ばね
【課題】部品点数を増加することなく、荷重特性でのヒステリシスの発生を防止することができるとともに、高さの調整を行うことができるばねを提供する。
【解決手段】本体部10の内周部に第1円筒部11が設けられ、本体部10の外周部に第2円筒部12が設けられている。本体部10は、第1部材101および第2部材102からの押圧力の方向に交差する方向に延在している。本体部10と第1円筒部11の境界部に形成した第1角部13は、押圧力が加えられた時、本体部10の延在方向の内側(図の左側)に移動するようにして弾性変形する。本体部10と第2円筒部12との境界部に形成した第2角部14は、第1角部13と同様な機能を有し、本体部10の延在方向の内側(図の右側)に移動するようにして弾性変形する。
【解決手段】本体部10の内周部に第1円筒部11が設けられ、本体部10の外周部に第2円筒部12が設けられている。本体部10は、第1部材101および第2部材102からの押圧力の方向に交差する方向に延在している。本体部10と第1円筒部11の境界部に形成した第1角部13は、押圧力が加えられた時、本体部10の延在方向の内側(図の左側)に移動するようにして弾性変形する。本体部10と第2円筒部12との境界部に形成した第2角部14は、第1角部13と同様な機能を有し、本体部10の延在方向の内側(図の右側)に移動するようにして弾性変形する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1部材と第2部材との間に設けられ、それら部材間での高周波振動の伝達を抑制するばねに係り、特にばねの形状の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車産業や精密機器産業では、振動伝達の抑制技術が要求されている。振動伝達の抑制技術としては、対象物と支持部により構成される系の固有振動数を、所定の振動数帯域よりも十分に低く設定することが有効である。その手法として、支持部のばね定数を小さくすることが考えられるが、この場合、ばね定数を小さくすると、たわみ量が大きくなって、ばねが大型化するという問題がある。
【0003】
そこで、対象物と支持部の間に皿ばねを介在させる手法が提案されている。皿ばねの荷重特性は、図10に示す曲線のように設計することができるから、荷重を支えることができるとともにばね定数を小さく設定することができる領域Aを設定することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、皿ばねは、荷重印加により略平坦状をなすように変形するときに、皿ばねの内周縁部および外周縁部が、相手部材に対して摺動して摩擦が発生する。このため、皿ばねの使用範囲を図10の領域Aの範囲に設定した場合、実際の荷重特性には、図11(A)に示すヒステリシスが生じる。その結果、皿ばねの使用範囲での実質的な動的ばね定数は、図11(A)の点Pと点Qを結ぶ対角線lの傾きとなる。この場合、使用範囲の振幅を小さくしたとき、図11(B)に示すように、対角線lの傾きが大きくなるため、動的ばね定数が大きくなってしまう。
【0005】
以上のように従来の皿ばねでは、高周波振動のような微振幅の振動を入力すると、皿ばねの動的ばね定数が大きくなるため、高周波振動の伝達を抑制できないという問題があった。このような問題は、荷重印加時に内周縁部および外周縁部に設けられた折曲部が相手部材に面接触するように変形する特許文献1の皿ばねでは深刻である。そこで、荷重特性でのヒステリシスの発生を防止するために、皿ばねと相手部材との間の少なくとも一方に低摩擦部材を設ける特許文献2の技術が考えられる。しかしながら、特許文献2の技術では、皿ばねとは別に低摩擦部材を設けるため、部品点数が増加してしまう。
【0006】
一方、皿ばねの高さ方向にばらつきが生じた場合、高さ調整の必要がある。そこで、高さ調整のために上下面を研磨することが考えられるが、この場合、その上下面を研磨すると、荷重特性が大きく変化したり、内外径が変化して取付時にガタが生じたりするという問題があった。特に、皿ばねでは、それが適用される系に対応して内外径が設計値として予め決定されていることから、上記問題のため、実際には高さ調整が不可能であった。
【0007】
【特許文献1】特開平5−172171号公報
【特許文献2】特開2002−54685号公報
【0008】
したがって、本発明は、部品点数を増加することなく、荷重特性でのヒステリシスの発生を防止することができるとともに、高さの調整を行うことができるばねを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のばねは、第1部材と第2部材との間に設けられるばねであって、孔部を有する本体部と、本体部の内周部および外周部のうちの少なくとも一方の周部に設けられた突出部と、本体部と突出部との境界部に形成された角部とを備え、本体部は、第1部材および第2部材からの押圧力の方向に交差する方向に延在し、突出部は、本体部の周部から第1部材および第2部材のいずれかの部材に向けて突出してそこに当接する当接部を備え、押圧力が加えられた時、突出部が本体部の内周部に設けられている場合には内周部側の角部は前記本体部の延在方向の内側に移動するようにして弾性変形し、突出部が本体部の外周部に設けられている場合には外周部側の角部は本体部の延在方向の外側に移動するようにして弾性変形することを特徴としている。この場合、突出部の当接部と第1部材,第2部材の位置関係について次のようになる。すなわち、突出部が内周部および外周部のいずれかの周部に設けられた場合、その突出部は、本体部の周部から第1部材および第2部材のうちの一方の部材に向けて突出してそこに当接する当接部を備える。また、突出部が内周部および外周部の両方の周部に設けられた場合、内周部側の突出部は、本体部の内周部から第1部材および第2部材のうちの一方の部材に向けて突出してそこに当接する当接部を備え、外周部側の突出部は、本体部の外周部から第1部材および第2部材のうちの他方の部材に向けて突出してそこに当接する当接部を備える。
【0010】
本発明のばねでは、本体部は、第1部材および第2部材からの押圧力の方向に交差する方向に延在し、突出部は、本体部の周部から第1部材および第2部材のいずれかの部材(以下、相手部材)に向けて突出してそこに当接している。そのような本体部と突出部の境界部に形成した角部は、荷重印加時に相手部材からの押圧力に応じてその角度を変化させるように弾性変形することができる。この場合、角部は、上記のような位置関係にある本体部と突出部の境界部に形成された部位であるから、そのような角部は、荷重印加時にその角度を変化させながら、本体部の延在方向における突出部が設けられた周部の外部側に移動することができる。なお、ここでいう外部側とは、突出部が設けられた周部が内周部の場合、内周部の内側のことであり、突出部が設けられた周部が外周部の場合、外周部の外側のことである。
【0011】
以上のように荷重印加時に角部は弾性変形することができるので、突出部における角部と相手部材との間の距離を適宜設定することにより、荷重印加時に突出部の相手部材近傍の部位の変形を防止することができる。したがって、突出部の相手部材に対する摺動を防止することができるので、突出部と相手部材との間に摩擦が発生しなく、その結果、ばねの荷重特性にヒステリシスが発生しない。また、突出部の相手部材近傍の部位は不変形部であるから、その部位に研磨等の加工を施すことによりばねの高さを調整しても、その荷重特性の変化を防止することができる。
【0012】
本発明のばねは、種々の構成を用いることができる。たとえば、突出部として円筒部を用いることができる。この態様では、突出部に研磨等の加工を施しても、突出部は円筒部であるから、ばねの内外径は変化しない。また、本体部は、その内周部から外周部に向かって、傾斜状、階段状、あるいは、略S字状をなすことができる。さらに相手部材には、突出部のその部材に対する摺動を防止するストッパを設けることができる。この態様では、ばねの荷重特性でのヒステリシスの発生をより効果的に防止することができる。加えて、本体部および突出部の少なくとも一方に、スリットを形成することができる。この態様では、ばねの軽量化を図ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のばねによれば、本体部と突出部との境界部に形成された角部は荷重印加時に弾性変形することができるので、突出部の相手部材に対する摺動を防止することができる。したがって、突出部と相手部材との間に摩擦が発生しなく、その結果、ばねの荷重特性にヒステリシスが発生しない。また、突出部の相手部材近傍の部位は変形しないから、突出部に研磨等の加工を施すことにより突出部の高さを調整しても、ばねの荷重特性の変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るばね1の構成を表し、(A)は斜視図、(B)は、ばね1の右側部分の側断面図である。
【図2】図1のばねの右側部分の動作状態を表し、(A)は、ばねの動作前(点線)と動作時(実線)の側断面図であり、(B)は、ばねの動作時の第1角部および第2角部の拡大側断面図である。
【図3】本発明例と従来例のばねの荷重特性を表すグラフである。
【図4】本発明の一実施形態に係るばねの変形例の構成を表す側断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るばねの他の変形例の構成を表す側断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るばねの他の変形例の構成を表す側断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るばねの他の変形例の構成を表す側断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るばねの他の変形例の構成を表す側断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るばねの他の変形例の構成を表す側断面図である。
【図10】皿ばねの荷重特性を表すグラフである。
【図11】ヒステリシスが生じる実際の皿ばねの荷重特性を表すグラフであり、(A)使用範囲の振幅が所定の大きさの場合、(B)使用範囲の振幅が(A)の場合よりも小さい場合のグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(1)実施形態の構成
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るばね1の構成を表し、(A)は斜視図、(B)は、ばね1の右側部分の側断面図である。図1(B)は、ばね1が第1部材101と第2部材102の間に設置されている状態を表している。
【0016】
ばね1は、たとえば中心部に孔部10Aが形成された本体部10を備えている。本体部10は、たとえば第1部材101および第2部材102からの押圧力の方向に対して交差する方向に延在する円錐部である。その円錐部は、たとえば下方に向かうに従って傾斜して皿ばねとしての機能を有する。
【0017】
孔部10Aは、たとえば円形状をなしている。本体部10の内周部には、第1部材101に向けて突出する第1円筒部11(突出部)が設けられている。第1円筒部11の上端部は、第1部材101に当接する当接部である。本体部10の外周部には、第2部材102に向けて突出する第2円筒部12(突出部)が設けられている。第2円筒部12の下端部は、第2部材102に当接する当接部である。
【0018】
本体部10と第1円筒部11との境界部には第1角部13が形成され、本体部10と第2円筒部12との境界部には第2角部14が形成されている。第1角部13および第2角部14は、第1部材101および第2部材102からの押圧力に応じて、その角度を変化させるように弾性変形可能である。第1角部13および第2角部14は、種々の手法により形成することができる。第1角部13および第2角部14は、たとえば第1角部13および第2角部14は、本体部10と第1円筒部11の境界部および本体部10と第2円筒部12の境界部を折り曲げて形成することができる。また、たとえば、本体部10と第1円筒部11の溶接および本体部10と第2円筒部12の溶接により形成することができる。
【0019】
(2)実施形態の動作
ばね1の動作について、おもに図2,3を参照して説明する。図2は、ばね1の動作状態を表し、(A)は、ばね1の動作前(点線)と動作時(実線)の側断面図であり、(B)は、ばね1の動作時の第1角部13および第2角部14の拡大側断面図である。なお、図2では、図1(B)と同様にばね1の右側部分のみを図示している。図3は、本発明例のばね1と従来例のばねの荷重特性を表すグラフである。
【0020】
図2(A)の点線で示すように、第1部材101と第2部材102の間に配置されたばね1に対して、第1部材101から下側方向の荷重を加える。すると、図2(B)の実線で示すように、ばね1は撓んで第1部材101が下方に移動する。図中の符号dは、ばね1の撓みの大きさを示している。
【0021】
ここで、本実施形態では、本体部10は、第1部材101からの押圧力の方向に交差する方向に延在し、ばね1の上側において、第1円筒部11は、本体部10の内周部から第1部材101に向けて突出してそこに当接している。そのような本体部10と第1円筒部11の境界部に形成した第1角部13は、荷重印加時に第1部材101からの押圧力に応じて角度αが変化するように弾性変形することができる。この場合、第1角部13は、上記のような位置関係にある本体部10と第1円筒部11の境界部に形成された部位であるから、そのような第1角部13は、荷重印加時に角度αを変化させながら、本体部10の内周部の外部側(図の左側)に移動することができる。
【0022】
このように荷重印加時に第1角部13は弾性変形することができるので、第1円筒部11が荷重印加時に第1部材101側の不変形部分(図2(B)中の点Sより上側)を有するように第1円筒部11の長さを適宜設定することにより、第1円筒部11の第1部材101側部分の変形を防止することができる。
【0023】
一方、ばね1の下側において、第2円筒部11は、本体部10の内周部から第2部材102に向けて突出してそこに当接している。この場合、第1角部13と同様な機能を有する第2角部14は、荷重印加による弾性変形時に、第2部材102からの押圧力に応じて、角度βを変化させながら、本体部10の外周部の外部側(図の右側)に移動することができる。
【0024】
このように荷重印加時に第2角部14は弾性変形することができるので、第2円筒部12が荷重印加時に第2部材102側の不変形部分(図2(B)中の点Tより下側)を有するように第2円筒部12の長さを適宜設定することにより、第2円筒部12の第2部材102側部分の変形を防止することができる。
【0025】
以上のことから、第1円筒部11および第2円筒部12の摺動を防止することができるので、第1円筒部11と第1部材101との間および第2円筒部12と第1部材102との間に摩擦が発生しない。図3に示すように、相手部材と摺動する従来の皿ばねでは、荷重特性に摩擦によるヒステリシスが発生していたが、相手部材と摺動しない本発明例のばね1では、荷重特性に摩擦によるヒステリシスが発生しない。
【0026】
また、第1円筒部11および第2円筒部12の相手部材近傍の部位は不変形部であるから、その部位に研磨等の加工を施すことによりばね1の高さを調整しても、その荷重特性の変化は抑制される。特に、本発明の突出部として第1円筒部11および第2円筒部12を設けたので、第1円筒部11および第2円筒部12に研磨等の加工を施しても、ばね1の内外径は変化しない。
【0027】
(3)変形例
以上のように上記実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。なお、以下の変形例では、上記実施形態と同様な構成要素には同符号を付し、その説明は省略している。
【0028】
たとえば、上記実施形態では、本体部10および第1,第2円筒部11,12に構造を形成しなかったが、それら部位に種々の構造を形成してもよい。たとえば、本体部10および第1,第2円筒部11,12の少なくとも一方にスリットを形成することができる。具体的には、図4に示すばね2では、第1,第2円筒部11,12の側面部にスリット21,22を形成している。図5に示すばね3では、本体部10にスリット31を形成している。このようなスリット21,22,31は適宜組み合わせることができ、その形状は適宜設定することができる。この態様では、ばねの軽量化を図ることができる。
【0029】
また、たとえば上記実施形態では、内周部から外周部に向かって下方に傾斜する円錐状をなす本体部10を用いたが、これに限定されるものではなく、本体部は種々の形状を用いることができる。たとえば、図6に示すばね4では、内周部から外周部に向かって階段状をなす本体部40を用いている。本体部40の階段状は、縦方向部41および横方向部42からなる複数の段部を有している。縦方向部41と横方向部42の境界部には、角部43が形成され、段部どうしの境界部には角部44が形成され、角部43,44は、上記実施形態の角部13,14と同様な機能を有することができる。
【0030】
図7に示すばね5では、略S字状をなす本体部50を用いている。図8に示すばね6では、内周部から外周部に向かって上方に傾斜する円錐状をなす本体部60を用いている。この場合、第1円筒部11および第2円筒部12の高さが高い。また、本体部10は、第1円筒部11および第2円筒部12に略直交する平面状をなしてもよい。
【0031】
さらに上記実施形態では、本発明の突出部として第1,第2円筒部11,12を用いたが、これに限定されるものではなく、突出部は種々の構成を用いることができる。たとえば、ばねのたわみが小さい場合には、第1,第2円筒部11,12はいずれか一方のみを用いることができる。また、突出部の形状は、上記実施形態に示す円筒状に限定されるものではなく、円錐状等の種々の形状を用いることができる。また、この場合、その断面は、直線状に限定されるものではなく、略S字状などの曲線状であってもよい。
【0032】
加えて第1円筒部101および第2円筒部102が当接する第1部材101および第2部材102には、ストッパを形成することができる。たとえば図9に示すように、第1,第2円筒部11,12係合する凹部101A,102Aをストッパとして第1部材101および第2部材102に形成することができる。ストッパは、凹部101A,102Aに限定されるものではなく、たとえば第1円筒部101あるいは第2円筒部102を固定する固定手段であればよく、種々の変形が可能であるのは言うまでもない。この態様では、ばね1の荷重特性でのヒステリシスの発生をより効果的に防止することができる。
【0033】
上記実施形態では、第1円筒部11を第1部材101向けて突出させてそこに当接させ、かつ第2円筒部12を第2部材102に当接させたが、第1円筒部11を第2部材102向けて突出させてそこに当接させ、第2円筒部12を第1部材101向けて突出させてそこに当接させてもよい。上記実施形態では、第1円筒部11および第2円筒部12を本体部の内周部および外周部に形成したが、第1円筒部11および第2円筒部12のいずれか一方のみ形成してもよい。また、第1角部13および第2角部14の形状は、図示の形状に限定されるものではなく、曲面形状等の種々の形状に変更可能である。
【0034】
以上のようなスリットなどの構造の形成や、本体部の形状、突出部の形状、ストッパの形成、突出部の形成位置および突出方向、および、第1角部および第2角部の形状等の変形例は適宜組み合わせることができるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0035】
1〜6…ばね、10…本体部、10A…孔部、11…第1円筒部(突出部)、12…第2円筒部(突出部)、13…第1角部(角部)、14…第2角部(角部)、101…第1部材、101A…凹部(ストッパ)、102…第2部材、102A…凹部(ストッパ)、α,β…角度
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1部材と第2部材との間に設けられ、それら部材間での高周波振動の伝達を抑制するばねに係り、特にばねの形状の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車産業や精密機器産業では、振動伝達の抑制技術が要求されている。振動伝達の抑制技術としては、対象物と支持部により構成される系の固有振動数を、所定の振動数帯域よりも十分に低く設定することが有効である。その手法として、支持部のばね定数を小さくすることが考えられるが、この場合、ばね定数を小さくすると、たわみ量が大きくなって、ばねが大型化するという問題がある。
【0003】
そこで、対象物と支持部の間に皿ばねを介在させる手法が提案されている。皿ばねの荷重特性は、図10に示す曲線のように設計することができるから、荷重を支えることができるとともにばね定数を小さく設定することができる領域Aを設定することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、皿ばねは、荷重印加により略平坦状をなすように変形するときに、皿ばねの内周縁部および外周縁部が、相手部材に対して摺動して摩擦が発生する。このため、皿ばねの使用範囲を図10の領域Aの範囲に設定した場合、実際の荷重特性には、図11(A)に示すヒステリシスが生じる。その結果、皿ばねの使用範囲での実質的な動的ばね定数は、図11(A)の点Pと点Qを結ぶ対角線lの傾きとなる。この場合、使用範囲の振幅を小さくしたとき、図11(B)に示すように、対角線lの傾きが大きくなるため、動的ばね定数が大きくなってしまう。
【0005】
以上のように従来の皿ばねでは、高周波振動のような微振幅の振動を入力すると、皿ばねの動的ばね定数が大きくなるため、高周波振動の伝達を抑制できないという問題があった。このような問題は、荷重印加時に内周縁部および外周縁部に設けられた折曲部が相手部材に面接触するように変形する特許文献1の皿ばねでは深刻である。そこで、荷重特性でのヒステリシスの発生を防止するために、皿ばねと相手部材との間の少なくとも一方に低摩擦部材を設ける特許文献2の技術が考えられる。しかしながら、特許文献2の技術では、皿ばねとは別に低摩擦部材を設けるため、部品点数が増加してしまう。
【0006】
一方、皿ばねの高さ方向にばらつきが生じた場合、高さ調整の必要がある。そこで、高さ調整のために上下面を研磨することが考えられるが、この場合、その上下面を研磨すると、荷重特性が大きく変化したり、内外径が変化して取付時にガタが生じたりするという問題があった。特に、皿ばねでは、それが適用される系に対応して内外径が設計値として予め決定されていることから、上記問題のため、実際には高さ調整が不可能であった。
【0007】
【特許文献1】特開平5−172171号公報
【特許文献2】特開2002−54685号公報
【0008】
したがって、本発明は、部品点数を増加することなく、荷重特性でのヒステリシスの発生を防止することができるとともに、高さの調整を行うことができるばねを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のばねは、第1部材と第2部材との間に設けられるばねであって、孔部を有する本体部と、本体部の内周部および外周部のうちの少なくとも一方の周部に設けられた突出部と、本体部と突出部との境界部に形成された角部とを備え、本体部は、第1部材および第2部材からの押圧力の方向に交差する方向に延在し、突出部は、本体部の周部から第1部材および第2部材のいずれかの部材に向けて突出してそこに当接する当接部を備え、押圧力が加えられた時、突出部が本体部の内周部に設けられている場合には内周部側の角部は前記本体部の延在方向の内側に移動するようにして弾性変形し、突出部が本体部の外周部に設けられている場合には外周部側の角部は本体部の延在方向の外側に移動するようにして弾性変形することを特徴としている。この場合、突出部の当接部と第1部材,第2部材の位置関係について次のようになる。すなわち、突出部が内周部および外周部のいずれかの周部に設けられた場合、その突出部は、本体部の周部から第1部材および第2部材のうちの一方の部材に向けて突出してそこに当接する当接部を備える。また、突出部が内周部および外周部の両方の周部に設けられた場合、内周部側の突出部は、本体部の内周部から第1部材および第2部材のうちの一方の部材に向けて突出してそこに当接する当接部を備え、外周部側の突出部は、本体部の外周部から第1部材および第2部材のうちの他方の部材に向けて突出してそこに当接する当接部を備える。
【0010】
本発明のばねでは、本体部は、第1部材および第2部材からの押圧力の方向に交差する方向に延在し、突出部は、本体部の周部から第1部材および第2部材のいずれかの部材(以下、相手部材)に向けて突出してそこに当接している。そのような本体部と突出部の境界部に形成した角部は、荷重印加時に相手部材からの押圧力に応じてその角度を変化させるように弾性変形することができる。この場合、角部は、上記のような位置関係にある本体部と突出部の境界部に形成された部位であるから、そのような角部は、荷重印加時にその角度を変化させながら、本体部の延在方向における突出部が設けられた周部の外部側に移動することができる。なお、ここでいう外部側とは、突出部が設けられた周部が内周部の場合、内周部の内側のことであり、突出部が設けられた周部が外周部の場合、外周部の外側のことである。
【0011】
以上のように荷重印加時に角部は弾性変形することができるので、突出部における角部と相手部材との間の距離を適宜設定することにより、荷重印加時に突出部の相手部材近傍の部位の変形を防止することができる。したがって、突出部の相手部材に対する摺動を防止することができるので、突出部と相手部材との間に摩擦が発生しなく、その結果、ばねの荷重特性にヒステリシスが発生しない。また、突出部の相手部材近傍の部位は不変形部であるから、その部位に研磨等の加工を施すことによりばねの高さを調整しても、その荷重特性の変化を防止することができる。
【0012】
本発明のばねは、種々の構成を用いることができる。たとえば、突出部として円筒部を用いることができる。この態様では、突出部に研磨等の加工を施しても、突出部は円筒部であるから、ばねの内外径は変化しない。また、本体部は、その内周部から外周部に向かって、傾斜状、階段状、あるいは、略S字状をなすことができる。さらに相手部材には、突出部のその部材に対する摺動を防止するストッパを設けることができる。この態様では、ばねの荷重特性でのヒステリシスの発生をより効果的に防止することができる。加えて、本体部および突出部の少なくとも一方に、スリットを形成することができる。この態様では、ばねの軽量化を図ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のばねによれば、本体部と突出部との境界部に形成された角部は荷重印加時に弾性変形することができるので、突出部の相手部材に対する摺動を防止することができる。したがって、突出部と相手部材との間に摩擦が発生しなく、その結果、ばねの荷重特性にヒステリシスが発生しない。また、突出部の相手部材近傍の部位は変形しないから、突出部に研磨等の加工を施すことにより突出部の高さを調整しても、ばねの荷重特性の変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係るばね1の構成を表し、(A)は斜視図、(B)は、ばね1の右側部分の側断面図である。
【図2】図1のばねの右側部分の動作状態を表し、(A)は、ばねの動作前(点線)と動作時(実線)の側断面図であり、(B)は、ばねの動作時の第1角部および第2角部の拡大側断面図である。
【図3】本発明例と従来例のばねの荷重特性を表すグラフである。
【図4】本発明の一実施形態に係るばねの変形例の構成を表す側断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るばねの他の変形例の構成を表す側断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るばねの他の変形例の構成を表す側断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るばねの他の変形例の構成を表す側断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るばねの他の変形例の構成を表す側断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るばねの他の変形例の構成を表す側断面図である。
【図10】皿ばねの荷重特性を表すグラフである。
【図11】ヒステリシスが生じる実際の皿ばねの荷重特性を表すグラフであり、(A)使用範囲の振幅が所定の大きさの場合、(B)使用範囲の振幅が(A)の場合よりも小さい場合のグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(1)実施形態の構成
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るばね1の構成を表し、(A)は斜視図、(B)は、ばね1の右側部分の側断面図である。図1(B)は、ばね1が第1部材101と第2部材102の間に設置されている状態を表している。
【0016】
ばね1は、たとえば中心部に孔部10Aが形成された本体部10を備えている。本体部10は、たとえば第1部材101および第2部材102からの押圧力の方向に対して交差する方向に延在する円錐部である。その円錐部は、たとえば下方に向かうに従って傾斜して皿ばねとしての機能を有する。
【0017】
孔部10Aは、たとえば円形状をなしている。本体部10の内周部には、第1部材101に向けて突出する第1円筒部11(突出部)が設けられている。第1円筒部11の上端部は、第1部材101に当接する当接部である。本体部10の外周部には、第2部材102に向けて突出する第2円筒部12(突出部)が設けられている。第2円筒部12の下端部は、第2部材102に当接する当接部である。
【0018】
本体部10と第1円筒部11との境界部には第1角部13が形成され、本体部10と第2円筒部12との境界部には第2角部14が形成されている。第1角部13および第2角部14は、第1部材101および第2部材102からの押圧力に応じて、その角度を変化させるように弾性変形可能である。第1角部13および第2角部14は、種々の手法により形成することができる。第1角部13および第2角部14は、たとえば第1角部13および第2角部14は、本体部10と第1円筒部11の境界部および本体部10と第2円筒部12の境界部を折り曲げて形成することができる。また、たとえば、本体部10と第1円筒部11の溶接および本体部10と第2円筒部12の溶接により形成することができる。
【0019】
(2)実施形態の動作
ばね1の動作について、おもに図2,3を参照して説明する。図2は、ばね1の動作状態を表し、(A)は、ばね1の動作前(点線)と動作時(実線)の側断面図であり、(B)は、ばね1の動作時の第1角部13および第2角部14の拡大側断面図である。なお、図2では、図1(B)と同様にばね1の右側部分のみを図示している。図3は、本発明例のばね1と従来例のばねの荷重特性を表すグラフである。
【0020】
図2(A)の点線で示すように、第1部材101と第2部材102の間に配置されたばね1に対して、第1部材101から下側方向の荷重を加える。すると、図2(B)の実線で示すように、ばね1は撓んで第1部材101が下方に移動する。図中の符号dは、ばね1の撓みの大きさを示している。
【0021】
ここで、本実施形態では、本体部10は、第1部材101からの押圧力の方向に交差する方向に延在し、ばね1の上側において、第1円筒部11は、本体部10の内周部から第1部材101に向けて突出してそこに当接している。そのような本体部10と第1円筒部11の境界部に形成した第1角部13は、荷重印加時に第1部材101からの押圧力に応じて角度αが変化するように弾性変形することができる。この場合、第1角部13は、上記のような位置関係にある本体部10と第1円筒部11の境界部に形成された部位であるから、そのような第1角部13は、荷重印加時に角度αを変化させながら、本体部10の内周部の外部側(図の左側)に移動することができる。
【0022】
このように荷重印加時に第1角部13は弾性変形することができるので、第1円筒部11が荷重印加時に第1部材101側の不変形部分(図2(B)中の点Sより上側)を有するように第1円筒部11の長さを適宜設定することにより、第1円筒部11の第1部材101側部分の変形を防止することができる。
【0023】
一方、ばね1の下側において、第2円筒部11は、本体部10の内周部から第2部材102に向けて突出してそこに当接している。この場合、第1角部13と同様な機能を有する第2角部14は、荷重印加による弾性変形時に、第2部材102からの押圧力に応じて、角度βを変化させながら、本体部10の外周部の外部側(図の右側)に移動することができる。
【0024】
このように荷重印加時に第2角部14は弾性変形することができるので、第2円筒部12が荷重印加時に第2部材102側の不変形部分(図2(B)中の点Tより下側)を有するように第2円筒部12の長さを適宜設定することにより、第2円筒部12の第2部材102側部分の変形を防止することができる。
【0025】
以上のことから、第1円筒部11および第2円筒部12の摺動を防止することができるので、第1円筒部11と第1部材101との間および第2円筒部12と第1部材102との間に摩擦が発生しない。図3に示すように、相手部材と摺動する従来の皿ばねでは、荷重特性に摩擦によるヒステリシスが発生していたが、相手部材と摺動しない本発明例のばね1では、荷重特性に摩擦によるヒステリシスが発生しない。
【0026】
また、第1円筒部11および第2円筒部12の相手部材近傍の部位は不変形部であるから、その部位に研磨等の加工を施すことによりばね1の高さを調整しても、その荷重特性の変化は抑制される。特に、本発明の突出部として第1円筒部11および第2円筒部12を設けたので、第1円筒部11および第2円筒部12に研磨等の加工を施しても、ばね1の内外径は変化しない。
【0027】
(3)変形例
以上のように上記実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。なお、以下の変形例では、上記実施形態と同様な構成要素には同符号を付し、その説明は省略している。
【0028】
たとえば、上記実施形態では、本体部10および第1,第2円筒部11,12に構造を形成しなかったが、それら部位に種々の構造を形成してもよい。たとえば、本体部10および第1,第2円筒部11,12の少なくとも一方にスリットを形成することができる。具体的には、図4に示すばね2では、第1,第2円筒部11,12の側面部にスリット21,22を形成している。図5に示すばね3では、本体部10にスリット31を形成している。このようなスリット21,22,31は適宜組み合わせることができ、その形状は適宜設定することができる。この態様では、ばねの軽量化を図ることができる。
【0029】
また、たとえば上記実施形態では、内周部から外周部に向かって下方に傾斜する円錐状をなす本体部10を用いたが、これに限定されるものではなく、本体部は種々の形状を用いることができる。たとえば、図6に示すばね4では、内周部から外周部に向かって階段状をなす本体部40を用いている。本体部40の階段状は、縦方向部41および横方向部42からなる複数の段部を有している。縦方向部41と横方向部42の境界部には、角部43が形成され、段部どうしの境界部には角部44が形成され、角部43,44は、上記実施形態の角部13,14と同様な機能を有することができる。
【0030】
図7に示すばね5では、略S字状をなす本体部50を用いている。図8に示すばね6では、内周部から外周部に向かって上方に傾斜する円錐状をなす本体部60を用いている。この場合、第1円筒部11および第2円筒部12の高さが高い。また、本体部10は、第1円筒部11および第2円筒部12に略直交する平面状をなしてもよい。
【0031】
さらに上記実施形態では、本発明の突出部として第1,第2円筒部11,12を用いたが、これに限定されるものではなく、突出部は種々の構成を用いることができる。たとえば、ばねのたわみが小さい場合には、第1,第2円筒部11,12はいずれか一方のみを用いることができる。また、突出部の形状は、上記実施形態に示す円筒状に限定されるものではなく、円錐状等の種々の形状を用いることができる。また、この場合、その断面は、直線状に限定されるものではなく、略S字状などの曲線状であってもよい。
【0032】
加えて第1円筒部101および第2円筒部102が当接する第1部材101および第2部材102には、ストッパを形成することができる。たとえば図9に示すように、第1,第2円筒部11,12係合する凹部101A,102Aをストッパとして第1部材101および第2部材102に形成することができる。ストッパは、凹部101A,102Aに限定されるものではなく、たとえば第1円筒部101あるいは第2円筒部102を固定する固定手段であればよく、種々の変形が可能であるのは言うまでもない。この態様では、ばね1の荷重特性でのヒステリシスの発生をより効果的に防止することができる。
【0033】
上記実施形態では、第1円筒部11を第1部材101向けて突出させてそこに当接させ、かつ第2円筒部12を第2部材102に当接させたが、第1円筒部11を第2部材102向けて突出させてそこに当接させ、第2円筒部12を第1部材101向けて突出させてそこに当接させてもよい。上記実施形態では、第1円筒部11および第2円筒部12を本体部の内周部および外周部に形成したが、第1円筒部11および第2円筒部12のいずれか一方のみ形成してもよい。また、第1角部13および第2角部14の形状は、図示の形状に限定されるものではなく、曲面形状等の種々の形状に変更可能である。
【0034】
以上のようなスリットなどの構造の形成や、本体部の形状、突出部の形状、ストッパの形成、突出部の形成位置および突出方向、および、第1角部および第2角部の形状等の変形例は適宜組み合わせることができるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0035】
1〜6…ばね、10…本体部、10A…孔部、11…第1円筒部(突出部)、12…第2円筒部(突出部)、13…第1角部(角部)、14…第2角部(角部)、101…第1部材、101A…凹部(ストッパ)、102…第2部材、102A…凹部(ストッパ)、α,β…角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と第2部材との間に設けられるばねにおいて、
孔部を有する本体部と、
前記本体部の内周部および外周部のうちの少なくとも一方の周部に設けられた突出部と、
前記本体部と前記突出部との境界部に形成された角部とを備え、
前記本体部は、前記第1部材および前記第2部材からの押圧力の方向に交差する方向に延在し、
前記突出部は、前記本体部の前記周部から前記第1部材および前記第2部材のいずれかの部材に向けて突出してそこに当接する当接部を備え、
前記押圧力が加えられた時、前記突出部が前記本体部の前記内周部に設けられている場合には内周部側の前記角部は前記本体部の延在方向の内側に移動するようにして弾性変形し、前記突出部が前記本体部の前記外周部に設けられている場合には外周部側の前記角部は前記本体部の延在方向の外側に移動するようにして弾性変形することを特徴とするばね。
【請求項2】
前記突出部は、円筒部であることを特徴とする請求項1に記載のばね。
【請求項3】
前記当接部は、前記押圧力が変化しても、前記当接部が当接する前記部材に対して摺動しないことを特徴とする請求項1または2に記載のばね。
【請求項4】
前記本体部は、その内周部から外周部に向かって、傾斜状、階段状、あるいは、略S字状をなしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のばね。
【請求項5】
前記本体部および前記突出部の少なくとも一方には、スリットが形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のばね。
【請求項6】
前記突出部が当接する前記部材には、前記当接部のその部材に対する摺動を防止するストッパが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のばね。
【請求項7】
前記角部の弾性変形時、前記突出部における前記当接部側の部分は変形しないことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のばね。
【請求項1】
第1部材と第2部材との間に設けられるばねにおいて、
孔部を有する本体部と、
前記本体部の内周部および外周部のうちの少なくとも一方の周部に設けられた突出部と、
前記本体部と前記突出部との境界部に形成された角部とを備え、
前記本体部は、前記第1部材および前記第2部材からの押圧力の方向に交差する方向に延在し、
前記突出部は、前記本体部の前記周部から前記第1部材および前記第2部材のいずれかの部材に向けて突出してそこに当接する当接部を備え、
前記押圧力が加えられた時、前記突出部が前記本体部の前記内周部に設けられている場合には内周部側の前記角部は前記本体部の延在方向の内側に移動するようにして弾性変形し、前記突出部が前記本体部の前記外周部に設けられている場合には外周部側の前記角部は前記本体部の延在方向の外側に移動するようにして弾性変形することを特徴とするばね。
【請求項2】
前記突出部は、円筒部であることを特徴とする請求項1に記載のばね。
【請求項3】
前記当接部は、前記押圧力が変化しても、前記当接部が当接する前記部材に対して摺動しないことを特徴とする請求項1または2に記載のばね。
【請求項4】
前記本体部は、その内周部から外周部に向かって、傾斜状、階段状、あるいは、略S字状をなしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のばね。
【請求項5】
前記本体部および前記突出部の少なくとも一方には、スリットが形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のばね。
【請求項6】
前記突出部が当接する前記部材には、前記当接部のその部材に対する摺動を防止するストッパが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のばね。
【請求項7】
前記角部の弾性変形時、前記突出部における前記当接部側の部分は変形しないことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のばね。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−237042(P2011−237042A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186212(P2011−186212)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【分割の表示】特願2008−125398(P2008−125398)の分割
【原出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【分割の表示】特願2008−125398(P2008−125398)の分割
【原出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)
【Fターム(参考)】
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