説明

生体媒質中で酵素活性を決定する方法

生体媒質中で酵素濃度の経時的な変化をシグナル基質の存在下で決定するために、基質消費、シグナルの色依存性、及びシグナル基質の脱離基濃度とシグナル量との間の非線形性について補正する、信頼性が高く、迅速で便利な方法が提供される。本方法は、緩衝液などの好適な媒質中で較正物質曲線を測定して、測定された曲線の特徴を決定することを含む。これらの特徴により、酵素産生が起こる媒質の試料の一点測定に基づく数学的手順を介して、再度この曲線の全体又はその十分な部分を取得することが可能になろう。これには、一点測定が適しているため個々の各媒質中で較正物質曲線全体を測定する必要がないという大きな利点がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は診断学の分野であり、特に、生物学的に活性型のトロンビンなどのタンパク質分解酵素を血液及び他の体液中で決定する新しい方法、並びに本方法を実行するための検査キットに関する。
【背景技術】
【0002】
生化学、化学、医学、及び診断学などの分野では数多くの研究室が、生体媒質中で酵素の産生を測定することに関心を持っている。そのためには、一般に、発色団又はフルオロフォアを遊離し、したがって経時的な追跡及び測定ができる発色性又は蛍光性シグナルを変換後に発生させるシグナル基質が使用される。
【0003】
生体媒質中の酵素の形成を経時的に追跡するのに便利な方法は、生体媒質に基質を直接添加することであり、例えば、トロンビンが形成される凝固血漿に蛍光発生基質を添加することである。これには、酵素産生がその生理的媒質中で測定されるという利点がある。
【0004】
この方法の欠点は、この媒質中にも存在し得る任意の生理的基質に対する酵素活性が添加されるシグナル基質と競合し、酵素産生が完了する前に基質が完全に消費され得ることである。これらの影響を最小限にするために、通常は、酵素への結合があまり強固でなく(すなわちKが低く)、あまり急速には変換されない(すなわちkcatが低い)基質が選択される。
【0005】
別の問題は、測定されたシグナルが、通常、反応の生じる媒質の濁度及び色に依存することである。したがって、様々な供給体又は供与体に由来する媒質中の同量の酵素が、様々な量のシグナルを発生させる可能性がある。また、発色団又はフルオロフォアの濃度は、シグナル量に正比例しない可能性がある。これにより、反応の時間経過中に存在する酵素の量を算出するのはより困難になる。経時的な酵素濃度を正確に定量するためには、これら全ての効果を考慮しなければならない。
【0006】
国際公開第03/093831号パンフレットには、トロンビン基質を、存在するトロンビン量との関連性を有する検出可能なシグナル量を単位時間当たりに産出する試料に添加することを含む、血液試料又は血漿試料中でタンパク質分解活性、特にトロンビン活性の過程をリアルタイムで、活性の試料中での出現及び試料からの消失に従って決定するための方法が開示されている。同時に、トロンビン産生が誘発されない同一の血液又は血漿の対照試料中で、一定のトロンビン活性がある標準調製物の活性が測定される。任意の時点で存在するトロンビンの正確なモル量は、同時に測定された較正物質から取得した較正物質曲線と凝固血液中で測定された活性を比較することにより取得される。また、媒質の色がシグナルに影響を与える場合、この較正物質曲線は、使用されるそれぞれの色の媒質中で決定されるのが最良であると開示されている。
【0007】
異なる色又は濁度の別の媒質中で較正された同一量の酵素を測定する方法は、いわゆる媒質依存効果を除くと、非常に類似した較正曲線を生成しよう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、この較正曲線が1つの媒質中で1回だけ測定され、異なる色又は濁度の類似媒質中での測定が、もはや曲線全体の測定により実施されるのではなく、「一点」測定により置換され得る代替法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、凝固血漿中でトロンビンの経時的な経過を決定するための方法であって、
a)所定量のトロンビン活性を含有する反応混合物にシグナル基質を添加するステップであり、前記シグナル基質が、前記トロンビン活性との反応で形成された変換産物と関連する検出可能なシグナルを生じるステップと;
b)ステップa)の経時的なシグナル曲線の特徴を、前記曲線の初期傾斜が計算されその曲率が推定されるような数学的手順により決定するステップと;
c)トロンビン産生が起こる血漿にシグナル基質を添加するステップであり、前記シグナル基質が、トロンビンとの反応で形成された変換産物と関連する検出可能なシグナルを生じるステップと;
d)トロンビン産生が起こる同一の試料、又は同一の血漿の別の試料に蛍光化合物を添加し、それにより、血漿がもたらす濁度及び/又は色がシグナルに与える影響の指標として使用される検出可能なシグナルが得られるステップと;
e)ステップd)での測定をステップa)での測定と比較して、トロンビン産生が起こる血漿の濁度及び色について補正するための関連性を確立するステップと;
f)ステップb)で決定された1)の測定の曲率を使用して、シグナルが測定される系の非線形性について補正し、ステップb)から導き出された初期傾斜を使用して、ステップc)で測定されたシグナルから経時的なトロンビン濃度を算出するステップとを含む方法が提供される。
【0010】
さらに、本発明は、請求項1に記載の方法を実行するためのキットであって、以下の構成要素:
−測定される既知濃度の酵素、又は測定される酵素と類似したシグナル基質に対する酵素活性を有する既知濃度の化合物;
−酵素産生を開始するための誘発用試薬;
−検査の診断価値を促進する添加物;
−標準化及び/又は対照に使用できる血漿;
−シグナル基質又はシグナルを発生する脱離基が付加されたシグナル基質を含有する試薬;
−プログラムがコンピュータ上で作動すると、本明細書中で開示された方法により決定される酵素活性を算出するための、コンピュータのメモリに直接ロード可能なソフトウェアプログラム;
−使用説明書;
−酵素産生が起こる媒質の内部又は外部で使用する較正された量のフルオロフォア;
−酵素産生が起こる媒質の内部又は外部で使用できる蛍光発生源
を含むキットを提供する。
【0011】
通常、第1の生体試料は、血液、多血小板血漿、乏血小板血漿又は無血小板血漿を含む血漿、唾液、血清、尿、脳脊髄液、精液、及び大便から選択される。
【0012】
血液試料に対して本発明の方法を実行する際、血液は、通常、血液中の遊離カルシウムイオンが結合しトロンビン形成及び凝固が防止されるように、クエン酸ナトリウム又はEDTAなどのいずれかを含有するチューブに採取される。それ故、トロンビン産生を開始するためには、測定開始の直前にカルシウムを添加すべきである。しかしながら、血液がクエン酸ナトリウムなどに採取されない場合は、このカルシウム添加が必要でないことがある。例えば、本方法は、血液採取後数分以内に実験が開始可能になるように使用される。
【0013】
決定されるタンパク質分解活性は、通常、トロンビンを含む活性化凝固因子活性、活性化フィブリン溶解因子活性、及び補体系活性の活性化成分の群から選択される。本発明の方法により、血液試料又は血漿試料からトロンビン活性の経過をリアルタイムで決定することは、好ましい実施形態である。
【0014】
本方法で使用されるシグナル基質は、好ましくは脱離基を含む化合物の群から選択され、前記脱離基は、形成されたタンパク質分解酵素による反応の際に検出可能な変換産物をもたらす。この変換産物は通常、分光法、特に蛍光(好ましい)、光学密度、及びNMRにより決定される。したがって、前記脱離基は通常、蛍光基、発色団、又は水素イオンを遊離する基などである。本発明の方法を実行するための好適で好ましいシグナル基質は、Z−Gly−Gly−Arg−AMCである。また、好適で検出可能な変換産物には、p−ニトロアニリド及び7−アミノ−4−メチルクマリンが含まれる。
【0015】
上記で定義したように、定常性で既知の安定したタンパク質分解活性を有する本発明の方法を実行するための好適な手段には、αマクログロブリン−トロンビン複合体(好ましい)、スタフィロコアグラーゼ−プロトロンビン複合体、及びガンマトロンビンが含まれる。また、活性中心はそのままであるが、反応混合物中のタンパク質との機能的相互作用が消失するように、2次的な認識部位で改変がなされた任意のタンパク質分解酵素が使用できる。
【0016】
本方法を実行するための有用なタンパク質分解酵素活性物質には、カルシウムイオン、リン脂質、組織因子、可溶性組織因子、トロンボプラスチン、カオリン、及びエラグ酸が含まれる。
【0017】
本発明の別の態様によれば、前記第1の生体試料は、止血−血栓系など研究中のタンパク質分解系への影響が試験される医薬品をさらに含む。本方法で試験され得る好適な医薬品は、抗血小板剤及び抗凝血剤などの抗血栓剤、例えばヘパリン、デルマタン硫酸、トロンビン直接阻害剤、例えばヒルジン、アルガトロバン又はメラガトラン、並びにXa因子阻害剤、例えば高濃度抗凝固性タンパク質である。
【0018】
本発明のこれらの及び他の目的は、下記においてより詳細に説明されよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】トロンビン及びシグナル基質を含有する反応混合物からの経時的なシグナルを示す図である。
【図2】緩衝液及び血漿中のフルオロフォア(アミノメチルクマリン、AMC)濃度の範囲を示す図である。内部フィルター効果(IFE)のため、曲線は下方屈曲する。同じフルオロフォア濃度でのシグナル量が、2つの異なる媒質で相当異なることも観察される。
【図3】a)較正物質曲線(屈曲した線、黒色)、b)IFEについて補正した同曲線(破線)及びc)IFEについて補正しその後基質消費についても補正した同曲線(直線)を示す図である。最初の曲線は、左軸の値(蛍光単位、FU)に従ってプロットされている。破線の曲線は、図2に示されているような蛍光とAMC濃度との間の関連性から算出される。
【図4】異なる血漿中での同濃度のトロンビン活性の測定によって得られた曲線を示す図である。
【図5】曲線の初期傾斜と終レベルとの間の関連性を示す図である。
【図6】異なる供与体の血漿の光学密度と、同一の血漿中で測定した較正物質曲線の終レベルとの間の関連性を示した図である。
【図7】一点測定が、マイクロタイターウエルの下に設置された蛍光発生源から決定される、考えうる装置の図面を示す図である。
【図8A】血漿中のトロンビン産生の未補正及び補正済の蛍光測定値を示す図である。
【図8B】緩衝液中のトロンビン測定を示す図であり、破線は、IFE及び基質消費について補正したシグナルを示す図である。
【図9】本発明により算出された、a2M−IIaのアミド分解活性について補正前(細線)及び補正後(太線)の経時的なトロンビン値を示す図である。
【0020】
定義
定義血液又は血漿試料中に生じるタンパク質分解酵素と関連して本明細書中で使用される「一時的活性」という用語は、いったん生理学的な過程が当技術分野で公知の手段で開始されると、酵素活性がまず上昇し、その後最終的には(近似的に)無活性にまで再び低下する事実を指す。
【0021】
本明細書中で使用される「生体媒質」という用語は、場合によっては「媒質」とも呼ばれ、酵素活性化及び不活化の生物学的過程が起こる、血漿、血液細胞若しくは全血を含む血漿又は体内若しくはその他に由来する任意の他の体液を指す。
【0022】
「一点測定」(SPM)という用語は、経時的なシグナルの変化が追跡される一連の測定とは対照的に、シグナルが短い期間中に測定される技術を指す。SPMは、繰り返して測定しその後平均化してよく、又は1回だけ測定してよい。
【0023】
本明細書中で使用される場合、「シグナル基質」という用語は、媒質に存在するタンパク質分解酵素(複数可)により切断され、光学的方法、NMR法又は他の方法により検出可能な脱離基がそこから離脱する基質を意味する。光学的に検出可能な脱離基は、例えばp−ニトロアニリド及び7−アミド−4−メチルクマリンである。p−ニトロアニリドは405nmで吸光し、7−アミド−4−メチルクマリンは蛍光性(励起が350nmで、発光が460nm)である。NMRに有効な脱離基の例は、31P、13C、又はNMR若しくは類似技術で検出できる任意の他の原子を含有する脱離基である。Hイオンも、pHの変化を測定することにより検出できる脱離基として使用できる。また、濃度を経時的に追跡される酵素が反応混合物に添加された基質の変化に関与し、電気伝導度を測定することにより追跡できるアンペロメトリック基質もまた使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
上記で言及したように、生体媒質の試料中の酵素形成を決定する確立された方法は、その酵素に特異的なシグナル基質を媒質に添加し、経時的にシグナルを追跡することである。このシグナルは、酵素の濃度変化に依存するだけでなく、種々の媒質依存的及び媒質非依存的パラメータにも依存する。媒質依存的パラメータには、前記媒質の濁度及び吸収スペクトル(例えば色)が含まれる。媒質非依存的パラメータには、酵素の濃度、基質の濃度、酵素に対するシグナル基質の酵素動力学的パラメータ(K及びkcatなど)、測定技術、測定中に媒質がその中で存在する物質、及び使用される容積などが含まれる。
【0025】
国際公開第03/093831号パンフレットには、これらの効果について補正するために、較正された量の酵素を媒質に添加することが開示されている。シグナル基質の添加は、その後、媒質非依存的影響と同様に媒質依存的影響が見られるシグナルをもたらす。この測定は、その後、その生体媒質(の別の試料)中で形成される未知量の酵素を算出するために使用される。すなわち、この曲線は、シグナルを同一媒質の別の試料中の生体反応の間に形成される酵素の経時的な濃度に変換するために必要な全ての情報を含む「較正物質曲線」としての役割を果たす。この設定では、較正曲線が、酵素形成が起こる同一の色及び濁度の媒質で測定されることが必要である。これは、媒質依存的なシグナルへの影響について補正するための最も最適な方法である。
【0026】
本発明は、基質消費、シグナルの色依存性、及び発色団又はフルオロフォアの濃度とシグナル量との間の非線形性について適切な補正がなされる、シグナル基質の存在下で生体媒質中の経時的な酵素濃度の変化を決定するための、信頼性が高く、迅速で便利な方法を提供する。測定されるシグナルは、各試料毎に異なる効果(試料依存的変動性)及び類似の条件下で測定される試料全てで同一である効果について補正される。このような変動性には、基質消費の効果、内部フィルター効果、実験装置固有の効果、及び実験の設定に依存する効果などが含まれる。本発明の鍵は、試料依存的変動性とは別々に試料非依存的変動性を測定することである。試料依存的変動性は、その後より便利でより容易な方法で測定できる。
【0027】
この一点測定は、シグナル量が媒質の色及び/又は濁度の指標であるように、シグナルが媒質を介して伝わる、あるシグナルの発生源を測定することからなる。本方法は、基本的に、緩衝液などの好適な媒質中で較正物質曲線を測定して、測定された曲線の特徴を決定することを含む。これらの特徴により、試料非依存的変動性が説明され、その後、酵素産生が起こる媒質試料中の試料依存的変動性の一点測定に基づく数学的手順を介して、再度この曲線の全体又は曲線の十分な部分を取得することが可能になろう。これには、媒質の個々の各試料中で較正物質曲線全体を測定する必要がなく、一点測定で十分であるという大きな利点がある。この一点測定は、媒質自体が引き起こすシグナル変動性の指標であるべきである。一点測定は、生体媒質中で濃度が固定されたフルオロフォアの測定を含むこともあり、その結果は供与体毎の血漿の色の違いの指標である。
【0028】
トロンビンは、凝固中の血漿に出現及び消失する。好適な蛍光発生基質がこの反応に添加されると、蛍光が経時的に追跡され、この蛍光からトロンビンの濃度が算出できる。しかしながら、測定されるシグナルは、基質消費及び産生されるフルオロフォアの量と蛍光量との間の非線形的関連性による、系の非線形性を被る。これは、緩衝液中の量が固定されたトロンビンが、蛍光光度計で蛍光発生基質Z−Gly−Gly−Arg−AMCの存在下で測定された図1に図示されており、下方屈曲した曲線が明らかに示されている。典型的には、そのような曲線は3つの特徴:初期傾斜(1)、終レベル(2)及び曲率(3)を有する。
【0029】
初期傾斜(1)
初期傾斜は、特に、反応が追跡される媒質の色、基質濃度及びトロンビン濃度に依存する。時点ゼロでは基質が消費されずフルオロフォアが形成されていないため、定義により、初期傾斜は、基質消費の効果及び内部フィルター効果を被らない。したがって、初期傾斜は、1分当たりの蛍光単位(FU)と酵素濃度との間の変換:FU/分×C=[トロンビン]をもたらす。このCは、反応の全期間中でCが固定値に留まるようにシグナルが補正された時、トロンビン産生が起こる試料中の経時的なトロンビンを算出するためにのみ使用される。
【0030】
終レベル(2)
プラトーに達すると、基質は完全に消費され且つ/又は系が蛍光の限界に達し、すなわちより多くのフルオロフォアがより多くのシグナルをもたらさない。
【0031】
したがって、終レベルで測定された蛍光量は、フルオロフォア濃度及び系の限界に依存する。また、この終レベルは、蛍光が測定される媒質の色に依存する。
【0032】
曲率(3)
曲率は、基質消費にだけでなく、フルオロフォア量と蛍光シグナル量との間の非線形性にも依存する。フルオロフォア濃度と測定された蛍光量との間の関連性は非線形であることが多く、それはフルオロフォア濃度の増加が比較的少ない蛍光をもたらすことが原因である(内部フィルター効果)。第2の効果は、基質濃度の低下に繋がる基質変換である(図2及び図3を参照)。これらの基質濃度が基質のKmより下又は付近になると、トロンビンが基質を変換する速度が基質の低下と共に減速しよう。基質、測定される酵素及び測定系の選択によっては、曲率が強いこともあり又は存在しないこともある。
【0033】
図4は、同濃度のトロンビン活性(異なる供与体由来の血漿中で測定されたアルファ2マクログロブリン−トロンビン複合体(α2M−IIa)から導き出された)の測定の例を示す。この図から、1)これらの異なる血漿中の同一の酵素活性が大きな差異を示すこと、2)全ての曲線がプラトーに向かって下方屈曲することが明らかである。これらの曲線には、系の非線形性と同様に供与体毎の血漿の色の違いについて補正するために必要な情報が全て含まれている。図4の曲線は、式:
FU(t)=FU(0)+MAX(1−EXP(時間K))
により数学的にフィッティングが可能で、式中、
FU(t)は経時的な蛍光であり、
FU(0)は蛍光の初期値であり、
MAXは終レベルであり、
Kは曲率を記述する。
【0034】
通常、この対数式は良好な近似的フィッティングをもたらすが、多項式関数、双曲線若しくはそれらの組合せ、又は他の代替関数などの代替数式が使用できる。使用する式は重要ではなく、曲率及び使用する媒質の色の違いについての補正ができるように曲線を記述できることが必要なだけである。
【0035】
図5は、各曲線の初期傾斜とその終レベルとの間の関連性が驚くほど優秀であることを示す。いったんこの関連性が確立されると、初期傾斜は終レベルの値だけで算出できる。パラメータKにより記述された曲率は、全ての曲線で同一であり、媒質の色により影響を受けない。したがって、Kは、基質消費及び内部フィルター効果など系のアーチファクトにより影響を受けるが、1回測定する必要があるだけである。それ以後は、終レベルを測定するだけで曲線を生成できる。この終レベルは、全ての基質がフルオロフォアに変換された状況で測定する。蛍光発生基質と酵素の組合せを添加するのではなく、この量のフルオロフォアを個々の各血漿に添加しても、同一量のシグナルがもたらされよう。これは、いったんKが判明しフルオロフォア添加の一点測定のみで終レベルが判明すると、あたかもこれらの曲線の全てがこれらの個々の血漿の全てで測定されたかのように、個々の各血漿についての曲線全体を生成できることを意味する。
【0036】
いったんKが判明し終レベルが測定されると、酵素産生曲線から導き出されたシグナル基質変換の値が補正できる。本発明は、媒質の色の影響について補正するために、個々の各血漿中で決定された一点測定のみの使用を提唱する。この一点測定は、曲線の非線形性について補正するためにも使用できる。終レベルの測定は、おそらく系の非線形性について補正する最も正確なパラメータであるが、曲線の値であればどれでも、曲線全体を記述するために使用できる。例えば、曲線のシグナル値が終レベルの50%を示すことが判明すれば、適切な数式により、残りの曲線を外挿及び内挿できよう。値が終レベルに近ければ近いほど、フィッティングはより正確になろう。プラトーに向かって下方屈曲しない較正物質曲線の場合、又は系の非線形性が重要でないと考えられる場合でも、一点測定は色の補正のためだけにも使用できる。後者の場合、パラメータKの値は使用しない。
【0037】
血漿中のトロンビン産生の測定は、血栓−止血系の機能性を評価するための優秀な手段である。上記で言及したように、国際公開第03/093831号パンフレットには、凝固血漿中のトロンビン産生を測定する方法が開示されている。この方法は現在広く使用され、現行の手順では蛍光検出を伴う。血漿は2つの試料に分割され、一方の試料ではトロンビン産生が誘発され(TG試料)、他方の試料には較正された量のa2M−IIa活性が添加される。両試料は同量の蛍光発生基質を受容し、蛍光は蛍光光度計で追跡される。較正物質曲線(図1に類似している)は、内部フィルター効果及び基質消費のため下方屈曲する。この較正物質曲線から、TG試料中で形成される経時的なトロンビン量を算出できる:
【0038】
a)較正物質曲線を「直線化」するために必要なパラメータは、TG試料から導き出された蛍光シグナルについて補正するために使用できる。以下の図8Aを参照されたい。この補正の正確性は較正物質曲線の測定が長くなるに伴って向上し、すなわち測定が曲線の終レベル付近に接近すればするほど、補正に必要な数学的パラメータはより正確に推定できる。これは、曲線の測定に必要な最小限の時間が、実際の手順では通常少なくとも20分であることを意味する。Thrombinoscope BV社、オランダ(www.thrombinoscope.com)から市販されているソフトウェアにより、TG曲線の各蛍光量の蛍光補正値が算出される。TG試料の蛍光測定値は、その後補正値に置換される。
【0039】
b)較正物質曲線は既知量のトロンビン活性で測定されたため、トロンビン濃度に到達するためにTG試料の経時的蛍光の一次導関数、FU/分(1分当たりの蛍光単位)を操作できることで、較正物質曲線から変換曲線を導き出すことができる。
【0040】
a)でのパラメータは、実際に媒質の色及び濁度に依存しないことが理解されるべきである。しかしシグナルは媒質の色と共に変化するため、国際公開第03/093831号パンフレットでは、開示された方法において、較正物質曲線をトロンビン産生が起こる同一の血漿(TG試料)(の別の試料)中で測定すべきであると教示している。シグナルは血漿の色の差異により供与体間で顕著に異なるため、較正物質曲線は個々の各血漿中で測定する必要がある。b)で言及した変換要因は、蛍光が測定される血漿の色に依存する。
【0041】
本発明は、血漿の色及び濁度についての補正を可能にすることにより、国際公開第03/09831号パンフレットで開示されたトロンビン産生検査の向上を提供する。
【0042】
本発明によると、試料中の色の差異及び/又は内部フィルター効果並びに基質消費について補正する十分な情報を取得するのに、血漿試料での測定が1回だけ必要である。較正物質曲線の特徴を確立するためには、使用される蛍光光度計で、好適な媒質中の測定が1回必要である。いったんそれらが判明すると、それぞれの媒質の色について一点測定を実施するのが必要なだけである。この一点測定は、例えば、以下の種々の方法で行うことができる。
【0043】
2.媒質の光学密度の測定。適切な波長で測定された光学密度の差異間、異なる血漿及び異なる終レベル又は較正物質曲線の初期傾斜間で良好な関連性がある(図6)。OD測定にはわずか数秒又はそれ以下しかかからず、いったんこの関連性が確立されると補正をするのが可能になる。
【0044】
3.フルオロフォアを血漿に添加でき、測定される蛍光量は血漿の色に依存しよう。蛍光量は、終レベル又は較正物質曲線の初期傾斜についての優秀な指標を示す。フルオロフォア濃度が基質量と等しい場合、測定値は終レベルと等しくなろう。この一点測定と様々な媒質の色による蛍光の変動性との間の関連性が確立される限り、より低濃度のフルオロフォアでも十分となろう。たとえフルオロフォアの濃度がゼロでも、すなわち血漿のみの蛍光が測定されても、測定値は血漿の色に依存する。しかしながら、フルオロフォアの添加は補正の正確性を大きく増加させる。各血漿にフルオロフォアを添加する便利な方法は、蛍光発生基質自体にフルオロフォアを添加することである。例えば、基質初期基質濃度の濃度の5%に等しい濃度のフルオロフォアが添加されると、測定はゼロ時点において一定のオフセットの蛍光を示すことになる。このオフセットは、シグナルが試料の色及び濁度によりどのように影響を受けるかの優秀な指標となり、それらの効果について補正するために使用できる。これは、トロンビン産生が起こるまさに同一の血漿試料も較正のために使用できるという大きな利点を有しよう。これは、検査をするのに必要な試料の最低量を低減し、測定処理量を増加させよう。
【0045】
4.蛍光発生源は、励起光が試料を通過し発生源に到達しなければならず且つ/又は発光光が試料を通過して検出器に到達しなければならないように配置できる。例えば、血漿で満たされた透明なキュベットをフルオロフォアで満たされたキュベットの隣に設置できる。発光光がまず試料を通過しその後フルオロフォア溶液に到ると、測定は試料の色の差異に比例しよう。フルオロフォア溶液の代わりに、好適な物質に結合された乾燥蛍光フルオロフォア又は蛍光性に作られたメッシュ(mesh)若しくはゲル若しくはメイズ(maze)若しくは吸収性物質など他の蛍光発生源を使用してよく、そこに血漿、多血小板血漿、又は全血が添加される。マイクロタイタープレートを使用した考えうる装置を図7に示す。この例では、蛍光発生源はマイクロタイターウエルの外部で且つ下に設置されている。
【0046】
本発明は、上記で開示したように、本発明の方法を実行するためのキットをさらに提供する。そのようなキットは好都合には、好適な容器又は他の従来の包装手段に、1つ又は複数の以下の構成要素を含む:
−測定される既知濃度の酵素、又は測定される酵素と類似したシグナル基質に対する酵素活性を有する既知濃度の化合物。
−酵素産生を開始するための誘発用試薬。特に、そのような誘発剤が、全血、又は多血小板血漿若しくは乏血小板血漿若しくは無血小板血漿中でトロンビン活性の測定に使用される場合、好適な誘発剤は、1つ又は複数の以下の化合物:精製された又は組換え型の組織因子、リン脂質小胞、微粒子、凝固因子、コラーゲン、血小板活性化因子、トロンビンを含有する試薬である。
−検査の診断価値を促進する添加物。特に、そのような添加物が、全血、又は多血小板血漿若しくは乏血小板血漿若しくは無血小板血漿中でトロンビン活性の測定に使用される場合、好適な添加物は、精製された又は合成された(組換え型の)トロンボモジュリン、活性化プロテインC、抗血栓薬、抗血小板薬、精製された又は合成された(組換え型の)凝固因子である。
−標準化及び/又は対照に使用できる血漿。
−シグナル基質又はシグナルを発生する脱離基が付加されたシグナル基質を含有する試薬。
−プログラムがコンピュータ上で作動すると、本明細書中で開示された方法により決定される酵素活性を算出するための、コンピュータのメモリに直接ロード可能なソフトウェアプログラム。
−使用説明書。
−酵素産生が起こる媒質の内部又は外部で使用する較正された量のフルオロフォア。
−酵素産生が起こる媒質の内部又は外部で使用できる蛍光発生源。これは、液体、ゲル、吸収性物質、メイズ、又は蛍光性の若しくは蛍光性に作られた任意の形態の物質であり得る。
−上記で言及した化合物又は添加物の任意の組合せを含有する試薬。
−キュベット、マイクロタイタープレート又は測定を都合よく遂行するために必要な他の器具などの使い捨て品。
−ソフトウェアがその存在なしで作動しないようにソフトウェアプログラムにより検出されるドングル。ソフトウェアが作動しているコンピュータのUSBポートに挿入できるそのようなドングルは、コピー防止の役割を果たす。
【0047】
本キットは好適には、凍結乾燥した試薬を含んでよい。
【0048】
本発明は、さらに以下の実施例により例証されるが、それらはいかなる点においても、本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。
【実施例】
【0049】
図8Aは、2/3rd乏血小板血漿、416μMの蛍光性トロンビン基質Z−G−G−R−AMC、4μMの凝固促進性リン脂質小胞及び5pMの組換え型組織因子を含有する反応混合物から測定された未補正の蛍光シグナルを示す。時点ゼロにおいて、蛍光発生基質及びカルシウムをクエン酸血漿に添加することにより反応を開始する。破線は、内部フィルター効果及び基質消費について補正がなされたこの反応の補正済シグナルを示す。
【0050】
図8Bは、pH7.35のヘペス緩衝化食塩水中の100ナノモルのトロンビンの測定を示す。この較正物質曲線を、式FU(t)=FU(0)+MAX(1−exp(Kt))により数学的にフィッティングする。トロンビン産生が起こる同一の血漿の別の試料中の基質濃度と等しいフルオロフォア濃度の一点測定を使用して、式:
FU_補正済=−SPMLN[FU(0)+SPM−FU]+SPMLN(SPM)+FU(0)
(式中、
SPMは蛍光の一点測定であり、
FU(0)は反応の時点ゼロにおける蛍光であり、
FUは未補正の蛍光値である)
を用い、図8Aの蛍光シグナルを補正する。
【0051】
この式を使用すると、較正物質曲線は直線に変化しよう(8B、破線)。この直線は曲線の初期傾斜をよく近似する。図8A(図9)の補正済曲線の一次導関数を、1分当たりのFUから経時的なナノモルのトロンビンに変換する必要がある。このためには、図8Bの測定からKが算出される式:初期傾斜=−SPMKを使用して、一点測定SPMから初期傾斜を算出する。そのようにして、蛍光の増加速度(FU/分)とトロンビン濃度との間の変換だけでなく、蛍光シグナルの非線形性挙動も補正するためには、各媒質中での一点測定のみが必要とされる。最終的にはトロンビン産生曲線を、トロンビンでなく、a2M−IIa複合体のアミド分解活性によって引き起こされる基質変換の比率について補正する必要がある。
【0052】
この実施例では、較正物質曲線は終レベルに達するまで完全に測定し、それは式中のSPMの値が終レベルと等しいことを意味する。しかしながら、測定を完了する必要はなく、数学的フィッティングは、外挿により終レベルの妥当な近似値を出すことができる。また、補正をするのに必要な情報は全て、較正物質曲線V(0)の初期傾斜の測定のみで収集でき、この測定を完了し、加えて較正物質曲線が測定された同一の緩衝液を含有する反応混合物中の基質濃度と等しい量のフルオロフォアの測定を実施するのにほんの数分しかかからない。この測定により、較正物質曲線の終レベルでの蛍光量を直ちに示すFU_maxの値がもたらされよう。上記で説明したパラメータKは、−V(0)/FU_maxと等しい。このようにして、数分以内にKを測定する。上記で説明したように、このKは媒質の色の違いに依存しない。またここでは、基質濃度と厳密に適合する濃度のフルオロフォアを測定する必要はなく、この濃度が基質濃度に近ければ近いほど、曲線全体がより正確に記述できる。
【0053】
本発明は、媒質非依存的なパラメータだけでなく、媒質の濁度及び色などの媒質依存的なパラメータについても補正された、生体媒質の試料中のタンパク質分解活性、特に血液又は血漿若しくは多血小板血漿中のトロンビン活性の経過をリアルタイムで決定するための便利な検査方法を提供し、それによって、各試料中での一点測定及び緩衝液などの好適な媒質中で1回だけ測定された較正物質曲線により、試料中のタンパク質分解活性を測定する、信頼性が高く、的確で単純な方法を提供する。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本検査方法は、例えばin vitroでトロンビン活性の経時的経過を測定するために、すなわち、活性型トロンビンの産生を追跡して、或いは全血又は血小板を含有する血漿若しくは血小板のない血漿の凝固試料中で活性型トロンビンが発生するのに従って、試料中の活性型トロンビンを測定するために有益である。血液凝固欠損症に関する病理学的容態の検出又は観察を含む、患者の様態を観察するためにも有用である。さらに、凝固過程、特にトロンビン活性と相互作用する可能性のある薬物のスクリーニングを含む物質のスクリーニングのために有用である。
【0055】
本開示は、あらゆる点において例示的であるが限定的ではないと見なされるべきであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により示され、等価の意味及び範囲内の変化は全てその中に包含されることが意図される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝固血漿中でトロンビンの経時的な経過を決定するための方法であって、
a)所定量のトロンビン活性を含有する反応混合物にシグナル基質を添加するステップであり、前記シグナル基質が、前記トロンビン活性との反応で形成された変換産物と関連する検出可能なシグナルを生じるステップと;
b)ステップa)の経時的なシグナル曲線の特徴を、前記曲線の初期傾斜が計算されその曲率が推定されるような数学的手順により決定するステップと;
c)トロンビン産生が起こる血漿にシグナル基質を添加するステップであり、前記シグナル基質が、トロンビンとの反応で形成された変換産物と関連する検出可能なシグナルを生じるステップと;
d)トロンビン産生が起こる同一の試料、又は同一の血漿の別の試料に蛍光化合物を添加し、それにより、血漿がもたらす濁度及び/又は色がシグナルに与える影響の指標として使用される検出可能なシグナルが得られるステップと;
e)ステップd)での測定をステップa)での測定と比較して、トロンビン産生が起こる血漿の濁度及び色について補正するための関連性を確立するステップと;
f)ステップb)で決定された1)の測定の曲率を使用して、シグナルが測定される系の非線形性について補正し、ステップb)から導き出された初期傾斜を使用して、ステップc)で測定されたシグナルから経時的なトロンビン濃度を算出するステップとを含む上記方法。
【請求項2】
第1の生体試料中で実質的なトロンビン活性であるタンパク質分解活性の経過をリアルタイムで、その活性の試料中での出現及び試料からの消失に従って決定する方法であって、
a)前記第1の試料にタンパク質分解酵素活性化物質を添加してタンパク質分解活性を生じさせるステップと;
b)シグナル基質をステップa)に添加するステップであり、前記シグナル基質が、前記発生したタンパク質分解活性による反応で形成された変換産物の量と関連する検出可能なシグナルを生じるステップと;
c)ステップb)に記載のシグナル基質に対して既知の安定したタンパク質分解活性を有する手段を、緩衝液など好適な媒質に添加するステップであり、定常的で既知の安定したタンパク質分解活性を有する前記手段が、アルファ2マクログロブリン−トロンビン複合体、スタフィロコアグラーゼ−プロトロンビン複合体、ガンマトロンビン、及びトロンビンからなる群から選択されるステップと;
d)ステップb)に記載のものと同一のシグナル基質をステップc)に添加するステップであり、前記シグナル基質が、既知の安定したタンパク質分解活性を有する前記手段による反応の際に検出可能なシグナルを生じるステップと;
e)b)で測定されたシグナルの発生源を使用するステップであり、このシグナルが前記第1の試料を介して伝わり、シグナル量が第1の試料の色及び濁度により影響を受けるステップと;
f)c)で測定されたシグナル量とe)で測定されたシグナル量との間の関連性を確立するステップと;
g)f)の前記関連性を使用して、c)でのシグナルの経時的な発生を算出し、シグナルが第1の試料中で測定された場合にどのくらいであるかを予測するステップと;
h)g)での予測曲線をb)での測定曲線と比較して、第1の試料中のタンパク質分解活性の経時的な経過を導き出すステップとを含む上記方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の方法を実行するためのキットであって、以下の構成要素:
−測定される既知濃度の酵素、又は測定される酵素と類似したシグナル基質に対する酵素活性を有する既知濃度の化合物;
−酵素産生を開始するための誘発用試薬;
−検査の診断価値を促進する添加物;
−標準化及び/又は対照に使用できる血漿;
−シグナル基質又はシグナルを発生する脱離基が付加されたシグナル基質を含有する試薬;
−プログラムがコンピュータ上で作動すると、本明細書中で開示された方法により決定される酵素活性を算出するための、コンピュータのメモリに直接ロード可能なソフトウェアプログラム;
−使用説明書;
−酵素産生が起こる媒質の内部又は外部で使用する較正された量のフルオロフォア;
−酵素産生が起こる媒質の内部又は外部で使用できる蛍光発生源
を含む上記キット。
【請求項4】
凍結乾燥した試薬を含む、請求項3に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−539359(P2009−539359A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513600(P2009−513600)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005044
【国際公開番号】WO2007/141023
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(508359594)トロームビノスコープ ベスローテン フェンノートシャップ (2)
【Fターム(参考)】