すべり土塊及び抗土圧構造物の応答スペクトルによる滑動量推定方法
【課題】すべり土塊や構造物の振動特性と滑動特性を解析する。
【解決手段】質点とバネ、ダッシュポット、スライダーからなる一自由度振動系を数学モデルとして構築し、対象とする地震動の下での振動・滑動モデルの挙動を数値解析する。解析結果に基づく振動・滑動系の固有振動数−滑動余裕度−滑動量の関係から「地震滑動応答スペクトル」を得る。解析対象の振動特性を表現する為,パラメータとしてバネとダッシュポットの特性を規定する固有振動数と振動減衰を決定し、また、土体中のすべりや構造物の滑動を表現する為に滑動余裕度を決定する。土体や構造物に作用する水圧や土圧の振動成分は,慣性力との対比において付加質量の形で考慮する。これから,土塊や構造物の質量や固有振動数,及び滑動余裕度を適切に修正する。修正した固有振動数、滑動余裕度を元に地震滑動応答スペクトルから,対象とする振動・滑動系の所定の地震動における滑動量を推定する。
【解決手段】質点とバネ、ダッシュポット、スライダーからなる一自由度振動系を数学モデルとして構築し、対象とする地震動の下での振動・滑動モデルの挙動を数値解析する。解析結果に基づく振動・滑動系の固有振動数−滑動余裕度−滑動量の関係から「地震滑動応答スペクトル」を得る。解析対象の振動特性を表現する為,パラメータとしてバネとダッシュポットの特性を規定する固有振動数と振動減衰を決定し、また、土体中のすべりや構造物の滑動を表現する為に滑動余裕度を決定する。土体や構造物に作用する水圧や土圧の振動成分は,慣性力との対比において付加質量の形で考慮する。これから,土塊や構造物の質量や固有振動数,及び滑動余裕度を適切に修正する。修正した固有振動数、滑動余裕度を元に地震滑動応答スペクトルから,対象とする振動・滑動系の所定の地震動における滑動量を推定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地すべり土塊および、擁壁やケーソンに代表される抗土圧体の地震時滑動量を、当該抗土圧体の振動特性および摩擦メカニズム、慣性力、土圧、水圧などを考慮しつつ簡易に推定する方法を提供する。代表的な適用分野は、建設工学および地震工学における地盤や構造物の耐震設計である。
【背景技術】
【0002】
現在までの、地盤や構造物の耐震設計のほとんどは、地震時における衝撃力を適切に評価し、構造物の保有体力と比較することによって、構造物の破壊危険度を推定している。一方、地震時におけるすべり土塊や構造物の滑動量や変形量を知ることは、破壊危険度を知ることと同様あるいはそれ以上に重要な事項である。
【0003】
現在徐々に進められている盛土や抗土圧構造物の性能規定型設計においては,地震力による構造物の破壊のみならず変形の評価が構造物の被害程度および地震後における構造物の性能を評価する上で極めて重要で、今後の耐震設計の精度と実用性を左右するものである。
【0004】
これまでにいくつかの試みがなされてきたが、構造物のすべりメカニズムのモデル化、パラメータの設定方法、解析結果の精度などに問題を有していて、耐震設計には十分に取り入れられていないのが現状である。
【0005】
これまでにもっとも広く研究等で用いられている方法のひとつはNewmark (1965)が提案した方法である。(非特許文献1)この方法では、構造物や土塊を剛体に置き換え、その慣性力を下に滑動量を算定している。しかし、構造物の固有振動数や減衰などの振動特性を考慮しておらず、地震動に対する応答を取り扱っていない。このため、得られる滑動量の値は、構造物の剛性に依らず一定になってしまうとともに、実際の滑動量に対して過小に評価する傾向が強い。
【0006】
建築物の地震時における降伏や破壊を精度よく予測することを目的として、Newmark and Hall (1974)に代表される多くの研究者が、柱や壁といった構造材料の塑性変形の程度をパラメータとして、塑性応答スペクトルの概念を提案している。(非特許文献2)当該の解析手法においては、本発明との類似の部分があるが、滑動の推進力となる水平力が考慮されておらず、地震時における滑動量を予測するために適用することはできない。
【0007】
澤田ら(1998)は上記の塑性応答スペクトルに改良を加えて、盛土などの地震時における一方向への変形量を解析する方法を提案している。(非特許文献3)この方法は、構造物を連続体と考え、その降伏特性を考慮することにより構造物全体の変形量を解析しようとしている。このため、すべり面の存在やすべり面上の滑動メカニズムを考慮できず、本発明で対象としているような明瞭なすべり面を有する土塊のすべりや、構造物の滑動そのものをモデル化することはできない。また、地震時においてすべり土塊や構造物に作用する動水圧や地震時土圧を取り入れていない。
【0008】
【非特許文献1】Newmark, N. M.: ‘The 5th Rankine Lecture:Effects of Earthquakes on Dams and Embankments,’ Geotechnique, Vol.5, No.2,1965.
【非特許文献2】Newmark, N. M. and Hall, W.J.: ‘A rational Approach to seismic design standards for structures,’ Proc. of5th EWCEE, Vol.2, pp.2266-2277, 1974.
【非特許文献3】澤田純男,土岐憲三,村川史朗: ‘片側必要強度スペクトルによる盛土構造物の耐震設計法,’ 地震工学シンポジウム論文集, Vol.10,pp.3033-3038, 1998.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記のように地震時における土塊や構造物の滑動や変形を算定することを目的とした取り組みがいくつかある。しかし、これらの手法には、以下の問題点がある。
【0010】
(1)Newmarkに代表される剛体の滑動をモデル化する方法では、滑動する土塊や抗土圧体などの振動特性が全く考慮されないため、地震応答が排除され、滑動量が過小評価されるなどの実際の設計等で利用するには深刻な問題がある。
【0011】
(2)建築構造物における部材の塑性化に着目した地震時の応答解析では同様な解析手法を用いるが、滑動の推進力となる水平力がモデルにおいて考慮されないために、滑動量の推定には適用できない。
【0012】
(3)上記の解析手法を修正した澤田らが提案している方法(非特許文献3)では、盛土体の連続体としての塑性変形に基づいているため、明瞭なすべり面を伴う滑動や構造物と地盤の境界における滑動などには適用できない。また、地震時に作用する外力(地震時動水圧や地震時土圧)を考慮できない。
【0013】
(4)有限要素法などのより複雑なシミュレーション法を駆使して地震時における構造物の変形や滑動を事前または事後において評価しようとする試みも多く見られるが、その場合でも動的物性や解析条件の設定は複雑でかつ確定的ではないために,その計算結果の精度や信頼性が耐震設計における要求を満たせないのが現状である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明における方法は先に示した問題を解決し、地震時における滑動量を精度よく推定するために有効な手法を提供するものである。問題を解決するための手段は以下のようである。なお,図1に、以下の手段をフロー図で示す。
【0015】
(1)すべり土塊や構造物の振動特性と滑動特性を解析することが可能な,質点とバネ、ダッシュポット、スライダーからなる一自由度振動系を数学モデルとして構築する。(図2)
【0016】
(2)構築したモデルにおける固有振動数,振動減衰,滑動余裕度をパラメータとして,対象とする地震動の下での振動・滑動モデルの挙動を数値解析によって計算する。その結果に基づいて,振動・滑動系の固有振動数−滑動余裕度−滑動量の関係を得る。
【0017】
(3)得られた振動・滑動系の固有振動数−滑動余裕度−滑動量の関係を固有振動に対してグラフの形式で整理し,「地震滑動応答スペクトル」を得る。(図5)
【0018】
(4)解析対象の振動特性を表現するために,パラメータとしてバネとダッシュポットの特性を規定する固有振動数と振動減衰を決定する。また,土体中のすべりや構造物の滑動を表現するために,スライダーの滑動特性を規定する滑動余裕度を決定する。(図6)
【0019】
(5)土体や構造物に作用する水圧や土圧の振動成分は,慣性力との対比において付加質量の形で考慮する。これにより,土塊や構造物の質量や固有振動数,および滑動余裕度を適切に修正する。(図6)
【0020】
(6)地震滑動応答スペクトルから,対象とする振動・滑動系の所定の地震動における滑動量を推定する。合わせて,土体や構造物の形状に関連する構造物の振動特性や滑動特性の変化に対する滑動量の感度および安定性の変化を検討する。
【発明の効果】
【0021】
本発明における方法は先に示した問題を解決し、地震時における滑動量を精度よく推定するために有効な手法を提供するものである。本発明で提供する振動・滑動モデルによって以下のような効果が期待できる。
【0022】
(1)提供する振動・滑動モデルは質点とバネ、ダッシュポット、スライダーからなる一自由度振動系であり、これまでは難しかったすべり土塊や構造物の固有振動数や振動減衰などの振動特性を明示的に考慮することができる。
【0023】
(2)複雑な振動系でも、第一義的に一自由度の振動系に置き換える方法は広い工学分野において採用されている方法であり、これまでに蓄積されてきた構造物などのモデル化におけるノウハウなどを直接受け継ぎ、発展させることができる。
【0024】
(3)モデル化において剛性を無限大とすると、それはNewmarkが提案している方法と等価である。したがって、本発明の方法は対象物の振動特性を適切に考慮しつつ、その極限においてNewmarkの手法を包含しているので,既往の研究成果との連続性を保持することができる。
【0025】
(4)すべり面の存在、その位置や形状を明示的に設定することによって、すべり面における作用力や摩擦抵抗などのすべりメカニズムを直接評価して算定法に取り入れることが可能である。
【0026】
(5)すべり面の傾斜による重力の摩擦成分、持続して作用する土圧や水圧を滑動の推進力として計算に取り入れることができる。
【0027】
(6)地震時において作用すると考えられる水圧や土圧の変動成分は慣性力との対比において、仮想的に土塊や構造物の質量や固有振動数を修正することにより合理的に計算に取り入れることが可能である。
【0028】
振動・滑動モデルを用いた滑動量算定の過程で得られる地震滑動応答スペクトルによって以下のような問題解決が可能である。
【0029】
(1)振動過程における滑動量の計算には時刻歴計算が必要であり、所定の計算量と時間が必要であるが、計算結果を応答スペクトルの形に取りまとめて図表を提供することによって、すべり土塊や構造物の滑動量の簡易な推定が可能になる。
【0030】
(2)滑動に影響を与える因子を考察して整理することによって、応答スペクトル(地震滑動応答スペクトル)は滑動余裕度と振動系の減衰をパラメータとしてコンパクトにまとめることができる。
【0031】
(3)これまでに提案されている方法は専ら地震時における衝撃力を算定する方法であるが、土塊や構造物の滑動に及ぼす地震動の影響の指標として地震滑動応答スペクトルを利用することによって、構造物の滑動の側面から地震動の影響度を客観的に評価することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
斜面などの土体や構造物の地震時安定性の評価や,耐震設計において以下のように実施する。
【0033】
(1)地震動による構造物への衝撃力を評価するために,通常,対象とする地震動に対してスペクトル解析を実施し,フーリエスペクトルや応答スペクトルが作成され,地震による被害調査の分析や耐震設計は第一段階としてこれらのスペクトルが用いられる。本発明による地震滑動応答スペクトルもこれらと同様に,あらゆる地震動に対して作成することできる。これにより,土体や構造物の滑動に強く関連する地震被害や耐震設計に対しては重要な情報を提供することが可能になる。
【0034】
(2)提案する土体や構造物をモデル化する手法に基づき,対象とする振動・滑動系の適切なモデル化を行い,これに基づいて,地震滑動応答スペクトルから,所定の地震動による振動・滑動系の滑動量を算定する。
【実施例】
【0035】
地震滑動応答スペクトルを用いた土体や構造物の滑動量を算定するための方法を,研究や耐震設計で広く用いられている2種類の地震動(El-CentroとHachinohe)を用いて具体的にかつ簡単に説明する。
【0036】
本発明の方法では,図2左に示すような,質点とバネ,ダッシュポット,スライダーで構成される一自由度振動系を用いている。
【0037】
質点にはすべり面の傾斜あるいは常時の土圧に相当する水平力Tが継続して作用し,質点はこの水平力を受けながら基盤振動ubに対して応答する(質点の相対変位をuとする)。
【0038】
スライダーはすべり面における摩擦抵抗力あるいは抗土圧構造物の底面摩擦抵抗に対応する抵抗力Rfを有しており,振動応答中に底面せん断力Fbが摩擦抵抗力Rfに達すると滑動する(スライダーの滑動量をusとする)。基盤振動中にはスライダーが水平力Tの方向に滑動して変位usが累積することになる。
【0039】
振動・滑動系においてバネを完全に剛とするとNewmark1)が堤体盛土の地震時変形の解析のために提案している剛体滑動モデルと等価なものが得られる。
【0040】
これを図2(b)に示している。Newmarkに代表されるように,基部に弾塑性モデルを採用して構造物の地震時応答における構造物の塑性変形の影響を考慮した,塑性率をパラメータとした塑性応答スペクトルの検討が建築物などの研究で行われているが,本発明で用いた振動・滑動モデルはこれらにおいて弾・完全塑性モデルを用いた場合と等価となる。ただし,本発明では一定の水平力を与えることにより,振動中に蓄積する滑動量に着目している。
【0041】
ここで,採用した2種類の地震動に対して,図3に地震動の単純なフーリエ解析で得られるフーリエスペクトルを示す。
【0042】
図4に、地震時における最大加速度を、振動系の固有振動数に対して示した地震応答スペクトルを示す。
【0043】
図3、図4は、地震被害の分析や耐震設計の初期の段階で広く用いられているものである。図3は,地震動の数学的な性質について、有用な情報を得ることができる。図4は、地震時に構造物が受ける最大の衝撃力について、有用な情報を得ることができる。しかし,構造物が受ける被害に対して重要な情報である滑動量については、なんら情報を得ることができない。
【0044】
一方,上で説明した振動・滑動モデルの地震時挙動は、適切な数値解析手法によって計算することが可能で,所定の条件で一連の計算を行うことによって,振動・滑動系の固有振動数−滑動余裕度−滑動量の三者の相互関係を得ることができる。
【0045】
特定の滑動余裕度において、滑動量を固有振動数に対してプロットしたものが、図5に示す地震滑動応答スペクトルである。
【0046】
スペクトルは,滑動特性(摩擦係数など)が等しくても、地震時における滑動量が,構造物の固有振動数に強く依存していることを端的に示している。
【0047】
また,対象とする土体や構造物の振動特性と滑動特性を適切に設定することによって,図から地震時滑動量を定量的に知ることが可能である。
【0048】
本発明における地震時滑動量は、地震時における地すべり滑動土体やケーソンなどの構造物に適用することが可能である。
【0049】
図6に、地すべり土体への適用例を示す。
【0050】
設定したすべり面の傾斜や摩擦特性によって荷重状態や滑動余裕度を決定することが可能であり、これによって地震滑動応答スペクトルを適用することが可能になる。
【0051】
一方、図7は重力式岸壁への適用例を示している。常時における前面の水圧と背後の土圧から、ケーソンの滑動余裕度を算定することが可能であり、また、地震動に慣性力とともに変動する水圧と土圧の成分に対しては、付加質量の考え方を導入することによって振動特性と滑動特性を修正し、地震滑動応答スペクトルを適用することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
地震動を振動・剛体モデルにより解析し、地震滑動スペクトルの形で地震動の特性を提示することによって、地震被害の直接的な影響要因である地震時滑動量を定量的に把握することが可能に成る。これにより、土体や構造物の振動特性を視野に入れた被害分析や耐震設計が可能になる。
【0053】
現在、構造物の設計は破壊現象に焦点を置いていたこれまでの設計法から、構造物の変形によって損なわれる性能の保証レベルに着目した性能規定方の設計法に移行しつつある。本発明は、このような社会的な状況からも社会的に利用価値が高いと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】「地震滑動応答スペクトル」を用いた土体や構造物の滑動量推定方法を示す。
【図2】振動・滑動系の地震時挙動を解析するための一自由度振動系モデルを示す。質点,バネ,ダッシュポット,スライダーから成り,振動・滑動系の振動特性と滑動特性を考慮できる。
【図3】研究や耐震設計で広く用いられている地震動のフーリエスペクトルを示す。ImperialValley Earthquake at El-Centro (N-S)
【図4】研究や耐震設計で広く用いられている地震動のフーリエスペクトルを示す。Tokachi-okiEarthquake at Hachinohe (N-S)
【図5】図3と同様に,研究や耐震設計で広く用いられている地震応答ペクトル示す。ImperialValley Earthquake at El-Centro (N-S)
【図6】図4と同様に,研究や耐震設計で広く用いられている地震応答ペクトル示す。Tokachi-okiEarthquake at Hachinohe (N-S)
【図7】図3、図5と同じ地震動に対して、地震動を解析して,作成した地震滑動応答スペクトルを示す。ImperialValley Earthquake at El-Centro N-(+) S-(-)
【図8】図3、図5と同じ地震動に対して、地震動を解析して,作成した地震滑動応答スペクトルを示す。ImperialValley Earthquake at El-Centro S-(+) N-(-)
【図9】図4、図6と同じ地震動に対して、地震動を解析して,作成した地震滑動応答スペクトルを示す。Tokachi-okiEarthquake at Hachinohe N-(+) S-(-)
【図10】図4、図6と同じ地震動に対して、地震動を解析して,作成した地震滑動応答スペクトルを示す。Tokachi-okiEarthquake at Hachinohe S-(+) N-(-)
【図11】地震時における土体の振動・滑動モデルを示す。適切なすべり面を設定することによって,すべり土体の振動特性と滑動特性を設定できる。
【図12】地震時における重力式岸壁の振動・滑動モデルを示す。ケーソンに作用する水圧と土圧を適切に評価することによって,ケーソンの振動特性と滑動特性を設定できる。
【符号の説明】
【0055】
m 質量
k バネ定数
h 減衰定数
ub, vb, ab 基盤の変位,速度,加速度
us, vs, as スライダーの相対変位,相対速度,相対加速度
u, v, a 質点の相対変位,相対速度,相対加速度
T 外力
Fi 慣性力
Rf 摩擦抵抗力
Fb 基盤せん断力
M 質量
Mg 重力
N 重力の斜面に垂直な成分
α すべり面の傾斜角
Pv 鉛直反力
Pe 土圧
Pw 水圧
ΔPe 土圧の変動成分
ΔPw 水圧の変動成分
【技術分野】
【0001】
本発明は、地すべり土塊および、擁壁やケーソンに代表される抗土圧体の地震時滑動量を、当該抗土圧体の振動特性および摩擦メカニズム、慣性力、土圧、水圧などを考慮しつつ簡易に推定する方法を提供する。代表的な適用分野は、建設工学および地震工学における地盤や構造物の耐震設計である。
【背景技術】
【0002】
現在までの、地盤や構造物の耐震設計のほとんどは、地震時における衝撃力を適切に評価し、構造物の保有体力と比較することによって、構造物の破壊危険度を推定している。一方、地震時におけるすべり土塊や構造物の滑動量や変形量を知ることは、破壊危険度を知ることと同様あるいはそれ以上に重要な事項である。
【0003】
現在徐々に進められている盛土や抗土圧構造物の性能規定型設計においては,地震力による構造物の破壊のみならず変形の評価が構造物の被害程度および地震後における構造物の性能を評価する上で極めて重要で、今後の耐震設計の精度と実用性を左右するものである。
【0004】
これまでにいくつかの試みがなされてきたが、構造物のすべりメカニズムのモデル化、パラメータの設定方法、解析結果の精度などに問題を有していて、耐震設計には十分に取り入れられていないのが現状である。
【0005】
これまでにもっとも広く研究等で用いられている方法のひとつはNewmark (1965)が提案した方法である。(非特許文献1)この方法では、構造物や土塊を剛体に置き換え、その慣性力を下に滑動量を算定している。しかし、構造物の固有振動数や減衰などの振動特性を考慮しておらず、地震動に対する応答を取り扱っていない。このため、得られる滑動量の値は、構造物の剛性に依らず一定になってしまうとともに、実際の滑動量に対して過小に評価する傾向が強い。
【0006】
建築物の地震時における降伏や破壊を精度よく予測することを目的として、Newmark and Hall (1974)に代表される多くの研究者が、柱や壁といった構造材料の塑性変形の程度をパラメータとして、塑性応答スペクトルの概念を提案している。(非特許文献2)当該の解析手法においては、本発明との類似の部分があるが、滑動の推進力となる水平力が考慮されておらず、地震時における滑動量を予測するために適用することはできない。
【0007】
澤田ら(1998)は上記の塑性応答スペクトルに改良を加えて、盛土などの地震時における一方向への変形量を解析する方法を提案している。(非特許文献3)この方法は、構造物を連続体と考え、その降伏特性を考慮することにより構造物全体の変形量を解析しようとしている。このため、すべり面の存在やすべり面上の滑動メカニズムを考慮できず、本発明で対象としているような明瞭なすべり面を有する土塊のすべりや、構造物の滑動そのものをモデル化することはできない。また、地震時においてすべり土塊や構造物に作用する動水圧や地震時土圧を取り入れていない。
【0008】
【非特許文献1】Newmark, N. M.: ‘The 5th Rankine Lecture:Effects of Earthquakes on Dams and Embankments,’ Geotechnique, Vol.5, No.2,1965.
【非特許文献2】Newmark, N. M. and Hall, W.J.: ‘A rational Approach to seismic design standards for structures,’ Proc. of5th EWCEE, Vol.2, pp.2266-2277, 1974.
【非特許文献3】澤田純男,土岐憲三,村川史朗: ‘片側必要強度スペクトルによる盛土構造物の耐震設計法,’ 地震工学シンポジウム論文集, Vol.10,pp.3033-3038, 1998.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記のように地震時における土塊や構造物の滑動や変形を算定することを目的とした取り組みがいくつかある。しかし、これらの手法には、以下の問題点がある。
【0010】
(1)Newmarkに代表される剛体の滑動をモデル化する方法では、滑動する土塊や抗土圧体などの振動特性が全く考慮されないため、地震応答が排除され、滑動量が過小評価されるなどの実際の設計等で利用するには深刻な問題がある。
【0011】
(2)建築構造物における部材の塑性化に着目した地震時の応答解析では同様な解析手法を用いるが、滑動の推進力となる水平力がモデルにおいて考慮されないために、滑動量の推定には適用できない。
【0012】
(3)上記の解析手法を修正した澤田らが提案している方法(非特許文献3)では、盛土体の連続体としての塑性変形に基づいているため、明瞭なすべり面を伴う滑動や構造物と地盤の境界における滑動などには適用できない。また、地震時に作用する外力(地震時動水圧や地震時土圧)を考慮できない。
【0013】
(4)有限要素法などのより複雑なシミュレーション法を駆使して地震時における構造物の変形や滑動を事前または事後において評価しようとする試みも多く見られるが、その場合でも動的物性や解析条件の設定は複雑でかつ確定的ではないために,その計算結果の精度や信頼性が耐震設計における要求を満たせないのが現状である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明における方法は先に示した問題を解決し、地震時における滑動量を精度よく推定するために有効な手法を提供するものである。問題を解決するための手段は以下のようである。なお,図1に、以下の手段をフロー図で示す。
【0015】
(1)すべり土塊や構造物の振動特性と滑動特性を解析することが可能な,質点とバネ、ダッシュポット、スライダーからなる一自由度振動系を数学モデルとして構築する。(図2)
【0016】
(2)構築したモデルにおける固有振動数,振動減衰,滑動余裕度をパラメータとして,対象とする地震動の下での振動・滑動モデルの挙動を数値解析によって計算する。その結果に基づいて,振動・滑動系の固有振動数−滑動余裕度−滑動量の関係を得る。
【0017】
(3)得られた振動・滑動系の固有振動数−滑動余裕度−滑動量の関係を固有振動に対してグラフの形式で整理し,「地震滑動応答スペクトル」を得る。(図5)
【0018】
(4)解析対象の振動特性を表現するために,パラメータとしてバネとダッシュポットの特性を規定する固有振動数と振動減衰を決定する。また,土体中のすべりや構造物の滑動を表現するために,スライダーの滑動特性を規定する滑動余裕度を決定する。(図6)
【0019】
(5)土体や構造物に作用する水圧や土圧の振動成分は,慣性力との対比において付加質量の形で考慮する。これにより,土塊や構造物の質量や固有振動数,および滑動余裕度を適切に修正する。(図6)
【0020】
(6)地震滑動応答スペクトルから,対象とする振動・滑動系の所定の地震動における滑動量を推定する。合わせて,土体や構造物の形状に関連する構造物の振動特性や滑動特性の変化に対する滑動量の感度および安定性の変化を検討する。
【発明の効果】
【0021】
本発明における方法は先に示した問題を解決し、地震時における滑動量を精度よく推定するために有効な手法を提供するものである。本発明で提供する振動・滑動モデルによって以下のような効果が期待できる。
【0022】
(1)提供する振動・滑動モデルは質点とバネ、ダッシュポット、スライダーからなる一自由度振動系であり、これまでは難しかったすべり土塊や構造物の固有振動数や振動減衰などの振動特性を明示的に考慮することができる。
【0023】
(2)複雑な振動系でも、第一義的に一自由度の振動系に置き換える方法は広い工学分野において採用されている方法であり、これまでに蓄積されてきた構造物などのモデル化におけるノウハウなどを直接受け継ぎ、発展させることができる。
【0024】
(3)モデル化において剛性を無限大とすると、それはNewmarkが提案している方法と等価である。したがって、本発明の方法は対象物の振動特性を適切に考慮しつつ、その極限においてNewmarkの手法を包含しているので,既往の研究成果との連続性を保持することができる。
【0025】
(4)すべり面の存在、その位置や形状を明示的に設定することによって、すべり面における作用力や摩擦抵抗などのすべりメカニズムを直接評価して算定法に取り入れることが可能である。
【0026】
(5)すべり面の傾斜による重力の摩擦成分、持続して作用する土圧や水圧を滑動の推進力として計算に取り入れることができる。
【0027】
(6)地震時において作用すると考えられる水圧や土圧の変動成分は慣性力との対比において、仮想的に土塊や構造物の質量や固有振動数を修正することにより合理的に計算に取り入れることが可能である。
【0028】
振動・滑動モデルを用いた滑動量算定の過程で得られる地震滑動応答スペクトルによって以下のような問題解決が可能である。
【0029】
(1)振動過程における滑動量の計算には時刻歴計算が必要であり、所定の計算量と時間が必要であるが、計算結果を応答スペクトルの形に取りまとめて図表を提供することによって、すべり土塊や構造物の滑動量の簡易な推定が可能になる。
【0030】
(2)滑動に影響を与える因子を考察して整理することによって、応答スペクトル(地震滑動応答スペクトル)は滑動余裕度と振動系の減衰をパラメータとしてコンパクトにまとめることができる。
【0031】
(3)これまでに提案されている方法は専ら地震時における衝撃力を算定する方法であるが、土塊や構造物の滑動に及ぼす地震動の影響の指標として地震滑動応答スペクトルを利用することによって、構造物の滑動の側面から地震動の影響度を客観的に評価することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
斜面などの土体や構造物の地震時安定性の評価や,耐震設計において以下のように実施する。
【0033】
(1)地震動による構造物への衝撃力を評価するために,通常,対象とする地震動に対してスペクトル解析を実施し,フーリエスペクトルや応答スペクトルが作成され,地震による被害調査の分析や耐震設計は第一段階としてこれらのスペクトルが用いられる。本発明による地震滑動応答スペクトルもこれらと同様に,あらゆる地震動に対して作成することできる。これにより,土体や構造物の滑動に強く関連する地震被害や耐震設計に対しては重要な情報を提供することが可能になる。
【0034】
(2)提案する土体や構造物をモデル化する手法に基づき,対象とする振動・滑動系の適切なモデル化を行い,これに基づいて,地震滑動応答スペクトルから,所定の地震動による振動・滑動系の滑動量を算定する。
【実施例】
【0035】
地震滑動応答スペクトルを用いた土体や構造物の滑動量を算定するための方法を,研究や耐震設計で広く用いられている2種類の地震動(El-CentroとHachinohe)を用いて具体的にかつ簡単に説明する。
【0036】
本発明の方法では,図2左に示すような,質点とバネ,ダッシュポット,スライダーで構成される一自由度振動系を用いている。
【0037】
質点にはすべり面の傾斜あるいは常時の土圧に相当する水平力Tが継続して作用し,質点はこの水平力を受けながら基盤振動ubに対して応答する(質点の相対変位をuとする)。
【0038】
スライダーはすべり面における摩擦抵抗力あるいは抗土圧構造物の底面摩擦抵抗に対応する抵抗力Rfを有しており,振動応答中に底面せん断力Fbが摩擦抵抗力Rfに達すると滑動する(スライダーの滑動量をusとする)。基盤振動中にはスライダーが水平力Tの方向に滑動して変位usが累積することになる。
【0039】
振動・滑動系においてバネを完全に剛とするとNewmark1)が堤体盛土の地震時変形の解析のために提案している剛体滑動モデルと等価なものが得られる。
【0040】
これを図2(b)に示している。Newmarkに代表されるように,基部に弾塑性モデルを採用して構造物の地震時応答における構造物の塑性変形の影響を考慮した,塑性率をパラメータとした塑性応答スペクトルの検討が建築物などの研究で行われているが,本発明で用いた振動・滑動モデルはこれらにおいて弾・完全塑性モデルを用いた場合と等価となる。ただし,本発明では一定の水平力を与えることにより,振動中に蓄積する滑動量に着目している。
【0041】
ここで,採用した2種類の地震動に対して,図3に地震動の単純なフーリエ解析で得られるフーリエスペクトルを示す。
【0042】
図4に、地震時における最大加速度を、振動系の固有振動数に対して示した地震応答スペクトルを示す。
【0043】
図3、図4は、地震被害の分析や耐震設計の初期の段階で広く用いられているものである。図3は,地震動の数学的な性質について、有用な情報を得ることができる。図4は、地震時に構造物が受ける最大の衝撃力について、有用な情報を得ることができる。しかし,構造物が受ける被害に対して重要な情報である滑動量については、なんら情報を得ることができない。
【0044】
一方,上で説明した振動・滑動モデルの地震時挙動は、適切な数値解析手法によって計算することが可能で,所定の条件で一連の計算を行うことによって,振動・滑動系の固有振動数−滑動余裕度−滑動量の三者の相互関係を得ることができる。
【0045】
特定の滑動余裕度において、滑動量を固有振動数に対してプロットしたものが、図5に示す地震滑動応答スペクトルである。
【0046】
スペクトルは,滑動特性(摩擦係数など)が等しくても、地震時における滑動量が,構造物の固有振動数に強く依存していることを端的に示している。
【0047】
また,対象とする土体や構造物の振動特性と滑動特性を適切に設定することによって,図から地震時滑動量を定量的に知ることが可能である。
【0048】
本発明における地震時滑動量は、地震時における地すべり滑動土体やケーソンなどの構造物に適用することが可能である。
【0049】
図6に、地すべり土体への適用例を示す。
【0050】
設定したすべり面の傾斜や摩擦特性によって荷重状態や滑動余裕度を決定することが可能であり、これによって地震滑動応答スペクトルを適用することが可能になる。
【0051】
一方、図7は重力式岸壁への適用例を示している。常時における前面の水圧と背後の土圧から、ケーソンの滑動余裕度を算定することが可能であり、また、地震動に慣性力とともに変動する水圧と土圧の成分に対しては、付加質量の考え方を導入することによって振動特性と滑動特性を修正し、地震滑動応答スペクトルを適用することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
地震動を振動・剛体モデルにより解析し、地震滑動スペクトルの形で地震動の特性を提示することによって、地震被害の直接的な影響要因である地震時滑動量を定量的に把握することが可能に成る。これにより、土体や構造物の振動特性を視野に入れた被害分析や耐震設計が可能になる。
【0053】
現在、構造物の設計は破壊現象に焦点を置いていたこれまでの設計法から、構造物の変形によって損なわれる性能の保証レベルに着目した性能規定方の設計法に移行しつつある。本発明は、このような社会的な状況からも社会的に利用価値が高いと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】「地震滑動応答スペクトル」を用いた土体や構造物の滑動量推定方法を示す。
【図2】振動・滑動系の地震時挙動を解析するための一自由度振動系モデルを示す。質点,バネ,ダッシュポット,スライダーから成り,振動・滑動系の振動特性と滑動特性を考慮できる。
【図3】研究や耐震設計で広く用いられている地震動のフーリエスペクトルを示す。ImperialValley Earthquake at El-Centro (N-S)
【図4】研究や耐震設計で広く用いられている地震動のフーリエスペクトルを示す。Tokachi-okiEarthquake at Hachinohe (N-S)
【図5】図3と同様に,研究や耐震設計で広く用いられている地震応答ペクトル示す。ImperialValley Earthquake at El-Centro (N-S)
【図6】図4と同様に,研究や耐震設計で広く用いられている地震応答ペクトル示す。Tokachi-okiEarthquake at Hachinohe (N-S)
【図7】図3、図5と同じ地震動に対して、地震動を解析して,作成した地震滑動応答スペクトルを示す。ImperialValley Earthquake at El-Centro N-(+) S-(-)
【図8】図3、図5と同じ地震動に対して、地震動を解析して,作成した地震滑動応答スペクトルを示す。ImperialValley Earthquake at El-Centro S-(+) N-(-)
【図9】図4、図6と同じ地震動に対して、地震動を解析して,作成した地震滑動応答スペクトルを示す。Tokachi-okiEarthquake at Hachinohe N-(+) S-(-)
【図10】図4、図6と同じ地震動に対して、地震動を解析して,作成した地震滑動応答スペクトルを示す。Tokachi-okiEarthquake at Hachinohe S-(+) N-(-)
【図11】地震時における土体の振動・滑動モデルを示す。適切なすべり面を設定することによって,すべり土体の振動特性と滑動特性を設定できる。
【図12】地震時における重力式岸壁の振動・滑動モデルを示す。ケーソンに作用する水圧と土圧を適切に評価することによって,ケーソンの振動特性と滑動特性を設定できる。
【符号の説明】
【0055】
m 質量
k バネ定数
h 減衰定数
ub, vb, ab 基盤の変位,速度,加速度
us, vs, as スライダーの相対変位,相対速度,相対加速度
u, v, a 質点の相対変位,相対速度,相対加速度
T 外力
Fi 慣性力
Rf 摩擦抵抗力
Fb 基盤せん断力
M 質量
Mg 重力
N 重力の斜面に垂直な成分
α すべり面の傾斜角
Pv 鉛直反力
Pe 土圧
Pw 水圧
ΔPe 土圧の変動成分
ΔPw 水圧の変動成分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地すべり土塊および、擁壁やケーソンに代表される抗土圧体において、すべり面の位置およびすべり面上の摩擦メカニズムを明瞭に規定できる、質点−バネ(ダッシュポット)−スライダーからなる振動・滑動モデル。
【請求項2】
請求項1の振動・滑動モデルにおいて、地震時に発生する地震時動水圧や地震時土圧を明示的に考慮するための、モデル構築方法。
【請求項3】
請求項1及び請求項2の数値解析結果を整理することによって得ることができる地震時の滑動応答スペクトル。
【請求項4】
請求項3の地震時の滑動応答スペクトルを用いて、滑動量を簡易に推定するための図表の作成方法とその図表。
【請求項1】
地すべり土塊および、擁壁やケーソンに代表される抗土圧体において、すべり面の位置およびすべり面上の摩擦メカニズムを明瞭に規定できる、質点−バネ(ダッシュポット)−スライダーからなる振動・滑動モデル。
【請求項2】
請求項1の振動・滑動モデルにおいて、地震時に発生する地震時動水圧や地震時土圧を明示的に考慮するための、モデル構築方法。
【請求項3】
請求項1及び請求項2の数値解析結果を整理することによって得ることができる地震時の滑動応答スペクトル。
【請求項4】
請求項3の地震時の滑動応答スペクトルを用いて、滑動量を簡易に推定するための図表の作成方法とその図表。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−217913(P2007−217913A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37959(P2006−37959)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2005年8月22日〜24日 社団法人土木学会地震工学委員会主催の「第28回土木学会地震工学研究発表会」において文書をもって発表
【出願人】(304027349)国立大学法人豊橋技術科学大学 (391)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2005年8月22日〜24日 社団法人土木学会地震工学委員会主催の「第28回土木学会地震工学研究発表会」において文書をもって発表
【出願人】(304027349)国立大学法人豊橋技術科学大学 (391)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]