こんろ
【課題】点火用の電極や熱電対をこんろバーナに対して精度良く位置決め可能である上、こんろバーナの器体への固定作業や点火用の電極等の配線作業を容易に行うことができるこんろを提供する。
【解決手段】器体内に固定した取付座32に対して、電極8及び熱電対9が設置された第1フレーム部材33と、バーナ本体30とを順次組み付けていけば、バーナ本体30上にセットされるバーナヘッド7に対して精度良い位置に電極8及び熱電対9を設置することができる。したがって、従来の如く電極8や熱電対9が組み付けられたガスバーナ5を設置したり、ガスバーナ5の設置後に配線したりする必要がなく、設置作業や配線作業を非常に簡易に行うことができるし、電極8及び熱電対9のバーナヘッド7に対する位置決め作業についても非常に容易に行うことができる。
【解決手段】器体内に固定した取付座32に対して、電極8及び熱電対9が設置された第1フレーム部材33と、バーナ本体30とを順次組み付けていけば、バーナ本体30上にセットされるバーナヘッド7に対して精度良い位置に電極8及び熱電対9を設置することができる。したがって、従来の如く電極8や熱電対9が組み付けられたガスバーナ5を設置したり、ガスバーナ5の設置後に配線したりする必要がなく、設置作業や配線作業を非常に簡易に行うことができるし、電極8及び熱電対9のバーナヘッド7に対する位置決め作業についても非常に容易に行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、こんろバーナの近傍に点火用の電極と熱電対とを設置してなるこんろに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的なこんろにおいては、こんろバーナの近傍に点火用の電極と熱電対とが設置されており、この点火用の電極と熱電対との設置に係る構造としては、たとえば特許文献1に開示されているような構造がある。当該構造では、こんろバーナを形成するバーナ本体に点火用の電極等の組み付け部を設けることにより、こんろバーナに対して点火用の電極及び熱電対を精度良く位置決め可能としていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−283414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の構造によれば、バーナ本体へ点火用の電極や熱電対を組み付けた後、こんろバーナを器体(こんろ本体)に設置し、点火用の電極や熱電対から延びる電線を各種電子基板に接続するか、予め点火用の電極等の配線を完了させてからこんろバーナを器体に設置しなければならない。したがって、前者の方法では電線を自由に引き回せないために電線の接続作業が、後者の方法では配線等が邪魔になってこんろバーナの設置作業が夫々煩雑になるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、点火用の電極や熱電対をこんろバーナに対して精度良く位置決め可能である上、こんろバーナの器体への設置作業や点火用の電極等の配線作業を容易に行うことができるこんろを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、天板に開口が設けられており、開口内にバーナヘッドをバーナ本体上にセットしてなるこんろバーナが露出した状態で器体に設置されているとともに、バーナヘッドの近傍となる所定位置に、炎孔から流れ出す燃料ガスに点火するための点火用の電極と、炎孔に形成される炎を検知するための熱電対とを設置してなるこんろであって、器体に固定されるとともに、バーナ本体を固定可能な取付座と、電極を設置するための電極設置部と、熱電対を設置するための熱電対設置部とを有しているとともに、バーナ本体の直径よりも長く形成され、その両端に取付座へバーナ本体とは別個に固定可能な固定部を有する第1設置部材とを設け、器体に固定された取付座に対し、各設置部に夫々電極及び熱電対が設置された第1設置部材と、バーナ本体とを、第1設置部材の固定部同士を結ぶ直線に直交する平面方向で見ると固定部間にバーナ本体が収納されるように夫々別個に固定して、電極及び熱電対を所定位置に位置させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、バーナ本体を取付座へ固定するためのU字状に湾曲形成された第2設置部材を有し、第2設置部材の取付座への固定部を第1設置部材の固定部と上下方向で重合させた状態で共に取付座へ固定したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、第1設置部材に第1係合爪を、第2設置部材に第2係合爪を夫々設けるとともに、取付座に第1係合爪が係合可能な第1係合孔、及び第2係合爪が係合可能な第2係合孔を設けており、第1係合爪を第1係合孔へ、第2係合爪を第2係合孔へ夫々係合させた状態において、両設置部材の固定部を取付座へ固定したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、第2係合爪を第2設置部材の固定部に設ける一方、第1設置部材の固定部に第2係合爪が貫通可能な貫通孔を設けており、固定部同士を重合させた際、第2係合爪が貫通孔を介して取付座の第2係合孔へ係合することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、取付座に、バーナ本体を載置可能な載置部を設けたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、取付座に、バーナヘッドの上方に五徳を介して載置される調理容器の温度を検知するためのセンサを取り付けるセンサ取付部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、取付座に対し、バーナ本体と電極及び熱電対が設置された第1設置部材とを夫々別個に設置することができる。したがって、従来の如く電極や熱電対が組み付けられたこんろバーナを設置したり、こんろバーナの設置後に配線したりする必要がなく、設置作業や配線作業を非常に簡易に行うことができる。また、第1設置部材を取付座に設置するだけで電極及び熱電対がバーナヘッドの近傍の所定位置に位置するため、電極及び熱電対のバーナヘッドに対する位置決め作業についても非常に容易に行うことができる。
さらに、電極及び熱電対を設置する第1設置部材をバーナ本体よりも長く形成し、その両端に取付座への固定部を設けており、固定部同士を結ぶ直線に直交する平面方向で見ると固定部間にバーナ本体が収納されるように第1設置部材を取付座へ固定している。したがって、たとえ固定部の位置が寸法誤差等によりずれていたとしても、電極及び熱電対の位置ずれは寸法誤差よりも小さくなり、ほとんど変化しない。したがって、電極や熱電対をこんろバーナとは別個の部材に設置しているにもかかわらず、高い位置決め精度をもたせることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、バーナ本体を取付座へ固定するためのU字状に湾曲形成された第2設置部材を有し、第2設置部材の取付座への固定部を第1設置部材の固定部と上下方向で重合させた状態で共に取付座へ固定している。したがって、取付座の寸法精度等に拘わらず、第1設置部材と第2設置部材との相対的な位置関係、ひいては電極や熱電対とバーナヘッドとの位置関係がずれにくく、電極や熱電対のバーナヘッドに対する位置決め精度を一層向上することができる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、第1設置部材に第1係合爪を、第2設置部材に第2係合爪を夫々設けるとともに、取付座に第1係合爪が係合可能な第1係合孔、及び第2係合爪が係合可能な第2係合孔を設けており、第1係合爪を第1係合孔へ、第2係合爪を第2係合孔へ夫々係合させた状態において、両設置部材の固定部を取付座へ固定している。したがって、固定部を固定する前に第1設置部材や第2設置部材が取付座上から脱落したり位置ずれしたりしにくく、設置作業を極めて容易に行うことができる。
さらにまた、請求項4に記載の発明によれば、第2係合爪を第2設置部材の固定部に設ける一方、第1設置部材の固定部に第2係合爪が貫通可能な貫通孔を設けており、固定部同士を重合させた際、第2係合爪が貫通孔を介して取付座の第2係合孔へ係合するように構成しているため、第1設置部材と第2設置部材との相対的な位置関係が一層ずれにくい構成となっている。
また、請求項5に記載の発明によれば、取付座に、バーナ本体を載置可能な載置部を設けているため、バーナ本体や第1設置部材、第2設置部材を組み付けていく際にバーナ本体が安定し、これらの設置作業を一層容易に行うことができる。
加えて、請求項6に記載の発明によれば、取付座に、バーナヘッドの上方に五徳を介して載置される調理容器の温度を検知するためのセンサを取り付けるセンサ取付部を設けているため、バーナヘッドに対するセンサの位置も精度良く位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】テーブルこんろを上方から示した説明図である。
【図2】五徳を取り外したテーブルこんろの開口周辺を拡大して示した説明図である。
【図3】テーブルこんろの器体を省略した斜視説明図である。
【図4】五徳を取り外したテーブルこんろの開口周辺を拡大して示した斜視説明図である。
【図5】テーブルこんろの五徳及び開口周辺部の断面を示した説明図である。
【図6】図示しない器体へ設置した状態にあるガスバーナ及びその設置機構をバーナ本体側から示した斜視説明図である。
【図7】図6と同状態にあるガスバーナ及びその設置機構を電極や熱電対側から示した斜視説明図である。
【図8】図6と同状態にあるガスバーナ及びその設置機構を上方から示した説明図である。
【図9】ガスバーナ及びその設置機構を分解して示した説明図である。
【図10】ガスバーナ及びその設置機構を分解して示した説明図である。
【図11】天板を載置した状態におけるガスバーナ周辺部の断面を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となるテーブルこんろについて、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
図1は、テーブルこんろ1を上方から示した説明図であり、図2は、五徳2を取り外したテーブルこんろ1の開口4周辺を拡大して示した説明図である。図3は、テーブルこんろ1の器体を省略した斜視説明図であり、図4は、五徳2を取り外したテーブルこんろ1の開口4周辺を拡大して示した斜視説明図である。図5は、テーブルこんろ1の五徳2及び開口4周辺部の断面を示した説明図である。
【0011】
テーブルこんろ1は、器体の天板3に一対の円形の開口4、4を形成し、各開口4の中央に夫々ガスバーナ5を露出した状態で配置するとともに、天板3上にそのガスバーナ5を囲むように金属製の五徳2を備えてなる。ガスバーナ5は、燃料ガスと一次空気とを吸入するスロート部が接続されて燃料ガスと一次空気とを混合する所謂混合気室29(図6に示す)と、該混合気室29が接続されたバーナ本体30(図6に示す)と、そのバーナ本体30上にセットされ、外周に多数の炎孔6、6・・が形成されたバーナヘッド7とからなる。また、バーナヘッド7の炎孔6の近傍には、点火用の電極8と火炎検出用の熱電対9とが設けられている。さらに、10は、五徳2上に載置される調理鍋(調理容器)の底に当接して調理鍋の温度を検知するためのセンサであって、バーナ本体30及びバーナヘッド7の中央を貫通するように設置されている。
【0012】
そして、上記テーブルこんろ1によれば、器体前面に設けられた図示しない操作レバーを操作すると、一次空気と共に燃料ガスが混合気室29を介してバーナ本体30へ供給され、混合気となってバーナヘッド7の炎孔6、6・・から流出する。同時に、器体内に設けられた図示しないコントローラが電極8をスパークさせて混合気に点火し、バーナヘッド7の周囲に火炎を形成させる。よって、五徳2上に載置される調理鍋の底を加熱して調理可能となる。
【0013】
ここで、まず五徳2及び開口4の周辺部について詳述する。尚、五徳2及び開口4は天板3の左右に1組ずつ備えられるが、どちらも同じ構成となっている。
開口4は、天板3に略円形に開設されており、天板3を器体に組み付けた際、開口4縁とバーナヘッド7を支持するバーナ本体30の外周面との間には略3mm程度の隙間が生じるように形成されている。また、開口4縁には、開口4内側へ向けて上昇傾斜するように折り曲げられたテーパ部11が設けられている。さらに、開口4縁から所定の距離だけ径方向外側へ離れた位置には、上方へ突出する凸条部12が開口4を囲むように周設されている。さらに、開口4縁と凸条部12との間には、後述する五徳リング21を取り付けるための凹部と凸部とからなる複数の位置決め部13、13・・が設けられているとともに、各位置決め部13の近傍に、天板3を後述する第2フレーム部材34にネジ止めするためのネジ孔14が穿設されている。
【0014】
一方、五徳2は、天板3の開口4縁を覆う五徳リング21と、該五徳リング21上に立設され、調理鍋を載置可能な倒U字状の6つの五徳爪22、22・・とからなる。五徳リング21は円環板状の部材であって、径方向での幅は天板3の開口4縁から凸条部12までよりも長く形成されている。したがって、五徳2を天板3上へ設置した際、五徳リング21の外周縁側は凸条部12の上方を覆う一方、その内周縁側は開口4縁よりも開口4内側へ突出し、支持部材51の外周面との間に1mm以内の隙間しか生じないようになっている。また、五徳リング21の内周縁部は、径方向外側へ向けて下降傾斜するテーパ面23として折り曲げ成形されている。さらに、五徳リング21の下面には、位置決め部13の凹部に係止可能な係止片24aと、位置決め部13の凸部上に載置される突起24bとを一体的に備えた複数の設置部が設けられている。
【0015】
次に、本発明の要部となるガスバーナ5の器体への設置機構、及び電極8や熱電対9の設置機構について、図6〜図10にもとづき詳述する。尚、以下では、図8における上下方向を各部材の前後方向とし、下方を前方側、上方を後方側として説明する。また、図6以降ではバーナヘッド7を省略しており、センサ10についても図9以外では省略している。
図6は、図示しない器体へ設置した状態にあるガスバーナ5及びその設置機構をバーナ本体30側から示した斜視説明図であり、図7は、同状態にあるガスバーナ5及びその設置機構を電極8や熱電対9側から示した斜視説明図である。図8は、図6と同状態にあるガスバーナ5及びその設置機構を上方から示した説明図である。図9及び図10は、ガスバーナ5及びその設置機構を分解して示した説明図である。
【0016】
ガスバーナ5及び電極8や熱電対9を夫々設置するための機構は、取付台31、取付座32、第1フレーム部材33、及び第2フレーム部材34の4つの金属製部材から構成されている。取付台31は、ガスバーナ5のバーナ本体30等を器体に固定するための部材である。該取付台31は、周縁が上下に折り曲げられてなる金属製の帯状に形成されており、長手方向における一端に器体へ固定するための固定部31aを、他端に取付座32等を取り付けるための設置部31bを夫々備えている。そして、設置部31bには、取付座32をネジ止めするための第1固定孔35、35と、取付座32を固定する際に位置決めするための位置決め孔36とが穿設されている。
【0017】
また、取付座32は、第1フレーム部材33や第2フレーム部材34、バーナ本体30を固定するための部材である。該取付座32は、長手方向の両端が上方へ折り曲げられてなる金属製の板状に形成されており、各折り曲げ部の前側にはバーナ本体30を固定するためのネジ孔を有するバーナ固定部37が設けられている一方、各折り曲げ部の後側には第1フレーム部材33が係合する第1係合孔38、第2フレーム部材34が係合する第2係合孔39、第1フレーム部材33及び第2フレーム部材34をネジ止めするための第3固定孔40を備えたフレーム固定部が設けられている。さらに、中央の凹部(載置部)は、バーナ本体30を受け入れ可能な左右幅を有しており、該凹部には、自身を取付台31へネジ止めするための第2固定孔41、41が設けられている。また、センサ10を取り付けるための一対の係止爪42、42と、位置決め孔36に係止する位置決め片43、43・・とが上方又は下方へ切り起こし状に設けられている。尚、右側のフレーム固定部では、手前から第3固定孔40、第1係合孔38、第2係合孔39の順で形成している一方、左側のフレーム固定部では、手前から第1係合孔38、第3固定孔40、第2係合孔39の順で形成している。
【0018】
第1フレーム部材33は、電極8及び熱電対9を設置するための部材である。該第1フレーム部材33は、取付座32の折り曲げ部間に架設され、バーナ本体30の直径よりも長い金属製の帯状に形成されており、長手方向の両端部には、第1係合孔38に係合する第1係合片44、及び取付座32へネジ止めするための第4固定孔45が設けられている。さらに、左側の端部には、第2フレーム部材34の第2係合片50が貫通する貫通孔46も設けられている。また、第1フレーム部材の中央部前縁には、電極8を設置するための電極設置部47と、熱電対9を設置するための熱電対設置部48とが左右に並設されている。各設置部47、48は共に、電極8や熱電対9を位置決めするための爪部を備えた位置決め部と、図示しないクリップ状の固定部材を掛止するための掛止部とからなり、該掛止部に掛止させた固定部材によって、爪部により位置決めされた電極8や熱電対9を固定するようになっている。また、各設置部47、48は、後述するように第1フレーム部材33やバーナ本体30等を取付座に固定した際、各設置部47、48に設置されている電極8や熱電対9のバーナヘッド7に対する位置が高精度に位置決めされるような箇所に設けられている。
【0019】
第2フレーム部材34は、ガスバーナ5のバーナ本体30を固定するとともに、天板3とガスバーナ5とを連結するための部材である。該第2フレーム部材34は、左右の幅が取付座32の折り曲げ部間と同じ長さとなるU字状に湾曲形成された板状部材であって、長手方向の両端部の後縁には、更に後方へ延びるL字状の舌片56、56が下方へ延設されており、各舌片56の先端部には、自身を取付座32へネジ止めするための第5固定孔49、及び第2係合孔39に係合する第2係合片50が設けられている。また、第2フレーム部材34の長手方向の両端部で、下方へ折り曲げる手前となる位置には、天板3をネジ止め可能なネジ孔を有する天板連結部51が夫々設けられている。さらに、各天板連結部51よりも更に前方側の内側縁には、U字の内側方向へ折れ曲がるL字状の舌片57、57が対向状に垂設されており、各舌片57の先端部には、バーナ本体30をバーナ固定部37へネジ止めするための第1バーナ固定孔52が設けられている。加えて、第2フレーム部材34の中央部にも一対の天板連結部51、51が設けられており、テーブルこんろ1の左右何れに配置されるかに応じて、いずれか一方の天板連結部51が使用される。尚、第2フレーム部材34の周縁部は下方へ折り曲げ成形されており、強度向上が図られている。
【0020】
ガスバーナ5は、上述したように混合気室29が接続されたバーナ本体30と、バーナ本体30上にセットされるバーナヘッド7とからなるもので、バーナ本体30の外周には鍔状のフランジ部53が形成されている。そして、該フランジ部53であって、バーナ本体30を挟んだ左右位置には、バーナ本体30をバーナ固定部37、37へ固定するための第2バーナ固定孔54、54が設けられている。尚、バーナ本体30を取付座32の凹部上へ載置した際、フランジ部53はバーナ固定部37、37上に重なり、第2バーナ固定孔54とバーナ固定部37のネジ孔とが上下で重合するようになっている。
【0021】
ここで、上記取付台31、取付座32、第1フレーム部材33、及び第2フレーム部材34を利用したバーナ本体30や電極8等の設置作業について説明する。
まず、取付台31の固定部31aを器体の内面にネジ止め等によって固定する。次に、取付台31の設置部31b上に取付座32を載置し、ネジを第2固定孔41から第1固定孔35へ挿通させ、取付座32を取付台31へネジ止めし、取付台31と取付座32とを一体化する。このとき、取付座32の位置決め片43、43・・を取付台31の位置決め孔36へ係止させれば、第1固定孔35と第2固定孔41との位置が上下で重合するようになっている。
【0022】
さらに、該取付座32の凹部上へ、センサ10を係止爪42、42に係止させて設置するとともに、電極8及び熱電対9を図示しない電子基板等へ予め配線してから第1フレーム部材33の各設置部47、48へ夫々設置した後、第1係合片44、44を取付座32の第1係合孔38、38に係合させて、第1フレーム部材33を組み付ける。また、センサ10をバーナ本体30の中央に貫通させるようにして取付座32の凹部上へバーナ本体30を載置する。加えて、第2フレーム部材34の第2係合片50、50を取付座32の第2係合孔39、39へ係合させ(左側の係合片50については、第1フレーム部材33の貫通孔46を介して第2係合孔39へ係合させ)、第2フレーム部材34をバーナ本体30の前方側に組み付ける。このとき、取付座32の第3固定孔40、第1フレーム部材33の第4固定孔45、及び第2フレーム部材34の第5固定孔49が上下で重合している。したがって、ネジを第3固定孔40から第5固定孔49まで挿通させて、取付座32、第1フレーム部材33、及び第2フレーム部材34を一体化する。すると、第1フレーム部材33の第4固定孔45、45同士を結ぶ直線に直交する平面方向で見ると、第4固定孔45、45間にバーナ本体30が収納されるように、第1フレーム部材33が取付座32に固定され、このバーナ本体30上にセットされるバーナヘッド7に対して電極8及び熱電対9が好適な位置に位置決めされる。
また、第2フレーム部材34の第1バーナ固定孔52、バーナ本体30の第2バーナ固定孔54、及びバーナ固定部37のネジ孔も上下で重合している。したがって、ネジを第1固定孔から第2固定孔54を介してバーナ固定部37のネジ孔まで挿通させて、取付座32、バーナ本体30、及び第2フレーム部材34を一体化する。すると、バーナ本体30は、自身を挟んだ2箇所で第2フレーム34及び取付座32へ固定される。尚、該固定状態において、第2フレーム部材34は、第1バーナ固定孔52を有する舌片でのみバーナ本体30と接触しており、U字状部についてはバーナ本体30と離隔している。
以上のようにして、バーナ本体30及び電極8、熱電対9が取付座32に、ひいては器体内に設置されることになる。
【0023】
加えて、テーブルこんろ1を完成させるためには、バーナ本体30上にセットされるバーナヘッド7を開口4内に露出させた状態で、取付座32や第1フレーム部材33、第2フレーム部材34の上方を覆うように天板3を組み付けなければならない。この天板3を組み付け際しては、図11に示すように、開口4内にバーナ本体30を位置させるとともに、天板3のネジ孔14、14・・と第2フレーム部材34の天板連結部51、51・・のネジ孔とを上下で重合させる。そして、ネジ55をネジ孔14から天板連結部51まで挿通させて、天板3と第2フレーム部材14とを3箇所で一体化する。したがって、バーナ本体30を平面視で挟む位置を含んだ複数箇所において、且つ、五徳2を位置決めするための位置決め部13、13・・の近傍において、天板3とガスバーナ5とが第2フレーム部材を介して連結される。
【0024】
以上のような構成を有するテーブルこんろ1によれば、予め配線を済ませた電極8及び熱電対9が設置された第1フレーム部材33と、器体内に固定した取付座32に対してバーナ本体30とを順次組み付けていけば、バーナ本体30上にセットされるバーナヘッド7に対して精度良い位置に電極8及び熱電対9を設置することができる。したがって、従来の如く電極8や熱電対9が組み付けられたガスバーナ5を設置したり、ガスバーナ5の設置後に配線したりする必要がなく、設置作業や配線作業を非常に簡易に行うことができるし、電極8及び熱電対9のバーナヘッド7に対する位置決め作業についても非常に容易に行うことができる。
【0025】
また、電極8及び熱電対9を設置する第1フレーム部材33をバーナ本体30よりも長く形成し、その両端に取付座32への固定部(第1係合片44や第4固定孔45)を設けているとともに、中央に電極8及び熱電対9の設置部47、48を設けている。そして、第1フレーム部材33の第4固定孔45、45同士を結ぶ直線に直交する平面方向で見ると、第4固定孔45、45間にバーナ本体30が収納されるように、第1フレーム部材33を取付座32へ固定しているため、たとえ第4固定孔45の位置が寸法誤差等によりずれていたとしても、電極8及び熱電対9の位置ずれは寸法誤差よりも小さくなり、ほとんど変化しない。したがって、電極8や熱電対9をガスバーナ5とは別個の部材に設置しているにもかかわらず、高い位置決め精度をもたせることができる。
【0026】
さらに、電極8や熱電対9が設置される第1フレーム部材33とバーナ本体30が固定される第2フレーム部材34とを同一箇所で取付座32へネジ止めしている、すなわち第1フレーム部材33を取付座32へ固定する第4固定孔45と、第2フレーム部材34を取付座32へ固定する第5固定孔49とを上下で重合させて取付座32へネジ止めするように構成している。したがって、取付座32の寸法等に拘わらず、第1フレーム部材33と第2フレーム部材34との相対的な位置関係がずれにくく、電極8や熱電対9のバーナヘッド7に対する位置決め精度を一層向上することができる。
さらにまた、取付座32の中央凹部上にバーナ本体30を載置可能としている。したがって、バーナ本体30や第1フレーム部材33、第2フレーム部材34を組み付けていく際にバーナ本体30が安定するため、バーナ本体30等の設置作業を一層容易に行うことができる。
【0027】
また、取付座32に第1係合孔38、38や第2係合孔39、39を設ける一方、第1フレーム部材33に第1係合片44、44を、第2フレーム部材34に第2係合片50、50を夫々設けており、第1フレーム部材33及び第2フレーム部材34を取付座32に固定する際、各係合片を対応する係合孔へ係合させた後に両者をネジ止めするように構成している。したがって、ネジ止め前に第1フレーム部材33や第2フレーム部材34が取付座32上から脱落したり位置ずれしたりしにくく、設置作業を極めて容易に行うことができる。
さらに、第1フレーム部材33には貫通孔46を設けており、第2フレーム部材34の一方の第2係合片50については、貫通孔46を介して取付座32の第2係合孔39へ係合させるように構成しているため、第1フレーム部材33と第2フレーム部材34との相対的な位置関係が一層ずれにくい構成となっている。
加えて、取付座32に調理鍋の温度を検知するセンサ10を設置するための係止爪42、42を設けているため、バーナヘッド7に対するセンサ10の位置も精度良く位置決めすることができる。
【0028】
一方、天板3の設置に関しては、天板3とガスバーナ5とが第2フレーム部材34を介し、バーナ本体30を平面視で挟む位置を含んだ複数箇所においてネジ55により連結される。したがって、天板3とガスバーナ5との相対的な位置決めを確実に行うことができる。また、製造時に天板3に撓みが生じたり、調理時におけるガスバーナ5の燃焼等に起因して天板3に歪みが生じたとしても、該撓みや歪みに応じてバーナ本体30も微小に位置ずれ若しくは変形を起こすため、バーナ本体30と天板3との相対的な位置関係を維持することができる。したがって、バーナ本体30と天板3との間の距離、ひいては天板3上に載置される五徳2とバーナ本体30上にセットされるバーナヘッド7との距離を一定に保つことができ、ガスバーナ5の燃焼性や調理鍋への熱伝達効率を向上することができる。さらに、第2フレーム部材34を用いて天板3とバーナ本体30とを連結することにより、天板3やバーナ本体30自体に複雑な連結構造を設ける必要がなく、両者を容易に連結することができる。
【0029】
また、第2フレーム部材34として、天板と平行な面内でバーナ本体30を跨ぐU字状に湾曲形成されているとともに、周縁が折り曲げられた金属製の板状部材を採用する一方、バーナ本体30の外周に鍔状のフランジ部53を形成し、該フランジ部53に第2バーナ固定孔54を形成している。そして、第2フレーム部材を、第1バーナ固定孔52を有する舌片57でのみバーナ本体30と接触させ、U字状部についてはバーナ本体30と離隔させた状態でバーナ本体30と一体化している。そのため、第2フレーム部材が高い剛性を有している上、ガスバーナ5の燃焼時にU字状部へ熱が伝わりにくく、第2フレーム部材34が変形してしまう事態を防止することができる。また、バーナ本体30を挟んだ位置で第2フレーム部材34とバーナ本体30とを固定することができる。したがって、五徳2とバーナヘッド7との距離を一層確実に一定に保つことができ、ガスバーナ5の燃焼性や調理鍋への熱伝達効率を更に向上することができる。
さらに、天板3と第2フレーム部材34とを連結するためのネジ孔14を五徳2を載置する位置決め部13の近傍に設けているため、天板3の歪みに伴うバーナ本体30の変移等に五徳2が追従しやすい。したがって、五徳2とバーナヘッド7との距離の保持を一層効果的に実現することができる。
【0030】
加えて、五徳2を設置した際に、五徳リング21の内周縁が天板3の開口4縁よりも開口4内側へ突出し、五徳リング21の内周縁とガスバーナ5との間に1mm以内の隙間しか生じないように構成しているため、該五徳リング21の内周縁によって調理鍋から溢れた煮汁の器体内への浸入防止を図ることができる。したがって、従来と比べて、天板3の開口4をガスバーナ5に近接させる必要がないため、開口4を形成する際に精度を求められず、容易に製造することができ、歩留まりを向上することができる。また、従来ほど開口4をガスバーナ5に近接させないため、調理時等におけるガスバーナ5の燃焼時に熱の影響を受けにくく、天板3の開口4周辺部に歪み等が生じにくい。その上、たとえ歪み等が生じたとしても隙間があそびとなり、ガスバーナ5と天板3とが干渉したり、五徳2が載置できなくなるといった問題が生じないため、天板2を耐熱ガラス等により成形する必要がなく、コスト低減を図ることができる。
さらに、五徳2に関しても、五徳リング21の内周縁をガスバーナ5の外周面に近接させるものの、従来の如くガスバーナ5の外周面に密接させるわけではないため、従来ほど成形精度を要求されない。加えて、五徳リング21の内周縁をガスバーナ5に近接させているとは言え、五徳2と天板3とは係止爪24aと突起24bとでしか接触していないため、熱が天板3に伝わりにくく、天板3の熱変形等を一層防止することができる。
【0031】
なお、本発明のこんろに係る構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、こんろ全体の構成やガスバーナの設置に係る構成、五徳、天板に係る構成等を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。
【0032】
たとえば、上記実施形態では、取付台31と取付座32とを別体成形しているが、両者を1つの部材としてもよい。
また、第2フレーム部材34とガスバーナ5とについても、上記実施形態とは異なって両者を一体的に形成してもよい。すなわち、ガスバーナ5に天板連結部51、51・・を直接設けても、バーナヘッド7と天板3(五徳2)との距離の保持といった効果を十分に達成することができる。
さらに、各種係合爪や係合孔を何れの部材に設けるかといった事項やその位置、数、若しくは有無等についても適宜設計変更可能である。
加えて、上記実施形態ではこんろの一例であるテーブルこんろについて説明しているが、キッチンユニットに組み込まれるビルトインこんろ等の他のこんろに適用することも可能である。
【符号の説明】
【0033】
1・・テーブルこんろ、2・・五徳、3・・天板、4・・開口、5・・ガスバーナ(こんろバーナ)、6・・炎孔、7・・バーナヘッド、8・・電極、9・・熱電対、10・・センサ、14・・ネジ孔、30・・バーナ本体、31・・取付台、32・・取付座、33・・第1フレーム部材(第1設置部材)、34・・第2フレーム部材(第2設置部材)、35・・第1固定孔、36・・位置決め孔、37・・バーナ固定部、38・・第1係合孔、39・・第2係合孔、40・・第3固定孔(固定部)、41・・第2固定孔、42・・係止爪(センサ取付部)、43・・位置決め片、44・・第1係合片、45・・第4固定孔(固定部)、46・・貫通孔、47・・電極設置部、48・・熱電対検知部、49・・第5固定孔(固定部)、50・・第2係合片、51・・天板連結部、52・・第1バーナ固定孔、53・・フランジ部、54・・第2バーナ固定孔、55・・ネジ、56、57・・舌片。
【技術分野】
【0001】
本発明は、こんろバーナの近傍に点火用の電極と熱電対とを設置してなるこんろに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的なこんろにおいては、こんろバーナの近傍に点火用の電極と熱電対とが設置されており、この点火用の電極と熱電対との設置に係る構造としては、たとえば特許文献1に開示されているような構造がある。当該構造では、こんろバーナを形成するバーナ本体に点火用の電極等の組み付け部を設けることにより、こんろバーナに対して点火用の電極及び熱電対を精度良く位置決め可能としていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−283414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の構造によれば、バーナ本体へ点火用の電極や熱電対を組み付けた後、こんろバーナを器体(こんろ本体)に設置し、点火用の電極や熱電対から延びる電線を各種電子基板に接続するか、予め点火用の電極等の配線を完了させてからこんろバーナを器体に設置しなければならない。したがって、前者の方法では電線を自由に引き回せないために電線の接続作業が、後者の方法では配線等が邪魔になってこんろバーナの設置作業が夫々煩雑になるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、点火用の電極や熱電対をこんろバーナに対して精度良く位置決め可能である上、こんろバーナの器体への設置作業や点火用の電極等の配線作業を容易に行うことができるこんろを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、天板に開口が設けられており、開口内にバーナヘッドをバーナ本体上にセットしてなるこんろバーナが露出した状態で器体に設置されているとともに、バーナヘッドの近傍となる所定位置に、炎孔から流れ出す燃料ガスに点火するための点火用の電極と、炎孔に形成される炎を検知するための熱電対とを設置してなるこんろであって、器体に固定されるとともに、バーナ本体を固定可能な取付座と、電極を設置するための電極設置部と、熱電対を設置するための熱電対設置部とを有しているとともに、バーナ本体の直径よりも長く形成され、その両端に取付座へバーナ本体とは別個に固定可能な固定部を有する第1設置部材とを設け、器体に固定された取付座に対し、各設置部に夫々電極及び熱電対が設置された第1設置部材と、バーナ本体とを、第1設置部材の固定部同士を結ぶ直線に直交する平面方向で見ると固定部間にバーナ本体が収納されるように夫々別個に固定して、電極及び熱電対を所定位置に位置させることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、バーナ本体を取付座へ固定するためのU字状に湾曲形成された第2設置部材を有し、第2設置部材の取付座への固定部を第1設置部材の固定部と上下方向で重合させた状態で共に取付座へ固定したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、第1設置部材に第1係合爪を、第2設置部材に第2係合爪を夫々設けるとともに、取付座に第1係合爪が係合可能な第1係合孔、及び第2係合爪が係合可能な第2係合孔を設けており、第1係合爪を第1係合孔へ、第2係合爪を第2係合孔へ夫々係合させた状態において、両設置部材の固定部を取付座へ固定したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、第2係合爪を第2設置部材の固定部に設ける一方、第1設置部材の固定部に第2係合爪が貫通可能な貫通孔を設けており、固定部同士を重合させた際、第2係合爪が貫通孔を介して取付座の第2係合孔へ係合することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、取付座に、バーナ本体を載置可能な載置部を設けたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、取付座に、バーナヘッドの上方に五徳を介して載置される調理容器の温度を検知するためのセンサを取り付けるセンサ取付部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、取付座に対し、バーナ本体と電極及び熱電対が設置された第1設置部材とを夫々別個に設置することができる。したがって、従来の如く電極や熱電対が組み付けられたこんろバーナを設置したり、こんろバーナの設置後に配線したりする必要がなく、設置作業や配線作業を非常に簡易に行うことができる。また、第1設置部材を取付座に設置するだけで電極及び熱電対がバーナヘッドの近傍の所定位置に位置するため、電極及び熱電対のバーナヘッドに対する位置決め作業についても非常に容易に行うことができる。
さらに、電極及び熱電対を設置する第1設置部材をバーナ本体よりも長く形成し、その両端に取付座への固定部を設けており、固定部同士を結ぶ直線に直交する平面方向で見ると固定部間にバーナ本体が収納されるように第1設置部材を取付座へ固定している。したがって、たとえ固定部の位置が寸法誤差等によりずれていたとしても、電極及び熱電対の位置ずれは寸法誤差よりも小さくなり、ほとんど変化しない。したがって、電極や熱電対をこんろバーナとは別個の部材に設置しているにもかかわらず、高い位置決め精度をもたせることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、バーナ本体を取付座へ固定するためのU字状に湾曲形成された第2設置部材を有し、第2設置部材の取付座への固定部を第1設置部材の固定部と上下方向で重合させた状態で共に取付座へ固定している。したがって、取付座の寸法精度等に拘わらず、第1設置部材と第2設置部材との相対的な位置関係、ひいては電極や熱電対とバーナヘッドとの位置関係がずれにくく、電極や熱電対のバーナヘッドに対する位置決め精度を一層向上することができる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、第1設置部材に第1係合爪を、第2設置部材に第2係合爪を夫々設けるとともに、取付座に第1係合爪が係合可能な第1係合孔、及び第2係合爪が係合可能な第2係合孔を設けており、第1係合爪を第1係合孔へ、第2係合爪を第2係合孔へ夫々係合させた状態において、両設置部材の固定部を取付座へ固定している。したがって、固定部を固定する前に第1設置部材や第2設置部材が取付座上から脱落したり位置ずれしたりしにくく、設置作業を極めて容易に行うことができる。
さらにまた、請求項4に記載の発明によれば、第2係合爪を第2設置部材の固定部に設ける一方、第1設置部材の固定部に第2係合爪が貫通可能な貫通孔を設けており、固定部同士を重合させた際、第2係合爪が貫通孔を介して取付座の第2係合孔へ係合するように構成しているため、第1設置部材と第2設置部材との相対的な位置関係が一層ずれにくい構成となっている。
また、請求項5に記載の発明によれば、取付座に、バーナ本体を載置可能な載置部を設けているため、バーナ本体や第1設置部材、第2設置部材を組み付けていく際にバーナ本体が安定し、これらの設置作業を一層容易に行うことができる。
加えて、請求項6に記載の発明によれば、取付座に、バーナヘッドの上方に五徳を介して載置される調理容器の温度を検知するためのセンサを取り付けるセンサ取付部を設けているため、バーナヘッドに対するセンサの位置も精度良く位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】テーブルこんろを上方から示した説明図である。
【図2】五徳を取り外したテーブルこんろの開口周辺を拡大して示した説明図である。
【図3】テーブルこんろの器体を省略した斜視説明図である。
【図4】五徳を取り外したテーブルこんろの開口周辺を拡大して示した斜視説明図である。
【図5】テーブルこんろの五徳及び開口周辺部の断面を示した説明図である。
【図6】図示しない器体へ設置した状態にあるガスバーナ及びその設置機構をバーナ本体側から示した斜視説明図である。
【図7】図6と同状態にあるガスバーナ及びその設置機構を電極や熱電対側から示した斜視説明図である。
【図8】図6と同状態にあるガスバーナ及びその設置機構を上方から示した説明図である。
【図9】ガスバーナ及びその設置機構を分解して示した説明図である。
【図10】ガスバーナ及びその設置機構を分解して示した説明図である。
【図11】天板を載置した状態におけるガスバーナ周辺部の断面を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態となるテーブルこんろについて、図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
図1は、テーブルこんろ1を上方から示した説明図であり、図2は、五徳2を取り外したテーブルこんろ1の開口4周辺を拡大して示した説明図である。図3は、テーブルこんろ1の器体を省略した斜視説明図であり、図4は、五徳2を取り外したテーブルこんろ1の開口4周辺を拡大して示した斜視説明図である。図5は、テーブルこんろ1の五徳2及び開口4周辺部の断面を示した説明図である。
【0011】
テーブルこんろ1は、器体の天板3に一対の円形の開口4、4を形成し、各開口4の中央に夫々ガスバーナ5を露出した状態で配置するとともに、天板3上にそのガスバーナ5を囲むように金属製の五徳2を備えてなる。ガスバーナ5は、燃料ガスと一次空気とを吸入するスロート部が接続されて燃料ガスと一次空気とを混合する所謂混合気室29(図6に示す)と、該混合気室29が接続されたバーナ本体30(図6に示す)と、そのバーナ本体30上にセットされ、外周に多数の炎孔6、6・・が形成されたバーナヘッド7とからなる。また、バーナヘッド7の炎孔6の近傍には、点火用の電極8と火炎検出用の熱電対9とが設けられている。さらに、10は、五徳2上に載置される調理鍋(調理容器)の底に当接して調理鍋の温度を検知するためのセンサであって、バーナ本体30及びバーナヘッド7の中央を貫通するように設置されている。
【0012】
そして、上記テーブルこんろ1によれば、器体前面に設けられた図示しない操作レバーを操作すると、一次空気と共に燃料ガスが混合気室29を介してバーナ本体30へ供給され、混合気となってバーナヘッド7の炎孔6、6・・から流出する。同時に、器体内に設けられた図示しないコントローラが電極8をスパークさせて混合気に点火し、バーナヘッド7の周囲に火炎を形成させる。よって、五徳2上に載置される調理鍋の底を加熱して調理可能となる。
【0013】
ここで、まず五徳2及び開口4の周辺部について詳述する。尚、五徳2及び開口4は天板3の左右に1組ずつ備えられるが、どちらも同じ構成となっている。
開口4は、天板3に略円形に開設されており、天板3を器体に組み付けた際、開口4縁とバーナヘッド7を支持するバーナ本体30の外周面との間には略3mm程度の隙間が生じるように形成されている。また、開口4縁には、開口4内側へ向けて上昇傾斜するように折り曲げられたテーパ部11が設けられている。さらに、開口4縁から所定の距離だけ径方向外側へ離れた位置には、上方へ突出する凸条部12が開口4を囲むように周設されている。さらに、開口4縁と凸条部12との間には、後述する五徳リング21を取り付けるための凹部と凸部とからなる複数の位置決め部13、13・・が設けられているとともに、各位置決め部13の近傍に、天板3を後述する第2フレーム部材34にネジ止めするためのネジ孔14が穿設されている。
【0014】
一方、五徳2は、天板3の開口4縁を覆う五徳リング21と、該五徳リング21上に立設され、調理鍋を載置可能な倒U字状の6つの五徳爪22、22・・とからなる。五徳リング21は円環板状の部材であって、径方向での幅は天板3の開口4縁から凸条部12までよりも長く形成されている。したがって、五徳2を天板3上へ設置した際、五徳リング21の外周縁側は凸条部12の上方を覆う一方、その内周縁側は開口4縁よりも開口4内側へ突出し、支持部材51の外周面との間に1mm以内の隙間しか生じないようになっている。また、五徳リング21の内周縁部は、径方向外側へ向けて下降傾斜するテーパ面23として折り曲げ成形されている。さらに、五徳リング21の下面には、位置決め部13の凹部に係止可能な係止片24aと、位置決め部13の凸部上に載置される突起24bとを一体的に備えた複数の設置部が設けられている。
【0015】
次に、本発明の要部となるガスバーナ5の器体への設置機構、及び電極8や熱電対9の設置機構について、図6〜図10にもとづき詳述する。尚、以下では、図8における上下方向を各部材の前後方向とし、下方を前方側、上方を後方側として説明する。また、図6以降ではバーナヘッド7を省略しており、センサ10についても図9以外では省略している。
図6は、図示しない器体へ設置した状態にあるガスバーナ5及びその設置機構をバーナ本体30側から示した斜視説明図であり、図7は、同状態にあるガスバーナ5及びその設置機構を電極8や熱電対9側から示した斜視説明図である。図8は、図6と同状態にあるガスバーナ5及びその設置機構を上方から示した説明図である。図9及び図10は、ガスバーナ5及びその設置機構を分解して示した説明図である。
【0016】
ガスバーナ5及び電極8や熱電対9を夫々設置するための機構は、取付台31、取付座32、第1フレーム部材33、及び第2フレーム部材34の4つの金属製部材から構成されている。取付台31は、ガスバーナ5のバーナ本体30等を器体に固定するための部材である。該取付台31は、周縁が上下に折り曲げられてなる金属製の帯状に形成されており、長手方向における一端に器体へ固定するための固定部31aを、他端に取付座32等を取り付けるための設置部31bを夫々備えている。そして、設置部31bには、取付座32をネジ止めするための第1固定孔35、35と、取付座32を固定する際に位置決めするための位置決め孔36とが穿設されている。
【0017】
また、取付座32は、第1フレーム部材33や第2フレーム部材34、バーナ本体30を固定するための部材である。該取付座32は、長手方向の両端が上方へ折り曲げられてなる金属製の板状に形成されており、各折り曲げ部の前側にはバーナ本体30を固定するためのネジ孔を有するバーナ固定部37が設けられている一方、各折り曲げ部の後側には第1フレーム部材33が係合する第1係合孔38、第2フレーム部材34が係合する第2係合孔39、第1フレーム部材33及び第2フレーム部材34をネジ止めするための第3固定孔40を備えたフレーム固定部が設けられている。さらに、中央の凹部(載置部)は、バーナ本体30を受け入れ可能な左右幅を有しており、該凹部には、自身を取付台31へネジ止めするための第2固定孔41、41が設けられている。また、センサ10を取り付けるための一対の係止爪42、42と、位置決め孔36に係止する位置決め片43、43・・とが上方又は下方へ切り起こし状に設けられている。尚、右側のフレーム固定部では、手前から第3固定孔40、第1係合孔38、第2係合孔39の順で形成している一方、左側のフレーム固定部では、手前から第1係合孔38、第3固定孔40、第2係合孔39の順で形成している。
【0018】
第1フレーム部材33は、電極8及び熱電対9を設置するための部材である。該第1フレーム部材33は、取付座32の折り曲げ部間に架設され、バーナ本体30の直径よりも長い金属製の帯状に形成されており、長手方向の両端部には、第1係合孔38に係合する第1係合片44、及び取付座32へネジ止めするための第4固定孔45が設けられている。さらに、左側の端部には、第2フレーム部材34の第2係合片50が貫通する貫通孔46も設けられている。また、第1フレーム部材の中央部前縁には、電極8を設置するための電極設置部47と、熱電対9を設置するための熱電対設置部48とが左右に並設されている。各設置部47、48は共に、電極8や熱電対9を位置決めするための爪部を備えた位置決め部と、図示しないクリップ状の固定部材を掛止するための掛止部とからなり、該掛止部に掛止させた固定部材によって、爪部により位置決めされた電極8や熱電対9を固定するようになっている。また、各設置部47、48は、後述するように第1フレーム部材33やバーナ本体30等を取付座に固定した際、各設置部47、48に設置されている電極8や熱電対9のバーナヘッド7に対する位置が高精度に位置決めされるような箇所に設けられている。
【0019】
第2フレーム部材34は、ガスバーナ5のバーナ本体30を固定するとともに、天板3とガスバーナ5とを連結するための部材である。該第2フレーム部材34は、左右の幅が取付座32の折り曲げ部間と同じ長さとなるU字状に湾曲形成された板状部材であって、長手方向の両端部の後縁には、更に後方へ延びるL字状の舌片56、56が下方へ延設されており、各舌片56の先端部には、自身を取付座32へネジ止めするための第5固定孔49、及び第2係合孔39に係合する第2係合片50が設けられている。また、第2フレーム部材34の長手方向の両端部で、下方へ折り曲げる手前となる位置には、天板3をネジ止め可能なネジ孔を有する天板連結部51が夫々設けられている。さらに、各天板連結部51よりも更に前方側の内側縁には、U字の内側方向へ折れ曲がるL字状の舌片57、57が対向状に垂設されており、各舌片57の先端部には、バーナ本体30をバーナ固定部37へネジ止めするための第1バーナ固定孔52が設けられている。加えて、第2フレーム部材34の中央部にも一対の天板連結部51、51が設けられており、テーブルこんろ1の左右何れに配置されるかに応じて、いずれか一方の天板連結部51が使用される。尚、第2フレーム部材34の周縁部は下方へ折り曲げ成形されており、強度向上が図られている。
【0020】
ガスバーナ5は、上述したように混合気室29が接続されたバーナ本体30と、バーナ本体30上にセットされるバーナヘッド7とからなるもので、バーナ本体30の外周には鍔状のフランジ部53が形成されている。そして、該フランジ部53であって、バーナ本体30を挟んだ左右位置には、バーナ本体30をバーナ固定部37、37へ固定するための第2バーナ固定孔54、54が設けられている。尚、バーナ本体30を取付座32の凹部上へ載置した際、フランジ部53はバーナ固定部37、37上に重なり、第2バーナ固定孔54とバーナ固定部37のネジ孔とが上下で重合するようになっている。
【0021】
ここで、上記取付台31、取付座32、第1フレーム部材33、及び第2フレーム部材34を利用したバーナ本体30や電極8等の設置作業について説明する。
まず、取付台31の固定部31aを器体の内面にネジ止め等によって固定する。次に、取付台31の設置部31b上に取付座32を載置し、ネジを第2固定孔41から第1固定孔35へ挿通させ、取付座32を取付台31へネジ止めし、取付台31と取付座32とを一体化する。このとき、取付座32の位置決め片43、43・・を取付台31の位置決め孔36へ係止させれば、第1固定孔35と第2固定孔41との位置が上下で重合するようになっている。
【0022】
さらに、該取付座32の凹部上へ、センサ10を係止爪42、42に係止させて設置するとともに、電極8及び熱電対9を図示しない電子基板等へ予め配線してから第1フレーム部材33の各設置部47、48へ夫々設置した後、第1係合片44、44を取付座32の第1係合孔38、38に係合させて、第1フレーム部材33を組み付ける。また、センサ10をバーナ本体30の中央に貫通させるようにして取付座32の凹部上へバーナ本体30を載置する。加えて、第2フレーム部材34の第2係合片50、50を取付座32の第2係合孔39、39へ係合させ(左側の係合片50については、第1フレーム部材33の貫通孔46を介して第2係合孔39へ係合させ)、第2フレーム部材34をバーナ本体30の前方側に組み付ける。このとき、取付座32の第3固定孔40、第1フレーム部材33の第4固定孔45、及び第2フレーム部材34の第5固定孔49が上下で重合している。したがって、ネジを第3固定孔40から第5固定孔49まで挿通させて、取付座32、第1フレーム部材33、及び第2フレーム部材34を一体化する。すると、第1フレーム部材33の第4固定孔45、45同士を結ぶ直線に直交する平面方向で見ると、第4固定孔45、45間にバーナ本体30が収納されるように、第1フレーム部材33が取付座32に固定され、このバーナ本体30上にセットされるバーナヘッド7に対して電極8及び熱電対9が好適な位置に位置決めされる。
また、第2フレーム部材34の第1バーナ固定孔52、バーナ本体30の第2バーナ固定孔54、及びバーナ固定部37のネジ孔も上下で重合している。したがって、ネジを第1固定孔から第2固定孔54を介してバーナ固定部37のネジ孔まで挿通させて、取付座32、バーナ本体30、及び第2フレーム部材34を一体化する。すると、バーナ本体30は、自身を挟んだ2箇所で第2フレーム34及び取付座32へ固定される。尚、該固定状態において、第2フレーム部材34は、第1バーナ固定孔52を有する舌片でのみバーナ本体30と接触しており、U字状部についてはバーナ本体30と離隔している。
以上のようにして、バーナ本体30及び電極8、熱電対9が取付座32に、ひいては器体内に設置されることになる。
【0023】
加えて、テーブルこんろ1を完成させるためには、バーナ本体30上にセットされるバーナヘッド7を開口4内に露出させた状態で、取付座32や第1フレーム部材33、第2フレーム部材34の上方を覆うように天板3を組み付けなければならない。この天板3を組み付け際しては、図11に示すように、開口4内にバーナ本体30を位置させるとともに、天板3のネジ孔14、14・・と第2フレーム部材34の天板連結部51、51・・のネジ孔とを上下で重合させる。そして、ネジ55をネジ孔14から天板連結部51まで挿通させて、天板3と第2フレーム部材14とを3箇所で一体化する。したがって、バーナ本体30を平面視で挟む位置を含んだ複数箇所において、且つ、五徳2を位置決めするための位置決め部13、13・・の近傍において、天板3とガスバーナ5とが第2フレーム部材を介して連結される。
【0024】
以上のような構成を有するテーブルこんろ1によれば、予め配線を済ませた電極8及び熱電対9が設置された第1フレーム部材33と、器体内に固定した取付座32に対してバーナ本体30とを順次組み付けていけば、バーナ本体30上にセットされるバーナヘッド7に対して精度良い位置に電極8及び熱電対9を設置することができる。したがって、従来の如く電極8や熱電対9が組み付けられたガスバーナ5を設置したり、ガスバーナ5の設置後に配線したりする必要がなく、設置作業や配線作業を非常に簡易に行うことができるし、電極8及び熱電対9のバーナヘッド7に対する位置決め作業についても非常に容易に行うことができる。
【0025】
また、電極8及び熱電対9を設置する第1フレーム部材33をバーナ本体30よりも長く形成し、その両端に取付座32への固定部(第1係合片44や第4固定孔45)を設けているとともに、中央に電極8及び熱電対9の設置部47、48を設けている。そして、第1フレーム部材33の第4固定孔45、45同士を結ぶ直線に直交する平面方向で見ると、第4固定孔45、45間にバーナ本体30が収納されるように、第1フレーム部材33を取付座32へ固定しているため、たとえ第4固定孔45の位置が寸法誤差等によりずれていたとしても、電極8及び熱電対9の位置ずれは寸法誤差よりも小さくなり、ほとんど変化しない。したがって、電極8や熱電対9をガスバーナ5とは別個の部材に設置しているにもかかわらず、高い位置決め精度をもたせることができる。
【0026】
さらに、電極8や熱電対9が設置される第1フレーム部材33とバーナ本体30が固定される第2フレーム部材34とを同一箇所で取付座32へネジ止めしている、すなわち第1フレーム部材33を取付座32へ固定する第4固定孔45と、第2フレーム部材34を取付座32へ固定する第5固定孔49とを上下で重合させて取付座32へネジ止めするように構成している。したがって、取付座32の寸法等に拘わらず、第1フレーム部材33と第2フレーム部材34との相対的な位置関係がずれにくく、電極8や熱電対9のバーナヘッド7に対する位置決め精度を一層向上することができる。
さらにまた、取付座32の中央凹部上にバーナ本体30を載置可能としている。したがって、バーナ本体30や第1フレーム部材33、第2フレーム部材34を組み付けていく際にバーナ本体30が安定するため、バーナ本体30等の設置作業を一層容易に行うことができる。
【0027】
また、取付座32に第1係合孔38、38や第2係合孔39、39を設ける一方、第1フレーム部材33に第1係合片44、44を、第2フレーム部材34に第2係合片50、50を夫々設けており、第1フレーム部材33及び第2フレーム部材34を取付座32に固定する際、各係合片を対応する係合孔へ係合させた後に両者をネジ止めするように構成している。したがって、ネジ止め前に第1フレーム部材33や第2フレーム部材34が取付座32上から脱落したり位置ずれしたりしにくく、設置作業を極めて容易に行うことができる。
さらに、第1フレーム部材33には貫通孔46を設けており、第2フレーム部材34の一方の第2係合片50については、貫通孔46を介して取付座32の第2係合孔39へ係合させるように構成しているため、第1フレーム部材33と第2フレーム部材34との相対的な位置関係が一層ずれにくい構成となっている。
加えて、取付座32に調理鍋の温度を検知するセンサ10を設置するための係止爪42、42を設けているため、バーナヘッド7に対するセンサ10の位置も精度良く位置決めすることができる。
【0028】
一方、天板3の設置に関しては、天板3とガスバーナ5とが第2フレーム部材34を介し、バーナ本体30を平面視で挟む位置を含んだ複数箇所においてネジ55により連結される。したがって、天板3とガスバーナ5との相対的な位置決めを確実に行うことができる。また、製造時に天板3に撓みが生じたり、調理時におけるガスバーナ5の燃焼等に起因して天板3に歪みが生じたとしても、該撓みや歪みに応じてバーナ本体30も微小に位置ずれ若しくは変形を起こすため、バーナ本体30と天板3との相対的な位置関係を維持することができる。したがって、バーナ本体30と天板3との間の距離、ひいては天板3上に載置される五徳2とバーナ本体30上にセットされるバーナヘッド7との距離を一定に保つことができ、ガスバーナ5の燃焼性や調理鍋への熱伝達効率を向上することができる。さらに、第2フレーム部材34を用いて天板3とバーナ本体30とを連結することにより、天板3やバーナ本体30自体に複雑な連結構造を設ける必要がなく、両者を容易に連結することができる。
【0029】
また、第2フレーム部材34として、天板と平行な面内でバーナ本体30を跨ぐU字状に湾曲形成されているとともに、周縁が折り曲げられた金属製の板状部材を採用する一方、バーナ本体30の外周に鍔状のフランジ部53を形成し、該フランジ部53に第2バーナ固定孔54を形成している。そして、第2フレーム部材を、第1バーナ固定孔52を有する舌片57でのみバーナ本体30と接触させ、U字状部についてはバーナ本体30と離隔させた状態でバーナ本体30と一体化している。そのため、第2フレーム部材が高い剛性を有している上、ガスバーナ5の燃焼時にU字状部へ熱が伝わりにくく、第2フレーム部材34が変形してしまう事態を防止することができる。また、バーナ本体30を挟んだ位置で第2フレーム部材34とバーナ本体30とを固定することができる。したがって、五徳2とバーナヘッド7との距離を一層確実に一定に保つことができ、ガスバーナ5の燃焼性や調理鍋への熱伝達効率を更に向上することができる。
さらに、天板3と第2フレーム部材34とを連結するためのネジ孔14を五徳2を載置する位置決め部13の近傍に設けているため、天板3の歪みに伴うバーナ本体30の変移等に五徳2が追従しやすい。したがって、五徳2とバーナヘッド7との距離の保持を一層効果的に実現することができる。
【0030】
加えて、五徳2を設置した際に、五徳リング21の内周縁が天板3の開口4縁よりも開口4内側へ突出し、五徳リング21の内周縁とガスバーナ5との間に1mm以内の隙間しか生じないように構成しているため、該五徳リング21の内周縁によって調理鍋から溢れた煮汁の器体内への浸入防止を図ることができる。したがって、従来と比べて、天板3の開口4をガスバーナ5に近接させる必要がないため、開口4を形成する際に精度を求められず、容易に製造することができ、歩留まりを向上することができる。また、従来ほど開口4をガスバーナ5に近接させないため、調理時等におけるガスバーナ5の燃焼時に熱の影響を受けにくく、天板3の開口4周辺部に歪み等が生じにくい。その上、たとえ歪み等が生じたとしても隙間があそびとなり、ガスバーナ5と天板3とが干渉したり、五徳2が載置できなくなるといった問題が生じないため、天板2を耐熱ガラス等により成形する必要がなく、コスト低減を図ることができる。
さらに、五徳2に関しても、五徳リング21の内周縁をガスバーナ5の外周面に近接させるものの、従来の如くガスバーナ5の外周面に密接させるわけではないため、従来ほど成形精度を要求されない。加えて、五徳リング21の内周縁をガスバーナ5に近接させているとは言え、五徳2と天板3とは係止爪24aと突起24bとでしか接触していないため、熱が天板3に伝わりにくく、天板3の熱変形等を一層防止することができる。
【0031】
なお、本発明のこんろに係る構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、こんろ全体の構成やガスバーナの設置に係る構成、五徳、天板に係る構成等を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。
【0032】
たとえば、上記実施形態では、取付台31と取付座32とを別体成形しているが、両者を1つの部材としてもよい。
また、第2フレーム部材34とガスバーナ5とについても、上記実施形態とは異なって両者を一体的に形成してもよい。すなわち、ガスバーナ5に天板連結部51、51・・を直接設けても、バーナヘッド7と天板3(五徳2)との距離の保持といった効果を十分に達成することができる。
さらに、各種係合爪や係合孔を何れの部材に設けるかといった事項やその位置、数、若しくは有無等についても適宜設計変更可能である。
加えて、上記実施形態ではこんろの一例であるテーブルこんろについて説明しているが、キッチンユニットに組み込まれるビルトインこんろ等の他のこんろに適用することも可能である。
【符号の説明】
【0033】
1・・テーブルこんろ、2・・五徳、3・・天板、4・・開口、5・・ガスバーナ(こんろバーナ)、6・・炎孔、7・・バーナヘッド、8・・電極、9・・熱電対、10・・センサ、14・・ネジ孔、30・・バーナ本体、31・・取付台、32・・取付座、33・・第1フレーム部材(第1設置部材)、34・・第2フレーム部材(第2設置部材)、35・・第1固定孔、36・・位置決め孔、37・・バーナ固定部、38・・第1係合孔、39・・第2係合孔、40・・第3固定孔(固定部)、41・・第2固定孔、42・・係止爪(センサ取付部)、43・・位置決め片、44・・第1係合片、45・・第4固定孔(固定部)、46・・貫通孔、47・・電極設置部、48・・熱電対検知部、49・・第5固定孔(固定部)、50・・第2係合片、51・・天板連結部、52・・第1バーナ固定孔、53・・フランジ部、54・・第2バーナ固定孔、55・・ネジ、56、57・・舌片。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板に開口が設けられており、前記開口内にバーナヘッドをバーナ本体上にセットしてなるこんろバーナが露出した状態で器体に設置されているとともに、前記バーナヘッドの近傍となる所定位置に、前記炎孔から流れ出す燃料ガスに点火するための点火用の電極と、前記炎孔に形成される炎を検知するための熱電対とを設置してなるこんろであって、
前記器体に固定されるとともに、前記バーナ本体を固定可能な取付座と、
前記電極を設置するための電極設置部と、前記熱電対を設置するための熱電対設置部とを有しているとともに、前記バーナ本体の直径よりも長く形成され、その両端に前記取付座へ前記バーナ本体とは別個に固定可能な固定部を有する第1設置部材とを設け、
前記器体に固定された前記取付座に対し、各前記設置部に夫々前記電極及び前記熱電対が設置された前記第1設置部材と、前記バーナ本体とを、前記第1設置部材の前記固定部同士を結ぶ直線に直交する平面方向で見ると前記固定部間に前記バーナ本体が収納されるように夫々別個に固定して、前記電極及び前記熱電対を前記所定位置に位置させることを特徴とするこんろ。
【請求項2】
前記バーナ本体を前記取付座へ固定するためのU字状に湾曲形成された第2設置部材を有し、前記第2設置部材の前記取付座への固定部を前記第1設置部材の固定部と上下方向で重合させた状態で共に前記取付座へ固定したことを特徴とする請求項1に記載のこんろ。
【請求項3】
前記第1設置部材に第1係合爪を、前記第2設置部材に第2係合爪を夫々設けるとともに、前記取付座に前記第1係合爪が係合可能な第1係合孔、及び前記第2係合爪が係合可能な第2係合孔を設けており、
前記第1係合爪を前記第1係合孔へ、前記第2係合爪を前記第2係合孔へ夫々係合させた状態において、両設置部材の固定部を前記取付座へ固定したことを特徴とする請求項2に記載のこんろ。
【請求項4】
前記第2係合爪を前記第2設置部材の固定部に設ける一方、前記第1設置部材の固定部に前記第2係合爪が貫通可能な貫通孔を設けており、固定部同士を重合させた際、前記第2係合爪が前記貫通孔を介して前記取付座の前記第2係合孔へ係合することを特徴とする請求項3に記載のこんろ。
【請求項5】
前記取付座に、前記バーナ本体を載置可能な載置部を設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のこんろ。
【請求項6】
前記取付座に、前記バーナヘッドの上方に五徳を介して載置される調理容器の温度を検知するためのセンサを取り付けるセンサ取付部を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のこんろ。
【請求項1】
天板に開口が設けられており、前記開口内にバーナヘッドをバーナ本体上にセットしてなるこんろバーナが露出した状態で器体に設置されているとともに、前記バーナヘッドの近傍となる所定位置に、前記炎孔から流れ出す燃料ガスに点火するための点火用の電極と、前記炎孔に形成される炎を検知するための熱電対とを設置してなるこんろであって、
前記器体に固定されるとともに、前記バーナ本体を固定可能な取付座と、
前記電極を設置するための電極設置部と、前記熱電対を設置するための熱電対設置部とを有しているとともに、前記バーナ本体の直径よりも長く形成され、その両端に前記取付座へ前記バーナ本体とは別個に固定可能な固定部を有する第1設置部材とを設け、
前記器体に固定された前記取付座に対し、各前記設置部に夫々前記電極及び前記熱電対が設置された前記第1設置部材と、前記バーナ本体とを、前記第1設置部材の前記固定部同士を結ぶ直線に直交する平面方向で見ると前記固定部間に前記バーナ本体が収納されるように夫々別個に固定して、前記電極及び前記熱電対を前記所定位置に位置させることを特徴とするこんろ。
【請求項2】
前記バーナ本体を前記取付座へ固定するためのU字状に湾曲形成された第2設置部材を有し、前記第2設置部材の前記取付座への固定部を前記第1設置部材の固定部と上下方向で重合させた状態で共に前記取付座へ固定したことを特徴とする請求項1に記載のこんろ。
【請求項3】
前記第1設置部材に第1係合爪を、前記第2設置部材に第2係合爪を夫々設けるとともに、前記取付座に前記第1係合爪が係合可能な第1係合孔、及び前記第2係合爪が係合可能な第2係合孔を設けており、
前記第1係合爪を前記第1係合孔へ、前記第2係合爪を前記第2係合孔へ夫々係合させた状態において、両設置部材の固定部を前記取付座へ固定したことを特徴とする請求項2に記載のこんろ。
【請求項4】
前記第2係合爪を前記第2設置部材の固定部に設ける一方、前記第1設置部材の固定部に前記第2係合爪が貫通可能な貫通孔を設けており、固定部同士を重合させた際、前記第2係合爪が前記貫通孔を介して前記取付座の前記第2係合孔へ係合することを特徴とする請求項3に記載のこんろ。
【請求項5】
前記取付座に、前記バーナ本体を載置可能な載置部を設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のこんろ。
【請求項6】
前記取付座に、前記バーナヘッドの上方に五徳を介して載置される調理容器の温度を検知するためのセンサを取り付けるセンサ取付部を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のこんろ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−32097(P2012−32097A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172880(P2010−172880)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000112015)株式会社パロマ (298)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000112015)株式会社パロマ (298)
【Fターム(参考)】
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