説明

おこわの製造方法

【課題】 予め加工したおこわの素を炊飯器内の米の上面等に置いて炊き、炊き上がり後において混ぜるだけの簡単な調理工程により、素人でも美味なおこわをつくることができるおこわの製造方法を実現する。
【解決手段】 切り餅によるおこわの素素材工程と、加熱した下プレートと加熱した上プレートの間におこわの素素材を入れて焼く成形工程と、焼くことにより発泡したおこわの素を取り出す取出工程と、取り出したおこわの素を予め米を入れてなる炊飯器内に置く置工程と、米を炊き上げる炊飯工程と、炊飯後炊飯器内のおこわの素と米を混合する混合工程とからなることを特徴とするおこわの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器内におこわの素を入れておこわを調理することのできるおこわの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、ステップS1にてもち米を洗米したのち、浸漬することなく直ちにステップS2で炊き水で用いて炊飯する。ステップS1で吸水したもち米の重量を、1.25倍以下とする。ステップS2では、もち米のすべてが炊き水に浸るようにするものがある。(特許文献1参照)
【0003】
また、別の従来技術としてもち米、またはうるち米が少量配合されたもち米をあらかじめ蒸して不完全蒸米とし、この不完全蒸米に味付けされたたれを合せ、次いで、このたれ合わせと同時に、またはその後に、キノコ類を主とする煮付けされた具材を混ぜ合わせ、その後充分に蒸して完全蒸米としてなり、前記もち米と、たれと、具材の配合比率はもち米100重量部に対して、それぞれたれ7〜20重量部、具材30〜70重量部であることから構成されるものがある。(特許文献2参照)
【0004】
さらに、別の従来技術として、早炊米に対し30〜60重量%の調味液を加え、次いでマイクロ波加熱することを特徴とするおこわ類の製法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特願2002−145577号公報
【特許文献2】 特願2000−144377号公報
【特許文献2】 特願平4−308001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記前者においては、炊き水として煮汁や香味液、色素液を使用して調理するもので、具材を同時に炊き込むものではなく、本発明のようなおこわの素を使用する形態でもなく、美味に調理することは難しいと思われる。
【0007】
また、上記中者の場合、不完全蒸米と具材が別々の工程で使用されるため、調理が手間であり、人によっておこわの味にバラツキが生じる可能性がある。
【0008】
さらに、上記後者においては、調味料を使用し、マイクロ波加熱により調理するもので、簡単・便利ではあるが、マイクロ波では味が美味とはいえない。
【0009】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、予め加工したおこわの素を炊飯器内の米の上面等に置いて炊き、炊き上がり後において混ぜるだけの簡単な調理工程により、素人でも美味なおこわをつくることができるおこわの製造方法を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、本発明は、上記目的を達成するために、切り餅によるおこわの素素材工程と、加熱した下プレートと加熱した上プレートの間におこわの素素材を入れて焼く成形工程と、焼くことにより発泡したおこわの素を取り出す取出工程と、取り出したおこわの素を予め米を入れてなる炊飯器内に置く置工程と、米を炊き上げる炊飯工程と、炊飯後炊飯器内のおこわの素と米を混合する混合工程とからなる。
切り餅が、上下に2枚設け、中間に具材を入れてなる。
置工程において、炊飯器内の米の上面に置く。
具材が干物である。
干物が、動物性及び/または植物性の食材である。
切り餅が、20gから60gである。
具材が、5gから30gである。
米1合に対しておこわの素が30gから80gあることを特徴とする。
【0011】
上記の第1・第2・第3課題解決手段により、いろいろな具材の入ったおこわの素を加工することができ、炊飯器内に入れ、炊き上がり後において米と混ぜることにより、誰でも簡単・容易に美味なおこわを調理することができる。
【0012】
上記の第4・第5課題解決手段により、肉類や魚介類やキノコ類・豆類・野菜類等の干物を使用することで、鮮度が長期に保たれると共に、味が凝縮されており、かつ、いろいろな具材のおこわが楽しめる。
【0013】
上記の第6〜第8課題解決手段により、切り餅と具材のバランスや米とおこわの素のバランスが好みに応じて保たれており、自分好みの食感を得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
上述したように、本発明のおこわの製造方法はおこわの素により誰でも簡単・容易に美味なおこわを調理できる。
【0015】
また、干物の具材により長期に鮮度が保持され、食べたいときに使用でき、いろいろな具材のおこわが楽しめる。
【0016】
さらに、切り餅と具材のバランスや米とおこわの素のバランスが好みに応じて対応でき、自分好みの食感を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 本発明の一実施例を示すおこわの製造方法のおこわの素素材工程図。
【図2】 本発明の一実施例を示すおこわの製造方法の成形工程図。
【図3】 本発明の一実施例を示すおこわの製造方法の取出工程図。
【図4】 本発明の一実施例を示すおこわの製造方法の置工程図。
【図5】 本発明の一実施例を示すおこわの製造方法の炊飯工程図。
【図6】 本発明の一実施例を示すおこわの製造方法の混合工程図。
【図7】 本発明の一実施例を示すおこわの製造方法のおこわの調理図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0019】
1)、おこわの素素材OMSとして、上下に厚さ1mm〜5mm程度の切り餅K(20g〜60g)を設け、中間に具材G例えば、肉類や魚介類やキノコ類、豆類、野菜類等の干物を(5g〜30g)を入れる。(図1参照)
2)、加熱した下プレートSPと同様に加熱した上プレートUPとの間におこわの素素材OMSを入れ、加圧(例えば5分〜10分)することにより切り餅Kが焼け、発泡させてなる成形工程。(図2参照)
3)、焼くことにより発泡させたおこわの素OMを、上プレートUPと下プレートSPを開口することにより取り出す取出工程。(図3参照)
4)、米K(例えば1合)を入れ、水Mを例えば200cc入れてなる炊飯器SH内の米Kの上面に、おこわの素OMを置く置工程。(図4参照)
5)、炊飯器SHをONし、米K(おこわの素OM)を炊き上げ、おこわの素OMを溶かせる炊飯工程。(図5参照)
6)、炊飯後、溶けたおこわの素OMと米Kを柄杓HS等にて混合する混合工程。(図6参照)
以上の工程にて炊き上がった米K1におこわの素OM1がなじみ、もちもち感のあるおこわOを製造することができるものである。(図7参照)
【0020】
なお、上記実施例において、具材は好みとし、特に限定するものではない。
また、切り餅自体にも味を付けても、具材を混合した一枚の形態でもよく、これも好みに応じて加工すればよい。
さらに、米とおこわの素の重量比率も、もちもち感等に応じて自由に設定するものである。
さらにまた、置工程において、米の内部におこわの素を置いてもよく、かつ、おこわの素を割って上面なり、内部に置いてもよい。
【符号の説明】
【0021】
OMS−−おこわの素素材
K−−−−切り餅
G−−−−具材
SP−−−下プレート
UP−−−上プレート
M−−−−水
SH−−−炊飯器
OM−−−おこわの素
HS−−−柄杓
O−−−−おこわ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切り餅によるおこわの素素材工程と、加熱した下プレートと加熱した上プレートの間におこわの素素材を入れて焼く成形工程と、焼くことにより発泡したおこわの素を取り出す取出工程と、取り出したおこわの素を予め米を入れてなる炊飯器内に置く置工程と、米を炊き上げる炊飯工程と、炊飯後炊飯器内のおこわの素と米を混合する混合工程とからなることを特徴とするおこわの製造方法。
【請求項2】
切り餅が、上下に2枚設け、中間に具材を入れてなることを特徴とする請求項1記載のおこわの製造方法。
【請求項3】
置工程において、炊飯器内の米の上面に置くことを特徴とする請求項1又は2記載のおこわの製造方法。
【請求項4】
具材が干物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のおこわの製造方法。
【請求項5】
干物が、動物性及び/または植物性の食材であることを特徴とする請求項4記載のおこわの製造方法。
【請求項6】
切り餅が、20gから60gであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のおこわの製造方法。
【請求項7】
具材が、5gから30gであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のおこわの製造方法。
【請求項8】
米1合に対しておこわの素が30gから80gあることを特徴とする請求項1、2、3,4、5、6又は7記載のおこわの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−193874(P2010−193874A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72741(P2009−72741)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(509082385)
【Fターム(参考)】