説明

あんま器

【課題】本発明は、人体部位全体を、均等に、且つ、しっかりと挟み込んで指圧することのできるあんま器の提供を目的とする。
【解決手段】互いに対向する対向部分で人体部位を挟み込んで指圧する第一挟込片12と第二挟込片13とを備えたあんま器11であって、上記対向部分14に、上記第一挟込片12に対する第二挟込片13の回動支点となる支点部15を備え、上記支点部15を、上記第一挟込片12に備え、上記第二挟込片13側へ突き出した突状部16と、上記第二挟込片13に備え、上記突状部16を離間可能に支持する支持部17とで構成するとともに、上記対向部分14の上記支点部15より一方の側に、人体部位を挟み込む挟込部24を備え、上記対向部分14の上記支点部15より他方の側に、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とを接近させる側へ付勢する付勢手段32備えたあんま器11。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、手指や足指をはじめとする人体部位を挟み込んで指圧するあんま器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上述した人体部位を指圧するあんま器としては、様々なものが既に実用化されているが、例えば、下記特許文献1においてツボ刺激具が開示されている。
【0003】
特許文献1におけるツボ刺激具は、先端側に指圧部(1,4)、基部側にグリップ(7)を有した棒状の部材を2本備え、該2本の棒状の部材をクロスさせたその中心部分に回動部(6)を構成し、2本の棒状の部材が互いに逆方向へ回動可能に構成している。さらに、互いに対向する上記指圧部(1,4)における右側の右指圧部(1)と、左側の左指圧部(4)には、適宜、突起(2,3,5)を備えている。
【0004】
特許文献1におけるツボ刺激具は、グリップ(7)を握ることにより、右指圧部(1)と左指圧部(4)との間に差し込んだ人体部位を突起(2,3,5)により指圧することができる。
【0005】
しかし、上記ツボ刺激具は、右指圧部(1)と左指圧部(4)とを上述した回転部(6)を回転軸として回転させたとき、右指圧部(1)と左指圧部(4)とが傾斜した状態で人体部位を挟み込むことになり、人体部位に対して両側から略直角方向へ挟み込むことができない。
【0006】
このため、特許文献1におけるツボ刺激具は、突起(2,3,5)により部分的な挟み込みしかできず、例えば、人体部位に対して両側から均等にしっかりと挟み込むことや、複数箇所を同時に指圧するといったことが困難であるといった難点を有する。
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3132233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこでこの発明は、人体部位全体を、均等に、且つ、しっかりと挟み込んで指圧することのできるあんま器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のあんま器は、互いに対向する対向部分で人体部位を挟み込んで指圧する第一挟込片と第二挟込片とを備えたあんま器であって、上記対向部分に、上記第一挟込片に対する第二挟込片の回動支点となる支点部を備え、上記支点部を、上記第一挟込片に備え、上記第二挟込片側へ突き出した突状部と、上記第二挟込片に備え、上記突状部を離間可能に支持する支持部とで構成するとともに、上記対向部分の上記支点部より一方の側に、人体部位を挟み込む挟込部を備え、上記対向部分の上記支点部より他方の側に、上記第一挟込片と上記第二挟込片とを接近させる側へ付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記第一挟込片、及び、上記第二挟込片は、挟み込むことによりツボ(手足の骨間の狭く深い骨間筋、或いは、反射区)を指圧することができる部材であればよく、例えば、板状、棒状など様々な形態の部材で形成することができる。
【0011】
上記挟込部は、例えば、複数の指を接地し易いように凹凸状に構成したり、ツボを効果的に指圧するための突起部を備えて構成することができる。
【0012】
上述した構成によれば、上記第一挟込片と上記第二挟込片とで人体部位を挟み込む過程において、突状部に沿って支持部が当接しながらスライドすることにより、支持部が上記第一挟込片に対する第二挟込片の回動支点となる。このため、上記第一挟込片と第二挟込片とが互いに長さ方向へ位置ズレすることなく、上記第一挟込片と第二挟込片とで、人体部位をしっかりと挟み込むことができる。
【0013】
さらに、上記構成によれば、上記第一挟込片と上記第二挟込片とで人体部位を挟み込む過程において、例えば、肉厚の厚い部分を挟み込む場合でも、必要に応じて支点部における突状部と支持部とが互いに離間することができる。このため、使用者が大人や子供であることや、挟み込む人体部位の形態に関らず、上記第一挟込片と上記第二挟込片とを、人体部位の両側に対向させることができる。
【0014】
よって、本発明のあんま器は、人体部位に対して略直角方向へ挟み込んで効果的に指圧することが可能となる。
【0015】
さらにまた、本発明のあんま器は、上述したように上記対向部分の上記支点部より他方の側に、上記第一挟込片と上記第二挟込片とを接近させる側へ付勢する付勢手段を備えている。
このため、上記第一挟込片と上記第二挟込片とにおける上記支点部よりも一方の側を片手で握るだけで、上記付勢手段の付勢力を利用して人体部位を、その両側からしっかりと、且つ、容易に挟み込んで指圧することができる。
【0016】
さらに、本発明のあんま器は、上記付勢手段の付勢力により、上記支点部よりも他方の側の対向部分同士が互いに接触し、挟込部が開いた姿勢に留めておくことができるため、使用時に人体部位を挟込部に差し込んでスムーズに使用することができる。
【0017】
さらにまた、本発明のあんま器は、上記付勢手段の付勢力により、挟込部を閉じるよう摘んだ状態で、その摘む力を変えることによって、挟込部により挟み込んだ箇所を繰り返し指圧することができる。さらに、この状態で、挟込部により挟み込む箇所を移動させることにより、様々な箇所を連続的に指圧することができる。
【0018】
また、発明の態様として、本発明のあんま器は、上記第一挟込片における上記突状部の幅方向の両側に、上記支持部の幅方向両側へ突き出して上記第一挟込片と上記第二挟込片との幅方向への位置ズレをガイドするガイド部を備え、上記第二挟込片に、上記ガイド部にガイドされる被ガイド部を備えることができる。
【0019】
上記構成によれば、上記第一挟込片と上記第二挟込片とを互いに対向させたとき、上記ガイド部と上記被ガイド部とが幅方向において係合する。
すなわち、上記第一挟込片と上記第二挟込片とを互いに対向させたとき、上記ガイド部は、上記支持部を挟み込む形態で、該支持部の幅方向の両側から突き出した状態となる。
【0020】
よって、使用時において上記第一挟込片と上記第二挟込片との幅方向の位置ズレ(横ズレ)を阻止することができる。
【0021】
また、発明の態様として、本発明のあんま器は、上記付勢手段を、上記対向部分の他方の側同士を連結するゴム紐により構成することができる。
【0022】
上記構成により、ゴム紐を、上記対向部分の他方の側同士に連結するだけで容易に付勢手段を構成することができ、さらに、その付勢力(弾性力)もゴム紐の種類、長さ、太さ等によって容易に設定することができる。
【0023】
また、上記付勢手段は、上記第一挟込片と上記第二挟込片とを接近させる側へ付勢する手段であれば、例えば、バネ(スプリング)などの他の手段で構成することができる。
【0024】
また、発明の態様として、本発明のあんま器は、上記第一挟込片と上記第二挟込片における少なくとも1つの突端部に、人体部位を押圧する押圧部を形成したことを特徴とする。
【0025】
上記構成により、上記第一挟込片と上記第二挟込片を片手で把持した状態で、上記押圧部を骨間筋やツボに押し当てるだけで容易に指圧効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明のあんま器は、人体部位全体を均等に、且つ、しっかりと挟み込むんで指圧することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態におけるあんま器11は、図1、及び、図2に示すように構成している。
なお、図1は、本実施形態におけるあんま器11の外観図である。図2(a)、(b)は、いずれも本実施形態におけるあんま器11の正面図であるが、図2(a)は、人体部位を挟み込み可能に開いた姿勢を示し、図2(b)は、不使用時の状態を示している。
【0028】
本実施形態におけるあんま器11は、人体部位を挟み込んで指圧可能な第一挟込片12と第二挟込片13とを備えている。
【0029】
上記第一挟込片12と上記第二挟込片13は、いずれも、木製であり、図3、図4に示すように、長さ方向の略全体がその直角方向についての切断断面が四角形状をした棒状に構成し、さらに、上記第一挟込片12よりも上記第二挟込片13を長く形成している。
【0030】
なお、図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、それぞれ第一挟込片12の平面図、正面図、底面図、左側面図、右側面図、図3(a)におけるB−B線矢視断面図を示す。図4(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、それぞれ第二挟込片13の平面図、正面図、底面図、左側面図、右側面図を示す。
【0031】
上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とは、互いに対向配置した状態で用いられ、(図1、及び、図2参照)上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とが互いに対向する対向部分14(以下、単に「対向部分14」という。)に、上記第一挟込片12に対する第二挟込片13の回動支点となる支点部15を備えている。上記支点部15は、上記対向部分14の長さ方向における中途部分、さらに詳しくは、上記対向部分14の長さ方向における中間部分よりも基部側寄りの部分に備えている。
なお、本実施形態におけるあんま器11の長さ方向における基部側方向、先端側方向は、それぞれ図1中、X1方向、X2方向を示す。
【0032】
上記支点部15は、上記第一挟込片12に備え、上記第二挟込片13側へ突き出した突状部16と、上記第二挟込片13に備え、上記突状部16を離間可能に支持する支持部17とで構成している。
【0033】
具体的には、上記突状部16は、図3(d)、(e)、(f)に示すように、第一挟込片12の幅方向の中間部分が第一挟込片12の長さ方向に対して略直角方向へ第二挟込片13側へ突き出した形態であるとともに、該突状部16の先端部は、正面視円弧状に形成している。
【0034】
これに対して、上記支点部15は、図4(b)、(c)に示すように、第二挟込片13の幅方向の中間部分において上記突状部16に当接支持可能に突状部16の先端部よりも緩やかな曲率半径を有した凹状に形成している。
【0035】
また、上記第一挟込片12における上記突状部16の幅方向の両側には、図3(b)、(d)、(e)に示すように、上記支持部17の幅方向両側において上記突状部16よりも突き出したガイド突部22を形成している。
これに対して、上記第二挟込片13における上記支持部17の幅方向の両側には、図4(b)、(c)に示すように、上記支持部17よりも凹んだ凹部23を構成している。この構成により、図5に示すように、上記ガイド突部22は、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とが互いに対向した状態において上記凹部23側へ突き出して、幅方向の両側から挟み込む態様で上記支持部17に係合する。
なお、図5は、図2(b)のA−A拡大端面図を示す。
【0036】
続いて、本実施形態におけるあんま器11の長さ方向における上記支点部15よりも先端側部分における構成について説明する。
なお、本実施形態におけるあんま器11の長さ方向における先端側部分、基部側部分は、それぞれ図2(b)中、あんま器11の長さ方向における支点部15よりもX2方向の部分、X1方向の部分を示す。
【0037】
まず、上記対向部分14における上記支点部15より先端側部分には、人体部位を挟み込み可能な挟込部24を備えている。
上記挟込部24には、例えば、人差し指、中指、薬指、小指の合計4本の指を同時に接地可能に、それぞれ幅方向へ切り欠いた4つの凹溝部24aを、第一挟込片12と第二挟込片13との各対向面に長さ方向に沿って配設している。
【0038】
そして、上記第二挟込片13の先端部分は、四角錐状に突き出して、その突端部は滑らかな突面形状として人体部位を押圧可能に構成した先端側押圧部25を備えている。
【0039】
次に、本実施形態におけるあんま器11の長さ方向における基部側部分について説明する。
上記第一挟込片12の基部側部分は、上記支持部17から基端側へ進むに連れて厚みが薄くなくなるよう対向部分14を正面視下向きに傾斜させた第一傾斜面27を構成している。
【0040】
上記第二挟込片13の基部側部分は、上記支持部17から基端側へ進むに連れて基端部が鋭角状になるよう対向部分14を正面視上向きに上記第一傾斜面27よりも傾斜させた第二傾斜面28を構成している。
【0041】
これにより、本実施形態におけるあんま器11は、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とを、上記第一傾斜面27と第二傾斜面28とが互いに接触するまで傾けたとき、図2(a)に示すように、人体部位が挟み込み可能に挟込部24が約30°程度、開いた状態となる。
【0042】
なお、上記挟込部24は、人体部位を挟み込むことが可能であれば、約30度程度に限らずに異なる角度で開くよう構成してもよい。
【0043】
上記第二挟込片13の基端部には、上述したように、上記第一挟込片12の基端部よりも長さ方向において人体部位を押圧可能に平面視滑らかな円弧状に突き出した基端側押圧部26を備えている。
【0044】
また、上記対向部分14の上記支点部15より基部側部分には、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とが、すなわち、第一傾斜面27と第二傾斜面28とが互いに接近する側へ付勢する2本のゴム紐32を備えている。
具体的には、上記第一挟込片12の基部側部分には、幅方向における両側においてゴム紐32を挿通可能に厚み方向に連通させた一対の挿通孔33を形成し、該一対の挿通孔33は、長さ方向における2箇所において形成しているため、合計4つの挿通孔33を備えている。
【0045】
一方、上記第二挟込片13の基部側部分にも、第一傾斜面27と第二傾斜面28とが接触した状態において上記第一挟込片12における各挿通孔33と連通可能な各部位に合計4つの挿通孔33を形成している。
そして、上記2本のゴム紐32のそれぞれを、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とにおける一対の挿通孔33に挿通して、結着することにより一体としている(図1、及び、図2参照)。
【0046】
上記構成により、上記ゴム紐32の付勢力(弾性力)により、第一傾斜面27と第二傾斜面28とが常時、接触した状態に付勢することができ、挟込部24を開状態に留めておくことができる(図2(a)参照)。
【0047】
また、本実施形態におけるあんま器11は、先端側を摘むなどすれば、ゴム紐32の付勢力に抗して挟込部24が閉じたいわゆる閉状態とすることができ、さらに、別途、備えた周方向の一部を切り欠いた形態の保持金具34を、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とにおける先端側部分の外周部に、取り外し可能に装着すれば、挟込部24が閉じた状態に保持することができる(図2(b)参照)。
なお、上記第一挟込片12の先端側部分における上記挟込部24と反対側の面には、装着した保持金具34が不用意に取り外れないよう、該保持金具34を係合可能に幅方向へ切り欠いた係合用溝部35を形成している。
【0048】
以下において、上述した構成のあんま器11を用いて、人体部位の殊に爪の付け根部分を指圧する実施例について説明する。
使用者は、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13との挟込部24が開いた状態において、第一挟込片12側の挟込部24の各凹溝部24aに、一方の手の人指し指f1、中指f2、薬指f3、小指f4の4本の指先部分、すなわち、爪の付け根部分を載置する。
【0049】
使用者は、図6に示すように、他方の手で、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13との各先端部を摘んで挟込部24を閉じていく。
【0050】
これにより、図6中要部拡大図、及び、図6の矢印Aに示すように、上記第二挟込片13に対して上記第一挟込片12が支点部15を中心にゴム紐32の付勢力に抗して支持部17が突状部16に沿って滑らかにスライドしながら反時計回りに回動していく。
【0051】
やがて、図7に示すように、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とが略平行となり、爪の付け根部分を、その上下各側から挟み込んだ状態となる。
以上により、使用者は、図8に示すように、他方の手でさらに挟込部24を閉じることにより、4本の指先f1,f2,f3,f4の各爪の付け根部分全てを均等、且つ、しっかりと指圧することができる。
なお、図6、図7、図8は、それぞれ本実施形態におけるあんま器11を用いて、爪の付け根部分を指圧する過程を断面で示した説明図、指圧している様子を断面で示した説明図、外観図である。
【0052】
また、使用者は、片手で、先端部を摘んだときの力と、ゴム紐32が収縮(復元)しようとする弾性力を利用して爪の付け根部分を容易に、且つ、しっかりと指圧することができる。
さらにまた、上記ゴム紐32の弾性力により、挟込部24は、開いた姿勢に付勢され、該挟込部24を摘む力に応じて開閉させることができる。このため、例えば、摘む力に強弱を加えながら挟込部24により摘み、その状態で、指を挟込部24に差し込んだり引抜いたりする方向へ移動することにより、挟み込む箇所を変えながら繰り返し指圧することができる。
【0053】
なお、本実施例のあんま器11を用いて爪を指圧(いわゆる爪もみ)することにより、自律神経を安定させ、顆粒球とリンパ球とのバランスを整えることができ、病気を予防できるといった効果を得ることができる。
【0054】
続いて、上記爪の付け根部分よりも肉厚である指の付け根部分を指圧する実施例について説明する。
使用者は、上述した実施例と同様に、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13との挟込部24が開いた状態において第一挟込片12側の挟込部24の各凹溝部24aに、一方の手の人指し指f1’、中指f2’、薬指f3’、小指f4’の4本の指の付け根部分を載置する。
【0055】
さらに使用者は、図9の仮想線で示すように、他方の手で、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13との各先端部を摘んで挟込部24を閉じていく。
【0056】
ところが、指の付け根部分は、指先部分よりも肉厚が厚いため、上述した実施例のように上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とが略平行になる前に、図9に示すように、上記第二挟込片13が指、さらに詳しくは、回動支点となる上記支点部15に近い殊に小指f4’に当接する。そして、使用者が上記第一挟込片12と上記第二挟込片13との各先端部をさらに摘むと、上記第二挟込片13は、小指f4’の当接部分を支点として基部側が押し上げられる。これにより、支点部15において突状部16に対して支持部17が浮き上がり(離間し)(図9の要部拡大図参照)、結果的に、図10に示すように、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とが略平行な姿勢となる。
【0057】
従って、図11に示すように、使用者が他方の手で上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とを、さらに摘むことにより、ゴム紐32の付勢力(弾性力)とともに、4本の指の付け根部分全体を両側からしっかりと、且つ、均等に挟み込んで指圧することができる。
【0058】
上述したように、本実施形態におけるあんま器11は、支点部15における突状部16と支持部17とが互いに離間可能である。このため、人体部位における指圧する箇所や指圧する際の姿勢、さらには、使用者が大人や子供に関らず、挟み込んだ人体部位を部分的にではなく、全体を両側からしっかりと、且つ、均等に指圧することができる。
【0059】
また、本実施形態におけるあんま器11は、支点部15を備えているため、挟込部24が開いた状態から閉じる過程において上記第一挟込片12に対する上記第二挟込片13の回動を案内できるため、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とが互いに長さ方向へ位置ずれしてしまうことがなく、人体部位を挟み込むことができる。
【0060】
さらにまた、本実施形態におけるあんま器11は、ゴム紐32を備えているため、突状部16と支持部17とが離間した状態においても、該ゴム紐32の弾性力を利用して挟み込むことができる。従って、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13との各先端側を片手で握るだけで容易に、且つ、しっかりと指圧することができる。
【0061】
さらに、本実施形態におけるあんま器11は、上述したように挟込部24により、人体部位を挟み込んで指圧するに限らず、指圧部位や用途に応じて適宜、上記先端側押圧部25、或いは、上記基端側押圧部26によりツボを押圧することによっても効果的にマッサージを行うことができる。
【0062】
上記先端側押圧部25と上記基端側押圧部26は、それぞれの形態から、殊に、先端側押圧部25は、比較的、肉厚が厚く、面積が大きな筋肉部分に対する押圧に有効であり、上記基端側押圧部26は、手の甲の骨(中手骨)の間に挟まっている手のひらの筋肉、すなわち、骨間筋に対する押圧に有効である。
【0063】
また、本実施形態におけるあんま器11は、幅方向において上記ガイド突部22が上記支持部17に係合可能な構成であるため(図5参照)、挟込部24により人体部位を挟み込む過程において、上記第一挟込片12と上記第二挟込片13とが相対的に幅方向へズレ(横ズレ)てしまうことや、水平面上において捩れてしまうことを阻止することができる。
【0064】
なお、本実施形態におけるあんま器11は、上記形態で構成するに限定せず、様々な形態で構成することができる。
例えば、上記第一挟込片12の支点部15を突状部16ではなく支持部17で構成し、上記第二挟込片13の支点部15を上記支持部17ではなく突状部16で構成してもよい。さらに、上記第一挟込片12側に凹部23を構成し、上記第二挟込片13側にガイド突部22を構成してもよい。
【0065】
さらにまた、本実施形態におけるあんま器11は、上述した実施例以外の他の実施例で用いることができる。例えば、あんま器11に対して掌を平行にした状態で挟込部24に指を差し込むに限らず、例えば、親指を横にした状態で挟込部24に差し込んで指圧してもよい。
【0066】
さらには、手指を指圧するに限らず、足指は勿論、手首、足首など他の人体部位を指圧することができる。
【0067】
上述の実施形態と、この発明の構成との対応において、この実施形態の支持部17は、この発明の被ガイド部にも対応し、以下同様に、
対向部分14の支点部15より先端側部分は、対向部分の支点部より一方の側に対応し、
対向部分14の支点部15より基部側部分は、対向部分の支点部より他方の側に対応し、
ガイド突部22は、ガイド部に対応し、
先端側押圧部25、又は/及び、基端側押圧部26は、押圧部に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、上述したように多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施形態におけるあんま器の外観図。
【図2】本実施形態におけるあんま器の正面図(a),図2(a)とは異なる姿勢の正面図(b)。
【図3】本実施形態における第一挟込片の構成説明図。
【図4】本実施形態における第二挟込片の構成説明図。
【図5】図2(b)における拡大端面図。
【図6】本実施形態におけるあんま器の作用説明図。
【図7】本実施形態におけるあんま器の作用説明図。
【図8】本実施形態におけるあんま器の作用説明図。
【図9】本実施形態におけるあんま器の作用説明図。
【図10】本実施形態におけるあんま器の作用説明図。
【図11】本実施形態におけるあんま器の作用説明図。
【符号の説明】
【0069】
11…あんま器
12…第一挟込片
13…第二挟込片
14…対向部分
15…支点部
16…突状部
17…支持部
22…ガイド突部
24…挟込部
25…先端側押圧部
26…基端側押圧部
32…ゴム紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する対向部分で人体部位を挟み込んで指圧する第一挟込片と第二挟込片とを備えたあんま器であって、
上記対向部分に、上記第一挟込片に対する第二挟込片の回動支点となる支点部を備え、
上記支点部を、
上記第一挟込片に備え、上記第二挟込片側へ突き出した突状部と、
上記第二挟込片に備え、上記突状部を離間可能に支持する支持部とで構成するとともに、
上記対向部分の上記支点部より一方の側に、人体部位を挟み込む挟込部を備え、
上記対向部分の上記支点部より他方の側に、上記第一挟込片と上記第二挟込片とを接近させる側へ付勢する付勢手段を備えた
あんま器。
【請求項2】
上記第一挟込片における上記突状部の幅方向の両側に、上記支持部の幅方向両側へ突き出して上記第一挟込片と上記第二挟込片との幅方向への位置ズレをガイドするガイド部を備え、
上記第二挟込片に、上記ガイド部にガイドされる被ガイド部を備えた
請求項1に記載のあんま器。
【請求項3】
上記付勢手段を、
上記対向部分の他方の側同士を連結するゴム紐により構成した
請求項1、又は、請求項2に記載のあんま器。
【請求項4】
上記第一挟込片と上記第二挟込片における少なくとも1つの突端部に、人体部位を押圧する押圧部を形成した
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のあんま器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−34458(P2009−34458A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203746(P2007−203746)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【出願人】(599064328)マルカ株式会社 (14)
【出願人】(507053161)
【Fターム(参考)】