説明

つり下げ機能を有する包装箱

【課題】つり下げ部を包装箱内に収めたり,外に突出させたりすることが可能なつり下げ機能を有する包装箱を提供すること。
【解決手段】包装箱本体10は、少なくとも舌片12が連設された側面板13と、天面板14と差し込み片15が連設された正面板16と、正面板に対向して設けられた裏面板17かたなり、つり下げ部20は、つり下げ正面板21の両端につり下げ側面板22が連設され、つり下げ正面板は両つり下げ側面板より突出して形成され、つり下げ部は包装箱本体10に納まるように形成され、つり下げ部は裏面板17に密接して、両つり下げ側面板は両側面板13に密接して,それぞれ開口部11より挿入されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、つり下げ機能を有する包装箱に関するものであり、特には、つり下げ部分を必要に応じて出し入れ可能としたつり下げ機能を有する包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、つり下げ機能を有する包装箱は、背面板を延長するなどして一体に形成したつり下げ部を、店頭における店内壁面もしくはレジ横に設けられた陳列棚のフック部に係止することによって、商品を顧客の視界に入りやすくするよう展示するとともに販売していた。
【0003】
しかしながら、つり下げ部が包装箱本体より飛び出して一体に形成されているため、商品が収納された包装箱を保管したり輸送する際には、前記つり下げ部が嵩張るなどして邪魔になったり、外圧や輸送中の商品移動等によりつり下げ部が折れ曲がったり、破損したりする場合があった。
【0004】
そこで、つり下げ部を包装箱の大きさの範囲内で容器と一体化して形成することが考えられた(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
上記先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開2003−128050号公報。
【0006】
しかし、この方式は、包装箱に一体化されたつり下げ部位を破断してかき起こすといった面倒な作業を必要とするのみならず、また、一度包装箱を破断すると元には戻せないという問題もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、つり下げ機能を有する包装箱に関する以上のような問題に鑑みてなされたもので、つり下げ部を状況に応じて容易に包装箱内に納めたり、外に飛び出させたりすることが可能なつり下げ機能を有する包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1の発明は、天面に開口部を有する差し込み式の包装箱本体と、該包装箱本体の内部に収納され、必要に応じて引き上げ可能に形成されたつり下げ部とからなる包装箱であって、前記包装箱本体は、少なくとも折り曲げ線を介して舌片が連設された両側面板と、折り曲げ線を介して天面板と差し込み片がそれぞれ連設された正面板と、正面板に対向して設けられた裏面板とからなり、前記つり下げ部は、つり下げ正面板の両端縁に折り曲げ線を介してつり下げ側面板が連設され、つり下げ正面板は、両つり下げ側面板より上方に突出して形成され、突出したつり下げ正面板の上部中央につり下げ孔が穿設されてなり、前記つり下げ部は、包装箱本体に納まるように形成され、前記つり下げ部は、つり下げ正面板が包装箱本体の差し込み片が差し込まれる裏面板に密接して、また、つり下げ正面板の両端縁に連設されたつり下げ側面板は、内側に折り曲げられて包装箱本体の差し込み片が差し込まれる裏面板の両側の側面板に密接して、それぞれ開口部より挿入され、ていることを特徴とする、つり下げ機能を有する包装箱である。
【0009】
このように請求項1記載の発明によれば、包装箱本体は、少なくとも折り曲げ線を介し
て舌片が連設された両側面板と、折り曲げ線を介して天面板と差し込み片がそれぞれ連設された正面板と、正面板に対向して設けられた裏面板とからなり、前記つり下げ部は、つり下げ正面板の両端縁に折り曲げ線を介してつり下げ側面板が連設され、つり下げ正面板は、両つり下げ側面板より上方に突出して形成され、突出したつり下げ正面板の上部中央につり下げ孔が穿設されてなり、前記つり下げ部は、包装箱本体に納まるように形成され、前記つり下げ部は、つり下げ正面板が包装箱本体の差し込み片が差し込まれる裏面板に密接して、また、つり下げ正面板の両端縁に連設されたつり下げ側面板は、内側に折り曲げられて包装箱本体の差し込み片が差し込まれる裏面板の両側の側面板に密接して、それぞれ開口部より挿入されているので、包装箱本体の舌片を折り曲げ、天面板並びに天面板に連設された差し込み片を折り曲げ、差し込み片を裏面板に差し込み、開口部を閉塞した際、前記つり下げ部は、包装箱本体と同等の高さに納まるとともに、つり下げ部が引き上げられるとつり下げ部正面板が包装箱本体から突出して固定される。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記包装箱本体の裏面板の上端縁中央に切り欠き部が設けられていることを特徴とする、つり下げ機能を有する包装箱である。
【0011】
このように請求項2記載の発明によれば、包装箱本体の裏面板の上端縁中央に切り欠き部が設けられているので、包装箱を開封する際、差し込み片がつかみ易いし、つり下げ部を引き上げる際に、つり下げ部をつかみ易い。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記つり下げ部に穿設されたつり下げ孔は、裏面板の切り欠き部を通して見える位置に穿設されていることを特徴とする、つり下げ機能を有する包装箱である。
【0013】
このように請求項3記載の発明によれば、つり下げ部に穿設されたつり下げ孔は、裏面板の切り欠き部を通して見える位置に穿設されているので、つり下げ部を引き上げ、フックハンガー等に差し込む際有利である。
【発明の効果】
【0014】
このように本発明のつり下げ機能を有する包装箱は、保管または輸送時等のつり下げ部を使用しない時には、包装箱本体の内方につり下げ部を収容することが可能で、かつ、つり下げ部使用時には、包装箱本体の外方に容易に突出させて使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
本発明のつり下げ機能を有する包装箱は、例えば、図1〜図4に示すように、天面に開口部(11)を有する差し込み式の包装箱本体(10)と、該包装箱本体の内部に収納され、必要に応じて引き上げ可能に形成されたつり下げ部(20)とからなるものである。
【0016】
包装箱本体(10)は、少なくとも折り曲げ線を介して舌片(12)が連設された両側面板(13、13)と、折り曲げ線を介して天面板(14)と差し込み片(15)がそれぞれ連設された正面板(16)と、正面板に対向して設けられた裏面板(17)等から構成されている。
【0017】
つり下げ部(20)は、つり下げ正面板(21)の両端縁に折り曲げ線を介してつり下げ側面板(22、22)が連設され、つり下げ正面板(21)は、両つり下げ側面板(22、22)より突出して形成され、突出したつり下げ正面板(21)の上部中央につり下げ孔(23)が穿設されている。
【0018】
また、つり下げ正面板(21)における突出部の高さ及びつり下げ側面板(22、22)における各突出部の高さと包装箱本体(10)との関係は、つり下げ正面板(21)の突出部上端からつり下げ側面板(22、22)の突出部下端までの高さ(長さ)と包装箱本体(10)の高さが一致するように設計さている。
【0019】
さらに、つり下げ部(20)は、包装箱本体(10)に納まるように形成されている。
【0020】
つり下げ部(20)は、つり下げ正面板(21)が包装箱本体(10)の差し込み片(15)が差し込まれる裏面板(17)に密接して、また、つり下げ正面板(21)の両端縁に連設されたつり下げ側面板(22、22)が内側に折り曲げられて包装箱本体(10)の差し込み片(15)が差し込まれる裏面板(17)の両側の側面板(13、13)に密接して、それぞれ開口部(11)より挿入されている。
【0021】
また、包装箱本体(10)の裏面板(17)の上端縁中央に切り欠き部(18)を設けておくことにより、包装箱を開封する際、差し込み片(15)がつかみ易くなるし、つり下げ部(20)を引き上げる際には、つり下げ部(20)がつかみ易くなる。
【0022】
さらに、つり下げ部(20)に穿設されたつり下げ孔(23)は、裏面板(17)の切り欠き部(18)を通して見える位置に穿設されていることにより、つり下げ部(20)を引き上げ、フックハンガー等に差し込む際有利になる。
【0023】
なお、包装箱本体(10)やつり下げ部(20)に用いられる素材は、限定されず、紙やプラスチックシート等一般的に使用されている素材が使用できる。 包装箱本体(10)とつり下げ部(20)を同じ素材を用いて作製しても良いし、別々の素材を用いて作製しても良い。
【0024】
このような構成からなる包装箱本体(10)の舌片(12、12)を内方に折り曲げ、天面板(14)並びに天面板に連設された差し込み片(15)を折り曲げ、差し込み片(15)を裏面板(17)の内側に差し込み、開口部(11)を閉塞すると、つり下げ部(20)は、包装箱本体(10)と同等の高さに納まるとともに、つり下げ部(20)を引き上げられると、つり下げ部正面板(21)が包装箱本体(10)から飛び出し固定される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のつり下げ機能を有する包装箱のつり下げ部を包装箱本体の収納した状態の一実施例を示す、斜視説明図である。
【図2】本発明のつり下げ機能を有する包装箱のつり下げ部を包装箱本体から突出させ、フックハンガーに取り付けた状態の一実施例を示す、斜視説明図である。
【図3】本発明のつり下げ機能を有する包装箱に使用する包装箱本体の一実施例を示す、部分斜視説明図である。
【図4】本発明のつり下げ機能を有する包装箱に使用するつり下げ部の一実施例を示す、斜視説明図である。
【符号の説明】
【0026】
1‥‥つり下げ機能を有する包装箱
10‥‥包装箱本体
11‥‥開口部
12‥‥舌片
13‥‥側面板
14‥‥天面板
15‥‥差し込み片
16‥‥正面板
17‥‥裏面板
18‥‥切り欠き部
20‥‥つり下げ部
21‥‥つり下げ正面板
22‥‥つり下げ側面板
23‥‥つり下げ孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面に開口部を有する差し込み式の包装箱本体と、該包装箱本体の内部に収納され、必要に応じて引き上げ可能に形成されたつり下げ部とからなる包装箱であって、
前記包装箱本体は、少なくとも折り曲げ線を介して舌片が連設された両側面板と、折り曲げ線を介して天面板と差し込み片がそれぞれ連設された正面板と、正面板に対向して設けられた裏面板とからなり、
前記つり下げ部は、つり下げ正面板の両端縁に折り曲げ線を介してつり下げ側面板が連設され、つり下げ正面板は、両つり下げ側面板より上方に突出して形成され、突出したつり下げ正面板の上部中央につり下げ孔が穿設されてなり、
前記つり下げ部は、包装箱本体に納まるように形成され、
前記つり下げ部は、つり下げ正面板が包装箱本体の差し込み片が差し込まれる裏面板に密接して、また、つり下げ正面板の両端縁に連設されたつり下げ側面板は、内側に折り曲げられて包装箱本体の差し込み片が差し込まれる裏面板の両側の側面板に密接して、それぞれ開口部より挿入されていることを特徴とする、つり下げ機能を有する包装箱。
【請求項2】
前記包装箱本体の裏面板の上端縁中央に切り欠き部が設けられていることを特徴とする、請求項1記載のつり下げ機能を有する包装箱。
【請求項3】
前記つり下げ部に穿設されたつり下げ孔は、裏面板の切り欠き部を通して見える位置に穿設されていることを特徴とする、請求項1又は2記載のつり下げ機能を有する包装箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−232361(P2006−232361A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−52643(P2005−52643)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】