説明

X線ベースでカテーテル先端位置決定を行うためのシステムおよび方法

【課題】本発明の課題は、カテーテルの3D位置を検出する方法を改善することである。
【解決手段】画像強度ヒストグラム勾配を閾値比較することによって相応の画像の対において1つまたは複数のカテーテル領域をセグメンテーションするステップと、これらのピクセルのうちでカテーテル領域内部にあるピクセルを除去してカテーテル輪郭を生成するステップと、該カテーテル輪郭をカテーテルの2Dテンプレートにマッチングし、複数の候補カテーテル先端ピクセルを選択するステップと、該画像の対における該候補カテーテル先端ピクセルのうち少なくとも幾つかのカテーテル先端ピクセルを、カテーテル先端の3Dテンプレートの2D投影像にマッチングし、最も一致する候補ピクセルをカテーテル先端として選択するステップと、該カテーテル先端の3D位置を2つの射線の交点から検出するステップとを有する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年4月27日に提出されたBalda, et al.による米国仮出願第60/795658号の『X-Ray Based Catheter Tip Localization』の優先権を請求するものである。該文献の内容は、参照によって本願の開示内容に含まれるものとする。
【0002】
本願の開示内容は、カテーテル先端を2つの透視画像から3次元で検出および位置決定するためのアルゴリズムに関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテル位置決定は、心臓関連のアプリケーションにおいてポピュラーな技術となっている。伝統的には、カテーテルの操作は第一に、プロシージャ中に取得された2次元のX線画像である透視画像に基づいている。蛍光透視法は、蛍光透視装置を使用することによって患者の内部構造のリアルタイム画像を得るために医師が通常使用する撮像技術である。典型的な蛍光透視装置にはX線源とモニタとが含まれており、これらの間に患者が配置され、このような典型的な蛍光透視装置はX線画像インテンシファイアおよびCCDビデオカメラに結合されている。透視画像は、コンピュータ断層撮影画像(CT)や磁気共鳴(MR)画像ほど多くの解剖学的情報を提供せず、奥行情報も提供しない。1つの透視画像を見ただけでは、カテーテル先端の正確な3D位置を知ることはできない。したがって、透視画像を使用して操作するためには、解剖学の知識と透視画像の解釈の経験が必要である。
【0004】
カテーテル位置決定技術によって、蛍光透視装置に結合されたコンピュータ支援式の操作システムは、3D空間において先端がどこにあるかを知ることができる。3Dのカテーテル先端位置の情報は、幾つかのアプリケーションで有用である。たとえば、3D DynaCT装置から取得されたデータによってカテーテル先端位置を直接可視化することができる。この3D DynaCT装置は、血管造影コンピュータ断層撮影を行って血管造影撮像中にCT状の画像を供給することができる。各画像ボリュームがレジストレーションされる場合には、先端をCTデータまたはMRデータのボリュームレンダリングとともに表示することもできる。CT心臓データまたはMR心臓データをセグメンテーションすると、個々の心室で先端を見ることができる。心臓内部において仮想的な遠近カメラからのフライスルー観察を可視化する内視鏡観察、またはクリッピングビューを使用することができる。
【0005】
電気生理学的にマッピングをする目的で3Dカテーテル座標を使用し、個々の心室ごとの幾何学的マップを生成することができる。このような目的には、心室壁上の3D位置サンプルを得る目的も含むことができる。この位置は、シェルを構築することによって心室壁を近似するのに使用することができる。このようにして医師は、シェルが構築された後に自身がどこにいるかを大まかに把握する。その他に、心室壁上の1つの場所において電圧およびレイテンシーを測定し、医師が切除を適用するための最短区間を見つけることができるようにする目的がある。付加的に3Dカテーテル座標によって、3Dボリューム内で遠隔コントロールシステムを使用して自動操作を行うことができる。遠隔コントロールシステムは、所望の目的位置に移動するのに適切な力を加えるため、3D位置のフィードバックを得る必要がある。
【0006】
カテーテルを位置決定する既存の技術は磁場または電場をベースとしており、特別かつ高価なカテーテルを必要とする。正規のカテーテルのみを使用する2つのX線画像により、カテーテル位置を決定することができる。図1に、透視画像において先端を透過する射線の交点から3D先端位置をどのように計算するかが図解されている。2つのX線源11,12がX線13,14を放出し、先端16を有するカテーテル15を含むボリューム領域10を透過させる。これらのX線源によって形成された画像は、図に示されているようにモニタ17,18に表示され、ここでは検出器を配置することがある。これらのモニタは、各X線源によって観察されるのと同様のカテーテルの2D投影像を表示する。このようにして、透視画像での先端検出が、3Dカテーテル位置決定システムの実現を補助する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、カテーテルの3D位置を検出する方法を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、
異なる観察角度から取得されたカテーテルの2次元のX線透視画像の系列の対を供給し、各X線透視画像は、ピクセルの2Dグリッドで定義された複数の強度を有するステップと、
画像強度ヒストグラム勾配を閾値比較することによって相応の画像の対において1つまたは複数のカテーテル領域をセグメンテーションするステップと、
これらのピクセルのうちでカテーテル領域内部にあるピクセルを除去してカテーテル輪郭を生成するステップと、
該カテーテル輪郭をカテーテルの2Dテンプレートにマッチングし、複数の候補カテーテル先端ピクセルを選択するステップと、
該画像の対における該候補カテーテル先端ピクセルのうち少なくとも幾つかのカテーテル先端ピクセルを、カテーテル先端の3Dテンプレートの2D投影像にマッチングし、最も一致する候補ピクセルをカテーテル先端として選択するステップと、
該カテーテル先端の3D位置を2つの射線の交点から検出し、該2つの射線のうち1つは、該画像の対のうち1つの画像において選択されたピクセルから投射し、該2つの射線のうち他方は、該画像の対の他方の画像にある関連のピクセルから投射するステップ
とを有する方法によって解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本願で記載された本発明の実施例は一般的に、3D空間においてバイプレーンX線画像を使用してカテーテル先端を位置決定するための方法およびシステムを含む。本発明の1つの実施形態によるアルゴリズムは、透視画像対においてカテーテル先端を迅速に検出して3D空間における先端位置を再構築するために、クラシファイアカスケードを基礎としている。最初に、単純なクラシファイアを適用して、多くの背景ピクセルを迅速に消去する。前記の単純なクラシファイアが適正な候補を選択できなかった場合には、次に複雑なクラシファイアを少数のピクセルに適用する。ここでは、2つのテンプレートマッチングステップがある。第1のテンプレートマッチングステップは、少数の最良候補ピクセルを選択するために固定的な2Dテンプレートを使用する。第2のテンプレートマッチングステップは、画像面への3Dテンプレートの投影像である動的な2Dテンプレートを使用する。本発明の1つの実施形態によるアルゴリズムは、画像ノイズに対してロバストである。前処理ステップによって画像ノイズを抑圧し、一時的なフィルタリングによって、動く構造体を強調する。このような3Dテンプレートマッチングステップは、検出外れを消去するためにエピ極制約を使用する。本発明の1つの実施形態によるアルゴリズムでは、カテーテル先端の異なる勾配を処理することができる。2つの画像面におけるカテーテル先端の外観は、3D空間内のカテーテル先端の方向に依存する。3Dテンプレートマッチングステップでは、Cアームの幾何学的な設定にしたがって2つの画像面に対してカスタマイズされたテンプレートを使用する。本発明の1つの実施形態によるアルゴリズムは、画像内に別のカテーテルが存在していても、一義的にカテーテル先端を検出することができる。2Dテンプレートおよび3Dテンプレートは双方とも、カテーテル仕様を使用して構築される。カテーテル輪郭は前処理ステップで検出され、カテーテル先端は輪郭ピクセルから見つける。この検出プロセスは、アルゴリズムが輪郭内部のピクセルを棄却して輪郭ピクセルのみに焦点を当てると、より効率的になる。カテーテル位置決定は、カテーテル先端を術前の画像と融合してカテーテルの案内に使用する場合の介入的な撮像において適用される。
【0010】
本発明の1つの側面では、カテーテル先端を3次元空間で位置決定する次のような方法を提供する。すなわち、
異なる観察角度から取得されたカテーテルの2次元のX線透視画像の系列の対を供給し、各X線透視画像は、ピクセルの2Dグリッドで定義された複数の強度を有するステップと、
画像強度ヒストグラム勾配を閾値比較することによって相応の画像の対において1つまたは複数のカテーテル領域をセグメンテーションするステップと、
これらのピクセルのうちでカテーテル領域内部にあるピクセルを除去してカテーテル輪郭を生成するステップと、
該カテーテル輪郭をカテーテルの2Dテンプレートにマッチングし、複数の候補カテーテル先端ピクセルを選択するステップと、
該画像の対における該候補カテーテル先端ピクセルのうち少なくとも幾つかのカテーテル先端ピクセルを、カテーテル先端の3Dテンプレートの2D投影像にマッチングし、最も一致する候補ピクセルをカテーテル先端として選択するステップと、
該カテーテル先端の3D位置を2つの射線の交点から検出し、該2つの射線のうち1つは、該画像の対のうち1つの画像において選択されたピクセルから投射し、該2つの射線のうち他方は、該画像の対の他方の画像にある関連のピクセルから投射するステップ
とを有する方法を提供する。
【0011】
本発明の別の側面によれば、本方法は画像のサイズを標準化し、画像系列の対の各画像において画像背景を均質にする。
【0012】
本発明の別の側面では、前記背景の均質化において、平均的なイメージを前記画像系列のうち1つの画像系列の第1のブラー付き画像として初期化し、該平均的なイメージを、該画像系列に含まれるすべての画像にわたって、M=α・Mn−1+(1−α)・Iにしたがって更新し、E=I+min(I−M,0)から強調イメージEを計算する。ここでは、Iはn番目の画像であり、Mはn番目の平均的イメージであり、αは重みづけ係数である。
【0013】
本発明の別の側面では、前記背景の均質化においてバンドパスフィルタをイメージに適用する。
【0014】
本発明の別の側面では、本方法では各カテーテル輪郭に沿った垂線方向を推定する。
【0015】
本発明の別の側面では、各カテーテル輪郭を2Dカテーテルテンプレートにマッチングする際には、該カテーテル輪郭周辺のイメージの領域を2値化し、該2Dカテーテルテンプレートを、カテーテル輪郭に沿った推定垂線方向にしたがって方向決定し、2Dテンプレート内の各ピクセルと2値化されたイメージ領域内でオーバーラップするピクセルとが同じである場合にはスコアを増加し、これら2つのピクセルが異なる場合にはスコアを減少することにより、これら2つのピクセルの相互相関を計算し、最良の相互相関スコアを有するピクセルを選択する。
【0016】
本発明の別の側面では、2Dテンプレートを推定垂線方向に近い方向で適用する。
【0017】
本発明の別の側面では、候補カテーテル先端ピクセルを3Dカテーテルテンプレートの2D投影像にマッチングする際に、該3Dカテーテルテンプレートの複数の事前計算された2D投影像を、該画像のうち1つの画像に含まれる該候補ピクセルと、他方の画像に含まれ該候補ピクセルに関連するピクセルとに適用し、2D投影像に含まれる各ピクセルと候補先端領域に含まれるオーバーラップするピクセルとが同じである場合にはスコアを増加し、これら2つのピクセルが異なる場合にはスコアを減少して、これら2つのピクセル間の相互相関を計算し、最良の相互相関スコアを有するピクセルをカテーテル先端として選択する。
【0018】
本発明の別の側面では、他方の画像における候補ピクセルのエピ極線周辺の領域を探索することにより、候補ピクセルに関連する他方の画像に含まれるピクセルを見つける。
【0019】
本発明の別の側面では、3Dカテーテルテンプレートの2D投影像を事前計算するために、該3Dカテーテルテンプレートを−yからyまでの第1の角度によって180°回転し、該3Dカテーテルテンプレートを−zから開始する第2の角度によって360°回転し、該2D投影像をルックアップテーブルに記憶する。
【0020】
本発明の別の側面では、1つの画像における候補ピクセルに関して、最良の相互相関スコアを有する2D投影像の第1の角度および第2の角度を検出し、該1つの画像の座標系を他方の画像の座標系に変換して、該他方の画像に関して2D投影像の相応の第1の角度および第2の角度を検出する。
【0021】
本発明の別の側面では、検出された前記カテーテル先端を、ボリューム再構成または多断面再構成でレンダリングされた画像に融合する。
【0022】
本発明の別の側面では、2つの射線が交差していない場合、相互に最接近する場所におけるこれら2つの射線間の中間点を3D先端位置として選択する。
【0023】
本発明の別の側面では、カテーテル先端を3次元空間で位置決定する次のような方法を提案する。すなわち、異なる観察角度から取得されたカテーテルの処理される2次元のX線透視画像の対を供給し、該画像はこの時点で、該カテーテルをセグメンテーションするために既に処理されており、該カテーテル周辺のイメージの領域を2値化し、2Dカテーテルテンプレートを該カテーテルの推定垂線方向にしたがって方向決定し、2Dテンプレートに含まれる各ピクセルと2値化された該イメージに含まれるオーバーラップするピクセルとが同じである場合にはスコアを増加し、これら2つのピクセルが異なる場合にはスコアを減少することにより、これら2つのピクセルの相互相関を計算し、最高の相互相関スコアを有するピクセルを候補カテーテル先端ピクセルとして選択し、3Dカテーテルテンプレートの事前計算された複数の2D投影像を、該画像のうち一方の画像における候補ピクセルと他方の画像に含まれ該候補ピクセルに関連するピクセルとに適用し、2D投影像に含まれる各ピクセルと候補先端領域に含まれるオーバーラップするピクセルとの間の相互相関を計算し、最良の相互相関スコアを有するピクセルをカテーテル先端ピクセルとして選択し、該カテーテル先端の3D位置を、該2つの画像それぞれにおける該カテーテルの2D位置から検出する方法を提案する。
【0024】
本発明の別の側面では各画像を画像系列から取得し、各画像は、ピクセルの2Dグリッド上で定義された複数の強度を有する。
【0025】
本発明の別の側面では、各画像を前処理して該画像のサイズを標準化し、系列対の各画像における画像背景を均質化する。
【0026】
本発明の別の側面では、カテーテルのセグメンテーション時に画像強度ヒストグラム勾配を閾値比較する。
【0027】
本発明の別の側面では、カテーテル領域内部のピクセルを除去してカテーテル輪郭を生成する。
【0028】
本発明の別の側面では、カテーテル先端の3D位置を検出する際に、前記画像対のうち一方の画像において選択されたピクセルから投射された射線と、該画像対のうち他方における関連のピクセルから投射された射線との交点を見つける。
【0029】
本発明の別の側面では、コンピュータによって読み出し可能なプログラム記憶装置を提供する。このプログラム記憶装置は、カテーテル先端を3次元空間で位置決定する方法を実施するようにコンピュータによって実行可能な命令のプログラムを実装する。
【実施例】
【0030】
本願で記載された本発明の実施例は一般的に、2次元透視画像から3次元でカテーテル先端を検出および位置決定するための方法およびシステムを含む。このことにしたがって、本発明は種々に変更および修正することができるが、ここでは、本発明の特定の実施形態を例として図面に示し、以下で詳細に説明する。しかしながら、本発明は開示された特定の形態に限定されるものではなく、逆に、本発明の思想および範囲の中に入るすべての変更形態、等価形態、および択一的形態を包摂するものであることを理解すべきである。
【0031】
ここで使用されているような「画像」ないし「イメージ」という用語は、離散的な画像要素(たとえば2D画像におけるピクセル、3D画像におけるボクセル)から成る多次元データを指す。画像は、例えば、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴撮像法、超音波、または、当業者に知られている他の任意の医用画像システムにより収集された被験者の医用画像であってよい。画像はまた、例えば、リモートセンシングシステム、電子顕微鏡などのような非医療関連のものから提供されるものであってもよい。画像はR3からRまでの関数と見なすこともできるが、本発明の方法はこのような画像に限定されるものではなく、2Dピクチャまたは3Dボリュームなどの任意の次元の画像に適用することができる。2次元画像または3次元画像では、画像の領域は典型的には、2次元または3次元の方形アレイであり、各ピクセルまたはボクセルは2つまたは3つの相互に直交する軸を基準として指定することができる。本願で使用される「デジタル」および「デジタル化される」という用語は適切には、デジタル取得システムを介して取得されたデジタル形式またはデジタル化された形式、またはアナログ画像からの変換によって取得されたデジタル形式またはデジタル化された形式の画像またはボリュームを指す。
【0032】
図2は、本発明の1つの実施形態によるカテーテル位置決定のためのシステムの一例のブロック図である。この図を参照すると、オンライン蛍光透視装置21から取得された透視画像系列の対22が入力される。透視画像系列のデータは、DICOMフォーマットとすることもできる。追跡アルゴリズム23が、2D透視画像系列においてカテーテル先端を検出し、ビルトインされた2Dテンプレートおよび3Dテンプレートのライブラリ24を使用してカテーテル先端の3D位置および3D方向を求める。追跡ソフトウェアは複数の透視画像対をバッチ処理し、各対の検出結果はファイルで記憶することができる。別個のイメージ融合コンポーネント25を使用して、この検出結果を可視化することができる。この融合コンポーネントはプラグインとして具現化することができ、透視画像系列対と相応の結果ファイルをロードし、このカテーテル先端を、たとえばDYNA CTデータ、CTデータまたはMRデータ等であるボリュームデータ26の3Dボリュームレンダリング表示およびMPR表示とともに表示することができる。
【0033】
本発明の1つの実施形態によるカテーテル検出アルゴリズムは、縮退された決定ツリーの構造に類似するカスケーディング構造を有する。カテーテル先端は透視画像のうちわずかな部分でしかないので、適切なアルゴリズムによって背景ピクセルを迅速に棄却しなければならない。このことを実現するためには、可能性のある先端候補に対してはT(真)を返すかまたは非カテーテルピクセルに対してF(偽)を返すクラシファイアの系列を使用する。簡単なクラシファイアを使用してピクセルの大部分を棄却した後により複雑なクラシファイアを呼び出すことにより、誤った肯定率を低くする。
【0034】
本発明の1つの実施形態による検出カスケードの一例の構造が、図3に示されている。初期のクラシファイア31が、非常に小さい処理によって多数の否定的ピクセルを消去する。次のレイヤ32,33,34がさらに否定的ピクセルを消去するが、ここではさらなる計算が必要とされる。このカスケード構造は、いずれの各々の画像内でも、否定的なピクセルが圧倒的に大部分であるという事実を反映している。このカスケードは、ごく早期の段階で可能な限り多くの否定的ピクセルを棄却することを目的とする。
【0035】
図4は、本発明の1つの実施形態によるカテーテル追跡のための検出カスケードの一例のフローチャートである。この図に示されているように、この実施形態による方法は5段階に分けることができる。この図を参照すると、第1段階41は前処理段階である。この段階では、所与の透視画像対の場合、各透視画像のサイズを標準化して背景を均質にする。次の段階42はカテーテル領域選択である。対応する画像の1つの対では、カテーテル本体のピクセルを単純な閾値比較によってセグメンテーションする。このことにより、平均的には、画像に含まれるピクセルのうち96%以上が除去される。カテーテル輪郭は画像系列対の各画像においてセグメンテーションされ、カテーテル本体の外側境界が抽出され、次の処理までに残るピクセルは約2%だけである。候補を選択するために、段階43で2次元テンプレートマッチングが行われる。各2D画像からの候補のリストから、カテーテル先端に一致する2Dテンプレートを適用することにより、画像系列対の各画像においてそれぞれ4つのトップ候補ピクセルを選択する。段階44で、3Dテンプレートマッチングを実施する。画像対のうち1つの画像のトップの4候補を、3Dテンプレートの2D投影像の系列と比較し、最も一致する2D投影像において、他方の画像に含まれる対応するピクセルを、エピ極線に沿って探索する。最も一致するものが、カテーテル先端であると見なされる。この一致によって、各2D画像面においてそれぞれ1つのピクセルのみが得られる。2D画像対において検出されたピクセルから、画像対におけるカテーテル先端の3D位置および3D方向を段階45で、バイプレーンCアームジオメトリから計算することができる。画像系列における相応の画像対それぞれに関して3D先端を位置決定することにより、カテーテル先端が動いた場合に該カテーテル先端を3D追跡することができる。上記の各段階の詳細を、以下で説明する。
【0036】
図15に、ステップ44で言及したエピ極線が示されている。エピ極線は、第1の画像に含まれるピクセル153と2つの画像の光学的中心151,152とによって定義された面の交線によって形成された第2の画像における線158である。光学的中心151を有する第1の画像のピクセルp153の場合、該光学的中心151が観察する3D点157は、遠端へ無限に延在する線155上にあり、第2の画像では相応の点154から延在する線156上にも存在する。このエピ極線の意味は、画像2で観察した場合、pで観察された3D点が該エピ極線上にあるはずであるということである。このことはエピ極定数として知られている。したがって、pに相応する第2の画像上の点から探索する場合には、画像全体を探索する代わりにエピ極線のみを探索すればよい。
【0037】
前処理:第1の段階41で、2つの透視画像系列がDICOMファイルから読み出されるか、またはオンライン装置から読み出される。本発明の1つの実施形態では、画像は8ビットグレースケールフォーマットに変換され、DICOM画像は、DICOMヘッダから得られたコリメータ設定にしたがってトリミングされる。8ビットフォーマットは一例であり、他のサイズのビットフォーマットも本発明の実施形態の範囲内である。トリミングされた画像は、以下のファクタによってスケーリングされる。
【0038】
scale=SIDref/SID×p/pref×0.5
ここでは、SIDはX線源から画像面までの距離であり、pは画像面上のピクセル間隔であり、SIDrefおよびprefは基準パラメータである。SID値およびp値が異なると、カテーテル先端のサイズは、異なる透視画像上では異なって見える。後続のテンプレートマッチングを簡略化して、必要とされる標準的なテンプレートを1つだけにするために、画像サイズをSIDおよびpにしたがって標準化する。本発明の1つの実施形態による標準的なテンプレートは、ステップ44において、基準パラメータSIDref=1050mmおよびpref=0.184mmを使用して生成される。ここでは本来の画像サイズは1024×1024ピクセルであるが、本発明の別の実施形態では、異なる画像サイズをサポートすることができる。処理時間を短縮すると同時に、検出率に及ぼされる影響を低減するためには、画像を0.5倍にサイズ変更する。
【0039】
本発明の1つの実施形態では、前処理において一時的な強調を行う。この一時的な強調は、画像対の系列において動く暗い構造体を強調すると同時に、他の構造体を未変更に維持する。このことは、図5(a)〜(b)に示されている。左側の図5(a)は本来のイメージであり、右側の図5(b)は一時的に強調されたイメージである。重みづけされた平均的イメージMが、1つの系列に含まれるすべてのフレームにおいて更新される。初めは、この平均的なイメージMは単に、系列Iに含まれる第1のフレームのブラー付きのイメージである。強調されたイメージは、本来のイメージより高輝度というわけではない。ピクセルが平均的イメージより暗い場合、本来のイメージからこの強度差が減算される。強調の一例は、次のように実施される:
=α・Mn−1+(1−α)×I
=blur(I
=I+min(I−M,0)
ここではα=0.8であり、Eは強調されたイメージである。ファントム系列を使用した実験、すなわち、非人間のファントムオブジェクトの透視画像系列を使用した実験から、一時的な強調によって検出率はわずかに改善される。というのも、動くカテーテル先端が強調されるからである。
【0040】
別の前処理技術に、バンドパスフィルタリングがある。ハイパス特性が強いバンドパスフィルタを適用することにより、背景と強調されたエッジとの間の差を除去してカテーテルの検出を容易にすることができる。2つのローパスフィルタの差から構築されたバンドパスフィルタが、実験的に良好なパフォーマンスを有することが実証されている。図6(a)〜(b)において、左側の図6(a)では本来の透視画像が示されており、右側の図6(b)ではバンドパスフィルタリングされた結果が示されている。この結果は、より均質な背景を有する。この画像フィルタは、良好なパフォーマンスを実現するために周波数領域で具現化することができる。
【0041】
カテーテル領域選択:ステップ42において、候補カテーテル領域を閾値比較によってセグメンテーションする。その際には、カテーテルがバンドパスフィルタ済みのイメージより暗く見えることを前提とする。図7(a)〜(e)は、本発明の1つの実施形態による候補ピクセルの選択段階を示す。バンドパスフィルタリングされたイメージの一例が図7(a)に示されており、該イメージの強度ヒストグラムが図7(b)に示されている。図7(b)に示されたフィルタリング済みのイメージのヒストグラムでは、カテーテルと背景との明確な分離は確認できず、単純な通常の分布が確認できる。したがって、前景を背景から分離する標準的な分離法は成功しないようである。選択されるピクセルの数に基づいて閾値を見つけることは、カテーテルがイメージを占有するパーセンテージに影響されやすい。本発明の1つの実施形態では、ヒストグラムの勾配を分析することによって閾値を選択することができる。図7(c)は、図7(b)のヒストグラムの勾配のグラフである。5〜30ピクセル/強度の範囲が、閾値を選択するのに適していることが判明している。図7(c)の勾配では、約15の勾配値に相応して、約100の閾値が選択される。図7(d)は、白色の領域が3つのカテーテルと何らかの背景ノイズを含む閾値イメージを示している。15ピクセルより小さいサイズの領域は除去される。
【0042】
閾値比較を適用した後、候補カテーテル領域のサイズをさらに縮小するために、内部のピクセルを除去して境界輪郭を生成することができる。というのもカテーテル先端は、選択された領域の境界線に近接しているはずであるからだ。図7(e)は、図7(d)から生成された輪郭を示しており、これらの輪郭は次に、2Dテンプレートマッチングによって分析される。
【0043】
次のステップで実施される2Dテンプレートマッチングを高速化するために、輪郭の垂線方向もこのステップで推定する。図8(a)〜(c)は、本発明の1つの実施形態による、2次元テンプレートマッチングに使用される垂線方向を示したものである。図8(a)に示されているように、2Dイメージ上のカテーテル先端方向が未知である場合、2Dテンプレート81を0°〜360°回転して、可能性のあるすべての方向を各輪郭ピクセルごとに検査しなければならない。図8(a)には、8つの異なる方向が示されている。各輪郭ピクセルで垂線方向が推定される。このことは、図8(b)において矢印によって示されている。この方向探索は、垂線方向近傍の範囲内に制限することができる。テンプレートマッチングは、推定された垂線方向の近傍に適用するだけでよい。図8(c)は、候補カテーテル先端の垂線に関して3方向でテストされるテンプレート82を示している。
【0044】
2Dテンプレートマッチング:2Dテンプレートは、カテーテルが画像面に対して平行である場合に構築される。最良の一致を見つけるためには、ステップ43で2Dテンプレートマッチングを各輪郭ピクセルにおいて実施する。こうするためには、推定された輪郭垂線方向の近傍において数個の方向を検査する。透視画像の線量と撮像される解剖学的構造とに依存して、2Dイメージにおけるカテーテル先端とその周辺の背景は、異なる強度値を有することが多い。このことによって、2Dテンプレートマッチングが、異なる透視画像系列にわたって比較可能なマッチングスコアを生成するのが困難になる。本発明の1つの実施形態では、イメージの1つのピクセルに関するイメージパッチを2値化することによってマッチングを簡略化する。この2値化は、バンドパスフィルタリングされたイメージに適用される。
【0045】
イメージパッチを2値化するための最適な局所的閾値を見つけるための手法例に、大津法(Otsu's method)がある。大津法は、クラス間分散

を最大化することによって、2つのガウシアンを分離する最適な閾値tを選択する。
【数1】

ここでは、Lはイメージグレーレベルの個数であり、

は以下のように定義される。
【0046】
【数2】

【0047】
ここでは、μは画像全体の平均強度であり、μは1つの区画の平均強度であり、μは別の区画の平均強度であり、ωは第1の区画の相対的な重みであり、ωは第2の区画の相対的な重みである。図9は、大津法によって2値化された結果に最も近いカテーテル先端近傍のイメージパッチの例を示す。
【0048】
図10に示された形状100である2Dテンプレートが、その先端を中心として回転される。このことは図中で矢印110によって示されている。特定の事前決定された方向で、たとえば15°の回転角度ごとに、2Dテンプレートと、2値化されたイメージパッチにおいて該2Dテンプレートに重なるピクセルとの間で相互相関が計算される。詳細には、2Dテンプレートに含まれるピクセルと、2値化されたイメージパッチに含まれる該2Dテンプレートに重なるピクセルとにおいて、2つのピクセルが同じ(黒色または白色)である場合に1を増分し、2つのピクセルが異なる場合には1を減分することにより、テンプレートマッチングスコアを計算する。
【0049】
各画像面において、最高の相互相関を有する候補ピクセルが4つずつ選択される。カテーテルが3Dで傾斜している場合、その先端は2Dテンプレートと非常に異なって見える場合がある。この場合、相互相関スコアは低くなるため、先端は前記4つの候補ピクセルのいずれにも存在しない可能性がある。しかし大抵は、先端は少なくとも1つの画像面では垂直に見え、両平面に所属する8つの候補ピクセルに存在する。傾斜したカテーテルの検出は、次のステップで説明する3Dテンプレートマッチングによって処理することができる。動きまたは画像ノイズに起因してカテーテルがブラーを有する場合、正確なカテーテル先端は前記候補ピクセルには存在しない可能性がある。図11(a)〜(b)は4つの先端候補の選択を示す。図11(a)は複数の候補ピクセルを示しており、これらは、輪郭から外側を指す矢印によって示されている。図11(b)は、最高の相互相関スコアを有するピクセルに相応する4つの矢印のみを示している。
【0050】
3Dテンプレートマッチング:多くの場合、カテーテル先端の2D投影像はしばしば、2Dテンプレートと異なって見える。しかし、投影ジオメトリにしたがえば、1つの画像面におけるカテーテル先端の形状は、別の画像面における形状に関連づけられる。2Dテンプレートマッチングは、このような関係を考慮しない。ステップ44の3Dテンプレートマッチングステップでは、3Dテンプレートを空間的に回転して2つの画像面に投影することにより、2つの2Dテンプレートを生成する。これら2つのカスタマイズされた2Dテンプレートは、2Dテンプレートマッチングステップで選択されたトップ候補のうちで最良の一致を見つけるのに使用される。
【0051】
3Dテンプレートは、透視画像がロードまたは処理される前に事前計算することができる。3Dテンプレートはまず、たとえば切除先端の直径、長さ等であるカテーテル仕様に基づいて構築されるか、または、前処理ステップに関して説明したような画像基準パラメータに基づいて構築されるか、または電極間の距離に基づいて構築される。またこのテンプレート構築では、透視画像上の2D投影像に、仕様に無い特徴が現れる可能性があることも考慮しなければならない。図12(a)〜(c)に、本発明の実施形態による3Dのテンプレートの構築イメージが示されている。図12(a)は透視画像におけるカテーテルの2D投影像を示しており、図12(b)は、仕様にある通りのカテーテルを示している。図12(a)に示された、切除先端と第2の電極との間の細い部分の長さおよび直径は仕様にない場合がある。図12(c)は、この情報を含む3Dカテーテルテンプレートを示す。
【0052】
この3Dテンプレートから、2Dテンプレートの系列が生成される。透視画像系列が予め取得される場合、この透視画像系列がロードされた後に前記テンプレートは生成される。というのも、3Dテンプレートマッチングを行うために2つの画像を関連づけるのに使用される取得角度は、DICOMヘッダ情報から得られるからである。画像がオンラインによってリアルタイムで取得される場合、取得角度は、画像が取得される前に既知になる。これらの2Dテンプレートは事前計算され、生成アルゴリズムは各時点で投影像を計算する代わりに、特定の3D方向に対応する2Dテンプレートを要求する。2Dテンプレートを事前計算するためには、3Dテンプレートを回転して球面座標でサンプリングする。
【0053】
図13(a)〜(b)に、3Dテンプレートの投影ジオメトリが示されている。図13(a)は、テーブル上のファントム患者131に対して、1つの画像面に関して設けられたCアームシステムを示している。1次角度αおよび2次角度γが0である場合、X線源管130はテーブルの下方にあり、X線を上方向に放射する。方向矢印132によって示された世界座標系における所与の3D位置はアイソセンタと称され、画像面上の該3D位置の投影像は以下のように表される:
【数3】

【0054】
行列

は、変換の系列の組み合わせである。
【0055】
【数4】

【0056】
ここではTは、局所的な座標系をアイソセンタからX線源まで移動する並進行列であり、y軸上のSODの距離は以下の通りである:
【数5】

【0057】
は、前記局所的な座標系をx軸を中心として90°回転する行列である。
【数6】

【0058】
は、前記局所的な座標系をz軸を中心として180°回転する行列である。
【数7】

【0059】
Pは投影行列である。
【数8】

【0060】
SIDはx線源から画像面までの距離であり、pはピクセル間隔であり、oおよびoは、アイソセンタを透過するX線を表すピクセル位置である。
【0061】
画像面Aは、任意の角度であるαおよびγによる回転R(α,γ)によって得られる。ここではR(α,γ)は以下の通りである:
【数9】

【0062】
全体の変換は、以下のように記述することができる:
平面Aでは、
【数10】

平面Bでは、
【数11】

【0063】
ここではTA→Bは、平面Aの3D座標系から平面Bへの4×4変換であり、これによってアイソセンタシフトが補償される。
【0064】
AおよびBの座標系間の関係は未知であるため、最小2乗法を使用してこの関係を計算することができる。平面Aに所属する2つの画像におけるランドマークの投影行列およびピクセル位置では、平面Aの座標系における該ランドマークの3D位置は、{p}、 i=1,2,...,Nによって構築および表現される。ここでは、Nはランドマークの数である。平面Bでも同様に、平面Bの座標系における前記ランドマークの3D位置は{p′}によって表される。平面AおよびBの座標系の剛体変換によって、{p}を{p′}に射影する。
【0065】
p’=Rp+T+n
Rは3×3の回転行列であり、Tは3×1の並進ベクトルであり、nは3×1のノイズベクトルである。最小2乗の問題によって、RおよびTを求めることができる。最小化すべき関数例に、以下のものがある:
【数12】

【0066】
係数wは、それぞれの対応に対する重みである。これがRおよびTに対して求められた後、行列TA→Bを構築することができる。
【0067】
最小2乗は、以下のようにして求められる。まず、{p}および{p′}の重心として

を定義する。これらは、以下の数式によって計算される:
【数13】

および
【数14】


であると仮定して、3×3行列Hを計算する。
【0068】
【数15】

【0069】
上付文字tは行列転位を表す。次に、H、H=UDVtの特異値分解を見つける。ここでは、UおよびVは3×3の直交行列であり、Dは対角行列である。その後、R=VUとしてRを計算し、行列式|R|を計算する。|R|=1である場合、回転行列は正しく計算されることになる。|R|=−1である場合、Rは鏡面変換(mirrored transformation)である。特異値のうち1つ、たとえばλが0である場合、回転行列に対する正しい解はR=V′Uとなるべきである。ここではV′は、Vの第3列の符号を変えることによって得られる。Hの特異値のうちどれも0でない場合、適切な解を得ることはできず、より良好な解を見つけるためにさらに別のデータが必要である。解が存在すると仮定すると、Tは
【数16】

として計算することができる。
【0070】
スクリーンに示される画像は、u軸の方向に鏡面変換されることに留意されたい。鏡面変換されたスクリーンの座標は、以下の通りである。
【数17】

【0071】
図13(b)に、サンプリングプロセスのジオメトリが示されている。このサンプリングプロセス中に、xy平面において−yから開始して角度rollをサンプリングし、yで終了し、角度pitchを−zから360°回転する。本発明の限定的でない1つの実施形態では、rollに関して0°〜180°において36個のサンプルが存在する。本発明の限定的でない別の実施形態では赤道上で、ピッチが約15°ごとにサンプリングされ、y軸および−y軸上で2つの極に近づくほどサンプリングレートが低減される。特定の方向で各サンプルごとに、角度rollおよびpitchを、3D方向と3Dテンプレートの投影像とともに記憶する。
【0072】
実際のテンプレートマッチングプロセス時には、画像面Aのサンプルの所与のrollおよびpitchに対して、画像面Bの相応のrollおよびpitchを求めることができる。画像面Aのサンプルは、双方向ルックアップテーブルを使用して、画像面Bのサンプルに関連づけされる。画像面Aの方向(d,d,d)に対しては、以下の数式を使用して画像面Bにおけるrollおよびpitchを計算することができる。
【0073】
まず(d,d,d)を世界座標系に変換する。
【0074】
xw=d
yw=−d
zw=−d
その後、(dxw,dyw,dzw)を画像面Bの座標系133に変換する。
【0075】
(d′xw,d′yw,d′zw)=RA→B×(dxw,dyw,dzw),
A→Bは、上記から画像面Aを画像面Bに変換する3×3の回転行列である。
【0076】
最後に(d′xw,d′yw,d′zw)を、3Dテンプレート投影ジオメトリによって定義された座標系に変換する。
【0077】
d′=d′xw
d′=−d′zw
d′=−d′yw
画像面Bにおける角度は、以下の数式によって得られる。
【0078】
roll′=cos−1(−d′
pitch′=tan−1(−d′/d′
【0079】
本発明の1つの実施形態では、先行の2Dテンプレートマッチングから得られた8つの候補のうち4つのトップ候補に対して、3Dテンプレートマッチングを施す。この候補数は一例であって本発明を限定するものではなく、本発明の別の実施形態では異なる数の候補に対してテンプレートマッチングを施すことができる。各候補ピクセルは、他方の画像において対応するピクセルを有する。このピクセルは、候補ピクセルのエピ極線周辺の領域を走査することによって見つけることができる。1つの画像面からの候補を4つずつとすることもできる。図14(a)〜(b)に、エピ極線に沿って、陰影の帯状部分によって限定された輪郭ピクセルにおいて、対応するピクセルをどのように探索するかが示されている。図14(a)は2つの候補ピクセルを示しており、図14(b)は、エピ極線に集中しており各候補ピクセルに対応する相応の陰影の帯状部分を示している。本発明の1つの実施形態では、帯状部分の幅は本来の分解能では30ピクセルであり、これは、トリミングおよびサイズ変更された画像における約15ピクセルに相応する。
【0080】
各候補ピクセルと、他方の画像面において対応するピクセルとに対し、異なる方向から投影されたテンプレートを使用してテンプレートマッチングを行う。事前計算されたルックアップテーブルに含まれるすべてのテンプレート対を使用する。候補ピクセルが最高のテンプレートマッチングスコアを有する場合、この候補ピクセルをカテーテル先端であると見なす。最高スコアに達したテンプレートから、カテーテル先端の3D方向が求められる。
【0081】
3D再構築:ステップ45において先端の3D位置を求める。図16に、カテーテル先端の3D位置の計算が示されている。ここで図16を参照すると、カテーテル先端を両画像161,162において検出した後、各平面内のピクセルから無限に延在する2つの射線163,164の交点165から、該カテーテル先端の3D位置を求めることができる。較正エラーおよび検出エラーに起因して、これらの射線は画像166に示されているように、3D空間において正確に交差しない。本発明の1つの実施形態では、カテーテル位置を、2つの射線が最接近する場所の該2つの射線間の中間点167として定義する。
【0082】
画像融合:検出されたカテーテル先端を、3DボリュームおよびMPRレンダリングと融合することができる。図17に、DynaCTデータとの画像統合例が示されている。上方の2つの観察面は、バイプレーン透視画像を示している。矢印171,172はカテーテル先端の2D方向を示しており、矢印の基点はカテーテル先端にある。下方の左側の表示面は、カテーテル先端とMRP画像とを重ね合わせたものである。下方の右側の表示面は、カテーテル先端の3DモデルをDynaCTデータのボリュームレンダリングと一緒に表示している。ここでは、対象物はDynaCT再構築と透視画像取得との間に動かないので、画像レジストレーションは必要ないことを前提とする。対象物が動くのは、3Dボリュームが術前のCTデータまたはMRデータから取得される場合に起こるが、対象物が動いた場合には画像レジストレーションを実施して、画像融合を行えるようにしなければならない。
【0083】
本発明の別の実施形態によるアルゴリズムを、モノプレーンシステムに適用することができる。単一平面を1つの角度で1回位置決定することにより、上記の方法を使用してカテーテルを3Dで検出することができる。この場合、モノプレーン装置が2つの異なる角度から画像を取得する間、カテーテルを定常位置に維持しなければならない。
【0084】
本願の開示内容で記載されたパラメータは、特定のテスト用の画像で有用であることに留意すべきである。これらのパラメータは一例であって本発明を限定するものではなく、本発明の別の実施形態では、異なる画像サイズおよびコントラストを有する異なる画像に対してパラメータ値を調整することができる。
【0085】
システム構成:本発明の実施形態は、種々の形態のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、特殊用途の処理で実現でき、またこれらの組み合わせで実現できることを理解すべきである。1つの実施形態では、本発明をコンピュータ可読プログラム記憶装置上に実装されたアプリケーションプログラムとしてソフトウェアで具現化することもできる。このアプリケーションプログラムは任意の適切なアーキテクチャを持つマシンにアップロードし、該マシンによって実行することができる。
【0086】
図18は、本発明の1つの実施形態による、カテーテル先端位置決定方法を実施するためのコンピュータシステム例のブロック図である。ここで図18を参照すると、本発明を実施するためのコンピュータシステム181は、とりわけ中央処理ユニット(CPU)182と、メモリ183と、入出力(I/O)インタフェース184とを有する。コンピュータシステム181は全般的に、I/Oインタフェース184を介してディスプレイ185および種々の入力装置186、例えばマウスやキーボードと接続されている。補助回路としては、キャッシュ、電源、クロック回路、及び通信バスのような回路を含んでいてよい。メモリ183はランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ディスク駆動装置、テープ駆動装置等またはそれらの組み合わせを含みうる。本発明をメモリ183に記憶されているルーチン187として実現し、信号ソース188からの信号を処理するCPU182によって実行することができる。また、計算装置181は汎用コンピュータシステムであるが、本発明のルーチン187を実行する場合には特定用途向けコンピュータシステムにもなる。
【0087】
コンピュータシステム181はオペレーティングシステムおよびマイクロ命令コードも有する。本明細書に記載された様々なプロセスや機能はマイクロ命令コードの一部であってもよいし、オペレーティングシステムを介して実行されるアプリケーションプログラム(またはこれらの組合せ)の一部であってもよい。加えて、他の様々な周辺機器を、付加的なデータ記憶装置や印刷装置のようなコンピュータプラットフォームに接続してもよい。
【0088】
さらに、構成要素であるシステムコンポーネントと添付図面に描かれた方法ステップのうちのいくつかはソフトウェアとして実施することができるので、システムコンポーネント(又はプロセスステップ)間の実際の接続は本発明のプログラムの仕方に応じて異なりうる。本明細書において開示されている本発明の思想が提供されれば、当業者であれば本発明の実施形態またはコンフィギュレーションと類似するものを推考できる。
【0089】
有利な実施形態を参照して本発明を詳細に説明してきたが、当業者には、添付された請求項において示されている本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な変更及び置き換えを為しうることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の1つの実施形態によるX線ベースのカテーテル位置決定を行うための装置の概略図である。
【図2】本発明の1つの実施形態によるカテーテル位置決定を行うためのシステム例のブロック図である。
【図3】本発明の1つの実施形態による検出カスケードの一例の構造を示す。
【図4】本発明の1つの実施形態によるX線ベースのカテーテル追跡を行うための検出カスケードの一例のフローチャートである。
【図5】本発明の1つの実施形態による、強調されて前処理された一時的な画像の効果を示す。
【図6】本発明の1つの実施形態によるバンドパスフィルタ前処理の効果を示す。
【図7】本発明の1つの実施形態による候補ピクセル選択画像を示す。
【図8】本発明の1つの実施形態による2次元テンプレートマッチングにおける垂線方向を示す。
【図9】本発明の1つの実施形態によるカテーテル先端近傍のイメージパッチの例と、これらのイメージパッチの2値化されて得られたイメージの例とを示す。
【図10】本発明の1つの実施形態によるカテーテル先端を中心とする2Dテンプレートの回転のイメージを示す。
【図11】本発明の1つの実施形態による、輪郭ピクセルからのトップ候補の選択のイメージを示す。
【図12】本発明の1つの実施形態による3Dテンプレートの構築イメージを示す。
【図13】本発明の1つの実施形態による3Dテンプレート投影ジオメトリの一例を示す。
【図14】本発明の1つの実施形態によるエピ極線近傍の関連のピクセルの探索を示す。
【図15】本発明の1つの実施形態によるエピ極線の定義を示す。
【図16】本発明の1つの実施形態による、3Dでのカテーテル先端の位置決定を示す。
【図17】本発明の1つの実施形態による、DynaCTデータへのカテーテル先端のイメージ融合を示す。
【図18】本発明の1つの実施形態による、カテーテル先端位置決定方法を実施するためのコンピュータシステム例のブロック図である。
【符号の説明】
【0091】
10 ボリューム領域
11,12 X線源
13,14 X線
15 カテーテル
16 カテーテル先端
17,18 モニタ
130 X線源管
131 ファントム患者
132 アイソセンタ
151,152 光学的中心
161,162 画像
167 2つの射線間の中間点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル先端を3次元空間で位置決定する方法において、
異なる観察角度から取得されたカテーテルの2次元のX線透視画像の系列の対を供給し、各X線透視画像は、ピクセルの2Dグリッドで定義された複数の強度を有するステップと、
画像強度ヒストグラム勾配を閾値比較することによって相応の画像の対において1つまたは複数のカテーテル領域をセグメンテーションするステップと、
これらのピクセルのうちでカテーテル領域の内部にあるピクセルを除去してカテーテル輪郭を生成するステップと、
該カテーテル輪郭をカテーテルの2Dテンプレートにマッチングし、複数の候補カテーテル先端ピクセルを選択するステップと、
該画像の対における該候補カテーテル先端ピクセルのうち少なくとも幾つかの候補カテーテル先端ピクセルを、カテーテル先端の3Dテンプレートの2D投影像にマッチングし、最も一致する候補カテーテル先端ピクセルをカテーテル先端として選択するステップと、
該カテーテル先端の3D位置を2つの射線の交点から検出し、該2つの射線のうち1つは、該画像の対のうち1つの画像において選択されたピクセルから投射し、他方の射線は、該画像の対の他方の画像にある関連のピクセルから投射するステップ
とを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記画像のサイズを標準化し、該画像系列の対の各画像において画像背景を均質化する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記画像背景を均質化する際に、
平均的イメージを、前記画像系列のうち1つの画像系列のブラー付きの第1の画像として初期化し、
該平均的イメージを、該画像系列におけるすべての画像にわたって、
=α・Mn−1+(1−α)・I
にしたがって更新し、
ここではIはn番目の画像であり、Mはn番目の平均的イメージであり、αは重みづけ係数であり、
強調されたイメージEを、E=I+min(I−M,0)から計算する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記画像背景を均質化する際に、バンドパスフィルタを画像に適用する、請求項2記載の方法。
【請求項5】
各カテーテル輪郭に沿った垂線方向を推定する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
各カテーテル輪郭を2Dカテーテルテンプレートにマッチングする際に、
該カテーテル輪郭周辺のイメージの領域を2値化し、
該2Dカテーテルテンプレートを、カテーテル輪郭に沿った推定垂線方向にしたがって方向決定し、
該2Dカテーテルテンプレート内の各ピクセルと2値化されたイメージ領域内でオーバーラップするピクセルとが同じである場合には相互相関スコアを増加し、両ピクセルが異なる場合には相互相関スコアを減少することにより、両ピクセルの相互相関を計算し、最良の相互相関スコアを有するピクセルを選択する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記2Dテンプレートを、前記推定前記垂線方向に近い方向に適用する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
候補カテーテル先端ピクセルを3Dカテーテルテンプレートの2D投影像にマッチングする際に、
前記3Dカテーテルテンプレートの事前計算された複数の2D投影像を、前記画像のうち1つの画像における該候補カテーテル先端ピクセルと、他方の画像に存在し該候補カテーテル先端ピクセルに対応するピクセルとに適用し、
該2D投影像における各ピクセルと候補カテーテル先端領域に存在しオーバーラップするピクセルとが同じである場合、相互相関スコアを増加し、両ピクセルが異なる場合には相互相関スコアを減少することにより、両ピクセル間の相互相関を計算し、最良の相互相関スコアを有するピクセルを前記カテーテル先端として選択する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記他方の画像において前記候補カテーテル先端ピクセルのエピ極線周辺の領域を探索することにより、該他方の画像に存在し該候補カテーテル先端ピクセルに対応するピクセルを見つける、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記3Dカテーテルテンプレートの2D投影像を事前計算するために、
該3Dカテーテルテンプレートを−yからyまでの第1の角度によって180°回転し、
該3Dカテーテルテンプレートを−zから開始する第2の角度によって360°回転し、該2D投影像をルックアップテーブルに記憶する、請求項8記載の方法。
【請求項11】
1つの画像における候補ピクセルの最良の相互相関スコアによって、2D投影像の第1の角度および第2の角度を求め、
該1つの画像の座標系を前記他方の画像の座標系に変換することにより、該他方の画像に関する該2D投影像の対応する第1の角度および第2の角度を求める、請求項10記載の方法。
【請求項12】
検出された前記カテーテル先端を、ボリュームレンダリングまたは多断層再構成レンダリングされた画像に融合する、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記2つの射線が交差していない場合、該2つの射線が相互に最接近する場所における該2つの射線間の中間点を3D先端位置として選択する、請求項1記載の方法。
【請求項14】
カテーテル先端を3次元空間で位置決定する方法において、
異なる観察角度から取得されたカテーテルの処理された2次元のX線透視画像の対を供給し、該X線透視画像はそれぞれこの時点では、該カテーテルをセグメンテーションするために既に処理されているステップと、
該カテーテル周辺のイメージ領域を2値化し、2Dカテーテルテンプレートを該カテーテルの推定垂線方向にしたがって方向決定するステップと、
2Dテンプレートに含まれる各ピクセルと2値化された該イメージ領域に含まれるオーバーラップするピクセルとが同じである場合には相互相関スコアを増加し、両ピクセルが異なる場合には相互相関スコアを減少することにより、両ピクセルの相互相関を計算し、最良の相互相関スコアを有するピクセルを候補カテーテル先端ピクセルとして選択するステップと、
3Dカテーテルテンプレートの事前計算された複数の2D投影像を、該画像のうち一方の画像における候補ピクセルと他方の画像に含まれ該候補ピクセルに関連するピクセルとに適用するステップと、
2D投影像に含まれる各ピクセルと候補先端領域に含まれるオーバーラップするピクセルとの間の相互相関を計算し、最良の相互相関スコアを有するピクセルをカテーテル先端ピクセルとして選択するステップと、
該カテーテル先端の3D位置を、該2つの画像それぞれにおける該カテーテルの2D位置から検出するステップ
とを有することを特徴とする方法。
【請求項15】
各画像を画像系列から取得し、
各画像には、ピクセルの2Dグリッド上で定義された複数の強度が含まれる、請求項14記載の方法。
【請求項16】
各画像を前処理して、該画像のサイズを標準化し、該画像系列の対の各画像において画像背景を均質化する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記カテーテルをセグメンテーションするステップで、画像強度ヒストグラム勾配を閾値比較する、請求項14記載の方法。
【請求項18】
カテーテル領域内部のピクセルを除去し、カテーテル輪郭を生成する、請求項14記載の方法。
【請求項19】
前記カテーテル先端の3D位置を検出するステップにおいて、
前記画像対の1つの画像における選択されたピクセルから投射された射線と、該画像対の他方の画像において対応するピクセルから投射された射線との交点を見つける、請求項14記載の方法。
【請求項20】
コンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置において、
カテーテル先端を3次元空間で位置決定する方法のステップを実施するための、コンピュータによって実行可能な命令のプログラムを実装し、
該方法は、
異なる観察角度から取得されたカテーテルの2次元のX線透視画像の系列の対を供給し、各X線透視画像は、ピクセルの2Dグリッドで定義された複数の強度を有するステップと、
画像強度ヒストグラム勾配を閾値比較することによって相応の画像の対において1つまたは複数のカテーテル領域をセグメンテーションするステップと、
カテーテル領域内部にあるピクセルを除去してカテーテル輪郭を生成するステップと、
該カテーテル輪郭をカテーテルの2Dテンプレートにマッチングし、複数の候補カテーテル先端ピクセルを選択するステップと、
該画像の対における該候補カテーテル先端ピクセルのうち少なくとも幾つかの候補カテーテル先端ピクセルを、カテーテル先端の3Dテンプレートの2D投影像にマッチングし、最も一致する候補ピクセルをカテーテル先端として選択するステップと、
該カテーテル先端の3D位置を2つの射線の交点から検出し、該2つの射線のうち1つは、該画像の対のうち1つの画像において選択されたピクセルから投射する、他方の射線は、該画像の対の他方の画像にある関連のピクセルから投射するステップ
とを有することを特徴とする、コンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置。
【請求項21】
前記方法は、前記画像のサイズを標準化し、前記画像系列の対の各画像において画像背景を均質化する、請求項20記載のコンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置。
【請求項22】
前記画像背景を均質化する際に、
平均的イメージを、前記画像系列のうち1つの画像系列のブラー付きの第1の画像として初期化し、
該平均的イメージを、該画像系列におけるすべての画像にわたって、
=α・Mn−1+(1−α)・I
にしたがって更新し、
ここではIはn番目の画像であり、Mはn番目の平均的イメージであり、αは重みづけ係数であり、
強調されたイメージEを、E=I+min(I−M,0)から計算する、請求項21記載のコンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置。
【請求項23】
前記画像背景を均質化する際に、バンドパスフィルタを画像に適用する、請求項21記載のコンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置。
【請求項24】
前記方法において、各カテーテル輪郭に沿った垂線方向を推定する、請求項20記載のコンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置。
【請求項25】
各カテーテル輪郭を2Dカテーテルテンプレートにマッチングする際に、
該カテーテル輪郭周辺のイメージ領域を2値化し、
該2Dカテーテルテンプレートを、カテーテル輪郭に沿った推定垂線方向にしたがって方向決定し、
2Dテンプレート内の各ピクセルと2値化された該イメージ領域内でオーバーラップするピクセルとが同じである場合には相互相関スコアを増加し、両ピクセルが異なる場合には相互相関スコアを減少することにより、両ピクセルの相互相関を計算し、最良の相互相関スコアを有するピクセルを選択する、請求項24記載のコンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置。
【請求項26】
前記方法において、前記2Dテンプレートを、前記推定垂線方向に近い方向に適用する、請求項25記載のコンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置。
【請求項27】
候補カテーテル先端ピクセルを3Dカテーテルテンプレートの2D投影像にマッチングする際に、
前記3Dカテーテルテンプレートの事前計算された複数の2D投影像を、前記画像のうち1つの画像における該候補カテーテル先端ピクセルと、他方の画像に存在し該候補カテーテル先端ピクセルに対応するピクセルとに適用し、
該2D投影像における各ピクセルと候補カテーテル先端領域に存在しオーバーラップするピクセルとが同じである場合、相互相関スコアを増加し、両ピクセルが異なる場合には相互相関スコアを減少することにより、両ピクセル間の相互相関を計算し、最良の相互相関スコアを有するピクセルを前記カテーテル先端として選択する、請求項20記載のコンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置。
【請求項28】
前記他方の画像において前記候補カテーテル先端ピクセルのエピ極線周辺の領域を探索することにより、該他方の画像に存在し該候補カテーテル先端ピクセルに対応するピクセルを見つける、請求項27記載のコンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置。
【請求項29】
前記3Dカテーテルテンプレートの2D投影像を事前計算するために、該3Dカテーテルテンプレートを−yからyまでの第1の角度によって180°回転し、該3Dカテーテルテンプレートを−zから開始する第2の角度によって360°回転し、該2D投影像をルックアップテーブルに記憶する、請求項27記載のコンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置。
【請求項30】
前記方法において、1つの画像における候補ピクセルの最良の相互相関スコアによって、2D投影像の第1の角度および第2の角度を求め、
該1つの画像の座標系を前記他方の画像の座標系に変換することにより、該他方の画像に関する該2D投影像の対応する第1の角度および第2の角度を求める、請求項29記載のコンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置。
【請求項31】
前記方法において、検出された前記カテーテル先端を、ボリュームレンダリングまたは多断層再構成レンダリングされた画像に融合する、請求項20記載のコンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置。
【請求項32】
前記2つの射線が交差していない場合、該2つの射線が相互に最接近する場所における該2つの射線間の中間点を3D先端位置として選択する、請求項20記載のコンピュータ読み出し可能なプログラム記憶装置。

【図4】
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【図15】
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【図18】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−296341(P2007−296341A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−118722(P2007−118722)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(593063105)シーメンス メディカル ソリューションズ ユーエスエー インコーポレイテッド (156)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Medical Solutions USA,Inc.
【住所又は居所原語表記】51 Valley Stream Parkway,Malvern,PA 19355−1406,U.S.A.
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】