Web型研修システム
【課題】受講者に提供するコンテンツを受講者の能力に適合した内容に動的に調整し、研修の効果を高めたWeb型研修システムを提供する。
【解決手段】本発明のWeb型研修システムは、インターネット50を介して受講者61、62、63に研修を提供するWeb型研修システムであって、各々の受講者の個人情報及び研修履歴に関する情報を記憶した受講者データベース3と、各々の受講者に提供される複数の教材コンテンツを記憶した教材データベース4と、各々の受講者の研修中に、受講者データベース3及び教材データベース4との間で情報のやり取りを行い、教材データベース4に記憶された複数の教材コンテンツの中から各々の受講者の能力に適合した教材コンテンツを動的に調整しながら各々の受講者に提供するシステム制御プログラム2とを有する。
【解決手段】本発明のWeb型研修システムは、インターネット50を介して受講者61、62、63に研修を提供するWeb型研修システムであって、各々の受講者の個人情報及び研修履歴に関する情報を記憶した受講者データベース3と、各々の受講者に提供される複数の教材コンテンツを記憶した教材データベース4と、各々の受講者の研修中に、受講者データベース3及び教材データベース4との間で情報のやり取りを行い、教材データベース4に記憶された複数の教材コンテンツの中から各々の受講者の能力に適合した教材コンテンツを動的に調整しながら各々の受講者に提供するシステム制御プログラム2とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、社会人技術者が知識、技術、技能、技術資格等を効率的に習得又は取得するためのWeb型研修システムに関する。
【背景技術】
【0002】
技術者は、学窓を巣立った後も業務遂行に必要な知識・技術・技能等が日々進歩しているため、それらを継続的に習得する必要がある。これを支援するため伝統的に行われているのが所謂「集合型研修」である。この研修方法は、受講者を一同に研修室に集めて講義するのが通例で、研修を運営する側からは効率的な方法である。一方、受講者は研修会場へ移動する時間や費用支出という負担がある。研修期間は、業務時間の逸失を抑制するため、一研修テーマにつき高々数日程度である。研修内容のレベルは平均的な技術者を想定しているため、技術レベルが高い受講者にとっては退屈で、逆に技術レベルが低い受講者には内容を理解できない、という不都合がある。また、研修終了後の講師と受講者との交流は期待出来ない。従って、受講者側からみると、集合型研修では、業務遂行に必要な技術レベルを習得する、という研修本来の目的を充分達成できないのが実情である。
【0003】
近年、インターネットの飛躍的発展に伴い、Web型研修システムを用いた研修方法が提案及び実施されている。この研修方法では、インターネットに接続されたサーバと呼ばれるコンピュータ上に種々の研修コンテンツが保存され、受講者の要求に応じて所望の研修コンテンツが提供される。受講者は、自分に必要な研修コンテンツを、自分の都合よい時間と場所で受講することができる。
【0004】
ところで特許文献1には、音声ファイルや動画ファイルのコンテンツを受講者のパソコンに配信するとともに、テキストコンテンツを電子メールとして受講者の電子メールアドレスに送信する過程を含む研修方法が開示されている。このような研修方法により、「聞く」と「読む」という二重の行動様式を受講者に促すため、研修の定着効果を高めることができる。特許文献2には、学習者の学習履歴に応じて教育コンテンツを提供することができる教育コンテンツ提供システムが開示されている。特許文献3には、学習カリキュラムを研修生にとって最適な状態に更新・維持できるようにし、教育の設計や調整に関する工数を削減するWeb型トレーニングシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−233571号公報
【特許文献2】特開2006−3670号公報
【特許文献3】特開2004−86587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のWeb型研修システムでは、以下のような課題がある。まず、受講者の抱いた疑問や質問に対して、講師から直接、口頭で説明を受けることができない。このような説明を文書で十分に行うことは困難であるため、受講生は理解が不十分なまま受講することになる。また、知識や技術をより深く習得するには、他の受講者からの質問及びそれに対する講師からの回答を聴取すること、並びに、受講者間のコミュニケーションや共同作業を通じた研修が極めて有用であるが、これらに対応することは困難である。さらに、Web型研修システムが自己責任型の研修であり、受講者自身の意欲が低下すれば研修を継続すること自体困難となる。
【0007】
そこで本発明は、受講者に提供するコンテンツを受講者の能力に適合した内容に動的に調整し、研修の効果を高めたWeb型研修システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面としてのWeb型研修システムは、インターネットを介して受講者に研修を提供するWeb型研修システムであって、各々の受講者の個人情報及び研修履歴に関する情報を記憶した受講者データベースと、前記各々の受講者に提供される複数の教材コンテンツを記憶した教材データベースと、前記各々の受講者の研修中に、前記受講者データベース及び前記教材データベースとの間で情報のやり取りを行い、該教材データベースに記憶された前記複数の教材コンテンツの中から該各々の受講者の能力に適合した教材コンテンツを動的に調整しながら該各々の受講者に提供するシステム制御部とを有する。
【0009】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、受講者に提供するコンテンツを受講者の能力に適合した内容に動的に調整し、研修の効果を高めたWeb型研修システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施例におけるWeb型研修システムの概略構成図である。
【図2】本実施例のWeb型研修システムにおいて、受講者の受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図3】本実施例において、受講者が「教材コンテンツの視聴」を選択したときの受講者の受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図4】本実施例において、受講者が「講師による個人指導」を選択したときの受講者の受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図5】本実施例において、受講者が「サイバー会議室への入室」を選択したときの受講者の受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図6】本実施例のWeb型研修システムにおいて、講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図7】本実施例において、講師が「教材データのアップロード」を選択したときの講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図8】本実施例において、講師が「受講者の個人指導」を選択したときの講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図9】本実施例において、講師が「サイバー会議室への入室」を選択したときの講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図10】本実施例のWeb型研修システムにおいて、スタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図11】本実施例において、スタッフが「Q&Aのレベル分類」を選択したときのスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図12】本実施例において、スタッフが「教材コンテンツ制作」を選択したときのスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図13】本実施例において、スタッフが「サイバー会議室運営支援」を選択したときのスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図14】本実施例のWeb型研修システムを用いたメンタリング手法のフローチャートである。
【図15】本実施例のWeb型研修システムのトップページの一例である。
【図16】本実施例のWeb型研修システムにて表示される受講科目一覧の一例である。
【図17】本実施例のWeb型研修システムにて表示される受講内容の一例である。
【図18】本実施例のWeb型研修システムにて表示される教材コンテンツ科目全体の内容の一例である。
【図19】本実施例のWeb型研修システムにて表示される講師業務内容の一例である。
【図20】本実施例のWeb型研修システムにて表示される教材コンテンツの内容の一例である。
【図21】本実施例のWeb型研修システムにおける提供コンテンツとアセットの構成図である。
【図22】本実施例のWeb型研修システムにおける受講者のグレード分けを示すフローチャートである。
【図23】本実施例のWeb型研修システムにおける受講コンテンツのグレード分けを示すフローチャートである。
【図24】本実施例のWeb型研修システムにおける受講者グレードとコンテンツグレードとのマッチング手法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
まず、図1を参照して、本発明の実施例におけるWeb型研修システムの構成について説明する。本実施例におけるWeb型研修システムは、インターネットを介して受講者に研修を提供するように構成されている。図1は、Web型研修システムの概略構成図である。図1において、1はWeb研修システムサーバである。Web研修システムサーバ1は、インターネット50を介して、受講者61、62、63、講師64、メンター65、及び、スタッフ66に接続されている。受講者61、62、63は、自宅のパソコン等からインターネット50を介してWeb研修システムサーバ1にアクセスして、所望の研修を受講することができる。なお、受講者の数は限定されるものではない。講師64は、本研修の講師であり、Web研修システムサーバ1にアクセスして受講者61、62、63に対してインタラクティブな指導を行うことができる。メンター65は、受講者61、62、63のメンターである。スタッフ66は、本研修を実施する団体の社員等であり、本研修の運営にあたる。なお、講師64、メンター65、及びスタッフ66の人数は一名に限定されるものではない。このように、受講者61、62、63、講師64、メンター65、及び、スタッフ66は、インターネット50を介してWeb研修システムサーバ1にアクセスし、相互に情報のやり取りが可能である。
【0014】
Web研修システムサーバ1は、システム制御プログラム2(システム制御部)、受講者データベース3、教材データベース4、及び、講師データベース5を備えて構成される。システム制御プログラム2は、Web型研修システムに用いられる制御プログラムであり、Web研修システムサーバ1の内部におけるハードディスクやメモリ等の記憶装置に格納された所定の制御プログラムに基づいて、受講者データベース3、教材データベース4、及び、講師データベース5との間でデータのやり取りを行いながら、Web型研修システムを制御する。具体的には、後述のように、各々の受講者の研修中に、受講者データベース3及び教材データベース4との間で情報のやり取りを行い、教材データベース4に記憶された複数の教材コンテンツの名から各々の受講者の能力に適合した教材コンテンツを動的に調整しながら各々の受講者に提供する。
【0015】
システム制御プログラム2は、メンターツール21、教材処理ツール22、疑問解決ツール23、及び、サイバー会議ツール24を備えて構成される。メンターツール21は、メンター65により操作されるツールであり、受講者61、62、63の応答状況を監視し、対応モードを選択し、また、メール操作を行うことができるように構成されている。教材処理ツール22は、標準コンテンツ及び補助コンテンツの制作、及び、個人別Q&Aにおける受講者の質問頻度、質問の難易度、及び、各受講者の評価分類等を行う。疑問解決ツール23は、講師64により操作されるツールであり、受講者61、62、63の回答や質問を受け付け、講師64による添削や指導が行われる。また、講師64によるファイル操作も可能に構成されている。サイバー会議ツール24では、講師64により受講者61、62、63に対する個人インタビューが行われる。またサイバー会議ツール24は、受講者のグルーピングを行い、インターネット50を介して複数の受講者によるグループ作業を実施可能とするように構成されている。さらに、サイバー会議ツール24は、複数の受講者の全て及び研修の講師64との間で画面を共有しながらグループ作業を行うように構成されている。
【0016】
受講者データベース3は、各々の受講者の個人情報や研修履歴に関する情報を記憶し、個人情報部31、研修履歴部32、及び、個人別Q&A部33を備えて構成される。個人情報部31は、各受講者の基本データ及び特徴データを含む個人情報を記憶する。研修履歴部32は、各受講者の研修履歴を記憶する。個人別Q&A部33は、各受講者の質問や回答、それらの内容を表すキーワードを記憶する。このように、受講者データベース3は、受講者61、62、63の各々に対して設けられており、各受講者の個人情報は受講者が最初に研修を受ける際にスタッフ66により入力される。その後、各受講者が研修を受けるたびに、研修履歴部32の内容が更新され、各受講者がどの段階まで受講したかが記録される。また、個人別Q&A部33における内容も受講者ごとに更新されていく。
【0017】
教材データベース4は、各々の受講者に提供される複数の教材コンテンツを記憶し、標準教材部41及び補助教材部42を備えて構成される。標準教材部41は、特定の研修における標準レベルの教材を構成するための元データを記憶する。また、補助教材部42は、例えば基礎編及び上級編に分けられており、標準教材部41を補助する教材を構成するための元データを記憶する。教材データベース4の内容は、講師64により作成され、研修を実施し受講者の応答を基に必要に応じて更新される。
【0018】
講師データベース5は、基本個人データ51、技術歴データ52、及び、講師歴データ53を備えて構成され、講師64の個人データを記憶する。基本個人データ51は、講師64の氏名や年齢等を含む基本データである。技術歴データ52は、講師64の学歴や職歴等の技術バックグランドに関するデータである。講師歴データ53は、講師64の今までの講師経験に関するデータである。これらのデータは、必要に応じて受講者に開示されることにより、講師と受講者との交流を深めることができる。
【0019】
次に、本実施例のWeb型研修システムにおけるシステム制御プログラム2の具体的動作について説明する。図2は、受講者の受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。図15は、Web型研修システムのトップページの一例である。図16は、Web型研修システムにて表示される受講科目一覧の一例である。図17は、Web型研修システムにて表示される受講内容の一例である。
【0020】
Web型研修システムの受講者は、まずステップS101において、Web型研修システム(Web研修システムサーバ1)にインターネット50を介してアクセスする。受講者によるアクセスがあると、システム制御プログラム2は、図15の画面(トップページ)を受講者のパソコン画面に表示する(ステップS201)。図15に示されるように、Web型研修システムのトップページでは、受講者入口301、講師入口302、及び、スタッフ入口303が表示される。
【0021】
ステップS101において、受講者がトップページ中の受講者入口301をクリックすると、システム制御プログラム2は受講科目一覧(Web型研修プログラム科目一覧)を表示する(ステップS202)。図16に示されるように、受講科目は、例えば「[EF−1]技術者のためのコミュニケーション」、「[EF−2]技術ドキュメント(報告書・会議資料)作成」、「[PE−1]CMOS LSI基礎」、「[PE−2]組込みシステム基礎」等が準備されている。受講者は、ステップS103において、受講科目一覧の中から受講すべき科目をクリックする。
【0022】
続いて、システム制御プログラム2は、受講者のユーザ名とパスワードの入力を促す(ステップS203)。これに応じて、ステップS104において受講者がユーザ名とパスワードを入力すると、システム制御プログラム2は、入力されたユーザ名とパスワードを照合する(ステップS204)。受講者により入力されたユーザ名とパスワードが受講者データベース3に登録されているユーザ名とパスワードと合致している場合、その受講者からのアクセスを許可し、アクセス日時(t0)を研修履歴部32に記録する(ステップS205)。
【0023】
その後、システム制御プログラム2は、アクセスを許可した受講者のパソコン画面上に図17に示されるような受講内容を表示し、受講者に受講内容の選択を促す(ステップS206)。ステップS105において、受講者は、例えば「1:教材コンテンツの視聴」、「2:講師による個人指導」、「3:サイバー会議室への入室」の中から一つを選択する。
【0024】
次に、図3、図18、図20を参照して、受講者が受講内容の中から「1:教材コンテンツの視聴」を選択した場合について説明する。図3は、受講者が「教材コンテンツの視聴」を選択したときの受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。図18は、Web型研修システムにおける教材コンテンツとして受講者のパソコン画面上に表示される科目全体の内容の一例である。図20は、パソコン画面上に表示される教材コンテンツの内容の一例である。
【0025】
受講者が図2に示されるステップS105にて「教材コンテンツの視聴」を選択すると、システム制御プログラム2は、教材のダウンロードが完了しているか否かを判定し(ステップS207)、教材のダウンロードが完了していない場合には「1a」に移行し、ダウンロードが完了している場合には「1b」に移行する。システム制御プログラム2は、教材のダウンロードが未完の場合(1a)、図18に示されるように、単元1から単元N(本実施例ではN=10)までのタイトルを受講者のパソコン画面上に表示し、受講単元の選択を促す(ステップS208)。ステップS106において、受講者は、図18に示される受講単元のうち所望の受講単元を選択してクリックする。そしてシステム制御プログラム2は、教材のファイルの保存を促し(ステップS209)、受講者はステップS107にて保存をクリックする。また、システム制御プログラム2は、教材のファイルの保存場所の指示を促し(ステップS210)、受講者はステップS108にてファイルの保存場所を選択してクリックする。そして、システム制御プログラム2は、ダウンロードしたファイルの印刷を促し、その後、受講する教材コンテンツの視聴を促す(ステップS211)。
【0026】
続いて、ステップS207において教材のダウンロードが完了したと判定されると(1b)、図18に示されるように、単元1から単元N(本実施例ではN=10)までのタイトルを受講者のパソコン画面上に表示し、受講単元の選択を促す(ステップS212)。ステップS109において、受講者は、図18に示される受講単元のうち所望の受講単元を選択してクリックする。
【0027】
そして受講者は、ステップS110において、受講コンテンツを視聴する。受講コンテンツ(教材コンテンツ)は、図20に示されるように、例えば、図表タイトル、図表、及び、図表タイトル一覧等が受講者のパソコン画面上に表示される。また、図表の操作ボタンや受講コンテンツの講師の顔写真等も画面上に表示される。受講者は、受講コンテンツの理解が不十分である場合には、この受講コンテンツを繰り返し視聴することができる。受講コンテンツの視聴が終了した場合(ステップS111)、システム制御プログラム2は、受講者データベース3の研修履歴部32に終了日時(t2)を記録する(ステップS213)。
【0028】
次に、図4を参照して、受講者が受講内容の中から「2:講師による個人指導」を選択した場合について説明する。図4は、受講者が「講師による個人指導」を選択したときの受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。
【0029】
受講者が図2に示されるステップS105にて「講師による個人指導」を選択すると、システム制御プログラム2は、ファイルの提出又は受取のいずれかであるか判定し(ステップS214)、ファイルの提出の場合には「2a」に移行し、ファイルの受取である場合には「2b」に移行する。そしてシステム制御プログラム2は、ファイルの提出「2a」の場合、アップロードの対象となるファイルの選択を促す(ステップS215)。受講者は、ステップS112にてこのファイルを選択して、終了する(ステップS113)。システム制御プログラム2は、このときの終了日時(t2a)を研修履歴部32に記録する(ステップS216)。
【0030】
一方、システム制御プログラム2は、ステップS215にてファイルの受取「2b」と判定すると、ダウンロード可能なファイルを受講者のパソコン画面上に表示する(ステップS217)。受講者は、ステップS114にて、表示されたファイルをクリックすると、システム制御プログラム2は、ファイルの保存を促す(ステップS218)。そして受講者がステップS115にて保存をクリックすると、システム制御プログラム2は、ファイルの保存場所の指示を促す(ステップS219)。受講者は、ステップS116においてファイルの保存場所を選択してクリックし、終了する(ステップS117)。システム制御プログラム2は、このときの終了日時(t2b)を研修履歴部32に記録する(ステップS220)。
【0031】
次に、図5を参照して、受講者が受講内容の中から「3:サイバー会議室への入室」を選択した場合について説明する。図5は、受講者が「サイバー会議室への入室」を選択したときの受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。
【0032】
受講者がステップS105にて「サイバー会議室への入室」を選択すると、システム制御プログラム2は、サイバー会議の開催日程を表示し、該当する会議室の選択を促す(ステップS221)。サイバー会議の開催日に、受講者がステップS118において該当する会議室名をクリックすると、システム制御プログラム2は、講師及び受講者全員の氏名と顔を表示する(ステップS222)。またシステム制御プログラム2は、講師から受講者のグループ分けとグループ課題に関する説明を受講者のパソコン画面上で流す(ステップS223)。
【0033】
続いて、ステップS119において、複数の受講者は講師によりグループ分けされたグループ会議室に分離される。システム制御プログラム2は、グループ作業の実施前に会議に参加する受講者の中からリーダーの選出を促す(ステップS224)。リーダーが選出されると、システム制御プログラム2はリーダー選出者を研修履歴部32に記録する(ステップS225)。
【0034】
続いて受講者は、ステップS120において、グループ作業を実施する。グループ作業実施中、システム制御プログラム2は、講師が各グループを巡回し、各グループ作業の進捗を促すように動作する(ステップS226)。所定の作業時間が経過した場合、システム制御プログラム2は、受講者全員を最初の会議室に移動するように促す(ステップS227)。そして、ステップS121において、各グループリーダーによる発表と受講者全員による質疑応答が行われて、終了する(ステップS122)。システム制御プログラム2は、このときの終了日時(t3)を研修履歴部32に記録する(ステップS228)。
【0035】
次に、Web型研修システムにおける講師の指導について説明する。図6は、Web型研修システムにおける講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。図19は、Web型研修システムにて表示される講師業務内容の一例である。
【0036】
Web型研修システムの講師64は、まずステップS301において、Web型研修システム(Web研修システムサーバ1)にインターネット50を介してアクセスする。講師によるアクセスがあると、システム制御プログラム2は、図15の画面(トップページ)を講師のパソコン画面に表示する(ステップS401)。
【0037】
ステップS302において、講師がトップページの「講師入口」をクリックすると、続いてシステム制御プログラム2は、講師のユーザ名とパスワードの入力を促す(ステップS402)。これに応じて、ステップS303において講師がユーザ名とパスワードを入力すると、システム制御プログラム2は、入力されたユーザ名とパスワードを照合する(ステップS403)。講師により入力されたユーザ名とパスワードが講師データベース5に登録されているユーザ名とパスワードと合致している場合、その講師からのアクセスを許可する。
【0038】
その後、システム制御プログラム2は、アクセスを許可した講師のパソコン画面上に図19に示されるような講師業務内容を表示し、講師に対して指導内容の選択を促す(ステップS404)。ステップS304において、講師は、「1:教材データのアップロード」、「2:受講者の個人指導」、「3:サイバー会議室への入室」の中から一つを選択してクリックする。
【0039】
次に、図7を参照して、講師が講師業務内容の中から「1:教材データのアップロード」を選択した場合について説明する。図7は、講師が「教材データのアップロード」を選択したときの講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。講師がステップS304において「教材データのアップロード」を選択した場合、システム制御プログラム2はアップロードするファイルの選択を促す(ステップS405)。講師は、ファイルを選択完了して(ステップS305)、終了する(ステップS306)。
【0040】
次に、図8を参照して、講師が講師業務内容の中から「2:受講者の個人指導」を選択した場合について説明する。図8は、講師が「受講者の個人指導」を選択したときの講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。講師がステップS304において「受講者の個人指導」を選択した場合、システム制御プログラム2は受講者からのファイルを受取り済みであるか否かを判定する(ステップS406)。ステップS406において受講者からのファイルを受取り済みである場合、システム制御プログラム2は指導ファイルを作成したか否かを判定する(ステップS407)。ステップ407において指導ファイルの作成が完了していると判定された場合(2b)、システム制御プログラム2は、アップロードするファイルの選択を促す(ステップS408)。講師は、ステップS307にてファイルを選択し、終了する(ステップS308)。
【0041】
一方、システム制御プログラム2は、ステップS406において受講者からのファイルを受け取っていないと判定した場合(2c)、ダウンロードすべきファイルを講師のパソコン画面上に表示する(ステップS409)。講師は、ステップS309においてこのファイルをクリックすると、システム制御プログラム2はファイルの保存を促す(ステップS410)。続いて、講師は、ステップS310において保存をクリックすると、システム制御プログラム2は、ファイルの保存場所の指示を促す(ステップS411)。講師は、ステップS311においてファイルの保存場所を選択してクリックすると、システム制御プログラム2は指導ファイルの作成を促す(ステップS412)。またシステム制御プログラム2は、ステップS407において指導ファイルの作成が完了していないと判定した場合(2d)にも、前記と同様に指導ファイルの作成を促す(ステップS412)。以上の工程はこれで終了する(ステップS312)。
【0042】
次に、図9を参照して、講師が講師業務内容の中から「3:サイバー会議室への入室」を選択した場合について説明する。図9は、講師が「サイバー会議室への入室」を選択したときの講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。
【0043】
講師がステップS304にて「サイバー会議室への入室」を選択すると、システム制御プログラム2は、サイバー会議の開催日程を表示し、該当する会議室の選択を促す(ステップS413)。サイバー会議の開催日に、講師がステップS313において該当する会議室名をクリックすると、システム制御プログラム2は、講師及び受講者全員の氏名と顔を表示する(ステップS414)。またシステム制御プログラム2(サイバー会議ツール24)は、受講者のグループ分けに必要な情報を講師のパソコン画面上に表示する(ステップS415)。このとき、能力的に多様な受講者が満遍なく各グループに含まれるように分けられることが好ましい。このため、システム制御プログラム2は、受講者データベース3を参照し、受講者の個人情報や研修履歴、個人別Q&A等の情報をサイバー会議ツール24に提供することで、講師によるグループ分けの作業を容易なものとする。
【0044】
続いて、ステップS314において、講師は、受講者のグループ分けとグループ課題を各受講者に提示する。またステップS315において、講師は、各受講者を該当するグループ会議室に分離する。システム制御プログラム2は、グループ作業の実施前に会議に参加する受講者の中からリーダーの選出を促す(ステップS416)。リーダーが選出されると、システム制御プログラム2はリーダー選出者を研修履歴部32に記録する(ステップS417)。
【0045】
続いて講師は、ステップS316において、グループ作業を実施する。グループ作業実施中、システム制御プログラム2は、講師が各グループを巡回し、各グループ作業の進捗を促すように動作する(ステップS418)。所定の作業時間が経過した場合、システム制御プログラム2は、受講者全員を最初の会議室に移動するように促す(ステップS419)。そして、ステップS317において、各グループリーダーによる発表と受講者全員による質疑応答が行われて、終了する(ステップS318)。
【0046】
次に、Web型研修システムにおけるスタッフの作業について説明する。図10は、Web型研修システムにおけるスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。
【0047】
Web型研修システムのスタッフ66は、まずステップS501において、Web型研修システム(Web研修システムサーバ1)にインターネット50を介してアクセスする。スタッフによるアクセスがあると、システム制御プログラム2は、図15の画面(トップページ)をスタッフのパソコン画面に表示する(ステップS601)。
【0048】
ステップS502において、スタッフがトップページの「スタッフ入口」をクリックすると、続いてシステム制御プログラム2は、スタッフのユーザ名とパスワードの入力を促す(ステップS602)。これに応じて、ステップS503においてスタッフがユーザ名とパスワードを入力すると、システム制御プログラム2は、入力されたユーザ名とパスワードを照合する(ステップS603)。スタッフにより入力されたユーザ名とパスワードがWeb研修システムサーバ1内に登録されているユーザ名とパスワードと合致している場合、そのスタッフからのアクセスを許可する。
【0049】
その後、システム制御プログラム2は、アクセスを許可したスタッフのパソコン画面上に所定の作業内容を表示し、スタッフに対して作業内容の選択を促す(ステップS604)。作業内容は、例えば「1:Q&Aのレベル分類」、「2:教材コンテンツ制作」、「3:サイバー会議室運営支援」がある。ステップS504において、スタッフは、「Q&Aのレベル分類」、「教材コンテンツ制作」、「サイバー会議室運営支援」の中から一つの作業内容を選択してクリックする。
【0050】
次に、図11を参照して、スタッフが作業内容の中から「1:Q&Aのレベル分類」を選択した場合について説明する。図11は、スタッフが「Q&Aのレベル分類」を選択したときのスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。
【0051】
スタッフがステップS504において「Q&Aのレベル分類」を選択すると、システム制御プログラム2は、科目一覧を表示し、作業科目の選択を促す(ステップS605)。これに基づいて、スタッフは、ステップS505において科目一覧の中から所望の作業科目を選択してクリックする。続いてスタッフは、ステップS506において、個人別Q&A部33のキーワード毎にQ&Aの一覧を画面上に表示させる。
【0052】
続いてシステム制御プログラム2は、スタッフに対し、一覧のQ&Aの内容の難易度評価を促す(ステップS606)。ステップS507において、スタッフは、キーワード毎に各Q&Aの内容を、標準、基礎、上級に分類する。また、ステップS508において、個人別Q&A部33に、各Q&Aの難易度評価を加えて上書き保存を行い、終了する(ステップS509)。
【0053】
次に、図12を参照して、スタッフが作業内容の中から「2:教材コンテンツ制作」を選択した場合について説明する。図12は、スタッフが「教材コンテンツ制作」を選択したときのスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。
【0054】
スタッフがステップS504において「教材コンテンツ制作」を選択すると、システム制御プログラム2は、科目一覧を表示し、作業科目の選択を促す(ステップS607)。これに基づいて、スタッフは、ステップS510において科目一覧の中から所望の作業科目を選択してクリックする。続いてスタッフは、ステップS511において、個人別Q&A部33のQ&Aの一覧を頻度順に画面上に表示させる。
【0055】
続いてシステム制御プログラム2は、スタッフに対し、キーワード毎にコンテンツ化するか否かの判断を促す(ステップS608)。ステップS512において、スタッフは、コンテンツ制作ツールを起動し、標準、基礎、上級に分類して各コンテンツを制作する。そして、ステップS513において、制作したコンテンツを教材データベース4にアップロードし、終了する(ステップS514)。
【0056】
次に、図13を参照して、スタッフが作業内容の中から「3:サイバー会議室運営支援」を選択した場合について説明する。図13は、スタッフが「サイバー会議室運営支援」を選択したときのスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。図13に示されるスタッフの作業フローチャート及びシステム制御プログラムの動作は、図9に示されるものと同様であり、図13中のステップS515〜S520及びステップS609〜S615は、それぞれ、図9中のステップS313〜S318及びステップS413〜S419に相当する。このため、図13についての詳細な説明は省略する。図13に示されるサイバー会議室運営支援の際、スタッフは、受講者や講師のパソコンの画面上に顔を表示せず、講師をサポートする。
【0057】
次に、図14を参照して、受講者の学習意欲が低下しないように行われる、Web型研修システムを用いたメンタリングについて説明する。図14は、Web型研修システムを用いたメンタリング手法のフローチャートである。
【0058】
まずステップS701において、メンター65が受講者61、62、63の受講開始前に、サイバー会議室で各受講者と面談する(事前インタビュー)。この事前インタビューにより、メンター65は各受講者の特徴を把握し、その特徴を受講者データベース3に記憶する。続いて、ステップS702において、受講者データベース3に記憶された各受講者のアクセス履歴に基づいて、システム制御プログラム2が各受講者の学習意欲レベルを例えば3段階等の複数段階に評価する(分類する)。システム制御プログラム2は、この受講者の評価結果を受講者データベース3に記録するとともに、その評価結果をメンター65にメール送信する。これと並行して、ステップS703において、講師64が各受講者に対して個人指導を行い、このときの受講者の対応に基づいて講師64が各受講者の学習意欲レベルを例えば3段階に評価する。システム制御プログラム2は、講師64による評価結果を受講者データベース3に記録するとともに、その評価結果をメンター65にメール送信する。
【0059】
ステップS704において、メンター65は、ステップS702におけるアクセス履歴による評価結果、及び、ステップS703における講師による評価結果に基づいて、各受講者の総合的な学習意欲レベルを例えば3段階に評価する。システム制御プログラム2は、その評価結果を受講者データベース3に記録する。そしてステップS705において、システム制御プログラム2は、各受講者の評価結果(学習意欲レベル)に応じて、Web研修システムサーバ1内に予め用意した「励ましメール」を各受講者に送信する。このとき、メンター65にも例えばBCCで送信する。
【0060】
続いてステップS706において、ステップS702の場合と同様に、受講者データベース3に記録された各受講者のアクセス履歴に基づいて、システム制御プログラム2が各受講者の学習意欲レベルを例えば3段階に評価する。システム制御プログラム2は、この受講者の評価結果(学習意欲レベル)を受講者データベース3に記録するとともに、その評価結果をメンター65にメール送信する。
【0061】
最後に、ステップS707において、ステップS705で送信した「励ましメール」に対する各受講者の対応を踏まえて、メンター65は、サイバー会議室で各受講者を面談し、学習意欲の維持又は改善を図る。各受講者の学習意欲に関する状況は、受講者データベース3の個人情報部31に記録される。また、ステップS704〜S707のプロセスは研修完了まで繰り返され、受講者の状況は適宜更新される。
【0062】
次に、図22を参照して、本実施例のWeb型研修システムにおける受講者のグレード分けの手法について説明する。図22は、受講者のグレード分けの手法を示すフローチャートである。
【0063】
まずステップS1001において、システム制御プログラム2は、スタッフ66又は講師64の指示に基づいて、各受講者に対して研修開始時(研修開始前)にアンケートを行い(事前アンケート)、その事前アンケートに対する受講者の回答の標準偏差を求める(事前アンケートの評価)。続いてステップS1002において、システム制御プログラム2は、得られた標準偏差(評価結果)に基づいて、受講者のグレード分けを行う。受講者のグレード分けは、例えば、aグレード(上級)、bグレード(中級)、cグレード(初級)のように全ての受講者を3グレードのいずれか1つに分けるように行われる。なお、本実施例では受講者を3グレードに分けているが、これに限定されるものではなく、2グレード、又は、4グレード以上に分けるようにしてもよい。
【0064】
続いてステップS1003において、システム制御プログラム2は、受講者による教材コンテンツ(例えば、図18に示される単元1)の受講を開始するように動作する。そしてステップS1004において、システム制御プログラム2は、受講者の演習回答、模擬実習、質問及び意見を提示する。またステップS1005において、システム制御プログラム2は、受講者の受講頻度を評価する。
【0065】
続いてステップS1006において、システム制御プログラム2は、ステップS1005で評価した受講頻度に基づいて、ステップS1002で決定したグレードを修正する(更新する)。修正後のグレードは、現在のグレード(グレードa、b、c)と受講頻度(第1の頻度よりも大きいか、第2の頻度よりも小さいか等)に基づいて決定される。例えば、ある受講者がグレードbであって、その受講者の受講頻度が所定の第1の頻度よりも大きい場合には、その受講者をグレードaに上げる(変更する)。逆に、その受講者の受講頻度が所定の第2の頻度よりも小さい場合には、その受講者をグレードcに下げる(変更する)。
【0066】
続いてステップS1007において、システム制御プログラム2は、受講者が研修の全単元を受講したか否かを判定する。受講者が全ての単元の受講が完了していない場合、システム制御プログラム2は、ステップS1008において、次の単元を受講するように動作する。その後、システム制御プログラム2は、ステップS1004〜S1007を繰り返す。一方、ステップS1007において、受講者が全ての単元の受講が完了している場合には、終了する(ステップS1009)。
【0067】
このように、システム制御プログラム2は、各々の受講者を複数のグレードのうちの一つに分類し、研修中に各々の受講者のグレードを修正する(より具体的には、一つの研修の中で単元ごとに受講者のグレードを修正する)ことで、各々の受講者の能力に適合した教材コンテンツを動的に調整しながら各々の受講者に提供する。このため、本実施例によれば、一つの研修の中で動的に変化する受講者の知識や意欲に適切に対応したグレード設定が可能であり、受講者に対する研修がより効果的なものとなる。
【0068】
次に、図21及び図23を参照して、本実施例のWeb型研修システムにおける受講コンテンツ(教材コンテンツ)のグレード分けの手法について説明する。図21は、Web型研修システムにおける提供コンテンツとアセットの構成図である。図23は、受講コンテンツのグレード分けを示すフローチャートである。
【0069】
まず、図23のステップS2001において、講師64は原アセットを制作する。原アセットとは、提供コンテンツ100(受講コンテンツ)を制作するための素材となる画像ファイルや音声ファイル等である。各コンテンツは、複数の原アセットの組み合わせにより構成される。またステップS2002において、講師は、制作した原アセットを基礎編、標準編、上級編にそれぞれ分類する。図21に示されるように、アセット200(原アセット)は、制作した講師により、上級編201、標準編202、基礎編203に分類される。上級編201は、例題を含む講義2011、演習2012、模擬実習2013を備える。同様に、標準編202及び基礎編203は、例題を含む講義2021、2031、演習2022、2032、模擬実習2032、2033をそれぞれ備える。
【0070】
続いて、図23のステップS2003において、コンテンツデータベースを制作する。コンテンツデータベースは、原アセットを用いて制作される。各々の教材コンテンツは、例えば、Aグレード、Bグレード、Cグレードのように、内容の難易度に基づいて3つのグレード(複数のグレード)のうちの一つに分類される。図21に示されるように、提供コンテンツ100におけるサーバコンテンツ102(コンテンツ)は、Aグレード103、Bグレード104、Cグレード105に分けられる。Aグレード103は、例題を含む講義1031、演習1032、模擬実習1033を備える。同様に、Bグレード104及びCグレード105は、例題を含む講義1041、1051、演習1042、1052、模擬実習1043、1053をそれぞれ備える。
【0071】
本実施例において、Aグレード103のコンテンツは、アセット200の中から上級編201と標準編202を組み合わせて制作される。Bグレード104のコンテンツは、アセット200の中から標準編202を用いて制作される。Cグレード105のコンテンツは、アセット200の中から基礎編203と標準編202を組み合わせて制作される。
【0072】
続いてステップS2004において、受講者からの疑問、質問、意見等を収集する。そしてステップS2005において、講師は、これらの疑問、質問又は意見を反映させるように追加アセットを制作する。またステップS2006において、例えば講師により追加アセットの属性(カテゴリーやグレード等)が設定される。
【0073】
その後ステップS2003に戻り、追加アセットを用いて再度、コンテンツデータベースを制作する。すなわち、システム制御プログラム2は、研修中に収集された受講者から疑問、質問又は意見に基づいて制作された新たなアセット(追加アセット)に対して、追加アセットの属性を設定し、この属性のアセットが所定数以上に制作された場合、この属性のアセットを用いて新たな教材コンテンツを制作するように促す。このように、ステップS2003〜S2006を繰り返すことで、受講者により適合したコンテンツが動的に更新されるため、受講者に対する研修がより効果的なものとなる。
【0074】
次に、図24を参照して、本実施例のWeb型研修システムにおける受講者グレードとコンテンツグレードとのマッチング手法について説明する。図24は、受講者グレードとコンテンツグレードとのマッチング手法を示すフローチャートである。
【0075】
まず、ステップS3001において、システム制御プログラム2は受講者の認証を行う。システム制御プログラム2は、受講者の認証が完了すると、ステップS3002において受講者のグレード、すなわち受講者がグレードa、b、cのいずれかであるかを把握する。続いてステップS3003において、システム制御プログラム2は、受講対象となるコンテンツのグレード、すなわち受講対象のコンテンツがグレードA、B、Cのいずれかであるかを把握する。その後ステップS3004において、システム制御プログラム2は、特定のグレードのコンテンツを選択して受講者のパソコン画面上に提示し、終了する(ステップS3005)。具体的には、図21に示されるように、サーバコンテンツ102を構成するAグレード103、Bグレード104、Cグレード105の中から、受講者のグレードに適合したコンテンツを受講者コンテンツ101(例題を含む講義1011、演習1012、模擬実習1013)として提供する。本実施例では、受講者がグレードaの場合にはAグレード103のコンテンツを受講者コンテンツ101として提供する。同様に、受講者がグレードb、cの場合には、それぞれ、Bグレード104及びCグレード105のコンテンツを受講者コンテンツ101として提供する。
【0076】
本実施例では、受講者のグレード(グレードa、b、cのいずれか1つ)を受講者データベース3から読み取る。そして、教材データベース4に保存された受講コンテンツの中から、この受講者に適したグレード(グレードA、B、Cのいずれか1つ)のコンテンツを提供する。このように、システム制御プログラム2は、各々の受講者のグレードと教材コンテンツのグレードとのマッチングを行うことにより、各々の受講者の能力に適合した教材コンテンツを動的に調整することができ、受講者に対する研修がより効果的なものとなる。
【0077】
本実施例によれば、受講者に提供するコンテンツを受講者の能力に適合した内容に動的に調整し、研修の効果を高めたWeb型研修システムを提供することができる。このため、配信する教材コンテンツの内容を研修の実施とともに動的に改良し、受講者が必要とする知識や技術を効果的に習得可能なWeb型研修システムを提供することができる。また、受講者の学習意欲が低下しないように継続的なメンタリングを可能としたWeb型研修システムを提供することができる。また、インターネットを介した講師と個々の受講者の深い交流(相互コミュニケーション)を可能とし、受講者が必要とする知識や技術を効果的に習得可能なWeb型研修システムを提供することができる。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 Web研修システムサーバ
2 システム制御プログラム
3 受講者データベース
4 教材データベース
5 講師データベース
24 サイバー会議ツール
50 インターネット
61、62、63 受講者
64 講師
65 メンター
66 スタッフ
100 提供コンテンツ
200 アセット
【技術分野】
【0001】
本発明は、社会人技術者が知識、技術、技能、技術資格等を効率的に習得又は取得するためのWeb型研修システムに関する。
【背景技術】
【0002】
技術者は、学窓を巣立った後も業務遂行に必要な知識・技術・技能等が日々進歩しているため、それらを継続的に習得する必要がある。これを支援するため伝統的に行われているのが所謂「集合型研修」である。この研修方法は、受講者を一同に研修室に集めて講義するのが通例で、研修を運営する側からは効率的な方法である。一方、受講者は研修会場へ移動する時間や費用支出という負担がある。研修期間は、業務時間の逸失を抑制するため、一研修テーマにつき高々数日程度である。研修内容のレベルは平均的な技術者を想定しているため、技術レベルが高い受講者にとっては退屈で、逆に技術レベルが低い受講者には内容を理解できない、という不都合がある。また、研修終了後の講師と受講者との交流は期待出来ない。従って、受講者側からみると、集合型研修では、業務遂行に必要な技術レベルを習得する、という研修本来の目的を充分達成できないのが実情である。
【0003】
近年、インターネットの飛躍的発展に伴い、Web型研修システムを用いた研修方法が提案及び実施されている。この研修方法では、インターネットに接続されたサーバと呼ばれるコンピュータ上に種々の研修コンテンツが保存され、受講者の要求に応じて所望の研修コンテンツが提供される。受講者は、自分に必要な研修コンテンツを、自分の都合よい時間と場所で受講することができる。
【0004】
ところで特許文献1には、音声ファイルや動画ファイルのコンテンツを受講者のパソコンに配信するとともに、テキストコンテンツを電子メールとして受講者の電子メールアドレスに送信する過程を含む研修方法が開示されている。このような研修方法により、「聞く」と「読む」という二重の行動様式を受講者に促すため、研修の定着効果を高めることができる。特許文献2には、学習者の学習履歴に応じて教育コンテンツを提供することができる教育コンテンツ提供システムが開示されている。特許文献3には、学習カリキュラムを研修生にとって最適な状態に更新・維持できるようにし、教育の設計や調整に関する工数を削減するWeb型トレーニングシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−233571号公報
【特許文献2】特開2006−3670号公報
【特許文献3】特開2004−86587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のWeb型研修システムでは、以下のような課題がある。まず、受講者の抱いた疑問や質問に対して、講師から直接、口頭で説明を受けることができない。このような説明を文書で十分に行うことは困難であるため、受講生は理解が不十分なまま受講することになる。また、知識や技術をより深く習得するには、他の受講者からの質問及びそれに対する講師からの回答を聴取すること、並びに、受講者間のコミュニケーションや共同作業を通じた研修が極めて有用であるが、これらに対応することは困難である。さらに、Web型研修システムが自己責任型の研修であり、受講者自身の意欲が低下すれば研修を継続すること自体困難となる。
【0007】
そこで本発明は、受講者に提供するコンテンツを受講者の能力に適合した内容に動的に調整し、研修の効果を高めたWeb型研修システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面としてのWeb型研修システムは、インターネットを介して受講者に研修を提供するWeb型研修システムであって、各々の受講者の個人情報及び研修履歴に関する情報を記憶した受講者データベースと、前記各々の受講者に提供される複数の教材コンテンツを記憶した教材データベースと、前記各々の受講者の研修中に、前記受講者データベース及び前記教材データベースとの間で情報のやり取りを行い、該教材データベースに記憶された前記複数の教材コンテンツの中から該各々の受講者の能力に適合した教材コンテンツを動的に調整しながら該各々の受講者に提供するシステム制御部とを有する。
【0009】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、受講者に提供するコンテンツを受講者の能力に適合した内容に動的に調整し、研修の効果を高めたWeb型研修システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施例におけるWeb型研修システムの概略構成図である。
【図2】本実施例のWeb型研修システムにおいて、受講者の受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図3】本実施例において、受講者が「教材コンテンツの視聴」を選択したときの受講者の受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図4】本実施例において、受講者が「講師による個人指導」を選択したときの受講者の受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図5】本実施例において、受講者が「サイバー会議室への入室」を選択したときの受講者の受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図6】本実施例のWeb型研修システムにおいて、講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図7】本実施例において、講師が「教材データのアップロード」を選択したときの講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図8】本実施例において、講師が「受講者の個人指導」を選択したときの講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図9】本実施例において、講師が「サイバー会議室への入室」を選択したときの講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図10】本実施例のWeb型研修システムにおいて、スタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図11】本実施例において、スタッフが「Q&Aのレベル分類」を選択したときのスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図12】本実施例において、スタッフが「教材コンテンツ制作」を選択したときのスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図13】本実施例において、スタッフが「サイバー会議室運営支援」を選択したときのスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す図である。
【図14】本実施例のWeb型研修システムを用いたメンタリング手法のフローチャートである。
【図15】本実施例のWeb型研修システムのトップページの一例である。
【図16】本実施例のWeb型研修システムにて表示される受講科目一覧の一例である。
【図17】本実施例のWeb型研修システムにて表示される受講内容の一例である。
【図18】本実施例のWeb型研修システムにて表示される教材コンテンツ科目全体の内容の一例である。
【図19】本実施例のWeb型研修システムにて表示される講師業務内容の一例である。
【図20】本実施例のWeb型研修システムにて表示される教材コンテンツの内容の一例である。
【図21】本実施例のWeb型研修システムにおける提供コンテンツとアセットの構成図である。
【図22】本実施例のWeb型研修システムにおける受講者のグレード分けを示すフローチャートである。
【図23】本実施例のWeb型研修システムにおける受講コンテンツのグレード分けを示すフローチャートである。
【図24】本実施例のWeb型研修システムにおける受講者グレードとコンテンツグレードとのマッチング手法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
まず、図1を参照して、本発明の実施例におけるWeb型研修システムの構成について説明する。本実施例におけるWeb型研修システムは、インターネットを介して受講者に研修を提供するように構成されている。図1は、Web型研修システムの概略構成図である。図1において、1はWeb研修システムサーバである。Web研修システムサーバ1は、インターネット50を介して、受講者61、62、63、講師64、メンター65、及び、スタッフ66に接続されている。受講者61、62、63は、自宅のパソコン等からインターネット50を介してWeb研修システムサーバ1にアクセスして、所望の研修を受講することができる。なお、受講者の数は限定されるものではない。講師64は、本研修の講師であり、Web研修システムサーバ1にアクセスして受講者61、62、63に対してインタラクティブな指導を行うことができる。メンター65は、受講者61、62、63のメンターである。スタッフ66は、本研修を実施する団体の社員等であり、本研修の運営にあたる。なお、講師64、メンター65、及びスタッフ66の人数は一名に限定されるものではない。このように、受講者61、62、63、講師64、メンター65、及び、スタッフ66は、インターネット50を介してWeb研修システムサーバ1にアクセスし、相互に情報のやり取りが可能である。
【0014】
Web研修システムサーバ1は、システム制御プログラム2(システム制御部)、受講者データベース3、教材データベース4、及び、講師データベース5を備えて構成される。システム制御プログラム2は、Web型研修システムに用いられる制御プログラムであり、Web研修システムサーバ1の内部におけるハードディスクやメモリ等の記憶装置に格納された所定の制御プログラムに基づいて、受講者データベース3、教材データベース4、及び、講師データベース5との間でデータのやり取りを行いながら、Web型研修システムを制御する。具体的には、後述のように、各々の受講者の研修中に、受講者データベース3及び教材データベース4との間で情報のやり取りを行い、教材データベース4に記憶された複数の教材コンテンツの名から各々の受講者の能力に適合した教材コンテンツを動的に調整しながら各々の受講者に提供する。
【0015】
システム制御プログラム2は、メンターツール21、教材処理ツール22、疑問解決ツール23、及び、サイバー会議ツール24を備えて構成される。メンターツール21は、メンター65により操作されるツールであり、受講者61、62、63の応答状況を監視し、対応モードを選択し、また、メール操作を行うことができるように構成されている。教材処理ツール22は、標準コンテンツ及び補助コンテンツの制作、及び、個人別Q&Aにおける受講者の質問頻度、質問の難易度、及び、各受講者の評価分類等を行う。疑問解決ツール23は、講師64により操作されるツールであり、受講者61、62、63の回答や質問を受け付け、講師64による添削や指導が行われる。また、講師64によるファイル操作も可能に構成されている。サイバー会議ツール24では、講師64により受講者61、62、63に対する個人インタビューが行われる。またサイバー会議ツール24は、受講者のグルーピングを行い、インターネット50を介して複数の受講者によるグループ作業を実施可能とするように構成されている。さらに、サイバー会議ツール24は、複数の受講者の全て及び研修の講師64との間で画面を共有しながらグループ作業を行うように構成されている。
【0016】
受講者データベース3は、各々の受講者の個人情報や研修履歴に関する情報を記憶し、個人情報部31、研修履歴部32、及び、個人別Q&A部33を備えて構成される。個人情報部31は、各受講者の基本データ及び特徴データを含む個人情報を記憶する。研修履歴部32は、各受講者の研修履歴を記憶する。個人別Q&A部33は、各受講者の質問や回答、それらの内容を表すキーワードを記憶する。このように、受講者データベース3は、受講者61、62、63の各々に対して設けられており、各受講者の個人情報は受講者が最初に研修を受ける際にスタッフ66により入力される。その後、各受講者が研修を受けるたびに、研修履歴部32の内容が更新され、各受講者がどの段階まで受講したかが記録される。また、個人別Q&A部33における内容も受講者ごとに更新されていく。
【0017】
教材データベース4は、各々の受講者に提供される複数の教材コンテンツを記憶し、標準教材部41及び補助教材部42を備えて構成される。標準教材部41は、特定の研修における標準レベルの教材を構成するための元データを記憶する。また、補助教材部42は、例えば基礎編及び上級編に分けられており、標準教材部41を補助する教材を構成するための元データを記憶する。教材データベース4の内容は、講師64により作成され、研修を実施し受講者の応答を基に必要に応じて更新される。
【0018】
講師データベース5は、基本個人データ51、技術歴データ52、及び、講師歴データ53を備えて構成され、講師64の個人データを記憶する。基本個人データ51は、講師64の氏名や年齢等を含む基本データである。技術歴データ52は、講師64の学歴や職歴等の技術バックグランドに関するデータである。講師歴データ53は、講師64の今までの講師経験に関するデータである。これらのデータは、必要に応じて受講者に開示されることにより、講師と受講者との交流を深めることができる。
【0019】
次に、本実施例のWeb型研修システムにおけるシステム制御プログラム2の具体的動作について説明する。図2は、受講者の受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。図15は、Web型研修システムのトップページの一例である。図16は、Web型研修システムにて表示される受講科目一覧の一例である。図17は、Web型研修システムにて表示される受講内容の一例である。
【0020】
Web型研修システムの受講者は、まずステップS101において、Web型研修システム(Web研修システムサーバ1)にインターネット50を介してアクセスする。受講者によるアクセスがあると、システム制御プログラム2は、図15の画面(トップページ)を受講者のパソコン画面に表示する(ステップS201)。図15に示されるように、Web型研修システムのトップページでは、受講者入口301、講師入口302、及び、スタッフ入口303が表示される。
【0021】
ステップS101において、受講者がトップページ中の受講者入口301をクリックすると、システム制御プログラム2は受講科目一覧(Web型研修プログラム科目一覧)を表示する(ステップS202)。図16に示されるように、受講科目は、例えば「[EF−1]技術者のためのコミュニケーション」、「[EF−2]技術ドキュメント(報告書・会議資料)作成」、「[PE−1]CMOS LSI基礎」、「[PE−2]組込みシステム基礎」等が準備されている。受講者は、ステップS103において、受講科目一覧の中から受講すべき科目をクリックする。
【0022】
続いて、システム制御プログラム2は、受講者のユーザ名とパスワードの入力を促す(ステップS203)。これに応じて、ステップS104において受講者がユーザ名とパスワードを入力すると、システム制御プログラム2は、入力されたユーザ名とパスワードを照合する(ステップS204)。受講者により入力されたユーザ名とパスワードが受講者データベース3に登録されているユーザ名とパスワードと合致している場合、その受講者からのアクセスを許可し、アクセス日時(t0)を研修履歴部32に記録する(ステップS205)。
【0023】
その後、システム制御プログラム2は、アクセスを許可した受講者のパソコン画面上に図17に示されるような受講内容を表示し、受講者に受講内容の選択を促す(ステップS206)。ステップS105において、受講者は、例えば「1:教材コンテンツの視聴」、「2:講師による個人指導」、「3:サイバー会議室への入室」の中から一つを選択する。
【0024】
次に、図3、図18、図20を参照して、受講者が受講内容の中から「1:教材コンテンツの視聴」を選択した場合について説明する。図3は、受講者が「教材コンテンツの視聴」を選択したときの受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。図18は、Web型研修システムにおける教材コンテンツとして受講者のパソコン画面上に表示される科目全体の内容の一例である。図20は、パソコン画面上に表示される教材コンテンツの内容の一例である。
【0025】
受講者が図2に示されるステップS105にて「教材コンテンツの視聴」を選択すると、システム制御プログラム2は、教材のダウンロードが完了しているか否かを判定し(ステップS207)、教材のダウンロードが完了していない場合には「1a」に移行し、ダウンロードが完了している場合には「1b」に移行する。システム制御プログラム2は、教材のダウンロードが未完の場合(1a)、図18に示されるように、単元1から単元N(本実施例ではN=10)までのタイトルを受講者のパソコン画面上に表示し、受講単元の選択を促す(ステップS208)。ステップS106において、受講者は、図18に示される受講単元のうち所望の受講単元を選択してクリックする。そしてシステム制御プログラム2は、教材のファイルの保存を促し(ステップS209)、受講者はステップS107にて保存をクリックする。また、システム制御プログラム2は、教材のファイルの保存場所の指示を促し(ステップS210)、受講者はステップS108にてファイルの保存場所を選択してクリックする。そして、システム制御プログラム2は、ダウンロードしたファイルの印刷を促し、その後、受講する教材コンテンツの視聴を促す(ステップS211)。
【0026】
続いて、ステップS207において教材のダウンロードが完了したと判定されると(1b)、図18に示されるように、単元1から単元N(本実施例ではN=10)までのタイトルを受講者のパソコン画面上に表示し、受講単元の選択を促す(ステップS212)。ステップS109において、受講者は、図18に示される受講単元のうち所望の受講単元を選択してクリックする。
【0027】
そして受講者は、ステップS110において、受講コンテンツを視聴する。受講コンテンツ(教材コンテンツ)は、図20に示されるように、例えば、図表タイトル、図表、及び、図表タイトル一覧等が受講者のパソコン画面上に表示される。また、図表の操作ボタンや受講コンテンツの講師の顔写真等も画面上に表示される。受講者は、受講コンテンツの理解が不十分である場合には、この受講コンテンツを繰り返し視聴することができる。受講コンテンツの視聴が終了した場合(ステップS111)、システム制御プログラム2は、受講者データベース3の研修履歴部32に終了日時(t2)を記録する(ステップS213)。
【0028】
次に、図4を参照して、受講者が受講内容の中から「2:講師による個人指導」を選択した場合について説明する。図4は、受講者が「講師による個人指導」を選択したときの受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。
【0029】
受講者が図2に示されるステップS105にて「講師による個人指導」を選択すると、システム制御プログラム2は、ファイルの提出又は受取のいずれかであるか判定し(ステップS214)、ファイルの提出の場合には「2a」に移行し、ファイルの受取である場合には「2b」に移行する。そしてシステム制御プログラム2は、ファイルの提出「2a」の場合、アップロードの対象となるファイルの選択を促す(ステップS215)。受講者は、ステップS112にてこのファイルを選択して、終了する(ステップS113)。システム制御プログラム2は、このときの終了日時(t2a)を研修履歴部32に記録する(ステップS216)。
【0030】
一方、システム制御プログラム2は、ステップS215にてファイルの受取「2b」と判定すると、ダウンロード可能なファイルを受講者のパソコン画面上に表示する(ステップS217)。受講者は、ステップS114にて、表示されたファイルをクリックすると、システム制御プログラム2は、ファイルの保存を促す(ステップS218)。そして受講者がステップS115にて保存をクリックすると、システム制御プログラム2は、ファイルの保存場所の指示を促す(ステップS219)。受講者は、ステップS116においてファイルの保存場所を選択してクリックし、終了する(ステップS117)。システム制御プログラム2は、このときの終了日時(t2b)を研修履歴部32に記録する(ステップS220)。
【0031】
次に、図5を参照して、受講者が受講内容の中から「3:サイバー会議室への入室」を選択した場合について説明する。図5は、受講者が「サイバー会議室への入室」を選択したときの受講フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。
【0032】
受講者がステップS105にて「サイバー会議室への入室」を選択すると、システム制御プログラム2は、サイバー会議の開催日程を表示し、該当する会議室の選択を促す(ステップS221)。サイバー会議の開催日に、受講者がステップS118において該当する会議室名をクリックすると、システム制御プログラム2は、講師及び受講者全員の氏名と顔を表示する(ステップS222)。またシステム制御プログラム2は、講師から受講者のグループ分けとグループ課題に関する説明を受講者のパソコン画面上で流す(ステップS223)。
【0033】
続いて、ステップS119において、複数の受講者は講師によりグループ分けされたグループ会議室に分離される。システム制御プログラム2は、グループ作業の実施前に会議に参加する受講者の中からリーダーの選出を促す(ステップS224)。リーダーが選出されると、システム制御プログラム2はリーダー選出者を研修履歴部32に記録する(ステップS225)。
【0034】
続いて受講者は、ステップS120において、グループ作業を実施する。グループ作業実施中、システム制御プログラム2は、講師が各グループを巡回し、各グループ作業の進捗を促すように動作する(ステップS226)。所定の作業時間が経過した場合、システム制御プログラム2は、受講者全員を最初の会議室に移動するように促す(ステップS227)。そして、ステップS121において、各グループリーダーによる発表と受講者全員による質疑応答が行われて、終了する(ステップS122)。システム制御プログラム2は、このときの終了日時(t3)を研修履歴部32に記録する(ステップS228)。
【0035】
次に、Web型研修システムにおける講師の指導について説明する。図6は、Web型研修システムにおける講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。図19は、Web型研修システムにて表示される講師業務内容の一例である。
【0036】
Web型研修システムの講師64は、まずステップS301において、Web型研修システム(Web研修システムサーバ1)にインターネット50を介してアクセスする。講師によるアクセスがあると、システム制御プログラム2は、図15の画面(トップページ)を講師のパソコン画面に表示する(ステップS401)。
【0037】
ステップS302において、講師がトップページの「講師入口」をクリックすると、続いてシステム制御プログラム2は、講師のユーザ名とパスワードの入力を促す(ステップS402)。これに応じて、ステップS303において講師がユーザ名とパスワードを入力すると、システム制御プログラム2は、入力されたユーザ名とパスワードを照合する(ステップS403)。講師により入力されたユーザ名とパスワードが講師データベース5に登録されているユーザ名とパスワードと合致している場合、その講師からのアクセスを許可する。
【0038】
その後、システム制御プログラム2は、アクセスを許可した講師のパソコン画面上に図19に示されるような講師業務内容を表示し、講師に対して指導内容の選択を促す(ステップS404)。ステップS304において、講師は、「1:教材データのアップロード」、「2:受講者の個人指導」、「3:サイバー会議室への入室」の中から一つを選択してクリックする。
【0039】
次に、図7を参照して、講師が講師業務内容の中から「1:教材データのアップロード」を選択した場合について説明する。図7は、講師が「教材データのアップロード」を選択したときの講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。講師がステップS304において「教材データのアップロード」を選択した場合、システム制御プログラム2はアップロードするファイルの選択を促す(ステップS405)。講師は、ファイルを選択完了して(ステップS305)、終了する(ステップS306)。
【0040】
次に、図8を参照して、講師が講師業務内容の中から「2:受講者の個人指導」を選択した場合について説明する。図8は、講師が「受講者の個人指導」を選択したときの講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。講師がステップS304において「受講者の個人指導」を選択した場合、システム制御プログラム2は受講者からのファイルを受取り済みであるか否かを判定する(ステップS406)。ステップS406において受講者からのファイルを受取り済みである場合、システム制御プログラム2は指導ファイルを作成したか否かを判定する(ステップS407)。ステップ407において指導ファイルの作成が完了していると判定された場合(2b)、システム制御プログラム2は、アップロードするファイルの選択を促す(ステップS408)。講師は、ステップS307にてファイルを選択し、終了する(ステップS308)。
【0041】
一方、システム制御プログラム2は、ステップS406において受講者からのファイルを受け取っていないと判定した場合(2c)、ダウンロードすべきファイルを講師のパソコン画面上に表示する(ステップS409)。講師は、ステップS309においてこのファイルをクリックすると、システム制御プログラム2はファイルの保存を促す(ステップS410)。続いて、講師は、ステップS310において保存をクリックすると、システム制御プログラム2は、ファイルの保存場所の指示を促す(ステップS411)。講師は、ステップS311においてファイルの保存場所を選択してクリックすると、システム制御プログラム2は指導ファイルの作成を促す(ステップS412)。またシステム制御プログラム2は、ステップS407において指導ファイルの作成が完了していないと判定した場合(2d)にも、前記と同様に指導ファイルの作成を促す(ステップS412)。以上の工程はこれで終了する(ステップS312)。
【0042】
次に、図9を参照して、講師が講師業務内容の中から「3:サイバー会議室への入室」を選択した場合について説明する。図9は、講師が「サイバー会議室への入室」を選択したときの講師の指導フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。
【0043】
講師がステップS304にて「サイバー会議室への入室」を選択すると、システム制御プログラム2は、サイバー会議の開催日程を表示し、該当する会議室の選択を促す(ステップS413)。サイバー会議の開催日に、講師がステップS313において該当する会議室名をクリックすると、システム制御プログラム2は、講師及び受講者全員の氏名と顔を表示する(ステップS414)。またシステム制御プログラム2(サイバー会議ツール24)は、受講者のグループ分けに必要な情報を講師のパソコン画面上に表示する(ステップS415)。このとき、能力的に多様な受講者が満遍なく各グループに含まれるように分けられることが好ましい。このため、システム制御プログラム2は、受講者データベース3を参照し、受講者の個人情報や研修履歴、個人別Q&A等の情報をサイバー会議ツール24に提供することで、講師によるグループ分けの作業を容易なものとする。
【0044】
続いて、ステップS314において、講師は、受講者のグループ分けとグループ課題を各受講者に提示する。またステップS315において、講師は、各受講者を該当するグループ会議室に分離する。システム制御プログラム2は、グループ作業の実施前に会議に参加する受講者の中からリーダーの選出を促す(ステップS416)。リーダーが選出されると、システム制御プログラム2はリーダー選出者を研修履歴部32に記録する(ステップS417)。
【0045】
続いて講師は、ステップS316において、グループ作業を実施する。グループ作業実施中、システム制御プログラム2は、講師が各グループを巡回し、各グループ作業の進捗を促すように動作する(ステップS418)。所定の作業時間が経過した場合、システム制御プログラム2は、受講者全員を最初の会議室に移動するように促す(ステップS419)。そして、ステップS317において、各グループリーダーによる発表と受講者全員による質疑応答が行われて、終了する(ステップS318)。
【0046】
次に、Web型研修システムにおけるスタッフの作業について説明する。図10は、Web型研修システムにおけるスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。
【0047】
Web型研修システムのスタッフ66は、まずステップS501において、Web型研修システム(Web研修システムサーバ1)にインターネット50を介してアクセスする。スタッフによるアクセスがあると、システム制御プログラム2は、図15の画面(トップページ)をスタッフのパソコン画面に表示する(ステップS601)。
【0048】
ステップS502において、スタッフがトップページの「スタッフ入口」をクリックすると、続いてシステム制御プログラム2は、スタッフのユーザ名とパスワードの入力を促す(ステップS602)。これに応じて、ステップS503においてスタッフがユーザ名とパスワードを入力すると、システム制御プログラム2は、入力されたユーザ名とパスワードを照合する(ステップS603)。スタッフにより入力されたユーザ名とパスワードがWeb研修システムサーバ1内に登録されているユーザ名とパスワードと合致している場合、そのスタッフからのアクセスを許可する。
【0049】
その後、システム制御プログラム2は、アクセスを許可したスタッフのパソコン画面上に所定の作業内容を表示し、スタッフに対して作業内容の選択を促す(ステップS604)。作業内容は、例えば「1:Q&Aのレベル分類」、「2:教材コンテンツ制作」、「3:サイバー会議室運営支援」がある。ステップS504において、スタッフは、「Q&Aのレベル分類」、「教材コンテンツ制作」、「サイバー会議室運営支援」の中から一つの作業内容を選択してクリックする。
【0050】
次に、図11を参照して、スタッフが作業内容の中から「1:Q&Aのレベル分類」を選択した場合について説明する。図11は、スタッフが「Q&Aのレベル分類」を選択したときのスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。
【0051】
スタッフがステップS504において「Q&Aのレベル分類」を選択すると、システム制御プログラム2は、科目一覧を表示し、作業科目の選択を促す(ステップS605)。これに基づいて、スタッフは、ステップS505において科目一覧の中から所望の作業科目を選択してクリックする。続いてスタッフは、ステップS506において、個人別Q&A部33のキーワード毎にQ&Aの一覧を画面上に表示させる。
【0052】
続いてシステム制御プログラム2は、スタッフに対し、一覧のQ&Aの内容の難易度評価を促す(ステップS606)。ステップS507において、スタッフは、キーワード毎に各Q&Aの内容を、標準、基礎、上級に分類する。また、ステップS508において、個人別Q&A部33に、各Q&Aの難易度評価を加えて上書き保存を行い、終了する(ステップS509)。
【0053】
次に、図12を参照して、スタッフが作業内容の中から「2:教材コンテンツ制作」を選択した場合について説明する。図12は、スタッフが「教材コンテンツ制作」を選択したときのスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。
【0054】
スタッフがステップS504において「教材コンテンツ制作」を選択すると、システム制御プログラム2は、科目一覧を表示し、作業科目の選択を促す(ステップS607)。これに基づいて、スタッフは、ステップS510において科目一覧の中から所望の作業科目を選択してクリックする。続いてスタッフは、ステップS511において、個人別Q&A部33のQ&Aの一覧を頻度順に画面上に表示させる。
【0055】
続いてシステム制御プログラム2は、スタッフに対し、キーワード毎にコンテンツ化するか否かの判断を促す(ステップS608)。ステップS512において、スタッフは、コンテンツ制作ツールを起動し、標準、基礎、上級に分類して各コンテンツを制作する。そして、ステップS513において、制作したコンテンツを教材データベース4にアップロードし、終了する(ステップS514)。
【0056】
次に、図13を参照して、スタッフが作業内容の中から「3:サイバー会議室運営支援」を選択した場合について説明する。図13は、スタッフが「サイバー会議室運営支援」を選択したときのスタッフの作業フローチャートとシステム制御プログラムの動作を示す。図13に示されるスタッフの作業フローチャート及びシステム制御プログラムの動作は、図9に示されるものと同様であり、図13中のステップS515〜S520及びステップS609〜S615は、それぞれ、図9中のステップS313〜S318及びステップS413〜S419に相当する。このため、図13についての詳細な説明は省略する。図13に示されるサイバー会議室運営支援の際、スタッフは、受講者や講師のパソコンの画面上に顔を表示せず、講師をサポートする。
【0057】
次に、図14を参照して、受講者の学習意欲が低下しないように行われる、Web型研修システムを用いたメンタリングについて説明する。図14は、Web型研修システムを用いたメンタリング手法のフローチャートである。
【0058】
まずステップS701において、メンター65が受講者61、62、63の受講開始前に、サイバー会議室で各受講者と面談する(事前インタビュー)。この事前インタビューにより、メンター65は各受講者の特徴を把握し、その特徴を受講者データベース3に記憶する。続いて、ステップS702において、受講者データベース3に記憶された各受講者のアクセス履歴に基づいて、システム制御プログラム2が各受講者の学習意欲レベルを例えば3段階等の複数段階に評価する(分類する)。システム制御プログラム2は、この受講者の評価結果を受講者データベース3に記録するとともに、その評価結果をメンター65にメール送信する。これと並行して、ステップS703において、講師64が各受講者に対して個人指導を行い、このときの受講者の対応に基づいて講師64が各受講者の学習意欲レベルを例えば3段階に評価する。システム制御プログラム2は、講師64による評価結果を受講者データベース3に記録するとともに、その評価結果をメンター65にメール送信する。
【0059】
ステップS704において、メンター65は、ステップS702におけるアクセス履歴による評価結果、及び、ステップS703における講師による評価結果に基づいて、各受講者の総合的な学習意欲レベルを例えば3段階に評価する。システム制御プログラム2は、その評価結果を受講者データベース3に記録する。そしてステップS705において、システム制御プログラム2は、各受講者の評価結果(学習意欲レベル)に応じて、Web研修システムサーバ1内に予め用意した「励ましメール」を各受講者に送信する。このとき、メンター65にも例えばBCCで送信する。
【0060】
続いてステップS706において、ステップS702の場合と同様に、受講者データベース3に記録された各受講者のアクセス履歴に基づいて、システム制御プログラム2が各受講者の学習意欲レベルを例えば3段階に評価する。システム制御プログラム2は、この受講者の評価結果(学習意欲レベル)を受講者データベース3に記録するとともに、その評価結果をメンター65にメール送信する。
【0061】
最後に、ステップS707において、ステップS705で送信した「励ましメール」に対する各受講者の対応を踏まえて、メンター65は、サイバー会議室で各受講者を面談し、学習意欲の維持又は改善を図る。各受講者の学習意欲に関する状況は、受講者データベース3の個人情報部31に記録される。また、ステップS704〜S707のプロセスは研修完了まで繰り返され、受講者の状況は適宜更新される。
【0062】
次に、図22を参照して、本実施例のWeb型研修システムにおける受講者のグレード分けの手法について説明する。図22は、受講者のグレード分けの手法を示すフローチャートである。
【0063】
まずステップS1001において、システム制御プログラム2は、スタッフ66又は講師64の指示に基づいて、各受講者に対して研修開始時(研修開始前)にアンケートを行い(事前アンケート)、その事前アンケートに対する受講者の回答の標準偏差を求める(事前アンケートの評価)。続いてステップS1002において、システム制御プログラム2は、得られた標準偏差(評価結果)に基づいて、受講者のグレード分けを行う。受講者のグレード分けは、例えば、aグレード(上級)、bグレード(中級)、cグレード(初級)のように全ての受講者を3グレードのいずれか1つに分けるように行われる。なお、本実施例では受講者を3グレードに分けているが、これに限定されるものではなく、2グレード、又は、4グレード以上に分けるようにしてもよい。
【0064】
続いてステップS1003において、システム制御プログラム2は、受講者による教材コンテンツ(例えば、図18に示される単元1)の受講を開始するように動作する。そしてステップS1004において、システム制御プログラム2は、受講者の演習回答、模擬実習、質問及び意見を提示する。またステップS1005において、システム制御プログラム2は、受講者の受講頻度を評価する。
【0065】
続いてステップS1006において、システム制御プログラム2は、ステップS1005で評価した受講頻度に基づいて、ステップS1002で決定したグレードを修正する(更新する)。修正後のグレードは、現在のグレード(グレードa、b、c)と受講頻度(第1の頻度よりも大きいか、第2の頻度よりも小さいか等)に基づいて決定される。例えば、ある受講者がグレードbであって、その受講者の受講頻度が所定の第1の頻度よりも大きい場合には、その受講者をグレードaに上げる(変更する)。逆に、その受講者の受講頻度が所定の第2の頻度よりも小さい場合には、その受講者をグレードcに下げる(変更する)。
【0066】
続いてステップS1007において、システム制御プログラム2は、受講者が研修の全単元を受講したか否かを判定する。受講者が全ての単元の受講が完了していない場合、システム制御プログラム2は、ステップS1008において、次の単元を受講するように動作する。その後、システム制御プログラム2は、ステップS1004〜S1007を繰り返す。一方、ステップS1007において、受講者が全ての単元の受講が完了している場合には、終了する(ステップS1009)。
【0067】
このように、システム制御プログラム2は、各々の受講者を複数のグレードのうちの一つに分類し、研修中に各々の受講者のグレードを修正する(より具体的には、一つの研修の中で単元ごとに受講者のグレードを修正する)ことで、各々の受講者の能力に適合した教材コンテンツを動的に調整しながら各々の受講者に提供する。このため、本実施例によれば、一つの研修の中で動的に変化する受講者の知識や意欲に適切に対応したグレード設定が可能であり、受講者に対する研修がより効果的なものとなる。
【0068】
次に、図21及び図23を参照して、本実施例のWeb型研修システムにおける受講コンテンツ(教材コンテンツ)のグレード分けの手法について説明する。図21は、Web型研修システムにおける提供コンテンツとアセットの構成図である。図23は、受講コンテンツのグレード分けを示すフローチャートである。
【0069】
まず、図23のステップS2001において、講師64は原アセットを制作する。原アセットとは、提供コンテンツ100(受講コンテンツ)を制作するための素材となる画像ファイルや音声ファイル等である。各コンテンツは、複数の原アセットの組み合わせにより構成される。またステップS2002において、講師は、制作した原アセットを基礎編、標準編、上級編にそれぞれ分類する。図21に示されるように、アセット200(原アセット)は、制作した講師により、上級編201、標準編202、基礎編203に分類される。上級編201は、例題を含む講義2011、演習2012、模擬実習2013を備える。同様に、標準編202及び基礎編203は、例題を含む講義2021、2031、演習2022、2032、模擬実習2032、2033をそれぞれ備える。
【0070】
続いて、図23のステップS2003において、コンテンツデータベースを制作する。コンテンツデータベースは、原アセットを用いて制作される。各々の教材コンテンツは、例えば、Aグレード、Bグレード、Cグレードのように、内容の難易度に基づいて3つのグレード(複数のグレード)のうちの一つに分類される。図21に示されるように、提供コンテンツ100におけるサーバコンテンツ102(コンテンツ)は、Aグレード103、Bグレード104、Cグレード105に分けられる。Aグレード103は、例題を含む講義1031、演習1032、模擬実習1033を備える。同様に、Bグレード104及びCグレード105は、例題を含む講義1041、1051、演習1042、1052、模擬実習1043、1053をそれぞれ備える。
【0071】
本実施例において、Aグレード103のコンテンツは、アセット200の中から上級編201と標準編202を組み合わせて制作される。Bグレード104のコンテンツは、アセット200の中から標準編202を用いて制作される。Cグレード105のコンテンツは、アセット200の中から基礎編203と標準編202を組み合わせて制作される。
【0072】
続いてステップS2004において、受講者からの疑問、質問、意見等を収集する。そしてステップS2005において、講師は、これらの疑問、質問又は意見を反映させるように追加アセットを制作する。またステップS2006において、例えば講師により追加アセットの属性(カテゴリーやグレード等)が設定される。
【0073】
その後ステップS2003に戻り、追加アセットを用いて再度、コンテンツデータベースを制作する。すなわち、システム制御プログラム2は、研修中に収集された受講者から疑問、質問又は意見に基づいて制作された新たなアセット(追加アセット)に対して、追加アセットの属性を設定し、この属性のアセットが所定数以上に制作された場合、この属性のアセットを用いて新たな教材コンテンツを制作するように促す。このように、ステップS2003〜S2006を繰り返すことで、受講者により適合したコンテンツが動的に更新されるため、受講者に対する研修がより効果的なものとなる。
【0074】
次に、図24を参照して、本実施例のWeb型研修システムにおける受講者グレードとコンテンツグレードとのマッチング手法について説明する。図24は、受講者グレードとコンテンツグレードとのマッチング手法を示すフローチャートである。
【0075】
まず、ステップS3001において、システム制御プログラム2は受講者の認証を行う。システム制御プログラム2は、受講者の認証が完了すると、ステップS3002において受講者のグレード、すなわち受講者がグレードa、b、cのいずれかであるかを把握する。続いてステップS3003において、システム制御プログラム2は、受講対象となるコンテンツのグレード、すなわち受講対象のコンテンツがグレードA、B、Cのいずれかであるかを把握する。その後ステップS3004において、システム制御プログラム2は、特定のグレードのコンテンツを選択して受講者のパソコン画面上に提示し、終了する(ステップS3005)。具体的には、図21に示されるように、サーバコンテンツ102を構成するAグレード103、Bグレード104、Cグレード105の中から、受講者のグレードに適合したコンテンツを受講者コンテンツ101(例題を含む講義1011、演習1012、模擬実習1013)として提供する。本実施例では、受講者がグレードaの場合にはAグレード103のコンテンツを受講者コンテンツ101として提供する。同様に、受講者がグレードb、cの場合には、それぞれ、Bグレード104及びCグレード105のコンテンツを受講者コンテンツ101として提供する。
【0076】
本実施例では、受講者のグレード(グレードa、b、cのいずれか1つ)を受講者データベース3から読み取る。そして、教材データベース4に保存された受講コンテンツの中から、この受講者に適したグレード(グレードA、B、Cのいずれか1つ)のコンテンツを提供する。このように、システム制御プログラム2は、各々の受講者のグレードと教材コンテンツのグレードとのマッチングを行うことにより、各々の受講者の能力に適合した教材コンテンツを動的に調整することができ、受講者に対する研修がより効果的なものとなる。
【0077】
本実施例によれば、受講者に提供するコンテンツを受講者の能力に適合した内容に動的に調整し、研修の効果を高めたWeb型研修システムを提供することができる。このため、配信する教材コンテンツの内容を研修の実施とともに動的に改良し、受講者が必要とする知識や技術を効果的に習得可能なWeb型研修システムを提供することができる。また、受講者の学習意欲が低下しないように継続的なメンタリングを可能としたWeb型研修システムを提供することができる。また、インターネットを介した講師と個々の受講者の深い交流(相互コミュニケーション)を可能とし、受講者が必要とする知識や技術を効果的に習得可能なWeb型研修システムを提供することができる。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 Web研修システムサーバ
2 システム制御プログラム
3 受講者データベース
4 教材データベース
5 講師データベース
24 サイバー会議ツール
50 インターネット
61、62、63 受講者
64 講師
65 メンター
66 スタッフ
100 提供コンテンツ
200 アセット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットを介して受講者に研修を提供するWeb型研修システムであって、
各々の受講者の個人情報及び研修履歴に関する情報を記憶した受講者データベースと、
前記各々の受講者に提供される複数の教材コンテンツを記憶した教材データベースと、
前記各々の受講者の研修中に、前記受講者データベース及び前記教材データベースとの間で情報のやり取りを行い、該教材データベースに記憶された前記複数の教材コンテンツの中から該各々の受講者の能力に適合した教材コンテンツを動的に調整しながら該各々の受講者に提供するシステム制御部と、を有することを特徴とするWeb型研修システム。
【請求項2】
前記システム制御部は、前記各々の受講者を複数のグレードのうちの一つに分類し、前記研修中に該各々の受講者のグレードを修正することで、該各々の受講者の能力に適合した前記教材コンテンツを動的に調整しながら該各々の受講者に提供することを特徴とする請求項1に記載のWeb型研修システム。
【請求項3】
前記システム制御部は、前記受講者の受講頻度が第1の頻度より大きい場合に該受講者のグレードを上げ、該受講頻度が第2の頻度より小さい場合に該受講者のグレードを下げることにより、該受講者のグレードを修正することを特徴とする請求項2に記載のWeb型研修システム。
【請求項4】
前記教材データベースに記憶された前記教材コンテンツは、その難易度により複数のグレードのうちの一つに分類されており、
前記システム制御部は、前記各々の受講者のグレードと前記教材コンテンツのグレードとのマッチングを行うことにより、該各々の受講者の能力に適合した前記教材コンテンツを動的に調整することを特徴とする請求項2又は3に記載のWeb型研修システム。
【請求項5】
前記教材コンテンツは、複数のアセットの組み合わせより制作されており、
前記システム制御部は、前記研修中に収集された前記受講者からの疑問、質問又は意見に基づいて制作された新たなアセットに対して、該アセットの属性を設定し、該属性のアセットが所定数以上に制作された場合、該属性のアセットを用いて新たな教材コンテンツを制作するように促すことを特徴とする請求項4に記載のWeb型研修システム。
【請求項6】
前記受講者データベースは、前記各々の受講者のアクセス履歴を記憶し、
前記システム制御部は、前記受講者データベースに記憶された前記各々の受講者のアクセス履歴に基づいて、該各々の受講者の学習意欲レベルを評価し、該学習意欲レベルを前記受講者データベースに記憶することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のWeb型研修システム。
【請求項7】
前記システム制御部は、前記各々の受講者の学習意欲レベルに応じた励ましメールを該各々の受講者に送信することを特徴とする請求項6に記載のWeb型研修システム。
【請求項8】
前記システム制御部は、前記各々の受講者の学習意欲レベルを前記研修のメンターにメール送信することを特徴とする請求項6又は7に記載のWeb型研修システム。
【請求項9】
前記システム制御部は、前記インターネットを介して複数の受講者によるグループ作業を実施可能とするためのサイバー会議ツールを有し、
前記サイバー会議ツールは、前記複数の受講者の全て及び前記研修の講師との間で画面を共有しながら前記グループ作業を行うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のWeb型研修システム。
【請求項10】
前記システム制御部は、前記受講者データベースを参照して、前記各々の受講者のグループ分けに必要な情報を前記サイバー会議ツールに提供することを特徴とする請求項9に記載のWeb型研修システム。
【請求項1】
インターネットを介して受講者に研修を提供するWeb型研修システムであって、
各々の受講者の個人情報及び研修履歴に関する情報を記憶した受講者データベースと、
前記各々の受講者に提供される複数の教材コンテンツを記憶した教材データベースと、
前記各々の受講者の研修中に、前記受講者データベース及び前記教材データベースとの間で情報のやり取りを行い、該教材データベースに記憶された前記複数の教材コンテンツの中から該各々の受講者の能力に適合した教材コンテンツを動的に調整しながら該各々の受講者に提供するシステム制御部と、を有することを特徴とするWeb型研修システム。
【請求項2】
前記システム制御部は、前記各々の受講者を複数のグレードのうちの一つに分類し、前記研修中に該各々の受講者のグレードを修正することで、該各々の受講者の能力に適合した前記教材コンテンツを動的に調整しながら該各々の受講者に提供することを特徴とする請求項1に記載のWeb型研修システム。
【請求項3】
前記システム制御部は、前記受講者の受講頻度が第1の頻度より大きい場合に該受講者のグレードを上げ、該受講頻度が第2の頻度より小さい場合に該受講者のグレードを下げることにより、該受講者のグレードを修正することを特徴とする請求項2に記載のWeb型研修システム。
【請求項4】
前記教材データベースに記憶された前記教材コンテンツは、その難易度により複数のグレードのうちの一つに分類されており、
前記システム制御部は、前記各々の受講者のグレードと前記教材コンテンツのグレードとのマッチングを行うことにより、該各々の受講者の能力に適合した前記教材コンテンツを動的に調整することを特徴とする請求項2又は3に記載のWeb型研修システム。
【請求項5】
前記教材コンテンツは、複数のアセットの組み合わせより制作されており、
前記システム制御部は、前記研修中に収集された前記受講者からの疑問、質問又は意見に基づいて制作された新たなアセットに対して、該アセットの属性を設定し、該属性のアセットが所定数以上に制作された場合、該属性のアセットを用いて新たな教材コンテンツを制作するように促すことを特徴とする請求項4に記載のWeb型研修システム。
【請求項6】
前記受講者データベースは、前記各々の受講者のアクセス履歴を記憶し、
前記システム制御部は、前記受講者データベースに記憶された前記各々の受講者のアクセス履歴に基づいて、該各々の受講者の学習意欲レベルを評価し、該学習意欲レベルを前記受講者データベースに記憶することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のWeb型研修システム。
【請求項7】
前記システム制御部は、前記各々の受講者の学習意欲レベルに応じた励ましメールを該各々の受講者に送信することを特徴とする請求項6に記載のWeb型研修システム。
【請求項8】
前記システム制御部は、前記各々の受講者の学習意欲レベルを前記研修のメンターにメール送信することを特徴とする請求項6又は7に記載のWeb型研修システム。
【請求項9】
前記システム制御部は、前記インターネットを介して複数の受講者によるグループ作業を実施可能とするためのサイバー会議ツールを有し、
前記サイバー会議ツールは、前記複数の受講者の全て及び前記研修の講師との間で画面を共有しながら前記グループ作業を行うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のWeb型研修システム。
【請求項10】
前記システム制御部は、前記受講者データベースを参照して、前記各々の受講者のグループ分けに必要な情報を前記サイバー会議ツールに提供することを特徴とする請求項9に記載のWeb型研修システム。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図1】
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【図18】
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【図22】
【図23】
【図24】
【図1】
【公開番号】特開2012−83539(P2012−83539A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229500(P2010−229500)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(310019615)一般社団法人 技術者メンター協会 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(310019615)一般社団法人 技術者メンター協会 (1)
【Fターム(参考)】
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