説明

Z運動用顕微鏡スライド取付け部材

Z軸方向移動が可能な顕微鏡スライド取付け部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する相互参照
本出願は、2006年8月4日に出願された米国仮出願第60/821,538号の優先権を主張するものであり、該出願は言及したことにより全体的に本明細書中に援用される。本明細書において引用される全ての文献およびそれらの言及文献は、付加的もしくは代替的な詳細、特徴および/または技術的背景の教示に対して適切である場合、言及したことにより本明細書中に援用される。
発明の背景
本発明は概略的に、自動式顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
習用の光学的顕微鏡検査法は概略的に、生物学的サンプルが固着された顕微鏡スライドと、細胞、核などの関心構造を吟味する際に上記生物学的サンプルの複数の個別領域に焦点合わせすべく使用される単一の対物レンズとを採用する。顕微鏡は歴史的に、接眼鏡、鏡筒、および、対物レンズなどの光学的部分と;腕部、関節部および脚部から構成されるフレーム;および、視認のために上記顕微鏡スライドが位置される平坦な表面を有する載荷台と;から構成されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】なし
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光学機器は検査される対象物の一切の不安定性を増大することから、スライドの安定性は、載荷台に対してスプリング・クランプ状のフィンガを組み付けることで達成されてきた。上記フィンガは、スライドに対して圧力を加えることにより、それを載荷板に対して堅固に保持する。この方法は最低限の効果を有するが、Z軸におけるスライドの再位置決めは可能ではなかった、と言うのも、載荷台は、典型的にフレームに対して取付けられ又はそれに対して鋳込まれるからである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示された実施例は、以下のものを包含する:
【0007】
当該基部プレート上に直交して取付けられた少なくとも一本の案内ピンと、一方の縁部に沿う基部レールとを有する基部プレートと、
取付け表面と駆動表面とを有すると共に、上記取付け表面にて上記基部プレートに対して取付けられた圧電モータと、
上記少なくとも一本の案内ピンに対して係合すべく作用的に構成された少なくともひとつのスロットであって当該傾斜された第1基台における該スロットの方向において該スロットに沿う移動を許容すべく作用的に構成された少なくともひとつのスロットを有する傾斜された第1基台であって、該傾斜された第1基台は上記圧電モータ駆動表面と上記基部レールとの間に位置され、且つ、該傾斜された第1基台は上記圧電モータ駆動表面が起動されたときに上記基部プレート上を摺動可能である、という傾斜された第1基台と、
上記傾斜された第1基台に対して対向傾斜接触すべく対応して傾斜された第2基台であって、該傾斜された第2基台は第2基台頂部表面および第2基台底部表面を有し、上記第2基台底部表面は、上記傾斜された第1基台が上記基部プレート上を摺動するときに上記基部案内ピンの回りにおける垂直変位を許容するために上記基部案内ピンを受容すべく構成された凹所を有する、という傾斜された第2基台と、を備えて成る、
可変高度式の顕微鏡スライド載荷台。
【0008】
頂部表面と底部表面とを有するベースプレートであって、該ベースプレートは、2つの平行な側辺と、前辺と、後辺とを有すると共に、該ベースプレートの上記頂部表面に対して直交して取付けられた少なくとも一本のピンを有するというベースプレートと、
上記ベースプレートの上記頂部表面の上記平行な側辺に沿い位置され且つそれらの間にチャネルを画成する第1および第2レールであって、該第1レールは上記ベースプレートに対して固定的に取付けられ、且つ、上記第2レールは上記ベースプレート上の上記ピンの位置に対応する少なくともひとつの凹所を該第2レール内に有し、且つ、該第2レールは上記ピンに関して上記ピンの回りで水平変位を許容すべく構成されるという第1および第2レールと、
上記ベースプレートに対して枢動接続されたレバーであって、第2方向ではなく第1方向に枢動されたときに上記第2レールの表面に対して衝当し且つ該第2レールに対して水平な変位力を提供すべく作用的に構成されたレバーとを備えて成る、
スプリング張力式の顕微鏡スライド・ホルダ。
【0009】
実施例は図面により例示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】中立位置におけるZ軸調節可能スライド・ホルダを示す簡略図である。
【図2】対置された各楔状部材の内の下側部材に対するプレートの変位であって正のZ軸方向移動に帰着するという変位を示す図である。
【図3】対置された各楔状部材の側方変位であって負のZ軸方向運動に帰着するという側方変位を示す図である。
【図4】対置された各楔状部材の内の下側部材を示す図である。
【図5】基部、モータおよび摩擦表面プレートを示す図である。
【図6】顕微鏡スライド・ホルダの平面図である。
【図7】可動縁部案内部分が前進されて顕微鏡スライドに当接しているという顕微鏡スライド・ホルダを示す図である。
【図8】可動縁部案内部材の代替実施例を示す図である。
【図9】可動縁部案内部材上の処理済み表面を示す図である。
【図10】スライド・ホルダ垂直軸心方向用アクチュエータの取付けの可能的配置を示す図である。
【図11】交換可能な可動縁部案内部材を示す図である。
【図12】Z軸調節可能スライド・ホルダを示す簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
Z運動用顕微鏡スライド取付け部材は直接的駆動を採用することで、駆動列のバックラッシュ、一貫しないギヤ歯噛合、ギヤ列の不正確さ、および、駆動ベルトの弾性の不規則性を排除するが、これらは代替的な手法を阻害するものである。これに加え、開示された実施例は、駆動モータの不都合な影響およびギヤ列の慣性を排除する一方、位置エンコーダの大きな分解能を提供する。
【0012】
上記スライド取付け部材は、直立および反転の顕微鏡検査法の両方をサポートし得る。この特徴は、たとえば出生前診断および癌診断に対して非常に重要な処置である単一細胞のゲノム増幅のための細胞の微細解離および取出しに対して非常に重要である。上記Z運動用顕微鏡スライド取付け部材から導かれる付加的な利点は、埋設されたセンサにより振動を検知して振動条件下で顕微鏡検査を許容することである。
【0013】
図1を参照すると、中立位置に在るZ軸調節可能スライド・ホルダの実施例の斜視図が開示される。
【0014】
図1に示された如く顕微鏡スライド40は、該スライドが2つの当該案内部材間に挟持され且つ繋止レバー25により所定位置へと掛止される如く、調節可能な繋止用の縁部案内部材30により対向されるべく固定された縁部案内部材35を有するプレート20の上側表面上へと装填される。垂直方向に対置された2つの楔状部材の頂部部材であるプレート20は下側楔部材15により対向されることから、対置された楔状部材の該下側部材が基部10上で側方に移動するときに顕微鏡スライドの高さは該基部に対して変化する。
【0015】
図2に示された如く、対置された各楔状部材の内の下側部材15の運動は、たとえば、対置された各楔状部材の内の該下側部材15に対して堅固に取付けられた摩擦表面プレート50に対する先端55の接触を提供する様式で基部10に対して堅固に取付けられた圧電モータ45により処理される。摩擦表面プレート50の取付けは、2つの楔部材15および20間における側方移動の自由度を許容する如きである。対置された各楔状部材の内の上側部材20に対する、対置された各楔状部材の内の下側部材15の側方運動であって、対向距離を増大する方向における側方運動は、図1に見られる中立位置に対する正のZ軸方向移動へと変換される。
【0016】
図3に示された如く、2つの対置された楔状部材15および20の逆方向への運動であって対向距離を減少する方向における運動は、図1に見られる中立位置に対する負のZ軸方向移動へと変換される。
【0017】
図4を参照すると、対置された各楔状部材の内の下側部材15であって顕微鏡スライドの低位側のZ軸位置における下側部材15を示す図において、対置された各楔状部材の相互に対するひとつの可能的関係、および、上記基部に対する各対置楔状部材の可能的関係を示すべく、対置された各楔状部材の内の上記上側部材は、それらの縁部案内部材、スライドおよび繋止レバーと共に省略される。
【0018】
基部10に対する(不図示の)スライド40のZ軸方向における変化に帰着するという各対置楔状部材の内の下側部材15の移動は、たとえば、一端にては上記基部に対して作用的に接続され且つ逆端部にては2つの対置楔状部材の内の上記上側部材に対して作用的に接続された2本のピン60を使用して、2つの対置楔状部材の内の(同様に不図示の)上側部材20を静止的に維持することにより達成される。各対置楔状部材の内の下側部材15内に保持された磁石65は、各楔部材を相互に対し且つ上記下側部材を基部10に対して接近して維持する弾性的な吸引力を提供する。2つの対置楔状部材の内の上側部材20は、自身内に(不図示の)ミューメタルの区画を含むことで、スライド10上に保持されたサンプルに対する上記磁石65の可能的な影響を低減もしくは排除し得る。
【0019】
図5は、下側部材15が更に高位の顕微鏡スライドZ軸位置に在る如き、基部10、モータ45、先端55、摩擦表面プレート50、各対置楔状部材の内の下側部材15、および、ピン60の別の概観を示している。
【0020】
図6の俯瞰斜視図においては、顕微鏡スライド・ホルダの代替実施例が示される。スライド40は、一体的な縁部案内部材31および36を有するスライド・ホルダ・プレート21の表面上に部分的に装填されて示される。所定位置への上記スライドの繋止は、現在は縮動され且つレバー25により起動される可動縁部案内部分32により達成される。プレート21は取付け部材70に対して取付けられ、アクチュエータ75は垂直運動を該取付け部材から顕微鏡スライド40に対して伝達する。
【0021】
図7は図6における上記顕微鏡スライド・ホルダの代替的な概観であり、可動縁部案内部分32はレバー25により此処まで進められて顕微鏡スライド縁部に当接され、且つ、該可動縁部案内部分は、反対側のスライド縁部にて一体的な縁部案内部材36により対向されている。
【0022】
図8には可動縁部案内部材の代替実施例33および33’が示され、可動縁部案内部材33’は案内部材33の回転像である。図9に示された付加的な変更例は、たとえば、可動縁部案内部材34および34’上の夫々の処理済み表面38および39を例証している。たとえば可動縁部案内部材37は表面処理を有さないが、該可動縁部案内部材の代替的概観37’は、底部側の表面輪郭における変更例を示している。
【0023】
図6に加えて図10は、取付けブラケット80に対するスライド・ホルダ垂直軸心方向用アクチュエータ75の取付けの可能的配置を示している。この実施例においてスライド・ホルダ21は、交換可能な縁部案内部材35、および、図11にも示された交換可能かつ移動可能な縁部案内部材30を利用している。
【0024】
好適実施例に関する陳述
本発明は好適実施例に関して記述されたが、当業者であれば、本発明に対しては添付の各請求項により定義された本発明の精神または有効範囲から逸脱せずに種々の変更および/または改変が為され得ることを容易に理解し得よう。
【符号の説明】
【0025】
10 基部
15 下側楔部材
20 上側部材
21 スライド・ホルダ・プレート
25 繋止レバー
30 縁部案内部材
31 一体的な縁部案内部材
32 可動縁部案内部分
33、33’ 可動縁部案内部材
34、34’ 可動縁部案内部材
35 縁部案内部材
36 一体的な縁部案内部材
37 可動縁部案内部材
38、39 処理済み表面
40 顕微鏡スライド
45 圧電モータ
50 摩擦表面プレート
55 先端
60 ピン
65 磁石
70 取付け部材
75 スライド・ホルダ垂直軸心方向用アクチュエータ
80 取付けブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該基部プレート上に直交して取付けられた少なくとも一本の案内ピンと、一方の縁部に沿う基部レールとを有する基部プレートと、
取付け表面と駆動表面とを有すると共に、上記取付け表面にて上記基部プレートに対して取付けられた圧電モータと、
上記少なくとも一本の案内ピンに対して係合すべく作用的に構成された少なくともひとつのスロットであって当該傾斜された第1基台における該スロットの方向において該スロットに沿う移動を許容すべく作用的に構成された少なくともひとつのスロットを有する傾斜された第1基台であって、該傾斜された第1基台は上記圧電モータ駆動表面と上記基部レールとの間に位置され、且つ、該傾斜された第1基台は上記圧電モータ駆動表面が起動されたときに上記基部プレート上を摺動可能である、という傾斜された第1基台と、
上記傾斜された第1基台に対して対向傾斜接触すべく対応して傾斜された第2基台であって、該傾斜された第2基台は第2基台頂部表面および第2基台底部表面を有し、上記第2基台底部表面は、上記傾斜された第1基台が上記基部プレート上を摺動するときに上記基部案内ピンの回りにおける垂直変位を許容するために上記基部案内ピンを受容すべく構成された凹所を有する、という傾斜された第2基台と、を備えて成る、
可変高度式の顕微鏡スライド載荷台。
【請求項2】
頂部表面と底部表面とを有するベースプレートであって、該ベースプレートは、2つの平行な側辺と、前辺と、後辺とを有すると共に、該ベースプレートの上記頂部表面に対して直交して取付けられた少なくとも一本のピンを有するというベースプレートと、
上記ベースプレートの上記頂部表面の上記平行な側辺に沿い位置され且つそれらの間にチャネルを画成する第1および第2レールであって、該第1レールは上記ベースプレートに対して固定的に取付けられ、且つ、上記第2レールは上記ベースプレート上の上記ピンの位置に対応する少なくともひとつの凹所を該第2レール内に有し、且つ、該第2レールは上記ピンに関して上記ピンの回りで水平変位を許容すべく構成されるという第1および第2レールと、
上記ベースプレートに対して枢動接続されたレバーであって、第2方向ではなく第1方向に枢動されたときに上記第2レールの表面に対して衝当し且つ該第2レールに対して水平な変位力を提供すべく作用的に構成されたレバーとを備えて成る、
スプリング張力式の顕微鏡スライド・ホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−545782(P2009−545782A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523911(P2009−523911)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/075125
【国際公開番号】WO2008/019296
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(504133615)イコニシス インコーポレーテッド (12)
【Fターム(参考)】