説明

アウターカバー、アウターカバーの製造方法、および車両用灯具

【課題】アウターカバーの周縁部の内側に水曇りが発生した場合でも水曇りが外部から見えにくい。
【解決手段】車両用灯具において光源の灯具前方側を覆うアウターカバーであって、前記光源からの光を透過する透光部、および前記透光部の周縁に設けられた周縁部を有し、前記周縁部には、灯具前後方向の少なくとも一方に突出する凸レンズが、第1の方向においては0.1mm〜0.5mmのピッチで、前記第1の方向と交差する第2の方向においては0.5mm〜5.0mmのピッチで複数配列されており、各々の前記凸レンズにおける隣り合う前記凸レンズとの境界部から凸レンズの突出方向における最頂部までの高さは、前記第1の方向では0.02mm〜0.1mmであり、前記第2の方向では0.1mm〜1.0mmであることを特徴とするアウターカバーを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウターカバー、アウターカバーの製造方法、および車両用灯具に関し、特に、車両用灯具において光源の灯具前方側を覆うアウターカバー、アウターカバーの製造方法、およびアウターカバーを備える車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のヘッドランプおよびテールランプに代表される車両用灯具は、透光カバーとランプボディとにより形成される灯室内に光源が配置される形態が一般的である(例えば特許文献1参照)。このような車両用灯具では、灯室の内部は外部空間から隔絶された密閉空間ではなく、例えば光源の発熱に伴う灯室内の空気の膨張による影響を緩和するために灯室の内外を連通する通気孔などが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−279807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しなしながら、上記のように灯室内外を連通する通気孔などを設けると、当該通気孔などから灯室内に浸入した水分によって透光カバーの内面とりわけ光源からの光が直接入射しない周縁部の内面に水曇りが発生することが課題であった。一方で車両用灯具には更なるコスト削減が求められていることから、防曇塗装などを施すことはコスト的に難しい。
【0005】
また、成形面にシボ加工を施した金型を用いて透光カバーの周縁部の内面を成形したり、あるいは、当該内面に十分なレンズ高さを有する凸レンズステップを形成することにより、灯具の外観において水曇りを目立ちにくくする対策が知られている。しかしながら、前者の方法では、金型の抜き勾配の制約があり、後者の方法では透光カバーの薄肉化が難しくなるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上記課題を解決することを目的として、本発明は、
車両用灯具において光源の灯具前方側を覆うアウターカバーであって、
前記光源からの光を透過する透光部、および前記透光部の周縁に設けられた周縁部を有し、前記周縁部には、灯具前後方向の少なくとも一方に突出する凸レンズが、第1の方向においては0.1mm〜0.5mmのピッチで、前記第1の方向と交差する第2の方向においては0.5mm〜5.0mmのピッチで複数配列されており、各々の前記凸レンズにおける隣り合う前記凸レンズとの境界部から凸レンズの突出方向における最頂部までの高さは、前記第1の方向では0.02mm〜0.1mmであり、前記第2の方向では0.1mm〜1.0mmであることを特徴とするアウターカバーを提供する。
【0007】
このようなアウターカバーを備える車両用灯具では、アウターカバーの周縁部の内側に水曇りが発生した場合でも水曇りが外部から見えにくい。また、アウターカバーの製造に際して金型の抜き勾配についての制約もなく、アウターカバーの薄肉化も容易である。また、アウターカバーに防曇塗装などコストの高い加工を施す必要がない。また、アウターカバーの内側の構成も外部から見えにくくなるので、アウターカバーの内側に内部構成を隠すためのエクステンションを配置する必要がなくなり、部品点数を減らすことができる。
【0008】
また、本発明は、他の形態として、
上記アウターカバーの製造方法であって、
前記アウターカバーを成形するための成形型を作製する成形型作製工程と、
前記成形型の成形キャビティに樹脂材料を射出充填して前記アウターカバーを成形する成形工程と、を有し、
前記成形型作製工程では、前記成形型の材料における前記周縁部の成形面を形成すべき表面に、前記第1の方向における幅が0.1mm〜0.5mmであり、前記第2の方向における幅が0.5mm〜5.0mmである曲面状に凹んだ凹部であって、隣り合う前記凹部との境界部から最深部までの深さが、前記第1の方向では0.02mm〜0.1mmであり、前記第2の方向では0.1mm〜1.0mmである前記凹部が前記第1の方向および前記第2の方向に沿って複数形成されるように、前記表面を切削することを特徴とするアウターカバーの製造方法を提供する。
【0009】
このような製造方法によれば、車両用灯具に適用可能なアウターカバーであって、周縁部の内側に水曇りが発生した場合でも外部から水曇りが外部から見えにくいアウターカバーを製造することができる。
【0010】
また、上記製造方法における前記切削工程において、回転式切削工具を前記第2の方向に沿って移動させつつ前記周縁部の成形面を切削した後、前記回転式切削工具と前記成形型との相対位置を、前記回転式切削工具の回転径〜該回転径の1/2の範囲で前記第1の方向にずらすことを繰り返すことにより複数の前記凹部を形成することが好ましい。
【0011】
これにより、例えば平滑なレンズ面を有する一方向シリンドリカルレンズを成形するための縦溝を切削する場合と比べて、第1の方向への移動幅を大きく取ることができるので、成形型の切削効率に優れる。また、上記移動幅を大きく取ることにより結果として成形型表面に所謂カッターマークが残るが、このカッターマークの形状が転写されたアウターカバーの周縁部は、内側に水曇りが発生した場合でも外部から水曇りが見えにくい。
【0012】
また、上記製造方法に用いる前記回転式切削工具は、ボールエンドミルであることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、さらに他の形態として、
上記の特徴を有するアウターカバーと、
光源と、
前記光源が取り付けられる灯具ボディと、を備えることを特徴とする車両用灯具を提供する。
【0014】
なお、本発明の上記概要は、本発明に必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本願発明の一実施形態に係る車両用灯具を示す水平断面図である。
【図2】図1に「I」を付して示す矢印の方向から車両用灯具を見た正面図である。
【図3】アウターカバーの透光部とその周縁部との境界近傍を拡大して灯室側から見た図である。
【図4】図3におけるA−A断面矢視図である。
【図5】図3におけるB−B断面矢視図である。
【図6】アウターカバーを成形するための成形型の断面図である。
【図7】成形型を構成する部分成形型の表面写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具を示す水平断面図であり、図2は、図1に「I」を付して示す矢印の方向から車両用灯具を見た正面図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10は、車体500の前端部右側に配されるヘッドランプであって、中央に車両用灯具10の光源であるバルブ12が取り付けられたリフレクタユニット14と、このリフレクタユニット14を内部に収容する灯具ボディ15と、リフレクタユニット14の前方側に配されて灯具ボディ15との間で灯室を形成するアウターカバー16とを備える。
【0019】
リフレクタユニット14は、リフレクタ部14Aと、このリフレクタ部14Aの右側に延長形成されたダミーリフレクタ部14Bと、リフレクタ部14Aの中央に取り付けられたバルブソケット14Cと、を有し、これらのうちリフレクタ部14A、ダミーリフレクタ部14B、およびフランジ凹部14Cは一体に形成されている。
【0020】
バルブ12は、図1に示す車体前後方向に延びる光軸Ax上にその発光部が配されるようにバルブソケット14Cに固定されている。リフレクタ部14Aは、バルブ12を囲むように配され、バルブ12から入射する光を反射面14Arにて光軸Axと略平行な方向へと反射する。なお、反射面14Arは、車両用灯具10により形成すべき配光パターンなどに応じて複数の分割反射面で構成されてもよい。
【0021】
ダミーリフレクタ部14Bは、図1に示すように、リフレクタ部14Aの車体側方側に延出して設けられており、対向するアウターカバー16を通じて外側から車両用灯具10の内部構造が見えないようにする役割を担う。灯具ボディ15は、前方側が開口した筐体であり、当該開口の周縁部に沿ってフランジ凹部15Aが設けられている。このフランジ凹部15Aは、前方側が開口し、後方側に凹んだ溝であり、アウターカバー16の外周縁部に設けられたフランジ凸部16Dと接着固定されている。
【0022】
アウターカバー16は、透明あるいは半透明な樹脂によって一体に形成されており、図1および図2に示すように、車両用灯具10が車体500に取り付けられた際に車体500から露出する前面部におけるリフレクタユニット14との対向位置に設けられる素通し状の透光部16Aと、当該前面部における透光部16A以外の周縁部16Bと、車両用灯具10が車体500に取り付けられた際に車体500によって隠れる側面部16Cと、アウターカバー16を灯具ボディ15に接着固定するためのフランジ凸部16Dとを有する。
【0023】
このアウターカバー16における周縁部16Bの灯室側の面には、灯室側へ向けて突出する複数の凸レンズ16Bfが形成されている。より具体的には、周縁部16Bの灯室側の面全体にわたって、水平方向(図1の紙面方向)および鉛直方向(紙面との直交方向)の各方向に一定のピッチで凸レンズ16Bfが配列されている。また、側面部16Cの灯室側の面には、凸レンズ16Bfと同様に灯室側へ向けて突出し、略鉛直方向に延びるシリンドリカルレンズ16Cfが水平方向に連続して配列されている。なお、図1、3、および図4では、透光部16Aと周縁部16Bとの境界位置を「L」を付した指示線で示す。
【0024】
図3は、アウターカバー16の透光部16Aと周縁部16Bとの境界近傍を拡大して灯室側から見た図であり、凸レンズ16Bfの配列ピッチおよびレンズ高さ等を記号で示す。
【0025】
本実施形態では、凸レンズ16Bfは、アウターカバー16の周縁部16Bの灯室側の面全体にわたって、水平方向および鉛直方向の各方向においてそれぞれ異なるピッチで配列されている。より具体的には、凸レンズ16Bfの水平方向における配列ピッチ(図3および図4において「WB1」で示すピッチ)は、本実施形態では0.2mmである。また、凸レンズ16Bfの鉛直方向における配列ピッチ(図3および図5において「WB2」で示すピッチ)は、本実施形態では1.0mmである。また、水平方向における隣り合う凸レンズ16Bfとの境界部から凸レンズ16Bfの突出方向における最頂部までの高さ(図3および図4において「HB1」で示すレンズ高さ)は、本実施形態では0.04mmである。また、鉛直方向における隣り合う凸レンズ16Bfとの境界部から凸レンズ16Bfの突出方向における最頂部までの高さ(図3および図5において「HB2」で示すレンズ高さ)は、本実施形態では0.2mmである。
【0026】
アウターカバー16の周縁部16Bは、バルブ12からの光がほとんど入射しないので、(バルブ12からの光の大半が入射する)透光部16Aと比べて、灯室側の面(車体前方側の面)に水曇りが発生し易い。しかしながら、本実施形態のアウターカバー16では、周縁部16Bの灯室側の面に、水平方向および鉛直方向において上記レンズ高さを有する凸レンズ16Bfが上記ピッチで隙間なく配列されていることにより、周縁部16Bの当該灯室側の面に水曇りが発生した場合でも、水曇りが外部から認識されにくい。また、車両用灯具10の内部構成もアウターカバー16の外側から見えにくくなるので、アウターカバー16の内側に内部構成を隠すためのエクステンションを配置する必要がなくなり、部品点数を減らすことができる。
【0027】
なお、側面部16Cの灯室側の面に配列されているシリンドリカルレンズ16Cfの配列ピッチについては特に限定されないが、例えば周縁部16Bの灯室側の面に配列されている凸レンズ16Bfの水平方向の配列ピッチと略等しいことがアウターカバー16の外観上好ましい。
【0028】
図6は、アウターカバー16を成形するための成形型100の断面図である。図7は、成形型100を構成する部分成形型100Bの表面写真である。本実施形態に係るアウターカバー16は、図6に示すように、成形型100を構成する複数の部分成形型100A〜100Eによって形成されるキャビティに、射出成形機(不図示)のノズルに接合されたスプルーSを介して樹脂材料を射出充填して成形される。
【0029】
上記部分成形型100A〜100Eのうち、周縁部16Bおよび側面部16Cの各々の灯室側の面を成形するための部分成形型100B,100Eの表面には、凸レンズ16Bfおよびシリンドリカルレンズ16Cfの表面形状を転写可能な形状を有する凹部100Bf,100Cfが互いに略直交する2方向に並ぶように面状に複数形成されている。
【0030】
これらの凹部100Bf,100Cfは、例えば、部分成形型100B,100Eの材料表面を切削することにより形成される。例えば、周縁部16Bの成形面を部分成形型100B,100Eに形成する工程では、直径が0.3mmのボールエンドミルなどの回転式切削工具を上記2方向の他方に沿って移動させつつ周縁部16Bの成形面を単位幅だけ切削する。そして、上記回転式切削工具と部分成形型100Bとの相対位置を、上記回転式切削工具の回転径〜該回転径の1/2の範囲で設定される所定幅だけ上記2方向の一方にずらして、上記成形面における次の単位幅を切削する。これを繰り返すことにより、複数の凹部100Bfが上記2方向に沿って面状に形成された成形面が作製される。
【0031】
このように、上記形状の凹部100Bfが上記2方向に沿って面状に配列した成形面を部分成形型100Bに形成する工程では、例えば平滑なレンズ面を有する一方向シリンドリカルレンズを成形するための縦溝を形成する場合と比べて、回転式切削工具の切削方向と直交する方向への移動幅を大きく取ることができる。したがって、成形型の切削効率に優れる。また、上記移動幅を大きく取ることにより結果として成形型表面に所謂カッターマークが残るが、このカッターマークそのものが凹部100Bfの表面形状となる。そして、それぞれの凹部100Bfの上記2方向における幅および深さを上記範囲内とすることで、凹部100Bfの形状が転写された凸レンズ16Bfが配列された周縁部16Bは、灯室側の面に水曇りが発生した場合でも外部から水曇りが見えにくい。
【0032】
(水曇り視認性評価結果)
本実施形態のアウターカバー16の周縁部16Bが水曇りの視認防止特性において優れることを照明するために、車両用灯具10を乗用自動車に取り付けた上でエンジンを始動させ、雨天での走行状態を模した環境下で90分間観察を行った。その結果、アウターカバー16内部に水曇りは視認されなかった。
【0033】
また、日本国特開2001−165819号公報に開示された水曇り評価装置を用いて車両用灯具10のホース洗車試験(車両用灯具10の後方空間の湿度を75%に設定)を実施したところ、アウターカバー16の周縁部16Bの内側に水曇りは生じたものの、外部からは視認できないレベルのものであった。
【0034】
以上のように、本実施形態に係るアウターカバー16を備える車両用灯具10は、アウターカバー16の周縁部16Bの内側に水曇りが発生した場合でも水曇りが外部から視認されにくい。また、アウターカバー16の製造に際して金型の抜き勾配についての制約もなく、アウターカバー16の薄肉化も容易である。また、アウターカバー16に防曇塗装などコストの高い加工を施す必要がない。また、車両用灯具10の内部構成もアウターカバー16の外側から見えにくくなるので、アウターカバー16の内側に内部構成を隠すためのエクステンションを配置する必要がなくなり、部品点数を減らすことができる。
【0035】
以上、本発明について好適な実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されるものではなく、本発明の技術的特徴を損なわない範囲において、上記実施形態に様々な変更または改良を加えることができることは当業者に明らかである。
【0036】
例えば、アウターカバー16の周縁部16Bに形成される凸レンズ16Bfの水平方向における配列ピッチ(WB1)は本実施形態に限られず、0.1mm〜0.5mmの範囲内であればよい。この配列ピッチ(WB1)が仮に0.1mmより小さければ、アウターカバー16の周縁部16Bに設けるべき凸レンズ16Bfの数が非常に多くなることから、アウターカバー16を成形するための成形型の加工に要する時間が長くなり好ましくない。また、0.5mmより大きければ、アウターカバー16の周縁部16Bの内側に発生した水曇りが外部から見える虞があり好ましくない。
【0037】
また、凸レンズ16Bfの鉛直方向における配列ピッチ(WB2)は本実施形態に限られず、0.5mm〜5.0mmの範囲内であればよい。この配列ピッチ(WB1)が仮に0.5mmより小さければ、アウターカバー16の周縁部16Bに設けるべき凸レンズ16Bfの数が非常に多くなることから、アウターカバー16を成形するための成形型の加工に要する時間が長くなり好ましくない。また、5.0mmより大きければ、アウターカバー16の周縁部16Bの内側に発生した水曇りが外部から見える虞があるとともに外観上も好ましくない。
【0038】
また、凸レンズ16Bfの水平方向におけるレンズ高さ(HB1)は本実施形態に限られず、0.02mm〜0.1mmの範囲内であればよい。また、凸レンズ16Bfの鉛直方向におけるレンズ高さ(HB2)はこれに限られず、0.1mm〜1.0mmの範囲内であればよい。仮に、上記のレンズ高さ(HB1)を0.02mmより小さくし、あるいは上記のレンズ高さ(HB2)を0.1mmより小さくすると、それに伴って上記の各配列ピッチ(WB1,WB2)も小さくなる。したがって、アウターカバー16の周縁部16Bに設けるべき凸レンズ16Bfの数が非常に多くなることから、アウターカバー16を成形するための成形型の加工に要する時間が長くなり好ましくない。また、上記のレンズ高さ(HB1)を0.1mmより大きくし、あるいは上記のレンズ高さ(HB2)を1.0mmより大きくすると、反対に上記の各配列ピッチ(WB1,WB2)が大きくなることから、アウターカバー16の周縁部16Bの内側に発生した水曇りが外部から見える虞があり好ましくない。
【0039】
また、アウターカバー16の周縁部16Bに形成される凸レンズ16Bfは、周縁部16Bの灯室側の面全体に形成されていれば、その配列方向および配列態様については本実施形態に限定されない。
【符号の説明】
【0040】
10…車両用灯具
12…バルブ(光源)
14…リフレクタユニット
14A…リフレクタ部
14Ar…反射面
14B…ダミーリフレクタ部
14C…バルブソケット
15…灯具ボディ
15A…フランジ凹部
16…アウターカバー
16A…透光部
16B…周縁部
16C…側面部
16D…フランジ凸部
16Bf…凸レンズ
16Cf…シリンドリカルレンズ
100…成形型
100A,100B,100C,100D,100E…部分成形型
100Af,100Bf…凹部
500…車体
S…スプルー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具において光源の灯具前方側を覆うアウターカバーであって、
前記光源からの光を透過する透光部、および前記透光部の周縁に設けられた周縁部を有し、前記周縁部には、灯具前後方向の少なくとも一方に突出する凸レンズが、第1の方向においては0.1mm〜0.5mmのピッチで、前記第1の方向と交差する第2の方向においては0.5mm〜5.0mmのピッチで複数配列されており、各々の前記凸レンズにおける隣り合う前記凸レンズとの境界部から凸レンズの突出方向における最頂部までの高さは、前記第1の方向では0.02mm〜0.1mmであり、前記第2の方向では0.1mm〜1.0mmであることを特徴とするアウターカバー。
【請求項2】
請求項1に記載のアウターカバーの製造方法であって、
前記アウターカバーを成形するための成形型を作製する成形型作製工程と、
前記成形型の成形キャビティに樹脂材料を射出充填して前記アウターカバーを成形する成形工程と、を有し、
前記成形型作製工程では、前記成形型の材料における前記周縁部の成形面を形成すべき表面に、前記第1の方向における幅が0.1mm〜0.5mmであり、前記第2の方向における幅が0.5mm〜5.0mmである曲面状に凹んだ凹部であって、隣り合う前記凹部との境界部から最深部までの深さが、前記第1の方向では0.02mm〜0.1mmであり、前記第2の方向では0.1mm〜1.0mmである前記凹部が前記第1の方向および前記第2の方向に沿って複数形成されるように、前記表面を切削することを特徴とするアウターカバーの製造方法。
【請求項3】
前記切削工程において、回転式切削工具を前記第2の方向に沿って移動させつつ前記周縁部の成形面を切削した後、前記回転式切削工具と前記成形型との相対位置を、前記回転式切削工具の回転径〜該回転径の1/2の範囲で前記第1の方向にずらすことを繰り返すことにより複数の前記凹部を形成することを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記回転式切削工具は、ボールエンドミルであることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載のアウターカバーと、
光源と、
前記光源が取り付けられる灯具ボディと、を備えることを特徴とする車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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