RFID通信により物体を位置特定するための装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、リーダとタグとの間の電気的接触を伴わない誘導結合による無線周波数通信を介した物体の位置特定および識別に関する。装置は、既知の位置に配置された誘導性アンテナ(AF)を有するRFIDタグタイプのN個の固定RFIDマーカ(EF)のアレイ(Nは1より大きい整数)と、N個のマーカの付近を通る固定読み取り誘導性アンテナ(AL)が設けられたRFIDタグリーダ(LF)とを備える。誘導性読み取りアンテナに対するN個のマーカの位置は、いずれのマーカの誘導性アンテナと誘導性読み取りアンテナとの間の相互インダクタンスも、マーカのアレイの近傍にいずれの位置特定対象の物体も存在しないときにはゼロとなり、検討中のマーカの近傍にRFIDタグが存在するときには非ゼロとなる。結合は、マーカの付近に移動タグが存在する状態で確立される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーダと電子タグとの間の物理的接触を伴わない反応ゾーンにおける無線周波数通信(誘導結合)を介した物体の位置特定および識別に関する。リーダはアンテナを介してデータを送出し、電子タグはこの送出に反応し、リーダはタグの反応を検出する。タグの反応の仕方は、放出の際にリーダにより送信されるデータ(例えば、呼び掛けデータ)とタグに固有のデータ(例えば、識別データ)との両方に依存するため、リーダは、タグを識別することが可能である。
【背景技術】
【0002】
この種の通信は、RFID(Radio Frequency IDentification;無線周波数識別)との用語で知られるアプリケーション分野の一部を形成している。かかる通信は、例えば、アクセスの許可を意図する非接触バッヂもしくはカード、または識別対象の物体に貼付される識別タグに用いられる。
【0003】
以下、カード、バッヂ、またはタグは、「タグ」または「RFIDタグ」との単語により表すものとし、この用語は、これらの物体の特定の形態を限定的に表すものではないことを理解されたい。
【0004】
送信は、通常、無線周波数磁界を介して行われ、リーダの一部を形成する誘導性アンテナおよびタグの一部を形成する誘導性アンテナを用いる。これらのアンテナは、タグに一体化された1巻き以上の導電性巻線で構成することが可能である。この巻線は、周波数同調、減衰、およびインピーダンス整合の機能を行うことを意図する電子回路に関連付けられ、巻線およびこれらの補助コンポーネントで構成されるアセンブリを誘導性アンテナと呼ぶ。主に、高周波磁界により巻線に誘導される電圧により、リーダからタグに、および反対方向に情報が伝達される。情報交換およびオプションでエネルギー受信に供される誘導性アンテナに加え、タグは、一般に、呼び掛けデータの解析および応答の生成の機能を扱う集積回路マイクロチップを備える。
【0005】
これらのシステムでは、リーダは、一般に、無線周波数呼び掛け信号を構成するように通信プロトコルに従って変調された無線周波数キャリアを送信する。誘導性アンテナを有するタグの場合に典型的な周波数は、振幅、または位相、または周波数において変調された状態で13.56MHzであり、以下の例では、この周波数について説明する。次いで、リーダは応答を待つ。リーダに近接する地理的ゾーンにタグが存在し、呼び掛け信号がそのタグからの応答に関与するものであれば、タグは反応し、リーダに向けて情報のアイテムを返送する。応答は、単純なデジタル識別の送出であってもよいし、より複雑なものであってもよい。
【0006】
タグは、いずれの自律的パワー供給ソースも有さなくてもよく、この場合、タグが応答を送出することを可能にするエネルギーは、リーダのアンテナにより生成される無線周波数磁界によりタグのアンテナを介して誘導方式で提供される。短距離(数十センチメートルまで)の通信アプリケーションについては、呼び掛け信号通信期間中に変調無線周波数磁界によりエネルギーを提供することも可能である。
【0007】
リーダの誘導性アンテナは、好ましくは、信号送出アンテナの役割と、タグの応答により誘導される電磁界変調を検出するための受信アンテナの役割との両方を果たす。タグの応答は、一般に、自らのアンテナのインピーダンスの変調の形式で行われる。タグが反応ゾーン(磁界が放射性でなく主に反応性である場合、波長の12分の1未満の距離)にあるときは、タグのアンテナとリーダのアンテナとの電磁結合により、タグのアンテナのインピーダンスの変調により、リーダのアンテナに接続されたリーダの回路に見られるように、リーダのアンテナのインピーダンスの変化を生じさせる。このインピーダンスの変化により、応答を検出および解析することができる。
【0008】
リーダは、期間Tの間、タグを対象とする認識可能な呼び掛け信号を構成するように、キャリア周波数Fpを有する自らの信号を変調させる。続く第2の期間T’の間は、タグが存在する場合はタグからの応答を受信するように、キャリア周波数Fpを有するリーダの信号を変調させない。
【0009】
これらの原理に沿って動作する、物体の識別(物体に貼付されたRFIDタグを介する)だけでなく空間における物体の位置特定をも補助するための様々なシステムが、過去に既に提案されている。
【0010】
仏国特許出願公開第2891980号では、RFIDタグが既知の位置にあり、リーダを位置特定することを可能にしている。
【0011】
仏国特許出願公開第2907950号では、移動リーダが移動し、タグを備えた物体の付近を通るときにこれらの物体を識別する。リーダは、衛星測位システムによりいずれの瞬間においても自らの位置を把握しており、その位置から遭遇した物体の位置を推定する。
【0012】
米国特許出願公開第2008/0278289号では、ビーコンが磁界を発生させる。付近を通るタグは、ビーコンに対するその相対位置に依存して、様々なビーコンから受信される可変レベルの磁界を検出する。これらのレベルがリーダに送信され、リーダは、これらのレベルからタグの位置を推定する。
【0013】
米国特許出願公開第2009/0085741号では、既知の位置を有するタグに対してRFIDリーダが位置特定される。
【0014】
国際公開第2008/45075号パンフレットでは、固定アンテナのアレイに対するRFIDタグが設けられた物体の位置が検出され、固定アンテナは、各々が移動タグの存在を個々に検出可能な同数の固定リーダを構成している。読み取り回路そのものは、固定アンテナと同数の個々の読み取り経路(直接的な電気的接続で構成される)により固定アンテナの各々に電気的にリンクされた単一の読み取り回路にグループ化されている。
【0015】
最後に、国際公開第2009/034526号パンフレットでは、RFIDタグを携帯する物体の三次元変位に追従することを目的として、特定方向のRFIDリンクに注目することを可能にする構成可能な放射パターンを有するアンテナを構成する無線周波数アンテナマトリクスが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、過去に提案されたシステムよりも単純な、RFIDタグ(移動リーダでなく)を位置特定および識別するためのシステムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、誘導性アンテナを有するRFIDタイプのタグを備えた物体を位置特定するための装置であって、装置は、既知の位置に配置された誘導性アンテナを有するN個の固定RFIDタグ(またはマーカ)のアレイを備え、Nは1より大きい整数である、装置であって、N個のマーカのN個のアンテナの付近を通る固定読み取り誘導性アンテナが設けられたRFIDタグリーダをさらに備え、誘導性読み取りアンテナは、N個のマーカのN個のアンテナの位置に対して、いずれのマーカの誘導性アンテナと誘導性読み取りアンテナとの間の相互インダクタンスもゼロとなるように構成されていることを特徴とする、装置が提案される。このため、誘導性読み取りアンテナによりいずれのマーカに誘導される電気的活動も、固定アンテナのアレイの近傍にいずれの位置特定対象の物体も存在しないときにはゼロとなるが、検討中のマーカの近傍に位置特定対象の物体のRFIDタグが存在するときには非ゼロとなる。誘導性読み取りアンテナとRFIDタグのアンテナとの間に広義の電磁結合が発生し、RFIDタグのアンテナとマーカのアンテナとの間に電磁結合が発生することで、結果的に誘導性読み取りアンテナとマーカとの間に電磁結合が生じると言えるかもしれない。
【0018】
以下、誘導性アンテナを有する固定RFIDタグを「マーカ」と呼ぶ。この定義は、マーカがオプションでRFIDタグの動作に厳密に必要な要素以外の要素を備え得る可能性を排除するものではない。
【0019】
リーダは、自らのアンテナを介して、マーカとこのアンテナの近傍にあるかもしれない可能性のあるタグとを対象とする呼び掛けを送出する。リーダのアンテナとマーカのアンテナとの間の相互誘導結合はゼロであるため、マーカ以外にタグが存在しなければ、N個のマーカからはいずれの応答も得られない。しかし、RFIDタグを備えた移動物体が読み取りアンテナとN個のマーカの少なくとも1つのアンテナとの両方に近付くと、移動物体のRFIDタグのアンテナを介してマーカのアンテナに読み取りアンテナにより電気的活動が誘導され、移動タグのアンテナを介してマーカのアンテナと読み取りアンテナとの間に電磁結合が確立されるということになる。この結合は、マーカが、N個のマーカの個体における自らの一意の識別を与えてリーダに応答することが可能であることを示唆する。このN個のうちの1つのマーカの識別により、このマーカの付近に物体が位置することが指示される。移動物体のタグがN個のマーカのうちのいくつかのマーカと著しい結合を確立する場合は、各々が自らの識別を送信することで、かかる多重結合が可能なゾーンに物体が位置することを指示することが可能である。
【0020】
好ましくは、マーカのアレイは、マーカのアンテナの中心を通る行に編成され、アレイは、これらの行の間に位置するゾーンを定義し、位置特定は、物体が配置されているゾーンを囲むいくつかのマーカについての識別データを受信するステップを含む。行のアレイは、規則的に分散された行および列のアレイに編成されてもよいが、これは必須ではない。
【0021】
マーカのアレイは、各々がそれぞれの読み取りアンテナを備えるいくつかの独立した読み取り経路により編成されてもよい。そして、マーカは、いくつかの群に編成され、各群は、それぞれの独立した読み取り経路の誘導性アンテナに関連付けられる。すると、移動物体のRFIDタグが群のマーカと読み取りアンテナとの間に電磁結合を発生させれば、移動物体を一方または他方の群のマーカに対して位置特定することが可能になる。また、移動物体が2つの異なる群に属する2つのアンテナとこれらの2つの群の読み取りアンテナとの間に電磁結合を発生させれば、移動物体を両方の群のマーカに対して同時に位置特定することが可能になる。独立した読み取り経路は、並置されてもよいし、または一方が他方にネスト化されてもよい。各読み取りアンテナは、この読み取りアンテナに関連付けられたマーカのそれぞれの群のマーカのアンテナとの相互インダクタンスがゼロであるようになされている。また、すべてのマーカは、自らのアンテナと自らが属する群の少なくとも1つの読み取りアンテナとの相互インダクタンスがゼロであるようになされている。マーカは、自らのアンテナと2つ以上の読み取りアンテナとの相互インダクタンスがゼロであってもよい。
【0022】
物体の位置は、物体が付近に位置する1つ以上のマーカの識別により得られる。この位置特定は、読み取りアンテナを介してリーダにより実行される連続的な呼び掛けにより得られる識別子のリストからの推定により直接達成することが可能であり、この識別子のリストは、移動物体に関連付けられたタグの識別子と、移動タグの存在により識別可能になるマーカの識別子とを含む。
【0023】
識別子の単一のリストに基づいていくつかの移動物体の位置特定を行うと、曖昧さが生じる。いくつかの独立した読み取り経路がある場合は、識別子のいくつかのリスト(読み取り経路当たり1つ)を得ることによりいくつかの物体の識別が可能になる。
【0024】
タグを携帯する物体の位置特定は、移動タグの存在に反応したマーカを介して間接的に達成することが可能である。この目的のため、マーカは、移動タグがリーダに応答してデータを送信するときに移動タグを識別するデータを傍受する受信および解析手段を装備し、マーカは、それら自体がリーダの呼び掛けにより促されたときにそれらの自体の識別データに関連付けられた移動タグの識別データをリーダに再送信する。
【0025】
いくつかの物体がある場合は、マーカは、それらが反応する移動タグの識別子を傍受することが可能である。物体の位置特定を行うため、リーダは、移動タグおよびいくつかのマーカの識別子のリストと、識別されたマーカ毎の移動タグの識別子のサブリストとを有する。これにより、いくつかの物体を位置特定する際の曖昧さが低減される。
【0026】
読み取り経路のアンテナは、平面において部分的に重なるエリア、または逆に重ならないエリアが画定されるように構成することが可能である。
【0027】
マーカは、好ましくは、位置特定対象の物体に関連付けられたタグについての識別情報を検出および解析することが可能であるように設計される。
【0028】
最後に、RFIDリーダは、好ましくは、様々なレベルの無線周波数磁界について解析を行うことが可能であるようになされてもよい。
【0029】
本発明の他の特徴および利点は、下記の添付図面を参照して与えられる後続の詳細な説明を読むことにより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一般的原理を示す。
【図2】図1のものと異なる読み取りアンテナの構成を示す。
【図3】固定アンテナと読み取りアンテナとの間の相互インダクタンスの値の調整の原理を示す。
【図4】2つの並置された読み取り経路を有する装置を示す。
【図5】2つのネスト化された読み取り経路を有する装置を示す。
【図6】2つのネスト化された読み取り経路および五つ目状に固定されたアンテナを有する別の装置を示す。
【図7】固定アンテナのアレイの行および列により定義される領域において移動アンテナを位置特定する原理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
N個の固定RFIDタグ(本例ではN=16)のアレイを図1に示す。これらのRFIDタグは、便宜上「マーカ」と呼ぶものとし、かかるRFIDタグのアンテナは、互いに対して既知の位置に配置されている。アンテナは、行列状の規則的なメッシュのノードに配設されるのが好ましいが、アレイは、異なるように、例えば、同心円および規則的に分散された半径に沿って、または検討されるアプリケーションにおいて好ましければ不規則なノードのグリッドに従って編成することも可能である。一次元での位置特定が求められるのであれば、単一行のアンテナを有することも可能である。アレイのこれらのノードに対する、「移動タグ」と呼ばれるRFIDタグを携帯する物体の位置を決定することが求められる。
【0032】
固定および移動の概念は、相対的なものである。重要なのは、移動タグの絶対位置でなく相対位置であり、アレイに対する移動タグの相対位置が求められる。マーカは、読み取りアンテナに対して固定されているが、アセンブリは、可動であってもよい。
【0033】
マーカは、参照符号EF(固定タグ)により表す。移動タグは、参照符号EMにより表す。特に有益な実施例では、マーカは、水平な板に貼付されるか、またはこの板の表面の下方に埋設され、移動タグは、板上に載置される物体の下部に貼付される。板および物体は図示していないが、図1では、移動タグがマーカのアレイ上に重ねられている。
【0034】
マーカは移動タグとまったく同様に表されているが、これは、マーカが移動タグと同一であることを意味するのではなく、移動タグおよびマーカは、RFIDタグのように振る舞う、すなわち、リーダとマーカのアンテナとの間の電磁結合が十分であればリーダの呼び掛けに応答することが可能である、という点で共通している。マーカと移動タグとの間の可能性のある差異の例には、以下のものがある。マーカは、板に結合された固定パワー供給ソースによりエネルギーが供給されるようになされ、一方、移動タグは、電池(補助パワータグ)またはRFID通信中に電磁結合により提供される電磁エネルギー(遠隔パワータグ)のいずれかによりパワー供給されてもよい。
【0035】
マーカは、RFID呼び掛けの検出とマーカの識別を含む応答の生成とに要求される回路構成を組み込んだ集積回路マイクロチップPFを備える。また、マーカは、アンテナAFも備える。また、移動タグも、同様の機能を有する集積回路マイクロチップPMおよびアンテナAMを備える。
【0036】
本発明による位置特定システムでは、特定のRFID通信規格において用いられる比較的低いキャリア周波数、とりわけ13.56MHzの周波数に特に適した、誘導性タイプのアンテナを介した通信が用いられる。誘導性アンテナAMおよびAFは、無線周波数磁束を生じさせる(送出時)または受信する(受信時)ことが可能なループを形成する1巻き以上の導電性ワイヤである単純な巻線で構成される。誘導性アンテナAMおよびAFは、通常、選択された作動周波数を有する共振回路を巻線とともに構成することを可能にするキャパシタに関連付けられている。これらのキャパシタは図示していない。
【0037】
本発明による位置特定装置は、N個のマーカのアレイだけでなく、RFID通信に要求されるすべての機能を有する固定RFIDリーダ(参照符号LF)と、呼び掛け信号の送出と応答信号の検出との両方に供される誘導性アンテナALとをも備える。誘導性アンテナは、すべてのマーカの付近を通るが、幾何学的構成に従って、リーダの誘導性アンテナとマーカの誘導性アンテナとの間の相互インダクタンスがゼロとなるように通る。それにより、誘導性読み取りアンテナによりマーカに誘導される、電磁結合(広義)と呼ばれる電気的活動は、マーカのアレイの付近にいずれの移動タグも存在しない状態でゼロとなる。この活動は、逆に、マーカの近傍に移動タグが存在するときに非ゼロとなる。「電磁結合がゼロ」との表現は、可能な限りゼロに近い結合、および、いずれの場合であれ、リーダがRFID呼び掛け信号を送出するときに、マーカが極めて単純に呼び掛けを検出していないか、またはマーカが呼び掛けを検出しているがマーカの応答をリーダのアンテナが検出不可能であるかのいずれかにより、リーダがマーカの応答を検出することが不可能な結合を意味することを理解されたい。
【0038】
相互インダクタンスをゼロにすることができる最も単純な例示的実施形態は、以下のとおりである。リーダのアンテナは、マーカのアンテナの平面に対して平行に、およびマーカのアンテナを構成する巻線の対称軸に沿って通る導電性ワイヤである。相互インダクタンスがゼロであることは、より一般には、リーダのアンテナにより非ゼロの磁界が生成されるときに、この磁界の磁束をマーカのアンテナの表面全体にわたって積分したものがゼロにならなければならない(正の磁束が負の磁束により可能な限り完全に補償される)ことによるものであり、かかる状態は、実際、リーダのアンテナのワイヤが巻線の平面に対して平行に巻線の対称軸に沿って通るときに生じる。ゼロの相互インダクタンスを得るために対称以外の手段(例えば、補償磁束を生成する補助巻線)を用いることも可能であるが、これらの手段は、単純な対称を用いるものよりも複雑である。
【0039】
図1には、完全なループを形成する固定リーダアンテナワイヤALが示され、このワイヤは、マーカEFのすべての誘導性アンテナAFの対称軸を通っている。単一のワイヤが示されているが、巻線ALは、いくつかの巻き数を有することが可能である。
【0040】
RFIDリーダLFは、従来タイプのものである。リーダは、呼び掛けデータを含む無線周波数信号を送信するために要求される回路と、誘導性タイプの応答を検出するための回路とを備える。また、リーダは、そのアンテナとの電磁結合によりRFIDタグの一意の識別番号を保持することを可能にするとともに、オプションでRFIDタグのメモリに格納された追加の情報を復元することを可能にする、従来のRFID処理手段をも備える。リーダは、このように、非ゼロの電磁結合下にある移動タグおよびマーカの一意の識別と、オプションでマーカによりメモリに配置された追加の情報とを決定する。リーダには、マーカを装置におけるそれらの場所に関連付ける識別コードの表が設けられている。
【0041】
アレイの付近にいずれの移動タグも存在しない状態では、リーダのアンテナALとマーカのアンテナAFとの間の電磁結合がゼロであるため、いずれのマーカもリーダの呼び掛けに応答しない。
【0042】
しかし、アレイの付近に移動タグが存在する状態では、移動タグのアンテナAMを介して間接的な結合が確立される。リーダのアンテナALと移動タグのアンテナAMとの間には、(一般に)非ゼロの相互インダクタンスが存在し、移動タグのアンテナAMと少なくとも1つのマーカのアンテナAFとの間には、(一般に)非ゼロの相互インダクタンスが存在する。この結果、リーダのアンテナALとこのマーカのアンテナとの間に実際に電磁結合が生じる。結合は、原則的に、移動タグに最も近接するマーカと確立される。特定の例外的な場合、例えば、移動アンテナの巻線がマーカのアンテナの巻線上に正確に重なっているためリーダのアンテナに対して依然として対称的であれば、結合は確立されないかもしれないが、この可能性は、通常、アプリケーションについて想定されない場所に関するものである。移動タグの可能性のある場所の範囲を拡大するには、いくつかの群のマーカおよび読み取りアンテナを用いる。
【0043】
この結合により、リーダは、自らの呼び掛けに対する応答を受信する。この応答には、現在結合されている固定マーカの識別が含まれる。また、応答には、リーダのアンテナにやはり結合されている移動タグの識別も含まれる。
【0044】
いくつかのマーカが移動タグに近接した状態で、特に、移動タグが2つ以上の近接するマーカからほとんど等距離であれば、結合が確立されるかもしれない。リーダは、受信しているであろう様々な応答の関数としてアレイに対する移動タグの可能性の高い位置を決定するように、解析および決定アルゴリズムを備えることが可能である。
【0045】
リーダのアンテナ、タグのアンテナ、またはマーカのアンテナなどの2つのアンテナ間の相互インダクタンスM12を、これらのアンテナを構成する導体の構成の関数として計算するための数式は、容易に想起される(ノイマンの公式):
【数1】

式中、μ0は、空気の誘電率であり、C1およびC2は、それぞれ第1および第2のアンテナの導体の完全な構成を表し、dlおよびdlは、これらの構成に沿った第1および第2のアンテナの導体の基本セグメント(方向性を有する、従って、それらの符号付き配向を考慮している)を表し、dは、これらのセグメント間の距離である。相互インダクタンスは、回路C1およびC2の全体にわたる2つのアンテナの各々のすべてのセグメントの二重積分から得られる。各積分は、一方のアンテナのセグメントの他方のアンテナのすべての基本セグメントに対する影響を、第1のセグメントに対するそれらのセグメントの隔たりdの関数として表す。
【0046】
この公式によれば、2つの直交する基本セグメントは、これらのセグメントを表すベクトルのスカラ積がゼロであるため、相互インダクタンスがゼロであることに留意されたい。また、第1の回路の2つの基本セグメントdlおよびdl’(第2の回路の基本セグメントdlに対して対称的であるとともに反対方向に配向されている)は、互いに補償し合う相互インダクタンスを生じさせる。上記から、第1の回路の基本セグメントと第2の回路の閉平面ループとの間の相互インダクタンスは、基本セグメントがループの平面に対して直交する平面に配置され、この平面がループを2つの対称的な部分に分割する対称面であれば、ゼロとなる。
【0047】
この公式から、とりわけ、互いに直交する2つの直線導体間の相互インダクタンスはゼロとなり、直線導体と閉ループとの間の相互インダクタンスは、導体がループの平面に対して平行であり、かつループの平面に対して直交するとともにこのループを2つの対称的な半部に分割する対称面に位置するのであれば、ゼロとなる。逆に、ループの平面に対して平行な導体が、ループの平面に対して直交するが、ループを2つの非対称な部分に分割する平面に位置するのであれば、相互インダクタンスはゼロにはならない。
【0048】
図1がリーダのアンテナALの特に単純な構成を示すのは、このような理由である。アンテナALは、マーカのすべてのアンテナAFの巻線の平面に対して平行な平面に配置され、前を通っている巻線の対称面に配置された状態で各アンテナの前を通っている。この構成により、いずれの移動タグも存在しない状態では、相互インダクタンスがゼロになり、リーダのアンテナとマーカのアンテナとの間の電磁結合が存在しなくなる。しかし、移動タグがマーカの付近にあるときは、読み取りアンテナと、マーカのアンテナと、移動タグのアンテナとの間に電磁結合が確立される。
【0049】
図1の構成では、マーカの中心が必ず、マーカのアンテナの正面を通るアンテナALの直線セグメント上に位置するようになされている。特定のマーカのアンテナを、アンテナALの方向の分岐点を中心に配置するようになすことも可能である。図2は、かかる構成を示す。最も右に位置するマーカのアンテナは、アンテナALの分岐点を中心に配置されている。アンテナAFが分岐点にリンクされた2つのセグメントの各々に対して依然として対称的であれば、これらの点におけるアンテナALとアンテナAFとの間の相互インダクタンスは、依然としてゼロであることに留意されたい。実際、セグメントの各々は、個々に巻線の対称面に配置されている。
【0050】
アンテナALとアンテナAFとの相対的な構成は、相互インダクタンスが可能な限り小さくなることが保証されるように調整する必要があるかもしれない。実際、理論的計算を行うと、導体の構成のうち互いに最も近接する要素の最適な理論的配置に関しては上記の結論に達するが、厳密には、マーカのアンテナから遠く隔てられた読み取りアンテナの導体要素を考慮する必要がある。それらの導体要素の相互インダクタンスへの寄与は、距離を考慮すると小さいものであるが、最終的な相互インダクタンスは、十分に小さくないかもしれない。この場合、相互インダクタンスを最小化するように調整することが所望されるのであれば、読み取りアンテナのセグメントをマーカのアンテナの巻線に対してわずかに変位させるかまたは変形させることにより行うことが可能である。
【0051】
図面では、実施形態において2つの要素間の相互インダクタンスM12が最小でなかった場合に相互インダクタンスM12を増加または低減させることを可能にするオフセット位置(対称的でない)を例示している。図3Aおよび図3Bでは、読み取りアンテナALの直線セグメントが一方側または他方側にオフセットされ、このセグメントがもはやマーカのアンテナAFの対称軸と一致していない。図3Cでは、読み取りアンテナのセグメントがマーカのアンテナの対称軸の一方側または他方側に変形されている。図3Dおよび図3Eでは、直角の分岐を伴う導体ALが対称位置に対してオフセットされている。最後に、図3Fでは、分岐を伴うセグメントが変形され、図2において有していた対称的構成から逸脱している。
【0052】
これらの変形の効果は、計算により確認してもよく、装置が最終的に設置されるときに調整を行ってもよい。
【0053】
図1および図2では、RFID通信において単一の読み取り経路が存在する場合について検討した。すなわち、単一のリーダと単一の読み取りアンテナとが存在する場合である。各々が自らの位置データを提供するRFID通信を確立するいくつかの独立した読み取り経路を提供することにより、動作を改善することができる。このように、様々な経路により相補的な情報を提供することが可能であるが、すべての場合において、各読み取り経路にはいくつかのマーカの群が関連付けられ、これらのマーカのアンテナと読み取りアンテナとの間の相互インダクタンスはゼロであるという特徴を伴い、好ましくは、装置全体を通じたマーカと同数以上の経路を有する装置よりも装置の複雑さを著しく低減することが可能であるように、読み取り経路当たりのマーカの数が読み取り経路の数よりも大きい。
【0054】
様々な読み取り経路は、各々、それぞれの読み取りアンテナを備えるが、関連付けられた回路、すなわちRFIDリーダは、例えば時分割多重方式により、様々な経路間で共有されてもよい。
【0055】
様々な経路の読み取りアンテナAL1、AL2は、図4の構成などにおけるように並置されてもよいし、または図5もしくは図6の構成などにおけるように一方が他方の内側にネスト化されてもよい。図4〜図6では、単純さのため、2つの読み取り経路のみ(および各経路と交互に通信するため時分割多重方式で動作する単一のリーダ)が存在する場合について検討した。より多くの経路を有することが可能である。
【0056】
図4の構成では、読み取り経路に関連付けられた群のいずれのマーカのアンテナとこの経路の読み取りアンテナとの間の相互インダクタンスもゼロである。
【0057】
図5の構成では、2つの経路がネスト化されており、両方の経路に同じマーカAFが用いられている。各経路には、それぞれの読み取りアンテナAL1およびAL2が存在する。いずれの移動タグも存在しない状態では、いずれのマーカのアンテナと経路の一方または他方のアンテナとの間の相互インダクタンスもゼロである。
【0058】
図6の構成では、2つの経路がネスト化されているが、マーカの群が2つ存在し、各群に読み取り経路(およびそれぞれの読み取りアンテナ)が関連付けられている。2つの経路のマーカの編成は、五つ目状である。第2の読み取りアンテナAL2は、破線で示している。この図6の場合、経路の一方に関連付けられたマーカのアンテナ(それらのアンテナは、この経路の読み取りアンテナとの相互インダクタンスがゼロである、という意味で関連付けられている)は、他方の経路の読み取りアンテナとの相互インダクタンスがゼロではないことに留意すべきである。
【0059】
移動タグの位置の決定は、読み取り経路およびマーカのアンテナについて選択された構成に依存することが理解されよう。この決定について、例えば図1の単純なアレイを参照して説明し、かかるアレイを図7に再掲する。マーカの中心におけるN個のアレイのノードにおいて交差する線のグリッド(図7において破線で示す)を定義することが可能である。マーカのアンテナは、AFij(iは行インデックスであり、jは列インデックスであり、N=16個のマーカが存在する場合、iおよびjは1〜4で変化する)とラベル付けされる。グリッドにより、これらの直交する破線により隔てられたゾーンが定義される。各ゾーンは、破線の円により表され、関連付けられたタグのアンテナ(移動タグ)がこのゾーンに配置されている物体の可能性のある位置を表す。
【0060】
位置決定は、いずれのマーカが、それらのアンテナが移動タグのアンテナに近接しているため、移動タグの存在に反応するかを決定するステップで構成される。例えば、RFIDリーダが4つのマーカAF21、AF22、AF31、AF32の応答を検出すれば、これらのマーカの4つのアンテナの間に位置するゾーンCi,jが物体を含むと考えられる。
【0061】
位置特定プロセスにおいて、マーカは、移動タグの存在により読み取りアンテナと電磁結合された瞬間から、リーダに識別データを返送する。リーダは、連続的な呼び掛けを実行することにより、関係する読み取り経路のアンテナと電磁結合している移動タグおよびマーカの識別子の目録を作成する。これにより、この識別データのリストから位置特定を直接行うことが可能になる。また、位置特定は、リーダの要請によりマーカにより提供される追加のデータを介して間接的に行うことも可能である。第1の場合、RFIDタグの目録は、RFIDシステムの従来の動作に対応している。第2の場合、移動タグが自らの識別応答をリーダに送信するときに移動タグにより生成される磁界変調を検出するとともに、この応答に含まれる識別子を復号化するための手段を、マーカに設けるようになしてもよい。マーカは、自らが反応する移動タグの識別子を傍受することが可能になる。マーカにより収集されたこれらの追加のデータは、マーカの識別データと組み合わせて、またはリーダの要請により単独で、リーダに提供することができる。
【0062】
例示の手順では、読み取り経路が、マーカ(またはマーカのクラス)に宛てられた特定の命令を、これらのマーカに既知のプロトコルを用いて送信する。次いで、マーカが受聴モードに移行する。次に、リーダが、存在するかもしれない移動タグに向けてそれらにより認識可能な呼び掛けメッセージを送信する。移動タグが応答する。この応答がマーカにより検出および処理される。
【0063】
移動タグと、存在する場合は読み取りアンテナとの電磁結合が非ゼロのマーカとの識別後(装置の設計によりすべてのマーカの識別子が分かっているかもしれない)、リーダと移動タグまたはマーカとの間で交換を行うことが可能であり、通信プロトコルは、移動タグまたはマーカのアドレス指定を伴うプロトコルであり、一方、位置特定および情報処理におけるプロトコルは、存在するすべてのタグと、存在する場合は読み取りアンテナと電磁結合しているマーカとを一般にアドレス指定するためのプロトコルである。
【0064】
さらに、位置特定システムは、マーカにより受信された電磁界のレベルに関する情報のアイテムをリーダに送信するためのさらなる手段を備えることが想定し得る。この情報により、移動タグと移動タグにより活性化されるマーカとの間の近接度の大小に関して補足を行うことが可能になる。
【0065】
RFIDリーダは、それ自体、様々なレベルの無線周波数信号を送出するための手段を備えることが可能である。識別されるマーカの数は、そのレベルに依存し、マーカが、読み取りアンテナにマーカを結合させる移動タグから比較的遠ければ、特定の信号レベルを超える場合のみマーカはリーダに応答することが可能になる。
【0066】
いくつかの読み取り経路が存在し、従っていくつかの読み取りアンテナ(AL1およびAL2等)を伴う場合は、オプションで、結果的に生じる電磁結合により装置の適正な動作が妨害されるのであれば2つのアンテナの間の相互インダクタンスを低減するための手段を提供することが可能である。かかる減結合は、活性化されていないアンテナ回路をこれらの回路の周囲に電流が流れないように電気的に開放することにより行ってもよい。また、減結合は、自然に生じる結合を解除するように2つの読み取り経路を誘導的にリンクさせる補償回路により生じさせることも可能である。具体的には、一次側が一方のアンテナの回路に挿入されるとともに二次側が他方のアンテナの回路に挿入された変圧器を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、あらゆる種類の状況に適用可能である。例えば、
− テーブル上に載置され、自動的に位置特定される必要があるカード、トークンを用いるゲーム;
− マーカの役割を果たす固定RFIDアンテナのアレイを装備した棚上の、底部に貼付されたRFIDタグを各々装備した保管箱などの物体を位置特定する用途;
− 商店における直線状の販売陳列ラックまたは卸売店における棚上の物体の位置を決定する用途。
【符号の説明】
【0068】
EF 固定タグ
EM 移動タグ
PF マーカの集積回路マイクロチップ
AF マーカのアンテナ
PM 移動タグの集積回路マイクロチップ
AM 移動タグのアンテナ
LF 固定RFIDリーダ
AL 固定読み取り誘導性アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導性アンテナ(AM)を有するRFIDタイプの電子タグを備えた物体を位置特定するための装置であって、前記装置は、既知の位置に配置された誘導性アンテナ(AF)を有するN個の固定RFIDタグ(EF)またはマーカのアレイを備え、Nは1より大きい整数である、装置であって、前記N個のマーカの前記N個のアンテナの付近を通る固定読み取り誘導性アンテナ(AL)が設けられたRFIDタグリーダ(LF)をさらに備え、前記誘導性読み取りアンテナは、前記N個のマーカの前記N個のアンテナの位置に対して、いずれのマーカの前記誘導性アンテナと前記誘導性読み取りアンテナとの間の相互インダクタンスもゼロとなるように構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記マーカのアレイは、前記マーカの前記アンテナの中心を通る行に編成され、前記アレイは、前記行の間に位置するゾーンを定義し、前記位置特定は、前記物体が配置されているゾーンを囲むアンテナを有するいくつかのマーカについての識別データを受信するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の物体を位置特定するための装置。
【請求項3】
前記行のアレイは、規則的に分散された行および列に編成されていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
各々がそれぞれの読み取りアンテナ(AL1、AL2)を備える少なくとも2つの独立した読み取り経路を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記マーカのアレイの前記N個のマーカは、群に分割され、各群は、少なくとも1つのそれぞれの読み取り経路に関連付けられ、同一の群の前記マーカの前記アンテナは、この群に関連付けられた前記読み取り経路の前記読み取りアンテナとの相互インダクタンスがゼロであることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記読み取り経路の前記アンテナの構成は、平面において部分的に重なるエリアが画定されるように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記読み取り経路の前記アンテナの構成は、平面において重ならないエリアが画定されるように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記RFIDリーダは、前記マーカに加え、位置特定対象の物体に貼付された前記RFIDタグに呼び掛けることが可能であるとともに、前記マーカのアレイの付近に位置するこれらのRFIDタグの識別と、前記RFIDタグとの誘導結合が非ゼロであることにより前記読み取りアンテナとの電磁結合が非ゼロである前記マーカの識別とを受信することが可能であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記マーカは、前記タグについての識別情報を検出および解析することが可能であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記マーカは、前記位置特定対象の物体に関連付けられた前記タグであって、これらのマーカとの誘導結合が非ゼロである前記タグの識別に関する情報のアイテムを、前記リーダに向けて再送信することが可能であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記RFIDリーダは、様々なレベルの無線周波数磁界について動作することが可能であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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