説明

Webブラウザ上で動作する顔認識方法及びそのプログラム

【課題】 利用者側計算機で動作する顔認識ソフトウェアをインターネットを通して自動でダウンロードさせ、顔認識ソフトウェアを利用者側計算機のブラウザ上のAVMと呼ばれる実行環境を利用して動作させ、この顔認識ソフトウェアをAVM上に逐次転送するソフトウェアとサーバと組み合わせることにより、利用者は利用者側計算機上への新たなソフトウェアのインストールなしで実時間動作するWebブラウザ上で動作する顔認識方法およびそのプログラムを提供すること。
【解決手段】 Webブラウザ41からの要求によって、顔認識ソフトウェアを格納しているソフトウェアサーバ3から、Webブラウザ41のAVM42上に顔認識ソフトウェアを提供することを特徴とすることを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを用いて標準的なWebブラウザ上で動作する顔認識方法及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術としては、特許文献1等には利用者側で動作するソフトウェアとサーバを連携させることにより画像処理サービスを提供することが記載されており、また、特許文献2等には画像に基づく認識を介した装置制御を行うものが記載されている。
また、顔認識機能を利用者側へのソフトウェアのインストールなしで利用できる技術も既に幾つか知られているが、それらはサーバ側で動作する顔認識ソフトウェアに対して未処理の映像情報を送信することで実現されている。
【特許文献1】特開2006−287893号公報
【特許文献2】特表2004−511870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1や特許文献2に記載された技術では、利用者の計算機上にソフトウェアをインストールする手順が必要であり、多くの利用者を獲得するにあたって、その手間が大きな課題となっている。また、上記のごとく、サーバ側で動作する顔認識ソフトウェアに対して未処理の映像情報を送信する場合は、多数の利用者が同時に利用した場合にサーバが過負荷になる問題や、サーバと利用者側の計算機との間の通信容量に限界がある等の問題から顔認識結果を実時間で得ることは難しいという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、利用者側計算機で動作する顔認識ソフトウェアをインターネットを通して自動でダウンロードさせ、顔認識ソフトウェアを利用者側計算機のブラウザ上のAVM(Actionscript Virtual Machine:アクションスクリプトバーチャルマシン)と呼ばれる実行環境を利用して動作させ、この顔認識ソフトウェアをAVM上に逐次転送するソフトウェアとサーバと組み合わせることにより、利用者は利用者側計算機上への新たなソフトウェアのインストールなしで実時間動作するWebブラウザ上で動作する顔認識方法およびそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。
第1の手段は、Webブラウザからの要求によって、顔認識ソフトウェアを格納しているソフトウェアサーバから、前記WebブラウザのAVM上に前記顔認識ソフトウェアを提供することを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。
第2の手段は、Webブラウザからの要求によって、Webサーバに格納されているHTMLに記載された情報を入手し、前記Webブラウザから顔認識ソフトウェアを格納しているソフトウェアサーバに前記情報を送信して、前記ソフトウェアサーバから前記顔認識ソフトウェアを前記WebブラウザのAVM上に自動的にダウンロードすることを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。
第3の手段は、第1の手段または第2の手段において、前記AVM上に提供された前記顔認識ソフトウェアは、前記AVMの実行環境下において動作することを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。
第4の手段は、第1の手段ないし第3の手段のいずれか1つの手段において、前記ソフトウェアサーバは、乱数を生成する機能、生成した乱数を前記ソフトウェアサーバ上の記憶領域に格納する機能、及びそれと同じ乱数を前記顔認識ソフトウェアに埋め込む機能を有し、前記Webブラウザからの要求によって前記ソフトウェアサーバから前記AVM上に提供される前記顔認識ソフトウェアは、前記乱数が埋め込まれた顔認識ソフトウェアであることを特徴とする顔認識ソフトウェアである。
第5の手段は、第1の手段ないし第4の手段のいずれか1つの手段において、前記顔認識ソフトウェアは、利用者側計算機に接続された映像入力装置から映像を取り込み、顔検出機能によって利用者の顔位置を検出し、顔位置付近の範囲から指定された顔特徴を抽出する機能を有していることを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。
第6の手段は、第5の手段において、前記顔認識ソフトウェアは、抽出された顔特徴を前記ソフトウェアサーバに送信する機能を有していることを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。
第7の手段は、第5の手段において、前記顔認識ソフトウェアは、抽出された顔特徴とともに前記AVMに前記顔認識ソフトウェアが提供される際に埋め込まれていた乱数と同一の乱数ともに前記ソフトウェアサーバに送信する機能を有することを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。
第8の手段は、第5の手段において、前記顔認識ソフトウェアは、抽出された顔特徴を前記AVMに当該顔認識ソフトウェアが提供される際に埋め込まれていた乱数と同一の乱数によって暗号化して前記ソフトウェアサーバに送信する機能を有することを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。
第9の手段は、第6の手段において、前記ソフトウェアサーバは、受信された抽出された顔特徴を利用して照合を行う機能を有することを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。
第10の手段は、第7の手段において、前記ソフトウェアサーバは、受信された顔特徴と乱数を受信して、受信された乱数と前記ソフトウェアサーバの記憶領域に格納されている乱数との照合を行うとともに顔特徴の照合を行うことを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。
第11の手段は、第7の手段または第8の手段において、前記ソフトウェアサーバは、受信された暗号化された顔特徴を前記ソフトウェアサーバの記憶領域に格納されていた乱数によって復号化した上で照合を行うことを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。
第12の手段は、第9の手段ないし第11の手段のいずれか1つの手段において、前記ソフトウェアサーバは、前記顔特徴の照合の結果によって異なる操作を実行する機能を有することを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。
第13の手段は、第5の手段において、前記顔認識ソフトウェアは、前記抽出された顔特徴を利用して照合を行う機能を有することを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。
第14の手段は、第13の手段において、前記顔認識ソフトウェアは、前記顔特徴の照合の結果によって異なる操作を実行する機能を有することを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法である。
第15の手段は、第1の手段ないし第14の手段のいずれか1つの手段に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法をコンピュータに実行させるための制御手順を記述したコンピュータプログラムである。
第16の手段は、第15の手段に記載のコンピュータプログラムを格納した記録媒体である。
【発明の効果】
【0006】
現在一般的に利用されているWebブラウザの多くは、AVMの実行環境を予め備えており、利用者は標準的なWeb ブラウザさえあれば、実時間動作する顔認識ソフトウェアをインストールする手間なく利用することができる。サービス提供者は顔認識ソフトウェアの配布に関するコストを大幅に削減することができる。利用者・提供者双方のコストがほぼゼロにすることができ、実時間動作する顔認識装置の普及に大きな拍車をかけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の実施形態を図1ないし図4を用いて説明する。
図1は、本実施形態及び後述する第2の実施形態の発明に係るWebブラウザ上で動作する顔認識方法およびそのプログラムが適用されるネットワーク構成を示す図である。
同図において、1はインターネット、2はインターネット1に接続されるWebサーバ、3はインターネット1に接続されるソフトウェアサーバ、4はインターネット1に接続される利用者側計算機、5は利用者側計算機4に設置されるカメラ、6は利用者側計算機4及びカメラ5を利用する利用者である。
【0008】
図2は、図1に示したWebサーバ2、ソフトウェアサーバ3及び利用者側計算機4の詳細な構成を示す機能ブロック図、図3は、Webサーバ2、ソフトウェアサーバ3及び利用者側計算機4間での処理手順を示す図である。
これらの図において、利用者6からの入力は利用者側計算機4のWebブラウザ41のユーザ入力解釈機能411によってHTTP要求として理解される。ここでHTTP要求とはインターネット1上での各サーバの在り処を識別する情報であるURLと、情報を送信するか受信するか等の命令からなるインターネット1上での情報の授受を行うための標準的な通信手順である。ここで生成されたHTTP要求はWebブラウザ41のHTTP要求生成機能412からインターネット1を通してWebサーバ2に通知され、Webサーバ2のHTTP要求解釈機能21によって要求内容の解釈が行われる。Webサーバ2ではHTMLデータ検索機能22によって要求が指し示すHTMLデータをHTMLデータ格納機能23から引き出し、HTMLデータ送信機能24によって利用者側計算機4に送信する。
【0009】
利用者側計算機4のWebブラウザ41で受信されたHTMLデータはHTMLデータ解釈機能413によってその内容の解釈が行われ、HTMLの中に記述されたソフトウェアの情報からソフトウェアダウンロードに関するHTTP要求がHTTP要求生成機能414において生成される。Webブラウザ41で生成されたHTTP要求はインターネット1を通してソフトウェアサーバ3に通知される。
【0010】
ソフトウェアサーバ3に通知されたHTTP要求は、HTTP要求解釈機能31によって要求内容の解釈が行われる。さらに、ソフトウェアデータ検索機能32によって要求が指し示すソフトウェアデータをソフトウェアデータ格納機能33から引き出す。後の手順において、送信されたソフトウェアデータとソフトウェアサーバ3との通信が行われるが、送信されたソフトウェアデータと同等の通信機能を持った異なるソフトウェアデータがそのソフトウェアデータに成りすましてソフトウェアサーバ3との通信を行う危険性があるため、その成りすましによる通信を防ぐために本発明では乱数の埋め込みを行うことも可能にした。そこで、乱数発生機能34によって生成された乱数が、乱数格納機能35によってソフトウェアサーバ3上に格納されるとともに、乱数埋め込み機能36によってソフトウェアデータ格納機能33から引き出されたソフトウェアデータに埋め込まれた上でソフトウェアデータとともにソフトウェアデータ送信機能37から利用者側計算機4に送信される。なお、上記の乱数は利用者側計算機4とソフトウェアサーバ3との間の通信内容の暗号化のために用いても良い。
【0011】
利用者側計算機4に受信されたソフトウェアデータはWebブラウザ41のデータ転送機能415によってブラウザ内部にあるAVM42のソフトウェアデータ格納領域421に転送される。ソフトウェアデータの転送が完了すると、AVM42の実行制御機能422は自動で格納されたソフトウェアの実行を開始する。
【0012】
AVM42のAVM実行環境423下では、送信されるソフトウェアにはAVM42が標準で備えるカメラ5とのンターフェース機能を使ってカメラ5から映像を取得し、その映像から顔検出機能424によって映像中での顔部分を検出する。ソフトウェアには予め顔画像から照合に有用ないくつかの特徴を抽出する手順からなる特徴抽出機能425がプログラムされており、この特徴抽出機能425によって検出された顔領域から顔の特徴を抽出する。抽出された特徴データは、乱数埋め込み機能426によって、先に受信の際にソフトウェアデータに埋め込まれていた乱数と同一の乱数が埋め込まれ、ソフトウェアサーバ3に送信される。
【0013】
ソフトウェアサーバ3で受信された乱数が埋め込まれた特徴データは、HTTP通信解釈機能38によって通信内容の解釈が行われる。特徴データに埋め込まれていた乱数は乱数照合機能39において乱数格納機能35に格納されていた乱数と照合され、両乱数が一致した場合、予めプログラムされた特徴照合機能40によって特徴の判別が行われる。特徴判別の結果に基づいて制御機能50は異なる操作を実行する。
【0014】
図4は、ソフトウェアサーバ3と利用者側計算機のWebブラウザ41におけるAVM42における処理手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、AVM42のAVM実行環境423下で、AVM42が標準で備えるカメラ5とのンターフェース機能を使ってカメラ5から映像を取得する。次に、ステップS2において、顔検出機能424によって顔検出を行う。次に、ステップS3において、顔検出が正常に行われたか否かを判断する。正常に行われた場合は、ステップS4において、特徴抽出機能425によって、顔の特徴を抽出する。次に、ステップS5において、抽出された顔の特徴データはインターネット1を通してソフトウェアサーバ3に送信される。次に、ステップS6において、ソフトウェアサーバ3において受信された特徴データに埋め込まれている乱数とソフトウェアサーバ3の乱数格納機能35に格納されている乱数と照合する。次に、ステップS7において、両乱数が一致する場合は、ステップS8において、予めプログラムされた特徴照合機能40によって顔の特徴の判別が行われる。ステップS9において、顔の特徴が正常に判別された場合は、ステップS10において所定の操作1を行う。なお、ステップS3において、顔検出が正常に行われなかった場合は、ステップS11において、操作4を行い、再びステップS1の処理を行う。また、ステップS7において、両乱数が不一致の場合は、操作3を行い処理を終了する。また、ステップS9において、顔の特徴が正常に判別されなかった場合は、ステップS13において、所定の操作2を行い、ステップS1の処理を行う。
本発明は、様々なサービスの作成に利用できるものであるが、例えば、利用者の認証を行うサービスに利用する場合、操作1によって利用者は認証後のページに導かれる。操作2においては、利用者にはそれ以上のサービスの利用が許可されていないことを説明するページがWebブラウザ上に表示される。操作3においては、サービスに対して不正なアクセスが行われたとみなしてWebブラウザ上に警告を表示するとともにアクセス元に関する情報を記録する。操作4においては、サービスは待機状態にとどまる。
【0015】
次に、本発明の第2の実施形態を図1、及び図5ないし図7を用いて説明する。
図5は、図1に示したWebサーバ2、ソフトウェアサーバ3及び利用者側計算機4の詳細な構成を示す機能ブロック図、図6は、Webサーバ2、ソフトウェアサーバ3及び利用者側計算機4間での処理手順を示す図である。
【0016】
これらの図において、利用者6からの入力は、利用者側計算機4のWebブラウザ41のユーザ入力解釈機能411によってHTTP要求として理解される。ここで生成されたHTTP要求はWebブラウザ41のHTTP要求生成機能412からインターネット1を通してWebサーバ2に通知され、Webサーバ2のHTTP要求解釈機能21によって要求内容の解釈が行われる。Webサーバ2ではHTMLデータ検索機能22によって要求が指し示すHTMLデータをHTMLデータ格納機能23から引き出し、HTMLデータ送信機能24によって利用者側計算機4に送信する。
【0017】
利用者側計算機4のWebブラウザ41で受信されたHTMLデータはHTMLデータ解釈機能413によってその内容の解釈が行われ、HTMLの中に記述されたソフトウェアの情報は表示生成機能417に送られるとともに、ソフトウェアの情報からソフトウェアダウンロードに関するHTTP要求がHTTP要求生成機能414において生成される。Webブラウザ41で生成されたHTTP要求はインターネット1を通してソフトウェアサーバ3に送信される。
【0018】
ソフトウェアサーバ3で受信されたHTTP要求は、HTTP要求解釈機能31によって要求内容の解釈が行われる。ソフトウェアサーバ3ではソフトウェアデータ検索機能32によって要求が指し示すソフトウェアデータをソフトウェアデータ格納機能33から引き出す。ソフトウェアデータ格納機能33から引き出されたソフトウェアデータはソフトウェアデータ送信機能37から利用者側計算機4に送信される。
【0019】
利用者側計算機4で受信されたソフトウェアデータはWebブラウザ41のデータ転送機能415によってブラウザ内部にあるAVM42のソフトウェアデータ格納領域421に転送される。ソフトウェアデータの転送が完了すると、AVM42の実行制御機能422は自動で格納されたソフトウェアの実行を開始する。
【0020】
AVM42のAVM実行環境423下では、送信されたソフトウェアによってAVM42が標準で備えるカメラ5とのンターフェース機能を使ってカメラ5から映像を取得し、その映像から顔検出機能424によって映像中での顔部分を検出する。ソフトウェアには予め顔画像から照合に有用ないくつかの特徴を抽出する手順からなる特徴抽出機能425がプログラムされており、この特徴抽出機能425によって検出された顔領域から顔の特徴を抽出する。抽出された特徴は、予めプログラムされた特徴照合機能426によって特徴の判別が行われる。特徴判別の結果に基づいて制御機能50は、ブラウザの表示生成機能417を制御する。その結果、利用者6は顔の照合結果によって異なる表示結果を得ることができる。
【0021】
図7は、ソフトウェアサーバ3と利用者側計算機のWebブラウザ41におけるAVM42における処理手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS11において、AVM42のAVM実行環境423下で、AVM42が標準で備えるカメラ5とのンターフェース機能を使ってカメラ5から映像を取得する。次に、ステップS12において、顔検出機能424によって顔検出を行う。次に、ステップS13において、顔検出が正常に行われたか否かを判断する。正常に行われた場合は、ステップS14において、特徴抽出機能425によって、顔の特徴を抽出する。次に、ステップS15において、予めプログラムされた特徴照合機能426によって顔の特徴の判別が行われる。ステップS16おいて、顔の特徴が正常に判別された場合は、ステップS17において所定の操作1を行う。なお、ステップS13において、顔検出が正常に行われなかった場合は、ステップS18において、操作3を行い、再びステップS11の処理を行う。また、ステップS16において、顔の特徴が正常に判別されなかった場合は、ステップS19において、所定の操作2を行い、ステップS11の処理を行う。
本発明は、様々なサービスの作成に利用できるものであるが、例えば、利用者の認証を行うサービスに利用する場合、操作1によって利用者は認証後のページに導かれる。操作2においては、利用者にはそれ以上のサービスの利用が許可されていないことを説明するページがWebブラウザ上に表示される。操作3においては、サービスは待機状態にとどまる。また、本発明を利用者に広告提示を行うサービスに利用する場合、操作1によってWebブラウザ上に特定の範囲の利用者に向けた広告の表示が行われる。操作2においては、一般的な広告が表示される。操作3においては、利用者を呼び込むための広告の表示が行われる。
【0022】
上記の各実施形態において、Webサーバ、ソフトウェアサーバにおけるHTTP解釈、データ検索、データ送信のそれぞれの機能は、Apacheと呼ばれるソフトウェアを用いて実現されており、Apache上で実行されるRuby言語で書かれたスクリプトによってデータの管理が行われる。第1の実施形態における乱数の埋め込みにはActionscriptのコンパイラであるflex2の機能を用いて実現し、乱数を用いたデータの暗号化にはRSA暗号のアルゴリズムを用いた。顔検出器はHaar特徴を用いたカスケード識別器による検出手法を用い、特徴の抽出には同Haar特徴の抽出手法を用いた。また、特徴の照合についてはSVMのアルゴリズムを用いた。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態及び第2の実施形態の発明に係るWebブラウザ上で動作する顔認識ソフトウェアの配布方法およびそのプログラムが適用されるネットワーク構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の発明に係り、Webサーバ2、ソフトウェアサーバ3及び利用者側計算機4の詳細な構成を示す機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態の発明に係り、Webサーバ2、ソフトウェアサーバ3及び利用者側計算機4間での処理手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の発明に係り、ソフトウェアサーバ3と利用者側計算機のWebブラウザ41におけるAVM42における処理手順を示す図である。
【図5】第2の実施形態の発明に係り、Webサーバ2、ソフトウェアサーバ3及び利用者側計算機4の詳細な構成を示す機能ブロック図である。
【図6】第2の実施形態の発明に係り、Webサーバ2、ソフトウェアサーバ3及び利用者側計算機4間での処理手順を示す図である。
【図7】第2の実施形態の発明に係る、ソフトウェアサーバ3と利用者側計算機のWebブラウザ41におけるAVM42における処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0024】
1 インターネット
2 Webサーバ
21 HTTP要求解釈機能
22 HTMLデータ検索機能
23 HTMLデータ格納機能
24 HTMLデータ送信機能
3 ソフトウェアサーバ
31 HTTP要求解釈機能
32 ソフトウェアデータ検索機能
33 ソフトウェアデータ格納機能
34 乱数発生機能
35 乱数格納機能
36 乱数埋め込み機能
37 ソフトウェアデータ送信機能
38 HTTP通信解釈機能
39 乱数照合機能
40 特徴照合機能
50 制御機能
4 利用者側計算機
41 Webブラウザ
411 ユーザ入力解釈機能
412 HTTP要求生成機能
413 HTMLデータ解釈機能
414 HTTP要求生成機能
415 データ転送機能
416 表示生成機能
42 AVM
421 ソフトウェアデータ格納領域
422 実行制御機能
423 AVM実行環境
424 顔検出機能
425 特徴抽出機能
426 乱数埋め込み機能
5 カメラ
6 利用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webブラウザからの要求によって、顔認識ソフトウェアを格納しているソフトウェアサーバから、前記WebブラウザのAVM上に前記顔認識ソフトウェアを提供することを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項2】
Webブラウザからの要求によって、Webサーバに格納されているHTMLに記載された情報を入手し、前記Webブラウザから顔認識ソフトウェアを格納しているソフトウェアサーバに前記情報を送信して、前記ソフトウェアサーバから前記顔認識ソフトウェアを前記WebブラウザのAVM上に自動的にダウンロードすることを特徴とするWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項3】
前記AVM上に提供された前記顔認識ソフトウェアは、前記AVMの実行環境下において動作することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項4】
前記ソフトウェアサーバは、乱数を生成する機能、生成した乱数を前記ソフトウェアサーバ上の記憶領域に格納する機能、及びそれと同じ乱数を前記顔認識ソフトウェアに埋め込む機能を有し、前記Webブラウザからの要求によって前記ソフトウェアサーバから前記AVM上に提供される前記顔認識ソフトウェアは、前記乱数が埋め込まれた顔認識ソフトウェアであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つの請求項に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項5】
前記顔認識ソフトウェアは、利用者側計算機に接続された映像入力装置から映像を取り込み、顔検出機能によって利用者の顔位置を検出し、顔位置付近の範囲から指定された顔特徴を抽出する機能を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つの請求項に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項6】
前記顔認識ソフトウェアは、抽出された顔特徴を前記ソフトウェアサーバに送信する機能を有していることを特徴とする請求項5に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項7】
前記顔認識ソフトウェアは、抽出された顔特徴とともに前記AVMに前記顔認識ソフトウェアが提供される際に埋め込まれていた乱数と同一の乱数ともに前記ソフトウェアサーバに送信する機能を有することを特徴とする請求項5に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項8】
前記顔認識ソフトウェアは、抽出された顔特徴を前記AVMに当該顔認識ソフトウェアが提供される際に埋め込まれていた乱数と同一の乱数によって暗号化して前記ソフトウェアサーバに送信する機能を有することを特徴とする請求項5に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項9】
前記ソフトウェアサーバは、受信された抽出された顔特徴を利用して照合を行う機能を有することを特徴とする請求項6に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項10】
前記ソフトウェアサーバは、受信された顔特徴と乱数を受信して、受信された乱数と前記ソフトウェアサーバの記憶領域に格納されている乱数との照合を行うとともに顔特徴の照合を行うことを特徴とする請求項7に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項11】
前記ソフトウェアサーバは、受信された暗号化された顔特徴を前記ソフトウェアサーバの記憶領域に格納されていた乱数によって復号化した上で照合を行うことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項12】
前記ソフトウェアサーバは、前記顔特徴の照合の結果によって異なる操作を実行する機能を有することを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれか1つの請求項に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項13】
前記顔認識ソフトウェアは、前記抽出された顔特徴を利用して照合を行う機能を有することを特徴とする請求項5に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項14】
前記顔認識ソフトウェアは、前記顔特徴の照合の結果によって異なる操作を実行する機能を有することを特徴とする請求項13に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14のいずれか1つの請求項に記載のWebブラウザ上で動作する顔認識方法をコンピュータに実行させるための制御手順を記述したコンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータプログラムを格納した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−225813(P2008−225813A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62802(P2007−62802)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】