説明

まな板

【課題】 食卓ややホームパーティの会場のテーブル等の上に置いてもその場の雰囲気を壊すことなく、簡単、且つ、手際よく雑談や歓談しながら野菜や果物等を切ったり調理したりできるまな板を提供することである。
【解決手段】 本発明に依れば、まな板部からしたたる水を受けるための容器と、前記容器の内側に保持した状態で使用する該まな板部からなり、該まな板部がなだらかな傾斜を形成するように前記容器内に保持する手段を備えたことである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームパーティーや鍋料理等、調理しながら食事をする場合に用いる事のできる水のこぼれないまな板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鍋料理を楽しむ場合、食材等を洗い、平坦な板状のまな板上で適宜に切りそろえた後、大皿等に盛りつけてテーブル等、鍋料理を食し楽しむ場所まで運び、煮ながら飲食し会話や団らんを楽しんできた。
【0003】
又、ホームパーティ等を開く場合、台所等で食材を洗い、まな板等を用いて下ごしらえをした後、お皿やボールに入れて、ホームパーティーを開く部屋、又は庭先等まで運び、加熱等の調理をしながら食べ、且つ、飲んで話に花を咲かせ楽しんでいる。
【0004】
従って、何れの場合に於いても食材の追加や、果物等をデザートとして提供する場合、少なくとも、その役割の立場の人は席を離れて準備をしなければならず、会話や飲食の楽しい時間を短くし、且つ、楽しい雰囲気に水を差す結果となっていた。
【0005】
又、まな板が平坦なため食材を洗浄し、水切りが充分でないと、まな板の外に水が流れ出し、辺りを濡らしていた。
更に、スイカやメロンその他水分を多く含んだ果物や野菜をまな板の上で切りわけるとまな板外に果汁が流出して周囲を濡らしたり、又は汚して不快であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上述べたように、従来の技術に於いては、食材を切るまな板を台所等別の場所に保管使用するため、食材を大皿等に盛りつけて会場まで持ち運ぶ為の時間が必要で、例え短い時間であっても、友人や知人又は家族等との会話や情報交換の時間等、楽しく有効に過ごせるはずの時間が短かくなると言う不満があった。
又、トマトや食後のデザートとしてスイカやメロン等水分の多い果物や、水洗いした野菜等をまな板上で切る場合、水分がまな板の表面を伝わって、まな板の外に流れだすのを防止することが望まれていた。
【0007】
従って本発明が解決しようとする課題は、テーブルやホームパーティーの会場に置いてもお洒落で、且つ、簡単に使用でき、その場に居ながらにして手際よく雑談や歓談をしながら、野菜や果物等を切り又は調理し、大皿等の役割を果たし、楽しい時間を最大限、来客と共有でき、豆腐やこんにゃく等の水分を多く含み、又は水分が多量に附着した食材を切ることができ、更に、まな板外に水分がまな板の外部に流出することのないまな板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に依れば、まな板部からしたたる水を受ける容器と、前記容器の内側に保持した状態で使用する該まな板部からなり、該まな板部がなだらかな傾斜を形成して前記容器内に保持するためのに該まな板部は一端を前記容器内の低い位置に保持すると共に、前記まな板部の面が緩やかな傾斜を形成するように保持したことである。
【発明の効果】
【0009】
浅いお盆状の容器2の周囲の縁部3と容器底面10と接する角部に、まな板部1の一端8を当接させ保持し、縁部3より低い位置となる側部7の内側にまな板部1を立て掛ける如く端部9を保持してあるため、まな板部1が容器2の底の如くに見える。
このため、あたかも一個のお盆のように見え、従来の大皿のように使用して、ホームパーティーのテーブル上に置いても何ら違和感がないばかりか、まな板部1の上で切り刻まれた食材に附着していた水や、トマトやスイカ、メロン等を切った場合、果実等から流出した果汁等の水分は、まな板部1の上面を流下し端部8から、又は複数の開口部4、4、4、4、4を介してまな板部1の裏面に伝わり容器2内に溜まるため、まな板周辺のテーブル等を濡らしたり、汚すことはなく、そのための不快感は完全に解消される。
【0010】
更に、食材の調理もでき、又食材をそのまま乗せて大皿の代用とも成るから、準備のために席を外すこともなく、来客や友人知人家族等と会話を楽しみながら、又一緒に調理しながら団欒を楽しむことができるから、楽しく過ごす時間を最大限来客と共有することができるまな板を提供することができるため、情報交換の時間や、家族、友人、知人と楽しく過ごす時間が短縮されるという不満も完全に解消することができる。
従って、テーブルやホームパーティーの会場に置いてもお洒落で、且つ、簡単に使用でき、その場に居ながらにして手際よく雑談や歓談をしながら、野菜や果物等を切り又は調理し、人皿等の役割を果たし、楽しい時間を最大限、来客と共有でき、豆腐やこんにゃく等の水分を多く含み、又は水分が多量に附着した食材を切ることができ、水分がまな板の外部に流出することのないまな板を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を説明すると、お盆の様に浅くお洒落な容器2と平坦な板状のまな板部1からなり、まな板部1の適宜位置に食材等の水を切るための複数の開口部4444を設け、容器2内にまな板部1を立て掛けて傾斜を設けた状態で保持する。
【0012】
この場合、例えば、まな板部の端部8側に複数の開口部4、4、4、4、4、4を設けた場合、端部8が容器3の低い位置に保持する。
まな板部1の他の端部9は側部7の内部に立て掛けるように保持すると良く、この時、端部8を保持している位置より高い位置に端部9を保持することで、まな板部1はなだらかな傾斜を形成するように構成されている。
この時、まな板部1のなだらかな傾斜は、豆腐又は刺身その他の食材をまな板部1の端部9寄りに載置した場合に於いて、その食材に含まれている余分な水又は水分が流下するに充分で、且つ、食材が滑落することのないなだらかさであることが望ましく、水滴又は水分が流下して複数の開口部4、4、4、4、4、4を介してまな板部1と容器底面10との間に溜まるように形成することが望ましい。
【0013】
更に、端部9は容器の縁部3より低い位置、換言すれば縁部3より容器2の内部に落とし込んだ状態で保持されることが望ましく、又、縁部3からまな板部1の表面までの距離は、まな板部1の上面に食材等をのせ包丁で切り刻む場合、包丁の柄を握る手が縁部3に当たらない距離、包丁を使う場合、邪魔と成らない距離であることが望ましい。
【0014】
又、容器2の内部にまな板部1を傾斜をもって保持する手段として、容器2の形状が下部を狭く上部を広く形成することにより、端部8の裏面の角が容器2の底10の角に当接して保持されると共に、端部9の裏面の角が傾斜をもって立ち上がる容器2の側部7立て掛けて保持するに適した寸法に形成することが望ましく、まな板部1はまな板部1の重量によって安定的に保持されることが望ましい。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると(図1)浅く上部が下部より広い形状で、例えば、容器2は食卓に置くお盆のような形状でよく、この容器2と平坦な板状のまな板部1からなり、このまな板部1の適宜位置、例えば略中央部から一方の端部にかけて、食材等の水を逃がすために複数の開口部4、4、4、4を設けると共に、容器2内にまな板部1を傾斜を設けた状態で保持するとよい。
【0016】
例えば、端部8側に複数の開口部4、4、4、4、4、4を設けた場合、端部8が容器3の低い位置に保持され、端部9が容器2の内部の高い位置、換言すれば端部8保持されている位置より高い位置に端部9を保持することで、まな板部1はなだらかな傾斜を形成されている。
この時、まな板部1のなだらかな傾斜は、豆腐又は刺身その他の食材をまな板部1の端部9寄りに載置した場合に於いて、食材に附着する水滴又は食材に含まれる水分が流下するに充分で、且つ、食材が滑落することのない角度である。
このため、食材に含まれる水滴又は水分が流下して複数の開口部4、4、4、4、4、4を介してまな板部1と容器底面10との間に溜まるように形成してある。
【0017】
更に、端部9は容器の縁部3より低い位置、換言すれば容器の縁部3より容器2の内部に落とし込んだ状態で保持する。
この時、容器の縁部3からまな板部1の表面までの距離は、まな板部1の上面に食材等をのせて包丁で切り刻む場合、包丁の柄を握る手が当り、調理作業の妨げと成らない距離である。
【0018】
又、容器2の内部にまな板部1はなだらかな傾斜状に保持する手段として、(図2)容器2の形状が下部を狭く、上部(開口部)を広く形成し、端部8の裏面の角が容器底10の角に当接し、端部9の裏面の角が傾斜を形成して立ち上がる容器2の側部7の面に当接して安定的に保持するのに可能な寸法に形成してある。
【0019】
従って、いま本発明のまな板を使用するには、容器3に保持したまな板部1に洗浄した果物、又は、鍋物の具等を大皿に乗せる如くに乗せ、ホームパーティーの場、又は、家族団らんの食卓に運ぶことができる。
又、食材等を別の容器に盛りつけて運び、テーブルの上で切り刻むことができるのは言うまでもない。
更に、容器2の形状は略お盆の形状、換言すれば開口部方向が大きく形成されてお盆やお皿の形状に似ているため、テーブル等の上に置いても何ら違和感は無く、容器2の内部にまな板部1を傾斜させて収納保持してあるから、まな板部1上に乗せた食材にす着している洗い水等の水分はまな板部1の上面を伝わって複数の開口部4、4、4、4を介して容器2内部に収容されるため、食材等に附着している水分が周囲に流れ出して卓上等周囲を濡らしたり、汚したりすることがない。
【0020】
又、従来は特にスイカ、メロン、トマト等水分を多く含む野菜や果物等を従来のまな板を用いて卓上で切る場合、周囲に果汁が流れ出して周囲を汚していたが、本発明のまな板を用いれば容器2内に流れ出した果汁や水分が収容されるため、周囲を汚すことは皆無となる。
【0021】
まな板部1と容器2を水洗いしたり、清掃する場合、まな板部1が容器2内部に立て掛ける状態で収納保持してあるため、端部9を手指で引き上げるか、又は複数の開口部4の適宜な部位に指をかけて引き上げることによって、極めて容易に分解でき、清掃する事ができる他、まな板部1は一枚の板となるから、従来のまな板と同様に調理台やテーブルの上に置いてまな板として使用することも可能であり、又、必要に応じて容器2からまな板部1を取り出して従来のまな板のように使用することもでき、容器2に意匠を施せば、よりお洒落な卓上用のまな板として使用することも可能で、例えば、側部7を波打たせたり、又は縁部3を波打たせた形状とするその他、意匠性を加味することができるのは言うまでもない。
【0022】
又、容器2の縁部3よりまな板部1の端部9が低い位置で保持されているため、端部9の付近が容器2の底に見え、まな板という概念が払拭されるため、卓上に置いた場合全く違和感を感ずることはなく、一つのお盆かトレイと見え、盛りつけた食材が外部にこぼれたり、水分が流出することもない。
【0023】
図3は本発明の実施例2の分解斜視図、図4は本発明の実施例2の一部切り欠きの斜視図で、平坦な板状のまな板部1の一端に複数の開口部4、4、4、4を設けてあり、このまな板部1の裏面の適宜位置、略角付近に位置に複数の保持体5、5、5、5を設ける。
この複数の保持体は、一例を述べれば、マグネットのS局とN局の磁着によって形成しても良く、又、一方をマグネットとし対向する他方に強磁性体を用ることでマグネットが強磁性体を磁着する力を利用して、複数の保持体とすることができることは言うまでもない。
【0024】
更に、容器2に於いては容器底面10に複数の長い保持体6、6及び複数の短い保持体5、5をもうける。
この場合、まな板部1を容器2内に収納する状態に於いて、まな板部1の裏面に設けた複数の保持体5、5、5、5、5、5又は保持体6、6の位置関係は、まな板部1を容器2の内部に保持する際、それぞれ複数の保持体5、5、5、5、5、5と複数の保持体6、6は、容器2内部にまな板部1を収納する状態に於いて、略一致する位置で磁着保持するに適した位置に接着、又は粘着その他の方法を用いて設けるとよく、複数の保持体5、5、5、5と複数の保持体5、5、6、6が磁着することにより、まな板部1が容器2内に安定的に保持される。
又、まな板部1が容器2の四辺を囲む縁部3より小さい場合に於いても、まな板部1を容器2内部で一定の角度を形成しながら安定的に保持することができると共に、まな板部1と容器2を分離して使用する場合、まな板部1の裏面に設けた複数の保持体5、5、5、5が同一の高さに形成されていればまな板の脚の作用をして安定的に使用することができ、実施例1と同様の作用及び効果を得ることができる物である。
【0025】
図5は本発明の実施例3のまな板部を示す斜視図で、まな板部1も端部に適宜大きさの切り欠き11を設けることもできる。
この場合の切り欠きは容器2内に収納されたまな板部1を取り出す際に、手指をかけるための切り欠き11で、他の実施例と同様の作用、及び効果を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】 本発明の実施例1を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施例1の一部切り欠きの斜視図である。
【図3】 本発明の実施例2の分解斜視図である。を示す。
【図4】 本発明の実施例2の一部切り欠きの斜視図である。
【図5】 本発明の実施例3のまな板部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1 まな板部
2 容器
3 縁部
4 開口部
5 保持体
6 保持体
7 側部
8 端部
9 端部
10 容器底面
11 切り欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
まな板部からしたたる水を受ける容器と、前記容器の内側に保持した状態で使用する該まな板部からなり、該まな板部の一方の端部を前記容器内の低い位置に保持し、該まな板部の他の一方の端部を前記容器内の高い位置に保持し、該まな板部が前記容器内で傾斜状に保持することを特徴とするまな板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−72539(P2009−72539A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−270665(P2007−270665)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(504261387)
【Fターム(参考)】