説明

RFID通信システム及びRFID通信方法

【課題】通信特性等が異なるRFIDの場合にも通信エラーの発生を低減して無線通信に使用できるRFID通信システム及びRFID通信方法を提供する。
【解決手段】RFID3I(I=A、B等)と無線通信を行う無線通信機能を備えたR/W4は、アンテナのQ値、同調点を調整するQ値調整回路、同調点調整回路等を備え、制御部23はRFID3Iと無線通信を行う際に、返信要求の信号を送信して、その際にRFID3I側から返信される返信信号の受信状態を変復調部22を介してモニタし、受信できない場合にはQ値や、同調点の通信パラメータを変更して同様の動作を繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDを用いたRFID通信システム及びRFID通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、RFID(Radio Frequency Identififation)と、無線通信を行い、情報のリード/ライトを行うRFID通信装置(R/Wと略記)とを備えたRFID通信システムは、ISO14443、ISO18000など国際的に標準化され、R/Wによる通信の磁界強度、その測定方法などが規定されている。
それらは、同じ規格を準拠したR/W、RFIDであれば、通信動作することが可能となることを目標としている。
しかしながら、現実は、RFID、R/Wの組合せにより、通信不具合が発生することも少なくない。
【0003】
特に最近は、RFIDの種類が増え、その状況が顕著となってきている。また、通常は、一番相性の悪いRFIDを基準として設計しておけば対処できると考えられるが、実際は、RFIDにおけるパラメータが相反する場合もあり、単一の設定では動作可能にできない場合も少なくない。
また、同じRFIDについても、通信する距離により、通信エラーが発生してしまうなどの不具合もあった。
一方、特許文献1の従来例において、通信対象とするRFIDの回路素子の種類に関係なく、速やかにかつ容易に通信可能な状態に設定する装置が開示されている。
この装置は、個々のRFIDとして切り離されて使用される前の状態におけるRFIDの回路素子を備えたカートリッジに備えられたRFIDの回路素子のタグ属性パラメータ又は通信パラメータを検出する。
【0004】
そして、この装置は、RFIDの回路素子のRFID情報を記憶するIC回路部にアクセスするためにRFID側アンテナにアクセスする信号を送信する際、検出したRFIDの回路素子のタグ属性パラメータ又は通信パラメータに合致するように制御する。
この従来例は、RFIDの回路素子に無線でアクセスする際に、カートリッジに設けられた識別子から光学センサ等を用いた検出手段により、タグ属性パラメータ又は通信パラメータが得られることを前提としている。
また、この従来例においては、個々のRFIDの特性のバラツキや、無線でアクセスする信号を送信する際、通信する距離により、通信エラーが発生することは考慮されていない。
このため、この従来例は、前述したように個々のRFIDとして使用されている状態の通信パラメータ等が分からないRFIDや、RDIDのバラツキ、通信する距離により影響されてしまうようなRFIDの場合には適用できない。
【特許文献1】特開2005−260521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、通信特性等が異なるRFIDの場合にも通信エラーの発生を低減して無線通信に使用できるRFID通信システム及びRFID通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るRFID通信システムは、無線で通信を行う際の通信パラメータを変更可能に設定する通信パラメータ設定手段と、前記通信パラメータ設定手段により設定された通信パラメータを用いて、無線通信機能を備えたRFIDに対して、無線で返信させるための信号を無線で送信した場合における前記RFIDから無線で返信される返信信号の受信状態を判定する受信状態判定手段と、 前記受信状態の判定結果に応じて設定された通信パラメータを変更するか否かを制御する制御手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
本発明の一実施形態に係るRFID通信方法は、無線通信機能を備えたRFIDに対して、設定された通信パラメータを用いて、前記RFIDから無線で返信させるための信号を無線で送信した場合における前記RFIDから無線で返信される返信信号の受信状態を判定する受信状態判定ステップと、前記受信状態の判定結果に応じて前記設定された通信パラメータを変更するか否かを制御する制御ステップと、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、通信特性等が異なるRFIDの場合にも通信エラーの発生を低減して無線通信に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るRFID通信システム1を示す。
このRFID通信システム1は、電気機器その他の対象物2A、2B、…に取り付けられる無線通信機能を備えたRFID(Radio Frequency Identififation)3A、3B、…と、これらのRFID3A、3B、…における任意のRFID3I(I=A、B、…)と無線通信を行う無線通信機能を備えたRFIDリード/ライト装置4とを備える。このRFIDリード/ライト装置(以下、R/W)4は、少なくともRFID3Iの情報を読み取るリード機能を備え、書き込むライト機能を備える場合もある。
図2は例えばRFID3Aの内部構成を示す。なお、他のRFID3B等も基本的な構成は、ほぼ同じである。このRFID3Aは、R/W4と無線通信を行うアンテナ11と、このアンテナ11に接続された集積回路部(IC部)12とを有する。
【0010】
このIC部12は、アンテナ11に接続された整流部13及び変復調部14と、整流部13に接続された電源部15と、変復調部14に接続された制御部16と、この制御部16に接続されたメモリ17とを有する。
整流部13は、アンテナ11により受信された搬送波を整流して電源部15に供給し、電源部15は整流された電気エネルギを蓄積して、制御部16等を動作させる電源を生成する。なお、図2はパッシブタイプのRFID3Aの例を示し、アクティブタイプにおいては整流部13を必要としないで、電源部15として電池が採用される。
変復調部(或いは送受信部)14は、制御部16の制御下で、送信時には変調信号を生成してアンテナ11を介して送信すると共に、受信時には受信された変調信号の復調を行い、復調信号を制御部16に供給する。
【0011】
制御部16は、変復調部14を介して受信した信号をメモリ17に格納された情報を参照して、その信号によるコマンドを解釈し、対応する制御を行ったり、受信した信号に対応する応答信号を送信する等を行う。
また、メモリ17は、送信された信号に対応するコマンドの情報を格納したり、送信された情報を格納したりする。
一方、図1に示すようにR/W4は、RFID3I側のアンテナ11と無線通信を行うアンテナ部21と、このアンテナ部21から信号を変調して送信すると共に、アンテナ部21で受信した信号を復調して制御部23に出力するする変復調部22とを有する。
【0012】
また、このR/W4は、アンテナ部21及び変復調部22等を制御する制御部23と、送信するコマンドのデータ等を記憶するメモリ24と、ユーザが指示入力を行う指示入力部25と、指示入力された情報の表示や受信状態の表示等を行う表示部26と、変復調部22等の各部に電源を供給する電源部27とを有する。
図3にて後述するようにアンテナ部21は、Q値、同調点(同調周波数)等の通信特性に影響する通信パラメータを変更設定することが可能な構成となっている。また、変復調部22も、変調方式、変調度等の通信パラメータを変更設定が可能な構成で、かつ駆動電圧(駆動出力)を変更設定することもできる。つまり、R/W4は、RFID3Iと通信を行う際の通信特性に影響する通信条件を決定する通信パラメータを変更設定が可能な構成である。
なお、Q値等の各通信パラメータは、各種のRFID3Iにおいて設定されている標準的な特性の場合を包含するように、その可変範囲が設定されている。
【0013】
そして、制御部23は、RFID3Iと通信を行う際の通信パラメータ、換言すると通信条件の変更設定を制御する。
このため、メモリ24には、制御部23を構成するCPU23aが通信パラメータの変更設定の制御動作を行うためのプログラムデータ24aが格納されている。なお、メモリ24には、RFID3Iに対して、各種の命令を行うコマンド等のデータも格納されている。また、このデータには、RFID3Iに対して、返信信号を要求するコマンドも含まれている。
R/W4の電源が投入されると、CPU23aは、このプログラムデータ24aを読み込み、制御を行う動作状態になる。
【0014】
そして、ユーザにより指示入力部25からRFID3Iと通信を行う指示入力が行われると、CPU23aは、通信パラメータをサイクリック的に変更設定して、RFID3Iに返信信号を要求する(返信要求)の送信信号を無線で送信する制御を行う。
また、この際、CPU23aは、RFID3Iから返信される返信信号のR/W4での受信状態を変復調部22からの復調信号により判定する。つまり、CPU23aは受信状態判定手段を形成する。そして、正常に受信(復調)できた場合にはその通信パラメータを維持し、受信に失敗した場合には、通信パラメータを変更する制御を行う。つまり、CPU23aは、通信パラメータを変更するか否かの制御手段を構成する。
このようにして、RFID3Iの種類等が異なり、通信しようとするRFID3Iの規格が不明である場合にも、通信パラメータを変更設定して通信可能な状態に自動的に設定できるようにしている。
【0015】
図3は、R/W4におけるアンテナ部21を含むその周辺の回路構成を示す。図3は、近距離、微弱無線規格のRFID3Iに対応した場合の回路構成例を示す。
アンテナ部21は、コイル41及びコンデンサ42の並列接続回路からなるアンテナ43を有し、このアンテナ43と例えば並列に同調点調整回路44と、Q値調整回路45とが接続されている。
同調点調整回路44は、コンデンサ42に並列に接続されるコンデンサ46a及びスイッチ47aと、コンデンサ46b及びスイッチ47bと、…、コンデンサ46e及びスイッチ47eとから構成される。コンデンサ46a、46b、…、46eは、それぞれ同じ容量での良いし、異なる容量で構成しても良い。
【0016】
スイッチ回路47を構成する各スイッチ47a、47b、…、47eは、制御部23の同調点調整端子(図3中ではfo_Adj)48に接続された信号線を介して印加される2値の同調点調整用信号によりON/OFFされる。
制御部23は、同調点調整用信号により、ONするスイッチの数を制御することにより、アンテナ43の同調点を調整することができる。
また、Q値調整回路45は、例えばその抵抗値が電気的に変更可能な電子ボリューム等の可変抵抗器45aで形成される。
この可変抵抗器45aは、制御部23のQ値調整用端子(図3中ではQ_Adj)50に接続された信号線を介して印加される多値のQ値調整用信号により、その抵抗値が可変制御される。
【0017】
つまり、制御部23は、Q値調整用信号によりアンテナ43と並列の抵抗値を可変して、アンテナ43のQ値を調整することができる。
また、アンテナ43の両端は、変復調部22を構成するアンプ51と検波用ダイオードブリッジ52とに接続されている。
アンプ51は、アンテナ43に誘起された信号を増幅して、受信データ用端子53から変復調部22内の復調部に出力する。変復調部22は、受信データ用端子53から入力される信号から2値化された受信データを生成し、制御部23に出力する。
検波用ダイオードブリッジ52は、アンテナ43に誘起された信号を全波方式で検波し、検波用端子(図3中ではDC)54から検波された信号を制御部23に出力する。
【0018】
また、アンテナ43における一方の端子及び他方の端子には、変復調部22を構成するバッファ回路56及び57がそれぞれ接続されている。
バッファ回路56は、アンテナ43における一方の端子に可変抵抗器58a及びバッファ59aと、可変抵抗器58b及びバッファ59bとの並列回路が接続されている。
バッファ59a及び59bは、変復調部22における搬送波用端子(図3中ではCarrier)60に接続され、この搬送波用端子60から搬送波用クロック(図3中では搬送波用CLK)がバッファ59a及び59bに入力される。
可変抵抗器58a、58bは、制御部23の変調度調整用端子(図3中ではMod_Adj)61に接続された信号線を介して印加される多値の変調度調整用信号によりその抵抗値が可変制御される。
【0019】
制御部23は、変調度調整用信号により、搬送波用クロックがアンテナ43に出力された際の変調度を調整できるようにしている。
また、バッファ59a及び59bの各正極側電源端子は、可変抵抗器62を介してアンテナ43(及び変復調部22)を駆動するアンテナ駆動電源端子Vddに接続されている。
そして、可変抵抗器62は、制御部23におけるアンテナ駆動回路電圧調整用端子(図3中ではVdd_Adj)63に接続された信号線を介して印加される多値のアンテナ駆動回路電圧調整用信号によりその抵抗値が可変制御される。
制御部23は、アンテナ駆動回路電圧調整用信号により、アンテナ43から送信される送信信号出力を調整することができる。
【0020】
また、バッファ59a及び59bの各負極側電源端子は、信号線を介して変復調部22における変調用端子(図3中ではModulation)64に接続され、この信号線を介して印加される変調制御信号により、複数の変調方式から選択された変調方式で変調される。
また、アンテナ43における他方の端子に接続されたバッファ回路57は、上述したバッファ回路56において、さらにインバータ(反転回路)65を追加した構成である。つまり、搬送波用端子60からの搬送波用クロックは、バッファ回路56においてはバッファ59a及び59bに印加されると共に、バッファ回路57においてはインバータ65により、反転されてバッファ59a及び59bに印加される構成となっている。
このような構成におけるRFID通信システム1におけるR/W4により、RFID3Iと通信を行う際の動作を図4を参照して説明する。
図4は、R/W4により、RFID3Iと通信を行う際の動作内容を示すフローチャートを示す。
【0021】
なお、図4ではQ値、同調点等の全ての通信パラメータを簡略化して通信パラメータCi(i=1〜m)に対応付けて説明する。ここで、Ciは実際には複数種の通信パラメータの設定値を簡略化して表している。
例えば、通信パラメータCiとしてQ値の通信パラメータQi、同調点の通信パラメータfi、変調方式の通信パラメータMi、…とすると、Ci=(Qi、fi、Mi、…)を示す。そして、Ci+1は例えばCi+1=(Qi+1、fi、Mi、…)のように通信パラメータCiとは1つの種類の通信パラメータの値等が異なるように変更される。なお、変調方式Miのような通信パラメータの場合には、添え字iが異なると変調方式自体が変更される。
【0022】
電源が投入されると、制御部23(のCPU23a)は、プログラムデータ24aを読み込み制御動作を行う状態となり、ステップS1に示すようにユーザにより通信指示の指示入力を待つ状態となる。
そして、ユーザにより通信指示の指示入力が行われると、ステップS2に示すようにCPU33aは、通信パラメータCi(但し最初は初期値i=1)に設定して、RFID3Iに対して返信要求の信号を送信する(返信要求を伴う他の信号でも良い)。
なお、R/W4から返信要求を求めない信号を送信した場合でも、RFID3I側はR/W4から信号を受け取ると、常に返信信号を返すような設定にしてある場合には、返信要求の信号を送信する場合に限定されない。以下では、簡単化のため、返信要求の信号を送信する場合で説明する。
【0023】
なお、RFID3Iがパッシブタイプの場合を考慮して、返信要求の信号を送信する場合には、少なくともそれよりも前のタイミングで搬送波が送信されるようにして、RFID3Iが動作用電源を生成して、返信要求の信号に対応できるようにすると良い。
そして、次のステップS3においてR/W4は、RFID3Iから返信要求に対応する信号を受信する状態となる。また、ステップS4に示すようにCPU23aは、変復調部22(における復調部)を構成するアンプ51を経た受信データをモニタし、正常に復調(受信)できたか否かを判定する。
正常に復調できなかった場合には、ステップS5に示すようにCPU23aは、最後の通信パラメータCmかの判定を行う。最後の通信パラメータCmに該当しない場合には、ステップS6に示すようにCPU23aは、次の通信パラメータに変更する制御を行い(図4ではi=i+1により簡略化して示す)、ステップS2に戻る。
【0024】
つまり、通信パラメータCiを変更して同様の処理を行うことになる。このように通信パラメータを変更して、同様の処理を繰り返すことにより、RFID3Iが通常の規格から大きく逸脱していない特性の場合には、ステップS4の判定処理により、正常に復調できることになる。
この場合には、ステップS7においてCPU23aは、表示部26に通信OK等の表示を行い、ユーザに対して正常に通信できる旨を告知すると共に、その状態での通信パラメータCiの設定値の状態を維持するように制御する。この場合、通信できたRFID3IのID情報等と、通信パラメータの情報とをメモリ24に格納するようにしても良い。 そして、次回に通信を行う際には、CPU23aは、その通信パラメータCiの設定値を初期値1の通信パラメータC1となるように設定して通信を行うようにしても良い。このようにすると、以前に正常に通信を行ったRFID3Iに近い特性のものに対して通信を行う場合には、短時間に通信を行える状態に設定し易くなる。
【0025】
ステップS5において、最後の通信パラメータCmに設定した場合においても正常に復調出来なかった場合には、ステップS8においてCPU23aは、表示部26に通信エラーを表示させる制御処理を行い、この処理を終了する。
このような動作を行う本実施形態によれば、通信パラメータ等の通信条件を変更設定して通信を行うようにしているので、通信特性等が異なるRFID3Iに対しても、RFID3Iの無線通信の特性が満たすべき規格から大きく逸脱していない限り、通信を行えるように自動的に設定できる。そして、通信を行える状態を維持して、RFID3Iから情報をリードしたり、情報の書き込みや情報の更新等を円滑に行うことができる。
RFID3IとR/W4の通信において、通信できない状態は、大きくわけて以下の3通りがある。
【0026】
1)R/W4からのコマンド内容を、RFID3I側で正しく受信できていない
2)RFID3Iからの返信を、R/W4側で正しく受信できていない
3)RFID3Iの受信レベル(電力、キャリアのレベル)が小さい。そして、RFID3I自身が動作する条件にない場合、これらはRFID3Iが、R/W4からの送信される電力を自身の電力とするパッシブタイプでも電池などを搭載しそれを電源として動作するアクティブタイプでも同様である。
このように通信ができない状態に対して、本実施形態においてはR/W4の通信パラメータCiを順次変更して無線通信を行うようにしている。
例えば1)の場合には、変調方式や同調点の変更や、駆動電圧(R/W4からの送信出力)を変更することにより通常は解消できる。また、2)の場合に対しては、Q値や同調点の変更などにより通常は解消できる。また、3)の場合に対しては、1)の場合と類似するが、変調方式や同調点の変更や、駆動電圧(R/W4からの送信出力)を増大するように変更することにより通常は解消できる。
【0027】
このようにして本実施形態によれば、通信特性等が異なるRFID3Iに対しても、RFID3Iの無線通信の特性が満たすべき規格から大きく逸脱していない限り、通信を行えるように自動的に設定できる。
また、通信を行える状態になると、その旨を表示部26でユーザに告知するため、ユーザは通信パラメータを変更設定して通信できるか否かをチェックする作業を行わなくてすむため、操作性或いは使い勝手を大幅に向上できる。
なお、図4に示した動作例では、R/W4は、RFID3Iの種類等が分からない場合にも適用できる。これに対して、運用面から予め使用されるRFID3Iの種類や特性が分かっている場合がある。
【0028】
R/W4が、通信しようとする通信対象のRFID3Iが複数あっても、その運用上のアプリケーション等で、実際に使用されるRFIDが、特定される場合もある(たとえばA事業者では、RFID3Cしか使用しない場合など)。その場合、R/W4側において、RFID3Cに対して使用する通信パラメータの種類や設定値等の情報をメモリ24等に記憶させておく。そして、その情報を用いて上述したような通信を行う。この場合には、変更設定すべき、通信パラメータCiの総数を低減できるので、より短時間に通信を行える状態に設定することができる。
なお、上述した説明では、R/W4における通信パラメータCiの変更設定を、初期値1=1の通信パラメータC1から最後の通信パラメータCmまで全て行う動作例で説明したが、これに限定されるものでない。例えば、通信パラメータCiを変更する場合、間引くように変更しても良い。
【0029】
また、例えば指示入力部25において、通信パラメータC1からCmまでの範囲において、実際に変更設定する通信パラメータをユーザが適宜に設定できるようにしても良い。また、通信パラメータCiを変更して行う順序を例えば指示入力部25からユーザが適宜に設定できるようにしても良い。
例えば、通信パラメータCiの初期値に近い状態での設定において、R/W4側から送信する場合の送信出力を最大値等、送信出力を大きくする通信パラメータの設定状態にして、RFID3Iと無線通信を行えるか否かを調べるようにしても良い。
【0030】
(第2の実施形態)
図5は本発明の第2の実施形態に係るR/Wにおけるアンテナ部21を含むその周辺回路の構成例を示す。
図5に示す構成は、第1の実施形態に係るR/W4において、制御部23は、変復調部22でRFID3Iからの信号を受信した場合の検波電圧を利用して、通信パラメータCiの変更設定を制御する機能が追加されている。
R/W4によりRFID3Iからの信号を受信する場合、RFID3Iとの通信距離によって、RFID3Iに対するR/W4側の負荷状態が変化し、R/W4の変復調部22の復調部に入力される誘起電圧或いは検波電圧が変化する。
本実施形態に係るR/W(以下、第1の実施形態に係るR/W4と同じ番号4で示す)は、通信距離に応じて検波電圧が変化する特性のデータを予めメモリ24等に格納している。
【0031】
そして、CPU23aは、RFID3Iと通信を行う際に、検波電圧のレベルをモニタし、実際に得られる検波電圧を、予め格納されている特性と比較等して、より通信を行い易い状態となるように通信パラメータCiの変更を制御する。
例えば、CPU23aは、実際に検出された検波電圧を、予め格納されている特性に対応して設定された閾値Vthと比較した場合、その通信パラメータCiの設定状態で得られる検波電圧が低すぎると判定した場合には、例えば送信出力(変調出力)を増大させたり、Q値を増大させるように特定の通信パラメータの値を変更し、検出される検波電圧が大きくなるように制御する。
図5を用いてより具体的に説明すると、RFID3Iからの信号を受信した際、ダイオードブリッジ52で検波された検波電圧は、制御部23のCPU23aに入力される。そしてCPU23aは、予めメモリ24に格納されている閾値Vthと検波電圧とを、現在設定されている通信パラメータCiの状態を考慮して比較する。そしてCPU23aは、比較により、例えば低すぎると判定した場合には、それを是正するように送信出力を増大させたり、現在のQ値を増大させる等、特定の通信パラメータを変更する制御を行う。
【0032】
図6は、第2の実施形態に係るR/W4によりRFID3Iと通信を行う動作内容の一部を示すフローチャートである。
図6の動作内容は、図4におけるステップS5及びS6部分のみが異なる。ステップS5において、現在の通信パラメータCiが最後の通信パラメータCmの場合には、図4の場合と同様にステップS8に進む。
一方、現在の通信パラメータCiが最後の通信パラメータCmと一致しない場合には、ステップS11に示すように制御部23のCPU23aは、検波電圧が得られるか否かを判定する。
そして、検波電圧が得られない場合には、図4の場合と同様にステップS6を経てステップS2に戻る。一方、検波電圧が得られる場合には、ステップS12に示すように制御部23のCPU23aは、予めメモリ24等に格納されている特性に対応して設定された閾値Vth未満かを比較により判定する。
【0033】
そして、検波電圧が閾値Vth未満の場合には、ステップS13に示すように制御部23のCPU23aは、検波電圧を高くするように特定の通信パラメータの値を変更するように制御する(図6においては、特定の通信パラメータの添え字をi+pで示している)。具体的には、上述したように送信出力を増大させる等した後、ステップS2に戻る。 このように制御することにより、検波電圧をモニタしない場合よりも、短時間かつ円滑に、通信に適した検波電圧が得られるように通信パラメータCiを変更設定して正常に復調できる状態への設定が可能となる。
一方、ステップS12の判定において、検波電圧が閾値Vth以上の場合には、ステップS6を経てステップS2に戻る。
なお、図6の動作の説明において、ステップS12は、検波電圧が閾値Vth未満か(つまり検波電圧が通信に適した値未満か)否かを判定しているが、さらに検波電圧が大きすぎるか否かを判定する動作を行うようにしても良い。そして、大きすぎる場合には、送信出力を小さくしたり、Q値を小さくするように制御しても良い。
【0034】
その他の構成及び作用は第1の実施形態と同様である。
本実施形態によれば、通信距離に応じて検波電圧が変化する特性のデータを利用することにより、より円滑に通信を行える状態に設定することが可能となる。
なお、本実施形態では、検波電圧をモニタしてR/W側の特定の通信パラメータの変更を制御する例で説明したが、以下の第3の実施形態で説明するようにRFID側においても通信パラメータを変更できる構成の場合には、R/W側に限らず、RFID側における特定の通信パラメータを変更するようにしても良い。
【0035】
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態を説明する。図7は本発明の第3の実施形態に係るRFID3Dを示す。本実施形態では、RFID3Dの通信パラメータを変更(調整)できる構成にしている。
このRFID3Dは、図2のRFID3Aにおけるアンテナ11の同調点を変更可能とする同調点調整回路71を設けたアンテナ部72を有すると共に、IC部12には送信する場合の送信出力を変更可能にした出力調整部73を設けている。
そして、制御部16は、R/W4からのコマンドに応じて、同調点調整回路71の同調点調整(或いは変更)と、送信出力調整部73の送信出力調整(或いは変更)との制御を行う。
【0036】
アンテナ部72は、コイル74及びコンデンサ75からなるアンテナ11を有し、このアンテナ11にはコンデンサ76a及びスイッチ77a、コンデンサ76b及びスイッチ77b、コンデンサ76c及びスイッチ77cが並列に接続されている。
スイッチ77k(k=a〜c)は、制御部16からのデジタル信号により、ON/OFFが制御される。この制御により、アンテナ11の同調点の調整が行われる。
また、出力調整部73は、図3の可変抵抗器62等で構成され、制御部16はその抵抗値をデジタル信号で制御することにより、電源部15から変復調部14に供給される送信時の変調出力レベルを調整することができる。
また、本実施形態に係るRFID通信システムにおいては、R/W4は、例えば図1のR/W4において、RFID3Dに対して同調点を調整する同調点調整コマンドと、出力調整部73による送信時の変調出力レベルを調整するコマンド(送信出力調整コマンドとする)とを送信することができる。
【0037】
そして、RFID3Dは、他のコマンドを解釈すると共に、これらを解釈するコマンド情報をメモリ17に格納している。そして、R/W4から信号が送信されると、変復調部14を経て制御部16は、送信された信号からコマンドを解釈して、そのコマンドに対応した制御動作(同調点調整や送信出力調整)を行う。
その他の構成は図2に示したRFID3Aと同様の構成である。次に本実施形態に係る通信の動作を説明する。この場合、図1に示したR/W4とRFID3Dとを用いた場合の動作を説明する。
第1及び第2の実施形態においては、RFID3Iと通信を行う際に、制御部23は、R/W4側の通信パラメータを変更設定する制御を行っていたが、以下に説明する本実施形態においては、制御部23は、R/W4側及びRFID3D側の通信パラメータの変更設定を行うことになる。この場合、制御部23は、RFID3D側の通信パラメータを直接的に変更する制御ではなく、変更するコマンドをRFID3D側に送信し、RFID3D側の制御部16を介して変更することになる。
【0038】
上述した実施形態においては、R/W4側の通信パラメータCiを変更して通信を行う例で説明したが、本実施形態ではRFID3Dの同調点と送信出力調整の通信パラメータをDj(j=1からnまで)として説明する。
図8は、通信の動作の一例のフローチャートの一部を示す。図8に示す動作は、図4のフローチャートにおけるステップS5とステップS8との間を変更した内容となっている。つまり、ステップS1からステップS7までは図4と同様の処理を行う。
そして、ステップS5により現在の通信パラメータCiが最後の通信パラメータCmか否かの判定が行われ、最後の通信パラメータCmでないと判定された場合にはステップS6に進む。
【0039】
一方、最後の通信パラメータCmと判定された場合にはステップS21に進み、制御部23のCPU23aは、RFID3D側の通信パラメータDjを、例えば予め設定されている値から変更設定する制御を開始する。
具体的には、RFID3D側の通信パラメータDjが予め設定されている初期値の通信パラメータD1とすると、CPU23aは、その通信パラメータD1から以下のように順次変更させるようにする。
次のステップS22においてCPU23aは、現在の通信パラメータDj(初期値はj=1)が最後の通信パラメータDnかの判定を行い、これに該当しない場合には、ステップS23において、j=j+1かつi=1に設定して、この通信パラメータDjに設定するコマンドを付加してステップS2に戻る。
【0040】
この場合には、R/W4からRDIF3D側に、通信パラメータDjに変更するコマンドが付加された状態で返信要求の信号が送信されることになる。
なお、ステップS23においてi=1とすることにより、RFID3D側の通信パラメータDjが変更された状態で、再びR/W4側は、通信パラメータCiを初期値から巡回的に変更設定して、RFID3Dから返信される信号の受信状態をモニタすることになる。
通信パラメータDjが付加された信号が送信されたRDIF3Dは、この信号を正常に復調した場合には、制御部16は付加されたコマンドを解釈して、命令された通信パラメータDjを変更する制御を行う。
【0041】
例えば、付加されたコマンドが送信出力を増大させるものであると、制御部16は、出力調整部73を制御し、送信出力を増大させる。このようにして、RFID3D側の通信特性を変更して、R/W4はRFID3D側からの信号が正常に復調できるか否かを判定する。
そして、制御部23のCPU23aは、RFID3D側に対して、最後の通信パラメータDnまで変更させる制御を行っても、正常に復調された信号が得られない場合には、ステップS8に進み、通信エラーを表示してこの処理を終了する。
このような動作を行うことにより、例えば第1の実施形態において、通信エラーとなる場合においても、本実施形態においては、さらにRFID3D側の通信パラメータを変更して通信動作を行うため、通信を行える状態により確実に自動設定できる。
【0042】
なお、図8の動作例では、通信パラメータDjを順次変更して最後の通信パラメータDnまで変更設定する例で説明したが、一部の通信パラメータのみを変更して行うようにしても良い。
例えば初期値の通信パラメータD1の次の通信パラメータD2の状態で、最大とするように送信出力調整コマンドを付加してRFID3Dに送信する。そして、この状態で正常に復調できなかった場合には、(送信出力の通信パラメータを変更することなく)、種類が異なるRFID3D側の同調点を調整するように同調点の通信パラメータを変更するようにしても良い。
また、図7において示したRFID3D側の通信パラメータの変更手段としては、さらにQ値等、他の通信パラメータを変更設定できるようにしても良い。
【0043】
なお、例えば第1の実施形態に係るR/W4等において、アンテナ部21或いはアンテナ43を、同調点がそれぞれ異なる複数のアンテナにより構成し、制御部23から使用するアンテナを切り替える制御を行うようにしても良い。また、複数のアンテナを切り替える構成とすることにより、無線通信の周波数帯が大きく異なる場合にも対応できるようにしても良い。
また、例えばR/W4において、送受信を行うアンテナ部21及び変復調部22(或いは送受信部)を、例えば共通のアンテナを使用する構成としないで、送信時と受信時とで別々のアンテナを用いるようにしても良い。
また、上述した説明では、ユーザがR/W4側において、通信を行おうとするRFID3I或いはRFID3Dに対して、指示入力部25から通信を行う指示入力を行うことにより通信動作が開始する場合で説明した。
【0044】
本発明はこれに限定されるものでなく、例えばR/W4側を常時、通信動作を行えるように設定して、殆ど任意のタイミグでリード/ライトしたいRFID3I等と通信動作を行えるようにしても良い。この場合には、上述した制御動作を一部変更すれば良い。
例えば図1のRFID通信システム1の場合で説明すると、図4において、スタート後のステップS1においては自動的に通信の指示のトリガを発生してステップS2に進む。そして、ステップS2からステップS8までの処理を同様に行う。また、エンド(終了)となった場合には、ステップS1に戻り、その際に上記のように通信の指示のトリガを発生してステップS2に進む。
このようにして、図4の処理を短いインターバルで常時繰り返すようにする。これにより、殆ど任意のタイミングで、ユーザ等がリード/ライトしようと望むRFID3IをR/W4に近づけると、第1の実施形態で説明したのと殆ど同様に、そのRFID3Iと通信を行える状態に自動設定することができる。
【0045】
但し、第1の実施の形態の動作と異なる点は、通信パラメータCiはC1からCmまで変更される処理が繰り返されるが、R/W4に対して実際にRFID3Iが近づけられたタイミングによって、R/W4の通信パラメータCiの設定値は、初期値1から開始する条件から異なる。
また、ユーザ等がリード/ライトしようと望むRFID3IをR/W4に近づけてリード/ライトさせようとする時間が限定されるような場合には、通信パラメータCiを変更する数、種類等を制限するようにしても良いし、リード/ライトできた場合の情報を参照して、変更する通信パラメータの範囲を制限しても良い。
なお、例えば第2の実施形態においては、検波電圧のレベルをモニタした場合で説明したが、これに限定されるものでなく例えば、CPU23aは、変復調部22(の復調部)で復調された復調データの復調の程度に応じて、特定の通信パラメータを(通常の通信パラメータの変更に優先させて)変更するように制御する場合も本発明に属する。
【0046】
例えば、検波電圧のレベルをモニタする代わりに、復調データが得られか否かをモニタし、実際に復調データが得られた場合、正常に復調された場合に対する復調データのコードに対する誤差レートを調べ、その誤差レートが設定した基準の値よりも高い場合には、R/W4側における送信出力を大きくする等、特定の通信パラメータの変更制御を行うようにしても良い。
上述した実施形態においては、R/W4は、通信特性に影響する通信パラメータを設定して、その通信パラメータでRFID側に送信した場合、RFID側から返信される信号の受信状態をモニタし、その受信状態の判定結果に応じて、現在の通信パラメータの状態から変更するか否かの制御を行うと説明した。
受信状態を判定する場合、1つの通信パラメータの設定値の場合に限定されるものでなく、複数の通信パラメータの設定値に対して行うようにしても良い。具体例で説明すると、R/W4は、最初に通信パラメータをC1,C2,C3に順次設定して、返信要求の信号を順次送信し、RFID3I側から返信される信号の受信状態をモニタするようにしても良い。
【0047】
そして、例えば全く受信できない状態と判定した場合には、通信パラメータをC4,C5,C6に順次設定して、返信要求の信号を順次送信し、RFID3I側から返信される信号の受信状態をモニタするようにしても良い。このような通信方法等も本発明に属する。
なお、上述した各実施形態等を部分的に組み合わせたり、変形した実施形態等も本発明に属する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るRFID通信システムの構成を示すブロック図。
【図2】RFIDの内部構成の一例を示すブロック図。
【図3】RFIDリード/ライト装置の一例を示す回路図。
【図4】RFIDリード/ライト装置によりRFIDと通信を行う動作内容を示すフローチャート。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るRFIDリード/ライト装置の一例を示す回路図。
【図6】第2の実施形態に係るRFIDリード/ライト装置によりRFIDと通信を行う動作内容の一部を示すフローチャート。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るRFIDの内部構成の一例を示すブロック図。
【図8】第3の実施形態に係るRFIDリード/ライト装置及びRFIDとで通信を行う動作内容の一部を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0049】
1…RFID通信システム
3A、3B…RFID
4…R/W
11、43…アンテナ
16、23…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線で通信を行う際の通信パラメータを変更可能に設定する通信パラメータ設定手段と、
前記通信パラメータ設定手段により設定された通信パラメータを用いて、無線通信機能を備えたRFIDに対して、無線で返信させるための信号を無線で送信した場合における前記RFIDから無線で返信される返信信号の受信状態を判定する受信状態判定手段と、 前記受信状態の判定結果に応じて設定された通信パラメータを変更するか否かを制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とするRFID通信システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記返信信号を受信した際の検出レベルに応じて、特定の通信パラメータの変更の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のRFID通信システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記RFIDと通信を行うRFID通信装置に設けられた前記通信パラメータの変更の制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のRFID通信システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記RFIDに設けられた前記通信パラメータの変更の制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のRFID通信システム。
【請求項5】
無線通信機能を備えたRFIDに対して、設定された通信パラメータを用いて、前記RFIDから無線で返信させるための信号を無線で送信した場合における前記RFIDから無線で返信される返信信号の受信状態を判定する受信状態判定ステップと、
前記受信状態の判定結果に応じて前記設定された通信パラメータを変更するか否かを制御する制御ステップと、
を具備したことを特徴とするRFID通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−85649(P2008−85649A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−263198(P2006−263198)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】