カーブコンベヤおよびこれを備えた搬送システム
【課題】小さな曲率半径での回転搬送が可能であるとともに、高い耐久性を有するカーブコンベヤおよびこれを備える搬送システムを提供する。
【解決手段】カーブコンベヤ30は、モータ320を動力源とし、ループ状の帯状体であるコンベヤベルト310を有する。コンベヤベルト310は、モータ320からの回転駆動力を受けて、回転動作をする。そして、コンベヤベルト310における搬送部分310aにおいて、ベース300の天面部分に沿って滑動する。カーブコンベヤ30では、コンベヤベルト310の搬送部分310aに対し、それぞれ外縁部あるいは内縁部に接触するドライブベルト340,350からの回転駆動力と、内縁部で接触するセンターディスク370からの回転駆動力を受けて、回転駆動する。
【解決手段】カーブコンベヤ30は、モータ320を動力源とし、ループ状の帯状体であるコンベヤベルト310を有する。コンベヤベルト310は、モータ320からの回転駆動力を受けて、回転動作をする。そして、コンベヤベルト310における搬送部分310aにおいて、ベース300の天面部分に沿って滑動する。カーブコンベヤ30では、コンベヤベルト310の搬送部分310aに対し、それぞれ外縁部あるいは内縁部に接触するドライブベルト340,350からの回転駆動力と、内縁部で接触するセンターディスク370からの回転駆動力を受けて、回転駆動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーブコンベヤおよびこれを備えた搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
生産ラインなどでは、材料や製品などを搬送するためにベルトコンベヤが多く用いられている。ここで、生産ラインは、そのスペースなどの都合により、搬送方向を変更するための、所謂、カーブコンベヤが用いられることも多い。
従来のカーブコンベヤは、放射状に配された複数のテーパーローラと、これらテーパーローラに沿うように張設されたコンベヤベルトとから構成され、複数のテーパーローラの内の1または2以上のテーパーローラに回転駆動力を加えることによりコンベヤベルトを駆動させる構成のものが一般的である(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ところが、上記のような従来のカーブコンベヤでは、複数のテーパーローラを配置しなければならない点や、これらに弛みなくコンベヤベルトを張設しなければならない点などから、カーブの曲率半径を余り小さくすることができない。カーブコンベヤの曲率半径は、生産ラインを密に配置する上で、小さくすることが求められる。
このようにカーブの曲率半径を小さくするという要望に対して、例えば、特許文献2でその提案がされている。特許文献2で提案されているカーブコンベヤの構成について、図10を用い説明する。
【0004】
図10に示すように、特許文献2で提案されているカーブコンベヤは、ドーナッツ状のコンベヤベルト930を有し、X−Y平面に沿った部分(搬送部分930a)が半円状(扇状)をしている。コンベヤバルト930の搬送部分930aは、軸AX9を中心軸として右回りに回転できるようになっている。搬送対象物は、コンベヤ910からカーブコンベヤのコンベヤベルト930の搬送部分930aに載り移り、カーブコンベヤで搬送方向が180[°]反転されてから、コンベヤ920へと載り移る。
【0005】
図10に示すように、コンベヤベルト930には、搬送対象物が載置される搬送面(Z軸方向の上面)とは反対側の裏面に、一定の角度で複数のシャフト930cが設けられている。シャフト930cは、各一部が円形のコンベヤベルト930の中心側へと突出している。
コンベヤベルト930の中央の孔部分には、軸AX9周りに回転する駆動ギア970が設けられている。駆動ギア970には、コンベヤベルト930におけるシャフト930cに対応した複数の歯970aが設けられており、シャフト930cの先端部分と各刃970aとが噛合するようになっている。そして、駆動ギア970に対して回転駆動力が加えられることにより、コンベヤベルト930が回転される。
【0006】
特許文献2で提案されているカーブコンベヤでは、特許文献1のカーブコンベヤに比べて、カーブの曲率半径を小さくしたい場合にも対応が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2833303号公報
【特許文献2】特許第4292028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2で提案されているカーブコンベヤでは、駆動ギア970からコンベヤベルト930への回転駆動力の伝達が、駆動ギア970の歯970aとコンベヤベルト930のシャフト930cの先端部分との噛合部分によりなされているので、歯970aやシャフト930cの摩滅や欠損などといった問題が生じ、寿命という観点から改善が必要であると考えられる。特に、カーブコンベヤにおけるカーブの曲率半径を小さくしようとする場合には、駆動ギア970の歯970aのピッチなどの関係で、上記問題が生じ易いものと考えられる。
【0009】
本発明は、上記問題の解決を図るべくなされたものであって、小さな曲率半径での回転搬送が可能であるとともに、高い耐久性を有するカーブコンベヤおよびこれを備える搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、次の構成を採用する。
本発明に係るカーブコンベヤは、対象物を円弧状に搬送する搬送領域を備え、動力源と搬送ベルトとを有する。動力源は、回転駆動力を発生するものである。搬送ベルトは、ループをなす帯状体であり、動力源からの回転駆動力を受けて、搬送領域において、対象物の搬送方向に沿って滑動する。
【0011】
本発明に係るカーブコンベヤでは、搬送ベルトが、搬送領域において、動力源からの回転駆動力を、そのループの内縁部および外縁部の少なくとも一方への、線接触または面接触により伝達されることを構成上の特徴とする。
本発明に係る搬送システムは、本発明に係るカーブコンベヤを備えることを構成上の特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るカーブコンベヤでは、搬送ベルトへの回転駆動力の伝達が、搬送ベルトにおけるループの内縁部および外縁部の少なくとも一方への、線接触または面接触によりなされている。このため、上記特許文献2で提案されている技術のように、駆動ギアの歯とシャフトの先端部分との噛合による場合よりも、駆動時における応力集中が小さい。よって、本発明に係るカーブコンベヤでは、高い耐久性を実現することが可能である。
【0013】
また、本発明に係るカーブコンベヤは、上記特許文献1で提案されている技術のように、搬送ベルトの駆動のためのテーパーローラを複数配置しなくてもよいので、曲率半径を小さくする場合にも、十分に対応が可能である。よって、本発明に係るカーブコンベヤでは、小さな曲率半径での回転搬送にも対応が可能である。
従って、本発明に係るカーブコンベヤは、小さな曲率半径での回転搬送が可能であるとともに、耐久性に優れている。
【0014】
また、本発明に係る搬送システムは、上記本発明に係るカーブコンベヤを備えるので、小さな曲率半径での回転搬送が可能であり、且つ、耐久性に優れたカーブコンベヤを備えているので、当該カーブコンベヤの有する効果をそのまま有する。
本発明に係るカーブコンベヤおよびこれを備える搬送システムは、一例として、次のようなバリエーションを採用することができる。
【0015】
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、動力源と搬送ベルトとの間に、屈曲柔軟性を有し、回転駆動力の伝達媒体としての駆動ベルトが介在されている。そして、搬送領域において、駆動ベルトが搬送ベルトにおけるループの内縁部および外縁部の少なくとも一方に、線接触または面接触していることを特徴とする。このように駆動ベルトを介して回転駆動力を伝達することにより、耐久性に優れるという効果を奏することができるとともに、設計における自由度を高くすることができる。即ち、駆動ベルトの取り回しを行うことで、設計の自由度を高くすることが可能となる。
【0016】
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、搬送領域に相当する円弧状の平面部分を有するベースを備え、搬送ベルトが、搬送領域において、駆動ベルトによりベースの平面部分に押しつけられた状態となっていることを特徴とする。このような構成を採用する場合には、搬送領域における搬送ベルトに浮きを生じることがなく、滑らかな回転駆動が可能であり、また、駆動ベルトと搬送ベルトとの間の滑りの発生を抑制し、回転駆動力の伝達におけるロスを小さく抑えることができる。
【0017】
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、駆動ベルトが、ゴム製であって円形断面を有することを特徴とする。これにより、駆動ベルトの取り回しに係る設計の自由度が増す。
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、搬送領域で、搬送ベルトにおけるループの内縁部に対し、動力源からの回転駆動力を受けて回転する回転体が被装されている。そして、回転体は、搬送ベルトにおけるループの内縁部と線接触または面接触しており、当該面接触部分を介して、搬送ベルトに回転駆動力を伝達することを特徴とする。このような回転駆動力の伝達形態を採用すれば、搬送ベルトへの回転駆動力の伝達におけるロスを小さく抑えることができる。
【0018】
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、搬送領域を含む仮想平面を仮定する場合に、搬送ベルトが、搬送領域を除く領域で、仮想平面に対して垂下した状態になっていることを特徴とする。 このように、搬送領域を除く領域での搬送ベルトが垂下した状態とする場合には、搬送領域を除く領域の搬送ベルトが、他のコンベヤや他の機器を当該カーブコンベヤの隣接配置に際して、その制約要因とはならない。よって、生産ラインでの無駄なスペースを排することが可能となる。
【0019】
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、搬送ベルトが、互いに扇状をし、且つ、互いに同一サイズの複数のベルトピースの連結により構成されていることを特徴とする。このように複数のベルトピースの組み合わせから搬送ベルトを構成する場合には、対象物の載置などに対する耐久性を確保しながら、高い屈曲性を確保することができる。
【0020】
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、複数のベルトピースの各々に、ループの周方向に孔または溝が設けられており、複数のベルトピースの互いの間は、孔または溝に装着された弾性部材により連結されているという具体的な構成を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態に係る搬送システム1の概略構成を示す模式斜視図である。
【図2】搬送システム1に含まれているカーブコンベヤ30の外観構成を示す模式斜視図である。
【図3】カーブコンベヤ30の構成の一部であるベース300の構成を示す模式側面図および模式正面図である。
【図4】カーブコンベヤ30におけるセンターディスク370の駆動に係る機構部分を示す模式断面図である。
【図5】コンベヤベルト310の構成の一部であるベルトピース3100の構成を示す模式斜視図である。
【図6】コンベヤベルト310とベース300およびホルダ370とを示す模式断面図である。
【図7】変形例1に係るカーブコンベヤが備えるコンベヤベルト410を示す模式斜視図である。
【図8】変形例2に係るカーブコンベヤが備えるコンベヤベルト510および駆動ローラ541〜543を示す模式斜視図である。
【図9】参考例に係るカーブコンベヤが備えるコンベヤベルト510と駆動ローラ642および従動ローラ642とを示す模式斜視図である。
【図10】従来技術に係るカーブコンベヤの構成の一部を示す模式斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明を実施するための一形態について、図面を参酌しながら説明する。
なお、以下の説明に係る実施の形態は、本発明の構成上の特徴および当該特徴的構成から奏される作用効果を分かりやすく説明するための一例として用いるものである。よって、本発明は、その本質的な特徴部分を除き、以下の形態に何ら限定を受けるものではない。
【0023】
[実施の形態]
1.搬送システム1の概略構成
本実施の形態に係る搬送システム1の概略構成について、図1を用い説明する。なお、図1では、搬送システム1の外観を模式的に表し、詳細については省略している。
図1に示すように、本実施の形態に係る搬送システム1は、2本の直進コンベヤ10,20と、当該2本の直進コンベヤ10,20の搬送経路間を繋ぐ、カーブコンベヤ30を備え構成されている。2本の直進コンベヤ10,20は、互いに間隔をあけた状態で並設されている。直進コンベヤ10,20は、ともにY軸方向に延伸する状態で配置されている。
【0024】
搬送システム1では、搬送対象物が直進コンベヤ10によりY軸方向手前側から奥側へと搬送され、カーブコンベヤ30に載り移る。搬送対象物は、カーブコンベヤ30により、軸AX1を中心として搬送方向が180[°]反転され、直進コンベヤ20へと載り移る。そして、搬送対象物は、直進コンベヤ20により、Y軸方向奥側から手前側へと搬送される。
【0025】
2.カーブコンベヤ30の構成
搬送システム1に含まれるカーブコンベヤ30の構成について、図2および図3を用い説明する。
図2に示すように、カーブコンベヤ30は、ベース300と、この外面の一部に沿って設けられたコンベヤベルト310を有する。また、カーブコンベヤ30は、ベース300に取り付けられ、コンベヤベルト310を駆動させるための回転駆動力を発生するモータ320と、モータ320とコンベヤベルト310との間の回転駆動力の伝達経路上に介挿されるプーリ330およびドライブベルト340,350,360を有する。さらに、カーブコンベヤ30は、コンベヤベルト310をZ軸方向下向きに押圧するセンターディスク370も有する。
【0026】
図3(a)に示すように、ベース300は、X軸方向から見るとき、天面部分300aと垂面部分300bとが一体に形成された、概ね逆L字状の側面形状を有している。モータ320は、ギアボックス380を介してベース300の垂面部分300bに取り付けられており、回転軸先端部分にプーリ330が取り付けられている。
図3(b)に示すように、センターディスク370は、ベース300の天面部分300a上に配置されている。
【0027】
図2に戻って、コンベヤベルト310は、ループ状をなす帯状体であり、搬送対象物を載置して滑動する搬送領域に存する搬送部分310aと、ベース300の垂面300bに沿って垂下する垂下部分310bとが一体形成されてなる。即ち、図3(a)および図3(b)に示すように、コンベヤベルト310は、ベース300における天面部分300a上を滑動する搬送部分310aに搬送対象物を載置して回動される。
【0028】
なお、図3(a)における矢印A部分、および図3(b)における矢印B,C部分に示すように、センターディスク370は、カーブコンベヤ30の搬送領域において、コンベヤベルト310の搬送部分310aの内縁部をZ軸方向下向きに押圧するように設けられている。
なお、図2に示すように、プーリ330に掛けられた3本のドライブベルト340,350,360の内、ドライブベルト340は、コンベヤベルト310における搬送部分310aの外縁部に線接触あるいは面接触している。また、ドライブベルト350は、コンベヤベルト310における搬送部分310aの内縁部に線接触あるいは面接触している。ドライブベルト360は、センターディスク370に接続されており、プーリ330に同期してセンターディスク370を回転駆動させるために設けられている。
【0029】
3.カーブコンベヤ30におけるセンターディスク370の回転駆動に係る機構
カーブコンベヤ30におけるセンターディスク370の回転駆動に係る機構について、図4を用い説明する。図4は、センターディスク370の回転駆動に係る機構部分を示す模式断面図である。
図4に示すように、ドライブベルト360は、Y軸方向に延伸する回転軸3701に取り付けられたプーリ3702に掛けられている。回転軸3701には、プーリ3702とともに、ギア3703が取り付けられている。そして、ギア3703に対しては、Z軸方向に延伸する回転軸3705に取り付けられたギア3704が噛合している。回転軸3705には、センターディスク370が取り付けられている。
【0030】
カーブコンベヤ30では、モータ320で発生した回転駆動力が、ドライブベルト360を介して回転軸3701に伝達され、ギア3703,3704の噛合により、当該回転駆動力が回転軸3705を介してセンターディスク370に伝達される。このため、センターディスク370が他のドライブベルト340,350などに連動して回転駆動する。
なお、センターディスク370の回転駆動においては、ギア3703,3704のギア比により、同期がとられている。
【0031】
4.コンベヤベルト310の構成
本実施の形態に係るカーブコンベヤ30では、コンベヤベルト310を一枚の布や金属、あるいはゴムなどからなるシートを用いるのではなく、複数のベルトピース3100を周方向に連結して構成されている。具体的なベルトピース3100の構成について、図5を用い説明する。
【0032】
図5に示すように、コンベヤベルト310を構成するベルトピース3100は、樹脂材料から構成され、扇状をしている。ベルトピース3100には、X軸方向の外縁部(矢印Dで示す部分)、内縁部(矢印Fで示す部分)、さらには、中間部分(矢印Eで示す部分)のそれぞれに、ループの周方向(Y軸方向)に延びるフック状の溝3100a,3100c,3100dが設けられている。この内、溝3100cは、Z軸方向に突出した棚部分3100bの下部に設けられている。
【0033】
ベルトピース3100の外縁部に設けられた溝3100aには、カーブコンベヤ30の搬送領域において、ドライブベルト340が掛けられている。また、同様に、ベルトピース3100の内縁部に設けられた溝3100cには、ドライブベルト350が掛けられている。一方、矢印Eで示す部分に設けられた溝3100dには、スプリングリング3101が掛けられている。
【0034】
ドライブベルト340,350は、ベルトピース3100に対し、その溝3100a,3100cで線接触あるいは面接触する。ここで、線接触するか、面接触するかは、ドライブベルト340,350の断面形状や、溝3100a,3100cの形状により決まる。何れにせよ、ドライブベルト340,350は、各ベルトピース3100に対し、ループの周方向に接触することになる。
【0035】
スプリングリング3101は、複数のベルトピース3100をその弾性力を以って締め付ける役割を有し、コンベヤベルト310のループ内向きに弾性力を付与する。そして、図2に示すように、コンベヤベルト310は、搬送領域を除く部分において、自重によってベース300の垂面部分300bに略沿って垂れ下がる(垂下部分310b)。即ち、カーブコンベヤ30では、コンベヤベルト310における搬送領域に存する部分(搬送部分310a)がX−Y平面に沿った状態となり、その他の部分(垂下部分310b)がX−Y平面から垂れ下がった状態となっている。
【0036】
なお、ベルトピース3100は、例えば、ポリオキシメチレン(POM)などの樹脂材料からなり、例えば、72枚の組み合わせを以ってコンベヤベルト310を構成している。
5.コンベヤベルト310の滑動
カーブコンベヤ30におけるコンベヤベルト310の滑動について、図6を用い説明する。図6は、カーブコンベヤ30の搬送領域に存するコンベヤベルト310の搬送部分310aとその周辺の構成を示す模式断面図である。
【0037】
図6に示すように、コンベヤベルト310の搬送部分310aは、ベース300の天面部分300a上に略隙間なく載っており、紙面の手前側から奥側へと滑動する。コンベヤベルト310の搬送部分310aは、スプリングリング3101により、ループの中心(Y軸方向内側)に向けて弾性付勢され、複数のベルトピース3100が連結して滑動することができるようになっている。
【0038】
コンベヤベルト310の滑動は、3つの箇所への回転駆動力の付与によりなされる。具体的には、上記のように、コンベヤベルト310の各ベルトピース3100(図5を参照)の外縁部で接触するドライブベルト340からの回転駆動力と、内縁部で接触するドライブベルト350からの回転駆動力と、平板環状のゴムリング390を介して接触するセンターディスク370からの回転駆動力とを以って滑動されることになる。ここで、センターディスク370とコンベヤベルト310とは間にゴムリング390を介し、且つ、センターリング370がZ軸方向下向きに力Gを以ってコンベヤベルト310を押圧しているので、殆ど滑りを生じることなく、回転駆動力が伝達される。
【0039】
ドライブベルト340,350およびセンターディスク370からの回転駆動力は、プーリ330の各ドライブベルト340,350,360が掛けられているプーリ径により同期がとられている(図2を参照)。
5.カーブコンベヤ30およびこれを備える搬送システム1の優位性
本実施の形態に係るカーブコンベヤ30では、図2および図5に示すように、コンベヤベルト310への回転駆動力の伝達が、コンベヤベルト310におけるループの内縁部および外縁部の各溝3100a,3100cで接触するドライブベルト340,350と、内縁部に接触するセンターディスク370とにより付与される。このため、上記特許文献2で提案されている技術のように、駆動ギアの歯とシャフトの先端部分との噛合による場合よりも、駆動時における応力集中が小さく、高い耐久性を実現することが可能である。
【0040】
また、カーブコンベヤ30でも、上記特許文献2で提案されている技術と同様に、コンベヤベルト310のループ内側に複数のテーパーローラを配置しなくてもよいので、カーブに係る曲率半径を小さくする場合にも、十分に対応が可能である。
従って、本実施の形態に係るカーブコンベヤ30は、小さな曲率半径での回転搬送が可能であるとともに、耐久性に優れており、搬送システム1はカーブコンベヤ30を備えるので、スペース効率に優れ、且つ、長寿命である。
【0041】
なお、ドライブベルト340,350,360について、本実施の形態では、ゴム製の丸ベルトを採用したが、これ以外にも種々の材質および断面形状のものを採用することができる。例えば、平ベルトやVベルトなどを用いることもでき、あるいは繊維材料や樹脂材料からなるベルトを採用することもできる。ただし、本実施の形態のように、ドライブベルト340,350,360に丸ベルトを用いる場合には、ドライブベルト340,350,360の取り回しに高い自由度があり、優れている。
【0042】
また、逆にゴムリング390については、上記実施の形態では平板環状のものを用いたが、丸断面のもの、例えば、Oリングなどを用いることもできる。
[変形例1]
変形例1に係るカーブコンベヤの構成について、図7を用い説明する。なお、図7では、変形例1に係るカーブコンベヤの構成の内、コンベヤベルト410およびセンターディスク470を抜き出して示している。
【0043】
図7に示すように、本変形例1に係るカーブコンベヤは、回転角度(軸AX2〜軸AX3の角度)が、180[°]未満となっている。即ち、カーブコンベヤの搬送領域に存するコンベヤベルト410の搬送部分410aを平面視する場合、扇状に開く当該部分410aの形状が半円形ではなく、角度が180[°]未満の円弧状となっている。上記実施の形態に係るカーブコンベヤ30との主な差異は、この点にある。
【0044】
図7では、図示を省略しているが、本変形例1においても、コンベヤベルト410に対し、その外縁部でドライブベルト340が接触し、内縁部でドライブベルト350が接触している。そして、コンベヤベルト410の内縁部には、センターディスク470も接触している。
本変形例1に係るコンベヤベルトでは、回転角度が180[°]未満であるため、コンベヤベルト410は、単体でも平面状とはならず、錐状(コーン状)となる。なお、ベースの形状についても、コンベヤベルト410の搬送部分410aの形状あるいは垂下部分410bの形状に合わせておくことが必要である。
【0045】
本変形例1に係るカーブコンベヤにおいても、上記実施の形態に係るカーブコンベヤ30と同様の基本的な構成を採用するので、小さな曲率半径での回転搬送が可能であるとともに、耐久性に優れている。
[変形例2]
変形例2に係るカーブコンベヤの構成について、図8を用い説明する。なお、以下の説明では、図9に示すカーブコンベヤを参考例として用いる。
【0046】
図8に示すように、本変形例2に係るカーブコンベヤでは、搬送領域において、コンベヤベルト510の搬送部分510aに対して、複数の駆動ローラ(図8では、3つの駆動ローラ)541,542,543が接触されている。駆動ローラ541,542,543の各軸AX4,AX5,AX6は、搬送領域におけるコンベヤベルト510の搬送部分510aの径方向に配置されている。
【0047】
本変形例2に係るカーブコンベヤでは、搬送領域におけるコンベヤベルト510の搬送部分510aへの駆動ローラ541,542,543の接触により、駆動ローラ541,542,543からの回転駆動力が伝達される。なお、本変形例においても、コンベヤベルト510の搬送部分510aに対して回転駆動力が伝達され、搬送対象物がX−Y平面に沿った面内で回転搬送される。そして、コンベヤベルト510では、搬送部分510aを除く部分(垂下部分510b)が搬送平面(搬送部分510aが含まれる仮想平面)から垂下される。
【0048】
本変形例2に係るカーブコンベヤでも、搬送領域において、コンベヤベルト510の搬送部分510aに対して接触する駆動ローラ541,542,543から回転駆動力が伝達される。よって、上記実施の形態および変形例1と同様に、小さな曲率半径での回転搬送が可能であるとともに、耐久性に優れている。
一方、図9に示すように、参考例に係るカーブコンベヤでは、コンベヤベルト610における垂下部分610bにおいて、駆動ローラ642と従動ローラ641とがコンベヤベルト610をその厚み方向に挟み込むように配置されている(図9の二点鎖線で囲む部分を参照)。言い換えると、参考例に係るカーブコンベヤでは、コンベヤベルト610の搬送部分610aに対しては、回転駆動力が伝達されない構成となっている。なお、駆動ローラ642と駆動ローラ641とは、互いの軸AX7,AX8が略平行となっている。
【0049】
本参考例に係るカーブコンベヤは、コンベヤベルト610に対して駆動ローラ642が線接触する点では、上記変形例2に係るカーブコンベヤと同じではあるが、駆動ローラ642が垂下部分610bに接触している点で異なっている。このような構成上の相違は、カーブに係る曲率を小さくするという観点、および、カーブコンベヤの寿命という観点からは、あまり問題とはならないが、コンベヤベルト610に弛みを生じないように駆動を行うという観点から、上記実施の形態や上記変形例1,2の各カーブコンベヤに対して不利となる。このため、図9に示すカーブコンベヤは、参考例として留めるものである。
【0050】
[その他の事項]
上記実施の形態に係るカーブコンベヤ30では、複数のベルトピース3100が連結されてなるコンベヤベルト310を一例として採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、一枚の布や金属のシートを用いてもよく、メッシュなどを用いることも考えられる。
【0051】
また、上記実施の形態や変形例1では、ゴム製の丸ベルト(ドライブベルト340,350)をコンベヤベルト310,410の搬送部分310a,410aに線接触あるいは面接触させて回転駆動力を伝達されるという構成を採用したが、本発明は、必ずしもこれに限定を受けない。例えば、コンベヤベルトの搬送部分の一部分に対し、平ベルトを面接触させることで駆動力を伝達することとしてもよいし、コンベヤベルトの外縁部に、周方向に連続する凹凸を付けておき、当該凹凸に対してギアを噛合させることで駆動力を伝達する構成とすることなどもできる。
【0052】
また、上記実施の形態では、搬送対象物の搬送方向を180[°]反転させることができるカーブコンベヤ30を一例として採用し、上記変形例1では、搬送対象物の搬送方向を180[°]未満の角度で変更するカーブコンベヤを一例として採用したが、本発明は、これに限定を受けない。例えば、45[°]、90[°]、135[°]、さらには180[°]よりも大きな角度で搬送方向を変更するカーブコンベヤに本発明を適用することも可能である。
【0053】
また、上記実施の形態に係るカーブコンベヤ30では、動力源としてモータ320を一例として採用したが、本発明は、これに限定を受けない。例えば、ロータリーアクチュエータやエンジン、さらにはガスタービンなどを採用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、高いスペース効率と高い耐久性とを有するカーブコンベヤおよび搬送システムを実現するのに有効である。
【符号の説明】
【0055】
1.搬送システム
10,20.直進コンベヤ
30.カーブコンベヤ
300.ベース
310,410,510,610.コンベヤベルト
320.モータ
330.プーリ
340,350,360.ドライブベルト
370,470.センターディスク
380.ギアボックス
390.ゴムリング
541,542,543,642.駆動ローラ
641.従動ローラ
3100.ベルトピース
3101.スプリングリング
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーブコンベヤおよびこれを備えた搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
生産ラインなどでは、材料や製品などを搬送するためにベルトコンベヤが多く用いられている。ここで、生産ラインは、そのスペースなどの都合により、搬送方向を変更するための、所謂、カーブコンベヤが用いられることも多い。
従来のカーブコンベヤは、放射状に配された複数のテーパーローラと、これらテーパーローラに沿うように張設されたコンベヤベルトとから構成され、複数のテーパーローラの内の1または2以上のテーパーローラに回転駆動力を加えることによりコンベヤベルトを駆動させる構成のものが一般的である(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ところが、上記のような従来のカーブコンベヤでは、複数のテーパーローラを配置しなければならない点や、これらに弛みなくコンベヤベルトを張設しなければならない点などから、カーブの曲率半径を余り小さくすることができない。カーブコンベヤの曲率半径は、生産ラインを密に配置する上で、小さくすることが求められる。
このようにカーブの曲率半径を小さくするという要望に対して、例えば、特許文献2でその提案がされている。特許文献2で提案されているカーブコンベヤの構成について、図10を用い説明する。
【0004】
図10に示すように、特許文献2で提案されているカーブコンベヤは、ドーナッツ状のコンベヤベルト930を有し、X−Y平面に沿った部分(搬送部分930a)が半円状(扇状)をしている。コンベヤバルト930の搬送部分930aは、軸AX9を中心軸として右回りに回転できるようになっている。搬送対象物は、コンベヤ910からカーブコンベヤのコンベヤベルト930の搬送部分930aに載り移り、カーブコンベヤで搬送方向が180[°]反転されてから、コンベヤ920へと載り移る。
【0005】
図10に示すように、コンベヤベルト930には、搬送対象物が載置される搬送面(Z軸方向の上面)とは反対側の裏面に、一定の角度で複数のシャフト930cが設けられている。シャフト930cは、各一部が円形のコンベヤベルト930の中心側へと突出している。
コンベヤベルト930の中央の孔部分には、軸AX9周りに回転する駆動ギア970が設けられている。駆動ギア970には、コンベヤベルト930におけるシャフト930cに対応した複数の歯970aが設けられており、シャフト930cの先端部分と各刃970aとが噛合するようになっている。そして、駆動ギア970に対して回転駆動力が加えられることにより、コンベヤベルト930が回転される。
【0006】
特許文献2で提案されているカーブコンベヤでは、特許文献1のカーブコンベヤに比べて、カーブの曲率半径を小さくしたい場合にも対応が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2833303号公報
【特許文献2】特許第4292028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2で提案されているカーブコンベヤでは、駆動ギア970からコンベヤベルト930への回転駆動力の伝達が、駆動ギア970の歯970aとコンベヤベルト930のシャフト930cの先端部分との噛合部分によりなされているので、歯970aやシャフト930cの摩滅や欠損などといった問題が生じ、寿命という観点から改善が必要であると考えられる。特に、カーブコンベヤにおけるカーブの曲率半径を小さくしようとする場合には、駆動ギア970の歯970aのピッチなどの関係で、上記問題が生じ易いものと考えられる。
【0009】
本発明は、上記問題の解決を図るべくなされたものであって、小さな曲率半径での回転搬送が可能であるとともに、高い耐久性を有するカーブコンベヤおよびこれを備える搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、次の構成を採用する。
本発明に係るカーブコンベヤは、対象物を円弧状に搬送する搬送領域を備え、動力源と搬送ベルトとを有する。動力源は、回転駆動力を発生するものである。搬送ベルトは、ループをなす帯状体であり、動力源からの回転駆動力を受けて、搬送領域において、対象物の搬送方向に沿って滑動する。
【0011】
本発明に係るカーブコンベヤでは、搬送ベルトが、搬送領域において、動力源からの回転駆動力を、そのループの内縁部および外縁部の少なくとも一方への、線接触または面接触により伝達されることを構成上の特徴とする。
本発明に係る搬送システムは、本発明に係るカーブコンベヤを備えることを構成上の特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るカーブコンベヤでは、搬送ベルトへの回転駆動力の伝達が、搬送ベルトにおけるループの内縁部および外縁部の少なくとも一方への、線接触または面接触によりなされている。このため、上記特許文献2で提案されている技術のように、駆動ギアの歯とシャフトの先端部分との噛合による場合よりも、駆動時における応力集中が小さい。よって、本発明に係るカーブコンベヤでは、高い耐久性を実現することが可能である。
【0013】
また、本発明に係るカーブコンベヤは、上記特許文献1で提案されている技術のように、搬送ベルトの駆動のためのテーパーローラを複数配置しなくてもよいので、曲率半径を小さくする場合にも、十分に対応が可能である。よって、本発明に係るカーブコンベヤでは、小さな曲率半径での回転搬送にも対応が可能である。
従って、本発明に係るカーブコンベヤは、小さな曲率半径での回転搬送が可能であるとともに、耐久性に優れている。
【0014】
また、本発明に係る搬送システムは、上記本発明に係るカーブコンベヤを備えるので、小さな曲率半径での回転搬送が可能であり、且つ、耐久性に優れたカーブコンベヤを備えているので、当該カーブコンベヤの有する効果をそのまま有する。
本発明に係るカーブコンベヤおよびこれを備える搬送システムは、一例として、次のようなバリエーションを採用することができる。
【0015】
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、動力源と搬送ベルトとの間に、屈曲柔軟性を有し、回転駆動力の伝達媒体としての駆動ベルトが介在されている。そして、搬送領域において、駆動ベルトが搬送ベルトにおけるループの内縁部および外縁部の少なくとも一方に、線接触または面接触していることを特徴とする。このように駆動ベルトを介して回転駆動力を伝達することにより、耐久性に優れるという効果を奏することができるとともに、設計における自由度を高くすることができる。即ち、駆動ベルトの取り回しを行うことで、設計の自由度を高くすることが可能となる。
【0016】
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、搬送領域に相当する円弧状の平面部分を有するベースを備え、搬送ベルトが、搬送領域において、駆動ベルトによりベースの平面部分に押しつけられた状態となっていることを特徴とする。このような構成を採用する場合には、搬送領域における搬送ベルトに浮きを生じることがなく、滑らかな回転駆動が可能であり、また、駆動ベルトと搬送ベルトとの間の滑りの発生を抑制し、回転駆動力の伝達におけるロスを小さく抑えることができる。
【0017】
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、駆動ベルトが、ゴム製であって円形断面を有することを特徴とする。これにより、駆動ベルトの取り回しに係る設計の自由度が増す。
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、搬送領域で、搬送ベルトにおけるループの内縁部に対し、動力源からの回転駆動力を受けて回転する回転体が被装されている。そして、回転体は、搬送ベルトにおけるループの内縁部と線接触または面接触しており、当該面接触部分を介して、搬送ベルトに回転駆動力を伝達することを特徴とする。このような回転駆動力の伝達形態を採用すれば、搬送ベルトへの回転駆動力の伝達におけるロスを小さく抑えることができる。
【0018】
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、搬送領域を含む仮想平面を仮定する場合に、搬送ベルトが、搬送領域を除く領域で、仮想平面に対して垂下した状態になっていることを特徴とする。 このように、搬送領域を除く領域での搬送ベルトが垂下した状態とする場合には、搬送領域を除く領域の搬送ベルトが、他のコンベヤや他の機器を当該カーブコンベヤの隣接配置に際して、その制約要因とはならない。よって、生産ラインでの無駄なスペースを排することが可能となる。
【0019】
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、搬送ベルトが、互いに扇状をし、且つ、互いに同一サイズの複数のベルトピースの連結により構成されていることを特徴とする。このように複数のベルトピースの組み合わせから搬送ベルトを構成する場合には、対象物の載置などに対する耐久性を確保しながら、高い屈曲性を確保することができる。
【0020】
本発明に係るカーブコンベヤおよび搬送システムは、上記構成において、複数のベルトピースの各々に、ループの周方向に孔または溝が設けられており、複数のベルトピースの互いの間は、孔または溝に装着された弾性部材により連結されているという具体的な構成を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態に係る搬送システム1の概略構成を示す模式斜視図である。
【図2】搬送システム1に含まれているカーブコンベヤ30の外観構成を示す模式斜視図である。
【図3】カーブコンベヤ30の構成の一部であるベース300の構成を示す模式側面図および模式正面図である。
【図4】カーブコンベヤ30におけるセンターディスク370の駆動に係る機構部分を示す模式断面図である。
【図5】コンベヤベルト310の構成の一部であるベルトピース3100の構成を示す模式斜視図である。
【図6】コンベヤベルト310とベース300およびホルダ370とを示す模式断面図である。
【図7】変形例1に係るカーブコンベヤが備えるコンベヤベルト410を示す模式斜視図である。
【図8】変形例2に係るカーブコンベヤが備えるコンベヤベルト510および駆動ローラ541〜543を示す模式斜視図である。
【図9】参考例に係るカーブコンベヤが備えるコンベヤベルト510と駆動ローラ642および従動ローラ642とを示す模式斜視図である。
【図10】従来技術に係るカーブコンベヤの構成の一部を示す模式斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、本発明を実施するための一形態について、図面を参酌しながら説明する。
なお、以下の説明に係る実施の形態は、本発明の構成上の特徴および当該特徴的構成から奏される作用効果を分かりやすく説明するための一例として用いるものである。よって、本発明は、その本質的な特徴部分を除き、以下の形態に何ら限定を受けるものではない。
【0023】
[実施の形態]
1.搬送システム1の概略構成
本実施の形態に係る搬送システム1の概略構成について、図1を用い説明する。なお、図1では、搬送システム1の外観を模式的に表し、詳細については省略している。
図1に示すように、本実施の形態に係る搬送システム1は、2本の直進コンベヤ10,20と、当該2本の直進コンベヤ10,20の搬送経路間を繋ぐ、カーブコンベヤ30を備え構成されている。2本の直進コンベヤ10,20は、互いに間隔をあけた状態で並設されている。直進コンベヤ10,20は、ともにY軸方向に延伸する状態で配置されている。
【0024】
搬送システム1では、搬送対象物が直進コンベヤ10によりY軸方向手前側から奥側へと搬送され、カーブコンベヤ30に載り移る。搬送対象物は、カーブコンベヤ30により、軸AX1を中心として搬送方向が180[°]反転され、直進コンベヤ20へと載り移る。そして、搬送対象物は、直進コンベヤ20により、Y軸方向奥側から手前側へと搬送される。
【0025】
2.カーブコンベヤ30の構成
搬送システム1に含まれるカーブコンベヤ30の構成について、図2および図3を用い説明する。
図2に示すように、カーブコンベヤ30は、ベース300と、この外面の一部に沿って設けられたコンベヤベルト310を有する。また、カーブコンベヤ30は、ベース300に取り付けられ、コンベヤベルト310を駆動させるための回転駆動力を発生するモータ320と、モータ320とコンベヤベルト310との間の回転駆動力の伝達経路上に介挿されるプーリ330およびドライブベルト340,350,360を有する。さらに、カーブコンベヤ30は、コンベヤベルト310をZ軸方向下向きに押圧するセンターディスク370も有する。
【0026】
図3(a)に示すように、ベース300は、X軸方向から見るとき、天面部分300aと垂面部分300bとが一体に形成された、概ね逆L字状の側面形状を有している。モータ320は、ギアボックス380を介してベース300の垂面部分300bに取り付けられており、回転軸先端部分にプーリ330が取り付けられている。
図3(b)に示すように、センターディスク370は、ベース300の天面部分300a上に配置されている。
【0027】
図2に戻って、コンベヤベルト310は、ループ状をなす帯状体であり、搬送対象物を載置して滑動する搬送領域に存する搬送部分310aと、ベース300の垂面300bに沿って垂下する垂下部分310bとが一体形成されてなる。即ち、図3(a)および図3(b)に示すように、コンベヤベルト310は、ベース300における天面部分300a上を滑動する搬送部分310aに搬送対象物を載置して回動される。
【0028】
なお、図3(a)における矢印A部分、および図3(b)における矢印B,C部分に示すように、センターディスク370は、カーブコンベヤ30の搬送領域において、コンベヤベルト310の搬送部分310aの内縁部をZ軸方向下向きに押圧するように設けられている。
なお、図2に示すように、プーリ330に掛けられた3本のドライブベルト340,350,360の内、ドライブベルト340は、コンベヤベルト310における搬送部分310aの外縁部に線接触あるいは面接触している。また、ドライブベルト350は、コンベヤベルト310における搬送部分310aの内縁部に線接触あるいは面接触している。ドライブベルト360は、センターディスク370に接続されており、プーリ330に同期してセンターディスク370を回転駆動させるために設けられている。
【0029】
3.カーブコンベヤ30におけるセンターディスク370の回転駆動に係る機構
カーブコンベヤ30におけるセンターディスク370の回転駆動に係る機構について、図4を用い説明する。図4は、センターディスク370の回転駆動に係る機構部分を示す模式断面図である。
図4に示すように、ドライブベルト360は、Y軸方向に延伸する回転軸3701に取り付けられたプーリ3702に掛けられている。回転軸3701には、プーリ3702とともに、ギア3703が取り付けられている。そして、ギア3703に対しては、Z軸方向に延伸する回転軸3705に取り付けられたギア3704が噛合している。回転軸3705には、センターディスク370が取り付けられている。
【0030】
カーブコンベヤ30では、モータ320で発生した回転駆動力が、ドライブベルト360を介して回転軸3701に伝達され、ギア3703,3704の噛合により、当該回転駆動力が回転軸3705を介してセンターディスク370に伝達される。このため、センターディスク370が他のドライブベルト340,350などに連動して回転駆動する。
なお、センターディスク370の回転駆動においては、ギア3703,3704のギア比により、同期がとられている。
【0031】
4.コンベヤベルト310の構成
本実施の形態に係るカーブコンベヤ30では、コンベヤベルト310を一枚の布や金属、あるいはゴムなどからなるシートを用いるのではなく、複数のベルトピース3100を周方向に連結して構成されている。具体的なベルトピース3100の構成について、図5を用い説明する。
【0032】
図5に示すように、コンベヤベルト310を構成するベルトピース3100は、樹脂材料から構成され、扇状をしている。ベルトピース3100には、X軸方向の外縁部(矢印Dで示す部分)、内縁部(矢印Fで示す部分)、さらには、中間部分(矢印Eで示す部分)のそれぞれに、ループの周方向(Y軸方向)に延びるフック状の溝3100a,3100c,3100dが設けられている。この内、溝3100cは、Z軸方向に突出した棚部分3100bの下部に設けられている。
【0033】
ベルトピース3100の外縁部に設けられた溝3100aには、カーブコンベヤ30の搬送領域において、ドライブベルト340が掛けられている。また、同様に、ベルトピース3100の内縁部に設けられた溝3100cには、ドライブベルト350が掛けられている。一方、矢印Eで示す部分に設けられた溝3100dには、スプリングリング3101が掛けられている。
【0034】
ドライブベルト340,350は、ベルトピース3100に対し、その溝3100a,3100cで線接触あるいは面接触する。ここで、線接触するか、面接触するかは、ドライブベルト340,350の断面形状や、溝3100a,3100cの形状により決まる。何れにせよ、ドライブベルト340,350は、各ベルトピース3100に対し、ループの周方向に接触することになる。
【0035】
スプリングリング3101は、複数のベルトピース3100をその弾性力を以って締め付ける役割を有し、コンベヤベルト310のループ内向きに弾性力を付与する。そして、図2に示すように、コンベヤベルト310は、搬送領域を除く部分において、自重によってベース300の垂面部分300bに略沿って垂れ下がる(垂下部分310b)。即ち、カーブコンベヤ30では、コンベヤベルト310における搬送領域に存する部分(搬送部分310a)がX−Y平面に沿った状態となり、その他の部分(垂下部分310b)がX−Y平面から垂れ下がった状態となっている。
【0036】
なお、ベルトピース3100は、例えば、ポリオキシメチレン(POM)などの樹脂材料からなり、例えば、72枚の組み合わせを以ってコンベヤベルト310を構成している。
5.コンベヤベルト310の滑動
カーブコンベヤ30におけるコンベヤベルト310の滑動について、図6を用い説明する。図6は、カーブコンベヤ30の搬送領域に存するコンベヤベルト310の搬送部分310aとその周辺の構成を示す模式断面図である。
【0037】
図6に示すように、コンベヤベルト310の搬送部分310aは、ベース300の天面部分300a上に略隙間なく載っており、紙面の手前側から奥側へと滑動する。コンベヤベルト310の搬送部分310aは、スプリングリング3101により、ループの中心(Y軸方向内側)に向けて弾性付勢され、複数のベルトピース3100が連結して滑動することができるようになっている。
【0038】
コンベヤベルト310の滑動は、3つの箇所への回転駆動力の付与によりなされる。具体的には、上記のように、コンベヤベルト310の各ベルトピース3100(図5を参照)の外縁部で接触するドライブベルト340からの回転駆動力と、内縁部で接触するドライブベルト350からの回転駆動力と、平板環状のゴムリング390を介して接触するセンターディスク370からの回転駆動力とを以って滑動されることになる。ここで、センターディスク370とコンベヤベルト310とは間にゴムリング390を介し、且つ、センターリング370がZ軸方向下向きに力Gを以ってコンベヤベルト310を押圧しているので、殆ど滑りを生じることなく、回転駆動力が伝達される。
【0039】
ドライブベルト340,350およびセンターディスク370からの回転駆動力は、プーリ330の各ドライブベルト340,350,360が掛けられているプーリ径により同期がとられている(図2を参照)。
5.カーブコンベヤ30およびこれを備える搬送システム1の優位性
本実施の形態に係るカーブコンベヤ30では、図2および図5に示すように、コンベヤベルト310への回転駆動力の伝達が、コンベヤベルト310におけるループの内縁部および外縁部の各溝3100a,3100cで接触するドライブベルト340,350と、内縁部に接触するセンターディスク370とにより付与される。このため、上記特許文献2で提案されている技術のように、駆動ギアの歯とシャフトの先端部分との噛合による場合よりも、駆動時における応力集中が小さく、高い耐久性を実現することが可能である。
【0040】
また、カーブコンベヤ30でも、上記特許文献2で提案されている技術と同様に、コンベヤベルト310のループ内側に複数のテーパーローラを配置しなくてもよいので、カーブに係る曲率半径を小さくする場合にも、十分に対応が可能である。
従って、本実施の形態に係るカーブコンベヤ30は、小さな曲率半径での回転搬送が可能であるとともに、耐久性に優れており、搬送システム1はカーブコンベヤ30を備えるので、スペース効率に優れ、且つ、長寿命である。
【0041】
なお、ドライブベルト340,350,360について、本実施の形態では、ゴム製の丸ベルトを採用したが、これ以外にも種々の材質および断面形状のものを採用することができる。例えば、平ベルトやVベルトなどを用いることもでき、あるいは繊維材料や樹脂材料からなるベルトを採用することもできる。ただし、本実施の形態のように、ドライブベルト340,350,360に丸ベルトを用いる場合には、ドライブベルト340,350,360の取り回しに高い自由度があり、優れている。
【0042】
また、逆にゴムリング390については、上記実施の形態では平板環状のものを用いたが、丸断面のもの、例えば、Oリングなどを用いることもできる。
[変形例1]
変形例1に係るカーブコンベヤの構成について、図7を用い説明する。なお、図7では、変形例1に係るカーブコンベヤの構成の内、コンベヤベルト410およびセンターディスク470を抜き出して示している。
【0043】
図7に示すように、本変形例1に係るカーブコンベヤは、回転角度(軸AX2〜軸AX3の角度)が、180[°]未満となっている。即ち、カーブコンベヤの搬送領域に存するコンベヤベルト410の搬送部分410aを平面視する場合、扇状に開く当該部分410aの形状が半円形ではなく、角度が180[°]未満の円弧状となっている。上記実施の形態に係るカーブコンベヤ30との主な差異は、この点にある。
【0044】
図7では、図示を省略しているが、本変形例1においても、コンベヤベルト410に対し、その外縁部でドライブベルト340が接触し、内縁部でドライブベルト350が接触している。そして、コンベヤベルト410の内縁部には、センターディスク470も接触している。
本変形例1に係るコンベヤベルトでは、回転角度が180[°]未満であるため、コンベヤベルト410は、単体でも平面状とはならず、錐状(コーン状)となる。なお、ベースの形状についても、コンベヤベルト410の搬送部分410aの形状あるいは垂下部分410bの形状に合わせておくことが必要である。
【0045】
本変形例1に係るカーブコンベヤにおいても、上記実施の形態に係るカーブコンベヤ30と同様の基本的な構成を採用するので、小さな曲率半径での回転搬送が可能であるとともに、耐久性に優れている。
[変形例2]
変形例2に係るカーブコンベヤの構成について、図8を用い説明する。なお、以下の説明では、図9に示すカーブコンベヤを参考例として用いる。
【0046】
図8に示すように、本変形例2に係るカーブコンベヤでは、搬送領域において、コンベヤベルト510の搬送部分510aに対して、複数の駆動ローラ(図8では、3つの駆動ローラ)541,542,543が接触されている。駆動ローラ541,542,543の各軸AX4,AX5,AX6は、搬送領域におけるコンベヤベルト510の搬送部分510aの径方向に配置されている。
【0047】
本変形例2に係るカーブコンベヤでは、搬送領域におけるコンベヤベルト510の搬送部分510aへの駆動ローラ541,542,543の接触により、駆動ローラ541,542,543からの回転駆動力が伝達される。なお、本変形例においても、コンベヤベルト510の搬送部分510aに対して回転駆動力が伝達され、搬送対象物がX−Y平面に沿った面内で回転搬送される。そして、コンベヤベルト510では、搬送部分510aを除く部分(垂下部分510b)が搬送平面(搬送部分510aが含まれる仮想平面)から垂下される。
【0048】
本変形例2に係るカーブコンベヤでも、搬送領域において、コンベヤベルト510の搬送部分510aに対して接触する駆動ローラ541,542,543から回転駆動力が伝達される。よって、上記実施の形態および変形例1と同様に、小さな曲率半径での回転搬送が可能であるとともに、耐久性に優れている。
一方、図9に示すように、参考例に係るカーブコンベヤでは、コンベヤベルト610における垂下部分610bにおいて、駆動ローラ642と従動ローラ641とがコンベヤベルト610をその厚み方向に挟み込むように配置されている(図9の二点鎖線で囲む部分を参照)。言い換えると、参考例に係るカーブコンベヤでは、コンベヤベルト610の搬送部分610aに対しては、回転駆動力が伝達されない構成となっている。なお、駆動ローラ642と駆動ローラ641とは、互いの軸AX7,AX8が略平行となっている。
【0049】
本参考例に係るカーブコンベヤは、コンベヤベルト610に対して駆動ローラ642が線接触する点では、上記変形例2に係るカーブコンベヤと同じではあるが、駆動ローラ642が垂下部分610bに接触している点で異なっている。このような構成上の相違は、カーブに係る曲率を小さくするという観点、および、カーブコンベヤの寿命という観点からは、あまり問題とはならないが、コンベヤベルト610に弛みを生じないように駆動を行うという観点から、上記実施の形態や上記変形例1,2の各カーブコンベヤに対して不利となる。このため、図9に示すカーブコンベヤは、参考例として留めるものである。
【0050】
[その他の事項]
上記実施の形態に係るカーブコンベヤ30では、複数のベルトピース3100が連結されてなるコンベヤベルト310を一例として採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、一枚の布や金属のシートを用いてもよく、メッシュなどを用いることも考えられる。
【0051】
また、上記実施の形態や変形例1では、ゴム製の丸ベルト(ドライブベルト340,350)をコンベヤベルト310,410の搬送部分310a,410aに線接触あるいは面接触させて回転駆動力を伝達されるという構成を採用したが、本発明は、必ずしもこれに限定を受けない。例えば、コンベヤベルトの搬送部分の一部分に対し、平ベルトを面接触させることで駆動力を伝達することとしてもよいし、コンベヤベルトの外縁部に、周方向に連続する凹凸を付けておき、当該凹凸に対してギアを噛合させることで駆動力を伝達する構成とすることなどもできる。
【0052】
また、上記実施の形態では、搬送対象物の搬送方向を180[°]反転させることができるカーブコンベヤ30を一例として採用し、上記変形例1では、搬送対象物の搬送方向を180[°]未満の角度で変更するカーブコンベヤを一例として採用したが、本発明は、これに限定を受けない。例えば、45[°]、90[°]、135[°]、さらには180[°]よりも大きな角度で搬送方向を変更するカーブコンベヤに本発明を適用することも可能である。
【0053】
また、上記実施の形態に係るカーブコンベヤ30では、動力源としてモータ320を一例として採用したが、本発明は、これに限定を受けない。例えば、ロータリーアクチュエータやエンジン、さらにはガスタービンなどを採用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、高いスペース効率と高い耐久性とを有するカーブコンベヤおよび搬送システムを実現するのに有効である。
【符号の説明】
【0055】
1.搬送システム
10,20.直進コンベヤ
30.カーブコンベヤ
300.ベース
310,410,510,610.コンベヤベルト
320.モータ
330.プーリ
340,350,360.ドライブベルト
370,470.センターディスク
380.ギアボックス
390.ゴムリング
541,542,543,642.駆動ローラ
641.従動ローラ
3100.ベルトピース
3101.スプリングリング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を円弧状に搬送する搬送領域を備えるカーブコンベヤであって、
回転駆動力を発生する動力源と、
ループをなす帯状体であり、前記動力源からの回転駆動力を受けて、前記搬送領域において、前記対象物の搬送方向に沿って滑動する搬送ベルトとを有し、
前記搬送ベルトは、前記搬送領域において、前記動力源からの回転駆動力を、前記ループの内縁部および外縁部の少なくとも一方への、線接触または面接触により伝達される
ことを特徴とするカーブコンベヤ。
【請求項2】
前記動力源と前記搬送ベルトとの間には、屈曲柔軟性を有し、前記回転駆動力の伝達媒体としての駆動ベルトが介在されており、
前記搬送領域において、前記駆動ベルトが前記搬送ベルトにおける前記ループの内縁部および外縁部の少なくとも一方に、線接触または面接触している
ことを特徴とする請求項1に記載のカーブコンベヤ。
【請求項3】
前記搬送領域に相当する円弧状の平面部分を有するベースを備え、
前記搬送ベルトは、前記搬送領域において、前記駆動ベルトにより前記ベースの平面部分に押しつけられている
ことを特徴とする請求項2に記載のカーブコンベヤ。
【請求項4】
前記駆動ベルトは、ゴム製であって円形断面を有する
ことを特徴とする請求項2または3に記載のカーブコンベヤ。
【請求項5】
前記搬送領域において、前記搬送ベルトにおける前記ループの内縁部には、前記動力源からの回転駆動力を受けて回転する回転体が被装されており、
前記回転体は、前記搬送ベルトにおける前記ループの内縁部と線接触または面接触しており、当該面接触部分を介して、前記搬送ベルトに前記回転駆動力を伝達する
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のカーブコンベヤ。
【請求項6】
前記搬送領域を含む仮想平面を仮定する場合に、
前記搬送ベルトは、前記搬送領域を除く領域において、前記仮想平面に対して垂下した状態になっている
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のカーブコンベヤ。
【請求項7】
前記搬送ベルトは、互いに扇状をし、且つ、互いに同一サイズの複数のベルトピースの連結により構成されている
ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のカーブコンベヤ。
【請求項8】
前記複数のベルトピースの各々には、前記ループの周方向に孔または溝が設けられており、
前記複数のベルトピースの互いの間は、前記孔または溝に装着された弾性部材により連結されている
ことを特徴とする請求項7に記載のカーブコンベヤ。
【請求項9】
請求項1から8の何れかのカーブコンベヤを備える
ことを特徴とする搬送システム。
【請求項1】
対象物を円弧状に搬送する搬送領域を備えるカーブコンベヤであって、
回転駆動力を発生する動力源と、
ループをなす帯状体であり、前記動力源からの回転駆動力を受けて、前記搬送領域において、前記対象物の搬送方向に沿って滑動する搬送ベルトとを有し、
前記搬送ベルトは、前記搬送領域において、前記動力源からの回転駆動力を、前記ループの内縁部および外縁部の少なくとも一方への、線接触または面接触により伝達される
ことを特徴とするカーブコンベヤ。
【請求項2】
前記動力源と前記搬送ベルトとの間には、屈曲柔軟性を有し、前記回転駆動力の伝達媒体としての駆動ベルトが介在されており、
前記搬送領域において、前記駆動ベルトが前記搬送ベルトにおける前記ループの内縁部および外縁部の少なくとも一方に、線接触または面接触している
ことを特徴とする請求項1に記載のカーブコンベヤ。
【請求項3】
前記搬送領域に相当する円弧状の平面部分を有するベースを備え、
前記搬送ベルトは、前記搬送領域において、前記駆動ベルトにより前記ベースの平面部分に押しつけられている
ことを特徴とする請求項2に記載のカーブコンベヤ。
【請求項4】
前記駆動ベルトは、ゴム製であって円形断面を有する
ことを特徴とする請求項2または3に記載のカーブコンベヤ。
【請求項5】
前記搬送領域において、前記搬送ベルトにおける前記ループの内縁部には、前記動力源からの回転駆動力を受けて回転する回転体が被装されており、
前記回転体は、前記搬送ベルトにおける前記ループの内縁部と線接触または面接触しており、当該面接触部分を介して、前記搬送ベルトに前記回転駆動力を伝達する
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のカーブコンベヤ。
【請求項6】
前記搬送領域を含む仮想平面を仮定する場合に、
前記搬送ベルトは、前記搬送領域を除く領域において、前記仮想平面に対して垂下した状態になっている
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のカーブコンベヤ。
【請求項7】
前記搬送ベルトは、互いに扇状をし、且つ、互いに同一サイズの複数のベルトピースの連結により構成されている
ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のカーブコンベヤ。
【請求項8】
前記複数のベルトピースの各々には、前記ループの周方向に孔または溝が設けられており、
前記複数のベルトピースの互いの間は、前記孔または溝に装着された弾性部材により連結されている
ことを特徴とする請求項7に記載のカーブコンベヤ。
【請求項9】
請求項1から8の何れかのカーブコンベヤを備える
ことを特徴とする搬送システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−219225(P2011−219225A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90387(P2010−90387)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(592127965)NKE株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(592127965)NKE株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
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