説明

RI化合物合成装置

【課題】複数の反応器を備えたRI化合物合成装置において、部品点数や制御点数の増加を防止する。
【解決手段】熱電対101、エアヒータ102、エアクーラ103、吹出部104、スターラ105、放射線検出器106を可動ステージ110に設置して反応器周辺機器ユニット100を構成する。駆動ユニット150によって、RI化合物の合成を行う反応器60A〜60Dの対応位置に反応器周辺機器ユニット100を移動させる。これにより、反応器60A〜60D毎に反応器周辺機器ユニット100をそれぞれ備える必要がなくなり、部品点数や制御点数の増加を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性同位元素及び試薬から放射性同位元素標識化合物を合成するRI化合物合成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、病院等でのPET検査(ポジトロン断層撮影検査)等に使用される放射性同位元素標識化合物(RI化合物)は、放射性同位元素(RI)を所定の原料試薬と化学反応させるRI化合物合成装置で合成される。このRI化合物合成装置としては、装置外部から供給されるRIと、作業者によって適宜補充される原料試薬及び洗浄試薬等の各種試薬とを、弁等で制御し、管路を通して反応器に導入してRI化合物を得るものが知られている。
【0003】
また、この反応器を複数備えたRI化合物合成装置が、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−56792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたRI化合物合成装置は、反応器毎に、反応器から放射される放射能を検出する放射能センサ、反応器の温度を調節する温度調節装置、反応器の温度を検出する温度センサ等が設けられており、部品点数や制御点数の増加を招くといった問題があった。
【0006】
そこで本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、複数の反応器を備えたRI化合物合成装置において、部品点数や制御点数の増加を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係るRI化合物合成装置は、放射性同位元素及び試薬が導入される反応器を複数備えるRI化合物合成装置において、反応器の周辺に配置される一又は複数の反応器周辺機器を含んで構成された反応器周辺機器ユニットと、反応器周辺機器ユニットを、複数の反応器の対応位置に移動させる駆動手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、反応器周辺機器ユニットが、複数の反応器の対応位置に移動される。これにより、反応器毎に反応器周辺機器ユニットをそれぞれ備える必要がなくなり、部品点数や制御点数の増加を防止することができる。また、反応器毎に反応器周辺機器を設ける場合には、反応器周辺機器同士の干渉を避ける必要があり、反応器同士を集約して配置することの制約が大きくなる。これに対し本発明は、反応器毎に反応器周辺機器を設ける必要がなくなるため、反応器同士をより近接して配置し易くなり、従って複数の反応器を集約して配置することができ、スペースを有効利用することが可能となる。
【0009】
また、反応器周辺機器ユニットは、反応器内から放射される放射線を検出する放射線検出手段を反応器周辺機器として含むことが好ましい。反応器周辺機器ユニットに含まれる反応器周辺機器として放射線検出手段が含まれるので、例えば一つの放射線検出手段によって、複数の反応器から放射される放射線をそれぞれ検出することができる。また、反応器毎に放射線検出手段を設ける場合には、放射線検出手段の個体差によって放射線の検出値にばらつきが生じるため、このばらつきについて考慮する必要があったが、本発明によれば、反応器毎に放射線検出手段を設ける必要がなくなるため、放射線検出手段の個体差によるばらつきを考慮する必要がない。
【0010】
また、反応器周辺機器ユニットは、反応器の温度を調節する温度調節手段を反応器周辺機器として含むことが好ましい。これにより、反応器周辺機器ユニットに含まれる温度調節手段によって、反応器の温度を調節することができる。
【0011】
また、温度調節手段は、反応器にエアーを吹き付けることによって温度を調節することが好ましい。これにより、温度調節手段から吹き出されたエアーによって反応器の温度を制御することができる。また、温度調節手段を反応器毎に設ける場合には、温度調節手段の個体差によって吹き出されるエアーの温度にばらつきが生じるため、このばらつきについて考慮する必要があった。これに対し本発明は、反応器毎に温度調節手段を設ける必要がなくなるため、温度調節手段の個体差によるばらつきを考慮する必要がない。
【0012】
また、反応器を囲み、一部に開口部を有する外筒を、反応器毎に更に備え、複数の開口部は、駆動手段によって駆動される反応器周辺機器ユニットの軌道に沿って配置され、駆動手段は、開口部と対応する位置に反応器周辺機器ユニットを停止させ、温度調節手段は、開口部を介して反応器にエアーを吹き付けることが好ましい。これによれば、反応器周辺機器ユニットが、外筒の開口部に対応する位置で停止する。そして、反応器周辺機器ユニットの温度調節手段から吹き出されたエアーは、外筒の開口部を介して反応器に吹き付けられる。反応器は外筒で囲まれているため、温度調節手段から吹き出されたエアーが反応器に確実に導かれ、反応器の温度を効率よく調節することができる。
【0013】
また、反応器周辺機器ユニットは、反応器の温度を検出するための温度検出手段と、反応器内に導入された放射性同位元素及び試薬を攪拌する攪拌手段と、を反応器周辺機器として含むことが好ましい。これにより、反応器周辺機器ユニットに含まれる温度検出手段によって、反応器の温度を検出することができる。また、反応器周辺機器ユニットに含まれる攪拌手段によって、反応器内に導入された放射性同位元素及び試薬を攪拌することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の反応器を備えたRI化合物合成装置において、部品点数や制御点数の増加を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態におけるRI化合物合成装置の概略構成図である。
【図2】第1の実施形態における反応器周りを示す斜視図である。
【図3】図2の反応器及び反応器周辺機器ユニットを示す正面図である。
【図4】第2の実施形態における反応器及び反応器周辺機器ユニットを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
まず、RI化合物合成装置の第1の実施形態について説明する。図1は、RI化合物合成装置の概略構成を示す図である。図1に示すRI化合物合成装置1は、例えば、病院等のPET検査等に使用される放射性薬剤としての放射性同位元素標識化合物(RI化合物)を、放射性同位元素(RI)と各種試薬との合成反応により生成するものである。
【0018】
RI化合物合成装置1は、制御部10と、分離精製部30と、RI化合物回収容器31と、ガス調整ユニット40と、合成装置本体部50とを含んで構成されている。分離精製部30、RI化合物回収容器31、ガス調整ユニット40及び合成装置本体部50は、ホットセル20の内部に収容されている。また、RI化合物合成装置1は、外部に設けられたターゲット部2に接続されている。
【0019】
ホットセル20は、外部への放射線の漏洩を防ぐための放射線遮蔽壁となるものである。また、ホットセル20には、図示しない扉が設けられており、該扉から合成装置本体部50への試薬の補充や、RI化合物回収容器31に貯留されたRI化合物の回収を行う。なお、この扉は試薬の補充や、RI化合物の回収等の用途に応じて、複数設けても良い。
【0020】
合成装置本体部50は、RI化合物合成装置1の外部に備えられたターゲット部2から送られてくる放射性同位元素(RI)と、合成装置本体部50の内部に貯留された試薬とからRI化合物を生成する。合成装置本体部50について、詳しくは後述する。
【0021】
制御部10は、合成装置本体部50においてRI化合物を合成する際の各部の動作を制御するものである。
【0022】
分離精製部30は、合成装置本体部50内の反応器60A〜60Dから送られてくるRI化合物及びガスを分離して、RI化合物の精製を行うものである。分離精製部30によって精製されたRI化合物は、RI化合物回収容器31に貯留される。なお、分離精製部30で精製されたRI化合物をRI化合物回収容器31に貯留する以外にも、例えば、ホットセル20の外部に設けられた図示しない分注装置や分注投与装置等へ送ってもよい。
【0023】
ガス調整ユニット40は、合成装置本体部50内の試薬貯留容器51A〜51Eや反応器60A〜60Dへ送るガスの量を調整するものである。ガス調整ユニット40は、ホットセル20外の図示しないガス供給部に接続され、ガス供給部からガスの供給を受けている。このガスの種類としては不活性ガスが用いられ、本実施形態では窒素ガスを用いるものとする。また、ガス調整ユニット40は、合成装置本体部50内のエアヒータ102及びエアクーラ103へ送る圧縮空気の量を調整するものである。ガス調整ユニット40は、ホットセル20外の図示しない圧縮空気供給部に接続され、圧縮空気供給部から圧縮空気の供給を受けている。
【0024】
次に、合成装置本体部50の詳細について説明する。図1に示すように合成装置本体部50は、試薬貯留容器51A〜51Eと、抽出カラム53と、回収ボトル54と、反応器60A〜60Dと、外筒70A〜70Dと、反応器固定ユニット80A〜80Dと、反応器周辺機器ユニット100と、駆動ユニット(駆動手段)150とを含んで構成されている。
【0025】
試薬貯留容器51Aは、抽出カラム53からRIを剥がし取るための試薬を貯留する容器である。試薬貯留容器51Aには、試薬導入口52Aが設けられており、該試薬導入口52Aから試薬を補充することができる。また、試薬貯留容器51Aの上流側は、配管L1を介してガス調整ユニット40に接続されている。試薬貯留容器51Aの下流側は、配管L2Aを介して抽出カラム53と接続されている。なお、配管L1は、ガス調整ユニット40によって調整された窒素ガスが通るものである。よって、ガス調整ユニット40から送られた窒素ガスが、配管L1を介して試薬貯留容器51Aに供給される。試薬貯留容器51A内の試薬は、配管L1から導入された窒素ガスに合流し、配管L2Aを介して抽出カラム53に送り出される。
【0026】
試薬貯留容器51B〜51Eは、RI化合物の合成に必要となる試薬を貯留する容器である。また試薬貯留容器51B〜51Eには、それぞれ試薬導入口52B〜52Eが設けられており、該試薬導入口52B〜52Eから試薬を補充することができる。また、試薬貯留容器51B〜51Eの上流側は、配管L1を介してガス調整ユニット40に接続されている。試薬貯留容器51B〜51Eの下流側は、それぞれ配管L2B〜L2Eを介して反応器60A〜60Dに接続されている。よって、ガス調整ユニット40から送られた窒素ガスが、配管L1を介して試薬貯留容器51B〜51Eに供給される。試薬貯留容器51B〜51E内の試薬は、配管L1から導入された窒素ガスに合流し、配管L2B〜L2Eを介してそれぞれ反応器60A〜60Dに送り出される。
【0027】
抽出カラム53は、ターゲット部2から送られてくるRIを含むRI溶液を一時的に吸着・抽出するものである。また、抽出カラム53は、配管L3を介して回収ボトル54に接続されている。本実施形態では、RIとして18Fを用いるものとし、18Fが18O−HOと共にターゲット部2から抽出カラム53へ送られる。抽出カラム53では、18Fを吸着する。残りの18O−HOは、配管L3を介して抽出カラム53から回収ボトル54に送られる。
【0028】
抽出カラム53で吸着された18Fは、試薬を含んだ窒素ガスによって、抽出カラム53から剥がし取られる。この試薬を含んだ窒素ガスは、配管L2Aを介して抽出カラム53に導入される。抽出カラム53から剥がし取られた18Fは、配管L3から分岐する配管L4を介して反応器60Aに送られる。
【0029】
回収ボトル54は、配管L3を介して送られた18O−HOを回収するものである。18O−HOは貴重な物質であるため、回収ボトル54によって回収された18O−HOは、再び利用される。
【0030】
反応器60Aは、抽出カラム53から配管L3,L4を介して導入されたRIと、試薬貯留容器51Bから配管L2Bを介して導入された試薬とよりRI化合物を合成するものである。また、反応器60Aは、配管L1と直接接続され、内部に窒素ガスが導入可能となっている。更に、反応器60Aは、分離精製部30と配管L5を介して接続されている。
【0031】
反応器60A内で合成されたRI化合物は、ガス調整ユニット40から配管L1を介して直接導入された窒素ガスにより、配管L5を介して分離精製部30へ送られる。配管L5は反応器60B,60C,60Dとも接続されており、反応器60Aで合成されたRI化合物を、反応器60Aから所望の反応器60B〜60Dに送ることもできる。また、反応器60Aには配管L6が接続されており、RI化合物の合成時等に発生する排気ガスが配管L6を介してRI化合物合成装置1の外部に排出される。
【0032】
反応器60B〜60Dは、配管L5を介して送られてきたRI化合物と、試薬貯留容器51C〜51Eから配管L2C〜L2Eを介して導入された試薬とを反応させて更にRI化合物を合成するものである。また、反応器60B〜60Dは、配管L1と直接接続され、内部に窒素ガスが導入可能となっている。更に、反応器60B〜60Dは、分離精製部30と配管L5を介して接続されている。これにより、反応器60B〜60D内の反応後のRI化合物を、配管L5を介して所望の反応器60A〜60D又は分離精製部30に送ることができる。また、反応器60B〜60Dにはそれぞれ配管L6が接続されており、RI化合物の合成時等に発生する排気ガスが配管L6を介してRI化合物合成装置1の外部に排出される。
【0033】
なお、本実施形態において、反応器60A〜60Dは直線状に並べて配置されているものとする。
【0034】
外筒70A,70B,70C,70Dは、それぞれ反応器60A〜60Dを囲むものである。また、外筒70A〜70Dは、それぞれ下端側に開口部(図2の開口部75D,図3の開口部75A参照)を有している。開口部について、詳しくは後述する。外筒70A〜70Dは、合成装置本体部50の筐体55の中間部分に設けられている中間フレーム55aに固定されている。
【0035】
反応器固定ユニット80A,80B,80C,80Dは、それぞれ反応器60A〜60Dの上部開口を封止するとともに、反応器60A〜60Dをそれぞれ保持して固定するものである。反応器固定ユニット80A〜80Dには、配管L1,L2B〜L2E,L4,L5,L6が接続されており、反応器固定ユニット80A〜80Dから配管を介して送られるRI化合物や試薬等が反応器60A〜60D内に導入される。
【0036】
反応器周辺機器ユニット100は、反応器60A〜60Dの周辺に配置されている。本実施形態では、反応器60A〜60Dの下部に反応器周辺機器ユニット100を配置する。
【0037】
また、反応器周辺機器ユニット100は、反応器60A〜60D内でのRI化合物の反応の促進や監視のために用いられる反応器周辺機器と、反応器周辺機器が設置された可動ステージ110とを含んで構成されている。本実施形態に係る反応器周辺機器としては、熱電対(温度検出手段)101と、エアヒータ(温度調節手段)102と、エアクーラ(温度調節手段)103と、吹出部104と、スターラ(攪拌手段)105と、放射線検出器(放射線検出手段)106と、を含んで構成されている。また、可動ステージ110は、駆動ユニット150によって反応器60A〜60Dの対応位置に移動する。なお、反応器周辺機器101〜106は、可動ステージ110に固定されているので、可動ステージ110と一緒に移動し、反応器60A〜60Dの対応位置に停止する。以下の説明では、反応器60Aの対応位置に停止している状態を例に説明する。
【0038】
吹出部104は、エアヒータ102又はエアクーラ103によって加熱又は冷却されたエアーを反応器60A〜60Dに吹き付けるものである。吹出部104は、可動ステージ110に設置された状態で反応器60Aの対応位置に停止しており、対向する反応器60Aに対してエアーを吹き付ける。
【0039】
熱電対101は、吹出部104と対向する反応器60Aの温度を検出するためのものであり、具体的には、吹出部104から吹き出されるエアーの温度を検出する。熱電対101によって検出された結果は、制御部10に送られる。制御部10は、例えば、吹出部104から吹き出されるエアーの温度と反応器60Aの温度との関係を示す対応表を予め保持しておき、この対応表を用いることにより、熱電対101の検出結果から反応器60Aの温度を把握する。
【0040】
エアヒータ102は、吹出部104と対向する反応器60Aに吹き付けられるエアーを加熱するものである。このため、エアヒータ102は、エアーの流れ方向の上流側が配管L12と接続され、エアーの流れ方向の下流側が吹出部104と接続されている。エアヒータ102は、配管L12を介して導入されたエアーを、内部に備えたヒータによって加熱する。加熱されたエアーは、吹出部104を介して反応器60Aに吹き付けられる。ここで、配管L12は、ガス調整ユニット40に接続され、ガス調整ユニット40を介して供給された圧縮空気をエアヒータ102に導入している。
【0041】
エアクーラ103は、吹出部104と対向する反応器60Aに吹き付けられるエアーの温度を下げるものである。このため、エアーの流れ方向の上流側が配管L13と接続され、エアーの流れ方向の下流側が吹出部104と接続されている。なお、配管L13は、配管L12から分岐したものであり、ガス調整ユニット40を介して供給された圧縮空気をエアクーラ103に導入する。本実施形態では、エアクーラ103としてボルテックスクーラを用いる。このため、エアクーラ103は、配管L13から導入された圧縮空気を用いて温度の低いエアーを生成し、吹出部104を介して反応器60Aに吹き付ける。温度の低いエアーの生成時にエアクーラ103で生じる温度の高いエアーは、図示しない配管を通ってホットセル20外等に排出される。
【0042】
なお、配管L12,L13は、反応器周辺機器ユニット100の移動時に配管が折れる等の不具合がないようにフレキシブルチューブが用いられる。
【0043】
スターラ105は、吹出部104と対向する反応器60A内に導入されたRIや試薬等を攪拌するものである。本実施形態では、スターラ105としてマグネチックスターラを用いるものとする。このため、反応器60A内に予め磁石(図示せず)を入れておき、スターラ105に電流を流して反応器60A内の磁石を回転させることによって攪拌を行う。
【0044】
放射線検出器106は、吹出部104と対向する反応器60A内から放出される放射線を検出するものである。検出結果は、制御部10に送られ、各部の制御に利用される。
【0045】
駆動ユニット(駆動手段)150は、反応器周辺機器ユニット100を反応器60A〜60Dの対応位置に移動させるものであり、所謂一軸ステージを用いる。具体的には、駆動ユニット150は、ガイドレール151と、モータ152と、モータ152に連結されたボールねじ機構とを含んで構成される。ボールねじ機構は、モータ152の駆動によって回転するねじ軸(不図示)と、ねじ軸に歯合するナット部とを備え、ナット部は、可動ステージ110に固定されている。駆動ユニット150は、中間フレーム55aに取り付けられている。
【0046】
ガイドレール151は、可動ステージ110に係合すると共に、ボールねじ機構のねじ軸に沿って配置されており、各反応器60A〜60Dの対応位置間を反応器周辺機器ユニット100が移動するように、可動ステージ110の移動方向をガイドする。
【0047】
モータ152は、反応器周辺機器ユニット100を移動させるためのものである。モータ152を駆動させてねじ軸を回転させると、ナット部がねじ軸に沿って移動することにより、ナット部に固定された可動ステージ110はガイドレール151にガイドされながら移動する。
【0048】
駆動ユニット150は、可動ステージ110(反応器周辺機器ユニット100)を反応器60A〜60Dとの対応位置に移動させる。これは、例えば、図示しない位置検出センサで可動ステージ110の位置を検出することによって可動ステージ110を対応位置で停止させたり、モータ152としてステッピングモータを用いる場合には、モータ152の回転回数を制御することによって可動ステージ110を対応位置で停止させたりする。
【0049】
また、駆動ユニット150によって可動ステージ110を移動させる他の例として、例えば、ガイドレール151の両端近傍にそれぞれ駆動プーリと従動プーリとを配置する。そして、両プーリ間に無端ベルトを掛け渡すとともに、可動ステージ110を無端ベルトに連結する。この状態でモータ152によって駆動プーリを回転させ、無端ベルトの回転とともに可動ステージ110をガイドレール151に沿って移動させることもできる。
【0050】
次に、RI化合物合成装置1においてRI化合物を合成する手順について説明する。なお、各配管L1、L2A〜L2E、L3〜L6等には、所定位置にそれぞれ複数のバルブBが設けられている。バルブBの開閉は、例えば、RI化合物や窒素ガス等が所定の位置に送られるように開閉制御される。
【0051】
まず、RIの抽出を行う。このため、ターゲット部2から、RIを含むRI溶液が抽出カラム53に送られ、抽出カラム53でRIが抽出される。RIが取り除かれた溶液は、回収ボトル54によって回収される。
【0052】
次に、抽出カラム53で抽出したRIを反応器60Aへ送る。このため、ガス調整ユニット40から配管L1、試薬貯留容器51A、配管L2Aを介して窒素ガスが抽出カラム53に送られる。窒素ガスは試薬貯留容器51Aを通ることにより、試薬を含んだ状態になる。窒素ガスに含まれる試薬の作用によって抽出カラム53からRIが剥がし取られ、剥がし取られたRIが窒素ガスとともに配管L3,L4を介して反応器60A内に送られる。反応器60Aに送られた余分な窒素ガスは、配管L6を介してRI化合物合成装置1の外部に排気ガスとして排出される。
【0053】
次に、試薬を反応器60A内に送る。このため、ガス調整ユニット40から配管L1、試薬貯留容器51B、配管L2Bを介して窒素ガスが反応器60A内に送られる。窒素ガスは試薬貯留容器51Bを通ることにより試薬を含んだ状態になり、試薬を含む窒素ガスが反応器60Aに送られる。反応器60Aに送られた余分な窒素ガスは、配管L6を介してRI化合物合成装置1の外部に排気ガスとして排出される。
【0054】
次に、RI化合物の合成を行う反応器60Aの下部に、反応器周辺機器ユニット100を移動させる。この反応器周辺機器ユニット100の移動は、駆動ユニット150によって行われる。
【0055】
次に、RI化合物の合成を行う。これは、反応器周辺機器ユニット100に備えられた熱電対101や放射線検出器106によって反応の状態を把握しながら、エアヒータ102やエアクーラ103、スターラ105を作動させて合成を行う。
【0056】
次に、合成されたRI化合物を分離精製部30へ送る。このため、ガス調整ユニット40から、配管L1を介して反応器60A内に窒素ガスが送られる。これにより反応器60A内の圧力が高まり、RI化合物が配管L5を通って分離精製部30へ送られる。
【0057】
なお、上記では、反応器60Aで合成されたRI化合物を、分離精製部30に送る場合について説明したが、例えば、反応器60Bへ送ることもできる。そして、反応器60Bにおいて、RI化合物と試薬貯留容器51C内の試薬とを反応させてRI化合物の合成を行う場合には、反応器周辺機器ユニット100を反応器60Bの下部に移動させる。このように、合成処理が行われる反応器60A〜60Dの下部に反応器周辺機器ユニット100を移動させてRI化合物の合成を行う。
【0058】
次に、反応器60A〜60Dと反応器周辺機器ユニット100との具体的な配置構成について説明する。図2は、反応器60A〜60D周りを示す斜視図であり、図3は、反応器60Aと反応器周辺機器ユニット100との位置関係を示す正面図である。なお、図2において、反応器固定ユニット80A〜80D(詳しくは後述する)や外筒70A〜70Dを固定する中間フレーム55a等は、各部の配置構成を明確にするために省略してある。また、図2において、外筒70A〜70Dの下端側に設けられた開口部を図示するため、外筒70Dを代表させて、外筒70Dの下端部の一部を破断して開口部75Dを図示している。
【0059】
反応器固定ユニット80A〜80Dはそれぞれ同じ構成を有しており、構成の詳細については反応器固定ユニット80Aを代表させて説明する。図2,図3に示すように、反応器固定ユニット80Aは、第1の反応器固定フランジ81Aと、配管接続部82Aと、第2の反応器固定フランジ83Aと、ガイドスライダ85Aとを含んで構成されている。
【0060】
第1の反応器固定フランジ81Aは、反応器60Aの上部開口を封止するとともに、反応器60Aを保持して固定するものである。配管接続部82Aは、第1の反応器固定フランジ81Aに取り付けられ、配管L1,L2B、L4〜L6が接続されるものである。第2の反応器固定フランジ83Aは、ガイドスライダ85Aと第1の反応器固定フランジ81Aとを接続するものである。
【0061】
ガイドスライダ85Aは、第1の反応器固定フランジ81A及び第2の反応器固定フランジ83Aを昇降させるものである。この昇降は、反応器60Aに接続された配管(配管L1等)への液体の逆流を防ぐために行われる。具体的には、ガイドスライダ85Aは、エアヒータ102によって反応器60Aが加熱される際に、第1の反応器固定フランジ81A及び第2の反応器固定フランジ83Aを上昇させて、反応器60Aから配管を遠ざける。
【0062】
外筒70A〜70Dは、それぞれ外筒本体部71A〜71Dと、外筒固定フランジ72A〜72Dとより構成されている。
【0063】
外筒本体部71A〜71Dは、それぞれ反応器60A〜60Dを下方側から囲むものであり、反応器60A〜60Dの底部と対向する位置に開口部が設けられている。即ち、外筒本体部71A〜71Dは、略円筒状となっている。なお、図2において、外筒70A〜外筒70Dが有する開口部として、外筒70Dに設けられた開口部75Dを代表させて図示する。また、図3において、外筒70Aに設けられた開口部75Aを図示する。
【0064】
外筒固定フランジ72A〜72Dは、それぞれ外筒70A〜70Dを中間フレーム55aに固定するためのものであり、外筒本体部71A〜71Dの下端側の外面から半径方向外側に向かって広がる形状となっている。
【0065】
特に、図3に示すように、外筒70Aと第1の反応器固定フランジ81Aとの間には隙間が設けられている。これは、外筒70Aの開口部75Aから、外筒本体部71Aと反応器60Aとの間に送り込まれたエアーを逃がすためのものである。同様に、反応器固定ユニット80B〜80Dの第1の反応器固定フランジと、外筒70B〜70Dとの間に隙間が設けられている。
【0066】
反応器周辺機器ユニット100は、可動ステージ110上に、上述した熱電対101と、エアヒータ102と、エアクーラ103と、吹出部104と、スターラ105と、放射線検出器106とが設置されている。吹出部104は、開口部104aを備え、開口部104aからエアヒータ102又はエアクーラ103で加熱又は冷却されたエアーを吹き出す。エアヒータ102とエアクーラ103は、吹出部104に接続される。スターラ105は、吹出部104の下側に配置される。熱電対101は、吹出部104の開口部104aの近傍に取り付けられる。放射線検出器106は、吹出部104の周囲に配置される。
【0067】
駆動ユニット150は、モータ152の回転を制御することにより、RI化合物の合成を行う反応器60A〜60Dの対応位置に反応器周辺機器ユニット100を移動させるものである。例えば、反応器60AにおいてRI化合物の合成を行う場合、図3に示すように、外筒70Aの開口部75Aと、吹出部104の開口部104aとが対向する位置(対応位置)に反応器周辺機器ユニット100を移動させる。
【0068】
外筒70A〜70Dの下端に設けられた各開口部は、駆動ユニット150によって駆動される反応器周辺機器ユニット100の軌道に沿っている。
【0069】
このように、RI化合物の合成を行う反応器60A〜60Dの対応位置に反応器周辺機器ユニット100を移動させることにより、吹出部104の開口部104aから吹き出されたエアーが、確実に反応器60A〜60Dに吹き付けられる。また、反応器60A〜60Dがそれぞれ外筒70A〜70Dによって囲まれているので、開口部104aから吹き出されたエアーが効率よく反応器60A〜60Dに吹き付けられる。
【0070】
第1の実施形態は以上のように構成され、反応器周辺機器ユニット100が、RI化合物の合成を行う反応器60A〜60Dの対応位置に移動される。これにより、反応器60A〜60D毎に反応器周辺機器ユニット100をそれぞれ備える必要がなくなり、部品点数や制御点数の増加を防止することができる。また、反応器60A〜60D毎に反応器周辺機器(熱電対、エアヒータ、エアクーラ、放射線検出器等)を設ける場合には、反応器周辺機器同士の干渉を避ける必要があり、反応器60A〜60D同士を集約して配置することの制約が大きくなる。これに対し上記第1の実施形態では、反応器60A〜60D毎に反応器周辺機器を設ける必要がなくなるため、反応器60A〜60D同士を近接して配置し易くなり、従って複数の反応器60A〜60Dをより集約して配置することができ、スペースを有効利用することが可能となる。
【0071】
また、反応器周辺機器ユニット100が放射線検出器106を備えることにより、例えば、一つの放射線検出器106によって、複数の反応器60A〜60Dから放射される放射線をそれぞれ検出することができる。また、反応器60A〜60D毎に放射線検出器106を設ける場合には、放射線検出器106の個体差によって放射線の検出値にばらつきが生じるため、このばらつきについて考慮する必要があったが、上記実施形態によれば、反応器60A〜60D毎に放射線検出器106を設ける必要がなくなるため、放射線検出器106の個体差によるばらつきを考慮する必要がない。
【0072】
また、反応器周辺機器ユニット100がエアヒータ102及びエアクーラ103を備えることにより、エアヒータ102及びエアクーラ103によって反応器60A〜60Dの温度を調節することができる。
【0073】
また、エアヒータ102及びエアクーラ103を反応器60A〜60D毎に設ける場合には、エアヒータ102及びエアクーラ103の個体差によって吹き出されるエアーの温度にばらつきが生じるため、このばらつきについて考慮する必要があった。これに対し上記第1の実施形態では、反応器60A〜60D毎にエアヒータ102及びエアクーラ103を設ける必要がなくなるため、エアヒータ102及びエアクーラ103の個体差によるばらつきを考慮する必要がない。
【0074】
また、反応器周辺機器ユニット100が、外筒70A〜70Dの開口部に対応する位置で停止する。そして、反応器周辺機器ユニット100のエアヒータ102及びエアクーラ103から吹き出されたエアーは、外筒70A〜70Dの開口部を介してそれぞれ反応器60A〜60Dに吹き付けられる。反応器60A〜60Dはそれぞれ外筒70A〜70Dで囲まれているため、エアヒータ102及びエアクーラ103から吹き出されたエアーが反応器60A〜60Dにそれぞれ確実に導かれ、反応器60A〜60Dの温度を効率よく調節することができる。
【0075】
また、反応器周辺機器ユニット100が熱電対101を備えることにより、反応器60A〜60Dの温度を検出することができる。また、反応器周辺機器ユニット100がスターラ105を備えることにより、反応器60A〜60D内に導入されたRI及び試薬を攪拌することができる。
【0076】
次に、RI化合物合成装置の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態における反応器周辺機器ユニット100の構成を変更したものであり、RI化合物合成装置の全体構成は、図1,図2を用いて説明した第1の実施形態におけるRI化合物合成装置1とほぼ同様であるため説明を省略する。以下において、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明し、第1の実施形態と同一要素については同一番号を付して説明を省略する。
【0077】
図4は、第2の実施形態における反応器60A及び反応器周辺機器ユニット100Aを示す正面図である。なお、図4において、誘導コイル202、遮蔽体203については内部構成を現すために断面を示す。反応器周辺機器ユニット100Aは、反応器周辺機器と、反応器周辺機器が設置された可動ステージ110Aとを含んで構成されている。本実施形態に係る反応器周辺機器としては、誘導コイル(温度調節手段)202と、遮蔽体203と、を含んで構成されている。
【0078】
反応器60Aの底部には、反応器60Aと一体に形成された電磁誘導体201が設けられている。なお、反応器60Aは、ガラス等の透明性を有する物質からなっている。
【0079】
電磁誘導体201には、透磁率が高く、抵抗値が高い鉄等の材質が用いられる。電磁誘導体201は、下部に設けられた誘導コイル202と電磁気的に結合しており、誘導コイル202からの磁束φに応じて自らが発熱することによって、反応器60Aを加熱する。なお、図示しない他の反応器60B〜60Dについても、反応器60Aと同様に、底部に電磁誘導体201が設けられている。
【0080】
誘導コイル202は、図示しない高周波電源から励磁電流が供給されることによって、上下方向に磁束φを発生する。これにより、誘導コイル202は電磁誘導体201を発熱させる。例えば、誘導コイル202は、周囲の少なくとも一部がモールド部材で覆われた誘導コイルユニットの態様であり、この誘導コイルユニットが電磁誘導体201に略当接する位置に反応器周辺機器ユニット100Aを移動させることが好ましい。これにより、誘導コイル202に供給される励磁電流に対する電磁誘導体201の発熱効率を高めることができる。即ち、供給電力に対する発熱効率を高めることができる。
【0081】
遮蔽体203は、誘導コイル202の横側周囲に配置される。遮蔽体203は、誘導コイル202からの磁束φが周囲に漏れることを防止する。例えば、遮蔽体203の材料には、磁束が通りやすく、磁束を吸収する電磁誘導性を有する物質であって、透磁率が比較的高い鉄等が用いられることが好ましい。
【0082】
駆動ユニット150は、第1の実施形態と同様に、RI化合物の合成を行う反応器60A〜60Dの対応位置に可動ステージ110Aを移動させる。これにより、誘導コイル202によってそれぞれ反応器60A〜60Dの加熱を行うことができる。
【0083】
第2の実施形態は以上のように構成され、RI化合物の合成を行う反応器60A〜60Dの対応位置に反応器周辺機器ユニット100Aを移動させ、誘導コイル202に励磁電流が供給されると、誘導コイル202と対向する位置の電磁誘導体201が発熱体となり、当該電磁誘導体201が設けられた反応器60A〜60Dを加熱することができる。そして、電磁誘導体201が反応器60A〜60Dにそれぞれ一体的に設けられているので、発熱体から反応器60A〜60Dへの熱伝導効率を高めることができ、周囲への放熱を低減することができる。また、エアー等の熱伝導媒介物質を外部から流入させないので、ホットセル20内のクリーン度を損なうことがない。
【0084】
また、本実施形態のように電磁誘導方式を用いる場合には、不活性ガスやオイル等の熱伝導媒介物質を用いないブロックヒータやペルチェヒータ等を用いる場合に比べ、加熱の立ち上がりがよく、発熱体(電磁誘導体201)の発熱開始から反応器60A〜60Dの加熱終了までの時間が短い。また、ブロックヒータやペルチェヒータ等を用いる手法に比べ、本実施形態のように電磁誘導方式を用いる場合には、供給電力に対して発熱効率がよい。
【0085】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1の実施形態において、反応器周辺機器ユニット100の可動ステージ110上に熱電対101、エアヒータ102、エアクーラ103、吹出部104、スターラ105、放射線検出器106を設置して反応器60A〜60D間を移動させるものとしたが、この中のいずれかは可動ステージ110に設置せず、反応器60A〜60Dの周辺にそれぞれ設けてもよい。また、第1の実施形態の放射線検出器106等を第2の実施形態における反応器周辺機器ユニット100Aの可動ステージ110Aに設置してもよい。
【0086】
また、反応器60A〜60Dを直線状に配置し、反応器60A〜60Dの配置に沿って反応器周辺機器ユニット100,100Aを移動させるものとしたが、直線状の配置に限定されるものではなく、例えば、円形状であってもよい。
【0087】
第1の実施形態においてはエアヒータ102及びエアクーラ103、第2の実施形態においては電磁誘導方式(誘導コイル202及び電磁誘導体201)を用いて反応器60A〜60Dの温度調節を行うものとしたが、これ以外の方法によって、温度調節を行うようにしてもよい。また、反応器60A〜60Dの温度を熱電対101を用いて検出するものとしたが、これ以外の方法によって検出してもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…RI化合物合成装置、60A〜60D…反応器、70A〜70D…外筒、100,100A…反応器周辺機器ユニット、101…熱電対(反応器周辺機器,温度検出手段)、102…エアヒータ(反応器周辺機器,温度調節手段)、103…エアクーラ(反応器周辺機器,温度調節手段)、105…スターラ(反応器周辺機器,攪拌手段)、106…放射線検出器(反応器周辺機器,放射線検出手段)、150…駆動ユニット(駆動手段)、202…誘導コイル(反応器周辺機器,温度調節手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性同位元素及び試薬が導入される反応器を複数備えるRI化合物合成装置において、
前記反応器の周辺に配置される一又は複数の反応器周辺機器を含んで構成された反応器周辺機器ユニットと、
前記反応器周辺機器ユニットを、複数の前記反応器の対応位置に移動させる駆動手段と、
を備えることを特徴とするRI化合物合成装置。
【請求項2】
前記反応器周辺機器ユニットは、前記反応器内から放射される放射線を検出する放射線検出手段を前記反応器周辺機器として含むことを特徴とする請求項1に記載のRI化合物合成装置。
【請求項3】
前記反応器周辺機器ユニットは、前記反応器の温度を調節する温度調節手段を前記反応器周辺機器として含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のRI化合物合成装置。
【請求項4】
前記温度調節手段は、前記反応器にエアーを吹き付けることによって温度を調節することを特徴とする請求項3に記載のRI化合物合成装置。
【請求項5】
前記反応器を囲み、一部に開口部を有する外筒を、前記反応器毎に更に備え、
複数の前記開口部は、前記駆動手段によって駆動される前記反応器周辺機器ユニットの軌道に沿って配置され、
前記駆動手段は、前記開口部と対応する位置に前記反応器周辺機器ユニットを停止させ、
前記温度調節手段は、前記開口部を介して前記反応器にエアーを吹き付けることを特徴とする請求項4に記載のRI化合物合成装置。
【請求項6】
前記反応器周辺機器ユニットは、
前記反応器の温度を検出するための温度検出手段と、
前記反応器内に導入された前記放射性同位元素及び前記試薬を攪拌する攪拌手段と、
を前記反応器周辺機器として含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のRI化合物合成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−31083(P2012−31083A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170832(P2010−170832)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】