説明

アイスクリームを製造して少量毎供給する装置

【課題】少量毎供給されるアイスクリーム、特にアイスクリーム・フラッペまたはシェークの量を簡素で安価な様式で測定できる製造/少量毎供給装置を提供すること。
【解決手段】アイスクリーム、特にアイスクリーム・フラッペまたはシェークを製造して少量毎供給する装置は、製品の少量毎供給デバイス4に接続されたシェーク製造ユニット2と、少量毎供給されたシェークの量を測定するセンサ手段10とを備えて;上記センサ手段10は、少量毎供給されたシェークを収集する容器6であって少なくとも一条のレーザ光線Fを透過する少なくとも一個の窓部6aを有する容器6を通過する少なくとも一条のレーザ光線Fの少なくとも一個の発光器12を備え;上記レーザ光線Fは、容器6内に存在するシェークが所定レベルに到達したときにシェークにより中断されることで、シェークの少量毎供給が中断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイスクリームを製造して少量毎供給する装置に関する。
【0002】
特に、本発明は、本発明の有効範囲を制限すること無く、“アイスクリーム・フラッペ( ice cream frappe )”または“シェーク( shake )”を少量毎供給する装置に関する。
【0003】
本明細書において“アイスクリーム・フラッペ”または“シェーク”という語句は淡い風味を備えると共に凍結もしくは半凍結された任意の食品であって所望の風味を有するシロップと共に泡立たされ得る食品を指すべく使用され、該食品は、半流動体の密度、すなわち、該食品を収容する容器の形状に該食品が従うような密度を有している。
【背景技術】
【0004】
上述の形式の先行技術の装置は、複数のシロップを導入して混合するための混合ユニットに接続され得るアイスクリーム製造区画を備える。
【0005】
上記製造区画は少量毎供給デバイスに接続され、ユーザは、アイスクリームを食べる準備をすることができる。
【0006】
上記少量毎供給デバイスは手動でまたは更に適切に操作されることができると共に、該少量毎供給デバイスは、該少量毎供給デバイスの下方に載置された容器であってアイスクリームを受容することが意図された容器が正しく充填されることを保証すべく、少量毎供給されたアイスクリームの量を検出する一個以上のセンサにより管理される制御/命令ユニットにより制御されることができる。
【0007】
公知の様に上記センサは、たとえば荷重計などの様に、少量毎供給されたアイスクリームの重量を検出すべく設計されたデバイスから成る。
【0008】
この場合、アイスクリームの密度は、例えば混合物の種類の変更にともなう可能的な変動を回避するために、製造中に継続的かつ精密に制御されねばならない。この変動は、容器が正しく充填されることを結果的に妨げることがある。
【0009】
密度における僅かな変動でさえも、少量毎供給された製品の体積における容認できない変動を誘発することがある。
【0010】
他の場合、少量毎供給されたアイスクリームの量を制御できる体積測定センサが在る。但し公知の様に、体積測定センサは非常に複雑、高価であると共に、手動的にも自動的にも洗浄が困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
故に本発明の目的は、アイスクリーム、更に厳密にはアイスクリーム・フラッペまたはシェークを製造して少量毎供給する装置であって上述の不都合が無い装置を提供することにより上述の不都合を克服するに在る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
故に本発明はこの目的を、アイスクリーム、特にアイスクリーム・フラッペまたはシェークを製造して少量毎供給する装置であって本明細書における一つ以上の請求項に記述された特徴を有する装置により達成する。
【0013】
上述の目的に従う本発明の技術的特徴は本明細書中の各請求項において明確に示されると共に、本発明の利点は、本発明の有効範囲を制限することなく好適実施例を例示する添付図面を参照した以下の詳細な説明において更に明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1を参照すると番号1は全体として、アイスクリーム・フラッペまたはシェークを製造して少量毎供給する装置を表す。
【0015】
装置1は、垂直な前壁部3により区切られた実質的に平行六面体の形状を有するボックス形状基体2を備え、該基体においては、所定量のシェークを少量毎供給するデバイス4が配備される。
【0016】
図6に概略的に示された如く基体2の内側には、アイスクリーム、特にシェークを製造する公知形式のユニット5が在る。該アイスクリーム製造ユニット5は公知様式で少量毎供給デバイス4に接続され、製造されたシェークは収集容器6内に少量毎供給される。
【0017】
この目的のために、図2、図3、図4および図5に示された如く少量毎供給デバイス4は、収集容器6を位置決めして保持する手段8の近傍に位置された少量毎供給ノズル7を備えている。
【0018】
少量毎供給ノズル7は中空円筒状本体7aを備えると共に、シェークは該本体を通り流れることで、容器6を充填する段階の間において該シェークが容器6の底部に向けて注がれるが溢れ出す傾向はないことを保証することができるような長さで伸びる。
【0019】
添付図面に示された好適実施例において位置決め/保持手段8は、カップなどの形状(図5を参照)を有する容器6を保持することができる実質的に半円形に伸びる弾性的に変形可能な2本のアーム8aおよび8bを備えている。
【0020】
位置決め/保持手段8は、容器6が正しい位置に載置されることで少量毎供給デバイス4により少量毎供給されるシェークを直接的に受容できる如き様式で、少量毎供給ノズル7に対して垂直に整列され且つ該ノズルの下方に位置決めされる。
【0021】
好適には、図2、図3、図4および図5に示された如く装置1は、容器6内に少量毎供給されたシェークの量を検出することができるセンサ手段10であってシェークの少量毎供給を自動的に停止することができるセンサ手段10も備えている。
【0022】
この目的のために、図6において概略的に示された如くボックス形状基体2の内側においては、公知であることから更に詳細には記述されない様式でセンサ手段10および少量毎供給ノズル7に対し作用上接続されることでシェークの少量毎供給を起動もしくは停止する、少量毎供給デバイス4用の制御/命令手段11が配備される。
【0023】
好適にはセンサ手段10は、少量毎供給されたシェークを収集すべく使用される容器6を通過することで(図2に示された如く柔軟形式の容器6に対し且つ図5に示された如くカップ形式の容器6に対して)該容器6内に収容されたシェークを捕捉することができる電磁形式もしくはレーザ形式の少なくとも一種類のエネルギ光線Fを発する少なくとも一個の発光器12を備える。
【0024】
センサ手段10はまた、発光器12により発せられた光線Fに対する受光器13であって、発せられた光線を受光すると共に少量毎供給デバイス4の制御/命令手段11に対して命令信号を発する受光器13も備える。
【0025】
受光器13は、容器6の保持手段8に関して発光器12の逆側に配置されることから、光線Fは容器6を通過して該容器内に収容されたシェークを捕捉する。
【0026】
特に、発光器12および受光器13は、実質的に水平な軸線Xであって光線Fの伝搬の方向と一致する軸線Xに沿い相互に整列される。
【0027】
この様にして、光線Fは容器6内に収容されたシェークの自由表面と平行であることから、容器6内に存在するシェークのレベルは特定されることができる。
【0028】
好適実施例において、センサ手段10に属する発光器12により発せられた光線Fは、当該レーザ光線が捕捉するシェークの特性を変えない様に、好適には低エネルギ容量のレーザ光線である。
【0029】
但し光線Fは、任意の種類の電磁波であって例えば赤外および紫外などの様に不可視もしくは可視である電磁波領域に属するビームによっても実現されることができることを銘記すべきである。
【0030】
更に、レーザ光線領域においても、自然発光、強制発光または吸収の3つのプロセスに要約できるレーザの種々の形式の作用を利用して、最も適切な光線を使用することができ、最も適切な光線は、典型的には電磁的である波のビームを発光する電子レーザに到達する。
【0031】
光線F、特に示されたレーザ光線Fは、シェークを通過することができないことを銘記すべきである。
【0032】
換言すると、シェークは発せられた光線Fに対して不透過性である。
【0033】
対照的に、センサ手段10により発せられた光線Fは容器6を透過性と感知して、該光線は上記容器を通過することができる。
【0034】
この目的に対して適切である種類の容器6は例えば、使用される種類のレーザ発光器の波長を透過するプラスチックから成る。
【0035】
故に、使用されるレーザが、波長が可視領域内にある光線を発するなら容器6は、光線が通過することができる少なくともひとつの領域6aを備える。
【0036】
容器6は、レーザ光線Fにより実際に影響される領域6aにおいてのみ該光線を透過すべきであることから、図2、図3、図4および図5に概略的に示された如く他の一切の領域は広告メッセージを担持すべく利用可能であることが強調されるべきである。好適実施例において容器6の上記領域6aは、該容器6の全周に沿い伸びて所定高さを有する窓部から成る。
【0037】
(図2、図3および図4に示された如く)実質的に平坦な矩形状を有する柔軟形式の容器6の使用を許容するために、位置決め/保持手段8は、壁部3に固定されたロッド9であって該壁部3と直交してノズル7の方を向くロッド9を備える。この様にしてユーザは柔軟容器6を、正しい様式で、すなわち、壁部3に対して実質的に直交する平面内に該容器が存する位置に載置することを余儀なくされる。
【0038】
別実施例において位置決め/保持手段8は、レーザ光線Fに対する容器6の正しい整列を保証すべく該容器の下部が挿入されるべき案内部14、好適には溝15を備える。
【0039】
案内部14は、弾性的に変形可能なアーム8aおよび8bの下方に位置された収集プレート16上に作られ、少量毎供給ノズル7と整列する。収集プレート16は、少量毎供給ノズル7から偶発的に溢れ出すことのある一切のシェーク残渣を収集して保持する様にも設計される。
【0040】
更に上記ノズルは、上記少量毎供給デバイス上にて容器6の閉じキャップ18に対して迅速に係合するための手段17を備える。
【0041】
好適実施例において係合手段17は、図2、図3、図4および図5に示された如く少量毎供給ノズル7を構成する中空円筒状本体7aに一致する。
【0042】
実施に際しては、たとえば図2に示された柔軟形式または図5に示されたカップ形式などの任意の形態の容器6が少量毎供給ノズル7の下方に載置される。柔軟容器の正しい位置決めはロッド9により保証される一方、カップ形式の容器は2本のアーム8aおよび8bにより位置決め且つ保持される。
【0043】
シェークはたとえば起動ボタン19を押すことにより少量毎供給されると共に、容器6の充填が始まる。
【0044】
センサ手段10、特にそのレーザ光線Fは制御/命令手段11により起動されると共に、容器6を通過してから受光器13により捕捉される。
【0045】
所定量のシェークが容器6における所定レベルに到達したとき、図3に示された如くレーザ光線Fはシェークにさえぎられて受光器13には到達しない。
【0046】
この時点にて制御/命令手段11は命令信号を発する受光器13からの命令を受けると共に、それらはシェークの少量毎供給を中断することで、所望の容器6の充填を保証する。
【0047】
本発明に係る装置1は、先行技術において直面する不都合を解消することを銘記すべきである。
【0048】
少量毎供給されるシェークの密度または種類に関わりなく、最適な充填が保証される。更に、レーザ光線Fの発光器および受光器によれば、低コストにて非常に簡素な製造が保証される。最後に、レーザ光線の発光器および受光器は両者ともに容易に洗浄かつ消毒されることができるので、装置の清浄性に大きく寄与できる。
【0049】
上述された本発明は、工業用途が可能であると共に、発明概念の有効範囲から逸脱せずに幾つかの様式で改変かつ適合されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るアイスクリーム、特にアイスクリーム・フラッペまたはシェークを製造して少量毎供給する装置の概略的斜視図である。
【図2】一つの動作状態に在る図1の装置の拡大詳細図である。
【図3】別の動作状態に在る図1の装置の拡大詳細図である。
【図4】図2の詳細部の別実施例を示す図である。
【図5】異なる形態における図2および図3の詳細部を示す図である。
【図6】図1の装置の概略的ブロック図である。
【符号の説明】
【0051】
F レーザ光線
X 軸線
1 装置
2 ボックス形状基体
3 垂直な前壁部
4 少量毎供給デバイス
5 アイスクリーム製造ユニット
6 収集容器
6a (光線が通過できる)領域
7 少量毎供給ノズル
7a 中空円筒状本体
8 位置決め/保持手段
8a、8b 弾性的に変形可能なアーム
9 ロッド
10 センサ手段
11 制御/命令手段
12 発光器
13 受光器
14 案内部
15 溝
16 収集プレート
17 係合手段/迅速係合手段
18 閉じキャップ
19 起動ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造されたシェーク用の少量毎供給デバイス(4)に接続されたシェーク製造ユニット(5)と、少量毎供給されたシェークの量を測定するセンサ手段(10)とを備え、アイスクリーム、特にアイスクリーム・フラッペまたはシェークを製造して少量毎供給する装置において、
前記センサ手段(10)は、少量毎供給されたシェークを収集する容器(6)を通過することにより該収集容器(6)内に収容されたシェークを捕捉するエネルギの光線(F)の少なくとも一個の発光器(12)を備えることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記センサ手段(10)は、発せられた前記光線(F)を捕捉するエネルギの光線用の少なくとも一個の受光器(13)も備えることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記少量毎供給デバイス(4)は、少量毎供給ノズル(7)と、前記容器(6)を前記少量毎供給ノズル(7)の下方に位置決めして保持する手段(8)を備えることを特徴とする、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記エネルギの光線(F)用の前記発光器(12)および前記受光器(13)は前記容器(6)を位置決めして保持する前記手段(8)の両側に夫々配置されることを特徴とする、請求項3記載の装置。
【請求項5】
少量毎供給されたシェークは前記発光器(12)により発せられた前記エネルギの光線(F)に対して不透過性であり、前記容器(6)内において所定量のシェークが充填完了されたときに前記受光器(13)による受光を中断することを特徴とする、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記収集容器(6)は、前記発光器(12)により発せられた前記エネルギの光線(F)が通過することができる少なくとも一個の窓部(6a)を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記エネルギの光線(F)は前記発光器(12)により発せられた電磁波のビームであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記エネルギの光線(F)は前記発光器(12)により発せられたレーザ光線であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記発光器(12)および前記受光器(13)は実質的に水平な軸線(X)に沿い整列されることを特徴とする、請求項2から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
発せられた前記電磁光線のビーム(F)またはレーザ光線(F)は前記実質的に水平な軸線(X)に沿い伝搬することで、前記収集容器(6)内に存在するシェークのレベルを測定することを特徴とする、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記少量毎供給ノズル(7)は、閉じキャップ(18)を備えた柔軟な収集容器(6)を係止するための迅速係合手段(17)を備えることを特徴とする、請求項3から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
当該装置は、前記センサ手段(10)に作用上接続されることでシェークの少量毎供給を起動もしくは阻止する前記少量毎供給デバイス(4)の制御/命令手段(11)を備えることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記位置決め/保持手段(8)は、前記エネルギの光線(F)に対して前記容器(6)を正しい角度に設置する前記容器用の案内部(14)を備えることを特徴とする、請求項3から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記位置決め/保持手段(8)は、壁部(3)に対し固定されて実質的に直角に前記少量毎供給ノズル(7)に向けて伸びるロッド(9)を備えることを特徴とする、請求項3から12のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図6】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate