説明

アイコン作成プログラムおよびアイコン作成装置

【課題】ユーザがデータの内容を予測できるようなアイコンを表示部に表示させることができるアイコン作成プログラムおよびアイコン作成装置を提供すること。
【解決手段】PCは、データの内容に応じたアイコンデータを作成し、さらに、そのアイコンデータを格納したexeファイル14を作成し、データフォルダに保存する。その結果、exeファイルについては、図2に示すように、各データの内容が分かりやすいアイコン42が表示される。よって、ユーザは、ファイルを開かずともアイコン42からデータの内容を予測することができる。その結果、例えば、複数のアイコン42が表示されている場合であっても、所望のデータを探し当てることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイコン作成プログラムおよびアイコン作成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータなど各種装置においては、ファイルやフォルダを、アイコンと呼ばれる小さな画像で表現することが行われている(例えば、特許文献1)。例えば、パーソナルコンピュータにおいては、オペレーティングシステム(以下、OSという)が、アイコン表示の機能を担っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−272880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のOSが有するアイコン表示機能は、ファイルの形式と既定のアイコンとの予め定められた対応関係に基づいて、各ファイルを既定のアイコンで表現する。したがって、同一形式のファイルであれば内容が異なっていても、同一のアイコンで表現される。よって、ユーザにとっては、個別のデータの内容をアイコンから予測し難いという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ユーザがデータの内容を予測できるようなアイコンを表示部に表示させることができるアイコン作成プログラムおよびアイコン作成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明のアイコン作成プログラムは、第1形式のファイルについてはファイルの形式毎に予め定められた既定のアイコンを表示部に表示し、第2形式のファイルについてはファイルに格納されたアイコンデータに基づくアイコンを前記表示部に表示するオペレーティングシステムを備えた表示装置において前記アイコンを表示するために用いられるアイコンデータを、コンピュータに作成させるプログラムであって、前記コンピュータを、アイコン作成対象のデータを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により取得した前記データに基づいて、アイコンデータを作成するアイコン作成手段と、前記アイコン作成手段により作成されたアイコンデータと、前記データ取得手段により取得した前記データとを格納した前記第2形式のファイルを生成するファイル生成手段として機能させる。
【0007】
なお、本発明は、アイコン作成装置、該アイコン作成装置を制御する制御装置、アイコン作成方法、アイコン作成プログラムを記録する記録媒体等の種々の態様で構成できる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載のアイコン作成プログラムによれば、ユーザがデータの内容を予測できるようなアイコンを表示部に表示させることができるという効果がある。
【0009】
請求項2記載のアイコン作成プログラムによれば、請求項1記載の奏する効果に加え、テキストデータに基づいてアイコンデータが作成されるので、データの内容がより一層分かりやすいアイコンを表示させるためのアイコンデータを生成できるという効果がある。
【0010】
請求項3記載のアイコン作成プログラムによれば、請求項2記載の奏する効果に加え、先頭から所定文字数以下または所定行数以下のテキストデータに基づいてアイコンデータが作成されるので、データの内容が分かりやすく且つ見やすいアイコンを表示させるためのアイコンデータを生成できるという効果がある。
【0011】
請求項4記載のアイコン作成プログラムによれば、請求項1から3のいずれかの奏する効果に加え、縮小画像データに基づいてアイコンデータが作成されるので、データの内容がより一層分かりやすいアイコンを表示させるためのアイコンデータを生成できるという効果がある。
【0012】
請求項5記載のアイコン作成プログラムによれば、請求項1から4のいずれかの奏する効果に加え、複数種類のアイコンデータのうち、選択されたアイコンデータをファイルに格納できるという効果がある。
【0013】
請求項6記載のアイコン作成プログラムによれば、請求項1から5のいずれかの奏する効果に加え、画像データ又はテキストデータを表示出力または印刷出力するための実行ファイルが生成されるので、ユーザにとって利便性の良いファイルを生成できるという効果がある。
【0014】
請求項7記載のアイコン作成装置によれば、請求項1記載のアイコン作成プログラムを実行するコンピュータと同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態であるPCと、PCに接続されるMFPとの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】モニタ装置に表示されるフォルダウインドウの一例を示す図である。
【図3】(a)は、スキャンデータの一例を示し、(b)は、(a)に示すスキャンデータに基づいて作成されるexeファイルの構成を模式的に示す図である。
【図4】PCのCPUが実行するアイコン作成処理を示すフローチャートである。
【図5】モニタ装置に表示されるアイコン選択ウインドウを示す図である。
【図6】PCのCPUが実行するexeファイル実行処理を示すフローチャートである。
【図7】モニタ装置に表示されるメニュー画面の一例を示す図である
【図8】PCのCPUが実行するメニュー操作受付処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のアイコン作成装置の一実施形態であるパーソナルコンピュータ(以下「PC」と称す)10と、そのPC10に接続される多機能周辺装置(以下「MFP(Multi Functi on Peripheral)」と称す)20の電気的構成を示すブロック図である。
【0017】
本実施形態のPC10には、本発明のアイコン作成プログラムの一実施形態であるアイコン作成プログラム14bがインストールされている。PC10は、アイコン作成プログラム14bに基づいてアイコンデータを作成し、そのアイコンデータを用いて、ユーザがデータの内容を予測できるようなアイコンを表示する。
【0018】
図1に示すように、PC10は、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスクドライブ(以下「HDD」と称す)14、入力装置15、モニタ装置16、及び、インターフェース17とを主に有している。CPU11、ROM12、RAM13、及び、HDD14は、バス19を介して互いに接続されている。入力装置15、モニタ装置16、インターフェース17、及び、バス19は、入出力ポート18を介して互いに接続されている。
【0019】
CPU11は、ROM12、RAM13やHDD14に記憶される固定値やプログラムに従って、入出力ポート18と接続された各部を制御する演算処理装置である。ROM12は、PC10の動作を制御するためのプログラムなどが格納されたメモリである。
【0020】
RAM13は、CPU11の処理に必要なプログラムやデータなどを一時的に記憶するための読み書き可能なメモリであり、アイコン用一時メモリ13aとファイル用一時メモリ13bとが設けられる。アイコン用一時メモリ13aは、アイコンデータを保存するメモリである。ファイル用一時メモリ13bは、MFP20から取得したスキャンデータを保存するメモリである。
【0021】
HDD14には、オペレーティングシステム14a(以下、OS14aと称する)、アイコン作成プログラム14b、アプリケーションプログラム14c、データフォルダメモリ14dが設けられている。
【0022】
OS14aは、PC10のハードウェアを管理および制御するためのソフトウェアである。このOS14aは、データフォルダメモリ14dに保存された各ファイルの位置情報やファイル名を管理するファイルシステムを有する。また、OS14aは、モニタ装置16にアイコンを表示する機能を有する。なお、本実施形態において、OS14aは、Windows(登録商標)であるものとする。また、以下の説明において、「ファイル」とは、OS14aのファイルシステムによって、ファイル名とデータの位置情報とが関連づけられたデータをいう。また、以下の説明において、「データ」は、ファイルと、ファイル化されていないデータの両方を含む用語として用いている。
【0023】
アイコン作成プログラム14bは、アイコンデータを作成し、且つ、そのアイコンデータを格納したexe形式のファイル(以下、exeファイルという)を作成するプログラムである。なお、exeファイルは、Windowsにおけるプログラムの実行ファイルである。
【0024】
PC10には、文書作成用のアプリケーションプログラム、表計算用のアプリケーションプログラム、グラフィックデザイン用のアプリケーションプログラムなどがインストールされている。以下の説明においては、PC10にインストールされた各種のアプリケーションプログラムの総称を、アプリケーションプログラム14cとする。また、図1においては、アプリケーションプログラム14cを1つのみ図示しているが、PC10には、複数種類のアプリケーションプログラム14cがインストールされていても良い。
【0025】
データフォルダメモリ14dには、exeファイル14d1が保存される。このデータフォルダメモリ14dには、exe形式以外の形式のファイルも保存されるが、図1においては図示を省略している。
【0026】
入力装置15は、ユーザ指示を入力するためのものであり、例えば、キーボードやマウスなどで構成される。モニタ装置16は、例えば、液晶ディスプレイなどにより構成され、各種処理内容や入力されたデータなどを視覚的に表示するものである。インターフェース17は、MFP20との間で各種のデータの送受信を行うものである。
【0027】
MFP20は、コピー機能、FAX機能、スキャン機能、及びプリンタ機能などの各種機能を有する複合機である。MFP20は、演算装置であるCPU21、各種の制御プログラムやデータを記憶したROM22、一時的にデータを記憶するRAM23、書換え可能な不揮発性のメモリであるフラッシュメモリ24、PC10との間で各種データの送受信を行うインターフェース25、ボタンなどで構成される操作キー26、液晶パネルで構成されるLCD27、インクジェットプリンタで構成されるプリンタ28、及び、画像の取り込みを行うスキャナ29を主に有している。
【0028】
CPU21、ROM22、RAM23、及び、フラッシュメモリ24は、バス31を介して互いに接続されている。インターフェース25、操作キー26、LCD27、プリンタ28、スキャナ29、及び、バス31は、入出力ポート30を介して互いに接続されている。
【0029】
図2は、モニタ装置16に表示されるフォルダウインドウ40の一例を示す図である。フォルダウインドウ40は、データフォルダメモリ14d内のファイルをアイコン42で表現して示す表示領域である。OS14aは、exe以外の形式のファイル(すなわち、拡張子がexeではないファイル)については、ファイルの形式毎に予め定められた既定のアイコン42をモニタ装置16に表示する。すなわち、ファイルの形式がexeではない場合、ファイルの形式が同一であれば、内容が異なるファイルであっても、同一のアイコン42が表示される。よって、ユーザが所望のデータを見つけ出すためには、ユーザは、アプリケーションプログラム14cを起動してファイルを開き、データの内容を確認しなければならない。
【0030】
一方、OS14aは、exeファイル14d1については、exeファイル14d1に格納されたアイコンデータに基づくアイコン42を表示する。詳細は図3,図4を参照して説明するが、本実施形態のPC10は、データの内容に応じたアイコンデータを作成し、さらに、そのアイコンデータを格納したexeファイル14d1を作成し、データフォルダ14dに保存する。その結果、exeファイル14d1については、図2に示すように、各データの内容が分かりやすいアイコン42が表示される。よって、ユーザは、ファイルを開かずともアイコン42からデータの内容を予測することができる。その結果、例えば、複数のアイコン42が表示されている場合であっても、所望のデータを探し当てることができる。
【0031】
なお、以下の説明において、アイコン42のうち、ファイルの形式毎に予め定められた既定のアイコン42を標準アイコン42Aと称する。また、exeファイル14d1に格納されたアイコンデータに基づいて表示されるアイコン42を特殊アイコン42Bと称する。また、発明の理解を容易にするため、本実施形態で説明するexeファイル14d1には全て、アイコン作成プログラム14bによって作成されたアイコンデータが格納されているものとする。しかしながら、アイコンデータが格納されていないexeファイルが存在していても良い。その場合、OS14aは、exe形式について予め定められた既定のアイコン42を表示するが、本実施形態では図示および説明を省略する。
【0032】
図3を参照して、アイコン作成プログラム14bで作成されるexeファイルについて説明する。図3(a)は、アイコン作成対象データであるスキャンデータの一例を示し、図3(b)は、図3(a)に示すスキャンデータに基づいて作成されるexeファイル14d1の構成を模式的に示す図である。
【0033】
図3(a)に示すスキャンデータは、MFP20のスキャナ29により原稿を読み取ることで作成されるビットマップ形式の画像データである。PC10は、MFP20からスキャンデータを取得すると、取得したスキャンデータに基づいて、図3(b)に示すexeファイル14d1を作成し、データフォルダメモリ14dに保存する。なお、以下の説明では、PC10は、MFP20から3枚分のスキャンデータを取得したものとして説明を進める。
【0034】
図3(b)に示すように、exeファイル14d1は、MZヘッダ、PEヘッダ、セクションテーブルを備え、さらに、セクション毎にデータが格納される構造である。本実施形態の場合、セクション1には、プログラム本体が格納される。このプログラム本体に基づいて実行される処理については、図6から図8を参照して後述する。
【0035】
セクション2には、アイコンデータが格納される。exeファイル14d1にアイコンデータが格納されている場合、OS14aは、このアイコンデータを用いて、特殊アイコン42Bをモニタ装置16に表示する。セクション3,5,7には、スキャンデータが格納される。すなわち、MFP20において、複数枚の原稿が読み取られ、複数枚分のスキャンデータが作成された場合は、これらは1つのexeファイル14d1にまとめられる。
【0036】
セクション4,6,8には、スキャンデータを光学文字認識(以下、OCRと称する)にかけることで取得できるテキストデータが格納される。
【0037】
なお、説明を分かりやすくするために、どのセクションにどのようなデータが格納されるかを説明したが、これはあくまで例示に過ぎず、各データは、上記の説明とは別のセクションに格納されていても良い。
【0038】
図4は、PC10のCPU11が実行するアイコン作成処理を示すフローチャートである。このアイコン作成処理は、図3(b)に示すexeファイル14d1を作成する処理であって、PC10においてアイコン作成プログラム14bが起動されると開始される。
【0039】
まず、CPU11は、アイコン作成対象データとして、1枚分のスキャンデータをMFP20から取得する(S402)。具体的には、MFP20を制御して、スキャナ29により原稿を読み取らせ、生成されたスキャンデータをMFP20から取得する。
【0040】
次に、CPU11は、取得されたスキャンデータを縮小することにより縮小画像データを作成し、その縮小画像データをアイコンデータとしてアイコン用一時メモリ13aに保存する(S404)。そして、CPU11は、スキャンデータを、ファイル用一時メモリ13bに保存する(S406)。
【0041】
次に、CPU11は、スキャンデータをOCRにかけてテキストデータを取得する(S408)。なお、ここでは、スキャンデータが画像データであるため、S408においては、OCRを利用して、スキャンデータからテキストデータを取得している。しかしながら、アイコン作成対象データが例えば文書ファイルである場合など、アイコン作成対象データにテキストデータが予め含まれている場合には、OCRに代えて、アイコン作成対象データからテキストデータを抽出するようにしても良い。
【0042】
次に、CPU11は、テキストデータを取得できたか否かを判断する(S410)。S410の判断が否定される場合(S410:No)、CPU11は、S412,S414をスキップして、S416に移行する。
【0043】
一方、S410の判断が肯定される場合(S410:Yes)、CPU11は、取得されたテキストデータの先頭から数えて1行目を取得し、その1行目のテキストデータに基づいてアイコンデータを作成し、アイコン用一時メモリ13aに保存する(S412)。そして、CPU11は、S408において取得した全てのテキストデータを、ファイル用一時メモリ13bに保存する(S414)。これにより、1枚分のスキャンデータの処理が終了する。
【0044】
次に、CPU11は、スキャンデータがまだ残っているかを判断する(S416)。具体的には、MFP20の図示しない自動原稿読取装置に、まだ読み取っていない原稿が残っているか否かを判断する。S416の判断が肯定される場合(S416:Yes)、CPU11は、S402に戻り処理を繰り返す。
【0045】
このようにして処理を繰り返すうちに、S416の判断が否定されると(S416:No)、次に、CPU11は、作成したアイコンデータに基づくアイコンをモニタ装置16に一覧表示させる(S418)。
【0046】
図5は、モニタ装置16に表示されるアイコン選択ウインドウ44を示す図である。図5に示すように、アイコン選択ウインドウ44には、アイコン用一時メモリ13aに保存されているアイコンデータに基づくアイコン42が一覧表示される。上述したように、アイコン作成処理(図4)によれば、1枚分のスキャンデータにつき、テキストデータに基づくアイコンデータと、縮小画像データに基づくアイコンデータとの2種類が作成される。よって、N枚分のスキャンデータがあれば、2×N種類のアイコンデータが作成される。したがって、本実施形態のアイコン作成処理においては、作成された複数種類のアイコンデータに基づくアイコン42を一覧表示し、ユーザにいずれかを選択させることにしている。
【0047】
なお、図5においては、テキストデータに基づくアイコン42には符号42Cを付し、縮小画像データに基づくアイコン42には符号42Dを付している。図5に示すように、テキストデータに基づくアイコン42Cによれば、ユーザは、アイコン42Cに含まれる文字に基づいて、データの内容を予測できる。また、アイコン42Cには、先頭から1行分のテキストデータが含まれるので、アイコン42C内の文字数が適当であり、ユーザにとって読みやすい。また、先頭から1行分のテキストデータは、例えば文書のタイトルや見出しなど、文書の内容を予測させるために役立つ場合が多いので、データの内容をユーザに予測させるために、特に有用である。一方、縮小画像データに基づくアイコン42Dによれば、ユーザは、データの内容を直感的に把握できる。
【0048】
図4に戻り説明する。次に、CPU11は、複数種類のアイコンデータの中からいずれかがユーザによって選択されたかを判断する(S420)。S420の判断が否定される場合(S420:No)、CPU11はS418に戻り処理を繰り返す。一方、S420の判断が肯定される場合(S420:Yes)、CPU11は、ユーザによって選択されたアイコンデータ、ファイル用一時メモリ13bに保存されたスキャンデータ、およびテキストデータが取得された場合にはファイル用一時メモリ13bに保存されたテキストデータを格納したexeファイル14d1を生成し(S422)、処理を終了する。
【0049】
図示は省略するが、CPU11は、このアイコン作成処理で生成したexeファイル14d1にファイル名を付与し、OS14aに渡す。OS14aは、exeファイル14d1をデータフォルダメモリ14dに保存し、ファイルの位置情報とファイル名とを対応付けて管理する。そして、exeファイル14d1のアイコン42を表示する際には、図2を参照して説明したように、exeファイル14d1に格納されたアイコンデータに基づく特殊アイコン42Bを表示する。
【0050】
アイコン作成処理によれば、複数種類のアイコンデータのうち、選択されたアイコンデータがexeファイル14d1に格納される。よって、ユーザの好みの特殊アイコン42Bをモニタ装置16に表示させることができる。例えば、複数枚のスキャンデータが含まれる場合、何枚目のスキャンデータの内容を特殊アイコン42Bとして表示させたいかは、ユーザの好みや場合によって様々に異なるが、本実施形態のアイコン作成処理によれば、ページ毎にアイコンデータが作成されるので、ユーザは、ページ毎に作成されたアイコンデータの中から最適なものを選択できる。また、テキストデータに基づく特殊アイコン42Bと、縮小画像データに基づく特殊アイコン42Bとのいずれを採用するかをユーザが自由に選択できる。
【0051】
また、本実施形態のアイコン作成処理によれば、複数枚分のスキャンデータが1つのexeファイル14d1に内包されるので、ユーザは、複数枚分のスキャンデータを1ファイルとして管理でき、便利である。
【0052】
なお、アイコン作成処理が生成するexeファイル14d1には、プログラム本体が格納される。よって、PC10において、exeファイル14d1の実行がユーザによって指示される場合、このプログラム本体に従った処理が実行される。
【0053】
図6から図8を参照して、exeファイル14d1の実行が指示された場合の処理について説明する。
【0054】
図6は、PC10のCPU11が実行するexeファイル実行処理を示すフローチャートである。このexeファイル実行処理は、exeファイル14d1に格納されたプログラム本体に従って実行される処理である。PC10において、特殊アイコン42Bをダブルクリックする操作が行われた場合、あるいは、exeファイル14d1のファイル名を指定してその実行を指示する操作が行われた場合に、CPU11は、この処理を開始する。後者の操作によりexeファイル14d1の実行を指示する場合、ユーザは、ファイル名と共に起動オプションを入力することにより、起動オプションを設定して、この処理を開始させることができる。
【0055】
まず、CPU11は、起動オプションを取得する(S602)。次に、CPU11は、起動オプションが存在するか否かを判断する(S604)。S604の判断が否定される場合(S604:No)、CPU11は、exeファイル14d1に格納される1枚目のスキャンデータを、別のアプリケーションプログラム14cに渡し、モニタ装置16に表示させ(S606)、処理を終了する。例えば、exeファイル14d1に格納されたスキャンデータがビットマップ形式である場合、CPU11は、ビットマップ形式のデータを処理可能な画像ビューアにスキャンデータを渡し、表示させる。よって、ユーザは、特殊アイコン42Bから目的のデータを探し出せた場合は、例えば、その特殊アイコン42Bをダブルクリックすることにより、適切なアプリリケーションプログラム14cで詳細を閲覧することができる。
【0056】
一方、S604の判断が肯定される場合(S604:Yes)、次に、CPU11は、メニュー表示の起動オプションが設定されているか否かを判断する(S608)。S608の判断が肯定される場合(S608:Yes)、CPU11は、モニタ装置16にメニュー画面を表示する。フローチャートの続きを説明する前に、図7を参照して、メニュー画面について説明する。
【0057】
図7は、モニタ装置16に表示されるメニュー画面46の一例を示す図である。図7に示すように、メニュー画面46には、exeファイル14d1のファイル名が表示されるファイル名表示エリア47と、各種の機能が割り当てられて操作ボタンとして機能するボタンエリア48と、スキャンデータに基づく画像が表示される画像エリア50と、前ページボタンエリア52と、次ページボタンエリア54とが表示される。
【0058】
ユーザは、メニュー画面46の画像エリア50に表示される画像を見ることで、exeファイル14d1に格納されたスキャンデータの内容を確認することができる。また、メニュー画面46には、画像エリアに表示されるスキャンデータを1枚ずつ変更する前ページボタンエリア52と次ページボタンエリア54とが設けられている。
【0059】
したがって、ユーザは、特殊アイコン42Bに基づいて、目的のデータを内包すると思われるexeファイル14d1を探し出した後は、例えば、メニュー画面46を表示させることにより、その内容をページ毎に確認できる。
【0060】
図6に戻り説明する。メニュー表示の起動オプションが設定されている場合(S608:Yes)、次に、CPU11は、起動オプションで選択されているスキャンデータを縮小し、その縮小画像データに基づく画像をメニュー画面46の画像エリア50に表示する(S610)。
【0061】
そして、CPU11は、メニュー画面46に、画像の閲覧が割り当てられたボタンエリア48、画像の取得が割り当てられたボタンエリア48、画像の印刷が割り当てられたボタンエリア48を追加する(S612)。
【0062】
次に、CPU11は、exeファイル14d1が、テキストデータを内包しているかを判断する(S614)。S614の判断が否定される場合(S614:No)、CPU11はS618に移行する。一方、S614の判断が肯定される場合(S614:Yes)、CPU11は、メニュー画面46に、テキストの閲覧が割り当てられたボタンエリア48と、テキストの取得が割り当てられたボタンエリア48と、テキストの印刷が割り当てられたボタンエリア48とを追加する(S616)。そして、CPU11は、メニュー操作受付処理を実行する(S618)。
【0063】
図8は、PC10のCPU11が実行するメニュー操作受付処理を示すフローチャートである。まず、CPU11は、画像の閲覧が割り当てられたボタンエリア48が選択されたか否かを判断する(S802)。S802の判断が肯定される場合(S802:Yes)、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるスキャンデータのうち、メニュー画面46に表示されている画像に対応したスキャンデータを、別のアプリケーションプログラム14cに渡し、表示させ(S804)、処理を終了する。
【0064】
一方、S802の判断が否定される場合(S802:No)、CPU11は、画像の取得が割り当てられたボタンエリア48が選択されたか否かを判断する(S806)。S806の判断が肯定される場合(S806:Yes)、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるスキャンデータのうち、メニュー画面46に表示されている画像に対応したスキャンデータを、画像ファイルとして保存し(S808)、処理を終了する。
【0065】
一方、S806の判断が否定される場合(S806:No)、CPU11は、画像の印刷が割り当てられたボタンエリア48が選択されたか否かを判断する(S810)。S810の判断が肯定される場合(S810:Yes)、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるスキャンデータのうち、メニュー画面46に表示されている画像に対応したスキャンデータを、例えば、MFP20などの外部の印刷装置に印刷出力させ(S812)、処理を終了する。
【0066】
一方、S810の判断が否定される場合(S810:No)、CPU11は、テキストの閲覧が割り当てられたボタンエリア48が選択されたか否かを判断する(S814)。S814の判断が肯定される場合(S814:Yes)、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるテキストデータのうち、メニュー画面46に表示されている画像に対応したテキストデータを、別のアプリケーションプログラム14cに渡し、表示させ(S816)、処理を終了する。
【0067】
一方、S814の判断が否定される場合(S814:No)、CPU11は、テキストの取得が選択されたか否かを判断する(S818)。S818の判断が肯定される場合(S818:Yes)、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるテキストデータのうち、メニュー画面46に表示されている画像に対応したテキストデータを、テキストファイルとして保存し(S820)、処理を終了する。
【0068】
一方、S818の判断が否定される場合(S818:No)、CPU11は、テキストの印刷が割り当てられたボタンエリア48が選択されたか否かを判断する(S822)。S822の判断が肯定される場合(S822:Yes)、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるスキャンデータのうち、メニュー画面46に表示されている画像に対応したテキストデータを、例えば、MFP20などの外部の印刷装置に印刷出力させ(S824)、処理を終了する。
【0069】
一方、S822の判断が否定される場合(S822:No)、CPU11は、次ページボタンエリア54が選択されたか否かを判断する(S826)。S826の判断が肯定される場合(S826:Yes)、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるスキャンデータのうち、メニュー画面46に画像が表示されているスキャンデータの一つ後のスキャンデータをexeファイル14d1から取得して、メニュー画面46の画像エリア50に表示させ(S828)、S802に戻る。
【0070】
一方、S826の判断が否定される場合(S826:No)、CPU11は、前ページボタンエリア52が選択されたか否かを判断する(S830)。S830の判断が肯定される場合(S830:Yes)、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるスキャンデータのうち、メニュー画面46に画像が表示されているスキャンデータの一つ前のスキャンデータをexeファイル14d1から取得して、メニュー画面46の画像エリア50に表示させ(S832)、S802に戻る。また、S830の判断が否定される場合(S830:No)、CPU11はS802に戻る。
【0071】
メニュー操作受付処理によれば、ユーザは、exeファイル14d1に内包されるスキャンデータまたはテキストデータをページ毎に閲覧し、印刷し、または保存することができる。
【0072】
図6に戻り説明する。S608の判断が否定される場合(S608:No)、CPU11は、設定された起動オプションに対応したオプション実行処理を実行する(S620)。本実施形態の場合、起動オプションとして、上述したメニュー表示の起動オプションの他、画像の閲覧、画像の取得、画像の印刷、テキストの閲覧、テキストの取得、テキストの印刷の起動オプションを設定可能であるものとする。
【0073】
起動オプションとして画像の閲覧が設定されている場合、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるスキャンデータのうち、起動オプションで指定されているスキャンデータを別のアプリケーションプログラム14cに渡し、表示させる。また、起動オプションとして画像の取得が設定されている場合、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるスキャンデータのうち、起動オプションで指定されているスキャンデータを画像ファイルとして保存する。また、起動オプションとして画像の印刷が設定されている場合、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるスキャンデータのうち、起動オプションで指定されているスキャンデータを、例えば、MFP20などの外部の印刷装置に印刷出力させる。
【0074】
また、起動オプションとしてテキストの閲覧が設定されている場合、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるテキストデータのうち、起動オプションで指定されているテキストデータを別のアプリケーションプログラム14cに渡し、表示させる。また、起動オプションとしてテキストの取得が設定されている場合、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるテキストデータのうち、起動オプションで指定されているテキストデータをテキストファイルとして保存する。また、起動オプションとしてテキストの印刷が設定されている場合、CPU11は、exeファイル14d1に内包されるテキストデータのうち、起動オプションで指定されているテキストデータを、例えば、MFP20などの外部の印刷装置に印刷出力させる。
【0075】
このように、本実施形態で説明した、アイコン作成処理(図4)で作成されるexeファイル14d1は、OS14aに特殊アイコン42Bを表示させることができることに加え、さらに、データを表示出力および印刷出力できるように構成された実行ファイルであるため、ユーザにとって利便性が良い。
【0076】
上記実施形態において、PC10が表示装置、コンピュータ、およびアイコン作成装置の一例に相当する。exe以外の形式のファイルが第1形式のファイルの一例に相当し、exeファイル14d1が第2形式のファイルの一例に相当する。アイコン作成プログラム14bがアイコン作成プログラムの一例に相当する。S402を実行するCPU11がデータ取得手段の一例に相当する。S404,S412を実行するCPU11がアイコン作成手段の一例に相当する。S408を実行するCPU11がテキスト取得手段の一例に相当する。S420を実行するCPU11が選択手段の一例に相当する。S422を実行するCPU11がファイル生成手段の一例に相当する。
【0077】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で形式々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0078】
例えば、上記実施形態では、PC10がアイコンデータを作成するものとして説明した。しかしながら、MFP20やスキャナなど、PC10以外の装置において、アイコンデータを作成しても良い。その場合、PC10が表示装置の一例に相当し、MFP20がアイコン作成装置の一例に相当し、MFP20のCPU21がコンピュータの一例に相当する。また、ROM22またはフラッシュメモリ24に格納されたプログラムがアイコン作成プログラムの一例に相当する。
【0079】
また、上記実施形態では、先頭から数えて1行目にあるテキストデータに基づいて、アイコンデータを作成していた。しかしながら、これに代えて、取得されたテキストデータの先頭から所定文字数以下または所定行数以下のテキストデータに基づいて、アイコンデータを作成するように構成しても良い。
【0080】
また、上記実施形態では、OS14aは、Windowsであるものとして説明した。しかしながら、Windowsに代えて、MacOS(登録商標)、UNIX(登録商標)、Linuxなど他のOSがインストールされている場合にも、本発明は適用可能である。
【0081】
また、上記実施形態においては、ビットマップ形式のスキャンデータがアイコン作成対象データとされていたが、例えば、PDF形式やJPEG形式など、他の形式のデータがアイコン作成対象データとされる場合にも上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0082】
また、上記実施形態では、MFP20から取得するスキャンデータがアイコン作成対象データの一例であったが、文書ファイル、画像ファイル、動画ファイル、音声ファイルなどの各種ファイル、あるいは他の装置から取得した文書データ、画像データ、動画データ、音声データなど各種データもアイコン作成対象データとし得る。
【0083】
また、アイコン作成対象データが動画データを含んでいれば、動画の一場面を繰り出した画像データに基づくアイコンデータを作成するように構成しても良い。アイコン作成対象データが音声データを含んでいれば、音声をテキスト化したテキストデータに基づくアイコンデータを作成するように構成しても良い。
【0084】
また、上記実施形態では、exeファイル14d1が第2形式のファイルの一例であったが、内包するアイコンデータに基づいてアイコンが表示される形式のファイルであれば、exe以外の形式のファイルを第2形式のファイルとして、本発明を実施しても良い。
【0085】
また、上記実施形態では、ユーザによって選択された1種類のアイコンデータをexeファイル14d1に格納していたが、作成した複数種類のアイコンデータを、exeファイル14d1に格納するように構成しても良い。その場合、いずれのアイコンデータをOS14aにおいて優先的に使用させるかを示す情報も、exeファイル14d1に格納すると良い。
【0086】
また、上記実施形態では、テキストデータに基づくアイコンデータと、縮小画像データに基づくアイコンデータとを別々に作成していたが、テキストデータと縮小画像データとを組み合わせたアイコンデータを作成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0087】
10 PC(表示装置、コンピュータ、アイコン作成装置の一例)
14a オペレーティングシステム
14b アイコン作成プログラム
14d1 exeファイル(第2形式のファイルの一例)
42 アイコン
42A 標準アイコン(既定のアイコンの一例)
42B 特殊アイコン(アイコンの一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1形式のファイルについてはファイルの形式毎に予め定められた既定のアイコンを表示部に表示し、第2形式のファイルについてはファイルに格納されたアイコンデータに基づくアイコンを前記表示部に表示するオペレーティングシステムを備えた表示装置において前記アイコンを表示するために用いられるアイコンデータを、コンピュータに作成させるアイコン作成プログラムであって、
前記コンピュータを、
アイコン作成対象のデータを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段により取得した前記データに基づいて、アイコンデータを作成するアイコン作成手段と、
前記アイコン作成手段により作成されたアイコンデータと、前記データ取得手段により取得した前記データとを格納した前記第2形式のファイルを生成するファイル生成手段として機能させるアイコン作成プログラム。
【請求項2】
前記データ取得手段により取得された前記データから、テキストデータを取得するテキスト取得手段を備え、
前記アイコン作成手段は、前記テキスト取得手段により取得された前記テキストデータに基づいて、前記アイコンデータを作成するものである請求項1記載のアイコン作成プログラム。
【請求項3】
前記アイコン作成手段は、前記テキスト取得手段により取得された前記テキストデータの先頭から所定文字数以下または所定行数以下のテキストデータに基づいて、前記アイコンデータを作成するものである請求項2記載のアイコン作成プログラム。
【請求項4】
前記アイコン作成手段は、
前記データ取得手段により取得されたデータである画像データを縮小して得られる縮小画像データに基づいて、前記アイコンデータを作成するものである請求項1から3のいずれかに記載のアイコン作成プログラム。
【請求項5】
前記アイコン作成手段によって複数種類のアイコンデータが作成された場合、当該複数種類のアイコンデータの中からいずれかを選択する選択手段を備え、
前記ファイル生成手段は、前記選択手段によって選択されたアイコンデータを、前記第2形式のファイルに格納するものである請求項1から4のいずれかに記載のアイコン作成プログラム。
【請求項6】
前記ファイル生成手段は、前記アイコン作成対象のデータに含まれる画像データ又はテキストデータを表示出力または印刷出力するための実行ファイルを、前記第2形式のファイルとして生成するものである請求項1から5のいずれかに記載のアイコン作成プログラム。
【請求項7】
第1形式のファイルについてはファイルの形式毎に予め定められた既定のアイコンを表示部に表示し、第2形式のファイルについてはファイルに格納されたアイコンデータに基づくアイコンを前記表示部に表示するオペレーティングシステムを備えた表示装置において前記アイコンを表示するために用いられるアイコンデータを作成するアイコン作成装置であって、
アイコン作成対象のデータを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段により取得した前記データに基づいて、アイコンデータを作成するアイコン作成手段と、
前記アイコン作成手段により作成されたアイコンデータと、前記データ取得手段により取得した前記データとを格納した前記第2形式のファイルを生成するファイル生成手段とを備えるアイコン作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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