説明

USB装置及びUSB装置を含むデータ処理システム

【課題】USB装置及びUSB装置を含むデータ処理システムを提供する。
【解決手段】USB(universal serial bus)装置は、USBのデータラインを介してUSBホストから信号を受信する受信器、及び制御信号に応答してデータラインにプルアップ抵抗を接続するプルアップ抵抗回路を含む。プルアップ抵抗回路はUSBホストがUSB装置をリセットする時、前記信号の電圧レベルがスレッショルド電圧より低くなるようにプルアップ抵抗の抵抗値を調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
最近、コンピュータ周辺装置のインターフェースとして広く用いられているUSB(universal serial bus)は、従来の並列バスとは異なりPnP(plug and play)、IDの自動割り当て及びホットプラグ(hot plug)が可能である。さらに、USBケーブルはたった4本のライン、すなわち、2本の信号ラインと電源ライン及び接地ラインのみを有する。従って、細密なケーブルと小さなコネクタを作るのが可能になって生産費を減少させることができ、さらに安価な周辺装置の開発が可能になる。
【背景技術】
【0002】
“USB仕様書(specification)REVISION 2.0(2000年 4月 27日)”によれば、高速動作モード(high speed mode)は480Mb/sのデータ伝送を支援する。また、低速動作モード(low speed mode)及びフルスピード動作モード(full speed mode)はそれぞれ1.25Mb/sと12Mb/sのデータ伝送を支援する。
【0003】
USBホストとUSB装置とは前記動作モードのうちの一つの動作モードで動作し、このような動作モードはUSB装置がUSBホストに接続される時、所定の初期化動作によって設定される。初期化動作以後、USBホストとUSB装置との間の円滑なデータ通信のためには、初期化動作が正確に行われる必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は初期化動作を正確に実行することができるUSB装置を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は初期化動作を正確に実行することができるUSB装置の制御方法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的はUSBホストとUSB装置との間の初期化動作を正確に実行することができるデータ処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するための本発明の特徴によれば、USB(universal serial bus)を介してUSBホストと接続されるUSB装置は、前記USBのデータラインを介して信号を受信する受信器、及び制御信号に応答して前記データラインにプルアップ抵抗を接続し、前記USBホストが前記USB装置をリセットする時、前記信号の電圧レベルがスレッショルド電圧より低くなるように前記プルアップ抵抗の抵抗値を調節するプルアップ抵抗回路を含む。
【0008】
前記プルアップ抵抗回路は、前記USBホストが前記USB装置をリセットしてから所定時間が経過した後、前記信号の電圧レベルが前記スレッショルド電圧より低くなるように前記プルアップ抵抗の抵抗値を調節する。
【0009】
前記プルアップ抵抗回路は、プルアップ抵抗と、第1スイッチ、第2スイッチ及び制御回路を含む。前記プルアップ抵抗は一端が電源電圧と接続され、直列に順に接続される。前記第1スイッチは前記複数個のプルアップ抵抗の他端と前記データラインとの間に接続される。前記第2スイッチは前記プルアップ抵抗それぞれに並列に接続される。そして制御回路は前記制御信号に応答して前記第1スイッチ及び第2スイッチをオン/オフする。
【0010】
前記第1スイッチは前記USB装置が前記USBホストと接続されることが感知される時、活性化されるプルアップイネーブル信号によって制御される。
【0011】
前記制御回路は、前記プルアップイネーブル信号によってイネーブルされ、前記ライン状態信号がSE0状態を示した後、所定時間が経過すれば、第1レベルのタイマ信号を出力するタイマ、前記第1及び第2制御信号及び前記タイマ信号に応答してスイッチイネーブル信号を出力する論理ゲート、及び前記スイッチイネーブル信号によってイネーブルされ、前記検出信号が前記信号の電圧レベルが前記スレッショルド電圧より低くなるまで前記第2スイッチのオン/オフを所定の順に変更するスイッチ制御回路を含む。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、USB(universal serial bus)を介してUSBホストと接続されるUSB装置は、前記USBのデータラインを介して信号を受信する受信器と、前記受信器から前記信号を入力し、制御信号を出力する機能回路ブロックと、前記USBの前記データラインを介して受信される前記信号の電圧レベルがスレッショルド電圧より低いか否かを検出し、検出信号を出力するスケルチ検出器、及び前記制御信号及び前記検出信号に応答して前記データラインにプルアップ抵抗を接続し、前記USBホストが前記USB装置をリセットする時、前記信号の電圧レベルが前記スレッショルド電圧より低くなるように前記プルアップ抵抗の抵抗値を調節するプルアップ抵抗回路を含む。
【0013】
本発明の他の特徴によるデータ処理システムは、ホスト、及び前記ホストとUSB(universal serial bus)を介して接続されるUSB装置を含む。前記USB装置は、前記USBのデータラインを介して信号を受信する受信器、及び制御信号に応答して前記データラインにプルアップ抵抗を接続し、前記USBホストが前記USB装置をリセットする時、前記信号の電圧レベルがスレッショルド電圧より低くなるように前記プルアップ抵抗の抵抗値を調節するプルアップ抵抗回路を含む。
【発明の効果】
【0014】
このような本発明によれば、多様な原因によってデータ信号の電圧レベルが変化する時、プルアップ抵抗の抵抗値の変更によってデータ信号の電圧レベル変化を補償することができる。そのため、USB装置がUSBホストに接続される時、安定した初期化を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の望ましい実施形態によるデータ処理システムを示す図である。
【0017】
図1を参照すると、データ処理システム100はUSBホスト101そしてUSBホスト101とUSB(universal serial bus、102)を介して接続されたUSB装置103を含む。USB102は一対の差動信号であるデータ信号(DP、DM)を伝送するためのデータラインと電源電圧VCC及び接地電圧GNDを伝達するための電源ライン(図示せず)とを含む。
【0018】
USB装置103は送受信器110と、機能回路ブロック120とを含む。図1には送受信器110内の本発明の受信器能に係る回路構成のみを示したが、伝送のための回路構成をさらに含むことができる。送受信器110はプルアップ抵抗回路111、高速(high speed、HS)受信器112、フルスピード(full speed、FS)受信器113そしてスケルチ検出器(squelch detector、114)を含む。機能回路ブロック120はUSB装置103がUSBホスト101とデータ送受信を実行するのに必要な制御を実行するコントローラである。
【0019】
高速受信器112は高速動作モードにおいてデータ信号を受信するために用いられ、フルスピード受信器113はフルスピード動作モードにおいてデータ信号を受信するために用いられる。受信器112を介して受信されたデータ信号DIN_H、DIN_Fは機能回路ブロック120に提供される。
【0020】
スケルチ検出器114はデータラインを介して伝送されるデータ信号(DP、DM)がノイズであるか有効な信号であるかを感知する。すなわち、スケルチ検出器114はデータ信号(DP、DM)とスケルチスレッショルド電圧VHSSQとを比較し、比較結果に応じて検出信号SQを出力する。例えば、スケルチ検出器114は伝送信号の大きさが100mV以下の場合、出力端子にハイレベルの検出信号SQを出力し、伝送信号が150mV以上の場合、出力端子にローレベルの検出信号SQを出力する。この実施形態においてスケルチスレッショルド電圧VHSSQは最小値である100mVを意味する。スケルチ検出器114からの検出信号SQは機能回路ブロック120に提供される。
【0021】
機能回路ブロック120は受信器112、113からデータ信号DIN_H、DIN_Lが入力され、USB装置103がUSB102を介してUSBホスト101と接続されたと判別されれば、制御信号を出力する。機能回路ブロック120から出力される制御信号は、ライン状態信号LINE_STATE[1:0]、動作モードを示す第1制御信号TERM_SEL及び第2制御信号XCVR_SELそしてプルアップイネーブル信号RPU_ENを含む。
【0022】
プルアップ抵抗回路111は機能回路ブロック120からの制御信号LINE_STATE、TERM_SEL、SCVR_SEL、プルアップイネーブル信号RPU_ENそして検出信号SQに応答してデータ信号DPが伝達されるデータラインに適切なプルアップ抵抗を接続する。
【0023】
図1に示したプルアップ抵抗回路111の具体的な構成を図2に示した。図2を参照すると、プルアップ抵抗回路111はプルアップ抵抗RPU1‐RPUn、スイッチSW1‐SWn、スイッチ制御回路210、ANDゲート220そしてタイマ230を含む。
【0024】
プルアップ抵抗RPU1‐RPUnは直列に接続される。プルアップ抵抗RPUnの一端は電源電圧VCCと接続され、プルアップ抵抗RPU1の他端はスイッチSW1の一端と接続される。スイッチSW1の他端はデータ信号DPを伝達するデータラインと接続される。スイッチSW2‐SWnのそれぞれとプルアップ抵抗RPU2‐RPUnのそれぞれは互いに対応し、スイッチSW2‐SWnのそれぞれは対応したプルアップ抵抗に並列に接続される。スイッチSW2‐SWnのそれぞれはスイッチ制御回路210からのスイッチ制御信号SWC2‐SWCnのそれぞれによって制御される。スイッチSW1は図1に示した機能回路ブロック120からのプルアップイネーブル信号RPU_ENによって制御される。
【0025】
タイマ230はプルアップイネーブル信号RPU_ENが活性化される時、カウントをスタートし、カウント値が所定値(例えば、2ms)に到逹した時、ハイレベルのタイマ信号TMを出力する。タイマ230はライン状態信号SE0がSE0状態からchirp‐K状態に移る時、ローレベルのタイマ信号TMを出力する。
【0026】
ANDゲート220はタイマ230からのタイマ信号TMそして機能回路ブロック120から第1及び第2制御信号TERM_SEL、SCVR_SELが入力され、スイッチイネーブル信号SW_ENを出力する。
【0027】
スイッチ制御回路210はスイッチイネーブル信号SW_ENがハイレベルであれば、スイッチSW2‐SWnがすべてオンになるようにスイッチ制御信号SWC2‐SWCnを出力する。その後、ライン状態信号LINE_STATE[1:0]がSE0状態を示せば、検出信号SQに応じてプルアップ抵抗RPU2‐RPUnのうちの一部がデータ信号DPを伝達するデータラインと接続されるようにスイッチ制御信号SWC2‐SWCnを出力する。
【0028】
このような構成を有するプルアップ抵抗回路111はライン状態信号LINE_STATEがSE0状態を示す間、データ信号DP、DMがスレッショルド電圧VHSSQより高い時、電源電圧VCCとデータ信号DPを伝達するデータラインの間に接続されるプルアップ抵抗の数を調節してデータラインのプルアップ抵抗値を変更する。
【0029】
続いて、図3及び図4に示したタイミング図を参照して図2に示したプルアップ抵抗回路111の具体的な動作を説明する。
【0030】
図3及び図4は図2に示したプルアップ抵抗回路111において使用される信号のタイミング図である。まず、図3を参照すると、第1区間T1においてUSB装置103がUSB102を介してUSBホスト101に接続されれば、USB装置103内のプルアップ抵抗によってデータ信号DPの電圧レベルが上昇する。受信器112、113を介してデータ信号DIN_H、DIN_Fが入力された機能回路ブロック120は第1及び第2制御信号TERM_SEL、XCVR_SELをハイレベルに出力し、ライン状態信号LINE_STATE[1:0]がJ状態を示すように制御する。
【0031】
第2区間T2において、USBホスト101はデータ信号DP、DMをすべてローレベルに駆動してUSB装置103をリセットする。すなわち、図2においてSE0状態はリセット状態を意味する。
【0032】
第3区間T3において、ライン状態をSE0として認識した機能回路ブロック120は第2制御信号SCVR_SELを高速動作モードを示すローレベルに変更してChirp‐Kを駆動する。
【0033】
第4区間T4において、機能回路ブロック120はUSBホスト101からのChirp‐KJを待つ。
【0034】
図3に示したタイミング図の第2区間T2において、第1及び第2制御信号TERM_SEL、SCVR_SELがすべてハイレベルであるため、データ信号DPの電圧レベルが 800mVの以下であれば、機能回路ブロック120はライン状態をSE0状態に認識するに問題がない。しかし、第4区間T4において、第1及び第2制御信号TERM_SEL、SCVR_SELがそれぞれハイレベル及びローレベルで高速動作モードを示すため、データ信号DP/DMがスケルチスレッショルド電圧VHSSQより高ければ、ライン状態をSE0状態の代りにJ状態に認識することができる。
【0035】
第4区間においてデータ信号DPの電圧は数1のとおりである。
【0036】
【数1】

【0037】
数式1において分かるように、データ信号DPの電圧はUSB装置103のプルアップ抵抗だけでなく、ホスト終端(termination)抵抗によっても変化する。高速HS動作モードであるUSBホスト101のホスト終端抵抗は45Ω±10%であり、フルスピードFS動作モードであるUSBホスト101のホスト終端抵抗は28〜44Ωである。
【0038】
このようにホスト終端抵抗の値の許容範囲が広くてデータ信号DPの電圧範囲が広い。例えば、電源電圧VCCが3.3Vであり、プルアップ抵抗が1.5kΩ、そしてUSBホスト101が高速動作モードである時、データ信号DPの電圧は86.76mVないし105.42mVである。また、電源電圧VCCが3.3Vであり、プルアップ抵抗が1.5kΩ、そしてUSBホスト101がプルスピード動作モードである時、データ信号DPの電圧は60.74mVないし94.04mVである。すなわち、データ信号DPの電圧がスケルチスレッショルド電圧VHSSQである100mVより高いことがある。このような場合、機能回路ブロック120は第4区間T4において、ライン状態をSE0状態ではない他の状態と認識することがある。これはUSBホスト101とUSB装置103の円滑な初期化及び正常的なデータ通信を不可能にする主な原因になる。
【0039】
図4は本発明の実施形態によるプルアップ抵抗回路111からプルアップ抵抗調整の時に用いられる信号のタイミング図である。図4を参照すると、“USB仕様書(specification)REVISION2.0(2000年4月27日)”は第2区間T2を2.5μs〜6msに規定している。すなわち、USB装置103が2.5μsの間にSE0状態を検出し、6ms以内にChirp‐Kを生成すれば良い。この時、USB装置103の第1及び第2制御信号TERM_SEL、XCVR_SELはすべてハイレベル、すなわち、フルスピードを示すため、機能回路ブロック120はライン状態の判断の時、スケルチ検出器114からの検出信号SQを参照しない。そのため、機能回路ブロック120はライン状態をSE0状態の代わりにJ状態に認識する場合はない。
【0040】
本発明のUSB装置103は、第2区間T2のスタートから2.5μsの以後のデータ信号DPの電圧レベルがスケルチスレッショルド電圧VHSSQより高いと検出されれば、データ信号DPと接続されたプルアップ抵抗の抵抗値を調整してデータ信号DPの電圧レベルがスケルチスレッショルド電圧VHSSQより低くなるように制御する。第2区間T2でデータ信号DPと接続されたプルアップ抵抗の抵抗値が調節されたので、第4区間T4でデータ信号DPの電圧レベルがスケルチスレッショルド電圧VHSSQより高い場合は発生しない。そのため、高速動作モード検出のためのハンドシェークプロトコル(handshake protocol)の失敗の可能性が減少する。
【0041】
図5は本発明の望ましい実施形態によるUSB装置の制御手順を示すフローチャートである。図2、図4及び図5を参照すると、第1区間T1においてUSB装置103がUSBホスト101に接続されれば、USB装置103の内のプルアップ抵抗によってデータ信号DPの電圧レベルが上昇する。機能回路ブロック120は受信器112、113から入力される信号DIN_H、DIN_FからUSB装置103がUSBホスト101に接続されたと判断し、ライン状態信号LINE_STATE[1:0]をJ状態に設定する(段階500)。
【0042】
第2区間SE0においてプルアップイネーブル信号RPU_ENが活性化されれば(段階510)、スイッチSW1はターンオンされ、タイマ230は動作を開始する。タイマ230は内部タイマ値が2μS経過した時、ハイレベルのタイマ信号TMを出力する(段階520)。第1及び第2制御信号TERM_SEL、XCVR_SELがすべてハイレベルであり、タイマ信号TMがハイレベルである時、ANDゲート220はハイレベルのスイッチイネーブル信号SW_ENを出力する。
【0043】
スイッチ制御回路210はライン状態信号LINE_STATE[1:0]がJ状態からSE0状態に変化される時、スイッチSW2‐SWnをすべてオンさせて電源電圧VCCがプルアップ抵抗RPUn‐RPU2を通じず、スイッチSWn‐SW2を通じてプルアップ抵抗RPU1の一端に印加されるようにする。
【0044】
続いて、ANDゲート220からのスイッチイネーブル信号SW_ENがハイレベルになれば、スイッチ制御回路210はスケルチ検出器114からの検出信号SQに応答して動作する(段階530)。すなわち、検出信号SQがハイレベルであれば、電源電圧VCCとデータ信号DPとの間のプルアップ抵抗値が変更されるようにスイッチ制御信号SW2‐SWnを出力する(段階540)。例えば、抵抗RPU1の抵抗値は1.5kΩであり、抵抗RPU2‐RPUnの抵抗値は100〜500Ωである。抵抗RPU2‐RPUnの抵抗値は互いに異なるように設定することができる。または、互いに同一に設定することができる。ただ、スイッチSW1がオンされ、スイッチSW2‐SWnがすべてオフされた時、プルアップ抵抗RPU1‐RPUnの抵抗値の和が3090Ωを超過しないようにプルアップ抵抗RPU1‐RPUnの抵抗値を設定すべきである。
【0045】
例えば、抵抗RPU2‐RPUnの抵抗値が抵抗RPU2から抵抗RPUnの順に大きい場合、スイッチ制御回路210の動作は次のとおりである。スイッチSW2‐SWnがすべてオン状態で検出信号SQがハイレベルであれば、スイッチ制御回路210はスイッチSW2のみをオフし、残りのスイッチSW3‐SWnをオンする。そのため、データ信号DPに接続される抵抗値はプルアップ抵抗RPU1、RPU2の抵抗値の和である。また、スイッチSW2がオフ状態であり、スイッチSWC3‐SWCnがオン状態で検出信号SQがハイレベルであれば、スイッチ制御回路210はスイッチSW3のみをオフし、残りのスイッチSW2、SW4‐SWnをオンする。そのため、データ信号DPに接続される抵抗値はプルアップ抵抗RPU1、RPU3の抵抗値の和である。このような方法によってデータ信号DPに接続される抵抗値を変更することができる。また、オフされるスイッチSW2‐SWnの数を二つまたはそれ以上にすることによって、抵抗RPU2‐RPUnの抵抗値の組み合わせによってデータ信号DPに接続されるプルアップ抵抗の抵抗値を変更することができる。
【0046】
スイッチ制御回路210は検出信号SQがハイレベルになれば、スイッチ制御信号SWC2‐SWCnの状態を固定し、プルアップ抵抗の変更動作を終了する。
【0047】
第2区間T2においてデータ信号DPはプルアップ抵抗値の変更によってスケルチスレッショルド電圧VHSSQより低くなったので、第4区間T4においてデータ信号DPはスケルチスレッショルド電圧VHSSQより低い。そのため、第2制御信号XCVR_SELがローレベルに低くなって高速動作モードに設定されても、機能回路ブロック120がライン状態をSE0状態の代りにJに認識する場合は発生しない。
【0048】
例示的な望ましい実施形態を利用して本発明を説明したが、本発明の範囲は開示された実施形態に限定されないことはよく理解されるであろう。従って、請求範囲はそのような変形例及びその類似の構成全てを含むことができる限り、幅広く解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の望ましい実施形態によるデータ処理システムを示す図である。
【図2】図1に示したプルアップ抵抗の具体的な構成を示す図である。
【図3】図2に示したプルアップ抵抗回路で用いられる信号のタイミング図である。
【図4】図2に示したプルアップ抵抗回路で用いられる信号のタイミング図である。
【図5】本発明の望ましい実施形態によるUSB装置の制御手続きを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
100 データ処理システム
101 USBホスト
102 USB
103 USB装置
110 送受信器
111 プルアップ抵抗回路
112 高速受信器
113 フルスピード受信器
114 スケルチ検出器
120 機能回路ブロック
210 スイッチ制御回路
220 ANDゲート
230 タイマ
RPU1‐RPUn プルアップ抵抗
SW1‐SWn スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBを介してUSBホストと接続されるUSB装置において、
前記USBのデータラインを介して信号を受信する受信器と、
制御信号に応答して前記データラインにプルアップ抵抗を接続し、前記USBホストが前記USB装置をリセットする時、前記信号の電圧レベルがスレッショルド電圧より低くなるように前記プルアップ抵抗の抵抗値を調節するプルアップ抵抗回路を含むことを特徴とするUSB装置。
【請求項2】
前記プルアップ抵抗回路は、
前記USBホストが前記USB装置をリセットしてから所定時間が経過した後、前記信号の電圧レベルが前記スレッショルド電圧より低くなるように前記プルアップ抵抗の抵抗値を調節することを特徴とする請求項1に記載のUSB装置。
【請求項3】
前記プルアップ抵抗回路は、
一端が電源電圧と接続され、直列に順に接続された複数個のプルアップ抵抗と、
前記複数個のプルアップ抵抗の他端と前記データラインとの間に接続された第1スイッチと、
前記プルアップ抵抗それぞれに並列に接続された複数個の第2スイッチと、
前記制御信号に応答して前記第1スイッチ及び第2スイッチをオン/オフする制御回路とを含むことを特徴とする請求項2に記載のUSB装置。
【請求項4】
前記制御信号は、伝送速度を示す第1及び第2制御信号、前記USBの前記データラインの状態を示すライン状態信号及びプルアップイネーブル信号を含むことを特徴とする請求項3に記載のUSB装置。
【請求項5】
前記第1スイッチは前記USB装置が前記USBホストと接続されることが感知される時、活性化される前記プルアップイネーブル信号によって制御されることを特徴とする請求項4に記載のUSB装置。
【請求項6】
前記制御回路は、
前記プルアップイネーブル信号によってイネーブルされ、前記ライン状態信号がSE0状態を示した後、所定時間が経過すれば、第1レベルのタイマ信号を出力するタイマと、
前記第1及び第2制御信号及び前記タイマ信号に応答してスイッチイネーブル信号を出力する論理ゲートと、
前記スイッチイネーブル信号によってイネーブルされ、前記検出信号が前記信号の電圧レベルが前記スレッショルド電圧より低くなるまで前記第2スイッチのオン/オフを所定の順に変更するスイッチ制御回路を含むことを特徴とする請求項4に記載のUSB装置。
【請求項7】
前記スイッチ制御回路は、前記ライン状態信号が前記SE0状態の終了を示す時、ディセーブルされることを特徴とする請求項6に記載のUSB装置。
【請求項8】
前記複数個のプルアップ抵抗それぞれは互いに異なる抵抗値を有することを特徴とする請求項6に記載のUSB装置。
【請求項9】
前記複数個のプルアップ抵抗の抵抗値の和は3090ohmを超過しないことを特徴とする請求項8に記載のUSB装置。
【請求項10】
USBを介してUSBホストと接続されるUSB装置において、
前記USBのデータラインを介して信号を受信する受信器と、
前記受信器から前記信号が入力され、制御信号を出力する機能回路ブロックと、
前記USBの前記データラインを介して受信される前記信号の電圧レベルがスレッショルド電圧より低いか否かを検出し、検出信号を出力するスケルチ検出器と、
前記制御信号及び前記検出信号に応答して前記データラインにプルアップ抵抗を接続し、前記USBホストが前記USB装置をリセットする時、前記信号の電圧レベルが前記スレッショルド電圧より低くなるように前記プルアップ抵抗の抵抗値を調節するプルアップ抵抗回路を含むことを特徴とするUSB装置。
【請求項11】
前記制御信号は、伝送速度を示す第1及び第2制御信号、前記USBの前記データラインの状態を示すライン状態信号及びプルアップイネーブル信号を含むことを特徴とする請求項10に記載のUSB装置。
【請求項12】
前記プルアップ抵抗回路は、
一端が電源電圧と接続され、直列に順に接続された複数個のプルアップ抵抗と、
前記複数個のプルアップ調節抵抗の他端と前記データラインとの間に接続された第1スイッチと、
前記プルアップ抵抗それぞれに並列に接続された複数個の第2スイッチと、
前記プルアップイネーブル信号によってイネーブルされ、前記ライン状態信号がSE0状態を示した後、所定時間が経過すれば、第1レベルのタイマ信号を出力するタイマと、
前記第1及び第2制御信号及び前記タイマ信号に応答してスイッチイネーブル信号を出力する論理ゲートと、
前記スイッチイネーブル信号によってイネーブルされ、前記検出信号が前記信号の電圧レベルが前記スレッショルド電圧より低くなるまで前記第2スイッチのオン/オフを所定の順に変更し、前記ライン状態信号が前記SE0状態の終了を示す時、ディセーブルされるスイッチ制御回路とを含むことを特徴とする請求項11に記載のUSB装置。
【請求項13】
前記第1スイッチは前記USB装置が前記USBホストと接続されることが感知される時、活性化される前記プルアップイネーブル信号によって制御されることを特徴とする請求項12に記載のUSB装置。
【請求項14】
ホストと、
前記ホストとUSBを介して接続されるUSB装置とを含み、
前記USB装置は、
前記USBのデータラインを介して信号を受信する受信器と、
制御信号に応答して前記データラインにプルアップ抵抗を接続し、前記USBホストが前記USB装置をリセットする時、前記信号の電圧レベルがスレッショルド電圧より低くなるように前記プルアップ抵抗の抵抗値を調節するプルアップ抵抗回路とを含むことを特徴とするデータ処理システム。
【請求項15】
USBを介してUSBホストと接続されるUSB装置の動作方法において、
前記USBのデータラインの状態がSE0状態であるか否かを判断する第1段階と、
前記データラインの状態がSE0状態である時、前記データラインの電圧レベルがスレッショルド電圧より高いか否かを判断する第2段階と、
前記データラインの電圧レベルがスレッショルド電圧より高い時、前記データラインと接続されたプルアップ抵抗の抵抗値を変更する第3段階とを含むことを特徴とするUSB装置の動作方法。
【請求項16】
前記第1段階は、
前記データラインの状態がSE0状態に遷移した後、所定時間が経過した時、前記データラインの電圧レベルがスレッショルド電圧より高いか否かを判断する段階を含むことを特徴とする請求項15に記載のUSB装置の動作方法。
【請求項17】
前記所定時間は最小2μsであることを特徴とする請求項16に記載のUSB装置の動作方法。
【請求項18】
前記データラインの状態が前記SE0状態からchirp‐K状態に移るまで前記第2段階及び前記第3段階は繰り返し実行されることを特徴とする請求項15に記載のUSB装置の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−193796(P2007−193796A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−352401(P2006−352401)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】