アクチュエータ
【課題】本発明は、アクチュエータの提供を目的とする。
【解決手段】電気機械変換素子である圧電素子2と、四角柱状の駆動軸3と、駆動軸3の外側壁を摺動する移動部材5と、前記駆動軸3を保持した保持部材4とを備えている。移動部材5は、移動部材本体6と、駆動軸3の第1外側壁31を摺動する第1摺動部材65と、駆動軸3の第2外側壁32を摺動する第2摺動部材66とを備えている。又、これらの第1摺動部材65と第2摺動部材66とは、移動部材本体6とは別体のものから構成され移動部材本体6に連結されている。
【解決手段】電気機械変換素子である圧電素子2と、四角柱状の駆動軸3と、駆動軸3の外側壁を摺動する移動部材5と、前記駆動軸3を保持した保持部材4とを備えている。移動部材5は、移動部材本体6と、駆動軸3の第1外側壁31を摺動する第1摺動部材65と、駆動軸3の第2外側壁32を摺動する第2摺動部材66とを備えている。又、これらの第1摺動部材65と第2摺動部材66とは、移動部材本体6とは別体のものから構成され移動部材本体6に連結されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部品等を駆動させるアクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、光学部品等を駆動させるアクチュエータとして、例えば電圧の印加によって伸縮する圧電素子と、圧電素子の伸縮によって振動する駆動軸と、駆動軸に摩擦係合して当該駆動軸をその軸方向に摺動する移動部材とを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
又、このようなアクチュエータにおいて、移動部材を駆動軸に対して適宜な摩擦力で係合させることが必要なことから、例えば図14に示すようして移動部材aを駆動軸bに組付けたものが従来から実施されている。
【0004】
詳しくは、移動部材aは、コの字状の受容凹部a1を有するものから構成されており、その受容凹部a1に四角柱状の駆動軸bを受容させるとともに、受容凹部a1の第1内側壁a2を第1摺動部とするとともに、その第1内側壁a2に隣接する第2内側壁a3を第2摺動部とし、それらを、駆動軸bの第1外側壁b1、第2外側壁b2夫々に当接させて摺動させるようにしたものである。尚、移動部材aと駆動軸bとの組付けについては、更に後述する。
【0005】
又、移動部材aを、鋳造法の一種であるダイキャスト法で製造すれば受容凹部a1を有する形状に成型できることから移動部材aをダイキャスト法で成型されている場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−219187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、移動部材aをダイキャストで成型したままの状態では、受容凹部a1の第1内側壁a2及び第2内側壁a3の面粗さが大きく、駆動軸bの外側壁b1、b2を摺動する際の抵抗が大きくなって円滑に摺動し難い。そのため、従来、受容凹部a1の第1内側壁a2及び第2内側壁a3を研磨加工等の機械加工を施して仕上げ加工しているが、このような仕上げ加工のために、移動部材aの製作に時間を要してしまっていると共に、製作コストが高くなっている。特に、第1内側壁a2と第2内側壁a3とは、それらによってL字状をなしているため、仕上げ加工に時間を要する。
【0008】
本発明は、移動部材に仕上げ加工をしなくても移動部材が駆動軸を摺動する際の抵抗を小さくでき、移動部材を円滑に摺動させることができるアクチュエータの提供を目的とする。
【0009】
又、本発明は、移動部材等に仕上げ加工をしなくても移動部材が駆動軸を摺動する際の抵抗を小さくでき、移動部材を円滑に摺動させることができるとともに、移動部材と駆動軸との組付けを容易に短時間で行い得るアクチュエータの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のアクチュエータは、軸方向に伸縮する電気機械変換素子と、その電気機械変換素子に連結され前記電気機械変換素子の伸縮により振動する駆動軸と、前記駆動軸に摩擦係合し前記振動によって前記駆動軸の軸方向に摺動する移動部材とを備えたアクチュエータであって、前記移動部材は、移動部材本体と、前記移動部材本体と別体のものから構成され前記駆動軸を摺動する摺動部材とを備え、前記摺動部材は、前記移動部材本体に連結されていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、駆動軸を摺動する摺動部材は、移動部材本体と別体のものから構成されて移動部材本体に連結されているため、例えば駆動軸を摺動するのに適した面粗さを有する板状体を摺動部材とし、この摺動部材を移動部材本体に連結すればよい。従って、移動部材本体に研磨加工等の仕上げ加工を不要にでき、移動部材を容易に形成できる。
【0012】
他の一態様では、上述のアクチュエータにおいて、前記駆動軸は、第1外側壁と、前記第1外側壁に隣接した第2及び第3外側壁と、前記第2及び第3外側壁夫々に隣接した第4外側壁とを有する四角柱状のものから構成され、前記移動部材本体は、前記駆動軸を受容する受容凹部を備え、前記受容凹部は、前記駆動軸の第1外側壁と対向した第1対向面と、前記駆動軸の第2外側壁と対向した第2対向面とを備え、前記摺動部材は、前記駆動軸の第1外側壁を摺動する第1摺動部材と、前記第2外側壁を摺動する第2摺動部材との少なくとも一つを備え、前記第1摺動部材は、前記第1対向面に、前記第2摺動部材は、前記第2対向面に、夫々連結されるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、例えば第1摺動部材を第1対向面に、第2摺動部材は第2対向面に、夫々連結すれば、L字状になった第1対向面と第2対向面とを研磨加工等の仕上げ加工を不要にでき、移動部材を、より一層、容易に形成できる。
【0014】
他の一態様では、上述のアクチュエータにおいて、前記移動部材本体は、前記駆動軸を受容する受容凹部を備え、前記移動部材は、前記駆動軸の第3外側壁と当接する第1当接部材と、前記第1当接部材を付勢する第1付勢部材とを備え、前記第1当接部材は、前記第2対向面に対して退行及び接近する方向に移動可能に前記受容凹部内に配設され、前記第1付勢部材は、前記第1当接部材に連結されているとともに、前記第2対向面に対して接近する方向に前記第1当接部材を付勢していることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、第1付勢部材は第1当接部材に連結されているため、第1付勢部材と第1当接部材との移動部材本体への組付けを容易に短時間で行うことができる。
【0016】
他の一態様では、上述のアクチュエータにおいて、前記移動部材は、前記駆動軸の第4外側壁と当接した第2当接部材と、前記第2当接部材を付勢する第2付勢部材とを備え、前記第2当接部材は、前記第1対向面に対して退行及び接近する方向に移動可能に前記受容凹部内に配設され、前記第2付勢部材は、前記第2当接部材に連結されているとともに、前記第1対向面に対して接近する方向に前記第2当接部材を付勢していることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、第2付勢部材は第2当接部材に連結されているため、第2付勢部材と第2当接部材との移動部材本体への組付けを容易に短時間で行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、移動部材に仕上げ加工をしなくても移動部材が駆動軸を摺動する際の抵抗を小さくでき、移動部材を円滑に摺動させることができるアクチュエータの提供を目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態のアクチュエータの平面図である。
【図2】第1実施形態のアクチュエータの分解斜視図である。
【図3】第1実施形態のアクチュエータの移動部材における移動部材本体と、第1当接板及び第1付勢部材との分解斜視図である。
【図4】第1実施形態のアクチュエータの移動部材における移動部材本体と第2当接板及び第2付勢部材との分解斜視図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】第1実施形態における移動部材本体に第1摺動部材と第2摺動部材とを組付けた状態の底面図である。
【図7】第1当接板と第1付勢部材との側面図である。
【図8】第2当接板と第2付勢部材との側面図である。
【図9】第2実施形態のアクチュエータの駆動軸と移動部材との組付け状態を示す断面図である。
【図10】第2実施形態における移動部材本体に第1摺動部材と第2摺動部材とを組付けた状態の底面図である。
【図11】第2実施形態の移動部材本体に、他の第1摺動部材と第2摺動部材とを連結した状態の底面図である。
【図12】他の実施形態の第1当接部材の正面図である。
【図13】図12の実施形態の第1当接部材に第1付勢部材を連結した状態の側面図である。
【図14】従来例のアクチュエータの駆動軸と移動部材との組付け状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態の平面図、図2は、第1実施形態のアクチュエータの分解斜視図、図3は、第1実施形態のアクチュエータの移動部材における移動部材本体と、第1当接板及び第1付勢部材との分解斜視図である。また、図4は、第1実施形態のアクチュエータの移動部材における移動部材本体と第2当接板及び第2付勢部材との分解斜視図、図5は、図1のV−V線断面図である。
【0021】
第1実施形態のアクチュエータ1は、電気機械変換素子である圧電素子2と、圧電素子2に連結された駆動軸3と、圧電素子2及び駆動軸3を保持した保持部材4と、駆動軸3を移動する移動部材5とを備えている。
【0022】
圧電素子2は、複数の圧電層が積層されるようにして四角柱状(直方体)に形成されたものから構成されている。そして、電圧が印加されることによって、その軸方向(図1のX−X方向)に伸縮する。
【0023】
駆動軸3は、四角柱状のもの(直方体)から構成されており、図2の上側の第1外側壁31と、その第1外側壁31と隣接して直交した第2外側壁32及び第3外側壁33と、それらの第2外側壁32及び第3外側壁33夫々と隣接して直交した第4外側壁34とを備えている。これらの外側壁31〜34は、移動部材5が摺動する被摺動部を構成する。
【0024】
保持部材4は、上記駆動軸3の第1端3a及び圧電素子2の第1端2aを受容する軸受容部40を備えている。この軸受容部40は、図2に示すように上方が開放されたコの字状を呈するものから構成されている。
【0025】
そして、このように構成された保持部材4の軸受容部40に、図1に示すように駆動軸3の第1端3aが圧電素子2の第1端2aとともに受容される。そして、この状態で、接着剤によって、駆動軸3の第1端3aと圧電素子2の第1端2aとの夫々の端面同士が接着されるとともに、駆動軸3の外側壁32〜34と保持部材4の内側壁とが接着され、更に、圧電素子2の外側壁と保持部材4の内側壁とが接着される。これにより、駆動軸3及び圧電素子2が保持部材4に接着剤を介して保持される。
【0026】
このように圧電素子2と駆動軸3とを保持した保持部材4の下端は、例えば支持部材8(図1に2点鎖線で示す)に支持され、その支持部材8が小型カメラやレーザーモジュールなどの光学装置内に組付けられることによりこのアクチュエータ1が光学装置に装着される。
【0027】
次に、移動部材5について説明する。この実施形態の移動部材5は、図2に示すように移動部材本体6と、摺動部材65、66(図5、図6に示す)と、当接部材71、72と、付勢部材81、82とを備えている。
【0028】
移動部材本体6は、この実施形態では、ダイキャストにより成形されており、図5、図6に示すように、駆動軸3を受容する正面視でコの字状の受容凹部61を備えている。この受容凹部61は、受容した駆動軸3の第1外側壁31と対向した第1対向面62と、駆動軸3の第2外側壁32と対向した第2対向面63とを備えている。
【0029】
摺動部材は、この実施形態では、駆動軸3の第1外側壁31を摺動する第1摺動部材65と、駆動軸3の第2外側壁32を摺動する第2摺動部材66とから構成されている。
【0030】
第1摺動部材65は、所定厚さの板状体から構成されている。第1摺動部材65の第1面は、駆動軸3の第1外側壁31を摺動する摺動部65aを構成しており、駆動軸3の第1外側壁31を摺動するのに適した面粗さとされている。
【0031】
第1摺動部材65の第2面は、移動部材本体6の第1対向面62に取り付けられている。これにより、摺動部65aが、受容凹部61に受容した駆動軸3の第1外側壁31と当接して摺動できるように配設されている。
【0032】
第2摺動部材66は、上記第1摺動部材65よりも細幅の板状体から構成されている。この第2摺動部材66の第1面は、駆動軸3の第2外側壁32を摺動する摺動部66aを構成しており、第1摺動部材65の摺動部65aと同程度の面粗さとされている。
【0033】
第2摺動部材66の第2面は、移動部材本体6の第2対向面63に取り付けられており、これにより、摺動部66aが、受容凹部61に受容した駆動軸3の第2外側壁32と当接して摺動できるように配設されている。
【0034】
当接部材71、72は、駆動軸3の第3外側壁33に当接して摺動する第1当接部材としての第1当接板71と、駆動軸3の第4外側壁34に当接して摺動する第2当接部材としての第2当接板72とを備えている。
【0035】
第1当接板71は、所定厚さの板状のものから構成され、図2に示すように一対の突片71aを備えている。そして、これらの突片71aが、図5に示すように移動部材本体6に設けられた突片嵌挿溝60に嵌挿されている。
【0036】
そして、この状態で、第1当接板71は、移動部材本体6の受容凹部61内に、上記第2対向面63(第2摺動部材66)と退行及び接近する方向の移動部材本体6の幅方向(図5のY−Y方向)に移動可能とされているとともに、その幅方向と直交する移動部材本体6の軸方向(図6のX−X方向)に移動不能に配設されている。従って、第1当接板71は、移動部材本体6の駆動軸3に対する移動に際して移動部材本体6と共に移動する。
【0037】
第2当接板72は、所定厚さの板状のものから構成され、図2に示すように端部に係止片72aを備えている。そして、この係止片72aが、図5に示すように移動部材本体6に設けられた係止片嵌挿溝69に嵌挿され、この状態で、第2当接板72が移動部材本体6の受容凹部61内に、上記第1対向面62(第1摺動部材65)と退行及び接近する方向方向に移動可能とされているとともに、移動部材本体6の軸方向に移動不能に配設されている。従って、この第2当接板72も、移動部材本体6の駆動軸3に対する移動に際して移動部材本体6と共に移動する。
【0038】
付勢部材81、82は、図2、図5に示すようにコイルバネからなる第1付勢部材81と、正面視でM字状を呈する第2付勢部材82とを備えている。
【0039】
第1付勢部材81は、図7に示すように、その第1端が第1当接板71に連結されている。この実施形態では、第1付勢部材81の第1端と第1当接板71とは、溶接により固定的に連結している。尚、第1付勢部材81と第1当接板71とは、溶接によるものに限らず、例えば接着剤を用いて固定的に連結してもよく、適宜変更できる。
【0040】
そして、このように構成された第1付勢部材81は、図5に示すように、その第2端が、移動部材本体6に設けられたバネ収納部67の内壁に当接された状態でバネ収納部67に収納されている。これにより、第1当接板71が上記第2対向面63(第2摺動部材66)側に押圧されて駆動軸3の第3外側壁33に押し当てられているとともに、駆動軸3の第2外側壁32が第2摺動部63に押圧されている。
【0041】
第2付勢部材82は、図2に示すように、その両端に、移動部材本体6の両端夫々に係止される係止部としての係止孔82aを備えているとともに、その中間部に連結部82bを備え、この連結部82bが第2当接板72に連結されている。
【0042】
この実施形態では、第2付勢部材82と第2当接板72とは、溶接により固定的に連結されている。尚、第2付勢部材82と第2当接板72とも、溶接によるものに限らず、例えば接着剤を用いて固定的に連結してもよく、適宜変更できる。
【0043】
そして、このように構成された第2付勢部材82は、図5に示すように、係止孔82aが移動部材本体6の両端夫々に設けられた係止突片69に係止されており、その状態で、第2付勢部材82が連結部82bを介して第2当接板72を上記第1対向面62(第1摺動部材65)側に押圧して駆動軸3の第4外側壁34に押し当てているとともに、駆動軸3の第1外側壁31が第1摺動部材65に押圧されている。
【0044】
なお、このように構成された移動部材5には、例えば光学装置に装着される際にレンズ(図示せず)が移動部材5と共に可動するように連結される。
【0045】
このように構成された第1実施形態のアクチュエータ1は、圧電素子2に矩形波を与えることで、駆動軸3を軸方向(X−X方向)に振動させるとともに、電圧上昇時(伸長時)と下降時(圧縮時)とで振動速度差が生じるように略三角波状に変位させる。又、矩形波のデューティ比を変えることで、駆動軸3の振動速度を制御する。
【0046】
そして、この駆動軸3の振動によって移動部材5の第1摺動部材65、第2摺動部66、第1当接板71及び第2当接板72の夫々が駆動軸3の第1外側壁31、第2外側壁32、第3外側壁33及び第4外側壁34の夫々を軸方向に摺動する。
【0047】
以上のようにして第1実施形態のアクチュエータ1を構成すれば、移動部材本体6の第1対向面62及び第2対向面63を、研磨加工等の仕上げ加工を施して駆動軸3を摺動する摺動部を形成しなくても、第1摺動部材65及び第2摺動部材66を接着剤等の連結手段によって連結すればよく、移動部材5を容易に低コストで製作できる。
【0048】
尚、上記実施形態では、第1摺動部材を1つから構成したが、複数のものから構成してもよい。詳しくは、例えば図9、図10に示すように第1摺動部材265は、3つの板状の摺動片265a〜265cから構成されている。
【0049】
これらの摺動片265a〜265cは、移動部材本体6の第1対向面62に、移動部材本体6の幅方向に所定の距離をもって駆動軸3の軸方向に延ばされるように配設され、接着剤等の連結手段によって連結されている。
【0050】
このように構成すれば、上記効果に加え、第1摺動部材265と駆動軸3の第1外側壁31との接触面積を少なくでき、摺動する際の抵抗を小さくできる。従って、移動部材本体6を、より一層、円滑に摺動させることができる。
【0051】
又、摺動片265a〜265cの軸方向の長さを、移動部材本体6の長さよりも短くしてもよく、適宜変更できる。例えば図11に示すように、移動部材本体6の幅方向の両側に配設された2つの摺動片265a、265cは、移動部材本体6の軸方向の第1端から、軸方向の略中央まで延ばされている。また、それらの間に配設された他の摺動片265bは、移動部材本体6の軸方向の第2端から、軸方向の略中央まで延ばされており、3つの摺動片265a〜265cの軸方向の中心を結ぶ線が三角形になるように配設されている。
【0052】
このように構成すれば、第1摺動部材265と駆動軸3の第1外側壁31との接触面積を、より少なくでき、摺動する際の抵抗を、より小さくできる。従って、移動部材本体6を、より一層、円滑に摺動させることができるとともに、第1摺動部材265が駆動軸3の第1外側壁31を安定した状態で摺動することができる。
【0053】
また、上記実施形態では、摺動部材を、第1摺動部材と第2摺動部材とから構成したが、第1摺動部材と第2摺動部材との何れか一方から構成し、移動部材本体の第1対向面または第2対向面を研磨加工等の仕上げ加工を施すようにしてもよい。
【0054】
又、上記実施形態では、第1当接部材を、板状の第1当接板71から構成したが、第1当接部材を板状のものから構成する形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0055】
例えば図12に示すように第1当接部材171を、板状の当接板171aと、当接板171aから突出した連結軸171bとを備えたものとする。そして、図13に示すように、コイルバネからなる第1付勢部材81の内周に連結軸171bを嵌め入れるようにして連結したものとする。
【0056】
又、上記実施形態では、第1当接部材と第1付勢部材とを連結したが、連結せずに、単に当接させるだけのものでもよく、適宜変更できる。又、第2当接部材と第2付勢部材とについても、上記実施形態では、両者を連結したが、連結せずに、単に当接させるだけのものでもよく、適宜変更できる。
【符号の説明】
【0057】
1、200 アクチュエータ
2 圧電素子(電気機械変換素子)
3、203 駆動軸
4 保持部材
5 移動部材
31 第1外側壁
32 第2外側壁
65 第1摺動部材
66 第2摺動部材
71 第1当接板(第1当接部材)
72 第2当接板(第2当接部材)
81 第1付勢部材
82 第2付勢部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部品等を駆動させるアクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、光学部品等を駆動させるアクチュエータとして、例えば電圧の印加によって伸縮する圧電素子と、圧電素子の伸縮によって振動する駆動軸と、駆動軸に摩擦係合して当該駆動軸をその軸方向に摺動する移動部材とを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
又、このようなアクチュエータにおいて、移動部材を駆動軸に対して適宜な摩擦力で係合させることが必要なことから、例えば図14に示すようして移動部材aを駆動軸bに組付けたものが従来から実施されている。
【0004】
詳しくは、移動部材aは、コの字状の受容凹部a1を有するものから構成されており、その受容凹部a1に四角柱状の駆動軸bを受容させるとともに、受容凹部a1の第1内側壁a2を第1摺動部とするとともに、その第1内側壁a2に隣接する第2内側壁a3を第2摺動部とし、それらを、駆動軸bの第1外側壁b1、第2外側壁b2夫々に当接させて摺動させるようにしたものである。尚、移動部材aと駆動軸bとの組付けについては、更に後述する。
【0005】
又、移動部材aを、鋳造法の一種であるダイキャスト法で製造すれば受容凹部a1を有する形状に成型できることから移動部材aをダイキャスト法で成型されている場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−219187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、移動部材aをダイキャストで成型したままの状態では、受容凹部a1の第1内側壁a2及び第2内側壁a3の面粗さが大きく、駆動軸bの外側壁b1、b2を摺動する際の抵抗が大きくなって円滑に摺動し難い。そのため、従来、受容凹部a1の第1内側壁a2及び第2内側壁a3を研磨加工等の機械加工を施して仕上げ加工しているが、このような仕上げ加工のために、移動部材aの製作に時間を要してしまっていると共に、製作コストが高くなっている。特に、第1内側壁a2と第2内側壁a3とは、それらによってL字状をなしているため、仕上げ加工に時間を要する。
【0008】
本発明は、移動部材に仕上げ加工をしなくても移動部材が駆動軸を摺動する際の抵抗を小さくでき、移動部材を円滑に摺動させることができるアクチュエータの提供を目的とする。
【0009】
又、本発明は、移動部材等に仕上げ加工をしなくても移動部材が駆動軸を摺動する際の抵抗を小さくでき、移動部材を円滑に摺動させることができるとともに、移動部材と駆動軸との組付けを容易に短時間で行い得るアクチュエータの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のアクチュエータは、軸方向に伸縮する電気機械変換素子と、その電気機械変換素子に連結され前記電気機械変換素子の伸縮により振動する駆動軸と、前記駆動軸に摩擦係合し前記振動によって前記駆動軸の軸方向に摺動する移動部材とを備えたアクチュエータであって、前記移動部材は、移動部材本体と、前記移動部材本体と別体のものから構成され前記駆動軸を摺動する摺動部材とを備え、前記摺動部材は、前記移動部材本体に連結されていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、駆動軸を摺動する摺動部材は、移動部材本体と別体のものから構成されて移動部材本体に連結されているため、例えば駆動軸を摺動するのに適した面粗さを有する板状体を摺動部材とし、この摺動部材を移動部材本体に連結すればよい。従って、移動部材本体に研磨加工等の仕上げ加工を不要にでき、移動部材を容易に形成できる。
【0012】
他の一態様では、上述のアクチュエータにおいて、前記駆動軸は、第1外側壁と、前記第1外側壁に隣接した第2及び第3外側壁と、前記第2及び第3外側壁夫々に隣接した第4外側壁とを有する四角柱状のものから構成され、前記移動部材本体は、前記駆動軸を受容する受容凹部を備え、前記受容凹部は、前記駆動軸の第1外側壁と対向した第1対向面と、前記駆動軸の第2外側壁と対向した第2対向面とを備え、前記摺動部材は、前記駆動軸の第1外側壁を摺動する第1摺動部材と、前記第2外側壁を摺動する第2摺動部材との少なくとも一つを備え、前記第1摺動部材は、前記第1対向面に、前記第2摺動部材は、前記第2対向面に、夫々連結されるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、例えば第1摺動部材を第1対向面に、第2摺動部材は第2対向面に、夫々連結すれば、L字状になった第1対向面と第2対向面とを研磨加工等の仕上げ加工を不要にでき、移動部材を、より一層、容易に形成できる。
【0014】
他の一態様では、上述のアクチュエータにおいて、前記移動部材本体は、前記駆動軸を受容する受容凹部を備え、前記移動部材は、前記駆動軸の第3外側壁と当接する第1当接部材と、前記第1当接部材を付勢する第1付勢部材とを備え、前記第1当接部材は、前記第2対向面に対して退行及び接近する方向に移動可能に前記受容凹部内に配設され、前記第1付勢部材は、前記第1当接部材に連結されているとともに、前記第2対向面に対して接近する方向に前記第1当接部材を付勢していることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、第1付勢部材は第1当接部材に連結されているため、第1付勢部材と第1当接部材との移動部材本体への組付けを容易に短時間で行うことができる。
【0016】
他の一態様では、上述のアクチュエータにおいて、前記移動部材は、前記駆動軸の第4外側壁と当接した第2当接部材と、前記第2当接部材を付勢する第2付勢部材とを備え、前記第2当接部材は、前記第1対向面に対して退行及び接近する方向に移動可能に前記受容凹部内に配設され、前記第2付勢部材は、前記第2当接部材に連結されているとともに、前記第1対向面に対して接近する方向に前記第2当接部材を付勢していることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、第2付勢部材は第2当接部材に連結されているため、第2付勢部材と第2当接部材との移動部材本体への組付けを容易に短時間で行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、移動部材に仕上げ加工をしなくても移動部材が駆動軸を摺動する際の抵抗を小さくでき、移動部材を円滑に摺動させることができるアクチュエータの提供を目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態のアクチュエータの平面図である。
【図2】第1実施形態のアクチュエータの分解斜視図である。
【図3】第1実施形態のアクチュエータの移動部材における移動部材本体と、第1当接板及び第1付勢部材との分解斜視図である。
【図4】第1実施形態のアクチュエータの移動部材における移動部材本体と第2当接板及び第2付勢部材との分解斜視図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】第1実施形態における移動部材本体に第1摺動部材と第2摺動部材とを組付けた状態の底面図である。
【図7】第1当接板と第1付勢部材との側面図である。
【図8】第2当接板と第2付勢部材との側面図である。
【図9】第2実施形態のアクチュエータの駆動軸と移動部材との組付け状態を示す断面図である。
【図10】第2実施形態における移動部材本体に第1摺動部材と第2摺動部材とを組付けた状態の底面図である。
【図11】第2実施形態の移動部材本体に、他の第1摺動部材と第2摺動部材とを連結した状態の底面図である。
【図12】他の実施形態の第1当接部材の正面図である。
【図13】図12の実施形態の第1当接部材に第1付勢部材を連結した状態の側面図である。
【図14】従来例のアクチュエータの駆動軸と移動部材との組付け状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態の平面図、図2は、第1実施形態のアクチュエータの分解斜視図、図3は、第1実施形態のアクチュエータの移動部材における移動部材本体と、第1当接板及び第1付勢部材との分解斜視図である。また、図4は、第1実施形態のアクチュエータの移動部材における移動部材本体と第2当接板及び第2付勢部材との分解斜視図、図5は、図1のV−V線断面図である。
【0021】
第1実施形態のアクチュエータ1は、電気機械変換素子である圧電素子2と、圧電素子2に連結された駆動軸3と、圧電素子2及び駆動軸3を保持した保持部材4と、駆動軸3を移動する移動部材5とを備えている。
【0022】
圧電素子2は、複数の圧電層が積層されるようにして四角柱状(直方体)に形成されたものから構成されている。そして、電圧が印加されることによって、その軸方向(図1のX−X方向)に伸縮する。
【0023】
駆動軸3は、四角柱状のもの(直方体)から構成されており、図2の上側の第1外側壁31と、その第1外側壁31と隣接して直交した第2外側壁32及び第3外側壁33と、それらの第2外側壁32及び第3外側壁33夫々と隣接して直交した第4外側壁34とを備えている。これらの外側壁31〜34は、移動部材5が摺動する被摺動部を構成する。
【0024】
保持部材4は、上記駆動軸3の第1端3a及び圧電素子2の第1端2aを受容する軸受容部40を備えている。この軸受容部40は、図2に示すように上方が開放されたコの字状を呈するものから構成されている。
【0025】
そして、このように構成された保持部材4の軸受容部40に、図1に示すように駆動軸3の第1端3aが圧電素子2の第1端2aとともに受容される。そして、この状態で、接着剤によって、駆動軸3の第1端3aと圧電素子2の第1端2aとの夫々の端面同士が接着されるとともに、駆動軸3の外側壁32〜34と保持部材4の内側壁とが接着され、更に、圧電素子2の外側壁と保持部材4の内側壁とが接着される。これにより、駆動軸3及び圧電素子2が保持部材4に接着剤を介して保持される。
【0026】
このように圧電素子2と駆動軸3とを保持した保持部材4の下端は、例えば支持部材8(図1に2点鎖線で示す)に支持され、その支持部材8が小型カメラやレーザーモジュールなどの光学装置内に組付けられることによりこのアクチュエータ1が光学装置に装着される。
【0027】
次に、移動部材5について説明する。この実施形態の移動部材5は、図2に示すように移動部材本体6と、摺動部材65、66(図5、図6に示す)と、当接部材71、72と、付勢部材81、82とを備えている。
【0028】
移動部材本体6は、この実施形態では、ダイキャストにより成形されており、図5、図6に示すように、駆動軸3を受容する正面視でコの字状の受容凹部61を備えている。この受容凹部61は、受容した駆動軸3の第1外側壁31と対向した第1対向面62と、駆動軸3の第2外側壁32と対向した第2対向面63とを備えている。
【0029】
摺動部材は、この実施形態では、駆動軸3の第1外側壁31を摺動する第1摺動部材65と、駆動軸3の第2外側壁32を摺動する第2摺動部材66とから構成されている。
【0030】
第1摺動部材65は、所定厚さの板状体から構成されている。第1摺動部材65の第1面は、駆動軸3の第1外側壁31を摺動する摺動部65aを構成しており、駆動軸3の第1外側壁31を摺動するのに適した面粗さとされている。
【0031】
第1摺動部材65の第2面は、移動部材本体6の第1対向面62に取り付けられている。これにより、摺動部65aが、受容凹部61に受容した駆動軸3の第1外側壁31と当接して摺動できるように配設されている。
【0032】
第2摺動部材66は、上記第1摺動部材65よりも細幅の板状体から構成されている。この第2摺動部材66の第1面は、駆動軸3の第2外側壁32を摺動する摺動部66aを構成しており、第1摺動部材65の摺動部65aと同程度の面粗さとされている。
【0033】
第2摺動部材66の第2面は、移動部材本体6の第2対向面63に取り付けられており、これにより、摺動部66aが、受容凹部61に受容した駆動軸3の第2外側壁32と当接して摺動できるように配設されている。
【0034】
当接部材71、72は、駆動軸3の第3外側壁33に当接して摺動する第1当接部材としての第1当接板71と、駆動軸3の第4外側壁34に当接して摺動する第2当接部材としての第2当接板72とを備えている。
【0035】
第1当接板71は、所定厚さの板状のものから構成され、図2に示すように一対の突片71aを備えている。そして、これらの突片71aが、図5に示すように移動部材本体6に設けられた突片嵌挿溝60に嵌挿されている。
【0036】
そして、この状態で、第1当接板71は、移動部材本体6の受容凹部61内に、上記第2対向面63(第2摺動部材66)と退行及び接近する方向の移動部材本体6の幅方向(図5のY−Y方向)に移動可能とされているとともに、その幅方向と直交する移動部材本体6の軸方向(図6のX−X方向)に移動不能に配設されている。従って、第1当接板71は、移動部材本体6の駆動軸3に対する移動に際して移動部材本体6と共に移動する。
【0037】
第2当接板72は、所定厚さの板状のものから構成され、図2に示すように端部に係止片72aを備えている。そして、この係止片72aが、図5に示すように移動部材本体6に設けられた係止片嵌挿溝69に嵌挿され、この状態で、第2当接板72が移動部材本体6の受容凹部61内に、上記第1対向面62(第1摺動部材65)と退行及び接近する方向方向に移動可能とされているとともに、移動部材本体6の軸方向に移動不能に配設されている。従って、この第2当接板72も、移動部材本体6の駆動軸3に対する移動に際して移動部材本体6と共に移動する。
【0038】
付勢部材81、82は、図2、図5に示すようにコイルバネからなる第1付勢部材81と、正面視でM字状を呈する第2付勢部材82とを備えている。
【0039】
第1付勢部材81は、図7に示すように、その第1端が第1当接板71に連結されている。この実施形態では、第1付勢部材81の第1端と第1当接板71とは、溶接により固定的に連結している。尚、第1付勢部材81と第1当接板71とは、溶接によるものに限らず、例えば接着剤を用いて固定的に連結してもよく、適宜変更できる。
【0040】
そして、このように構成された第1付勢部材81は、図5に示すように、その第2端が、移動部材本体6に設けられたバネ収納部67の内壁に当接された状態でバネ収納部67に収納されている。これにより、第1当接板71が上記第2対向面63(第2摺動部材66)側に押圧されて駆動軸3の第3外側壁33に押し当てられているとともに、駆動軸3の第2外側壁32が第2摺動部63に押圧されている。
【0041】
第2付勢部材82は、図2に示すように、その両端に、移動部材本体6の両端夫々に係止される係止部としての係止孔82aを備えているとともに、その中間部に連結部82bを備え、この連結部82bが第2当接板72に連結されている。
【0042】
この実施形態では、第2付勢部材82と第2当接板72とは、溶接により固定的に連結されている。尚、第2付勢部材82と第2当接板72とも、溶接によるものに限らず、例えば接着剤を用いて固定的に連結してもよく、適宜変更できる。
【0043】
そして、このように構成された第2付勢部材82は、図5に示すように、係止孔82aが移動部材本体6の両端夫々に設けられた係止突片69に係止されており、その状態で、第2付勢部材82が連結部82bを介して第2当接板72を上記第1対向面62(第1摺動部材65)側に押圧して駆動軸3の第4外側壁34に押し当てているとともに、駆動軸3の第1外側壁31が第1摺動部材65に押圧されている。
【0044】
なお、このように構成された移動部材5には、例えば光学装置に装着される際にレンズ(図示せず)が移動部材5と共に可動するように連結される。
【0045】
このように構成された第1実施形態のアクチュエータ1は、圧電素子2に矩形波を与えることで、駆動軸3を軸方向(X−X方向)に振動させるとともに、電圧上昇時(伸長時)と下降時(圧縮時)とで振動速度差が生じるように略三角波状に変位させる。又、矩形波のデューティ比を変えることで、駆動軸3の振動速度を制御する。
【0046】
そして、この駆動軸3の振動によって移動部材5の第1摺動部材65、第2摺動部66、第1当接板71及び第2当接板72の夫々が駆動軸3の第1外側壁31、第2外側壁32、第3外側壁33及び第4外側壁34の夫々を軸方向に摺動する。
【0047】
以上のようにして第1実施形態のアクチュエータ1を構成すれば、移動部材本体6の第1対向面62及び第2対向面63を、研磨加工等の仕上げ加工を施して駆動軸3を摺動する摺動部を形成しなくても、第1摺動部材65及び第2摺動部材66を接着剤等の連結手段によって連結すればよく、移動部材5を容易に低コストで製作できる。
【0048】
尚、上記実施形態では、第1摺動部材を1つから構成したが、複数のものから構成してもよい。詳しくは、例えば図9、図10に示すように第1摺動部材265は、3つの板状の摺動片265a〜265cから構成されている。
【0049】
これらの摺動片265a〜265cは、移動部材本体6の第1対向面62に、移動部材本体6の幅方向に所定の距離をもって駆動軸3の軸方向に延ばされるように配設され、接着剤等の連結手段によって連結されている。
【0050】
このように構成すれば、上記効果に加え、第1摺動部材265と駆動軸3の第1外側壁31との接触面積を少なくでき、摺動する際の抵抗を小さくできる。従って、移動部材本体6を、より一層、円滑に摺動させることができる。
【0051】
又、摺動片265a〜265cの軸方向の長さを、移動部材本体6の長さよりも短くしてもよく、適宜変更できる。例えば図11に示すように、移動部材本体6の幅方向の両側に配設された2つの摺動片265a、265cは、移動部材本体6の軸方向の第1端から、軸方向の略中央まで延ばされている。また、それらの間に配設された他の摺動片265bは、移動部材本体6の軸方向の第2端から、軸方向の略中央まで延ばされており、3つの摺動片265a〜265cの軸方向の中心を結ぶ線が三角形になるように配設されている。
【0052】
このように構成すれば、第1摺動部材265と駆動軸3の第1外側壁31との接触面積を、より少なくでき、摺動する際の抵抗を、より小さくできる。従って、移動部材本体6を、より一層、円滑に摺動させることができるとともに、第1摺動部材265が駆動軸3の第1外側壁31を安定した状態で摺動することができる。
【0053】
また、上記実施形態では、摺動部材を、第1摺動部材と第2摺動部材とから構成したが、第1摺動部材と第2摺動部材との何れか一方から構成し、移動部材本体の第1対向面または第2対向面を研磨加工等の仕上げ加工を施すようにしてもよい。
【0054】
又、上記実施形態では、第1当接部材を、板状の第1当接板71から構成したが、第1当接部材を板状のものから構成する形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0055】
例えば図12に示すように第1当接部材171を、板状の当接板171aと、当接板171aから突出した連結軸171bとを備えたものとする。そして、図13に示すように、コイルバネからなる第1付勢部材81の内周に連結軸171bを嵌め入れるようにして連結したものとする。
【0056】
又、上記実施形態では、第1当接部材と第1付勢部材とを連結したが、連結せずに、単に当接させるだけのものでもよく、適宜変更できる。又、第2当接部材と第2付勢部材とについても、上記実施形態では、両者を連結したが、連結せずに、単に当接させるだけのものでもよく、適宜変更できる。
【符号の説明】
【0057】
1、200 アクチュエータ
2 圧電素子(電気機械変換素子)
3、203 駆動軸
4 保持部材
5 移動部材
31 第1外側壁
32 第2外側壁
65 第1摺動部材
66 第2摺動部材
71 第1当接板(第1当接部材)
72 第2当接板(第2当接部材)
81 第1付勢部材
82 第2付勢部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に伸縮する電気機械変換素子と、その電気機械変換素子に連結され前記電気機械変換素子の伸縮により振動する駆動軸と、前記駆動軸に摩擦係合し前記振動によって前記駆動軸の軸方向に摺動する移動部材とを備えたアクチュエータであって、
前記移動部材は、移動部材本体と、前記移動部材本体と別体のものから構成され前記駆動軸を摺動する摺動部材とを備え、
前記摺動部材は、前記移動部材本体に連結されていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記駆動軸は、第1外側壁と、前記第1外側壁に隣接した第2及び第3外側壁と、前記第2及び第3外側壁夫々に隣接した第4外側壁とを有する四角柱状のものから構成され、
前記移動部材本体は、前記駆動軸を受容する受容凹部を備え、
前記受容凹部は、前記駆動軸の第1外側壁と対向した第1対向面と、前記駆動軸の第2外側壁と対向した第2対向面とを備え、
前記摺動部材は、前記駆動軸の第1外側壁を摺動する第1摺動部材と、前記第2外側壁を摺動する第2摺動部材との少なくとも一つを備え、
前記第1摺動部材は、前記第1対向面に、前記第2摺動部材は、前記第2対向面に、夫々連結されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記移動部材本体は、前記駆動軸を受容する受容凹部を備え、
前記移動部材は、前記駆動軸の第3外側壁と当接する第1当接部材と、前記第1当接部材を付勢する第1付勢部材とを備え、
前記第1当接部材は、前記第2対向面に対して退行及び接近する方向に移動可能に前記受容凹部内に配設され、
前記第1付勢部材は、前記第1当接部材に連結されているとともに、前記第2対向面に対して接近する方向に前記第1当接部材を付勢していることを特徴とする請求項2記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記移動部材は、前記駆動軸の第4外側壁と当接した第2当接部材と、前記第2当接部材を付勢する第2付勢部材とを備え、
前記第2当接部材は、前記第1対向面に対して退行及び接近する方向に移動可能に前記受容凹部内に配設され、
前記第2付勢部材は、前記第2当接部材に連結されているとともに、前記第1対向面に対して接近する方向に前記第2当接部材を付勢していることを特徴とする請求項2又は3記載のアクチュエータ。
【請求項1】
軸方向に伸縮する電気機械変換素子と、その電気機械変換素子に連結され前記電気機械変換素子の伸縮により振動する駆動軸と、前記駆動軸に摩擦係合し前記振動によって前記駆動軸の軸方向に摺動する移動部材とを備えたアクチュエータであって、
前記移動部材は、移動部材本体と、前記移動部材本体と別体のものから構成され前記駆動軸を摺動する摺動部材とを備え、
前記摺動部材は、前記移動部材本体に連結されていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記駆動軸は、第1外側壁と、前記第1外側壁に隣接した第2及び第3外側壁と、前記第2及び第3外側壁夫々に隣接した第4外側壁とを有する四角柱状のものから構成され、
前記移動部材本体は、前記駆動軸を受容する受容凹部を備え、
前記受容凹部は、前記駆動軸の第1外側壁と対向した第1対向面と、前記駆動軸の第2外側壁と対向した第2対向面とを備え、
前記摺動部材は、前記駆動軸の第1外側壁を摺動する第1摺動部材と、前記第2外側壁を摺動する第2摺動部材との少なくとも一つを備え、
前記第1摺動部材は、前記第1対向面に、前記第2摺動部材は、前記第2対向面に、夫々連結されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記移動部材本体は、前記駆動軸を受容する受容凹部を備え、
前記移動部材は、前記駆動軸の第3外側壁と当接する第1当接部材と、前記第1当接部材を付勢する第1付勢部材とを備え、
前記第1当接部材は、前記第2対向面に対して退行及び接近する方向に移動可能に前記受容凹部内に配設され、
前記第1付勢部材は、前記第1当接部材に連結されているとともに、前記第2対向面に対して接近する方向に前記第1当接部材を付勢していることを特徴とする請求項2記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記移動部材は、前記駆動軸の第4外側壁と当接した第2当接部材と、前記第2当接部材を付勢する第2付勢部材とを備え、
前記第2当接部材は、前記第1対向面に対して退行及び接近する方向に移動可能に前記受容凹部内に配設され、
前記第2付勢部材は、前記第2当接部材に連結されているとともに、前記第1対向面に対して接近する方向に前記第2当接部材を付勢していることを特徴とする請求項2又は3記載のアクチュエータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−120256(P2012−120256A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265017(P2010−265017)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】
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