説明

ねじジョイントの衝撃緩みの検出方法及び装置

削岩機(2)が地面(3)に対してドリルストリング(1)を送ることなしドリルストリング(1)を衝撃させると同時にドリルストリング(1)からの振動を感知し、感知した振動を分析ツール(4)へ供給し、該分析ツール(4)で既知の振動パターンと比較し、ねじジョイントが衝撃によって緩んだことをマークする既知の振動パターンに感知した振動が相当することを分析ツール(4)が検出する時に、削岩機の衝撃装置を止めるために削岩機(2)を制御する制御システム(5)に信号を供給するように構成して成る削岩時におけるねじジョイントの衝撃緩み方法。ドリルストリング(1)に衝撃を付加するために送り梁部材(6)に沿って可動の削岩機(2)を有し、ドリルストリング(1)からの振動を感知する装置(7)、及び感知した振動を既知の振動パターンと比較する分析ツール(4)を有し、ねじジョイントが衝撃によって緩んだことをマークする既知の振動パターンに感知した振動が相当する際に分析ツール(4)が削岩機(2)を制御する制御システム(5)に信号を供給するように構成され、それにより、分析ツールが信号を供給する際に制御システム(5)が削岩機(2)の衝撃装置を止めるように構成される、削岩時におけるねじジョイントの衝撃緩みを検出する装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、削岩時におけるねじジョイントの衝撃緩みの検出方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地面、例えば岩盤に長い穴を開ける際に、ドルリング中に必要なようにドリルストリング(drill string)を長くするために互いにねじ込まれる何本かのロッドが用いられる。ねじの締付けはは通常、削岩機の回転モータの助けだけではねじジョイントを緩めることができないドルリング中にねじジョイントを通る衝撃波のために硬くなる。この問題を解決するために、作業者は地面に対してドリルストリングを押し付けることなしに、短い間、衝撃装置によりドリルストリングに衝撃を加えさせたまま、ドルリングを止めさせる。作業者は、音の特性変化が聞こえた時に衝撃装置を止める。その後、ドリルストリングは削岩機の回転モータによってねじを緩めることができ、分離したドリルロッドを一本ずつ取外すことができる。この方法の欠点は、ドルリングが自動的に行われた際にドリルストリングの取り出しを自動的にできないことにある。別の欠点は、作業者が騒音環境のために早い段階で衝撃緩みの生じたのを聞くことが難しいことにある。そのため、ドルリング機器に不必要な磨耗が生じることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許請求の範囲に定義される本発明は、ドルリング自体の後にドリルストリングの自動的取り出しを含めてドリル孔の自動ドルリングを可能にし、その後新しい孔をドルリングするためにドルリング装置を位置決めできるようにしたねじジョイントの衝撃緩めの検出を達成することを目的としている。本発明の別の目的は、ねじジョイントの衝撃緩みの早期検出を通してドルリングにおける不必要な負荷を避けることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、主として、削岩機が地面に対してドリルストリングを送ることなしに、ドリルストリングに衝撃を与えている時に、ドルリング装置から放出される振動を感知することによって達成される。振動のこの感知は、マイクロホンか又は別の振動数の振動センサーを用いて行われ得る。感知した振動は、分析ツールにおいて衝撃緩みについての既知の振動パターン特性と比較される。これらの振動パターンは、ドルリング装置からの振動の特性変化であるか又は衝撃緩み後の振動が特性形態を得る。衝撃緩みが生じたことを分析ツールで検出すると、衝撃装置を止めるドリルリグの制御システムに信号が送られ、その後、ドリルストリングはロッドづつ自動的に取り出される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、本発明が実施される削岩機装置を概略的に示す添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0006】
図示削岩機装置はキャリア11を有し、キャリア11は、送り梁部材6を設けたブーム12を備えている。削岩機2は送り梁部材に沿って往復動できる。削岩機2は、ドリルストリング1に衝撃を与えるように構成した衝撃装置及び回転装置を通常の仕方で備えている。ドリルストリング1は、ねじジョイントによって互いに接続される任意の数のドリルロッドから成り得る。マイクロホン又は他の振動感知装置7は送り梁部材6又は別の適当な位置に配置される。振動感知装置7は分析ツール4に接続され、分析ツール4は適当には、振動数分析用の周波数を分離しかつ処理すべきデータの量を減少させるフィルターを備えている。分析ツール4は、デジタル的か又はアナログ的に作動するように構成され得る。分析ツール4において、感知した振動は振動特性の典型的な変化であるか或いは衝撃緩みねじジョイントの場合に普通である振動パターンの見知である既知の振動パターンと比較される。衝撃緩みが検出されると、ドルリング装置の制御システム5に信号が送られ、衝撃装置を止める。その後、ドリルストリング1は自動的に取り出され、そしてロッドマガジン13にロッド毎に収められる。
【0007】
図示ドルリング装置は、地表において用いるようにされている。本発明は地下の長い穴の穴あけに、例えばグラウチングと共に等しく用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明が実施される削岩機装置を概略的に示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
削岩時におけるねじジョイントの衝撃緩み方法であって、
削岩機(2)が地面(3)に対してドリルストリング(1)を送ることなしドリルストリング(1)を衝撃させると同時にドリルストリング(1)からの振動を感知し、感知した振動を分析ツール(4)へ供給し、該分析ツール(4)で既知の振動パターンと比較し、ねじジョイントが衝撃によって緩んだことをマークする既知の振動パターンに感知した振動が相当することを分析ツール(4)が検出する時に、削岩機の衝撃装置を止めるために削岩機(2)を制御する制御システム(5)に信号を供給することを特徴とするねじジョイントの衝撃緩み方法。
【請求項2】
ドリルストリング(1)に衝撃を付加するために送り梁部材(6)に沿って可動の削岩機(2)を有する削岩時におけるねじジョイントの衝撃緩みを検出する装置であって、
ドリルストリング(1)からの振動を感知する装置(7)と、感知した振動を既知の振動パターンと比較する分析ツール(4)とを有し、ねじジョイントが衝撃によって緩んだことをマークする既知の振動パターンに感知した振動が相当する際に分析ツール(4)が削岩機(2)を制御する制御システム(5)に信号を供給するように構成され、それにより、分析ツール(4)が信号を供給する際に制御システム(5)が削岩機(2)の衝撃装置を止めるように構成されることを特徴とするねじジョイントの衝撃緩みの検出装置。


【公表番号】特表2007−507631(P2007−507631A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532224(P2006−532224)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001371
【国際公開番号】WO2005/033468
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(398056193)アトラス コプコ ロツク ドリルス アクチボラグ (66)
【Fターム(参考)】