説明

TOC成分除去装置およびTOC成分の除去方法

【課題】 ヒドロキシルラジカルを特定の場所に発生させることでパッキン等の劣化を防止するとともに、光触媒の流出防止が可能であり、更にTOCの除去能力に優れたTOC成分の除去装置を提供する。
【解決手段】 超純水または純水に含まれるTOC成分を除去する装置であり、前記超純水または前記純水が導入される処理タンク2と、表面が光触媒である球状の複数の触媒粒子3と、触媒粒子3を一面31a上に分散保持させる板状の透光性保持体4と、透光性保持体4の近傍に配置されて波長254nmの紫外線を照射させる紫外線光源5とから構成されることを特徴とするTOC成分除去装置1を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中に含まれるTOC成分の除去方法およびTOC成分除去装置に関するものであり、例えば、半導体、液晶、医薬品を製造する工程等で使用される超純水などの液体中に含まれるTOC成分を除去する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体、液晶、医薬品業界等においては、近年の技術革新、技術の高度化に伴い、イオン等の溶存物質や懸濁粒状物は勿論のこと、有機物、バクテリア、パイロジェン(発熱性物質)、細菌等のTOC成分を極力除去した超純水(純水)が求められている。 このような超純水は、濾過装置、イオン交換装置、超濾過膜装置、逆浸透膜装置等を適宜組み合わせた超純水製造システムによって製造されている。
【0003】
しかし、この超純水製造システムは、被処理対象である原水中に含まれているイオン等の溶存物質、懸濁粒状物等の除去には有効であるが、有機物、バクテリア、パイロジェン、細菌等のTOC成分の除去には余り有効でなく、5〜20ppbのTOC成分が超純水中に残留し、このTOC成分が残留した超純水を、前述した分野で使用すると、種々の不都合が発生するおそれがあった。たとえば、前述した5〜20ppbのTOC成分が残留する超純水をLSI等の半導体の洗浄水として使用すると、これらのTOC成分が半導体にスケールとして付着し、半導体の汚染、回路破壊等を起こして製品の歩留りを低下させる原因になっていた。
【0004】
そこで、前述したような問題を解決するために、波長185nmと254nmの紫外線を放出するランプを純水タンク内で使用して、TOCを削減する方法が提案されている。この方法では、波長185nmの紫外線を純水タンク内で照射させることによりタンク内の酸素分子をオゾンに変化させる。更に、このオゾンに波長254nmの紫外線を照射させることによりヒドキシルラジカルが発生する。発生したオゾン及びヒドロキシルラジカルによってTOCが酸化、分解され削減される。
【0005】
また、光触媒を使用してTOCを削減する方法も提案されている。この方法では、純水タンク内に光触媒と紫外線光源を設置し、水中の光触媒に波長380nm以下の紫外線を照射することで光触媒表面にヒドロキシルラジカルを発生させ、このヒドロキシルラジカルによってTOCを酸化、分解されて削減される。
【特許文献1】特開平10−151450号公報
【非特許文献1】「水ハンドブック」、水ハンドブック編集委員会、丸善株式会社、平成15年3月31日発行、p.316−319、p.345−347
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の波長185nmと254nmの紫外線を使用する方法では、純水タンク中でのオゾン及びヒドロキシルラジカルの発生場所が不特定であるため、タンク内のゴムパッキン付近にオゾン及びヒドキシルラジカルが存在した場合には、ゴムパッキンが酸化、分解されてひび割れによる漏水の可能性があった。
【0007】
また、上記の光触媒を用いる方法では、光触媒が二酸化チタンを主成分とした粉末であるため基材等にコーティングして使用される。光触媒は比較的コーティングしづらい材料であるため、コーティングの際にバインダーが混合される。バインダーは有機物である場合が多い。そのため、長時間水中で紫外線を受けることによりバインダーが加水分解を起こしたり、光触媒表面に発生したヒドロキシルラジカルによってバインダー自体が酸化、分解される場合がある。バインダーが分解されることで、純水タンク内の純水のTOCを増加させる可能性があった。また、バインダーの分解で基材が光触媒をコーティング保持ができなくなり、光触媒が純水経路に拡散流出してしまい、光触媒によるTOCの酸化、分解の効力が弱まるおそれもあった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ヒドロキシルラジカルを特定の場所に発生させることでパッキン等の劣化を防止するとともに、光触媒の流出防止が可能であり、更にTOCの除去能力に優れたTOC成分の除去装置ならびにTOC成分の除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明のTOC成分除去装置は、超純水または純水に含まれるTOC成分を除去する装置であり、未処理の超純水または純水が導入される処理タンクと、表面が光触媒である球状の複数の触媒粒子と、該触媒粒子を一面上に分散保持させる板状の透光性保持体と、前記透光性保持体の近傍に配置されて波長254nmの紫外線を照射させる紫外線光源とから構成されることを特徴とする。
【0010】
上記の構成によれば、紫外線が透光性保持体を介して触媒粒子に照射され、触媒粒子の表面でのみヒドロキシラジカルを発生させることができる。ヒドロキシルラジカルの酸化作用は強力だが寿命が短いので、ヒドロキシラジカルが触媒粒子表面の近傍のみに存在し、処理タンク内に広く拡散することがなく、パッキン等の劣化を防止できる。また、触媒粒子が球状なので、ヒドロキシルラジカルが発生する面積を広くすることができ、高濃度のヒドロキシルラジカルを発生させることができ、TOC成分を効率よく処理できる。
また、透光性保持体が用いられるので、紫外線が遮られるおそれがない。これにより、触媒粒子に照射されなかった紫外線が処理タンク内全体に照射され、処理タンク内を殺菌することができ、TOC成分の発生を抑制できる。
【0011】
また本発明のTOC成分除去装置は、先に記載のTOC成分除去装置であり、前記触媒粒子が、球状の金属もしくはセラミックスからなる坦持体の表面に、光触媒が溶射法によりコーティングされてなるものであることを特徴とする。
【0012】
上記の構成によれば、光触媒が溶射によりコーティングされているので、バインダー等の有機成分が用いられず、これによりバインダーの分解によるTOC成分の増加を防止できる。
【0013】
また本発明のTOC成分除去装置は、先に記載のTOC成分除去装置であり、前記処理タンクの内面が鏡面とされていることを特徴とする。
【0014】
上記の構成によれば、照射された紫外線が処理タンクの内面で反射され、処理タンク内の殺菌を効率よく行なうことができる。
また、触媒粒子に紫外線が照射されると、触媒粒子に影となる部分が生じ、この影の部分では光触媒作用が発現しないおそれがあるが、処理タンク内面を鏡面にすることで、反射された紫外線をこの影の部分に照射させることができる。このように上記構成によれば、触媒粒子の表面全面に紫外線を照射させることができ、TOC成分の除去能力を高めることができる。
【0015】
次に、本発明のTOC成分の除去方法は、超純水または純水に含まれるTOC成分を除去する方法であり、未処理の超純水または純水を処理タンクに導入するとともに、前記処理タンク内に、表面が光触媒である球状の複数の触媒粒子と、該触媒粒子を一面上に分散保持する板状の透光性保持体と、前記透光性保持体の近傍に配置されて波長254nmの紫外線を照射させる紫外線光源とを配設し、前記紫外線光源から前記紫外線を前記触媒粒子と前記処理タンク内の前記超純水または純水とに照射することを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、透光性保持体を介して紫外線を触媒粒子に照射するので、触媒粒子の表面でのみヒドロキシラジカルを発生させることができる。ヒドロキシルラジカルの酸化作用は強力だが寿命が短いので、ヒドロキシラジカルが触媒粒子表面の近傍のみに存在し、処理タンク内に広く拡散することがなく、パッキン等の劣化を防止できる。また、触媒粒子が球状なので、ヒドロキシルラジカルが発生する面積を広くすることができ、高濃度のヒドロキシルラジカルを発生させることができ、TOC成分を効率よく処理できる。
また、透光性保持体が用いられるので、紫外線が遮られるおそれがない。これにより、触媒粒子に照射されなかった紫外線が処理タンク内全体に照射され、処理タンク内を殺菌することができ、TOC成分の発生を抑制できる。
【0017】
次に、本発明のTOC成分の除去方法は、先に記載のTOC成分の除去方法であって、前記処理タンク内の内面を鏡面とし、前記紫外線を前記鏡面により反射させ、この反射紫外線を前記触媒粒子に照射することを特徴とする。
【0018】
上記の構成によれば、照射された紫外線が処理タンクの内面で反射されるので、処理タンク内の殺菌を効率よく行なうことができる。
また、触媒粒子に紫外線が照射されると、触媒粒子に影となる部分が生じ、この影の部分では光触媒作用が発現しないおそれがあるが、処理タンク内面を鏡面にすることで、反射された紫外線をこの影の部分に照射させることができる。このように上記構成によれば、触媒粒子の表面全面に紫外線を照射させることができ、TOC成分の除去能力を高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明のTOC成分除去装置ならびにTOC成分の除去方法によれば、ヒドロキシルラジカルを特定の場所に発生させることでパッキン等の劣化を防止することができ、光触媒の流出を防止することができ、更にTOCの除去能力を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1には本実施形態のTOC成分除去装置の側面図を示し、図2には本実施形態のTOC成分除去装置の平面図を示す。
図1および図2に示すように、本実施形態のTOC成分除去装置1は、未処理の超純水または純水が導入される処理タンク2と、表面が光触媒である球状の複数の触媒粒子3と、該触媒粒子3を一面上に分散保持させる板状の透光性保持体4と、前記透光性保持体4の近傍に配置されて波長254nmの紫外線を照射させる紫外線光源5とから概略構成されている。
【0021】
処理タンク2は、タンク本体11と、タンク本体11の上部に装着されるタンク蓋12とから構成されている。タンク本体11およびタンク蓋12は、例えばステンレス等で構成されている。またタンク本体11には、循環水流入口11aと循環水流出口11bと未処理水導入口11cとが設けられている。更に処理タンク2の内面2aは鏡面処理が施されており、紫外線を反射できるように構成されている。
【0022】
またタンク本体11には、超純水または純水の循環機構6が接続されている。循環機構6は、循環ポンプ21、イオン交換樹脂22、ウルトラファインフィルター23、TOC成分量を計測する水質計24、三方弁25が循環路26を介して接続されて構成されている。そして、循環路26の両末端がそれぞれ、タンク本体11の循環水流入口11aと循環水流出口11bとに接続されている。また、三方弁25には、TOC成分を除去した処理済みの循環水を採水するための採水路27が接続されている。
また、タンク本体11の未処理水導入口11cには、TOC成分を除去する前の未処理水をタンク内部に導入するための図示略の導入路が接続されている。
【0023】
触媒粒子3は、処理タンク2の内部に収納されており、球状の金属もしくはセラミックスからなる坦持体の表面に、光触媒が溶射法によりコーティングされて構成されている。坦持体は例えば、直径が3mm以上6mm以下程度のステンレス、アルミナセラミックス等からなる球状の粒子が用いられる。また光触媒は、波長254nmの紫外線でヒドロキシルラジカルを発生できるものが良く、例えばTiO、Ag(銀)等から構成される。また、光触媒は、坦持体の表面に30μm以上70μm以下程度の厚みでコーティングされていることが望ましい。光触媒を坦持体にコーティングするには、光触媒の構成材料を溶融させて坦持体に高速で叩き付ける溶射法が好適に用いられる。溶射法でコーティングすることにより、バインダー等の有機樹脂を光触媒に混合する必要なくなる。
【0024】
次に、透光性保持体4は、触媒粒子3とともに処理タンク2の内部に収納されており、紫外線を透過する板状の部材から構成されている。図1および図2に示す透光性保持体4は、板状の底部31と、この底部31の周辺部から立設された側壁部32とから概略構成されている。そして、板状の底部31の一面31aに、複数の触媒粒子3が分散配置されている。触媒粒子3は、相互に接触しないように間隔を空けて配置することが好ましい。また透光性保持体4の材質は、紫外線を透過するものであれば良く、例えば石英ガラス、軟質ガラス、紫外線透過アクリル等で構成することができる。
【0025】
次に、紫外線光源5は、波長254nmの紫外線を照射させるものであり、透光性保持体4の底部31の他面31b側に配置されている。紫外線光源5から発生された紫外線は、触媒粒子4および処理タンク2内の循環水に照射される。
【0026】
また処理タンク2内には、処理タンク2内の水位を検出するためのフロートスイッチ41が2つ備えられている。処理タンンク2の底部にあるフロートスイッチ41aは枯れ水検出用とされ、処理タンク2の上部にあるフロートスイッチ41bは満水検出用とされている。
【0027】
次に、上記のTOC成分処理装置1を用いた超純水中のTOC成分の処理方法を説明する。
まず、逆浸透膜およびイオン交換樹脂を通過させた未処理水を、未処理水導入口11aから処理タンク2内に導入する。未処理水は、逆浸透膜により微小の浮遊物質が除去されるとともに、イオン交換樹脂により溶存する陽イオン及び陰イオンが除去された水である。ただし、TOC成分は除去されていない。
【0028】
次に、未処理水で処理タンクが満たされた後、未処理水の供給を停止し、循環ポンプ21を駆動させて未処理水を処理タンク2および循環機構6の間で循環させる。このとき、三方弁25は採水路27に対して「閉」状態になっている。
【0029】
次に、紫外線光源5から波長254nmの紫外線を発生させる。発生した紫外線の一部は、透光性保持体4を透過して触媒粒子3に照射される。触媒粒子3の表面には光触媒がコーティングされており、この光触媒に紫外線が照射されることによってヒドロキシルラジカルが発生する。発生したヒドロキシルラジカルによって、未処理水中のTOC成分が酸化分解される。
【0030】
また、紫外線光源5から発生した紫外線の残部は、処理タンク2内の未処理水に直接照射される。これにより、未処理水が殺菌され、細菌増加によるTOC成分の上昇を未然に防止できる。また、透光性保持体4は紫外線に対して透過性を示すので、透光性保持体4によって紫外線が遮られることがなく、処理タンク2の内部全体に紫外線を照射させることができる。
【0031】
更に、処理タンク2の未処理水に直接照射された紫外線は、処理タンク2の内面で鏡面反射されるので、未処理水の殺菌効果を更に高めることができる。
【0032】
また、触媒粒子3と紫外線光源5との位置関係から、触媒粒子3には紫外線光源5から直接に紫外線が照射されない影となる部分が生じる。具体的には、図1中、触媒粒子3の図中上側が紫外線光源5に対して影になる。この影の部分の光触媒が有効に利用されないおそれがある。しかし、本実施形態のTOC成分処理装置1においては、処理タンク2内の内面が鏡面とされ、未処理水に直接照射された紫外線が鏡面反射されるので、この鏡面反射された紫外線の一部が光触媒の影となる部分にも照射される。これにより、紫外線光源5から影となる部分においてもヒドロキシルラジカルを発生させることができ、ヒドロキシルラジカルの濃度を向上させることができ、TOC成分を効率よく除去することができる。
【0033】
以上のように、未処理水の循環を続けながら紫外線照射を連続して行なうことにより、未処理水中のTOC成分が徐々に減少する。TOC成分の濃度が規定の値を下回った時点で、三方弁25を作動させて採水路27を「開」とし、処理済みの超純水または純水を採水する。処理タンク2内および循環機構6内部の循環水量が低下したら、再度未処理水導入口11aから未処理水を供給する。
【0034】
以上説明したように、本実施形態のTOC成分処理装置およびTOC成分の処理方法によれば、触媒粒子3の表面でのみヒドロキシラジカルを発生させることができ、TOC成分を分解除去することができる。また、ヒドロキシルラジカルの酸化作用は強力だが寿命が短いので、ヒドロキシラジカルが触媒粒子3の表面の近傍のみに存在し、処理タンク2内に広く拡散することがなく、パッキン等の劣化を防止できる。更に、触媒粒子3が球状なので、ヒドロキシルラジカルが発生する面積を広くすることができ、高濃度のヒドロキシルラジカルを発生させることができ、TOC成分を効率よく処理できる。
また、紫外線に対して透過性を示す透光性保持体4が用いられるので、紫外線が遮られるおそれがない。これにより、触媒粒子3に照射されなかった残りの紫外線が処理タンク2全体に照射され、処理タンク2内を殺菌することができ、TOC成分の発生を抑制できる。
【0035】
また、光触媒が溶射によりコーティングされているので、バインダー等の有機成分が用いられず、これによりバインダーの分解によるTOC成分の増加を防止できる。
更に、照射された紫外線が処理タンク2の内面で鏡面反射されるので、処理タンク2内の殺菌を効率よく行なうことができる。
また、触媒粒子3に紫外線が照射されると、触媒粒子3に影となる部分が生じ、この影の部分では光触媒作用が発現しないおそれがあるが、処理タンク2内面を鏡面にすることで、反射された紫外線をこの影の部分にも照射させることができる。これにより、触媒粒子3の表面全面に紫外線を照射させることができ、TOC成分の除去能力を高めることができる。
【0036】
なお、本発明は上記の実施形態の内容に限定されるものではなく、種々の変更を加えてもよい。例えば、紫外線光源の配置場所は、透光性保持体の下部に限らず、透光性保持体の上部、すなわち触媒粒子の上方に配置してもよい。また、紫外線光源や、触媒粒子を備えた透光性保持体は、処理タンク内の1カ所に限らず、複数箇所に配置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、半導体、液晶、医薬品を製造する工程等で使用される超純水などの液体中に含まれるTOC成分を除去する技術に関する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態のTOC成分除去装置の側面図。
【図2】本実施形態のTOC成分除去装置の平面図。
【符号の説明】
【0039】
1…TOC成分除去装置、2…処理タンク、2a…内面、3…触媒粒子、31a…一面、4…透光性保持体、5…紫外線光源


【特許請求の範囲】
【請求項1】
超純水または純水に含まれるTOC成分を除去する装置であり、
未処理の超純水または純水が導入される処理タンクと、表面が光触媒である球状の複数の触媒粒子と、該触媒粒子を一面上に分散保持させる板状の透光性保持体と、前記透光性保持体の近傍に配置されて波長254nmの紫外線を照射させる紫外線光源とから構成されることを特徴とするTOC成分除去装置。
【請求項2】
前記触媒粒子が、球状の金属もしくはセラミックスからなる坦持体の表面に、光触媒が溶射法によりコーティングされてなるものであることを特徴とする請求項1に記載のTOC成分除去装置。
【請求項3】
前記処理タンクの内面が鏡面とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のTOC成分除去装置。
【請求項4】
超純水または純水に含まれるTOC成分を除去する方法であり、
未処理の超純水または純水を処理タンクに導入するとともに、前記処理タンク内に、表面が光触媒である球状の複数の触媒粒子と、該触媒粒子を一面上に分散保持する板状の透光性保持体と、前記透光性保持体の近傍に配置されて波長254nmの紫外線を照射させる紫外線光源とを配設し、前記紫外線光源から前記紫外線を前記触媒粒子と前記処理タンク内の前記超純水または純水とに照射することを特徴とするTOC成分の除去方法。
【請求項5】
前記処理タンク内の内面を鏡面とし、前記紫外線を前記鏡面により反射させ、この反射紫外線を前記触媒粒子に照射することを特徴とする請求項4に記載のTOC成分の除去方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−26575(P2006−26575A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211339(P2004−211339)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(593164158)小松電子株式会社 (11)
【Fターム(参考)】