説明

きのこ類から効率的に有効成分を抽出する方法

【課題】ひらたけ、しいたけ、たもぎだけなどのきのこ類の有効成分を短時間で高収率で得られる方法を提供する。
【解決手段】きのこ類の培地に活性炭、イオン交換樹脂などの吸着材を直接混和して有効成分を吸着、処理する、きのこ類から効率的に有効成分すなわち、生理活性成分のβ−グルカン、エルゴチオネインなどを抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
しいたけ、まいたけ、ひらたけなどきのこ類の生理活性成分、β−グルカン。エルゴチオネインなどを抽出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
β−グルカン、エルゴチオネインなどをきのこ類から抽出、精製する方法は先行技術文献に示す様に、各種の方法があるが、そのすべてがきのこ類を分別して抽出溶剤を作用させる方式であった。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】 特開20001−64195
【特許文献2】 特開2008−228676
【特許文献3】 特開2008−110988
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
きのこ類から効率よく、生理活性成分を抽出する方法の開発。
【発明を解決するための手段】
【0005】
きのこ類の培地を粉砕、溶解して活性炭、イオン交換樹脂などの吸着材を混和する。
【発明の効果】
【0006】
前記の引用特許文献1の特開2001−64195及び特許文献2の特開2008−228676などでは培養したきのこ類を培地として全量分別し、それを吸着剤などで処理を行っている、
【0007】
本発明は、この分別工程を省き、きのこ類の培地に活性炭、イオン交換樹脂などの吸着剤を投入、混合してきのこ類の培地に直接作用させるもので、従来の分別処理より高率に有効成分が抽出できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
きのこ類の培地はしいたけ、まいたけ、えのきたけ、しめじ、なめこ、さるのこしかけなど菌種により異なるが、その処理工程はほぼ同一である。
【0009】
実施例としてひらたけを例示すると、ひらたけ培地としてこめぬかを用いたもの、フスマをもちいたものなどがあるが、そのいずれもが粘調であり、本発明の操作には支障は無い。
【0010】
ひらたけなどのきのこも種類が多く、栽培期間も7日から200日など長短があるが、その有効成分が最高の時期に培地に混合する。
【0011】
引用特許文献2の特開2008−228676のキノコから効率的にβグルカンを抽出する方法も、培養液を本体と分離後、吸着材に接触さsれる方法である。
【0012】
本発明では、培養液、培地に直接吸着材を投入、添加混合して、混和作業後抽出工程を行うものである。
【0013】
吸着材の培地に対する使用量は、対象とするきのこの種類、目的物により一定しないが、ひらたけの場合、ひらたけの培地10kgに対し活性炭1kg混入して30分攪拌する。
【0014】
攪拌完了後、培地と吸着材の混和物を比重差などで分離する。
【0015】
分離した吸着材に水、アルコール、メチルエチルケトンなどを加え、有効成分を抽出する。
【0016】
βグルカン、エルゴチオネインなどの収量は、菌種、培養条件などにより一定しないが、通常行われているクロマトグラフイによる抽出量より10%以上の収量が得られる。
【0017】
たもぎたけなその抽出工程は、たもぎたけを水、アルコールなどで抽出し、その抽出液をイオン交換樹脂、吸着クロマトで濃縮しする工程である。
【0018】
この一般的工程に比べ、本発明に利用する活性炭は廉価であり形態も多様で培地に混入しやすく、イオン交換樹脂も培地との混和に優れた特性を有する。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、重らきのこの有効成分の抽出が、分別抽出であるのに対し、直接培地に吸着材を混和、抽出する工程であり、有効成分の抽出量も多く、処理時間も短縮できるので産業上寄与するものは大きい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ひらたけ、しいたけ、たもぎたけなどのきのこ類の有効成分を抽出する段階でこれらきのこ類を培養した培地に活性炭、イオン交換樹脂などの吸着材を直接混和して有効成分を吸着、処理する、きのこ類から効率的に有効成分を抽出する方法。

【公開番号】特開2012−34669(P2012−34669A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183444(P2010−183444)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(502287750)
【出願人】(510212546)株式会社かこい (3)
【Fターム(参考)】