説明

充填不足の予防機能を備える試験センサ

【課題】
【解決手段】流体試料中の分析物質の濃度を試験する試験センサは、試験センサの基部及び蓋により形成されたプレフィル毛管と、感知毛管とを含む。プレフィル毛管は、感知毛管と流体的に連通している。プレフィル毛管は、最初に、流体試料にて充填され、次に、流体試料の一部分は、分析物質の濃度を試験するため毛管作用により感知毛管まで動く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、流体試料中の分析物質の濃度を決定し得るようにされた試験センサ、より詳細には、試料の量が不十分とならないよう予防し得るようにされた感知毛管及びプレフィル毛管を有する試験センサに関する。
【背景技術】
【0002】
血液試料を迅速に取得し且つ、血液試料の分析を行なうことがしばしば必要となる。血液試料を取得する必要性の1つの例は、ユーザがユーザの血糖レベルを監視するため頻繁に使用しなければならない、血糖監視システムに関するものである。
【0003】
異常な血糖濃度レベルを有する者は、その血糖濃度レベルを規則的に自己監視することが医学的に要求される。糖尿病のような病気を含む多岐にわたる理由によって、異常な血糖レベルが引き起こされる可能性がある。血糖濃度レベルを監視する目的は、血糖濃度レベルを決定し且つ、そのレベルが高過ぎるか又は低過ぎるかに基づいて、矯正的措置をとりそのレベルを正常な範囲に戻すことである。矯正的措置をとらなかったとき、重大な合併症が生じることがある。血糖レベルが低過ぎるとき−低血糖症として知られる状態、緊張、震え及び意識の混乱を生じる可能性がある。その人の判断能力は損なわれ、最終的に死に至ることもある。また、その血糖レベルが高過ぎる場合−高血糖症として知られる状態、にも極めて病的な状態となる。低血糖症及び高血糖症という双方の状態は、潜在的に生命を脅かす緊急事態である。
【0004】
人間の血糖レベルを監視する1つの方法は、携帯型の持ち運び式血糖試験装置によるものである。これら装置の携帯型の性質は、ユーザが望む任意の時点又は任意の場所にてユーザがその血糖レベルを便宜に試験することを可能にする。グルコース試験装置は、分析のため血液を採取する試験センサを含む。血糖レベルをチェックするため、ランシング装置を用いて指先から1滴の血液を取得する。その血液滴は、指先にて生じさせ且つ、血液は、試験センサを使用して採取される。試験計器内に挿入される試験センサを血液滴と接触させる。試験センサは、血液を試験計器の内側まで吸引し、その後、その試験計器は、血液中のグルコースの濃度を決定する。試験結果が試験計器のディスプレイに表示されたら、試験センサを廃棄する。新たな試験毎に新たな試験センサが必要となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、幾つかのランシング及び(又は)試験装置に関連した1つの問題点は、正確な試験結果を得るのに必須の量の血液が常に取得できるとは限らないことである。ランスの約30%は、分析に十分な血液を生じさせることはできない。更に、ランスの各々から取得される血液の量は相違する。市場にある殆どの試験センサの場合、正確な試験結果を得るため、少なくとも1から3μLの血液を取得しなければならない。取得される量がこれより少ないならば、誤った試験結果となる可能性があり、このため、試験センサは無駄となる。
【0006】
しかし、より重大な問題は、採取された試料の量が不十分であるとき、ユーザは不正確な結果を信頼してしまうかも知れないという点である。明らかに、関連する医学的問題の重大な性質のため、誤った結果は避けなければならない。従って、正確な量の血液試料が取得されることを保証することのできる、充填不足に対する予防システムを有する試験センサが必要とされている。更に、不十分な試料の量となることを少なくするため、試験結果の正確さを損なうことなく、少量の血液で済む試験センサも必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
流体試料中の分析物質の濃度を測定する試験センサは、基部と、蓋と、基部及び蓋の接続により形成されたプレフィル毛管とを備えている。プレフィル毛管は、流体試料を被験者から受け取り得るようにされている。試験センサは、また、基部と、蓋との間に配置された感知毛管も備えている。感知毛管は、プレフィル毛管と流体連通しており且つ、分析物質−試験計器により試験するため流体試料の少なくとも一部分をプレフィル毛管から吸引し得るようにされている。
【0008】
流体試料中の分析物質の濃度を試験センサにて決定する方法は、プレフィル毛管と、感知毛管とを有する試験センサを提供する行為を含む。プレフィル毛管は、流体試料を被験者から受け取り得るようにされている。方法は、流体試料を、プレフィル毛管を介して被験者から収集するステップと、流体試料の一部分をプレフィル毛管から感知毛管内に動かすステップとを備え、感知毛管は、プレフィル毛管と流体的に連通しており、また、流体試料中の分析物質の濃度を測定するステップを備えている。
【0009】
流体試料中の分析物質の濃度を測定する試験センサは、基部と、蓋と、基部及び蓋の間に配置された感知毛管とを備えている。感知毛管は、150ナノリットル未満の容積を有している。
【0010】
本発明の上記の概要は、本発明の各実施の形態又はあらゆる形態を表わすことを意図するものではない。本発明の追加的な特徴及び有利な点は、以下の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲の記載から明らかになるであろう。
【0011】
本発明のその他の目的及び有利な効果は、図面に関する以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【0012】
背景部分にて説明したように、試験センサは、一般に、人間の血液中のグルコース量を測定するため使用される。本明細書に記載した本発明の実施の形態は、光試験センサに関して説明する。しかし、本発明は、光試験センサと共に使用することにのみ限定されず、その全体を参考として引用し本明細書に含めた、共有の米国特許明細書5,759,364号に記載されたように、電気化学的試験センサのようなその他の試験センサ又は、その全体を参考として引用し本明細書に含めた、共有の米国特許明細書5,723,284号に記載されるような比色分析試験センサと組み合わせて使用することを意図するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
先ず、図1を参照すると、本発明の1つの実施の形態に従った、試験センサ10の分解図が示されている。試験センサ10は、基部12と、蓋14とを含む。スペーサ16も図1の実施の形態にて示されている。基部12、蓋14及びスペーサ16は、基部12及び(又は)蓋14に施すことのできる、市場で3Mから入手可能なもののような、少なくとも1つの接着材料20により接続することができる。幾つかの実施の形態において、基部12、蓋14及びスペーサ16は、感熱性接着材料又は紫外線硬化性接着材料を使用して接続することができる。その他の実施の形態において、基部12、蓋14及びスペーサ16は、基板に装着された糊の接着材料層又は基板に取り付けられた接着材料層を使用して接続する。基板に取り付けられた接着材料層を使用する場合、接着材料層基部12又は蓋14に施された後、基板は除去することができる。当該技術にて既知のその他の装着形態も本発明により考えられる。
【0014】
幾つかの実施の形態において、試験センサ10は、試験センサ10の別個の構成要素としてスペーサ16を含まなくてもよい。その代わりとして試験センサ10は、基部12と一体的な構成要素であるスペーサ(図示せず)を有する基部12を含むことができる。スペーサ16を含む、以下に説明する試験センサ10の実施の形態の幾つかにおいて、これらの実施の形態の代替的構成として、基部12の一部として一体化されたスペーサを含むものが考えられる。
【0015】
上述したように、基部12、蓋14及びスペーサ16は、少なくとも1つの接着材料20により接続することができる。図2に示したような、幾つかの実施の形態において、基部12、蓋14及びスペーサ16の装着部は、試験センサ10の充填端26にてプレフィル毛管24を形成する。その他の実施の形態においては、基部12及び蓋14のみの装着部がプレフィル毛管24を形成する。プレフィル毛管24の寸法は、高さ約250μmから約350μm、幅約250μmから約350μm、及び長さ約3.2mmから約4.2mmの範囲とすることができる。本発明の1つの実施の形態のプレフィル毛管24の望ましい寸法は、高さ約300μm×幅約300μm×長さ約3.7mmである。このため、プレフィル毛管24の容積は、約0.53μL未満であり、約0.3から0.43μLであることが望ましい。
【0016】
試験センサ10は、また、図2に示したように、感知毛管30も含む。感知毛管30は、試験センサ10の充填端26からある距離にて基部12と蓋14との間に配置された別個の部分である。例えば、感知毛管30は、試験センサ10の充填端26から約3mmから約5mmの位置に配置することができる。幾つかの実施の形態において、感知毛管30は、試験センサ10の充填端26の端部から約3.7mmの位置に配置することができる。感知毛管30の内寸法は、幅約140μmから約160μm、高さ約70μmから約80μm及び長さ約8mmから約12mmの範囲とすることができる。本発明の1つの実施の形態の感知毛管30の望ましい寸法は、幅約150μm×高さ約75μm×長さ約10mmである。このため、感知毛管30の容積は、約0.2μL未満であり、また、約0.10から約0.15μLであることが望ましい。
【0017】
感知毛管30の一端(充填端26に最も近い端部)は、プレフィル毛管24と流体的に連通している。感知毛管30の他端は、感知毛管30の後部から試験センサ10の換気端32まで伸びる通路により換気することができる。換気通路は、流体試料が感知毛管30内に入り、また、空気が排除されたとき、感知毛管を換気し得るようにされている。
【0018】
望ましくは、プレフィル毛管24及び感知毛管30の合計容積は、約450ナノリットル未満であるものとする。幾つかの実施の形態において、プレフィル毛管24及び感知毛管30の合計容積は、約10ナノリットルから約450ナノリットル未満の範囲とすることができる。望ましくは、合計容積は、約150ナノリットルから約450ナノリットル未満の範囲とすることができる。プレフィル毛管24の容積は、感知毛管30の容積の少なくとも約2倍とし、また、感知毛管30の容積の少なくとも3倍であることが望ましい。
【0019】
プレフィル毛管24は、流体試料を被験者から受け取り得るようにされている。背景部分にて上述したように、試験を行なうため被験者から必要とされる流体の量は、分析物質の濃度の測定値の精度の点にて重要な要素である。プレフィル毛管24は、試料の充填不足として知られた、試料の大きさの不十分さという問題に対処する。プレフィル毛管24は、感知毛管30を介して行われる試料の適正な試験のため必要とされる試料の量よりも多量の流体試料を受け取る。その理由は、プレフィル毛管24の容積は、感知毛管30の容積の少なくとも2倍であるからである。
【0020】
プレフィル毛管24が流体試料にて充填されたとき、感知毛管30は、プレフィル毛管24及び感知毛管30は流体的に連通しているため、流体試料の一部分をプレフィル毛管24から受け取り始める。感知毛管30は、流体試料が試験センサ10の換気端32に向けて感知毛管30の端部に到達する迄、毛管動作により流体試料にて迅速に充填する。プレフィル毛管24から感知毛管30への流体の動きは、流体試料が感知毛管30の端部に到達し、感知毛管30が充填されたとき、停止する。
【0021】
作動時、試験センサ10は、充填端26の約10mmが計器の外側から見える状態にて分析物質の試験計器(図示せず)内に取り付けられる。被験者は、流体試料を試験センサ10の充填端26に提供する。試験センサ10の充填端26におけるプレフィル毛管24の充填を促進するため、基部12は、充填端26にて伸ばしリップ部を形成して、被験者の指によるプレフィル毛管24の端部のブロッキングを防止する。プレフィル毛管24の充填端がブロックされたとき、プレフィル毛管24を流体試料にて充填することはできない。
【0022】
十分な量の試料が取得できることを保証するため、被験者は、異なる時点にて多数回、プレフィル毛管24を充填することを試みるであろう。例えば、被験者は、プレフィル毛管24を充填する最初の試みを行ない、次に、数秒後、被験者は、プレフィル毛管24の充填を完了させるべく第二回の試みを行なうことができる。このことは、感知毛管30が充填される前に、十分な量の試料が取得できることを保証することになる。このプレフィル毛管24の充填のため、感知毛管30の充填不足の予防機能は、不十分な量の試料のため、最初に誤った試験結果又は試料センサ10を無駄にする可能性を少なくすることになる。
【0023】
プレフィル毛管24及び感知毛管30を介して十分な量の試料が取得できたとき、試験センサ10は直ちに、試験を行なうことができる。次に、図3を参照すると、本発明の試験センサ10は、試験センサ(図1に図示)の整合開口40を計器のストリップガイド内に成形された盛上がった円錐形の窪み42の上方に配置する計器内のストリップガイド(図示せず)を使用して、分析物質の試験計器内に配置される。整合開口40は、全体として、試験センサ10の充填端26付近に配置される。幾つかの実施の形態において、整合開口40は、試験センサ10の充填端26から約12mmの位置に配置されることが望ましい。
【0024】
円錐形の窪み42は、感知毛管30を分析物質−試験計器の整合チャネル内に案内する。整合チャネル44の幅は、約320μmであることが望ましい。この幅、すなわち約320μmのとき、整合チャネル44は、感知毛管30の外側幅、すなわち、約300μmよりも大きい。
【0025】
分析物質−試験計器の整合チャネル44の下方に、照明開口50がある。照明開口50は、分析物質−試験計器の光源から光ビームを受け取る。望ましくは、1つの実施の形態において、照明開口50は、幅約50μm及び長さ約2mmである。照明開口50を通過する光は、感知毛管30の内側幅、すなわち、約150μm内になければならない。感知毛管30が照明開口50内にて整合することは、正確な試験結果を受け取る点にて重要な要素である。整合誤差により、感知毛管30の端縁は、照明開口50から出る光ビームと干渉し且つ、誤った結果を引き起こすことになる。
【0026】
分析物質−試験計器内に配置された検出開口(図示せず)は、光が感知毛管30を通って伝送されるとき、光を検出する。感知毛管30及び流体試料を通して伝送された光は、分析物質の濃度を決定するため使用される。感知毛管30は、試薬にて被覆することができ、また、分析物質の濃度は、試験される分析物質の光学的性質の変化を測定することにより決定することができる。光学的性質の変化は、既知の分析物質の濃度の較正試料を同様に試験することにより予め取得した較正データと比較する。これと代替的に、感知毛管は、試薬にて被覆しなくてもよく、また、分析物質の濃度は、特定の波長にて直接、分析物質の量を読み取ることにより決定される。
【0027】
確実に分析することのできる流体試料の容量を少なくする1つの方法は、試験センサ10と分析物質−試験計器との間の機械的な整合許容公差を向上させることである。感知毛管30、整合チャネル44、照明開口50の間の最悪な場合の合計の機械的整合許容公差は、約+/−40μmである。この合計許容公差は、感知毛管30の整合チャネル44と外面との間の隙間を考慮して約+/−10μmの許容公差を含む。このように、感知毛管30の内側幅、すなわち、約150μmが照明開口50の幅、すなわち約50μmに対して整合することは、感知毛管30の内端縁が照明開口50から出る光ビームと干渉する前、側部当たり約50μmの整合誤差を残すことになる。機械的な許容公差は、側部当たり約40μmの隙間を生じさせ、このことは、側部当たり約10μmの追加的な安全率を残すことになる。
【0028】
流体試料をすくなくすることに加えて、より小さい機械的な許容整合公差は、分析物質の濃度の精度性能を向上させる。試験センサ10と分析物質−試験計器との間の機械的な整合許容公差に寄与する2つのみの部分は、感知毛管30及びストリップガイドである。ストリップガイドは、各寸法に対し僅か約+/−5μmの機械的許容公差にて精密マイクロ成形される。ストリップガイドは、インディアナ州、コロンバスのマキュタテクニクス(Makuta Technics)から市販されている。
【0029】
感知毛管30は、各寸法に対し僅か約+/−5μmの機械的な許容公差にて製造することもできる。本発明と共に使用することのできる1つの型式の感知毛管30は、破損を防止し得るよう表面の外側に透明なポリイミドの被覆を有して合成溶融石英から製造することができる。この型式の感知毛管は、アリゾナ州、フェニックスのポリマイクロテクノロジーズ(Polymicro Technologies)LLCから市販されている。
【0030】
感知毛管30を通る好ましい内側の経路長さは、約75μmであり、機械的な整合許容公差は、約+/−5μmである。経路長さの変化は、分析物質の濃度測定値を決定するとき比例的な誤りを生じさせることが知られている。経路長さの僅かに+/−5μmの変化は、経路長さに起因する分析物質の濃度の誤りを6.66%小さくし、又は、変化係数(C.V.)を約2.22%小さくする。より長い経路長さは、経路長さの誤りを比例的に小さくするであろう。
【0031】
流体試料の必要量をより少なくすることにより、試験センサ10の全体寸法は、幅約1mmから約3mm、長さ7mmから約13mm、及び深さ約0.25mmから約0.75mmに小さくすることができる。望ましくは、試験センサ10の全体寸法は、幅約2mm×長さ約10mm×厚さ約0.5mmである。より小さい試験センサの寸法は、特に、試験センサ10がカートリッジ内にて包装されたとき、分析物質−試験計器の寸法を小さくする。より小さい試験センサの寸法は、試験センサ10を製造する材料のコストを少なくする。
【0032】
本発明は、色々な改変例及び代替的な形態にて具体化可能であるが、その特定の実施の形態は、単に一例として示し且つ本明細書にて詳細に示したものである。しかし、本発明を開示された特定の形態に限定することを意図するものではなく、これに反して、本発明は、当該実施の形態により規定された本発明の精神及び範囲に属する全ての改変例、等価物及び代替例を包含すべきものである。
代替的な実施の形態
代替的な実施の形態A
流体試料中の分析物質の濃度を測定する試験センサにおいて、
基部及び蓋と、
基部及び蓋の接続により形成されたプレフィル毛管であって、流体試料を被験者から受け取り得るようにされた上記プレフィル毛管と、
基部と蓋との間に配置された感知毛管であって、プレフィル毛管と流体的に連通しており且つ、分析物質−試験計器により試験するため流体試料の少なくとも一部分をプレフィル毛管から吸引し得るようにされた上記感知毛管と、を備える試験センサである。
【0033】
代替的な実施の形態B
プレフィル毛管及び感知毛管の合計容積は、約450ナノリットル未満である、代替的な実施の形態Aの試験センサである。
【0034】
代替的な実施の形態C
プレフィル毛管及び感知毛管の合計容積は、約150ナノリットルから450ナノリットル未満の範囲である、代替的な実施の形態Bの試験センサである。
【0035】
代替的な実施の形態D
プレフィル毛管の容積は、感知毛管の容積以上である、代替的な実施の形態Aの試験センサである。
【0036】
代替的な実施の形態E
プレフィル毛管の容積は、感知毛管の容積の少なくとも2倍以上である、代替的な実施の形態Dの試験センサである。
【0037】
代替的な実施の形態F
感知毛管は、毛管作用によりプレフィル毛管からの流体試料にて充填し得るようにされた、代替的な実施の形態Aの試験センサである。
【0038】
代替的な実施の形態G
プレフィル毛管は、感知毛管が充填し始める前に、流体試料にて充填される、代替的な実施の形態Fの試験センサである。
【0039】
代替的な実施の形態H
基部と蓋との接続は、接着材料を介して行われる、代替的な実施の形態Aの試験センサである。
【0040】
代替的な実施の形態I
試験センサは、基部と蓋との間に配置されたスペーサを更に備える、代替的な実施の形態Hの試験センサである。
【0041】
代替的な実施の形態J
試験センサは、感知毛管を分析物質−試験計器の整合チャネル内に案内し得るようにされた整合開口を更に備える、代替的な実施の形態Aの試験センサである。
【0042】
代替的な実施の形態K
整合チャネルの幅は、感知毛管の外側幅よりも大きい、代替的な実施の形態Jの試験センサである。
【0043】
代替的な実施の形態L
試験センサは、流体試料を受け入れつつ、プレフィル毛管が栓止めされるのを防止すべく試験センサの第一の端部にリップ部を更に備える、代替的な実施の形態Aの試験センサである。
【0044】
代替的な実施の形態M
試験センサは、感知毛管を換気すべく試験センサの第二の端部に換気口を更に備える、代替的な実施の形態Aの試験センサである。
【0045】
代替的な過程N
流体試料中の分析物質の濃度を試験センサにて決定する方法において、
プレフィル毛管と、感知毛管とを有し、プレフィル毛管は被験者から流体試料を受け取り得るようにされた試験センサを提供するステップと、
流体試料を被験者からプレフィル毛管を介して収集するステップと、
流体試料の一部分をプレフィル毛管から感知毛管内に動かし、感知毛管はプレフィル毛管と流体的に連通するようにするステップと、
流体試料中の分析物質の濃度を測定するステップとを備える、方法である。
【0046】
代替的な過程O
流体試料を採取する行為は、被験者が異なる時点にてプレフィル毛管を充填することを許容するステップを含む、代替的な過程Nの方法である。
【0047】
代替的な過程P
分析物質の濃度を測定する行為は、感知毛管を通して光を伝送することにより行なわれる、代替的な過程Nの方法である。
【0048】
代替的な過程Q
プレフィル毛管と感知毛管の合計容積は、約450ナノリットル未満である、代替的な過程Nの方法である。
【0049】
代替的な過程R
プレフィル毛管と感知毛管の合計容積は、約150ナノリットルから約450ナノリットル未満の範囲である代替的な過程Qの方法である。
【0050】
代替的な過程S
プレフィル毛管の容積は、感知毛管の容積以上である、代替的な過程Nの方法である。
【0051】
代替的な過程T
プレフィル毛管の容積は、感知毛管の容積よりも少なくとも2倍以上大きい、代替的な過程Sの方法である。
【0052】
代替的な過程U
試験センサを試験センサの整合開口を介して分析物質−試験計器の整合チャネル内に案内するステップを更に備える、代替的な過程Nの方法である。
【0053】
代替的な過程V
流体試料をプレフィル毛管を介して採取する行為は、流体試料を受け取りつつ、プレフィル毛管が栓止めされるのを防止すべく試験センサの第一の端部にリップ部を提供するステップを備える、代替的な過程Nの方法である。
【0054】
代替的な過程W
流体試料中の分析物質の濃度を測定する試験センサにおいて、
基部及び蓋と、
基部と蓋との間に配置された感知毛管であって、約150ナノリットル未満の容積を有する上記感知毛管とを備える、試験センサである。
【0055】
代替的な過程X
感知毛管は合成溶融石英にて出来ている、代替的な実施の形態Wの試験センサである。
【0056】
代替的な過程Y
感知毛管は、破損を防止すべく感知毛管の外面に透明なポリイミドの被覆を含む、代替的な実施の形態Wの試験センサである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の1つの実施の形態に従った試験センサの分解図である。
【図2】プレフィル毛管及び感知毛管を有する図1の試験センサの斜視図である。
【図3】整合チャネル及び照明開口を示す分析物質の試験計器の側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体試料中の分析物質の濃度を測定する試験センサにおいて、
基部及び蓋と、
基部及び蓋の接続により形成されたプレフィル毛管であって、流体試料を被験者から受け取り得るようにされた前記プレフィル毛管と、
基部と蓋との間に配置された感知毛管であって、プレフィル毛管と流体的に連通しており且つ、分析物質−試験計器により試験するため流体試料の少なくとも一部分をプレフィル毛管から吸引し得るようにされた前記感知毛管と、を備える試験センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の試験センサにおいて、プレフィル毛管及び感知毛管の合計容積は、約450ナノリットル未満である、試験センサ。
【請求項3】
請求項2に記載の試験センサにおいて、プレフィル毛管及び感知毛管の合計容積は、約150ナノリットルから450ナノリットル未満の範囲である、試験センサ。
【請求項4】
請求項1に記載の試験センサにおいて、プレフィル毛管の容積は、感知毛管の容積以上である、試験センサ。
【請求項5】
請求項4に記載の試験センサにおいて、プレフィル毛管の容積は、感知毛管の容積の少なくとも2倍以上である、試験センサ。
【請求項6】
請求項1に記載の試験センサにおいて、感知毛管は、毛管作用によりプレフィル毛管からの流体試料にて充填し得るようにされた、試験センサ。
【請求項7】
請求項6に記載の試験センサにおいて、プレフィル毛管は、感知毛管が充填し始める前に、流体試料にて充填される、試験センサ。
【請求項8】
請求項1に記載の試験センサにおいて、基部と蓋との接続は、接着材料を介して行われる、試験センサ。
【請求項9】
請求項8に記載の試験センサにおいて、基部と蓋との間に配置されたスペーサを更に備える、試験センサ。
【請求項10】
請求項1に記載の試験センサにおいて、感知毛管を分析物質−試験計器の整合チャネル内に案内し得るようにされた整合開口を更に備える、試験センサ。
【請求項11】
請求項10に記載の試験センサにおいて、整合チャネルの幅は、感知毛管の外側幅よりも大きい、試験センサ。
【請求項12】
請求項1に記載の試験センサにおいて、流体試料を受け入れつつ、プレフィル毛管が栓止めされるのを防止すべく試験センサの第一の端部にリップ部を更に備える、試験センサ。
【請求項13】
請求項1に記載の試験センサにおいて、感知毛管を換気すべく試験センサの第二の端部に換気口を更に備える、試験センサ。
【請求項14】
流体試料中の分析物質の濃度を試験センサにて決定する方法において、
プレフィル毛管と、感知毛管とを有し、プレフィル毛管は被験者から流体試料を受け取り得るようにされた試験センサを提供するステップと、
流体試料を被験者からプレフィル毛管を介して収集するステップと、
流体試料の一部分をプレフィル毛管から感知毛管内に動かし、感知毛管はプレフィル毛管と流体的に連通するようにするステップと、
流体試料中の分析物質の濃度を測定するステップとを備える、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、流体試料を収集する行為は、被験者が異なる時点にてプレフィル毛管を充填することを許容するステップを含む、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、分析物質の濃度を測定する行為は、感知毛管を通して光を伝送することにより行なわれる、方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法において、プレフィル毛管と感知毛管との合計容積は、約450ナノリットル未満である、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、プレフィル毛管と感知毛管との合計容積は、約150ナノリットルから約450ナノリットル未満の範囲である、方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法において、プレフィル毛管の容積は、感知毛管の容積以上である、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、プレフィル毛管の容積は、感知毛管の容積よりも少なくとも2倍以上大きい、方法。
【請求項21】
請求項14に記載の方法において、試験センサを試験センサの整合開口を介して分析物質−試験計器の整合チャネル内に案内するステップを更に備える、方法。
【請求項22】
請求項14に記載の方法において、流体試料をプレフィル毛管を介して採取する行為は、流体試料を受け取りつつ、プレフィル毛管が栓止めされるのを防止すべく試験センサの第一の端部にリップ部を提供するステップを備える、方法。
【請求項23】
流体試料中の分析物質の濃度を測定する試験センサにおいて、
基部及び蓋と、
基部と蓋との間に配置された感知毛管であって、約150ナノリットル未満の容積を有する前記感知毛管とを備える、試験センサ。
【請求項24】
請求項23に記載の試験センサにおいて、感知毛管は合成溶融石英にて出来ている、試験センサ。
【請求項25】
請求項23に記載の試験センサにおいて、感知毛管は、破損を防止すべく感知毛管の外面に透明なポリイミドの被覆を含む、試験センサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2009−536733(P2009−536733A)
【公表日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509680(P2009−509680)
【出願日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/010613
【国際公開番号】WO2007/133456
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(503106111)バイエル・ヘルスケア・エルエルシー (154)
【Fターム(参考)】