説明

エネルギー物質検出器

爆発物のようなエネルギー物質を検出する方法は、エネルギー物質の粒子を含むサンプルエリアを付勢することを含む。この方法では、サンプルエリアからの温度特性が監視され、そして粒子の発熱分解から放出された温度が検出される。この方法は、更に、検出された温度を分析して、分解を生じさせた発熱化合物の存在を決定することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爆発物のようなエネルギー物質の検出に係る。
【0002】
クロスレファレンス:本出願は、2005年7月27日に出願された“Trace Explosives Detector Based Upon Detecting Exothermic Decomposition”と題する米国プロビジョナル特許出願第60/702,616号;2005年12月29日に出願された“Energetic Material Detector For Explosive Trace Detection”と題する第60/743,083号、及び2006年3月3日に出願された“Energetic Material Detector for Explosive Trace Detection”と題する第60/743,402号の優先権を主張するものである。これらの各特許出願は、参考としてここに援用する。
【背景技術】
【0003】
エネルギー物質の存在を検出するために、物質の粒子を分析することができる。
【発明の開示】
【0004】
1つの一般的態様において、爆発物のようなエネルギー物質の検出は、エネルギー物質の粒子を含み得るサンプルエリアを付勢することを含む。サンプルエリアからの温度特性を監視し、エネルギー物質の粒子が存在するときに粒子の発熱分解から放出される温度を検出する。監視された温度特性を分析して、粒子が存在するかどうか決定する。
【0005】
その実施形態は、次の特徴の1つ以上を含む。例えば、サンプルエリアを抵抗加熱することができる。メタルメッシュのような導電性採取物質に電流を付与することができる。付与される電流は、段階的電流であるか、又は傾斜電流である。
【0006】
又、サンプルエリアは、フラッシュランプ又はレーザ等で放射加熱することにより付勢してもよい。サンプルエリアは、装置の隣接近隣を越えた距離から放射加熱することができる。
【0007】
赤外線放射を監視してもよく、物質の発熱分解から放出される赤外線放射を検出することができる。ピクセルとバックグランド温度との間の差、又は時間に伴う変化に対して、温度データを分析することができる。又、温度データを分析して、分解の熱を決定することもでき、或いは分解の熱又は活性化エネルギーを使用して、発熱分解を受けるトリアセトン・トリパーオキサイドのような物質の特定形式又は分類を決定することができる。
【0008】
燃焼に利用できる大気中の酸素を下げることができる。空気圧を減少し、非反応ガスを導入することができる。
【0009】
別の一般的態様において、爆発物のようなエネルギー物質を検出するシステムは、エネルギー物質の粒子を含むサンプルを付勢するように構成されたサンプル付勢装置を備えている。センサは、サンプルエリアからの温度特性を監視し、粒子の発熱分解から放出される温度を検出するように構成される。分析装置は、検出された温度を分析して、分解を引き起こした発熱化合物の存在を決定するように構成される。
【0010】
その実施形態は、上述した特徴の1つ以上を含むことができる。
1つ以上の実施形態を、添付図面を参照して以下に詳細に説明する。他の特徴及び効果は、以下の説明、添付図面、及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
種々の図面において同じ要素は同じ参照記号で示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
個人は、普通でない物質や、検出を妨げる予防的方法を使用することによって爆発物を隠すことができる。例えば、手榴弾のような伝統的兵器は、個人においては金属検出器により又は手荷物においてはX線スキャナにより検出できるが、C−4やTNTのような爆発物は、このような方法では検出できない。又、従来の爆発物検出装置は、特定の化学的構造をもつある既知の爆発物質を検出するように設計される。
【0012】
広範囲な様々な潜在的に脅威を与える物質を選別するために、粒子のトレースサンプリングが使用される。より詳細には、トレース(例えば、微細な)粒子のサンプルが品目又は個人から採取され、爆発物又は脅威を表わす特性について分析される。粒子の分析は、イオン移動検出器(IMS)、化学ルミネセンス検出器に結合されたガスクロマトグラフィー(GC−CL)、又は質量分光計のような様々なメカニズムを使用して行なうことができる。多くの技術は、特定の化学物質、又は非常に特定形式の構造をもつ化学物質しか検出できない。
【0013】
粒子が爆発物であるかどうかは、粒子の熱分解(即ち、熱爆発)を誘発させることにより決定できる。特に、爆発物粒子は、熱分解の存在を監視しながら、素早く加熱することができる。抵抗加熱、導電性加熱、放射加熱又はレーザ加熱のような種々の方法を使用することができる。
【0014】
抵抗加熱は、接近した距離で粒子が採取されて分析されるシステムに適している。例えば、強打(swipe)又は真空採取システムは、粒子をスチールメッシュに堆積し、スチールメッシュが直接的に抵抗加熱される。長距離システムの場合には、放射加熱が適している。例えば、放射ヒータがX線手荷物スキャナに組み込まれ、これを使用して、1m以内の距離から爆発物又は他のエネルギー粒子を検出することができる。他のシステムは、例えば、数十メータ又は数百メータの非常に長い距離から放射加熱され検出される。
【0015】
図1を参照すれば、検出システム100は、採取物質120及び赤外線(IR)センサ140を使用してサンプル110を分析する。システム100において、サンプル110は、採取物質120に載せられ、次いで、加熱されて(125)、熱分解を誘発させる。分解中にサンプル110からエネルギー130が放出され、そのエネルギーの一部分135がIRセンサ140により検出されて、爆発物粒子の存在を推測する。
【0016】
サンプル110は、種々のソースから種々の方法により採取される。一般的に、爆発物又は他の物質を取り扱い又は処理する人々は、通常、物質のトレース残留物で汚染された状態になる。例えば、爆発物粒子が、爆弾や爆発物質を製造し及び/又は取り扱った後に手に残ることがあり、これら粒子のあるものが個人の衣服へ移送されることがある。又、このようなトレース残留物は、札入れや眼鏡やキーやハンドバッグやドア取手のような品目に移送されることがあり、そしてこれらの品目は、手を洗ったり個人が衣服を着替えたりしても手を再汚染するように働き得る。身体、衣服、又は物品が採取装置で拭かれるか又は採取物質120に真空付着され、トレース残留物をサンプル110として分析のために採取する。
【0017】
採取物質120は、種々の材料、例えば、テフロン(登録商標)、ステンレススチールメッシュ、編まれた炭素繊維、不活性化されたガラスウールパッド、ニクロム線又はリボン、アルミニウム(及び/又はステンレススチール又はニッケル或いは他の金属)被覆のポリイミド、或いは炭素充填ポリイミドから作ることができる。抵抗加熱が使用される場合には、採取物質120は、導電性であることが必要である。放射加熱が使用される場合には、採取物質120の導電率は要求されない。
【0018】
サンプルの熱分解を誘発することは、爆発物の熱分解に関連した急速な運動及び熱力学に依存する。ほとんどの分子は、酸素が不足する大気中で加熱されたときに吸熱的に分解するが、爆発物の化合物は、発熱的に分解し、周囲へ熱を放出する。放出された熱は、分解する爆発物を取り巻く分子へ直ちに移送され、その結果、温度が局部的に上昇して、爆発物サンプル110の存在及び/又は形式についての測定可能な指示を与える。
【0019】
より詳細には、爆発物サンプル110は、嫌気的に加熱されたときには発熱的に分解する(周囲へ熱を放出する)。爆発物の質量が充分大きい場合には、温度が上昇して、反応速度をより一層加速し、付加的な熱を解放すると共に、暴走熱爆発に至る。臨界未満の質量の場合には、熱が周囲へ失われるので、物質が爆発の前に使い尽くされる。それでも、これらの臨界未満のケースでは、温度がその周囲より上昇した後に、周囲へと減衰して戻る。
【0020】
IRセンサ140は、分解中に放出される熱エネルギー130の部分135を感知し、ニトロ−有機物及びニトロ−塩、過酸化物、過塩素酸塩、火薬、及び未知の組成の自家製爆発物を含む爆発物を検出することができる。IRセンサ140は、IR検出アレーを使用して、分解の熱的兆候を検出する。一実施形態では、IR検出アレーは、中間波IR(MWIR)、3ないし5ミクロン波長、5ないし8ミクロン波長、又は長波IR(LWIR)、8ないし12ミクロン波長の領域において熱を検出し、爆発物粒子を取り巻く環境の温度を観察するように構成される。MWIR領域での検出を使用する熱像形成センサは、優れた解像度及びコントラストから利益を得る一方、LWIR領域で検出を行なうセンサは、小さな温度変動に対して高い感度を与え、且つ大気条件によりあまり影響を受けない(例えば、LWIR放射は、霧や煙を通して伝達することができる)。
【0021】
トレース爆発物の分解については、本来的に小さな粒子サイズが検出プロセスを複雑にする。嫌気性熱分解を受ける爆発化合物については、爆発物の形式、その質量、加熱率、及び熱損失率に基づいて、放出熱が、5ないし500ミリ秒の時間フレーム内で、200℃の環境において約100℃の温度上昇に等しくなると予想される。あるケースでは、時間フレームは、5ないし30ミリ秒である。爆発物の分解により生じる全発熱エネルギーが、IR検出アレーの1つの瞬時視野(IFOV)を占有する場合には、ほとんどのMWIR/LWIRセンサが0.05℃付近の感度を有するので、これを容易に検出することができる。しかしながら、この熱を放出する爆発物粒子のトレース量は、数ナノグラム程度の重さであり、そしてそれらの放出エネルギーは、直径が0.1ないし0.01mmの領域しか占有しない。典型的なセンサレンズのピクセル当たりのIFOVは、接近距離(ソースから約1フィート離れている)において直径が約2mmであるから、トレース爆発物からの放出エネルギーは、IFOVエリアにわたって検出することができない。このケースでは、温度上昇が全IFOVにわたって希釈され、ナノグラムサイズの粒子に対して0.003℃程度の温度上昇として現われる。
【0022】
一実施形態では、局所化された熱の兆候を検出するために、IR検出アレーは、高速の微細な反応を記録するように適切に構成される。これらの制約のために、IRセンサ140は、ピクセル当たり直径が50ないし150ミクロン未満のIFOVを得ることのできるマクロ(クローズアップ)レンズを有する。更に、IRセンサ140の解像度は、それら自身の個々の熱検出器として働く多数の個々のピクセルを与えると共に、エネルギー粒子の検出感度を高めるように働くに充分なものである。例えば、IRセンサ140の解像度を2倍にすると、検出下限が4ないし8分の1に減少する。フレームとフレームとの間のIRセンサ140の積分時間がエネルギー放出に対して長い場合には、エネルギーが時間平均化され、センサによって捕捉されないことがある。例えば、5ないし10ミリ秒の反応に対して、60Hz(16ms)像形成レートを使用すると、エネルギー粒子から放出される観察されるエネルギーは、3分の1未満に減少される。
【0023】
一実施形態では、IRセンサ140は、7.5ないし14ミクロン範囲において敏感な長波赤外線検出器(LWIR)を含む。この検出器には、ピクセルを約50ミクロンまで解像するために収束レンズが設けられる。システムのリフレッシュレートは、60Hzである。この検出器は、76800ピクセルをもつ320x240アレーである。各ピクセルの感度は、0.05℃として指定され、これは、中間ピコグラムレベルにおける感度を容易にする。粒子質量は、ピクセルサイズの3乗に逆比例するので、よりパワフルな収束レンズを使用することにより感度を向上させることができる。
【0024】
以上の説明は、分解システムの一実施形態である。他の実施形態は、他の特徴又は異なる特徴を含んでもよい。例えば、採取物質120は、加熱のために固定される個々のサンプルでもよい。
【0025】
図2を参照すれば、抵抗加熱を使用する検出システム200は、導電性採取物質210と、制御システム230と、IRセンサ240とを備えている。このシステム200において、採取物質210に電流が流され、採取物質は、固有の抵抗値のために発熱し、サンプルのエネルギー分解を誘発する。
【0026】
制御システム230は、導体210に流れる電流の流量及び時間巾を指令する。実施形態に基づき、種々の形式の電流信号が制御システム230により発生される。段階的電流は、電流を希望のレベルへ素早く調整するのに使用でき、大気中の酸化を最小にして全ての爆発物質に素早く分解を誘発するのに有用である。
【0027】
他の実施形態では、一定の割合で増加する傾斜電流が使用される。熱分解は、異なる爆発物質に対して異なるエネルギーレベルで誘発されるので、傾斜電流は、システム200が爆発物の性質をより正確に決定できるようにする。サンプルの更に別の特性を決定するために、例えば、平坦(plateau)のような他の電流形状が含まれてもよい。
【0028】
酸素は反応場所に到達するのに時間がかかるので、迅速な加熱率は、ほぼ嫌気性の加熱条件を緩和する。特に、周囲酸素を伴う大気(例えば、空気)中でサンプルを加熱するときには、非爆発物粒子の燃焼又は酸化を回避するために、段階的電流により生じる加熱のような迅速な加熱(例えば、数十ミリ秒から1秒)が望ましい。酸素が反応場所に到達するのを許すに充分なほどゆっくり加熱されるときには(例えば、数秒)、ジーゼル燃料や砂糖のような汚染物が燃焼し又は酸化し得る。爆発物質は、化学的構造体又は混合物内で燃焼するのに必要な酸素を含むので、熱分解は、一般に、迅速な加熱中に、周囲の空気で燃焼される前に、誘発される。
【0029】
1つの特定の実施形態では、導電性採取物質210は、400メッシュ、316グレードのステンレススチールであり、これは、ワイヤ間に38ミクロンの開口を含む。このメッシュは、4.5ボルト、約22アンペアで動作する電源を使用して電気的に加熱され、一方、IRセンサは、公称解像度限界が90ミクロンである0.5Xマクロゲルマニウムレンズを使用してメッシュに焦点が合わせられる。IR検出器とデータ収集電子装置との間のファイアワイヤ(Firewire)を経て60フレーム/秒でデータが収集される。
【0030】
以上の説明は、抵抗加熱を使用する分解システムの一実施形態である。他の実施形態は、他の特徴又は異なる特徴を含んでもよい。例えば、導電性採取物質210は、耐熱性の採取物質が導体に取り付けられたものに置き換えられてもよい。又、制御システムに接続される熱感知装置は、熱レベルを検出してもよい。検出された熱レベルを使用して、制御システムとのフィードバックレベルを形成してもよい。
【0031】
図3を参照すれば、放射加熱を使用する検出システム300は、放射装置310と、高温計320と、IRセンサ340と、サンプル360を支持するサンプル媒体350とを備えている。このシステム300において、放射315がサンプル媒体350に向けられる。放射が当たると、サンプル媒体350が発熱し、サンプル360の熱分解が誘発される。
【0032】
放射装置310によって放出される放射315の強度又は時間巾は、サンプル360の迅速な加熱をリアルタイムで測定する高温計320の測定値に基づく。一実施形態では、放射装置310は、熱分解を誘発するに充分なエネルギーを迅速に放出するフラッシュランプである。電力レベル及び使用物質を変更することにより、フラッシュランプの実施形態を使用して、数メータにある物体をフラッシュすることができる。qスイッチのニオブYAGシステムのような赤外線レーザを使用して、サンプル360を加熱する場合には、長い距離(10−100m)にわたって熱を伝達することができる。
【0033】
以上の説明は、放射加熱を使用する分解システムの一実施形態である。他の実施形態は、他の特徴又は異なる特徴を含んでもよい。例えば、放射システムは、制御のために高温計を必要とせずに設定量のエネルギーを放出するように設計されてもよい。
【0034】
図4を参照すれば、大気変更を使用する検出チャンバー400は、空気圧を減少し、非反応性ガスを導入し又はその両方によりチャンバー400に変更された大気410を発生するために、入口通気口420及び出口通気口430を備えている。変更された大気410は、汚染物との燃焼又は酸化に使用できる周囲酸素が少ないことを特徴とする。
【0035】
入口通気口420は、任意であり、非反応性ガス、例えば、窒素又はネオンを大気中に導入する。非反応性ガスは、酸素ガスが燃焼又は酸化に利用されるのを減少する。出口通気口430は、ガスを除去して圧力を下げ、ひいては、チャンバー400における酸素ガスの量を下げる。入口通気口420及び出口通気口430を使用することにより、汚染のおそれが低くなり、熱分解を誘発するための加熱が、空気中に燃焼を生じさせるレベルまで下げられる。チャンバー400は、ゆっくりとした傾斜又は平坦形式の加熱を使用する実施形態に特に有用である。
【0036】
以上の説明は、大気変更を使用する分解チャンバーの一実施形態である。他の実施形態は、他の特徴又は異なる特徴を含んでもよい。例えば、チャンバーは、入口通気口を必要とせずに単に大気を除去するように設計されてもよい。
【0037】
図5を参照すれば、衝突採取器500は、爆発物粒子を含む真空処理サンプルの1つ以上の空気流を採取物質520に堆積するように使用され、採取物質は、図1を参照して分解システム100で説明したように分析される。空気流は、テストされるべき衣服、手荷物、又は個人の皮膚のような物体を真空処理することにより発生される。衝突採取器500には、粒子が空気流から配管壁に落下するのを回避するために臨界流が存在する。サンプル流から落下する粒子の一例は、サンプルが失われて偽の否定を招くことである。別の例は、繰り越しである。より詳細には、粒子がサンプル流から落下した場合に、その粒子がその後のサンプルを際立たせて偽の肯定を招くという潜在性を有する。このような例があるために、肯定となる各サンプリングの後に、システムが付加的なサンプル物質なしに運転されるようなクリアパージサイクルが設けられる。
【0038】
衝突採取器500において、空気及び爆発物の蒸気は、バイパス流と採取器流との比に基づいて分割される。典型的な採取器流は、全流量の0ないし10%である。しかしながら、粒子は、180°転向510を行うことができず、従って、採取物質520に衝突する。ターンスティルの配管をきれいに保つために、採取システムの下流にバルブを設け、サンプリング時間中を除いて、閉じた状態に保つことができる。
【0039】
1つの特定の実施形態では、衝突採取器500の内部の内径は、約1.5cmである。外側リングは、直径が約3cmである。採取物質520が回転する場合には、衝突採取器500は、それ自身、採取物質520をきれいにすることが必要である。衝突採取器500は、内側の管が採取物質520から約0.2ないし2.0cm離れた状態で、外側リングにおいて採取物質520の一部分に対してシールすることが必要である。シールを形成するために外側の管にOリングが含まれてもよい。ある場合には、若干の漏れは受け容れられる。実施形態に基づいて、衝突採取器500を下げてシールを形成するか、又は採取物質520それ自体を上げてシールを形成する。堆積が生じると、採取物質520、又は採取物質520の一部分を加熱して、分解を誘発することができる。
【0040】
図6Aを参照すれば、採取及び検出システム600の上面図は、図5の衝突採取器500及び採取物質520と、分解システム630とを含む。分解システム630は、図1ないし4のシステム100ないし400のいずれかでよい。採取及び検出システム600において、衝突採取器500は、サンプルを採取物質520堆積するのに使用される。媒体移動メカニズム660(図6B)は、カルーセルホイール610に装着された採取物質520を移動して、サンプルを含む採取物質520が衝突採取器の隣接領域から分解システム630内の領域へ移動されるようにする。堆積された物質は、次いで、特定材料のトレースについて分析される。
【0041】
図6を参照すれば、採取及び検出システム600の側面図は、加熱コントローラ650と、媒体移動メカニズム660とを含む。以下の説明は、抵抗及び放射加熱発熱分解に向けられた2つの特定の実施形態を言及するが、熱分解を開始するための他の方法を使用してもよい。特に、熱分解を生じさせるには、電磁放射、レーザ、暖かい空気を経て粒子への熱の対流、又は粒子への熱の伝導を使用することにより粒子の温度を上昇させることで充分である。
【0042】
使用すべき特定の採取及び検出システム600は、メンテナンス期とメンテナンス期の間の希望の期間、メンテナンスの容易さ、又はコストのようなファクタに基づく。図6A及び6Bは、再使用可能な個別の採取物質520を伴うカルーセルホイール610を含む実施形態を示す。1回限りの又は再使用可能な採取物質520を伴う「リール対リール」システムのような他の実施形態を使用することもできる。このようなリール・対・リールメカニズムは、カルーセルホイール610よりも、構築するのにコストがかかり且つ(摩滅した採取物質520を交換することにより)維持するのがより困難である。リール・対・リールメカニズムは、より多くの採取物質を保持できるので、交換と交換との間の時間は、カルーセル実施形態の場合より長くなる。
【0043】
カルーセルホイール610を含む、ここに示す実施形態では、採取物質520は、カルーセルホイール610内にあり、一連の個別の採取エリア又は連続する採取エリアのいずれかを含む。一連のステップにおいて、採取及び検出システム600は、採取物質を採取物質520のエリアに集め、次いで、分解システム630へと回転し、堆積した物質を分析して、物質の粒子の存在を検出することができる。
【0044】
カルーセルホイールを使用する種々の実施形態によれば、第1ステーションは、カルーセルホイール610に対してシールされる衝突採取器500である。「ステーション」という語は、カルーセルホイール610の特定の位置又は回転度を指す。ステーションの位置は、カルーセルホイール610の角度位置においてその周囲に沿った穴の位置で決定される。粒子が衝突採取器500で採取物質520のエリアに堆積された後に、カルーセルホイール610は、分解システム630である第2ステーションへ回転される。分解システム630の特性は、使用する検出ユニットに依存する。
【0045】
採取物質520を回転し、そして前記実施形態では、カルーセルホイール610回転するために、媒体移動メカニズム660が使用される。高い位置精度を得るために、ステッパモータを使用することができる。ステッパモータは、高価であり、それを制御するために特殊な電子装置を必要とするので、使用できる簡単な代替手段は、一方向性又は両方向性DCモータである。媒体移動メカニズム660の位置を決定しそして制御するのに、LED光学センサを使用することができる。カルーセルホイール610のメンテナンスは、採取物質520の日常の交換の間の期間を、例えば、1ヶ月に延長するように、自動ディスクローディング・アンローディングステーションを通して行うことができる。
【0046】
抵抗加熱を含む一実施形態では、採取物質520の面積は、3cm2であり、採取物質520の両端には2つのコンタクトが配置されている。これらのコンタクトは、例えば、持ち上がった金属性隆起物(例えば、バッテリ用のコンタクトのような)、ロッド又はプレートのような種々の形状にすることができる。スプリング負荷されたコンタクトを使用して、接続を完成することもできる。カルーセルホイール610は、上下の半部分で設計されてもよい。1つのアッセンブル方法において、2つの半部分を分離し、採取物質520を下部の半部分に設置し、そして上部の半部分を採取物質520の上に取り付けて、サンドイッチを形成する。一実施形態では、採取物質520の各部分に対して、一方のコンタクトは、単一の共通接続点(図示せず)に結合される電極の形態であり、そして他方のコンタクト660は、独特の接続である。このような実施形態では、共通接続点が電源に常時接続され、そして一度に1つの独特の接続のみがなされて、1つの部分だけを抵抗加熱できるようにする。採取物質520は、光学センサ(又はカルーセルホイール610の実施形態について上述したLEDセンサ)のための穴を含む。
【0047】
オイルのような残留物質は、汚染を招くか、その後の測定値をマスクするか、或いは再使用可能な採取物質520の寿命を短縮し得る。採取物質520を、エネルギー物質の分解を誘発するに必要な温度より高い温度に加熱することにより、このような残留物質を焼き尽くすことができる。任意であるが、300℃以上の温度での高温焼き尽くしを行なって、残留粒子を熱的に分解してもよい。
【0048】
分解システム630又は加熱コントローラ650には高温計が含まれてもよい。加熱中に、採取物質520は、若干膨張する。歪を防止するために、採取物質520に若干張力がかかるように設計される。
【0049】
図6Cを参照すれば、連続的採取物質システム675は、連続的導電性採取物質680及び個別のコンタクトポイント685を含む。このシステム675において、連続的物質680は、ホイールの巾に巻き付けられる。連続的物質680の一部分は、粒子が堆積される衝突採取器500内にある。ホイールが回転するときに、その一部分が分解システム630内を移動する。
【0050】
連続的システム675は、多数の個別のコンタクトポイント685を備え、ここに電気的接続が確立される。分解システム630が作動されると、個別のコンタクトポイント685を使用して、連続的物質680を通る電流を発生し、粒子を抵抗加熱する。電気的経路が連続的物質680の全周囲を通るのを防止するために、連続的物質680の一部分を黒のままにするか、さもなければ、切断してもよい。
【0051】
以上の説明は、採取及び検出システム600の実施形態であった。他の実施形態は、採取物質520に注入される溶液を、時々ではあるが、スケジュール通りにチェックして、物質の粒子を首尾良く検出するシステムの能力をテストする、等の異なる特徴を含む。このメカニズムは、周期的に交換する必要のある貯蔵部を含んでもよいし、例えば、LEE小型可変容積ポンプ、モデル番号LPVX0502600B(www.theleeco.comを参照)、又は小型KNFモデルUNMP830(www.knf.comを参照)、或いは同様のポンプ、及びLEEモデル番号INKX051440AAと同様のLEEソレノイドバルブを含んでもよい。
【0052】
図7Aを参照すれば、ハンドヘルド検出装置700は、スタンドオフリング710、トリガー720、フラッシュランプ730、高温計735、IR検出器アレー740、及び出力ディスプレイ745を備えている。この装置700は、爆発物粒子を検出するためにサンプルまで持って行くことができる。
【0053】
装置700を動作するために、ユーザは、先ず、爆発物粒子に対してスキャンされるべきエリアにスタンドオフリング710を載せる。スタンドオフリング710は、サンプルとIR検出器アレー740との間に適切な距離を与える。次いで、ユーザは、トリガー720を操作して、フラッシュランプ730を作動させ、加熱を生じさせる。フラッシュランプ730は、スタンドオフリング710に向けられ、サンプルを加熱して熱分解を誘発させる。サンプルのリアルタイム温度を、高温計735により測定し、このような測定は、フィードバックループの一部分であって、フラッシュランプ730により温度を能動的に制御することができる。IR検出器アレー740は、爆発物物質による分解を検出する。検出された結果は、出力ディスプレイ745により指示される。
【0054】
図7Bを参照すれば、長距離検出システム750は、上述したように動作する検出装置760を備え、これは、ある距離にある物体770に向けられる。システム750において、検出装置760は、物体770の方向に放射を放出する。物体770に当たった後に、放射は、局所的な加熱を生じさせ、トレース爆発物粒子の熱分解を誘発する。分解から放出されるIR放射が検出装置760により検出される。
【0055】
特に、検出装置760は、フラッシュランプ764と、距離収束型IR検出アレー768とを備えている。フラッシュランプ764は、物体770に熱分解を生じさせるに充分な高エネルギー放射のパルスを放出する。放出されたIR放射は、IR検出器768に当たり、トレース爆発物の肯定指示を可能にする。
【0056】
検出装置760は、物体770から数十ないし数百メータの距離において動作することができる。レーザ加熱は、フラッシュランプ加熱の代替として使用できる。レーザハードウェアは、抵抗加熱又はフラッシュランプ加熱に必要なハードウェアよりも著しく複雑であり、電力消費であり、且つ高価である。従って、レーザは、実際には、主として、物体770が検出装置760の付近を著しく越えた距離にあるような実施形態に使用される。又、IR検出器アレー768を適当な小さなエリアに収束させるテレフォトレンズが含まれてもよい。一実施形態では、テレフォトレンズは、IR検出器アレー768が図1の解像度と同様の解像度で物体770を見るように、その焦点を合わせる。
【0057】
一実施形態では、爆発物のためのチェックポイントは、乗物を爆発物に対して検出するために検出装置760を装備する。検出は、乗物の側部を横切ってフラッシュランプを動作し、走査されている物体770の種々のエリアに沿って爆発物を検出することを含む。
【0058】
以上の説明は、ハンドヘルド及びレンジ検出装置の実施形態である。他の実施形態は、他の特徴又は異なる特徴を含む。例えば、種々の実施形態において、検出装置は、様々な乗物、例えば、装甲した個人用キャリア、戦車、航空機、又は遠洋航海船舶に取り付けられる。
【0059】
図8Aは、発熱分解検出のデータ800を示す。特に、4つの異なる時間インスタンスにおいて分解する物質をもつサンプル媒体の絵が示されている。より詳細には、60Hzフレームレートを使用して無煙火薬の粒子をエネルギー検出するためのデータ800が示されている。エレメント(a)は、比較的低温の粒子及びフィラメントを伴う初期のIR映像を示す。次いで、エレメント(b)は、爆発の直前に粒子の周りの温度上昇を示しているIR映像を示す。次いで、エレメント(c)は、粒子爆発を示しているIR映像を示す。最後に、エレメント(d)は、粒子爆発から生じるガス温度の上昇を示しているIR映像を示す。
【0060】
図8Bを参照すれば、同じ分解に対するデータ850が、無煙火薬を見るピクセルと、時間にわたってサンプル媒体を見るピクセルとの観点から示されている。データ850において、図8Aのデータ800からの4つの時間インスタンスがマークされる。より詳細には、無煙火薬を見る1つのピクセル及びサンプル媒体を見る1つのピクセルの熱的兆候の二次元プロットが示されている。
【0061】
結果の分析解釈は、個々のピクセルの温度又は多数のピクセルの平均を時間の関数として検討することにより可能になる。結果は、粒子の急速な温度上昇が採取物質の温度上昇を越えることを示している。この特徴を、爆発物の存在を自動的に検出するためのアルゴリズムに使用することができる。特に、各エネルギー化合物は、分解の定量化可能な正の熱(H)及び定量化可能な活性化エネルギー(E)を有する。Hは、放出される全熱量に影響し、そしてEは、熱放出率に影響する。これら2つの特性は、検出器が爆発物の種類及び/又は化学的組成を区別できるように相互作用する。
【0062】
自動的アルゴリズムベースのターゲット確認を使用して、多数のピクセルを同時にトラッキングし、そして爆発物の独特の特性を自動的に確認する。簡単な改善は、変化するバックグランド温度を減算し、そしてその差を表示して、最大ピークが良く見えるようにすることを含む。温度の局部的最大値及び/又は最小値・対・時間のプロットは、爆発物の存在を指示し、温度の時間変化率がゼロに等しくなる(即ち、dT/dt=0)ポイントとして数学的に定義される。しかしながら、採取物質の温度変動による局部的最大値も存在し得る。これら欠陥を修正するために、種々のポイントで記録された温度から採取物質の温度を減算することができる。
【0063】
図9Aは、検出された発熱分解の処理されたデータ結果900を示す。この結果900を決定するために、爆発物の特性であるスレッシュホールドレベルに対して生のデータの時間導関数を分析するアルゴリズムが使用される。生のデータは、100ナノグラムのトリアセトン・トリパーオキサイド(TATP)を加熱して発熱分解を誘発することにより得られた。映像から明らかなように、アルゴリズムにより分析的に決定されたスレッシュホールドをほぼ12個のピクセルが越えた。TATPに対するこの応答レベルは、8ナノグラム/ピクセルの検出限界に相関している。
【0064】
図9Bを参照すれば、プロット950は、図9Aの処理されたデータ結果900から、(110、140)におけるバックグランドピクセルと共に、(95、123)におけるピクセルを示している。RDX、TNT、TATP及びANFOの検出は、典型的な使用状態のもとで、汚れた基板において100、25、及び10ng未満のレベルでも、全て検証されている。又、検出は、PETN、過酸化ベンゾイル、過塩素酸アンモニウム及び無煙火薬のような爆発物質についても立証された。
【0065】
又、潜在的な干渉物質、例えば、砂糖、ジーゼル燃料、ガソリン、多数のハンドクリーム及びローション、香水、ふけ、人の皮膚の油、首の後から汗をふき取ったもの、並びにサラミ、ベーコン及び他の保存肉や魚製品に触ることによる指紋に対してもテストを行なったが、これらは全て、明確な「非アラーム」信号を与える。
【0066】
図10を参照すれば、爆発物のようなエネルギー物質の検出は、サンプルエリアを付勢し、温度特性を監視し、発熱分解から放出される温度を検出し、そして検出された温度を分析して、発熱化合物の存在を決定することを含む。
【0067】
サンプルエリアが付勢される(ステップ1010)。図2及び3に示したように、サンプルエリアを付勢することは、抵抗加熱又は放射加熱を含む。サンプルエリアが付勢メカニズムから長い距離にあるときには、レーザのような他の方法を使用してもよい。
【0068】
サンプルエリアの温度特性が監視される(ステップ1020)。サンプルエリアの温度に対応するエネルギーが、サンプルエリアに焦点を合わせたセンサを使用することにより検出される。サンプルエリア及びその周囲の物質又は採取エリアからの赤外線放射を感知するために赤外線センサが使用される。
【0069】
発熱分解から放出された温度が検出される(ステップ1030)。より詳細には、サンプルエリアの発熱化合物が発熱すると、発熱化合物は、熱分解を受ける。熱分解から放出されるエネルギーは、温度特性を監視するセンサにより検出される。
【0070】
検出された温度が分析されて、発熱化合物の存在を決定する(ステップ1040)。この分析は、エリアとその周囲との間の温度差、又は温度の時間変化率を決定することを含む。又、分析は、分解の熱、又は熱分解の活性化エネルギーを決定することを含む。決定された情報を使用して、発熱分解を受けた爆発物の特定形式又は分類を決定する。
【0071】
種々の実施形態は、多数の他の利益を利用する。例えば、検出器の性能は、バックグランド物質の大きな過負荷の存在により悪影響を受けない。特に、サンプルが油性の物質でコーティングされたとき及び煙が明らかに見えるときでも性能の低下はない。この検出器では、2000ngの物質といった大きな過負荷から直ちに回復できる。更に、この検出器は、従来の検出器で逃していた化学物質、例えば、硝酸アンモニウム、ニトロセルロース、TATP、過酸化ベンゾイル、過塩素酸アンモニウム、他の爆発化学物質、又は未知の化学物質の混合物を検出することができる。一般的に、物質が爆発できる場合には、熱分解を通して物質の存在を検出することができる。
【0072】
他の実施形態も、特許請求の範囲内に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】分解システムを示す。
【図2】抵抗加熱を使用する検出システムを示す。
【図3】放射加熱を使用する検出システムを示す。
【図4】大気変更を使用する検出チャンバーを示す。
【図5】衝突採取器を示す。
【図6A】採取及び検出システムの上面図である。
【図6B】採取及び検出システムの側面図である。
【図6C】連続的な採取物質を伴う採取及び検出システムを示す。
【図7A】ハンドヘルド検出システムを示す。
【図7B】レンジ型検出システムを示す。
【図8A】粒子検出データを示す。
【図8B】粒子検出データを示す。
【図9A】処理された粒子検出データを示す。
【図9B】処理された粒子検出データを示す。
【図10】エネルギー物質を検出する方法のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
爆発物のようなエネルギー物質を検出する方法において、
エネルギー物質の粒子を含み得るサンプルエリアを付勢するステップと、
前記サンプルエリアからの温度特性を監視するステップと、
前記エネルギー物質の粒子が存在するときにその粒子の発熱分解から放出される温度を検出するステップと、
前記監視された温度特性を分析して前記粒子が存在するかどうか決定するステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
サンプルエリアを付勢する前記ステップは、サンプルエリアを抵抗加熱する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
サンプルエリアを抵抗加熱する前記段階は、導電性採取物質に電流を付与することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
導電性採取物質に電流を付与することは、メタルメッシュに電流を付与することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
導電性採取物質に電流を付与することは、段階的電流を付与することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
導電性採取物質に電流を付与することは、傾斜電流を付与することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
サンプル媒体を付勢する前記ステップは、サンプルエリアを放射加熱する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
サンプルエリアを放射加熱する前記段階は、前記サンプルエリアをフラッシュランプでフラッシュすることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
サンプルエリアを放射加熱する前記段階は、レーザを使用することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
サンプルエリアを放射加熱する前記段階は、サンプルエリアを放射加熱するのに使用される装置の隣接近隣を越えた距離からサンプルエリアを放射加熱することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
温度特性を監視する前記ステップは、赤外線放射を監視する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
粒子の発熱分解から放出される温度を検出する前記ステップは、トリアセトン・トリパーオキサイドの発熱分解から放出される温度を検出する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
検出された温度を分析する前記ステップは、ピクセルとバックグランド温度との間の差に対する温度データを分析する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
検出された温度を分析する前記ステップは、温度データの時間に対する変化を分析する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
検出された温度を分析する前記ステップは、温度データを分析して、発熱分解を受けた物質の分解の熱を決定する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
検出された温度を分析する前記ステップは、温度データを分析して、発熱分解を受けた物質の活性化エネルギーを決定する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記決定された分解の熱又は活性化エネルギーを使用して、発熱分解を受けた物質の特定形式又は分類を決定するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
燃焼のために得られる大気酸素を下げるステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
大気酸素を下げる前記ステップは、空気圧を下げる段階を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
大気酸素を下げる前記ステップは、非反応ガスを導入する段階を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
爆発物のようなエネルギー物質を検出するシステムにおいて、
エネルギー物質の粒子を含むサンプルエリアを付勢するように構成されたサンプル付勢装置と、
前記サンプルエリアからの温度特性を監視して、粒子の発熱分解から放出される温度を検出するように構成されたセンサと、
前記検出された温度を分析して、前記分解を引き起こした発熱化合物の存在を決定するように構成された分析装置と、
を備えたシステム。
【請求項22】
前記サンプル付勢装置は、前記サンプルエリアを抵抗加熱するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記サンプル付勢装置は、導電性採取物質に電流を付与するように構成された、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記サンプル付勢装置は、メタルメッシュに電流を付与するように構成された、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記サンプル付勢装置は、段階的電流を付与するように構成された、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記サンプル付勢装置は、傾斜電流を付与するように構成された、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
前記サンプル付勢装置は、前記サンプルエリアを抵抗加熱するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項28】
前記サンプル付勢装置は、前記サンプルエリアをフラッシュランプでフラッシュするように構成される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記サンプル付勢装置は、レーザを使用するように構成される、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記サンプル付勢装置は、サンプルエリアを放射加熱するのに使用される装置の隣接近隣を越えた距離からサンプルエリアを放射加熱するように構成される、請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
前記センサは、赤外線放射を監視するよう構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項32】
前記センサは、トリアセトン・トリパーオキサイドの発熱分解から放出される温度を検出するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項33】
前記分析装置は、ピクセルとバックグランド温度との間の差に対する温度データを分析するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項34】
前記分析装置は、温度データの時間に対する変化を分析するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項35】
前記分析装置は、温度データを分析して、発熱分解を受けた物質の分解の熱を決定するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項36】
前記分析装置は、温度データを分析して、発熱分解を受けた物質の活性化エネルギーを決定するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項37】
前記分析装置は、前記決定された分解の熱又は活性化エネルギーを分析して、発熱分解を受けた物質の特定形式又は分類を決定するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項38】
燃焼のために得られる大気酸素を下げるように構成されたエアチャンバーを更に備えた、請求項21に記載のシステム。
【請求項39】
前記エアチャンバーは、空気圧を減少するように構成された、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記エアチャンバーは、非反応ガスを導入するように構成された、請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
爆発物のようなエネルギー物質を検出するシステムにおいて、
エネルギー物質の粒子を含むサンプルエリアを付勢する手段と、
前記サンプルエリアからの温度特性を監視して、粒子の発熱分解から放出される温度を検出する手段と、
前記検出された温度を分析して、前記分解を引き起こした発熱化合物の存在を決定する手段と、
を備えたシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−517630(P2009−517630A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533340(P2008−533340)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/029301
【国際公開番号】WO2008/030218
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(507394798)エル−3 コミュニケイションズ サイテラ コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】