説明

さく孔機のマストスタビライザ装置

【課題】スタビライザクランプシリンダからの圧油のリークによるクランプ不良を防止することのできるさく孔機のマストスタビライザ装置を提供する。
【解決手段】マストリフトシリンダ7の伸長動作により起立するマストの下部に設けられたスタビライザと、このスタビライザをクランプするスタビライザクランプとを備えたさく孔機のマストスタビライザ装置において、スタビライザがスタビライザクランプによりクランプされているときにスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室13aに流体圧を供給する圧油供給手段(圧油供給管41)を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、岩盤に孔をさく孔するときに用いられるさく孔機のマストスタビライザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大口径さく孔機として知られているダウンザホールドリルは、岩盤に大口径の孔を大深部までさく孔するために、長大なマストを備えている。このマストはダウンザホールドリルの走行台車上に設けられたブームの先端部にマストリフトシリンダの伸長動作によって
起伏可能に枢支されている。
このようなダウンザホールドリルには、起立したマストの重量を支える共にさく孔時に発生する振動に対してマストを安定に保持するために、マストスタビライザ装置が設けられている。このマストスタビライザ装置はマストの下部に設けられた円弧状のスタビライザと、スタビライザをクランプするスタビライザクランプとからなり、スタビライザクランプは、図8に示すように、走行台車に固定された固定側クランプ部材11と、固定側クランプ部材11に対して開閉自在に設けられた可動側クランプ部材12と、可動側クランプ部材12を開閉方向に進退駆動するスタビライザクランプシリンダ13とで構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来のさく孔機の油圧回路の一例を図9示す。同図に示される油圧回路は油圧ポンプ14,16を有しており、これらの油圧ポンプ14,16のうち油圧ポンプ14から吐出された圧油はダストを収集するダストコレクタ2の油圧モータ2aに圧油供給管15を介して供給され、油圧ポンプ16から吐出された圧油はマストリフトシリンダ7の作動方向を制御するコントロールバルブとしての方向切換弁18とスタビライザクランプシリンダ13の作動方向を制御するコントロールバルブとしての方向切換弁19とに圧油供給管17を介して供給されるようになっている。
【0004】
方向切換弁18は三つの切換ポジションを有しており、この方向切換弁18の切換ポジションを図中上側の切換ポジションに切り換えると、油圧ポンプ16から方向切換弁18に供給された圧油は圧油給排管20、シーケンス弁21、チェック弁付き絞り弁22、パイロットチェック弁23を介してマストリフトシリンダ7の伸長側油室7aに供給されるとともに、圧油給排管20から分岐した枝管24、チェック弁25、圧油給排管39を介してスタビライザクランプシリンダ13のアンクランプ側油室(開側油室)13bに供給されるようになっている。
【0005】
また、方向切換弁18の切換ポジションを図中下側の切換ポジションに切り換えると、油圧ポンプ16から方向切換弁18に供給された圧油は圧油給排管26、シーケンス弁27、パイロットチェック弁28を介してマストリフトシリンダ7の縮小側油室7bに供給されるとともに、圧油給排管26から分岐した枝管29、チェック弁30、圧油給排管39を介してスタビライザクランプシリンダ13のアンクランプ側油室(開側油室)13bに供給されるようになっている。
【0006】
方向切換弁19は三つの切換ポジションを有しており、この方向切換弁19の切換ポジションを図中上側の切換ポジションに切り換えると、油圧ポンプ16から方向切換弁19に供給された圧油は圧油給排管33、パイロットチェック弁34、圧油給排管35、アキュムレータ36を介してスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室(閉側油室)13aに供給されるようになっている。
また、方向切換弁19の切換ポジションを図中下側の切換ポジションに切り換えると、油圧ポンプ16から方向切換弁19に供給された圧油は圧油給排管37、パイロットチェック弁38、圧油給排管39を介してスタビライザクランプシリンダ13のアンクランプ側油室(開側油室)13bに供給されるようになっている。
【0007】
なお、マスト5の起立時にマストリフトシリンダ7の縮小側油室7bから排出された圧油はパイロットチェック弁28、シーケンス弁27、圧油給排管26、方向切換弁18、圧油排出管31を介して作動油タンク32に排出される。また、マスト5の倒伏時にマストリフトシリンダ7の伸長側油室7aから排出された圧油はパイロットチェック弁23、チェック弁付き絞り弁22、シーケンス弁21、圧油給排管20、方向切換弁18、圧油排出管31を介して作動油タンク32に排出される。
【特許文献1】特開2007−239195号公報(段落0014、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このようなさく孔機は、さく孔時に発生する振動によってスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室13aから圧油がリークしてスタビライザクランプのクランプ力が緩むおそれがあるため、チェック弁34とアキュムレータ36とからなるリーク防止回路を油圧回路に設けてスタビライザクランプのクランプ力が緩むのを防止するようにしている。しかしながら、さく孔対象である岩盤の状態によってはスタビライザクランプシリンダ13からの圧油のリークを防ぐには不十分な場合があり、マストの保持が不安定になるおそれがあった。
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、スタビライザクランプシリンダからの圧油のリークによるクランプ不良を防止することのできるさく孔機のマストスタビライザ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、走行台車と、前記走行台車上に起伏可能に設けられたマストと、前記マストを起立せしめるマストリフトシリンダとを備えたさく孔機に搭載され、前記マストの下部に設けられたスタビライザと、前記走行台車に設けられたスタビライザクランプと、前記スタビライザクランプを介して前記スタビライザをクランプするスタビライザクランプシリンダとを有してなるさく孔機のマストスタビライザ装置において、前記スタビライザが前記スタビライザクランプによりクランプされているときに前記スタビライザクランプシリンダのクランプ側油室に流体圧を供給する流体圧供給手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のさく孔機のマストスタビライザ装置であって、前記流体圧供給手段がさく孔時に高圧となる回路と連通していることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のさく孔機のマストスタビライザ装置であって、前記さく孔時に高圧となる回路がダストを収集するダストコレクタに流体圧を供給してダストコレクタを作動させるダストコレクタ作動回路であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載のさく孔機のマストスタビライザ装置であって、前記ダストコレクタ作動回路が前記マストリフトシリンダおよび前記スタビライザクランプシリンダの作動方向を制御するブームコントロールバルブ群のキャリーオーバー回路を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、スタビライザがスタビライザクランプによりクランプされているときには、スタビライザクランプシリンダのクランプ側油室に圧油等の流体圧が流体圧供給手段から供給される。したがって、さく孔時にスタビライザクランプシリンダのクランプ側油室から圧油がリークし難くなり、スタビライザクランプシリンダからの圧油のリークによるクランプ不良を防止することができる。
【0012】
請求項2及び3記載の発明によれば、さく孔時に高圧となる回路の流体圧を利用してスタビライザクランプシリンダのクランプ側油室からの圧油のリークを抑制できるので、新たな圧油の供給源を設ける必要がない。
また、流体圧供給手段がさく孔時に高圧となる回路と連通していることにより、振動が発生するのはさく孔時であり、必要なときのみ圧油を供給するので、油圧回路の効率悪化を最小限に抑えることができる。
【0013】
さらに、ダストコレクタはさく孔時に必ず作動する機器であり、打撃、回転、送りというような直接的なさく孔回路から圧油を分岐すると、さく孔が不安定になる可能性があるが、さく孔時に高圧となる回路がダストコレクタ作動回路であれば、その影響は極めて少なくて済む。
請求項4記載の発明によれば、流体圧供給手段からスタビライザクランプシリンダのクランプ側油室に圧油が供給されているときに誤ってブーム(マスト)を作動させると、流体圧供給手段からスタビライザクランプシリンダへの圧油の供給が遮断されるため、クランプ中に誤ってマストを作動させてスタビライザクランプシリンダが破損することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の第1の実施形態に係るさく孔機の側面図を図1に示す。同図に示されるさく孔機は走行台車1を備えており、この走行台車1上には、ダストを収集するダストコレクタ2が設けられているとともに、先端部にマスト装置4を有するブーム3が旋回かつ起伏可能に設けられている。
マスト装置4はブーム3の先端部に回動自在に枢支されたマスト5を有しており、このマスト5には、先端にダウンザホールドリル(図示略)を装着したロッド(図示略)と、ロッドの後端に設けられてロッドを回転駆動するロータリヘッド6が前後方向に移動可能に搭載されている。また、マスト装置4はマスト5を起立せしめるマストリフトシリンダ7を有しており、マスト5の下部には、マストリフトシリンダ7の伸長動作により起立したマスト5を安定に保持するために、円弧状のスタビライザ9が先端部を走行台車側に突出させて設けられている。
【0015】
スタビライザ9は走行台車1に設けられたスタビライザクランプ10と共にマストスタビライザ装置8を構成しており、スタビライザクランプ10は、図8に示すように、走行台車1に固定された固定側クランプ部材11と、固定側クランプ部材11に対して開閉自在に設けられた可動側クランプ部材12と、可動側クランプ部材12を開閉方向に進退駆動するスタビライザクランプシリンダ13とで構成されている。
【0016】
図1に示したさく孔機の油圧回路を図2に示す。同図に示される油圧回路は油圧ポンプ16を有しており、この油圧ポンプ16から吐出された圧油はマストリフトシリンダ7の作動方向を制御するコントロールバルブとしての方向切換弁18とスタビライザクランプシリンダ13の作動方向を制御するコントロールバルブとしての方向切換弁19とに圧油供給管17を介して供給されるようになっている。
【0017】
方向切換弁18は三つの切換ポジションを有しており、この方向切換弁18の切換ポジションを図中上側の切換ポジションに切り換えると、油圧ポンプ16から方向切換弁18に供給された圧油は、図3に示すように、圧油給排管20、シーケンス弁21、チェック弁付き絞り弁22、パイロットチェック弁23を介してマストリフトシリンダ7の伸長側油室7aに供給されるが、マストリフトシリンダ7の伸長側油室7aに供給される前にシーケンス弁21の作用によって、圧油給排管20から分岐した枝管24、チェック弁25、圧油給排管39を介してスタビライザクランプシリンダ13のアンクランプ側油室(開側油室)13bに供給される。そして、スタビライザクランプシリンダ13がストロークエンドに達して圧油給排管20および枝管24内の油圧が所定圧力に達すると、マストリフトシリンダ7の伸長側油室7aに圧油が圧油給排管20、シーケンス弁21、チェック弁付き絞り弁22、パイロットチェック弁23を介して供給される。これは、マストリフトシリンダ7の伸長動作時(マスト5の起立時)にスタビライザ9がスタビライザクランプ10によりクランプされているとマストスタビライザ装置8が破損してしまうため、これを防ぐために、マストリフトシリンダ7の伸長側油室7aよりも先に圧油がスタビライザクランプシリンダ13のアンクランプ側油室13bに供給されるようになっている。
【0018】
また、方向切換弁18の切換ポジションを図中下側の切換ポジションに切り換えると、油圧ポンプ16から方向切換弁18に供給された圧油は圧油給排管26、シーケンス弁27、パイロットチェック弁28を介してマストリフトシリンダ7の縮小側油室7bに供給されるが、マストリフトシリンダ7の縮小側油室7bに供給される前にシーケンス弁27の作用によって、圧油給排管26から分岐した枝管29、チェック弁30、圧油給排管39を介してスタビライザクランプシリンダ13のアンクランプ側油室(開側油室)13bに供給される。そして、スタビライザクランプシリンダ13がストロークエンドに達して圧油給排管26および枝管29内の油圧が所定圧力に達すると、マストリフトシリンダ7の縮小側油室7bに圧油が圧油給排管26、シーケンス弁27、パイロットチェック弁28を介して供給される。これは、マストリフトシリンダ7の縮小動作時(マスト5の倒伏時)にスタビライザ9がスタビライザクランプ10によりクランプされているとマストスタビライザ装置8が破損してしまうため、これを防ぐために、マストリフトシリンダ7の縮小側油室7bよりも先に圧油がスタビライザクランプシリンダ13のアンクランプ側油室13bに供給されるようになっている。
【0019】
なお、マスト5の起立時にマストリフトシリンダ7の縮小側油室7bから排出された圧油はパイロットチェック弁28、シーケンス弁27、圧油給排管26、方向切換弁18、圧油排出管31を介して作動油タンク32に排出される。また、マスト5の倒伏時にマストリフトシリンダ7の伸長側油室7aから排出された圧油はパイロットチェック弁23、チェック弁付き絞り弁22、シーケンス弁21、圧油給排管20、方向切換弁18、圧油排出管31を介して作動油タンク32に排出される。
【0020】
方向切換弁19は三つの切換ポジションを有しており、この方向切換弁19の切換ポジションを図中上側の切換ポジションに切り換えると、図5に示すように、油圧ポンプ16から方向切換弁19に供給された圧油は圧油給排管33、パイロットチェック弁34、圧油給排管35を介してアキュムレータ36とスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室(閉側油室)13aに供給されるようになっている。
【0021】
また、方向切換弁19の切換ポジションを図中下側の切換ポジションに切り換えると、油圧ポンプ16から方向切換弁19に供給された圧油は圧油給排管37、パイロットチェック弁38、圧油給排管39を介してスタビライザクランプシリンダ13のアンクランプ側油室(開側油室)13bに供給されるようになっている。
図2に示す油圧回路はダストコレクタ2の油圧モータ2aに圧油を供給する圧油供給管40を有しており、マストリフトシリンダ7およびスタビライザクランプシリンダ13が作動していないとき(方向切換弁18,19の切換ポジションが図中中央の切換ポジションにあるとき)には、油圧ポンプ16から吐出された圧油は圧油供給管17、方向切換弁19、方向切換弁18、圧油供給管40を介してダストコレクタ2の油圧モータ2aに供給されるようになっている。
【0022】
また、図2に示す油圧回路は圧油供給管40と連通する圧油供給管(流体圧供給手段)41を有しており、この圧油供給管41に流入した圧油はチェック弁42、圧油給排管35を介してスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室(閉側油室)13aに供給されるようになっている。
さらに、図2に示す油圧回路はリリーフ弁43を有しており、ブームコントロールバルブ群18,19の二次側圧力がリリーフ弁43の設定圧力に達すると、油圧ポンプ16から吐出された圧油はリリーフ弁43、圧油排出管31を介して作動油タンク32に排出されるようになっている。
【0023】
ブームコントロールバルブ群18,19はキャリーオーバー回路を構成しており、スタビライザクランプシリンダ13の作動方向を制御するブームコントロールバルブ19はマストリフトシリンダ7の作動方向を制御するブームコントロールバルブ18の上流側に配設されている。
図1及び図2に示したさく孔機では、スタビライザ9がスタビライザクランプ10によりクランプされているとき(方向切換弁18,19の切換ポジションが図中中央の切換ポジションにあるとき)には、図6に示すように、油圧ポンプ16から吐出された圧油が圧油供給管17、方向切換弁19、方向切換弁18、圧油供給管40を介してダストコレクタ2の油圧モータ2aに供給されるとともに、圧油供給管40と連通する圧油供給管41、チェック弁42、圧油給排管35を介してスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室13aに供給される。したがって、さく孔時にスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室13aから圧油がリークし難くなり、スタビライザクランプシリンダ13からの圧油のリークによるクランプ不良を防止することができる。
【0024】
また、油圧ポンプ16からダストコレクタ2の油圧モータ2aに供給される圧油の一部を利用してスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室13aからの圧油のリークを抑制できるため、新たな圧油の発生源を設けることなくスタビライザクランプシリンダ13からの圧油のリークによるクランプ不良を防止することができる。
また、振動が発生するのはさく孔時であり、スタビライザ9がクランプされているときのみ圧油が圧油供給管41からスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室13aに供給されるため、油圧回路の効率悪化を最小限に抑えることができる。
【0025】
さらに、ダストコレクタ2はさく孔時に必ず作動する機器であり、打撃、回転、送りというような直接的なさく孔回路から圧油を分岐すると、さく孔が不安定になる可能性があるが、本実施形態では、ダストコレクタ2に供給される圧油の一部が圧油供給管41からスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室13aに供給されるため、その影響は極めて少なくて済む。
【0026】
さらに、ブームコントロールバルブ群18,19の二次側圧力がリリーフ弁43の設定圧力に達すると、油圧ポンプ16から吐出された圧油はリリーフ弁43、圧油排出管31を介して作動油タンク32に排出されるため、油圧回路の破損を防止することができる。
また、本実施形態では、スタビライザクランプシリンダ13の作動方向を制御するコントロールバルブ(方向切換弁)19がマストリフトシリンダ7の作動方向を制御するコントロールバルブ(方向切換弁)18の上流側に配置され、コントロールバルブ18と共にキャリーオーバー回路を構成している。このため、圧油供給管41からスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室13aに圧油が供給されているときに誤ってコントロールバルブ18を操作すると、圧油供給管41からスタビライザクランプシリンダ13への圧油の供給が遮断されるため、コントロールバルブ18の誤操作によるマストスタビライザ装置8の破損を防止することができる。
【0027】
図1〜図6に示した本発明の第1の実施形態では、スタビライザ9がスタビライザクランプ10によりクランプされているときにスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室13aに流体圧を供給する手段として、圧油供給管40と連通する圧油供給管41を示したが、これに限定されるものではない。たとえば、図7に示す第2の実施形態のように、スタビライザ9がスタビライザクランプ10によりクランプされているときにスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室13aに流体圧を供給する手段として、ガス圧、液圧等によって駆動されて流体圧を発生する流体圧発生源51と、この流体圧発生源51に流体圧供給管52を介して接続された方向切換弁(電磁切換弁)53と、この方向切換弁53に供給された流体圧をスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室13aにチェック弁55を介して供給する流体圧供給管54とからなる流体圧供給回路50を用い、方向切換弁53をマストリフトシリンダ作動時にOFF、さく孔時にONにしてスタビライザクランプシリンダ13のクランプ側油室13aに流体圧を供給するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るさく孔機の側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るさく孔機の油圧回路を示す図である。
【図3】マストリフトシリンダの作動方向を制御する方向切換弁に供給された圧油の流れを示す図である。
【図4】マストリフトシリンダの作動方向を制御する方向切換弁に供給された圧油の別の流れを示す図である。
【図5】スタビライザクランプシリンダの作動方向を制御する方向切換弁に供給された圧油の流れを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るさく孔機の作用を説明するための図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るさく孔機の油圧回路を示す図である。
【図8】スタビライザクランプの構成を示す平面図である。
【図9】従来のさく孔機の油圧回路を示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1 走行台車
2 ダストコレクタ
3 ブーム
4 マスト装置
5 マスト
6 ロータリヘッド
7 マストリフトシリンダ
7a 伸長側油室
7b 縮小側油室
8 マストスタビライザ装置
9 スタビライザ
10 スタビライザクランプ
11 固定側クランプ部材
12 可動側クランプ部材
13 スタビライザクランプシリンダ
13a クランプ側油室
13b アンクランプ側油室
14 油圧ポンプ
15 圧油供給管
16 油圧ポンプ
17 圧油供給管
18,19 方向切換弁
20 圧油給排管
21 シーケンス弁
22 チェック弁付き絞り弁
23 パイロットチェック弁
24 枝管
25 チェック弁
26 圧油給排管
27 シーケンス弁
28 パイロットチェック弁
29 枝管
30 チェック弁
31 圧油排出管
32 作動油タンク
33 圧油給排管
34 パイロットチェック弁
35 圧油給排管
36 アキュムレータ
37 圧油給排管
38 パイロットチェック弁
39 圧油給排管
40 圧油供給管
41 圧油供給管
42 チェック弁
43 リリーフ弁
50 流体圧供給回路
51 流体圧発生源
52 流体圧供給管
53 方向切換弁
54 流体圧供給管
55 チェック弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行台車と、前記走行台車上に起伏可能に設けられたマストと、前記マストを起立せしめるマストリフトシリンダとを備えたさく孔機に搭載され、前記マストの下部に設けられたスタビライザと、前記走行台車に設けられたスタビライザクランプと、前記スタビライザクランプを介して前記スタビライザをクランプするスタビライザクランプシリンダとを有してなるさく孔機のマストスタビライザ装置において、前記スタビライザが前記スタビライザクランプによりクランプされているときに前記スタビライザクランプシリンダのクランプ側油室に流体圧を供給する流体圧供給手段を設けたことを特徴とするさく孔機のマストスタビライザ装置。
【請求項2】
請求項1記載のさく孔機のマストスタビライザ装置であって、前記流体圧供給手段がさく孔時に高圧となる回路と連通していることを特徴とするさく孔機のマストスタビライザ装置。
【請求項3】
請求項2記載のさく孔機のマストスタビライザ装置であって、前記さく孔時に高圧となる回路がダストを収集するダストコレクタに流体圧を供給してダストコレクタを作動させるダストコレクタ作動回路であることを特徴とするさく孔機のマストスタビライザ装置。
【請求項4】
請求項3記載のさく孔機のマストスタビライザ装置であって、前記ダストコレクタ作動回路が前記マストリフトシリンダおよび前記スタビライザクランプシリンダの作動方向を制御するブームコントロールバルブ群のキャリーオーバー回路を有することを特徴とするさく孔機のマストスタビライザ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−275357(P2009−275357A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124890(P2008−124890)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(594149398)古河ロックドリル株式会社 (50)
【Fターム(参考)】