アイコン利用方法、アイコン利用装置、アイコン利用制御プログラムおよびプログラム記録媒体
【課題】表示領域およびユーザの負担を低減するアイコンの利用方法を実現する。
【解決手段】ターゲットオブジェクトを代表して表示するアイコン10をつまみ1aおよび針1bからなるピン本体1とピン本体の影2とにより構成し、ピン本体1と影2の表示状態を変更することによりターゲットオブジェクトの表示・制御を変更する。例えば、つまみ1aにカーソルポインタを置いて決定ボタンを押下し開放すると、該当のターゲットオブジェクトを画面表示する。ターゲットオブジェクトの画面表示中で未実行の場合、針1bが中間的に刺さっているように表示し、ターゲットオブジェクトの実行中は、針1bが深く刺さっているように表示し、ターゲットオブジェクトおよびアイコンを移動可能な場合、針1bが浮いているように表示し、ターゲットオブジェクトを拡大または縮小可能な場合、つまみ1aが回転しているように表示する。
【解決手段】ターゲットオブジェクトを代表して表示するアイコン10をつまみ1aおよび針1bからなるピン本体1とピン本体の影2とにより構成し、ピン本体1と影2の表示状態を変更することによりターゲットオブジェクトの表示・制御を変更する。例えば、つまみ1aにカーソルポインタを置いて決定ボタンを押下し開放すると、該当のターゲットオブジェクトを画面表示する。ターゲットオブジェクトの画面表示中で未実行の場合、針1bが中間的に刺さっているように表示し、ターゲットオブジェクトの実行中は、針1bが深く刺さっているように表示し、ターゲットオブジェクトおよびアイコンを移動可能な場合、針1bが浮いているように表示し、ターゲットオブジェクトを拡大または縮小可能な場合、つまみ1aが回転しているように表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイコン利用方法、アイコン利用装置、アイコン利用制御プログラムおよびプログラム記録媒体に関し、特に、ユーザがアプリケーションソフトウェアを利用する際に、ディスプレイ画面上でのユーザの操作性と利便性とを向上させるマンマシンインターフェース技術を実現するアイコン利用方法、アイコン利用装置、アイコン利用制御プログラムおよびプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、パソコンの利用状況は非常に活発であり、企業内や家庭内において、一人一台所有するほど普及している。パソコンを利用した便利なアプリケーションが多くある中、機能を重視するあまり、機能の数に応じて、操作マニュアルが膨らみ、かつ、パソコンを高度に利用する必要がある場合は、便利なアプリケーションほど高い熟練が必要とされている。
【0003】
また、電子データで作成されている書類や、ホームページの内容を詳細に理解したい場合は、画面上のインターフェースのみでは不便であるため、紙に印刷して、印刷物を手にとって確認する人も少なくない。
【0004】
パソコンに限らず携帯電話機など各種の電子機器の小型化が進む中で、人間が電子機器の操作を必要とする場面で登場するマンマシンインターフェースを簡略化しなければならないことは、今後の技術的進歩の上で大きな課題である。
【0005】
通常の電子機器においては、例えば特許文献1の特開2000−348058号公報「画像管理装置および画像管理方法およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体」にも記載されているように、マンマシンインターフェースを簡略化して実現するために、ディスプレイ画面を備え、該ディスプレイ画面上に、各機能を実現するアプリケーションそれぞれを特定するアイコンをビットマップイメージとしてメニュー表示し、いずれかのアイコンに対して特定の操作(例えばマウスのボタンのダブルクリック操作など)を行うことによって、所望の特定のアプリケーションを起動する仕組みが採用されている。
【特許文献1】特開2000−348058号公報(第3−4頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のアイコンによるマンマシンインターフェースの実現方法には、次のような問題があり、ユーザによって必ずしも使い勝手が良いとはいえない状況にある。
【0007】
第1の問題は、必要な機能の個数分の異なるアイコンをディスプレイ画面上に配置する必要がある点にあり、必要な機能の個数の増加に伴い、ディスプレイ画面上に一覧表示できず、何段階にも分けて階層化して画面表示するためのアイコンをさらに追加していくことになってしまう。
【0008】
第2の問題は、ユーザにとって或る機能が未使用であっても、当該機能に該当するアイコン用の画面表示領域の割り当てが必要とされる点にあり、必要な機能用のアイコンの一覧性を損なう結果を招いている。
【0009】
第3の問題は、機能を利用するユーザに対して、当該機能を特定するアイコン表示名を分かり易く明示しなければならないにも係わらず、現状のアイコン表示は、機能を把握し易いアイコン表示名が付されているとは限らない点にある。
【0010】
第4の問題は、小型の携帯機器などのように、アイコンを画面表示するディスプレイとして、低解像度の画面を用いている場合、配置可能なアイコンの個数に制限があり、階層化して画面表示しようとしても、階層の深さからユーザにとって選択可能な機能が限定されてしまう点にある。
【0011】
第5の問題は、ディスプレイ画面に表示したオブジェクトの拡大縮小を行う操作は、一般に、単一アイコンでは操作することができず、複雑なカーソルポインタ操作が必要になってしまう点にある。
【0012】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、パソコンのアプリケーションのみに限らず、各種の電子機器上のアプリケーションにおいて、各機能(ターゲットオブジェクト)をビットマップイメージとして表示するアイコンを利用して、マンマシンインターフェースを操作する場面では、対象の機能を直感的に理解することができ、かつ、操作アイコン(ボタン)の表示占有領域およびユーザの負担を低減することが可能なアイコン利用方法、アイコン利用装置、アイコン利用制御プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述の課題を解決するため、本発明によるアイコン利用方法、アイコン利用装置、アイコン利用制御プログラムおよびプログラム記録媒体は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0014】
(1)ターゲットオブジェクトを代表して画面表示するアイコンを用いて、当該ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上で表示および制御するアイコン利用方法であって、前記アイコンを、つまみおよび針からなるピン本体と該ピン本体の影とによって構成し、前記ピン本体と影との表示状態を変更することにより、前記アイコンによって代表される前記ターゲットオブジェクトの表示および制御を変更するアイコン利用方法。
(2)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されていない場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下した後、該決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上に表示する上記(1)のアイコン利用方法。
(3)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されているかまたは表示されていない場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体の針にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下した状態で任意の位置までドラッグした後、該決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトおよび/またはアイコンの表示位置を前期任意の位置まで移動する上記(1)または(2)のアイコン利用方法。
(4)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、前記ターゲットオブジェクトの画面表示サイズを拡大または縮小した後、前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、前記決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトの画面表示サイズを確定する上記(1)乃至(3)のいずれかのアイコン利用方法。
(5)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトの画面表示サイズの拡大または縮小を交互に切り替える上記(1)乃至(4)のいずれかのアイコン利用方法。
(6)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトの画面表示サイズが、あらかじめ定めた閾値よりも小さなサイズに縮小された場合に、当該ターゲットオブジェクトを非表示にする上記(1)乃至(5)のいずれかのアイコン利用方法。
(7)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記影にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、前記影のサイズを適切な表示サイズに拡大して、当該影内にあらかじめ格納されている1乃至複数のボタンを当該影内に画面表示して有効な状態にする上記(1)乃至(6)のいずれかのアイコン利用方法。
(8)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示され、かつ、前記影内に1乃至複数の前記ボタンが表示されて有効な状態にある場合に、1乃至複数の前記ボタンのいずれかにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、選択された前記ボタンに対応する機能を実行する上記(7)のアイコン利用方法。
(9)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示され、かつ、前記影内に1乃至複数の前記ボタンが表示されて有効な状態にある場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記影にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、当該影内に表示されていた1乃至複数の前記ボタンを非表示に切り替えて無効な状態にし、かつ、前記影のサイズを初期の表示サイズに縮小する上記(7)または(8)のアイコン利用方法。
(10)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されて未実行の状態にある場合には、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記針が中間的に刺さっているように表示し、当該ターゲットオブジェクトを実行中の場合には、当該アイコンの前記針が深く刺さっているように表示し、当該ターゲットオブジェクトおよび当該アイコンを移動可能な状態にある場合には、当該アイコンの前記針が浮いているように表示し、当該ターゲットオブジェクトを拡大または縮小することが可能な状態にある場合は、当該アイコンの前記つまみが回転しているように表示する上記(1)乃至(9)のいずれかのアイコン利用方法。
(11)ターゲットオブジェクトを代表して画面表示するアイコンを用いて、当該ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上で表示および制御するアイコン利用装置において、前記アイコンを、つまみおよび針からなるピン本体と該ピン本体の影とによって構成し、前記ピン本体と影との表示状態を変更することにより、前記アイコンによって代表される前記ターゲットオブジェクトの表示および制御を変更するアイコン利用装置。
(12)上記(1)乃至(10)のいずれかのアイコン利用方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施するアイコン利用制御プログラム。
(13)上記(12)のアイコン利用制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録しているプログラム記録媒体。
(14)ターゲットオブジェクトを代表して画面表示するアイコンを用いて、当該ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上で表示および制御するアイコン利用方法であって、前記アイコンを、特定形状と異なる表示状態で表現されるアイコンとによって構成し、前記特定形状と表示状態を変更することにより、前記アイコンによって代表される前記ターゲットオブジェクトの表示および制御を変更するアイコン利用方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明のアイコン利用方法、アイコン利用装置、アイコン利用制御プログラムおよびプログラム記録媒体によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0016】
第1に、単一のアイコンだけで以下のような複数の機能を表現することができる。
(1)ターゲットオブジェクトの表示・非表示
(2)ターゲットオブジェクトの移動
(3)ターゲットオブジェクトの拡大・縮小
(4)影内に格納された単数または複数のボタンの有効化・無効化
【0017】
第2に、前述の(1)乃至(4)の各操作を、最小限のカーソルポインタの移動と決定ボタン、および、ドラッグ操作のみで実現することができる。
【0018】
第3に、機能名の文字表示がなくても、ユーザが感覚的に必要機能を理解して必要な操作を行うことが可能である。
【0019】
第4に、携帯電話機などの小さいディスプレイ画面内での操作に適用した場合にも、画面スペースとカーソルポインタの移動時間(距離)とを節約することができる。
【0020】
第5に、アイコンの状態を色分けする等の更なる表示方法の追加により、実現することが可能な機能数を増加することができる。
【0021】
第6に、オペレーティングシステムのフォルダ(ディレクトリ)等の操作に適用した場合には、コンピュータで使用される主要な操作が大幅に軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明によるアイコン利用方法、アイコン利用装置、アイコン利用制御プログラムおよびプログラム記録媒体の好適な実施例について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明によるアイコン利用方法を説明するが、かかるアイコン利用方法を装置に組み込んでアイコン利用装置として実施しても良いし、コンピュータにより実行可能なアイコン利用制御プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、アイコン利用制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0023】
本発明の実施例の説明に先立って、本発明の基本構成についてまず簡単に説明する。本発明は、マンマシンインターフェース用のアイコンとしてピン(画鋲)を採用することによって、ターゲットオブジェクトの移動・固定、表示の拡大・縮小の操作を、直感的に理解し易くしている。
【0024】
アイコンとして、複数の構成部品からなるピン(画鋲)を採用することにより、単一のアイコンで複数の機能を直感的に理解し易い形式で表現することができるので、ユーザは、必要な機能を機能名の表示なしで選択することができ、かつ、カーソルポインタの最小限の移動で操作を行うことが可能となるとともに、表示するアイコンの色分けにより、多彩な機能を付与することも可能である。
【0025】
(本発明の実施例)
本発明の実施例として、以下に示すピン(画鋲)を採用したアイコンをマンマシンインターフェース用の手段として使用する。ここで、以下の説明においては、ピン(画鋲)を採用した当該アイコン各部に対して、図1に示すような名称を付与する。図1は、本発明のアイコン利用方法におけるアイコンの表示例を示す模式図であり、合わせて、ピン(画鋲)を採用したアイコンの各部に付与した名称の一例を示している。
【0026】
図1に示すように、本発明のアイコン利用方法におけるアイコン10は、ピン(画鋲)として構成されており、ピン本体1と当該ピン本体1に関する影2とからなっている。また、ピン本体1は、つまみ1aと針1bとから構成される。
【0027】
ここで、ピン本体1および影2に対して、図2に示すような状態を割り当てる。
【0028】
図2に示すように、ピン本体1については、浮いている状態、中間的に刺さっている状態、中間的に刺さった状態で回転している状態、および、深く刺さっている状態の4つの状態を割り当て、一方、ピン本体1に関する影2については、浮いている状態、中間的に刺さっている状態、深く刺さっている状態、および、隠されたボタンを表示する状態の4つの状態を割り当てる。
【0029】
ここで、ピン本体1と影2との組み合わせに応じて、本発明を利用したシステムが取るべき状態について、図3に示す。
【0030】
図3に示すように、ピン本体1が浮いている状態においては、影2も浮いている状態のみが、有効であり、ピン本体1およびターゲットオブジェクトが移動可能な状態にあることを示している。
【0031】
また、ピン本体1が中間的に刺さって固定している状態においては、影2が中間的に刺さっている状態か、隠されたボタンを表示する状態かのいずれかが、有効であり、前者の場合には、ピン本体1およびターゲットオブジェクトがその場所に留まっている状態にあることを示し、後者の場合には、隠されたボタンが表示されて、選択可能な状態にあることを示している。
【0032】
また、ピン本体1が中間的に刺さって回転している状態においては、影2も中間的に刺さっている状態のみが、有効であり、ターゲットオブジェクトが拡大あるいは縮小中の状態にあることを示している。
【0033】
ピン本体1が深く刺さっている状態においては、影2も深く刺さっている状態のみが有効であり、ターゲットオブジェクト表示の実行中の状態を示している。
【0034】
以上のような図3に示すシステムの状態を実現するために、ディスプレイ画面上に表示されるピン本体1の状態とユーザが操作したカーソルポインタとの組み合わせによって、実行すべき処理内容を図4および図5に示す。
【0035】
また、ユーザが行うカーソルポインタ操作としては、ピン本体1の上部のつまみ1aにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、ピン本体1の下部の針1bにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、決定ボタンを開放するか、カーソルポインタを移動するか、ピン本体に関する影2にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、あるいは、ピン本体に関する影2の中に隠されていたボタンにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、いずれかが有効である。
【0036】
ここに、図4は、ターゲットオブジェクトが非表示状態にあった場合にカーソルポインタの操作により実行される機能について示しており、図5は、ターゲットオブジェクトが表示状態にあった場合にカーソルポインタの操作により実行される機能について示している。
【0037】
図4に示すように、ターゲットオブジェクトが非表示状態にあった場合には、ピン本体1は、中間的に刺さった状態で回転している状態やピンの影に隠されたボタンを表示している状態は無効である。また、ピン本体1が、浮いている状態にある場合には、カーソルポインタは、決定ボタンを開放するか、カーソルポインタを移動するか、の操作のいずれかが有効であり、前者の操作ではピン本体1の状態が、浮いている状態から中間的に刺さって固定している状態になり、後者の操作では、ピン本体1の表示位置がカーソルポインタの移動に追従して移動する。
【0038】
また、ピン本体1が、中間的に刺さって固定している状態にある場合には、カーソルポインタは、ピン本体1のつまみ1aにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、ピン本体1の針1bにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、の操作のいずれかが有効であり、前者の操作では、ピン本体1の状態が、中間的に刺さって固定している状態から深く刺さっている状態になり、後者の操作では、ピン本体1の状態が、中間的に刺さって固定している状態から浮いている状態になる。
【0039】
ピン本体1が、深く刺さっている状態にある場合には、カーソルポインタは、決定ボタンを開放する操作のみが有効であり、ピン本体1の状態が、深く刺さっている状態から図5の中間的に刺さって固定している状態になり、ターゲットオブジェクトを画面表示する。
【0040】
一方、図5に示すように、ターゲットオブジェクトが表示状態にあった場合には、ピン本体1は、深く刺さっている状態は無効である。また、ピン本体1が浮いている状態にある場合には、図4の非表示状態の場合と同様であり、カーソルポインタは、決定ボタンを開放するか、カーソルポインタを移動するか、の操作のいずれかが有効であり、前者の操作では、ピン本体1の状態が、浮いている状態から中間的に刺さって固定している状態になり、後者の操作では、ピン本体1の表示位置がカーソルポインタの移動に追従して移動する。
【0041】
また、ピン本体1が、中間的に刺さって固定している状態にある場合には、カーソルポインタは、ピン本体1のつまみ1aにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、ピン本体1の針1bにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、あるいは、ピン本体に関する影2にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、の操作のいずれかが有効であり、第1番目の操作では、ピン本体1の状態が、中間的に刺さって固定している状態から中間的に刺さって回転している状態になり、第2番目の操作では、ピン本体1の状態が、中間的に刺さって固定している状態から浮いている状態になり、第3番目の操作では、影を拡大して影内に選択ボタンを表示する状態になる。
【0042】
ピン本体1が、中間的に刺さって回転している状態にある場合には、カーソルポインタは、ピン本体1のつまみ1aにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、決定ボタンを開放するか、の操作のいずれかが有効であり、前者の操作では、ターゲットオブジェクトの表示を拡大または縮小する(なお、縮小して表示サイズが閾値を下回った場合には、ターゲットオブジェクトを非表示にして、ピン本体1の状態が、中間的に刺さって回転している状態から図4の中間的に刺さって固定している状態になる)が、後者の操作では、トグル的に拡大または縮小する決定を行い、ピン本体1の状態が、中間的に刺さって回転している状態から中間的に刺さって固定している状態になる。
【0043】
また、隠されたボタンを表示している状態にある場合には、カーソルポインタは、ピン本体に関する影2にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、影2の中にあるボタンにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、の操作のいずれかが有効であり、前者の操作では、影を縮小して影内の選択ボタンを非表示にする状態になり、後者の操作では、選択したボタンに割り当てられた機能を実行する。
【0044】
図4および図5のカーソルポインタの操作により具体的に実行される機能について、図6乃至図10に示す状態遷移図を用いてさらに説明する。通常のソフトウェア手法に通じた技術者であれば、かかる状態遷移図に基づいて、ピン本体1と影2からなるアイコンを利用した機能を実現するアイコン利用制御用プログラムを簡単にかつ正確に作成することができる。
【0045】
図6は、図7乃至図10の状態遷移図にイメージとして表示されるアイコン画像を説明するための説明図であり、図7乃至図10は、本発明のアイコン利用方法における状態の遷移条件の一例を示す状態遷移図である。
【0046】
図6に示すように、図7乃至図10に示す状態遷移図に示すアイコンイメージとしては、影2の状態を示すアイコン影画像21、ピン本体の状態を示すアイコン全体画像22、ボタンの格納状態を示すボタン格納画像23、ターゲットオブジェクト非表示時のつまみ1aを示すターゲットオブジェクト表示画像24、および、ターゲットオブジェクト表示時のつまみ1aとターゲットオブジェクトの表示サイズ拡大・縮小操作を示すターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25を、それぞれの状態に応じて、異なる図形を用いて示している。ここで、アイコン影画像21、アイコン全体画像22については、A(中間的に刺さっている状態)、B(深く刺さっている状態)、C(浮いている状態)の3種類、ボタン格納画像23については、隠されたボタンの表示・非表示を切り替えるA、B、Cの3種類、ターゲットオブジェクト表示画像24については、Aのみの1種類、ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25については、ターゲットオブジェクトが拡大中、縮小中ではない状態を示すA、拡大中、縮小中のピン本体1が回転している様を示すB、C、D、Eの5種類を、それぞれ、用意している。図6に示す画像は図7乃至図10に示す状態遷移図に示すイベントa,b,c,d,e,f,gの発生するトリガーとなるため、画像が重なっている部分の表示順位は、奥からアイコン影画像21、ボタン格納画像23アイコン全体画像22、ターゲットオブジェクト表示画像24、ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25の順で手前に表示する。
【0047】
また、図7乃至図10の状態遷移図におけるイベントa,b,c,d,e,f,gは、カーソルポインタの操作またはカーソルポインタ操作結果の状態による状態遷移条件を示すものであり、以下の通りである。
(a)イベントa:アイコン上部(つまみ1a)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下される。
(b)イベントb:ターゲットオブジェクトの表示サイズがあらかじめ定めたある一定の大きさを下回る。
(c)イベントc:アイコン下部(針1b)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下される。
(d)イベントd:決定ボタンが開放される。
(e)イベントe:アイコンの影2にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下される。
(f)イベントf:アイコンの影2のボタンにカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下される。
(g)イベントg:カーソルポインタが移動する。
【0048】
アイコン利用が可能な状態になると、図7の状態遷移が起動され、初期状態の設定が行われ(プロセスP01)、ターゲットオブジェクトを初期状態に復帰させるために非表示にした後、中間的に刺さっている状態としてアイコン全体画像22(A)とアイコン影画像21(A)とを表示する。さらに、ターゲットオブジェクト表示画像24(A)を表示し、ボタン格納画像23とターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25とを非表示に設定する。しかる後、ターゲットオブジェクト非表示状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST01)。
【0049】
状態ST01において、つまみ1a(ターゲットオブジェクト表示画像24)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントaが発生した場合、深く刺さっている状態としてアイコン全体画像22(A)をアイコン全体画像22(B)に変更し、アイコン影画像21(A)をアイコン影画像21(B)に変更して表示する。さらに、ターゲットオブジェクト表示画像24を非表示に設定し、ボタン格納画像23とターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25とは非表示のままにする(プロセスP02)。しかる後、イベントdつまり決定ボタンが開放される操作を待ち合わせる状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST02)。
【0050】
状態ST02において、決定ボタンが開放されるイベントdが発生した場合、ピン本体があたかもターゲットオブジェクト上部に刺さっているかの如く、ターゲットオブジェクトを表示した後、中間的に刺さって固定している状態とするためにアイコン全体画像22(B)をアイコン全体画像22(A)に変更し、ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25(A)を表示する。さらに、ボタン格納画像23(A)を表示するとともに、アイコン影画像21を非表示にし、ターゲットオブジェクト表示画像24を非表示のままにする(プロセスP03)。しかる後、ターゲットオブジェクト表示状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST03)。
【0051】
一方、状態ST01において、針1b(アイコン全体画像22)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントcが発生した場合、浮いている状態としてアイコン全体画像22(A)をアイコン全体画像22(C)に変更し、アイコン影画像21(A)をアイコン影画像21(C)に変更して表示する。さらに、ターゲットオブジェクト表示画像24を非表示に設定し、ボタン格納画像23とターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25とは非表示のままにする(プロセスP04)。しかる後、アイコン移動可能状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST04)。
【0052】
次に、中間的に刺さって固定している状態にあって、図8に示すターゲットオブジェクト表示状態の状態ST03において、つまみ1a(ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントaが発生した場合で、ターゲットオブジェクトの表示サイズ拡大と縮小の方向が縮小の方向でなかった場合、ターゲットオブジェクト表示拡大中状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST06)。状態ST06において、つまみ1a(ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントaが継続して発生していた場合は、ターゲットオブジェクトの表示サイズを拡大させる選択を行うとともに、このプロセスが発生する都度、ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25(B)、(C)、(D)、(E)の順番に順次切り替えて表示する(プロセスP14)。また、状態ST06において、決定ボタンが開放されるイベントdが発生した場合、トグル的に、ターゲットオブジェクトの表示サイズ拡大と縮小の方向を縮小に切り替える(プロセスP16)。しかる後、ターゲットオブジェクト表示状態のST03に復帰する。
【0053】
また、状態ST03において、つまみ1aに(ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントaが発生した場合で、ターゲットオブジェクトの表示サイズ拡大と縮小の方向が縮小の方向であった場合、ターゲットオブジェクト表示縮小中状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST07)。状態ST07において、つまみ1a(ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントaが継続して発生していた場合は、ターゲットオブジェクトの表示サイズを縮小させる選択を行うとともに、このプロセスが発生する都度、ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25(E)、(D)、(C)、(B)の順番に順次切り替えて表示する(プロセスP15)。また、状態ST07において、決定ボタンが開放されるイベントdが発生した場合、トグル的に、ターゲットオブジェクトの表示サイズ拡大と縮小の方向を拡大に切り替える(プロセスP17)。しかる後、ターゲットオブジェクト表示状態のST03に復帰する。
【0054】
また、状態ST07において、ターゲットオブジェクトの表示サイズがあらかじめ定めたある一定の大きさを下回るイベントbが発生した場合、ターゲットオブジェクトを非表示に設定した後、中間的に刺さって固定している状態とするためにアイコン全体画像22(A)は表示したままで、アイコン影画像21(A)を表示する。さらに、ターゲットオブジェクト表示画像24(A)を表示し、ボタン格納画像23とターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25とを非表示にする(プロセスP11)。しかる後、ターゲットオブジェクト非表示状態の状態ST01に戻って、次のイベントの発生待ちの状態になる。
【0055】
また、状態ST03において、針1b(アイコン全体画像22)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントcが発生した場合、浮いている状態とするためにアイコン全体画像22(A)をアイコン全体画像22(C)に変更し、アイコン影画像21(C)を表示する。さらに、ターゲットオブジェクト表示画像24は非表示のままで、ボタン格納画像23とターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25とを非表示にする(プロセスP12)。しかる後、アイコンおよびターゲットオブジェクトを移動可能な状態の状態ST08に移行して、次のイベント発生待ちの状態になる。
【0056】
また、状態ST03において、ボタン格納画像23(A)つまりアイコンの影2にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントeが発生した場合、ボタン格納画像23を(A),(B),(C)の順に切り替えて、ボタン格納画像23(C)を最適の大きさに拡大表示し、影内に格納しているボタン(単一または複数)を表示して有効な状態にする(プロセスP13)。しかる後、影内格納ボタン表示状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST05)。
【0057】
次に、中間的に刺さって固定している状態にあって、図9に示す影内格納ボタン表示状態の状態ST05において、アイコンの影2のボタンにカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントfが発生した場合、カーソルポインタが置かれたボタンに割り当てられている機能を実行する(プロセスP21)。しかる後、影内格納ボタン表示状態の状態ST05に復帰する。
【0058】
また、状態ST05において、ボタン格納画像23(C)つまりアイコンの影2にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントeが発生した場合、影内に格納しているボタン(単一または複数)を非表示にして無効にするとともに、ボタン格納画像23(C)を初期の大きさに縮小し、ボタン格納画像23を(C)、(B)、(A)の順に切り替える(プロセスP22)。しかる後、ターゲットオブジェクト表示状態の状態ST03に戻って、次のイベントの発生待ちの状態になる。
【0059】
次に、アイコンおよびターゲットオブジェクトを移動可能な状態の図10の状態ST04および状態ST08において、カーソルポインタが移動するイベントgが発生した場合、カーソルポインタが移動するのに合わせて、ターゲットオブジェクトおよびアイコンの表示位置を移動し(プロセスP31およびプロセスP33)、アイコンを移動可能状態の状態ST04またはアイコンおよびターゲットオブジェクトを移動可能状態の状態ST08に復帰する。
【0060】
また、状態ST04において、決定ボタンが開放されるイベントdが発生した場合、中間的に刺さって固定している状態とするためにアイコン全体画像22(C)をアイコン全体画像22(A)に変更し、アイコン影画像21(C)をアイコン影画像21(A)に変更して表示する。さらに、ターゲットオブジェクト表示画像24(A)を表示し、ボタン格納画像23とターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25とは非表示のままにする(プロセスP32)。しかる後、ターゲットオブジェクト非表示状態の状態ST01に戻って、次のイベントの発生待ちの状態になる。
【0061】
また、状態ST08において、決定ボタンが開放されるイベントdが発生した場合、中間的に刺さって固定している状態とするためにアイコン全体画像22(C)をアイコン全体画像22(A)に変更し、ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25(A)を表示する。さらに、ボタン格納画像23(A)を表示するとともに、アイコン影画像21を非表示にし、ターゲットオブジェクト表示画像24を非表示のままにする(プロセスP34)。しかる後、ターゲットオブジェクト表示状態の状態ST03に戻って、次のイベントの発生待ちの状態になる。
【0062】
(本発明の効果)
次に、前述した本発明のアイコン利用方法に関する実施例の効果について、従来技術におけるアイコン利用方法と対比した形で説明する。
【0063】
まず、図11を用いて、本実施例のアイコン利用方法におけるユーザ操作回数について、従来の場合と対比して説明する。図11は、本発明のアイコン利用方法のユーザ操作回数の一例を説明するための説明図であり、従来技術の場合と対比して示している。なお、図11に示すユーザ操作回数は、次の4回の操作を連続的に行う場合について示したものであるが、アイコン内のカーソルポインタの移動については、操作回数としてカウントしていない。
操作(1):ターゲットオブジェクトを表示
操作(2):ターゲットオブジェクトの移動
操作(3):ターゲットオブジェクトの表示サイズを変更
操作(4):ターゲットオブジェクトを非表示
【0064】
図11に示すように、ターゲットオブジェクトを表示するための操作(1)については、ピン(画鋲)からなるアイコンへカーソルポインタを移動した後、決定ボタンを押下するという2回の操作が必要であり、従来技術と同様の操作回数であるが、しかる後、ターゲットオブジェクトの移動を行う操作(2)の場合、アイコン内にあるカーソルポインタを上部のつまみ1aに移動して決定ボタンを押下する1回の操作(従来技術の場合は3回の操作)で済む。
【0065】
さらに、ターゲットオブジェクトの表示サイズを変更する操作(3)では、アイコン内にあるカーソルポインタを下部の針1bに移動して決定ボタンを押下した後、カーソルポインタを任意の場所に移動するという2回の操作(従来技術の場合は3回の操作)で済み、ターゲットオブジェクトを非表示にする操作(4)では、カーソルポインタを上部のつまみ1aに移動して表示サイズがあらかじめ定めた閾値のサイズよりも小さくなるまで決定ボタンを押下するという1回の操作(従来技術の場合は2回の操作)で済む。
【0066】
したがって、前述のような4つの操作を連続的に行う場合、本発明の実施例の場合、ユーザ操作回数が、従来技術の10回に比し、6回とほぼ半減させることが可能となり、ユーザの操作性を大幅に改善することができる。
【0067】
次に、図12を用いて、本実施例のアイコン利用方法におけるディスプレイ画面上に表示されるアイコンの個数について、従来の場合と対比して説明する。図12は、本発明のアイコン利用方法のディスプレイ画面上に表示されるアイコンの個数の一例を説明するための説明図であり、図12(A)は従来技術の場合を示し、図12(B)は本発明の場合を示している。
【0068】
従来技術の場合は、図12(A)に示すように、ターゲットオブジェクトを表示するボタン以外に、ターゲットオブジェクトが表示されたウィンドウ内にそれぞれ配置されている複数のアイコンにより、ターゲットオブジェクトの移動、拡大・縮小、非表示に関する操作を行うことになり、かかる操作に要する機能それぞれに対応してアイコンを表示することが必要であり、表示アイコンの個数が、機能の数だけ必要となる。
【0069】
これに対して、本発明のアイコン利用方法においては、図12(B)に示すように、ピン(画鋲)からなるアイコンに、ターゲットオブジェクトの表示、非表示、移動、拡大・縮小に関する機能を集約させることにより、表示アイコンの個数が、かかる操作に要する機能の数に比し、大幅に削減することが可能となる。この結果、ディスプレイ画面の有効利用を図ることができ、携帯電話機などのような小型化したディスプレイであっても、視認性に富み、直感的に理解し易く、操作性に優れた画面表示を行うことができる。
【0070】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【0071】
例えば、上述実施例における“ピン”の代わりに、“ネジ”、“飛行機”、“気球”、“中央部が膨らんでいる吸盤”、“ゴルフボール”等の任意の特定形状と異なる表示状態で表現されるアイコンを用いて同様な効果を得ることができる。
【0072】
図13には、上述“ピン”の場合と、“ネジ”、“飛行機”、“気球”、“中央部が膨らんでいる吸盤”及び“ゴルフボール”のそれぞれの状態との対応関係が示されている。
【0073】
図13において、“ピン”の「抜ける」、「刺さる」、「深く刺さる」、「回転する」及び「影」は、“ネジ”の「抜ける」、「刺さる」、「深く刺さる」、「回転する」及び「影」に相当し、“飛行機”の「飛ぶ」、「着陸している」、「爆発する」、「旋回する」及び「影」に相当する。
【0074】
また、“ピン”の「抜ける」、「刺さる」、「深く刺さる」、「回転する」及び「影」は、“気球”の「浮く」、「着陸している」、「空気が抜ける」、「旋回する」及び「影」に相当し、“飛行機”の「飛ぶ」、「着陸している」、「爆発する」、「旋回する」及び「影」に相当する。
【0075】
更に、“ピン”の「抜ける」、「刺さる」、「深く刺さる」、「回転する」及び「影」は、“気球”の「浮く」、「着陸している」、「空気が抜ける」、「旋回する」及び「影」に相当し、“中央部が膨らんでいる吸盤”の「はがれる」、「張り付く」、「へこむ」、「回転する」及び「影」に相当し、“ゴルフボール”の「浮く」、「着地している」、「めり込む」、「回転する」及び「影」に、それぞれ相当する。このように、本発明におけるアイコンは、特定形状と異なる表示状態で表現されるアイコンであれば任意である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明のアイコン利用方法におけるアイコンの表示例を示す模式図である。
【図2】本発明のアイコン利用方法におけるピン本体及び影が表現する状態例を示す図である。
【図3】本発明のアイコン利用方法におけるピン本体と影の組み合わせが表現する状態例を示す図である。
【図4】本発明のアイコン利用方法におけるピン本体とカーソルポインタにより実行される機能例を示す図である。
【図5】本発明のアイコン利用方法におけるピン本体とカーソルポインタにより実行される機能例を示す図である。
【図6】本発明の実施例における状態遷移図にイメージとして表示されるアイコン画像を説明するための説明図である。
【図7】本発明のアイコン利用方法におけるターゲットオブジェクト非表示状態の状態遷移図である。
【図8】本発明のアイコン利用方法におけるターゲットオブジェクト表示状態の状態遷移図である。
【図9】本発明のアイコン利用方法における影内格納ボタン表示状態の状態遷移図である。
【図10】本発明のアイコン利用方法におけるアイコン及びターゲットオブジェクト移動可能状態の遷移図である。
【図11】本発明のアイコン利用方法のユーザ操作回数の一例を説明するための説明図である。
【図12】本発明のアイコン利用方法のディスプレイ画面上に表示されるアイコンの個数の一例を説明するための説明図である。
【図13】本発明のアイコンとして利用できるピン以外のイメージの例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0077】
1 ピン本体
1a つまみ
1b 針
2 影
10 アイコン
21 アイコン影画像
22 アイコン全体画像
23 ボタン格納画像
24 ターゲットオブジェクト表示画像
25 ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイコン利用方法、アイコン利用装置、アイコン利用制御プログラムおよびプログラム記録媒体に関し、特に、ユーザがアプリケーションソフトウェアを利用する際に、ディスプレイ画面上でのユーザの操作性と利便性とを向上させるマンマシンインターフェース技術を実現するアイコン利用方法、アイコン利用装置、アイコン利用制御プログラムおよびプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、パソコンの利用状況は非常に活発であり、企業内や家庭内において、一人一台所有するほど普及している。パソコンを利用した便利なアプリケーションが多くある中、機能を重視するあまり、機能の数に応じて、操作マニュアルが膨らみ、かつ、パソコンを高度に利用する必要がある場合は、便利なアプリケーションほど高い熟練が必要とされている。
【0003】
また、電子データで作成されている書類や、ホームページの内容を詳細に理解したい場合は、画面上のインターフェースのみでは不便であるため、紙に印刷して、印刷物を手にとって確認する人も少なくない。
【0004】
パソコンに限らず携帯電話機など各種の電子機器の小型化が進む中で、人間が電子機器の操作を必要とする場面で登場するマンマシンインターフェースを簡略化しなければならないことは、今後の技術的進歩の上で大きな課題である。
【0005】
通常の電子機器においては、例えば特許文献1の特開2000−348058号公報「画像管理装置および画像管理方法およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体」にも記載されているように、マンマシンインターフェースを簡略化して実現するために、ディスプレイ画面を備え、該ディスプレイ画面上に、各機能を実現するアプリケーションそれぞれを特定するアイコンをビットマップイメージとしてメニュー表示し、いずれかのアイコンに対して特定の操作(例えばマウスのボタンのダブルクリック操作など)を行うことによって、所望の特定のアプリケーションを起動する仕組みが採用されている。
【特許文献1】特開2000−348058号公報(第3−4頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のアイコンによるマンマシンインターフェースの実現方法には、次のような問題があり、ユーザによって必ずしも使い勝手が良いとはいえない状況にある。
【0007】
第1の問題は、必要な機能の個数分の異なるアイコンをディスプレイ画面上に配置する必要がある点にあり、必要な機能の個数の増加に伴い、ディスプレイ画面上に一覧表示できず、何段階にも分けて階層化して画面表示するためのアイコンをさらに追加していくことになってしまう。
【0008】
第2の問題は、ユーザにとって或る機能が未使用であっても、当該機能に該当するアイコン用の画面表示領域の割り当てが必要とされる点にあり、必要な機能用のアイコンの一覧性を損なう結果を招いている。
【0009】
第3の問題は、機能を利用するユーザに対して、当該機能を特定するアイコン表示名を分かり易く明示しなければならないにも係わらず、現状のアイコン表示は、機能を把握し易いアイコン表示名が付されているとは限らない点にある。
【0010】
第4の問題は、小型の携帯機器などのように、アイコンを画面表示するディスプレイとして、低解像度の画面を用いている場合、配置可能なアイコンの個数に制限があり、階層化して画面表示しようとしても、階層の深さからユーザにとって選択可能な機能が限定されてしまう点にある。
【0011】
第5の問題は、ディスプレイ画面に表示したオブジェクトの拡大縮小を行う操作は、一般に、単一アイコンでは操作することができず、複雑なカーソルポインタ操作が必要になってしまう点にある。
【0012】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、パソコンのアプリケーションのみに限らず、各種の電子機器上のアプリケーションにおいて、各機能(ターゲットオブジェクト)をビットマップイメージとして表示するアイコンを利用して、マンマシンインターフェースを操作する場面では、対象の機能を直感的に理解することができ、かつ、操作アイコン(ボタン)の表示占有領域およびユーザの負担を低減することが可能なアイコン利用方法、アイコン利用装置、アイコン利用制御プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述の課題を解決するため、本発明によるアイコン利用方法、アイコン利用装置、アイコン利用制御プログラムおよびプログラム記録媒体は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0014】
(1)ターゲットオブジェクトを代表して画面表示するアイコンを用いて、当該ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上で表示および制御するアイコン利用方法であって、前記アイコンを、つまみおよび針からなるピン本体と該ピン本体の影とによって構成し、前記ピン本体と影との表示状態を変更することにより、前記アイコンによって代表される前記ターゲットオブジェクトの表示および制御を変更するアイコン利用方法。
(2)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されていない場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下した後、該決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上に表示する上記(1)のアイコン利用方法。
(3)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されているかまたは表示されていない場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体の針にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下した状態で任意の位置までドラッグした後、該決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトおよび/またはアイコンの表示位置を前期任意の位置まで移動する上記(1)または(2)のアイコン利用方法。
(4)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、前記ターゲットオブジェクトの画面表示サイズを拡大または縮小した後、前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、前記決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトの画面表示サイズを確定する上記(1)乃至(3)のいずれかのアイコン利用方法。
(5)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトの画面表示サイズの拡大または縮小を交互に切り替える上記(1)乃至(4)のいずれかのアイコン利用方法。
(6)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトの画面表示サイズが、あらかじめ定めた閾値よりも小さなサイズに縮小された場合に、当該ターゲットオブジェクトを非表示にする上記(1)乃至(5)のいずれかのアイコン利用方法。
(7)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記影にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、前記影のサイズを適切な表示サイズに拡大して、当該影内にあらかじめ格納されている1乃至複数のボタンを当該影内に画面表示して有効な状態にする上記(1)乃至(6)のいずれかのアイコン利用方法。
(8)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示され、かつ、前記影内に1乃至複数の前記ボタンが表示されて有効な状態にある場合に、1乃至複数の前記ボタンのいずれかにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、選択された前記ボタンに対応する機能を実行する上記(7)のアイコン利用方法。
(9)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示され、かつ、前記影内に1乃至複数の前記ボタンが表示されて有効な状態にある場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記影にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、当該影内に表示されていた1乃至複数の前記ボタンを非表示に切り替えて無効な状態にし、かつ、前記影のサイズを初期の表示サイズに縮小する上記(7)または(8)のアイコン利用方法。
(10)前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されて未実行の状態にある場合には、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記針が中間的に刺さっているように表示し、当該ターゲットオブジェクトを実行中の場合には、当該アイコンの前記針が深く刺さっているように表示し、当該ターゲットオブジェクトおよび当該アイコンを移動可能な状態にある場合には、当該アイコンの前記針が浮いているように表示し、当該ターゲットオブジェクトを拡大または縮小することが可能な状態にある場合は、当該アイコンの前記つまみが回転しているように表示する上記(1)乃至(9)のいずれかのアイコン利用方法。
(11)ターゲットオブジェクトを代表して画面表示するアイコンを用いて、当該ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上で表示および制御するアイコン利用装置において、前記アイコンを、つまみおよび針からなるピン本体と該ピン本体の影とによって構成し、前記ピン本体と影との表示状態を変更することにより、前記アイコンによって代表される前記ターゲットオブジェクトの表示および制御を変更するアイコン利用装置。
(12)上記(1)乃至(10)のいずれかのアイコン利用方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施するアイコン利用制御プログラム。
(13)上記(12)のアイコン利用制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録しているプログラム記録媒体。
(14)ターゲットオブジェクトを代表して画面表示するアイコンを用いて、当該ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上で表示および制御するアイコン利用方法であって、前記アイコンを、特定形状と異なる表示状態で表現されるアイコンとによって構成し、前記特定形状と表示状態を変更することにより、前記アイコンによって代表される前記ターゲットオブジェクトの表示および制御を変更するアイコン利用方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明のアイコン利用方法、アイコン利用装置、アイコン利用制御プログラムおよびプログラム記録媒体によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0016】
第1に、単一のアイコンだけで以下のような複数の機能を表現することができる。
(1)ターゲットオブジェクトの表示・非表示
(2)ターゲットオブジェクトの移動
(3)ターゲットオブジェクトの拡大・縮小
(4)影内に格納された単数または複数のボタンの有効化・無効化
【0017】
第2に、前述の(1)乃至(4)の各操作を、最小限のカーソルポインタの移動と決定ボタン、および、ドラッグ操作のみで実現することができる。
【0018】
第3に、機能名の文字表示がなくても、ユーザが感覚的に必要機能を理解して必要な操作を行うことが可能である。
【0019】
第4に、携帯電話機などの小さいディスプレイ画面内での操作に適用した場合にも、画面スペースとカーソルポインタの移動時間(距離)とを節約することができる。
【0020】
第5に、アイコンの状態を色分けする等の更なる表示方法の追加により、実現することが可能な機能数を増加することができる。
【0021】
第6に、オペレーティングシステムのフォルダ(ディレクトリ)等の操作に適用した場合には、コンピュータで使用される主要な操作が大幅に軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明によるアイコン利用方法、アイコン利用装置、アイコン利用制御プログラムおよびプログラム記録媒体の好適な実施例について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明によるアイコン利用方法を説明するが、かかるアイコン利用方法を装置に組み込んでアイコン利用装置として実施しても良いし、コンピュータにより実行可能なアイコン利用制御プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、アイコン利用制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0023】
本発明の実施例の説明に先立って、本発明の基本構成についてまず簡単に説明する。本発明は、マンマシンインターフェース用のアイコンとしてピン(画鋲)を採用することによって、ターゲットオブジェクトの移動・固定、表示の拡大・縮小の操作を、直感的に理解し易くしている。
【0024】
アイコンとして、複数の構成部品からなるピン(画鋲)を採用することにより、単一のアイコンで複数の機能を直感的に理解し易い形式で表現することができるので、ユーザは、必要な機能を機能名の表示なしで選択することができ、かつ、カーソルポインタの最小限の移動で操作を行うことが可能となるとともに、表示するアイコンの色分けにより、多彩な機能を付与することも可能である。
【0025】
(本発明の実施例)
本発明の実施例として、以下に示すピン(画鋲)を採用したアイコンをマンマシンインターフェース用の手段として使用する。ここで、以下の説明においては、ピン(画鋲)を採用した当該アイコン各部に対して、図1に示すような名称を付与する。図1は、本発明のアイコン利用方法におけるアイコンの表示例を示す模式図であり、合わせて、ピン(画鋲)を採用したアイコンの各部に付与した名称の一例を示している。
【0026】
図1に示すように、本発明のアイコン利用方法におけるアイコン10は、ピン(画鋲)として構成されており、ピン本体1と当該ピン本体1に関する影2とからなっている。また、ピン本体1は、つまみ1aと針1bとから構成される。
【0027】
ここで、ピン本体1および影2に対して、図2に示すような状態を割り当てる。
【0028】
図2に示すように、ピン本体1については、浮いている状態、中間的に刺さっている状態、中間的に刺さった状態で回転している状態、および、深く刺さっている状態の4つの状態を割り当て、一方、ピン本体1に関する影2については、浮いている状態、中間的に刺さっている状態、深く刺さっている状態、および、隠されたボタンを表示する状態の4つの状態を割り当てる。
【0029】
ここで、ピン本体1と影2との組み合わせに応じて、本発明を利用したシステムが取るべき状態について、図3に示す。
【0030】
図3に示すように、ピン本体1が浮いている状態においては、影2も浮いている状態のみが、有効であり、ピン本体1およびターゲットオブジェクトが移動可能な状態にあることを示している。
【0031】
また、ピン本体1が中間的に刺さって固定している状態においては、影2が中間的に刺さっている状態か、隠されたボタンを表示する状態かのいずれかが、有効であり、前者の場合には、ピン本体1およびターゲットオブジェクトがその場所に留まっている状態にあることを示し、後者の場合には、隠されたボタンが表示されて、選択可能な状態にあることを示している。
【0032】
また、ピン本体1が中間的に刺さって回転している状態においては、影2も中間的に刺さっている状態のみが、有効であり、ターゲットオブジェクトが拡大あるいは縮小中の状態にあることを示している。
【0033】
ピン本体1が深く刺さっている状態においては、影2も深く刺さっている状態のみが有効であり、ターゲットオブジェクト表示の実行中の状態を示している。
【0034】
以上のような図3に示すシステムの状態を実現するために、ディスプレイ画面上に表示されるピン本体1の状態とユーザが操作したカーソルポインタとの組み合わせによって、実行すべき処理内容を図4および図5に示す。
【0035】
また、ユーザが行うカーソルポインタ操作としては、ピン本体1の上部のつまみ1aにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、ピン本体1の下部の針1bにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、決定ボタンを開放するか、カーソルポインタを移動するか、ピン本体に関する影2にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、あるいは、ピン本体に関する影2の中に隠されていたボタンにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、いずれかが有効である。
【0036】
ここに、図4は、ターゲットオブジェクトが非表示状態にあった場合にカーソルポインタの操作により実行される機能について示しており、図5は、ターゲットオブジェクトが表示状態にあった場合にカーソルポインタの操作により実行される機能について示している。
【0037】
図4に示すように、ターゲットオブジェクトが非表示状態にあった場合には、ピン本体1は、中間的に刺さった状態で回転している状態やピンの影に隠されたボタンを表示している状態は無効である。また、ピン本体1が、浮いている状態にある場合には、カーソルポインタは、決定ボタンを開放するか、カーソルポインタを移動するか、の操作のいずれかが有効であり、前者の操作ではピン本体1の状態が、浮いている状態から中間的に刺さって固定している状態になり、後者の操作では、ピン本体1の表示位置がカーソルポインタの移動に追従して移動する。
【0038】
また、ピン本体1が、中間的に刺さって固定している状態にある場合には、カーソルポインタは、ピン本体1のつまみ1aにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、ピン本体1の針1bにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、の操作のいずれかが有効であり、前者の操作では、ピン本体1の状態が、中間的に刺さって固定している状態から深く刺さっている状態になり、後者の操作では、ピン本体1の状態が、中間的に刺さって固定している状態から浮いている状態になる。
【0039】
ピン本体1が、深く刺さっている状態にある場合には、カーソルポインタは、決定ボタンを開放する操作のみが有効であり、ピン本体1の状態が、深く刺さっている状態から図5の中間的に刺さって固定している状態になり、ターゲットオブジェクトを画面表示する。
【0040】
一方、図5に示すように、ターゲットオブジェクトが表示状態にあった場合には、ピン本体1は、深く刺さっている状態は無効である。また、ピン本体1が浮いている状態にある場合には、図4の非表示状態の場合と同様であり、カーソルポインタは、決定ボタンを開放するか、カーソルポインタを移動するか、の操作のいずれかが有効であり、前者の操作では、ピン本体1の状態が、浮いている状態から中間的に刺さって固定している状態になり、後者の操作では、ピン本体1の表示位置がカーソルポインタの移動に追従して移動する。
【0041】
また、ピン本体1が、中間的に刺さって固定している状態にある場合には、カーソルポインタは、ピン本体1のつまみ1aにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、ピン本体1の針1bにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、あるいは、ピン本体に関する影2にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、の操作のいずれかが有効であり、第1番目の操作では、ピン本体1の状態が、中間的に刺さって固定している状態から中間的に刺さって回転している状態になり、第2番目の操作では、ピン本体1の状態が、中間的に刺さって固定している状態から浮いている状態になり、第3番目の操作では、影を拡大して影内に選択ボタンを表示する状態になる。
【0042】
ピン本体1が、中間的に刺さって回転している状態にある場合には、カーソルポインタは、ピン本体1のつまみ1aにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、決定ボタンを開放するか、の操作のいずれかが有効であり、前者の操作では、ターゲットオブジェクトの表示を拡大または縮小する(なお、縮小して表示サイズが閾値を下回った場合には、ターゲットオブジェクトを非表示にして、ピン本体1の状態が、中間的に刺さって回転している状態から図4の中間的に刺さって固定している状態になる)が、後者の操作では、トグル的に拡大または縮小する決定を行い、ピン本体1の状態が、中間的に刺さって回転している状態から中間的に刺さって固定している状態になる。
【0043】
また、隠されたボタンを表示している状態にある場合には、カーソルポインタは、ピン本体に関する影2にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、影2の中にあるボタンにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下するか、の操作のいずれかが有効であり、前者の操作では、影を縮小して影内の選択ボタンを非表示にする状態になり、後者の操作では、選択したボタンに割り当てられた機能を実行する。
【0044】
図4および図5のカーソルポインタの操作により具体的に実行される機能について、図6乃至図10に示す状態遷移図を用いてさらに説明する。通常のソフトウェア手法に通じた技術者であれば、かかる状態遷移図に基づいて、ピン本体1と影2からなるアイコンを利用した機能を実現するアイコン利用制御用プログラムを簡単にかつ正確に作成することができる。
【0045】
図6は、図7乃至図10の状態遷移図にイメージとして表示されるアイコン画像を説明するための説明図であり、図7乃至図10は、本発明のアイコン利用方法における状態の遷移条件の一例を示す状態遷移図である。
【0046】
図6に示すように、図7乃至図10に示す状態遷移図に示すアイコンイメージとしては、影2の状態を示すアイコン影画像21、ピン本体の状態を示すアイコン全体画像22、ボタンの格納状態を示すボタン格納画像23、ターゲットオブジェクト非表示時のつまみ1aを示すターゲットオブジェクト表示画像24、および、ターゲットオブジェクト表示時のつまみ1aとターゲットオブジェクトの表示サイズ拡大・縮小操作を示すターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25を、それぞれの状態に応じて、異なる図形を用いて示している。ここで、アイコン影画像21、アイコン全体画像22については、A(中間的に刺さっている状態)、B(深く刺さっている状態)、C(浮いている状態)の3種類、ボタン格納画像23については、隠されたボタンの表示・非表示を切り替えるA、B、Cの3種類、ターゲットオブジェクト表示画像24については、Aのみの1種類、ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25については、ターゲットオブジェクトが拡大中、縮小中ではない状態を示すA、拡大中、縮小中のピン本体1が回転している様を示すB、C、D、Eの5種類を、それぞれ、用意している。図6に示す画像は図7乃至図10に示す状態遷移図に示すイベントa,b,c,d,e,f,gの発生するトリガーとなるため、画像が重なっている部分の表示順位は、奥からアイコン影画像21、ボタン格納画像23アイコン全体画像22、ターゲットオブジェクト表示画像24、ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25の順で手前に表示する。
【0047】
また、図7乃至図10の状態遷移図におけるイベントa,b,c,d,e,f,gは、カーソルポインタの操作またはカーソルポインタ操作結果の状態による状態遷移条件を示すものであり、以下の通りである。
(a)イベントa:アイコン上部(つまみ1a)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下される。
(b)イベントb:ターゲットオブジェクトの表示サイズがあらかじめ定めたある一定の大きさを下回る。
(c)イベントc:アイコン下部(針1b)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下される。
(d)イベントd:決定ボタンが開放される。
(e)イベントe:アイコンの影2にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下される。
(f)イベントf:アイコンの影2のボタンにカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下される。
(g)イベントg:カーソルポインタが移動する。
【0048】
アイコン利用が可能な状態になると、図7の状態遷移が起動され、初期状態の設定が行われ(プロセスP01)、ターゲットオブジェクトを初期状態に復帰させるために非表示にした後、中間的に刺さっている状態としてアイコン全体画像22(A)とアイコン影画像21(A)とを表示する。さらに、ターゲットオブジェクト表示画像24(A)を表示し、ボタン格納画像23とターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25とを非表示に設定する。しかる後、ターゲットオブジェクト非表示状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST01)。
【0049】
状態ST01において、つまみ1a(ターゲットオブジェクト表示画像24)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントaが発生した場合、深く刺さっている状態としてアイコン全体画像22(A)をアイコン全体画像22(B)に変更し、アイコン影画像21(A)をアイコン影画像21(B)に変更して表示する。さらに、ターゲットオブジェクト表示画像24を非表示に設定し、ボタン格納画像23とターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25とは非表示のままにする(プロセスP02)。しかる後、イベントdつまり決定ボタンが開放される操作を待ち合わせる状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST02)。
【0050】
状態ST02において、決定ボタンが開放されるイベントdが発生した場合、ピン本体があたかもターゲットオブジェクト上部に刺さっているかの如く、ターゲットオブジェクトを表示した後、中間的に刺さって固定している状態とするためにアイコン全体画像22(B)をアイコン全体画像22(A)に変更し、ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25(A)を表示する。さらに、ボタン格納画像23(A)を表示するとともに、アイコン影画像21を非表示にし、ターゲットオブジェクト表示画像24を非表示のままにする(プロセスP03)。しかる後、ターゲットオブジェクト表示状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST03)。
【0051】
一方、状態ST01において、針1b(アイコン全体画像22)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントcが発生した場合、浮いている状態としてアイコン全体画像22(A)をアイコン全体画像22(C)に変更し、アイコン影画像21(A)をアイコン影画像21(C)に変更して表示する。さらに、ターゲットオブジェクト表示画像24を非表示に設定し、ボタン格納画像23とターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25とは非表示のままにする(プロセスP04)。しかる後、アイコン移動可能状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST04)。
【0052】
次に、中間的に刺さって固定している状態にあって、図8に示すターゲットオブジェクト表示状態の状態ST03において、つまみ1a(ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントaが発生した場合で、ターゲットオブジェクトの表示サイズ拡大と縮小の方向が縮小の方向でなかった場合、ターゲットオブジェクト表示拡大中状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST06)。状態ST06において、つまみ1a(ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントaが継続して発生していた場合は、ターゲットオブジェクトの表示サイズを拡大させる選択を行うとともに、このプロセスが発生する都度、ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25(B)、(C)、(D)、(E)の順番に順次切り替えて表示する(プロセスP14)。また、状態ST06において、決定ボタンが開放されるイベントdが発生した場合、トグル的に、ターゲットオブジェクトの表示サイズ拡大と縮小の方向を縮小に切り替える(プロセスP16)。しかる後、ターゲットオブジェクト表示状態のST03に復帰する。
【0053】
また、状態ST03において、つまみ1aに(ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントaが発生した場合で、ターゲットオブジェクトの表示サイズ拡大と縮小の方向が縮小の方向であった場合、ターゲットオブジェクト表示縮小中状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST07)。状態ST07において、つまみ1a(ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントaが継続して発生していた場合は、ターゲットオブジェクトの表示サイズを縮小させる選択を行うとともに、このプロセスが発生する都度、ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25(E)、(D)、(C)、(B)の順番に順次切り替えて表示する(プロセスP15)。また、状態ST07において、決定ボタンが開放されるイベントdが発生した場合、トグル的に、ターゲットオブジェクトの表示サイズ拡大と縮小の方向を拡大に切り替える(プロセスP17)。しかる後、ターゲットオブジェクト表示状態のST03に復帰する。
【0054】
また、状態ST07において、ターゲットオブジェクトの表示サイズがあらかじめ定めたある一定の大きさを下回るイベントbが発生した場合、ターゲットオブジェクトを非表示に設定した後、中間的に刺さって固定している状態とするためにアイコン全体画像22(A)は表示したままで、アイコン影画像21(A)を表示する。さらに、ターゲットオブジェクト表示画像24(A)を表示し、ボタン格納画像23とターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25とを非表示にする(プロセスP11)。しかる後、ターゲットオブジェクト非表示状態の状態ST01に戻って、次のイベントの発生待ちの状態になる。
【0055】
また、状態ST03において、針1b(アイコン全体画像22)にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントcが発生した場合、浮いている状態とするためにアイコン全体画像22(A)をアイコン全体画像22(C)に変更し、アイコン影画像21(C)を表示する。さらに、ターゲットオブジェクト表示画像24は非表示のままで、ボタン格納画像23とターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25とを非表示にする(プロセスP12)。しかる後、アイコンおよびターゲットオブジェクトを移動可能な状態の状態ST08に移行して、次のイベント発生待ちの状態になる。
【0056】
また、状態ST03において、ボタン格納画像23(A)つまりアイコンの影2にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントeが発生した場合、ボタン格納画像23を(A),(B),(C)の順に切り替えて、ボタン格納画像23(C)を最適の大きさに拡大表示し、影内に格納しているボタン(単一または複数)を表示して有効な状態にする(プロセスP13)。しかる後、影内格納ボタン表示状態に移行して、次のイベントの発生待ちの状態になる(状態ST05)。
【0057】
次に、中間的に刺さって固定している状態にあって、図9に示す影内格納ボタン表示状態の状態ST05において、アイコンの影2のボタンにカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントfが発生した場合、カーソルポインタが置かれたボタンに割り当てられている機能を実行する(プロセスP21)。しかる後、影内格納ボタン表示状態の状態ST05に復帰する。
【0058】
また、状態ST05において、ボタン格納画像23(C)つまりアイコンの影2にカーソルポインタが置かれ、決定ボタンが押下されるイベントeが発生した場合、影内に格納しているボタン(単一または複数)を非表示にして無効にするとともに、ボタン格納画像23(C)を初期の大きさに縮小し、ボタン格納画像23を(C)、(B)、(A)の順に切り替える(プロセスP22)。しかる後、ターゲットオブジェクト表示状態の状態ST03に戻って、次のイベントの発生待ちの状態になる。
【0059】
次に、アイコンおよびターゲットオブジェクトを移動可能な状態の図10の状態ST04および状態ST08において、カーソルポインタが移動するイベントgが発生した場合、カーソルポインタが移動するのに合わせて、ターゲットオブジェクトおよびアイコンの表示位置を移動し(プロセスP31およびプロセスP33)、アイコンを移動可能状態の状態ST04またはアイコンおよびターゲットオブジェクトを移動可能状態の状態ST08に復帰する。
【0060】
また、状態ST04において、決定ボタンが開放されるイベントdが発生した場合、中間的に刺さって固定している状態とするためにアイコン全体画像22(C)をアイコン全体画像22(A)に変更し、アイコン影画像21(C)をアイコン影画像21(A)に変更して表示する。さらに、ターゲットオブジェクト表示画像24(A)を表示し、ボタン格納画像23とターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25とは非表示のままにする(プロセスP32)。しかる後、ターゲットオブジェクト非表示状態の状態ST01に戻って、次のイベントの発生待ちの状態になる。
【0061】
また、状態ST08において、決定ボタンが開放されるイベントdが発生した場合、中間的に刺さって固定している状態とするためにアイコン全体画像22(C)をアイコン全体画像22(A)に変更し、ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像25(A)を表示する。さらに、ボタン格納画像23(A)を表示するとともに、アイコン影画像21を非表示にし、ターゲットオブジェクト表示画像24を非表示のままにする(プロセスP34)。しかる後、ターゲットオブジェクト表示状態の状態ST03に戻って、次のイベントの発生待ちの状態になる。
【0062】
(本発明の効果)
次に、前述した本発明のアイコン利用方法に関する実施例の効果について、従来技術におけるアイコン利用方法と対比した形で説明する。
【0063】
まず、図11を用いて、本実施例のアイコン利用方法におけるユーザ操作回数について、従来の場合と対比して説明する。図11は、本発明のアイコン利用方法のユーザ操作回数の一例を説明するための説明図であり、従来技術の場合と対比して示している。なお、図11に示すユーザ操作回数は、次の4回の操作を連続的に行う場合について示したものであるが、アイコン内のカーソルポインタの移動については、操作回数としてカウントしていない。
操作(1):ターゲットオブジェクトを表示
操作(2):ターゲットオブジェクトの移動
操作(3):ターゲットオブジェクトの表示サイズを変更
操作(4):ターゲットオブジェクトを非表示
【0064】
図11に示すように、ターゲットオブジェクトを表示するための操作(1)については、ピン(画鋲)からなるアイコンへカーソルポインタを移動した後、決定ボタンを押下するという2回の操作が必要であり、従来技術と同様の操作回数であるが、しかる後、ターゲットオブジェクトの移動を行う操作(2)の場合、アイコン内にあるカーソルポインタを上部のつまみ1aに移動して決定ボタンを押下する1回の操作(従来技術の場合は3回の操作)で済む。
【0065】
さらに、ターゲットオブジェクトの表示サイズを変更する操作(3)では、アイコン内にあるカーソルポインタを下部の針1bに移動して決定ボタンを押下した後、カーソルポインタを任意の場所に移動するという2回の操作(従来技術の場合は3回の操作)で済み、ターゲットオブジェクトを非表示にする操作(4)では、カーソルポインタを上部のつまみ1aに移動して表示サイズがあらかじめ定めた閾値のサイズよりも小さくなるまで決定ボタンを押下するという1回の操作(従来技術の場合は2回の操作)で済む。
【0066】
したがって、前述のような4つの操作を連続的に行う場合、本発明の実施例の場合、ユーザ操作回数が、従来技術の10回に比し、6回とほぼ半減させることが可能となり、ユーザの操作性を大幅に改善することができる。
【0067】
次に、図12を用いて、本実施例のアイコン利用方法におけるディスプレイ画面上に表示されるアイコンの個数について、従来の場合と対比して説明する。図12は、本発明のアイコン利用方法のディスプレイ画面上に表示されるアイコンの個数の一例を説明するための説明図であり、図12(A)は従来技術の場合を示し、図12(B)は本発明の場合を示している。
【0068】
従来技術の場合は、図12(A)に示すように、ターゲットオブジェクトを表示するボタン以外に、ターゲットオブジェクトが表示されたウィンドウ内にそれぞれ配置されている複数のアイコンにより、ターゲットオブジェクトの移動、拡大・縮小、非表示に関する操作を行うことになり、かかる操作に要する機能それぞれに対応してアイコンを表示することが必要であり、表示アイコンの個数が、機能の数だけ必要となる。
【0069】
これに対して、本発明のアイコン利用方法においては、図12(B)に示すように、ピン(画鋲)からなるアイコンに、ターゲットオブジェクトの表示、非表示、移動、拡大・縮小に関する機能を集約させることにより、表示アイコンの個数が、かかる操作に要する機能の数に比し、大幅に削減することが可能となる。この結果、ディスプレイ画面の有効利用を図ることができ、携帯電話機などのような小型化したディスプレイであっても、視認性に富み、直感的に理解し易く、操作性に優れた画面表示を行うことができる。
【0070】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【0071】
例えば、上述実施例における“ピン”の代わりに、“ネジ”、“飛行機”、“気球”、“中央部が膨らんでいる吸盤”、“ゴルフボール”等の任意の特定形状と異なる表示状態で表現されるアイコンを用いて同様な効果を得ることができる。
【0072】
図13には、上述“ピン”の場合と、“ネジ”、“飛行機”、“気球”、“中央部が膨らんでいる吸盤”及び“ゴルフボール”のそれぞれの状態との対応関係が示されている。
【0073】
図13において、“ピン”の「抜ける」、「刺さる」、「深く刺さる」、「回転する」及び「影」は、“ネジ”の「抜ける」、「刺さる」、「深く刺さる」、「回転する」及び「影」に相当し、“飛行機”の「飛ぶ」、「着陸している」、「爆発する」、「旋回する」及び「影」に相当する。
【0074】
また、“ピン”の「抜ける」、「刺さる」、「深く刺さる」、「回転する」及び「影」は、“気球”の「浮く」、「着陸している」、「空気が抜ける」、「旋回する」及び「影」に相当し、“飛行機”の「飛ぶ」、「着陸している」、「爆発する」、「旋回する」及び「影」に相当する。
【0075】
更に、“ピン”の「抜ける」、「刺さる」、「深く刺さる」、「回転する」及び「影」は、“気球”の「浮く」、「着陸している」、「空気が抜ける」、「旋回する」及び「影」に相当し、“中央部が膨らんでいる吸盤”の「はがれる」、「張り付く」、「へこむ」、「回転する」及び「影」に相当し、“ゴルフボール”の「浮く」、「着地している」、「めり込む」、「回転する」及び「影」に、それぞれ相当する。このように、本発明におけるアイコンは、特定形状と異なる表示状態で表現されるアイコンであれば任意である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明のアイコン利用方法におけるアイコンの表示例を示す模式図である。
【図2】本発明のアイコン利用方法におけるピン本体及び影が表現する状態例を示す図である。
【図3】本発明のアイコン利用方法におけるピン本体と影の組み合わせが表現する状態例を示す図である。
【図4】本発明のアイコン利用方法におけるピン本体とカーソルポインタにより実行される機能例を示す図である。
【図5】本発明のアイコン利用方法におけるピン本体とカーソルポインタにより実行される機能例を示す図である。
【図6】本発明の実施例における状態遷移図にイメージとして表示されるアイコン画像を説明するための説明図である。
【図7】本発明のアイコン利用方法におけるターゲットオブジェクト非表示状態の状態遷移図である。
【図8】本発明のアイコン利用方法におけるターゲットオブジェクト表示状態の状態遷移図である。
【図9】本発明のアイコン利用方法における影内格納ボタン表示状態の状態遷移図である。
【図10】本発明のアイコン利用方法におけるアイコン及びターゲットオブジェクト移動可能状態の遷移図である。
【図11】本発明のアイコン利用方法のユーザ操作回数の一例を説明するための説明図である。
【図12】本発明のアイコン利用方法のディスプレイ画面上に表示されるアイコンの個数の一例を説明するための説明図である。
【図13】本発明のアイコンとして利用できるピン以外のイメージの例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0077】
1 ピン本体
1a つまみ
1b 針
2 影
10 アイコン
21 アイコン影画像
22 アイコン全体画像
23 ボタン格納画像
24 ターゲットオブジェクト表示画像
25 ターゲットオブジェクト表示拡大・縮小操作画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットオブジェクトを代表して画面表示するアイコンを用いて、当該ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上で表示および制御するアイコン利用方法であって、前記アイコンを、つまみおよび針からなるピン本体と該ピン本体の影とによって構成し、前記ピン本体と影との表示状態を変更することにより、前記アイコンによって代表される前記ターゲットオブジェクトの表示および制御を変更することを特徴とするアイコン利用方法。
【請求項2】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されていない場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下した後、該決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上に表示することを特徴とする請求項1に記載のアイコン利用方法。
【請求項3】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されているかまたは表示されていない場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体の針にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下した状態で任意の位置までドラッグした後、該決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトおよび/またはアイコンの表示位置を前期任意の位置まで移動することを特徴とする請求項1または2に記載のアイコン利用方法。
【請求項4】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、前記ターゲットオブジェクトの画面表示サイズを拡大または縮小した後、前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、前記決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトの画面表示サイズを確定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のアイコン利用方法。
【請求項5】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトの画面表示サイズの拡大または縮小を交互に切り替えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のアイコン利用方法。
【請求項6】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトの画面表示サイズが、あらかじめ定めた閾値よりも小さなサイズに縮小された場合に、当該ターゲットオブジェクトを非表示にすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のアイコン利用方法。
【請求項7】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記影にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、前記影のサイズを適切な表示サイズに拡大して、当該影内にあらかじめ格納されている1ないし複数のボタンを当該影内に画面表示して有効な状態にすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のアイコン利用方法。
【請求項8】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示され、かつ、前記影内に1ないし複数の前記ボタンが表示されて有効な状態にある場合に、1ないし複数の前記ボタンのいずれかにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、選択された前記ボタンに対応する機能を実行することを特徴とする請求項7に記載のアイコン利用方法。
【請求項9】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示され、かつ、前記影内に1ないし複数の前記ボタンが表示されて有効な状態にある場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記影にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、当該影内に表示されていた1ないし複数の前記ボタンを非表示に切り替えて無効な状態にし、かつ、前記影のサイズを初期の表示サイズに縮小することを特徴とする請求項7または8に記載のアイコン利用方法。
【請求項10】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されて未実行の状態にある場合には、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記針が中間的に刺さっているように表示し、当該ターゲットオブジェクトを実行中の場合には、当該アイコンの前記針が深く刺さっているように表示し、当該ターゲットオブジェクトおよび当該アイコンを移動可能な状態にある場合には、当該アイコンの前記針が浮いているように表示し、当該ターゲットオブジェクトを拡大または縮小することが可能な状態にある場合は、当該アイコンの前記つまみが回転しているように表示することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のアイコン利用方法。
【請求項11】
ターゲットオブジェクトを代表して画面表示するアイコンを用いて、当該ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上で表示および制御するアイコン利用装置において、前記アイコンを、つまみおよび針からなるピン本体と該ピン本体の影とによって構成し、前記ピン本体と影との表示状態を変更することにより、前記アイコンによって代表される前記ターゲットオブジェクトの表示および制御を変更することを特徴とするアイコン利用装置。
【請求項12】
請求項1ないし10のいずれかに記載のアイコン利用方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施することを特徴とするアイコン利用制御プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のアイコン利用制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録していることを特徴とするプログラム記録媒体。
【請求項14】
ターゲットオブジェクトを代表して画面表示するアイコンを用いて、当該ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上で表示および制御するアイコン利用方法であって、前記アイコンを、特定形状と異なる表示状態で表現されるアイコンとによって構成し、前記特定形状と表示状態を変更することにより、前記アイコンによって代表される前記ターゲットオブジェクトの表示および制御を変更することを特徴とするアイコン利用方法。
【請求項1】
ターゲットオブジェクトを代表して画面表示するアイコンを用いて、当該ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上で表示および制御するアイコン利用方法であって、前記アイコンを、つまみおよび針からなるピン本体と該ピン本体の影とによって構成し、前記ピン本体と影との表示状態を変更することにより、前記アイコンによって代表される前記ターゲットオブジェクトの表示および制御を変更することを特徴とするアイコン利用方法。
【請求項2】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されていない場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下した後、該決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上に表示することを特徴とする請求項1に記載のアイコン利用方法。
【請求項3】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されているかまたは表示されていない場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体の針にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下した状態で任意の位置までドラッグした後、該決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトおよび/またはアイコンの表示位置を前期任意の位置まで移動することを特徴とする請求項1または2に記載のアイコン利用方法。
【請求項4】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、前記ターゲットオブジェクトの画面表示サイズを拡大または縮小した後、前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、前記決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトの画面表示サイズを確定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のアイコン利用方法。
【請求項5】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記ピン本体のつまみにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを開放することにより、前記ターゲットオブジェクトの画面表示サイズの拡大または縮小を交互に切り替えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のアイコン利用方法。
【請求項6】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトの画面表示サイズが、あらかじめ定めた閾値よりも小さなサイズに縮小された場合に、当該ターゲットオブジェクトを非表示にすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のアイコン利用方法。
【請求項7】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されている場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記影にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、前記影のサイズを適切な表示サイズに拡大して、当該影内にあらかじめ格納されている1ないし複数のボタンを当該影内に画面表示して有効な状態にすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のアイコン利用方法。
【請求項8】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示され、かつ、前記影内に1ないし複数の前記ボタンが表示されて有効な状態にある場合に、1ないし複数の前記ボタンのいずれかにカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、選択された前記ボタンに対応する機能を実行することを特徴とする請求項7に記載のアイコン利用方法。
【請求項9】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示され、かつ、前記影内に1ないし複数の前記ボタンが表示されて有効な状態にある場合に、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記影にカーソルポインタを置いて、決定ボタンを押下することにより、当該影内に表示されていた1ないし複数の前記ボタンを非表示に切り替えて無効な状態にし、かつ、前記影のサイズを初期の表示サイズに縮小することを特徴とする請求項7または8に記載のアイコン利用方法。
【請求項10】
前記ターゲットオブジェクトがディスプレイ画面上に表示されて未実行の状態にある場合には、当該ターゲットオブジェクトを代表する前記アイコンの前記針が中間的に刺さっているように表示し、当該ターゲットオブジェクトを実行中の場合には、当該アイコンの前記針が深く刺さっているように表示し、当該ターゲットオブジェクトおよび当該アイコンを移動可能な状態にある場合には、当該アイコンの前記針が浮いているように表示し、当該ターゲットオブジェクトを拡大または縮小することが可能な状態にある場合は、当該アイコンの前記つまみが回転しているように表示することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のアイコン利用方法。
【請求項11】
ターゲットオブジェクトを代表して画面表示するアイコンを用いて、当該ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上で表示および制御するアイコン利用装置において、前記アイコンを、つまみおよび針からなるピン本体と該ピン本体の影とによって構成し、前記ピン本体と影との表示状態を変更することにより、前記アイコンによって代表される前記ターゲットオブジェクトの表示および制御を変更することを特徴とするアイコン利用装置。
【請求項12】
請求項1ないし10のいずれかに記載のアイコン利用方法を、コンピュータにより実行可能なプログラムとして実施することを特徴とするアイコン利用制御プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のアイコン利用制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録していることを特徴とするプログラム記録媒体。
【請求項14】
ターゲットオブジェクトを代表して画面表示するアイコンを用いて、当該ターゲットオブジェクトをディスプレイ画面上で表示および制御するアイコン利用方法であって、前記アイコンを、特定形状と異なる表示状態で表現されるアイコンとによって構成し、前記特定形状と表示状態を変更することにより、前記アイコンによって代表される前記ターゲットオブジェクトの表示および制御を変更することを特徴とするアイコン利用方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−310405(P2008−310405A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155016(P2007−155016)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(595095353)株式会社三技協 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(595095353)株式会社三技協 (4)
【Fターム(参考)】
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