説明

ばら材料を貯蔵し取り出すためのコンテナ

【課題】ばら材料を貯蔵しタンク内に取り出すための新規なコンテナを提供すること。
【解決手段】本発明によるコンテナ(1)は、閉鎖端部(3)及び開放端部(4)を有する容器(2)と、容器(2)内に配置され、容器開放端部(4)の方向で吐出口に向かって先細りになるホッパー(5)と、ホッパー(5)及び容器(2)を閉鎖する引裂き可能な膜(7)とを備える。また、本発明は、該コンテナによって補充されるタンク、及びコンテナによりタンクを補充する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばら材料を貯蔵しタンク内に取り出すためのコンテナ(入れ物)に関する。より詳細には、本発明はコーヒー粉末タンクを補充するためのコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野では、高温又は低温の飲料製品を作成するための種々の自動飲料用装置が知られている。従来の飲料用装置では、飲料又は食品を生成するために、粉末補充可能タンク中に貯蔵された計量された量の水溶性飲料粉末、及び水源から供給された計量された量の温水又は冷水が混合チャンバ内で混合され、次いでカップに分配されて供給される。タンクの補充は、例えば、袋の再開閉を可能にするジッパーを備えたガセット袋など使い捨ての粉末袋タイプの包装品から粉末を注入することで構成される。この操作の間、操作者はいくつかの問題に遭遇する。
【0003】
補充されるべきタンクに補充袋から粉末を移し変える際、かなりの粉末の損失が生じる場合がある。結果として一定の粉末が失われ、またタンクから落ちた粉末によってコーヒー装置が汚れることもある。装置の外観が汚れるのを防ぎ、並びに衛生上の問題を回避するために装置の周期的な清掃が必要となる。
【0004】
他の問題は、粉末が1つのコンテナから他のコンテナに流れる際、空気と混合することによって引き起こされるものであり、これは特に空気及び水に敏感な粉末を使用する際、外部環境による汚染の可能性があるため、衛生上の問題を生じる恐れがある。さらに、空気は一般に、移し変えられたコーヒー粉末の香りを損なうことがある。最後に、乾燥粉末は極度に吸湿性の物質である場合があり、したがって、装置内での重力による粉末の流れ及び移送を妨げる塊及びケークの形成につながる恐れがある。
【0005】
また、コーヒー装置タンクを補充するのに使用される使い捨てコンテナに関連する問題がある。問題の1つは、特定のコーヒー粉末で最上のコーヒー飲料を提供するために、装置が調整されることがよくあるという事実に起因する。装置内で補充されるコーヒー粉末のタイプを誤った場合、飲料の品質が低下し、消費者を落胆させることになる。改良された飲料の分配を保証するために、装置のタイプに詳細に適合したコンテナを提供することが理解されるであろう。他の問題は、消費者の購買を考慮して、軽量で使い捨てのコンテナを消費者に提供する必要性である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、特に職場又は家庭用の軽食又は飲料自動販売機として使用する場合、上述したような装置を、高レベルの清浄度を有し大気との接触が限定される簡便な取り外し可能な包装品から流動性の物質で補充することができる満足できるコンテナに対する要望がある。詳細には、迅速且つ清浄、及び効果的な方法でタンクに又は装置に直接適合することができる粉末補充可能コンテナは存在しない。
【0007】
また、その形態が扱いやすく、貯蔵しやすく、コンパクト性を同時に実現し、最適な貯蔵容量を実現するコンテナに対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこれらの欠点を解決する。
【0009】
第1の態様において本発明は、
閉鎖端部及び開放端部を有する容器と、
容器内に配置され、容器開放端部の方向で吐出口に向かって先細りになるホッパーと、
ホッパー及び容器を閉鎖する引裂き可能な膜と
を備えたばら材料を貯蔵し取り出すためのコンテナに関する。
【0010】
本発明は、ばら材料を貯蔵、移送及び販売するために、閉鎖的な方法で、粒状体、顆粒、粒子、粉末などの微粒子の形態で、或いは液体、ペースト又はゲルの形態のいずれかであり得るばら材料用のコンテナを提供する。さらに、このような製品を貯蔵するために、コンテナは、ばら材料によって充填されるように設計された装置又はタンクに、コンテナからばら材料を容易に取り出すことを可能にする。
【0011】
本発明のコンテナは主に、ばら材料を収容し貯蔵するように機能する、閉鎖端部及び開放端部を有する容器を備える。任意の形状の容器を使用することができる。容器の部分は、円形、楕円形、正方形などであってよい。この部分の形態及びサイズは、コンテナをより良好に扱うため、又は市場アピールを提供するために、容器の長さに沿って変えることができる。本発明の好ましい実施形態において容器は、円形部分又は楕円形部分を有する筒状体であり、このような形態により容器が製造しやすく貯蔵しやすく、また扱いやすくなる。容器は、プラスチック、厚紙、アルミニウム又はこのような材料の混合物及び/又は積層物から選択される少なくとも1つの材料で形成することができる。好ましい材料は、この順番に従って紙、ポリエチレン、アルミニウム、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンのシートの積層物である。これらの材料は容器の軽量化につながるため好ましいが、任意の他の材料を使用して容器を形成することもできる。これらの材料は、良好な湿度バリア、及び任意で良好な酸素バリアを提供しなければならない。内部に貯蔵されることが意図されるばら材料の性質により、これらの材料は、紫外線及び紫外線光遮断特性を有する場合もある。特定の実施形態において容器の閉鎖端部は、例えば透明プラスチックを使用して、少なくとも部分的に透明であってよい。このように端部が透明であることにより、ばら材料が使用される際、コンテナ内の残りのばら材料のレベルを調整することができる。容器のこの透明の部分はまた、同様の目的で容器の開放端部付近に配置することもできる。好ましくは、容器の開放端部は、フランジを有する。このフランジは、コンテナの引裂き可能な膜を固定するのに有益である。
【0012】
本発明のコンテナは、容器からコンテナの外にばら材料を取り出すことができるように機能するホッパーを備える。このホッパー又は漏斗型の貯蔵所により、ばら材料が重力によって容器の開放端部に配置された貯蔵所の中に落ちることが可能になる。本発明によると、ホッパーは、容器の開放端部の方向に先細りになるように完全に容器内に配置され、ホッパーの吐出口に一致するその先細りの端部が、容器の開放端部に向く。ホッパーが、完全に容器の空間内に配置されるという事実によって、その先細りの端部は、最大でも容器の開放端部と同一面、又は容器の空間の内部にくぼんで形成されるかのいずれかである。ホッパーと容器の相対的な配置によって、ホッパー吐出口の周辺全体に沿ってホッパーの壁と容器の壁の間に溝が延在する。
【0013】
ホッパーは通常、ばら材料を貯蔵するために容器の最も重要な空間にさせるために、容器内の開放端部付近の容器内部に配置される。ホッパーは、加熱密封、接着剤などによる高周波接着によって、容器内に固定することができる。ホッパーは、容器と同様の形態を有する外部スカートを有してよく、該スカートは容器内部に嵌合し、例えば、その上にもたれることによって容器内部にホッパーを配置することができる。このスカートは、ホッパーが滑るのを阻止するために、容器の開放端部の縁部上にもたれることが可能な停止縁部を有することができる。
【0014】
ホッパーは、任意の形態を有することができる。通常、それは円形を有するが、コンテナによって補充されるタンクの開口と同様の特定の形態を有することも可能であり、この特定の形態は、適合されない製品でタンクを補充するのを阻止することができる。本発明の好ましい実施形態によると、ホッパーは部分円錐形状を有する。
【0015】
ホッパーのテーパ角は、ばら材料の性質及び粒度分析に左右される。水溶性のコーヒー粉末の場合、ホッパーは好ましくは少なくとも10°、最大で80°のテーパ角αを呈し、好ましくは15°〜50°で構成され、テーパ角は、ホッパーの先細りの壁とホッパー中央軸の間の角度に一致する。一般に粉末の貯蔵に関して、粉末がより微細に又はより高密度になると、テーパ角(約20°)が急勾配となり、ホッパー吐出口の幅が広がる。粉末粒子が大きくなる、又は粉末が軽くなると、テーパ角(約45°)はより平坦になり、ホッパー吐出口は小さくなる。
【0016】
本発明の好ましい実施形態において、ホッパーは、ホッパーの先細りの端部に結合されたばら材料誘導デバイスを備える。該誘導デバイスは、例えば筒状体であってよい。この実施形態によると、誘導デバイスの出口は、ホッパー先細り端部の代わりにホッパー吐出口を形成する。この好ましい実施形態が実装されるとき、用語「ホッパー吐出口」は、誘導デバイス出口を示す。本発明によると、ホッパー全体及びそのばら材料誘導デバイスは、容器の空間内にある必要があり、誘導部材出口は、引裂き可能な膜によって閉鎖される。
【0017】
ホッパーの先細り端部の部分及び容器の開放端部は、全体として対称的な形態を有し、同一の対称軸を有する。本発明の好ましい実施形態において、ホッパー先細り端部は、円形部分を有し、容器開放端部も円形部分を有し、両方の円形部分は、同一の中心を有する。ホッパーは、好ましくは高密度ポリエチレンポリプロピレンなどプラスチックで形成される。
【0018】
最後に本発明のコンテナは、ホッパー及び容器を同時に閉鎖する引裂き可能な膜を備える。この引裂き可能な膜は、容器の空間内でホッパーを閉鎖する。引裂き可能な膜は、ホッパー先細り端部、又は上記の好ましい実施形態によるばら材料誘導デバイスの吐出口と接触する。引裂き可能な膜は、コンテナがばら材料を貯蔵する間、コンテナを閉鎖することを目的としている。好ましくは膜は、その表面に接触圧力をかけることによって引裂くことができる。このような引裂き機能は、膜を引裂くことができるように、膜を貫通する小さな穿孔を作成することによって実現することができる。膜は、断裂線を有することができる。断裂線が膜の中央で交差する直線である場合、より良好に膜の開放が実現され、材料をより良好に取り出すことが可能であることが証明されている。しかしながら、他の形態の断裂線を使用することもできる。膜は引裂き可能な任意の材料で形成されてよく、これは紙、アルミニウム、ポリマーシート及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの材料であってよい。好ましい膜は、この順で紙、ポリエチレン、アルミニウム、及びポリエチレンのシートの積層物である。
【0019】
第1の様式によると、ホッパーの吐出口部は、実質的に容器の開放端部の面内にあってよい。この共通の面は通常、ホッパーの主軸に対して垂直である。第1の様式によると、引裂き可能な膜は、同時にホッパーの吐出口及び容器開放端部を覆う。第1の様式において、引裂き可能な膜は、容器の開放端部、及び同一面内に配置された吐出口(ホッパーの先細り端部又は誘導デバイスの出口のいずれか)を同時に閉鎖する。膜は、容器の開放端部及び吐出口に共通なこの特定の面内に配置される。
【0020】
本発明の第2の様式において、ホッパーの吐出口の縁部は、容器内にくぼんで形成されてよい。ホッパーの吐出口の縁部は、容器の開放端部から後ろに下がっている。この第2の様式において、引裂き可能な膜は、ホッパーの吐出口の縁部を覆い、容器の内壁に接続される。
【0021】
コンテナは、引裂き可能な膜の上に保護キャップを備えるとよい。このキャップによりコンテナを移送する際、引裂き可能な膜を保護することができる。このキャップは、可剥性カバーであってよい。
【0022】
コンテナの異なる要素は、永続的又は取り外し可能な手段によって接続されてもよい。永続的手段は、密封、溶接、接合、不可逆クリッピング手段又は他の手段であるように設計され得る。取り外し可能な手段は、ねじ込み部で形成されたコンテナ、又はねじ込み部と協同して作用するコンテナの要素の1つに対する同等の相補的な機械的係合手段、又はコンテナの別の要素に属する相補的な機械的係合手段を意味してよい。
【0023】
本発明の好ましい実施形態によると、コンテナはコーヒー粉末で充填される。しかしながらこのタイプのコンテナは、食品又は非食品分野のいずれかにおける任意の他のばら材料、特に空気に敏感で、空気との接触を制限した状態でコンテナから別の容器に移送しなければならない材料を貯蔵及び取り出すのに使用することができる。食品物質は、高温又は低温の、泡状の又は非泡状飲料品に戻すことを目的として濃縮されたいずれかの食品であってもよい。例えばばら材料は、水溶性ミルク、コーヒー、ココア、お茶又はそれらの混合物の粉末であってもよい。例えば乾燥マッシュポテト又は他の乾燥食品、ソース、又はグレイビー粉末、スープ粉末などの他の粉末食品を本発明で使用してもよい。本発明のコンテナはまた、空気との接触が制限され、迅速に装置内に供給しなければならない薬学上の合成物又は化学合成物を貯蔵することができる。このような装置は、包装装置又はプロセス装置であってよい。
【0024】
内部に貯蔵されたばら材料による本発明のコンテナの容器部分の充填は一般に、閉鎖端部がまだ閉鎖されておらず、他のすべての要素(ホッパー、膜、最終保護キャップ)がすでに提示され組み立てられているコンテナにおいて実現される。ばら材料が中に補充されると、容器はその閉鎖端部で限定的に閉鎖される。
【0025】
本発明のコンテナは使用されると、ばら材料を取り出すために保護膜が穿孔され、コンテナはもはや使用することができなくなる。コンテナは空になると廃棄される。
【0026】
特定の実施形態によると、容器の一部は、可撓性パウチであってよい。この可撓性パウチは通常、容器の閉鎖端部に対応し、容器の残りの部分は、ホッパー、容器及び膜の相対的協働を可能にするために剛性である。
【0027】
本発明のコンテナはいくつかの利点を有する。コンテナの機能(ホッパー及び容器に対するその位置)が容器内で採用されるという事実によって、任意の形状、具体的には製造しやすく、貯蔵しやすく、扱いやすい形状の容器を選択することも可能である。同様の理由で、容器から成分が延出せず操作中壊れることがないため、コンテナは堅固である。さらに、コンテナはコンパクトであり、その内部空間は、容器を空ける及び接続の機能のための空間を限定しながら、できるだけ多くのばら材料を貯蔵するように最適化される。
【0028】
本発明のコンテナの別の利点は、大量のばら材料を貯蔵し、同時に適合されたタンク内のホッパーを介して、このコンテナを迅速に空にすることが可能なことである。ホッパーは、その移送中物質を保護しながら、物質を排出する時間を短縮する。
【0029】
第2の態様において本発明は、ばら材料を貯蔵し、上記に記載したコンテナによって補充することが可能なタンクに関連し、該タンクは、コンテナの引裂き可能な膜を穿孔しコンテナのホッパーと協働するための手段を備える補充開口を有する。コンテナの引裂き可能な膜を穿孔しホッパーと協働するための手段は好ましくは、コンテナ容器の開放端部の部分より小さく、ホッパー吐出口の部分より大きな出口部分を有する導管である。タンク導管の出口部分は一般に、対称的形態、好ましくは円形態を有する。適合されない材料でタンクを補充することを回避するために、ホッパーの吐出口と正確に協働する特定の形態を有することができる。これらの関連部分に差があることにより、コンテナの膜を穿孔する際、タンクの導管がコンテナ容器開放端部に嵌合することができ、ホッパーの吐出口がタンクの導管に嵌合することができ、これによりばら材料が、空気に触れることなくコンテナを介してホッパーに直接流れることが可能になる。
【0030】
一様式において、タンクは、コンテナがそれを補充をすることができる簡素な非使い捨ての広口びんである場合がある。広口びんを補充した後、コンテナは廃棄される。したがって消費者は、新しい非使い捨ての広口びんを再度買う必要がなく、補充コンテナの費用が安くなることは彼にとっても有益である。補充コンテナは紙などのリサイクル材料で形成することができるので汚染が少ない。最後に使い捨て補充コンテナは軽量であり得る。
【0031】
別の様式において、タンクはコーヒー装置のコーヒー粉末タンクとすることができる。このタンクは、コーヒー装置から取り外し可能又は取り外しできない場合がある。このようなタンクは、コーヒー装置が調整されないコーヒー粉末を装置に補充するのを回避するのに有用である。他のコーヒーを装置に充填することは不可能である。ばら材料を使用する他の任意の装置のタンクであってもよい。
【0032】
第3の態様において本発明は、上記に記載のコンテナによって補充することが可能であり、コンテナの引裂き可能な膜を穿孔しコンテナのホッパーと協働するための供給ユニット提示手段を有するコーヒー装置に関連する。コンテナの引裂き可能な膜を穿孔しコンテナのホッパーと協働するための手段は好ましくは、コンテナ容器の開放端部の部分より小さく、ホッパー吐出口の部分より大きな部分を有する導管である。導管の出口部分は一般に対称的形態、好ましくは円形態を有する。これは、適合されない材料でタンクを補充することを回避するために、ホッパーの先細り端部と正確に協働する特定の形態を有することができる。タンクに関してこれら関連部分に差があることにより、コンテナの膜を穿孔する際、コーヒー装置の導管がコンテナ容器開放端部に嵌合することができ、ホッパーの吐出口は、タンクが補充されるコーヒー装置の導管に嵌合することができ、これによりばら材料がコンテナからコーヒー装置に流れることが可能になる。
【0033】
第4の態様において本発明は、本発明によるコンテナによってタンクを補充する方法であって、該タンクが、コンテナの引裂き可能な膜を穿孔しコンテナのホッパーと協働するための補充開口提示手段を有し、
コンテナ引裂き可能膜がタンク補充開口に面するようにコンテナ及びタンク補充開口を配置するステップと、
コンテナ引裂き可能な膜を破るために、コンテナをタンク補充開口に対して押す、又はタンク補充開口をコンテナに対して押すステップと、
ばら材料が重力によってタンク内に流れるように、最後にコンテナ及びタンクの組立体を反転させるステップと
を備える方法に関連する。
【0034】
方法の第1ステップにおいて、膜はタンクの補充開口に面する。通常コンテナが逆さまに配置されることは、膜を備えたコンテナの端部がコンテナの底部になることを意味し、したがってばら材料は、コンテナ内のホッパー及びホッパーの吐出口に向かって重力により配向される。また第2ステップにおいて、操作者は、コンテナ引裂き可能な膜を破るために、補充開口に対してコンテナを押す。上記のようにコンテナが逆さまに配置される場合、ばら材料はすぐに、コンテナから穿孔された膜を通ってタンク内に流れる。したがって、使用者がコンテナを反転させ、補充されるべきタンクに対してコンテナを押すことによって、簡単な動作で手動による補充操作を容易に実行することができる。第1のステップにおいて、コンテナがタンクの補充開口に対して逆さまに配置されない場合、ばら材料がタンク内に流れるように、最終的にコンテナ及びタンクの組立体を反転させる必要がある。この最後の可能性は、コンテナが特に重く、これを正確に配置しタンク補充開口に対してコンテナの端部を押すことが困難であるとき、好ましい場合があり、空のタンクを逆さまに配置し、コンテナに面するようにそれを配置し、コンテナに対してそれを押し、コンテナ及びタンクの組立体を反転させることがより容易である場合がある。
【0035】
その結果、単一の動作で膜を開放しばら材料を空にすることが可能であり、これは操作者及び使用者に高く評価される。
【0036】
タンクの容積が少なくともコンテナの容積と等しい場合、すべてのばら材料がタンク内に流れ、コンテナが空になるとコンテナは廃棄される。
【0037】
タンクの容積がコンテナの容積より少ない場合、これはタンクがコーヒー装置の供給ユニットと協働するコーヒー装置内の小さな貯蔵所である場合であり、コンテナはタンクの上の所定の位置に留まり、次のステップで拡充タンクとして使用することができる。小さなキッチンにおいては、小型且つコンパクトであり、重要な量のコーヒーの貯蔵、容器内のホッパーの最適な配置による特性を提供するコンテナを有することが高く評価される。
【0038】
最後の態様において本発明は、補充開口を有するタンク又は装置を補充するための本発明によるコンテナの用法に関し、該補充開口提示手段は、コンテナの引裂き可能な膜を穿孔しコンテナのホッパーと協働するためのものである。上記のコンテナの主たる用法は、補充することである。実際に、このコンテナは好ましくは軽量で使い捨ての材料で形成されることにより、消費者がばら材料をメインの非使い捨てタンクに再充填する又は装置に直接供給することが可能になる。この用法は、補充されるタンク又は装置が、本発明のコンテナと協働する補充開口を有する場合に可能である。このような理由から、ばら材料が容器からホッパーを介してタンク又は装置内の補充開口内に流れることができるように、補充開口はコンテナの引裂き可能な膜を穿刺しコンテナのホッパーと協働するための手段を有する。好ましくはコンテナの引裂き可能な膜を穿刺しコンテナのホッパーと協働するためのこれらの手段は、コンテナ容器の開放端部の部分より小さく、ホッパー吐出口の部分より大きな部分を有する導管である。
【0039】
第1の様式によると、本発明のコンテナはタンクを補充するのに使用される。このタンクはコーヒー装置のコーヒー粉末タンク又は非使い捨てのコーヒー粉末広口びんであってよい。
【0040】
第2の様式によると、本発明のコンテナは、例えばコーヒー粉末タンクを備えていないコーヒー装置に関して、コーヒー装置を直接補充するのに使用される。この場合において、コーヒー装置の補充開口はコーヒー装置の供給ユニットと直接協働することができる。
【0041】
本発明の目的はいくつかの利点を有する。本発明によるコンテナにより、タンクの外にばら材料を損失させることなくタンクの補充が可能になる。さらにコンテナは、コーヒー粉末などその香りの損失を避ける物質、又は吸湿性粉末について最も重要となり得るばら材料の空気との接触を阻止する。本発明のコンテナにより、特定の粉末によって飲料物を調合するように調整された装置を誤って補充することを阻止し、該コンテナと協働する手段を有するタンクの補充が可能になる。
【0042】
本発明の特徴及び利点は、以下の図面と関連してよりよく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
図1は、本発明によるコンテナを示す。コンテナは、ここでは閉鎖端部3及び開放端部4を有する剛性の筒状体である容器2を備える。
【0044】
特定の様式によると、図示されないが、容器の長さは縮小することができ、容器の閉鎖端部は、コンテナ内に大量のばら材料を貯蔵することが可能な可撓性パウチによって閉鎖することができる。このタイプの可撓性パウチは、飲用物の分配器内で飲用物を調合するために、水溶性の食品粉末を貯蔵し分配するのに特に適している。このタイプの可撓性パウチが飲用物の分配器内に配置される際、可撓性の部分は分配器内に引っ掛けられ、剛性の部分は、装置の飲用物調合側部への接続に使用される。この剛性部分は、以下に記載するコンテナと同様の特徴を有する。
【0045】
図1に示されるように、コンテナは、容器の空間内で、容器2の開放端部4付近に配置されるホッパー5を備える。該ホッパーは、全体の容器の部分に延在し、容器の開放端部4に面する吐出口6に向かって先細りになる。ホッパーは、容器2の内壁と同様の形態を有する円形スカート又は外部フランジ12に装着される。このスカートは、容器2に嵌合し、容器内にホッパーを配置するのを助ける。このスカートは、容器開放端縁部に当接し、ホッパーが容器の壁に沿って滑るのを防ぐ停止縁部11を有する。ホッパーが、その吐出口が容器開放端部に面して容器の空間内に配置される事実によって、溝13が、ホッパー吐出口の周辺全体に沿ってホッパーの先細りの壁と容器の壁の間に延在する。
【0046】
引裂き可能な膜7が容器2の開放端部4及びホッパー吐出口6の上に固定され、容器の開放端部及びホッパーの先細り端部を同時に閉鎖する。引裂き可能な膜は、さらに詳細に図2a〜2cに記載するように、容器又はホッパー停止縁部のいずれかの異なる変形体によって固定することができる。
【0047】
内容物を取り出すのにコンテナが使用される前に膜が破られるのを防止するために、最後に引裂き可能な膜7の上に保護キャップ8が配置される。
【0048】
図2a〜2cにより、閉鎖され異なる方法で引裂き可能な膜を装着する際のコンテナの異なる要素の相対的位置が十分理解される。ホッパー吐出口6の部分が容器2の開放端部4と同一面内になるように、ホッパー5が容器空間2の中に配置されているのが明確に現れている。このような理由から、容器2の開放端部4に配置された膜7は、容器2及び吐出口6を同時に閉鎖する。保護キャップ8が引裂き可能な膜7を保護する。ホッパー5の大きな方の端部が装着されるスカート12により、容器の内側でのホッパーの配置を固定することができる。スカート12は、容器の壁の内側にぴったり嵌合する。
【0049】
図2aにおいて、スカート12は、ホッパーが滑るのを防ぐために、容器の開放端部の縁部にホッパーを引っ掛けるために、容器の開放端部付近に停止縁部11を有する。膜7は、ホッパーの停止縁部上に固定される。
【0050】
図2bにおいて、ホッパーのスカート12は、容器の開放端部縁部上に位置する停止縁部を有しない。膜は、容器開放端部上に固定される。図2bは、ホッパーの先細りの壁とホッパー中央軸XX’の間の角度に対応するホッパーのテーパ角α画定を立証する。
【0051】
図2cにおいて、容器2は、その開放端縁部上にフランジ14を有し、膜は、この容器フランジ14上に固定される。ホッパーを容器の開放端縁部に引っ掛けるために、容器の開放端縁部付近に停止縁部11を有するスカート12を備えたホッパーを使用することも可能であるが、ホッパー停止縁部によって再び覆われることのないフランジ14の一部に膜を固定することができるように、該停止縁部は、容器の開放端部のフランジ14より短くなければならない。
【0052】
図2a〜2cは、ホッパー吐出口部分が容器の開放端部分と実質的に同一面内にあることを示す。この面内に固定された膜は、ホッパー吐出口及び容器の開放端部を同時に閉鎖する。
【0053】
図2dは、ホッパーの吐出口の縁部が、容器の開放端部と同一面内ではなく、容器内にくぼんで形成される本発明の第2の様式を示す。膜7は、ホッパーの吐出口6及び容器を閉鎖する。これは、容器の壁の内側に固定される。
【0054】
図2eは、ホッパー5が、ホッパーの先細り端部に結合された誘導デバイス15、ここでは筒状体を有する本発明によるコンテナを示す。その誘導デバイスを備えたホッパーは、ホッパー吐出口に一致する誘導デバイスの出口が、引裂き可能な膜7によって閉鎖されるように、完全に容器の空間内に配置され位置決めされる。膜は、同時に容器開放端部を閉鎖する。誘導デバイスに結合されたホッパーによるこの実施形態は、図2dに示されるように、ホッパー、及び誘導デバイス、及び膜をすべて容器の内側にくぼませて形成することによって、実施することもできる。
【0055】
これらの異なる様式及び実施形態のすべてにおいて、膜がホッパー吐出口6、及びホッパー吐出口の周辺全体の周りでホッパー壁と容器の壁の間に存在する溝13を同時に覆うことがわかる。膜によって、粉末は安全に保存される。膜のすぐ下の溝の存在によって、タンク補充開口によって膜を引裂くことができ、同時にホッパーがタンク補充開口の内に滑ることができる。空気との接触が制限される。
【0056】
図3a、3b、4a及び4bは、本発明によるコンテナでタンクを補充する方法を示す。
【0057】
図3a及び3bは、本発明によるコンテナ1を補充されるべきタンク9の上に逆さまに配置するステップを示す。コンテナ1の中のばら材料はホッパーの吐出口に向かい、引裂き可能な膜7によって保持される。タンク9はコンテナの引裂き可能な膜7を穿孔しコンテナのホッパー5と協働するための補充開口提示手段10を有する。これらの穴あけ手段10は、直径D10を有する筒状体である。この直径は、吐出口6の円の直径Dより大きく、容器2の開放端部4の部分の直径Dより小さい。
【0058】
図4a及び4bは、コンテナ1をタンク補充開口に対して力Fで押すステップを示す。力Fはまた、コンテナに対してタンクによって与えることもできることに留意されたい。力Fは、コンテナ引裂き可能な膜7に対して膜を穿孔するのに十分な、タンクの穴あけ手段10の圧力を生成する。膜7が破れると、穴あけ手段10は、ホッパーの先細りの壁と容器の壁の間に存在する周辺溝13内でコンテナの容器2に進入し、ホッパー5と協働する。ホッパー吐出口の周辺全体に沿って延在するこの溝によって、ホッパーとタンクの筒状体10の協働が極めて厳格になる。ばら材料は次いで、空気中に漏れたり、コンテナとタンクの間に空気が進入することなく、容器2からタンク10に直接流れる。
【0059】
図3a及び4aのコンテナは、コンテナを空にする際、コンテナ内の粉末のレベルを調整するために透明の窓を有する。この窓は、コンテナの異なる部分に配置することができ、窓15は、コンテナの閉鎖端部内に有することができる、又はその閉鎖端部付近のコンテナの側壁内に窓16を配置することができる。この後者の窓16は、コンテナがコーヒー装置の拡充タンクとして使用されるとき、特に有益である。
【0060】
図3b及び4bから明らかなように、ホッパー5、及びその吐出口の形態及びサイズの選択、並びにタンク9の補充開口10の形態の及びサイズの選択は、適用しないばら材料でタンクを誤って補充することを回避する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は本発明によるコンテナの分解図である。
【図2a】本発明の第1の様式によるコンテナの一端の断面図である。
【図2b】本発明の第1の様式によるコンテナの一端の断面図である。
【図2c】本発明の第1の様式によるコンテナの一端の断面図である。
【図2d】本発明の第2の様式によるコンテナの一端の断面図である。
【図2e】誘導デバイスを備えたホッパーを有するコンテナの一端の断面図である。
【図3a】コンテナによってタンクが補充される前の本発明によるコンテナ及びタンクの斜視図である。
【図3b】コンテナによってタンクが補充される前の本発明によるコンテナ及びタンクの断面図である。
【図4a】コンテナによってタンクが補充される際の本発明によるコンテナ及びタンクの斜視図である。
【図4b】コンテナによってタンクが補充される際の本発明によるコンテナ及びタンクの断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 コンテナ
2 容器
3 閉鎖端部
4 開放端部
5 ホッパー
6 吐出口
7 引裂き可能な膜
8 保護キャップ
9 タンク
10 穴あけ手段
11 停止縁部
12 スカート
13 溝
14 フランジ
15、16 窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばら材料を貯蔵し取り出すためのコンテナ(1)であって、
閉鎖端部(3)及び開放端部(4)を有する容器(2)と、
前記容器(2)の中に配置され、前記容器開放端部(4)の方向で吐出口に向かって先細りになるホッパー(5)と、
前記ホッパー(5)及び前記容器(2)を閉鎖する引裂き可能な膜(7)と
を備えるコンテナ。
【請求項2】
前記容器(2)が筒状体である、請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
前記容器(2)の一部が可撓性パウチである、請求項1に記載のコンテナ。
【請求項4】
前記ホッパー吐出口の周辺全体に沿って前記ホッパーの壁と前記容器の壁の間に溝が延在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンテナ。
【請求項5】
前記ホッパーが15°〜50°のテーパ角を呈する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンテナ。
【請求項6】
前記ホッパーが前記ホッパーの先細りの端部に結合されたばら材料誘導デバイス(15)を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンテナ。
【請求項7】
前記ホッパーの前記吐出口(6)の縁部が、前記容器(2)内にくぼんで形成され、前記引裂き可能な膜(7)が前記ホッパーの前記吐出口(6)を覆い前記容器の内壁に接続される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコンテナ。
【請求項8】
前記ホッパーの前記吐出口(6)部分が、実質的に前記容器の開放端(4)部分の面内にあり、前記引裂き可能な膜(7)が前記ホッパーの前記吐出口(6)及び前記容器の前記開放端部を覆う、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンテナ。
【請求項9】
前記ホッパーが前記容器と同一の形態を有する外部スカートを有し、前記スカートが前記容器内に嵌合し、前記容器内に前記ホッパーを配置することを可能にする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のコンテナ。
【請求項10】
前記スカートが、前記容器の前記開放端部の縁部にもたれることが可能な停止縁部を有する、請求項9に記載のコンテナ。
【請求項11】
前記引裂き可能な膜(7)がその表面上の接触圧力によって引裂き可能である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のコンテナ。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のコンテナ(1)によって補充することが可能なばら材料を貯蔵するためのタンク(9)であって、
前記コンテナの前記引裂き可能な膜を穿孔するための且つ前記コンテナの前記ホッパーと協働するための補充開口提示手段(10)を有するタンク。
【請求項13】
前記コンテナの前記引裂き可能な膜を穿孔するための且つ前記コンテナの前記ホッパーと協働するための前記手段が、前記コンテナ容器の前記開放端部分より小さく、前記ホッパー吐出口部分より大きな部分を有する導管である、請求項12に記載のタンク。
【請求項14】
前記タンクがコーヒー装置のコーヒー粉末タンクである、請求項12又は13に記載のタンク。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のコンテナによって補充することが可能なコーヒー装置であって、
前記コーヒー装置が、前記コンテナの前記引裂き可能な膜を穿孔するための且つ前記コンテナの前記ホッパーと協働するための供給ユニット提示手段を有する装置。
【請求項16】
前記コンテナの前記引裂き可能な膜を穿孔するための且つ前記コンテナの前記ホッパーと協働するための前記手段(10)が、前記コンテナ容器の前記開放端部分より小さく、前記コンテナ吐出口部分より大きな部分を有する導管である、請求項15に記載のコーヒー装置。
【請求項17】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のコンテナでタンクを補充するための方法であって、
前記タンクが前記コンテナの前記引裂き可能な膜を穿孔するための且つ前記コンテナの前記ホッパーと協働するための補充開口提示手段を有し、
前記コンテナ引裂き可能な膜が前記タンク補充開口に面するように、前記コンテナ及び前記タンク補充開口を配置するステップと、
前記コンテナ引裂き可能な膜を破るために、前記コンテナを前記タンク補充開口に対して押す、又は前記タンク補充開口を前記コンテナに対して押すステップと、
前記ばら材料が重力によって前記タンク内に流れるように、前記コンテナ及び前記タンクの組立体を最終的に反転させるステップと
を含む方法。
【請求項18】
前記タンクの容積が前記コンテナの容積より少なく、次のステップで前記コンテナが拡充タンクとして使用される、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図4b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【公開番号】特開2009−7072(P2009−7072A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−171454(P2008−171454)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】