説明

すごろく作成装置

【課題】オリジナル性の高いすごろくを比較的容易に作成する。
【解決手段】写真と写真に関連のあるイベントとを複数受け付け(S100〜S160)、受け付けた写真の数に応じて升目の数が異なるすごろく盤を設定し(S170〜S200)、写真の撮影日付が古い順にスタートからゴールに向かって並ぶように受け付けた写真をすごろく盤の升目にレイアウトすると共に(S240)、写真をレイアウトした升目の次の升目に写真に関連のあるイベントをレイアウトし(S250)、写真とイベントとをレイアウトしたすごろく盤を印刷する(S260)。この結果、オリジナル性の高いすごろくを比較的容易に作成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、すごろく盤の升目に写真とイベントとをレイアウトするすごろく作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、スタートからゴールに至る升目を配置し、サイコロを振って出た目の数だけ駒を進めてゴールを目指すすごろくが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。こうしたすごろくは、通常、使用する年齢層などを想定して、想定したユーザーが楽しむことができるよう、背景の写真やイベントが考えられるのが通常である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−64689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうした既製品のすごろくでは、ユーザーによってはストーリーに感情移入できない場合があるため、ユーザー毎のオリジナルなすごろくを比較的容易により作成できるようにすることが望ましい。
【0005】
本発明のすごろく作成装置は、オリジナル性の高いすごろくを比較的容易に作成することを主目的とする。
【0006】
本発明のすごろく作成装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のすごろく作成装置は、
すごろく盤の升目に写真とイベントとをレイアウトするすごろく作成装置であって、
複数枚の写真を受け付ける写真受付手段と、
前記受け付けられた写真に対応するイベントを受け付けるイベント受付手段と、
前記受け付けられた複数枚の写真の撮影日付を取得し、前記受け付けられた複数枚の写真がスタートからゴールに向かって撮影日付の古い順に並ぶと共に前記受け付けられたイベントが対応する写真と隣接して並ぶようレイアウトするレイアウト手段と、
前記受け付けられた写真とイベントとがレイアウトされたすごろく盤を出力する出力手段と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明のすごろく作成装置では、複数枚の写真を受け付け、受け付けられた写真に対応するイベントを受け付け、受け付けられた複数枚の写真の撮影日付を取得し受け付けられた複数枚の写真がスタートからゴールに向かって撮影日付の古い順に並ぶと共に受け付けられたイベントが対応する写真と隣接して並ぶようレイアウトし、写真とイベントとがレイアウトされたすごろく盤を出力する。この結果、ユーザー毎のオリジナルなすごろくを比較的容易に作成することができる。ここで、前記出力手段は、前記写真とイベントとがレイアウトされたすごろく盤を印刷する手段であるものとすることもできる。
【0009】
こうした本発明のすごろく作成装置において、前記受け付けられた写真の枚数が多いほど多くの升目を配置してすごろく盤を生成するすごろく盤生成手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、受け付けた写真の数に拘わらず、バランスのとれたすごろくを作成することができる。この場合、升目の数が異なる複数パターンのすごろく盤を記憶する記憶手段を備え、前記受け付けられた写真の枚数に応じたパターンのすごろく盤を前記記憶手段から取得し、該取得したすごろく盤の升目に前記受け付けられた写真とイベントとをレイアウトする手段であるものとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態のマルチファンクションプリンター20の概略構成図。
【図2】すごろく作成処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【図3】写真選択画面50の一例を示す説明図。
【図4】イベント入力画面52の一例を示す説明図。
【図5】すごろく盤の一例を示す説明図。
【図6】写真とイベントとがレイアウトされたすごろく盤の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるマルチファンクションプリンター20の構成の概略を示す構成図である。本実施形態のマルチファンクションプリンター20は、着色剤としてインクを記録紙Sに吐出することにより印刷を行なうプリンターユニット30と、原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データを生成するスキャナーユニット35と、メモリーカードスロット28aに挿入されたメモリーカードMCとの間でデータの入出力を司るメモリーカードコントローラー28と、ユーザーによる各種操作が可能な操作パネル40と、装置全体の制御を司るメインコントローラー21とを備え、これらはバス26を介して電気的に接続されている。
【0012】
プリンターユニット30は、プリンターASIC32とプリンターエンジン34とを備える。プリンターASIC32は、プリンターエンジン34を制御する集積回路であり、メインコントローラー21から印刷指令を受けると、印刷指令の対象となる画像ファイルに基づいて記録紙Sに画像を印刷するようプリンターエンジン34を制御する。プリンターエンジン34は、印刷ヘッドから用紙へインクを吐出することにより印刷を行なう周知のインクジェット方式のカラープリンター機構として構成されている。なお、ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略である。
【0013】
スキャナーユニット35は、スキャナーASIC36とスキャナーエンジン38とを備える。スキャナーASIC36は、スキャナーエンジン38を制御する集積回路であり、メインコントローラー21からのスキャン指令を受けると、原稿台に載置された原稿を画像データとして読み取るようスキャナーエンジン38を制御する。また、スキャナーエンジン38は、周知のイメージスキャナーとして構成され、原稿に向かって発光したあとの反射光をレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の各色に分解してスキャンデータとする周知のカラーイメージセンサーを備える。
【0014】
メモリカードコントローラ28は、操作パネル40の横に配置されたメモリカードスロット28aに挿入されたメモリカードMCとの間でデータの入出力を行うものである。このメモリカードコントローラ28は、メモリカードスロット28aにメモリカードMCが挿入されているときに、メモリカードMCに保存されているファイルを読み出してメインコントローラ21に送信したりメインコントローラ21からの命令を入力し該命令に基づいてメモリカードMCにデータを書き込んだりする。
【0015】
操作パネル40は、表示部42とボタン類44とを備える。表示部42は、液晶ディスプレイであり、メニューの選択や設定を行なう各種操作画面などが表示される。また、ボタン類44は、電源をオンオフするための電源ボタン44aや印刷やコピーの開始を指示するスタートボタン44b,各種印刷設定やコピー設定を行なうための設定ボタン44c,各種モードを選択するモード選択ボタン44d,各種項目や設定を選択するための上下左右の矢印キー44e,選択した設定を有効にするためのOKボタン44f,ひとつ前の画面に戻る戻るボタン44gなどがあり、内部通信インタフェース25を介してメインコントローラ21にユーザの指示を入力できるようになっている。ここで、モード選択ボタン44eにより選択可能なモードとしては、原稿台に載置した原稿をスキャンしてコピーするコピーモードやメモリカードMCに記憶された画像を用いて印刷したり原稿をスキャンしてデータ化してメモリカードMCに保存するメモリカードモード,写真フィルムをスキャンして印刷したりデータをメモリカードMCに保存したりするフィルムモードなどがある。
【0016】
メインコントローラ21は、CPU22を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、各種処理プログラムや各種データ、各種テーブルなどを記憶したROM23と、一時的にスキャンデータや印刷データを記憶するRAM24と、操作パネル40との通信を可能とする内部通信インタフェース25とを備える。メインコントローラ21は、プリンタユニット30やスキャナユニット35,メモリカードコントローラ28からの各種動作信号や各種検出信号を入力したり、操作パネル40のボタン類44の操作に応じて発生する操作信号を入力したりする。また、メモリカードMCから画像ファイルを読み出してメインコントローラ21へ出力する指令をメモリカードコントローラ28に出力したり、画像データの印刷を実行するようプリンタユニット30に指令を出力したり、操作パネル40のボタン類44のスキャン指令に基づいて原稿台に載置された原稿を画像データとして読み取るようスキャナユニット35に指令を出力したり、操作パネル40に表示部42の制御指令を出力したりする。本実施形態では、Exif形式の画像ファイルをサポートしており、デジタルカメラにより写真(画像ファイル)に記録されたExif情報(撮影日時やサムネイル)を読み込んで処理に用いることができる。
【0017】
次に、こうして構成された本実施形態のマルチファンクションプリンタ20の動作、特に、メモリーカードMCに保存されている写真を升目にレイアウトしてすごろくを作成する際の動作について説明する。図2は、すごろく作成処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。この処理は、モード選択ボタン44dによりメモリーカードモードが選択され、メモリーカードモード時に設定ボタン44cにより各印刷設定のうち「すごろく作成」が選択されたときに実行される。
【0018】
すごろく作成処理ルーチンが実行されると、メインコントローラー21のCPU22は、まず、写真選択画面を表示してすごろくに用いる写真の選択を受け付ける(ステップS100)。写真選択画面50の一例を図3に示す。図示するように、写真選択画面50は、メモリーカードMCに保存されている写真のサムネイルが所定数ずつ表示されるようになっており、矢印キー44eの左右キーによりカーソル50aを希望する写真に合わせてOKボタン44fを押すことにより選択することができる。写真の選択を受け付けると(ステップS110)、続いて、イベント入力画面を表示してイベントの入力を受け付ける(ステップS120)。イベント入力画面52の一例を図4に示す。図示するように、イベント入力画面52は、「選択した写真に関連のあるイベントを入力してOKボタンを押して下さい。」などのメッセージを表示してイベントの入力を受け付ける。なお、イベントの入力は、マルチファンクションプリンター20にキーボードを接続できるようにしてキーボードを介して入力を受け付けたり、表示部42に仮想キーボードを表示して矢印キー44eなどによりカーソルを移動させて文字を選択することにより入力を受け付けたりすることができる。イベントの入力が受け付けられると(ステップS130)。選択された写真を入力されたイベントに対応付けてRAM24に一時的に保存すると共に(ステップS140)、本ルーチンの実行が開始された際に値0に初期化されている写真数Nを値1だけインクリメントし(ステップS150)、写真の追加を受け付ける(ステップS160)。写真の追加があるときにはステップS100に戻ってステップS100〜S150の写真の選択およびイベントの入力を受け付けて写真数Nを値1だけインクリメントする処理を繰り返し、写真の追加がないときには次の処理に進む。
【0019】
そして、写真数Nを調べ(ステップS170)、写真数Nが所定数N1未満のときには、升目の数が比較的少ない小サイズのすごろく盤Aを選択し(ステップS180)、写真数Nが所定数N1以上で且つ所定数N2未満のときには升目の数が標準の中サイズのすごろく盤Bを選択し(ステップS190)、写真数Nが所定数N2以上のときには升目の数が比較的多い大サイズのすごろく盤Cを選択する(ステップS200)。このように、写真数Nに応じて升目の数を変えるのは、写真数Nが多いほどイベントの数も多くなるため、イベントの発生率をバランスさせるためである。図5に、すごろく盤A〜Cの一例を示す。図示するように、本実施形態では、3つの異なるサイズのすろごく盤A,B,Cが用意されており、これらはROM23に保存されている。なお、用意するすごろく盤のサイズは3つに限られず、いくつであっても構わない。
【0020】
すごろく盤が選択されると、受け付けた写真のExif情報に含まれる撮影日付を読み込んで(ステップS210)、撮影日付が古い順に写真をソートし(ステップS220)、選択されたすごろく盤の升目数を写真数Nで割ることにより写真を均等な間隔でレイアウトするためのレイアウト間隔を設定し(ステップS230)、設定したレイアウト間隔をもって受け付けた複数枚の写真をレイアウトすると共に(ステップS240)、レイアウトした写真に対応付けられたイベントをレイアウトした写真の升目の次の升目にレイアウトし(ステップS250)、写真とイベントとをレイアウトしたすごろく盤の画像を印刷処理を実行して(ステップS260)、本ルーチンを終了する。なお、印刷処理では、用紙サイズの指定を受け付け、指定された用紙サイズと選択されたすごろく盤のサイズとに基づいてすごろく盤の画像が1枚の用紙に収まらない場合には、複数枚の用紙に分割して印刷が行なわれる。
【0021】
図6に、写真とイベントとがレイアウトされたすごろく盤の一例を示す。図2のすごろく作成処理ルーチンでは、受け付けた写真を撮影日付の古い順にスタートからゴールに向かって所定の間隔で並ぶようレイアウトすると共に入力されたイベントを対応する写真がレイアウトされた升目の次の升目にレイアウトするから、ユーザー自身が写真やイベントのレイアウトを指定する必要はなく、図示するような、これまでの思い出を振り返ることができるオリジナル性の高いすごろくを比較的容易に作成することができる。
【0022】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のすごろく作成処理ルーチンのステップS100,S110の処理を実行するメインコントローラー21が本発明の「写真受付手段」に相当し、ステップS120,S130の処理を実行するメインコントローラー21がイベント受付手段に相当し、ステップS210〜S250の処理を実行するメインコントローラー21がレイアウト手段に相当し、ステップS260の処理を実行するメインコントローラー21とプリンターユニット35とが出力手段に相当する。
【0023】
以上説明した実施例のマルチファンクションプリンター20によれば、写真と写真に関連のあるイベントとを複数受け付け、写真の撮影日付が古い順にスタートからゴールに向かって並ぶように受け付けた写真をすごろく盤の升目にレイアウトすると共に写真をレイアウトした升目の次の升目に写真に関連のあるイベントをレイアウトするから、オリジナル性の高いすごろくを比較的容易に作成することができる。しかも、受け付けた写真の数に応じて升目の数が異なるすごろく盤を用いるから、写真の数に拘わらずバランスのとれたすごろくを作成することができる。
【0024】
上述した実施形態では、受け付ける写真の数に応じて異なるすごろく盤を用いるものとしたが、受け付ける写真の数を制限することにより、升目の数が固定されたすごろく盤を用いるものとしてもかまわない。
【0025】
上述した実施形態では、受け付けた複数枚の写真をすごろく盤の升目に均等な間隔でレイアウトするものとしたが、これに限られず、ランダムな間隔でレイアウトするものとしても差し支えない。
【0026】
上述した実施形態では、本発明を、すごろくを作成して印刷するマルチファンクションプリンター20に適用するものとしたが、スキャナー機能を備えないプリンターに適用するものとしてもよい。また、プリンターに限られず、作成したすごろくを表示出力する表示装置に適用するものとしてもよい。
【0027】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0028】
20 マルチファンクションプリンター、21 メインコントローラー、22 CPU、23 ROM、24 RAM、25 内部通信インターフェース、26 バス、28 メモリーカードコントローラー、28a メモリーカードスロット、30 プリンターユニット、32 プリンターASIC、34 プリンターエンジン、35 スキャナーユニット、36 スキャナーASIC、38 スキャナーエンジン、40 操作パネル、42 操作部、44 ボタン類、44a 電源ボタン、44b スタートボタン、44c 設定ボタン、44d モード選択ボタン、44e 矢印キー、44f OKボタン、44g 戻るボタン、S 記録紙、MC メモリーカード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
すごろく盤の升目に写真とイベントとをレイアウトするすごろく作成装置であって、
複数枚の写真を受け付ける写真受付手段と、
前記受け付けられた写真に対応するイベントを受け付けるイベント受付手段と、
前記受け付けられた複数枚の写真の撮影日付を取得し、前記受け付けられた複数枚の写真がスタートからゴールに向かって撮影日付の古い順に並ぶと共に前記受け付けられたイベントが対応する写真と隣接して並ぶようレイアウトするレイアウト手段と、
前記受け付けられた写真とイベントとがレイアウトされたすごろく盤を出力する出力手段と、
を備えるすごろく作成装置。
【請求項2】
前記受け付けられた写真の枚数が多いほど多くの升目を配置してすごろく盤を生成するすごろく盤生成手段を備える請求項1記載のすごろく作成装置。
【請求項3】
請求項2記載のすごろく作成装置であって、
升目の数が異なる複数パターンのすごろく盤を記憶する記憶手段を備え、
前記受け付けられた写真の枚数に応じたパターンのすごろく盤を前記記憶手段から取得し、該取得したすごろく盤の升目に前記受け付けられた写真とイベントとをレイアウトする手段である
すごろく作成装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記写真とイベントとがレイアウトされたすごろく盤を印刷する手段である請求項1ないし3いずれか1項に記載のすごろく作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−141808(P2011−141808A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2896(P2010−2896)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】