説明

アクリレート及びメタクリレートのフルオロアルケンとのブロックコポリマー

フッ素化ブロック及び非フッ素化ブロックを有するブロックコポリマー及び該ブロックコポリマーの作製方法が提供される。また、本明細書で提供されるのは、ブロックコポリマーを含む、植え込み型用具上のコーティング及び植え込み型用具の使用方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、フッ素化ブロックと非フッ素化ブロックとのコポリマー、及び薬剤溶出用ステントのような植え込み型用具をコートするのに有用な、それらから形成される組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
血管の閉塞は、冒された血管における血流を機械的に高めることによって、たとえば、ステントを用いることによって一般に治療される。ステントは、機械的な介入のみならず、生物学的療法を提供するための媒体としても使用される。ステントによる薬物療法において活性剤の制御された送達を達成するために、生体適合性の高分子コーティングでステントをコートすることができる。生体適合性の高分子コーティングは、作用剤を制御して送達することができる透過性層又はキャリアのいずれかとして機能することができる。
【0003】
たとえば、ポリ(フッ化ビニリデン−co−ヘキサフルオロプロピレン)のようなフッ素化ポリマーは、薬剤溶出用ステント(DES)コーティングを形成するのに使用されており、ステントからの医薬剤の放出を効果的に制御することができる。これらのフッ素化ポリマーで形成されるDESコーティングは、優れた機械的特性を有し、且つ、生体適合性であり、生物学的には不活性である。しかしながら、フッ素化オレフィンのポリマーは疎水性が非常に高く、低いガラス転移温度を有する可能性がある。DES上の高分子コーティングの高すぎる疎水性によって、コーティングの透過性が低下することが多いので、コーティング上の薬剤の放出率を望ましくないレベルまで落とすことになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書で開示されるポリマー及び該ポリマーの製造方法は、前述の課題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示されるのは、フッ素化ブロック及び非フッ素化ブロックを含むフッ素化ブロックコポリマーである。ポリマーの非フッ素化ブロックは、血管反応の改善及び/又は医薬剤の制御放出に対して改善された透過性を提供する。
【0006】
本発明の側面の1つによれば、非フッ素化ブロックは、以下構造のポリオレフィンブロックを含む:
【化1】

式中、Rは、−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル、ナフチル、−COOR又は−CONRであり;
は、−H、−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル又はナフタレニルであり;
及びRは、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、又は−PEGである。
【0007】
別の実施態様では、フッ素化ブロックは、たとえば、ポリ(フッ素化オレフィン)のブロック、たとえば、以下の構造を有するブロックであることができる。
【化2】

【0008】
さらなる実施態様では、フッ素化ブロックコポリマーは以下の構造を有する:
【化3】

式中、Rは、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、又は−PEGであり;
は、−H、−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル又はナフチルである。
【0009】
ポリマーは、植え込み型用具をコートするためのコーティング組成物及び/又は生物活性剤の放出率を制御するためにそれで形成されるコーティングを形成することができる。たとえば、ATRP(原子移動ラジカル重合)触媒(たとえば、Matyjaszewski, K. Controlled Radical Polymerization; American Chemical Society: Washington, D.C., 1998; Vol. 685; Honigfort, M. E.; Brittain, W. J.; Bosanac, T.; Wilcox, C. S. Polym. Prepr., 2002, 43, 561)を参照のこと)のような銅触媒及びフッ素化ジ−ハロマクロマーの存在下、たとえば、アクリレート、メタクリレート又はスチレンのような非フッ素化オレフィンを重合することによって、ブロックコポリマーを形成することができる。
【0010】
フッ素化ブロックコポリマーを使用して、フッ素化ブロックコポリマーを単独で含む、又はもう1つの材料若しくはポリマーと組み合わせて、適宜、生物活性剤と組み合わせてフッ素化ブロックコポリマーを含むコーティング組成物を形成することができる。このように形成されるコーティング組成をDESのような植え込み型用具の上にコートすることができる。エチレングリコール又はポリエチレングリコールのような親水基を用いてフッ素化ブロックコポリマーの疎水性を微調整することによってDES上での生物活性剤の放出率を制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
フッ素化ブロック及び非フッ素化ブロックを有するブロックコポリマー並びに該ブロックコポリマーを作製する方法が提供される。また、本明細書で提供されるのは、ブロックコポリマー及び適宜、生物活性剤を含む、植え込み型用具上のコーティング、並びに植え込み型用具の使用方法である。
【0012】
《フッ素化ブロックコポリマー》
非フッ素化ポリマーのブロックをフッ素化ポリオレフィンに組み入れて非フッ素化ブロック及びフッ素化ブロックを有するブロックコポリマーを形成することができる。非フッ素化ブロックは、ポリマーに血管反応の改善及び/又は生物活性剤の制御された放出にとって望ましい改善された透過性を提供する。
【0013】
〈フッ素化ブロック〉
本発明の側面の1つによれば、マクロマーの2つの末端のうち少なくとも1つが官能化されるフッ素化マクロマーを介してフッ素化ブロックコポリマーを合成することができる。実施態様の1つでは、フッ素化マクロマーの末端は、クロロ、ブロモ、ヨード又はそれらの組み合わせのうちの2つであることができる2つのハロ基で官能化される。たとえば、2つのハロ基は、2つのヨード基であることができる。次いで、官能化されたフッ素化マクロマーをマクロ開始剤として使用して非フッ素化モノマーとのブロックコポリマーを形成することができる。フッ素化マクロマーという語句は、ポリ(フルオロオレフィン)を言う。本明細書で使用されるとき、ポリ(フルオロオレフィン)という語句は、ポリ(フルオロアルケン)という語句と相互変換可能に使用される。
【0014】
実施態様では、ジハロゲンフッ素化マクロマーは、両端に2つのハロゲン基を持つポリ(フッ素化オレフィン)」であることができる。このジハロフッ素化マクロマーは、二ハロゲン化物及び過酸化物の存在下、フッ素化オレフィン又はフッ素化オレフィンの混合物を重合することによって容易に合成することができる(Ying, et al., Polym. Preprints 39(2):843 (1998); Zhang, et al., Polymer 40:1341 (1999); 及び Modena, et al., J. fluorine Chem. 4315(1989))。たとえば、繰り返し単位としてCFCHCFCF(CF)−を有するジヨードフッ素化マクロマーは、過酸化物及び1,2−ジヨード−1,1,2,2−テトラフルオロエタンの存在下、フッ化ビニリデン及び1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロペンの混合物を重合することによって容易に合成することができる(スキーム1)(Ying, et al., Polym. Preprints 39(2):843 (1998); Zhang, et al., Polymer 40:1341 (1999); and Modena, et al., J. fluorine Chem. 43 15 (1989))。
【化4】

【0015】
〈非フッ素化ブロック〉
本明細書で記載される非フッ素化ブロックとして有用な材料及びポリマーには、本明細書で記載されるフッ素化マクロマーに直接結合することができる任意のポリマー若しくはマクロマー、又は官能化して、たとえば、ヒドロキシル、アミノ、ハロ及びカルボキシルのような1以上の官能基及びそのほかの連結基に結合することができるポリマー若しくはマクロマーが挙げられる。非フッ素化ブロックとして有用な例示となる材料又はポリマーには、ポリオレフィン類、ポリアルキレン酸化物、たとえば、ポリ(エチレングリコール)及びポリ(プロピレングリコール)のようなポリグリコール類、ポリ酢酸、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ(ヒドロキシブチレート−co−バレレート);ポリオルソエステル;ポリ無水物;ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート);ポリホスホエステル;ポリホスホエステルウレタン;ポリ(アミノ酸);ポリ(シアノアクリレート);ポリ(トリメチレンカーボネート);ポリ(イミノカーボネート);コポリ(エーテル−エステル)(たとえば、PEO/PLA);ポリアルキレンオキサレート;ポリホスファゼン;たとえば、フィブリン、フィブリノーゲン、セルロース、デンプン、コラーゲン及びヒアルロン酸のような生体分子;シリコーン類;ポリエステル類;ポリオレフィン類;ポリイソブチレンとエチレン−αオレフィンのコポリマー;アクリル系ポリマー及びコポリマー;ビニルハロゲン化物ポリマー及びコポリマー、たとえば、ポリ塩化ビニル;ポリビニルエーテル類、たとえば、ポリビニルメチルエーテル;ポリビニリデンハロゲン化物、たとえば、フッ化ポリビニリデン及び塩化ポリビニリデン;ポリアクリロニトリル;ポリビニルケトン類;ポリビニル芳香族、たとえば、ポリスチレン;ポリビニルエステル類、たとえば、ポリ酢酸ビニル;ビニルモノマー同士及びビニルモノマーとオレフィンのコポリマー、たとえば、エチレン−メチルメタクリレートコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂及びエチレン−酢酸ビニルコポリマー;ポリアミド類、たとえば、ナイロン66及びポリカプロラクタム;アルキド樹脂;ポリカーボネート類;ポリオキシメチレン類;ポリイミド類;ポリエーテル類;エポキシ樹脂;ポリウレタン類;レーヨン;レーヨン−トリアセテート;酢酸セルロース;酪酸セルロース;酢酸酪酸セルロース;セロファン;硝酸セルロース;プロピオン酸セルロース;セルロースエーテル類並びにカルボキシメチルセルロースが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用されるとき、「非フッ素化ブロック」という語句は、−CFのようなフッ素化ペンダント基を含んでもよい。
【0016】
別の実施態様では、ジ−ハロフッ素化マクロマーの存在下、銅触媒のような触媒を用いて、たとえば、アクリレート又はメタクリレートのような不飽和化合物を重合することによって非フッ素化ブロックをフッ素化ブロックに組み込むことができる。たとえば、スキーム2に示すように、通常のラジカル重合の条件下にてフッ素化二ハロゲン化物の存在下で、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン及びそのほかのフッ素化オレフィンから全フッ素置換されたブロックを持つブロックコポリマーを作製し(Ying et al., 1998; Zhang et al., 1999; and Modena et al., 1989, 上記)、ATRP触媒を介した不飽和化合物との重合反応を受けることができるフッ素化ジ−ハロマクロマーを形成することができる(Perrier, et al., Tetrahedron Lett 58 4053 (2002); Jo, et al., Polym Bull (Berlin) 44:1 (2002)。
【化5】

【0017】
フッ素化ジ−ハロマクロマーを用いて、マクロマーを多数のそのほかの種類のポリマーに結合することができる。たとえば、負の電荷又は部分的に負の電荷を持つ官能基のような多数の官能基によってジ−ハロ基を置き換えることができる。これによって、ポリ(フッ素化オレフィン)ブロックと、1又は2のそのほかの性質のブロック、たとえば、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ無水物、ポリグリコール、ポリ(アルキレン酸化物)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリホスファゼン、ポリウレタン又は一般に薬剤送達の技術で使用されるそのほかの生体適合性ポリマーとを持つブロックコポリマーを形成することができる。フッ素化ジ−ハロマクロマーはメタロマクロマーを作ることができ、それは、もう1つの生体適合性のブロック又はポリマーにマクロマーを連結するのに有用であってもよい。
【0018】
スキーム2に示すように、多数の異なったポリマーを作製することができる。たとえば、スキーム2におけるR及びRのような置換基の変異に加えて、フッ素化ブロックと非フッ素化ブロックの比を変化させて、異なった表面特性及び機械的特性と共に、異なったレベルの疎水性及び透過性を有するブロックコポリマーの形成を導くことができる。たとえば、スキーム2に示す方法に従って、フッ素化ブロックと、親水性モノマーの非フッ素化ブロック、たとえば、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、又はポリエチレングリコールアクリレートとを含むブロックコポリマーを合成することができる。反応が完了する際、切断することができる保護基(Pg)によって不安定なヒドロキシ官能性を持つモノマーを保護することができる(図1)。保護基は、たとえば、t−ブチル−ジメチルシラン又はトリメチルシランであることができ、それは、次いで酸性加水分解による当量比の収量にて脱保護することができる。
【0019】
実施態様1つでは、本明細書で記載されるブロックコポリマーは、以下の構造を有するフッ素化ブロックを有し:
【化6】

且つ、非フッ素化ブロックは以下の構造を有する:
【化7】

式中、Rは、CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル、ナフチル、−COOR又は−CONRであることができ;
は、−H、−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル又はナフタレニルであることができ;
及びRは、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、又は−PEGであることができる。
【0020】
別の実施態様では、ブロックコポリマーは以下の構造の式を有し:
【化8】

式中、R’は、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、又はPEGであることができ、
は、−H又は−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル又はナフチルであることができる。
【0021】
さらなる実施態様では、ブロックコポリマーは以下の構造の式を有し:
【化9】

式中、R’は、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、又はPEGであり、
は、−H又は−CHである。
【0022】
その上さらなる実施態様では、本明細書で記載されるブロックコポリマーは、以下の構造を有するフッ素化ブロック:
【化10】

及び、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ無水物、ポリグリコール、ポリ(アルキレン酸化物)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリホスファゼン、ポリウレタン、又はそれらの組み合わせであることができる非フッ素化ブロックを有する。
【0023】
《フッ素化ブロックコポリマーの組成物》
上述のフッ素化ブロックコポリマーを用いて、たとえばステントのような植え込み型用具をコートするためのコーティング組成物を形成することができる。フッ素化ブロックコポリマーは単独で、又は別のポリマーと組み合わせて使用することができる。DESコーティングとして使用するために、組成物は生物活性剤を含むことができる。
【0024】
〈生物活性剤〉
生物活性剤は、生物学的に活性のある、たとえば、治療剤、予防剤又は診断剤のいずれであることもできる。好適な治療剤及び予防剤の例には、治療活性、予防活性又は診断活性を有する、合成の無機化合物及び有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖類及びそのほかの糖、脂質、並びにDNA及びRNAの核酸配列が挙げられる。核酸配列には、遺伝子、相補的DNAに結合して転写を阻害するアンチセンス分子、及びリボザイムが挙げられる。幅広い分子量、たとえば、モル当たり100〜500,000グラムの化合物を封入することができる。好適な材料の例には、抗体、受容体リガンド及び酵素のようなタンパク質、接着ペプチドのようなペプチド、糖質及び多糖類、合成の有機薬剤又は無機薬剤、並びに核酸が挙げられる。封入することができる材料の例には、酵素、血液凝固因子、阻害剤又は凝固溶解剤、たとえば、ストレプトキナーゼ及び組織プラスミノーゲン活性化剤;免疫用の抗原;ホルモン及び増殖因子;ヘパリンのような多糖類;アンチセンスオリゴヌクレオチド及びリボザイムのようなオリゴヌクレオチド;並びに遺伝子治療用のレトロウイルスベクターが挙げられる。代表的な診断剤は、X線、蛍光、磁気共鳴画像、放射活性、超音波、コンピュータ断層撮影(CT)及びポジトロン放射断層撮影(PET)によって検出可能な作用剤である。超音波診断剤は通常、空気、酸素又はパーフルオロカーボンのような気体である。
【0025】
制御された放出の場合、幅広い範囲の異なった生物活性剤を制御放出用具に組み入れることができる。これらには、タンパク質のような、疎水性、親水性及び高分子量の高分子が挙げられる。0.01〜70重量%の間、さらに好ましくは1〜35重量%の間の負荷率で生物活性のある化合物を高分子コーティングに組み入れることができる。
【0026】
実施態様の1つでは、生物活性剤は、血管平滑筋細胞の活性を阻害するためであることができる。さらに具体的には、生物活性剤は、再狭窄を抑制するために、平滑筋細胞の異常な又は不適当な移動及び/又は増殖を抑制することを目的とすることができる。生物活性剤は、本発明の実施において治療効果又は予防効果を発揮することが可能であるいかなる物質も包含することができる。たとえば、生物活性剤は、血管部位における創傷治癒を高めるためであることができ、又は血管部位の構造特性及び弾性特性を改善するためであることができる。活性剤の例には、アクチノマイシンD又はその誘導体及び類縁体(ウィスコンシン州、53233、ミルウォーキー、ウエストセントポール通り1001番地のシグマ−アルドリッチにより製造される;又はメルクから入手可能なコスメゲン)のような増殖抑制物質が挙げられる。アクチノマイシンDの同義語には、ダクチノマイシン、アクチノマイシンIV、アクチノマイシンI、アクチノマイシンX、及びアクチノマイシンCが挙げられる。活性剤は、抗腫瘍物質、抗炎症性物質、抗血小板物質、抗凝固性物質、抗フィブリン性物質、抗血栓性物質、細胞分裂抑制性物質、抗生物質、抗アレルギー性物質、及び抗酸化物質の種類に分類される。そのような抗腫瘍物質及び/又は細胞分裂抑制性物質の例には、パクリタキセル(たとえば、コネチカット州、スタムフォードのブリストル・マイヤーズ・スクイブによるタキソール(登録商標))、ドセタキセル(たとえば、ドイツ、フランクフルトのアベンティスのタキソテレ(登録商標))、メソトレキセート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、ドキソルビシン塩酸塩(たとえば、ニュージャージー州、ピーパックのファルマシア&アップジョンのアドリアマイシン(登録商標))、及びマイトマイシン(たとえば、コネチカット州、スタムフォードのブリストル・マイヤーズ・スクイブのムタマイシン(登録商標))が挙げられる。そのような抗血小板物質、抗凝固性物質、抗フィブリン性物質、及び抗血栓性物質の例には、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヘパリン様物質、ヒルジン、アルガトロバン、フォルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン及びプロスタサイクリン類縁体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗血栓剤)、ジピリダモール、糖タンパク質IIb/IIIa血小板膜受容体拮抗剤抗体、組換えヒルジン及びアンギオマックスa(マサチューセッツ州、ケンブリッジ、バイオゲン社)のようなトロンビン阻害剤が挙げられる。そのような細胞増殖抑制剤又は抗増殖剤の例には、アンギオペプチン、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、たとえば、カプトプリル(たとえば、コネチカット州、スタムフォードのブリストル・マイヤーズ・スクイブのカポテン(登録商標)及びカポジド(登録商標))、シラザプリル又はリシノプリル(たとえば、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーションのメルク社のプリニビル(登録商標)及びプリンジド(登録商標));カルシウムチャンネル遮断剤(たとえば、ニフェジピン)、コルヒチン、線維芽細胞増殖因子(FGF)拮抗剤、魚油(オメガ3−脂肪酸)、ヒスタミン拮抗剤、ロバスタチン(HMG−CoA還元酵素の阻害剤、コレステロール低下剤、ニュージャージー州、ホワイトハウスステーションのメルク社の商品名、メバコール(登録商標))、モノクローナル抗体(たとえば、血小板由来増殖因子(PDGF)受容体に特異的なもの)、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタグランジン阻害剤、スラミン、セロトニン遮断剤、ステロイド、チオプロテアーゼ阻害剤、トリアゾロピリミジン(PDGF拮抗剤)及び酸化窒素が挙げられる。抗アレルギー剤の例には、ペミロラストカリウムである。適当であってもよいそのほかの治療物質又は治療作用剤には、α−インターフェロン、遺伝子操作を施した上皮細胞、タクロリムス、デキサメタゾン、並びに、ラパマイシン、及び40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン(エベロリムスとして知られ、ノバルティス社からセルティカン(商標)として入手可能)や40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシンや40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシンや40−O−テトラゾール−ラパマイシンのようなその誘導体又機能的類縁体が挙げられる。前述の物質は例証として列記されるものであり、限定を意味するものではない。現在利用可能である、又は将来開発される可能性のあるそのほかの活性剤は等しく適用可能である。
【0027】
都合の良い治療効果を生じるのに必要とされる生物活性剤の投与量又は濃度は、生物活性剤が毒性効果を生じるレベルよりも低く、且つ治療成績が得られないレベルよりも高くすべきである。血管領域の所望の細胞性活性を阻害するのに必要とされる生物活性剤の投与量又は濃度は、たとえば、患者の特定の状況、損傷の性質、所望の療法の性質、投与された成分が血管部位に留まる時間、並びにそのほかの活性剤が採用されるのならば、物質又は物質の組み合わせの性質及び種類のような因子に依存する。治療上有効な投与量は、経験的に、たとえば、好適な動物モデル系の血管に注入し、免疫組織学的方法、蛍光法又は電子顕微鏡法を用いて作用剤及びその効果を検出し、又は好適な試験管内試験を実施することによって決定することができる。投与量を決定するための標準的な医薬試験の手順は、当業者に理解されている。
【0028】
〈コーティング組成物の使用方法〉
任意の確立されたコーティング法、たとえば、スプレー法によってコーティング組成物を任意の植え込み型用具にコートすることができる。一般に、コーティング法には、組成物を溶媒に溶解し、又は懸濁してコーティング組成物の溶液又は懸濁液を形成すること、次いで、該溶液又は懸濁液をステントのような植え込み型用具に塗布することが含まれる。
【0029】
本明細書で使用されるとき、植え込み型用具は、ヒト又は家畜の患者に埋め込むことができる、いかなる好適な医療用基材であってもよい。例示となる植え込み型用具は、DESのようなステントである。ステントの例には、自己拡張可能なステント、バルーン拡張可能なステント、及びステント移植片が挙げられる。そのほかの例示となる植え込み型用具には、移植片(たとえば、大動脈移植片)、人工心臓弁、脳脊髄液シャント、ペースメーカーの電極及び心内膜のリード(たとえば、カリフォルニア州、サンタクララのガイダント社より入手可能なフィネリン及びエンドタック)が挙げられる。用具の基礎的な構造は、事実上、いかなる設計のものでもよい。用具は、たとえば、コバルトクロム合金(エルギロイ)、ステンレス鋼(316L)、高窒素ステンレス鋼、たとえば、バイオドゥール108、コバルトクロム合金、L−605、「MP35N」、「MP20N」、エラスチナイト(ニチノール)、タンタル、ニッケルチタン合金、白金イリジウム合金、金、マグネシウム又はそれらの組み合わせのような、しかし、これらに限定されない金属材料又は合金から作製することができる。「MP35N」及び「MP20N」は、ペンシルベニア州、ジェンキンタウンのスタンダードプレススチール社から入手可能なコバルト、ニッケル、クロム及びモリブデンの合金の商標名であり、「MP35N」は、35%のコバルト、35%のニッケル、20%のクロム及び10%のモリブデンから成り、「MP20N」は、50%のコバルト、20%のニッケル、20%のクロム及び10%のモリブデンから成る。生体吸収性又は生体安定性のポリマーから作製される用具も本発明の実施態様と共に使用すればよい。
【0030】
本明細書に記載された植え込み型用具を用いて、たとえば、ヒトのような動物における血管の障害のような病状を治療することができる。本明細書に記載された植え込み型用具を用いて治療することができる代表的な病状には、癌、再狭窄、不安定プラーク、血栓症又は炎症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本発明の特定の実施態様を示し、記載してきたが、さらに広い側面にて本発明から逸脱することなく変更及び修正を行うことができることは当業者に明らかであろう。従って、添付のクレームは、本発明の真の精神及び範囲に中に入るとしてそのような変更及び修正をすべてその範囲内に包含すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】親水性のエチレングリコールペンダント基を有する非フッ素化ブロックを有するブロックコポリマーを作製するためのスキームである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素化ブロック及び少なくとも1つの非フッ素化ブロックを有するブロックコポリマーであって、
前記フッ素化ブロックが以下の構造を有し:
【化1】

前記非フッ素化ブロックが以下の構造を有し:
【化2】

式中、Rは、−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル、ナフチル、−COOR及び−CONRから成る群から選択され;
は、−H、−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル及びナフタレニルから成る群から選択され;
及びRは、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、及び−PEGから成る群から選択される、ブロックコポリマー。
【請求項2】
以下の構造の式を有するブロックコポリマーであって:
【化3】

式中、R’は、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、及び−PEGから成る群から選択され;
は、−H、−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル及びナフチルから成る群から選択される、請求項1に記載のブロックコポリマー。
【請求項3】
’が、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、又はPEGであり、Rが、−H又は−CHである、請求項2に記載のブロックコポリマー。
【請求項4】
フッ素化ブロック及び少なくとも1つの非フッ素化ブロックを有するブロックコポリマーであって、
前記フッ素化ブロックが以下の構造を有し:
【化4】

前記非フッ素化ブロックが、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ無水物、ポリグリコール、ポリ(アルキレン酸化物)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリホスファゼン、ポリウレタン、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、ブロックコポリマー。
【請求項5】
フッ素化ブロック及び少なくとも1つの非フッ素化ブロックを有するブロックコポリマーを含む高分子コーティング組成物であって、
前記フッ素化ブロックが以下の構造を有し:
【化5】

前記非フッ素化ブロックが以下の構造を有し:
【化6】

式中、Rは、CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル、ナフチル、−COOR及び−CONRから成る群から選択され;
は、−H、−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル及びナフタレニルから成る群から選択され;
及びRは、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、及び−PEGから成る群から選択される、コーティング組成物。
【請求項6】
前記ブロックコポリマーが以下の構造の式を有し:
【化7】

式中、R’は、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、及び−PEGから成る群から選択され;
は、−H、−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル及びナフチルから成る群から選択される、請求項5に記載のコーティング組成物。
【請求項7】
’が、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、又はPEGから成る群から選択され、Rが、−H又は−CHである、請求項6に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
フッ素化ブロック及び少なくとも1つの非フッ素化ブロックを有するブロックコポリマーを含む高分子コーティング組成物であって、前記フッ素化ブロックが以下の構造を有し:
【化8】

前記非フッ素化ブロックが、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ無水物、ポリグリコール、ポリ(アルキレン酸化物)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリホスファゼン、ポリウレタン、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、コーティング組成物。
【請求項9】
さらに生物活性剤を含む、請求項5に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
さらに生物活性剤を含む、請求項6に記載のコーティング組成物。
【請求項11】
さらに生物活性剤を含む、請求項7に記載のコーティング組成物。
【請求項12】
さらに生物活性剤を含む、請求項8に記載のコーティング組成物。
【請求項13】
前記生物活性剤が、タクロリムス、デキサメタゾン、ラパマイシン、エベロリムス、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン及び40−O−テトラゾール−ラパマイシンから成る群から選択される、請求項9に記載のコーティング組成物。
【請求項14】
前記生物活性剤が、タクロリムス、デキサメタゾン、ラパマイシン、エベロリムス、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン及び40−O−テトラゾール−ラパマイシンから成る群から選択される、請求項10に記載のコーティング組成物。
【請求項15】
前記生物活性剤が、タクロリムス、デキサメタゾン、ラパマイシン、エベロリムス、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン及び40−O−テトラゾール−ラパマイシンから成る群から選択される、請求項11に記載のコーティング組成物。
【請求項16】
ブロックコポリマーを含むコーティングを有する植え込み型用具であって、前記ブロックコポリマーがフッ素化ブロック及び少なくとも1つの非フッ素化ブロックを含む植え込み型用具。
【請求項17】
前記フッ素化ブロックが以下の構造を有し:
【化9】

前記非フッ素化ブロックが以下の構造を有し:
【化10】

式中、Rは、−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル、ナフチル、−COOR及び−CONRから成る群から選択され;
は、−H、−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル及びナフタレニルから成る群から選択され;
及びRは、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、及び−PEGから成る群から選択される、請求項16に記載の植え込み型用具。
【請求項18】
前記ブロックコポリマーが以下の構造の式を有し:
【化11】

式中、Rは、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、及び−PEGから成る群から選択され;
は、−H、−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル及びナフチルから成る群から選択される、請求項17に記載の植え込み型用具。
【請求項19】
が、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、又はPEGから成る群から選択され、Rが、−H又は−CHである、請求項18に記載の植え込み型用具。
【請求項20】
前記フッ素化ブロックが以下の構造を有し:
【化12】

前記非フッ素化ブロックが、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ無水物、ポリグリコール、ポリ(アルキレン酸化物)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリホスファゼン、ポリウレタン、及びそれらの組み合わせから成る群から選択されるポリマーである、請求項16に記載の植え込み型用具。
【請求項21】
薬剤溶出用ステントであり、前記コーティングがさらに生物活性剤を含む、請求項16に記載の植え込み型用具。
【請求項22】
薬剤溶出用ステントであり、前記コーティングがさらに生物活性剤を含む、請求項17に記載の植え込み型用具。
【請求項23】
薬剤溶出用ステントであり、前記コーティングがさらに生物活性剤を含む、請求項18に記載の植え込み型用具。
【請求項24】
薬剤溶出用ステントであり、前記コーティングがさらに生物活性剤を含む、請求項19に記載の植え込み型用具。
【請求項25】
薬剤溶出用ステントであり、前記コーティングがさらに生物活性剤を含む、請求項20に記載の植え込み型用具。
【請求項26】
前記生物活性剤が、タクロリムス、デキサメタゾン、ラパマイシン、エベロリムス、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン及び40−O−テトラゾール−ラパマイシンから成る群から選択される、請求項21に記載の植え込み型用具。
【請求項27】
前記生物活性剤が、タクロリムス、デキサメタゾン、ラパマイシン、エベロリムス、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン及び40−O−テトラゾール−ラパマイシンから成る群から選択される、請求項22に記載の植え込み型用具。
【請求項28】
前記生物活性剤が、タクロリムス、デキサメタゾン、ラパマイシン、エベロリムス、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン及び40−O−テトラゾール−ラパマイシンから成る群から選択される、請求項23に記載の植え込み型用具。
【請求項29】
前記生物活性剤が、タクロリムス、デキサメタゾン、ラパマイシン、エベロリムス、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン及び40−O−テトラゾール−ラパマイシンから成る群から選択される、請求項24に記載の植え込み型用具。
【請求項30】
前記生物活性剤が、タクロリムス、デキサメタゾン、ラパマイシン、エベロリムス、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン及び40−O−テトラゾール−ラパマイシンから成る群から選択される、請求項25に記載の植え込み型用具。
【請求項31】
請求項16に記載の植え込み型用具を、当該用具を必要とするヒトに埋め込むことを含む、再狭窄又は不安定プラークの治療方法。
【請求項32】
請求項17に記載の植え込み型用具を、当該用具を必要とするヒトに埋め込むことを含む、再狭窄又は不安定プラークの治療方法。
【請求項33】
請求項26に記載の植え込み型用具を、当該用具を必要とするヒトに埋め込むことを含む、再狭窄又は不安定プラークの治療方法。
【請求項34】
請求項27に記載の植え込み型用具を、当該用具を必要とするヒトに埋め込むことを含む、再狭窄又は不安定プラークの治療方法。
【請求項35】
請求項28に記載の植え込み型用具を、当該用具を必要とするヒトに埋め込むことを含む、再狭窄又は不安定プラークの治療方法。
【請求項36】
フッ素化ブロック及び少なくとも以下の構造のブロックを含むブロックコポリマーの合成方法であって:
【化13】

ジ−ハロマクロマーの存在下、以下の構造を有するモノマーを共重合することを有し:
【化14】

式中、Rは、CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル、ナフチル、−COOR及び−CONRから成る群から選択され;
は、−H、−CH、−CF、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−フェニル及びナフタレニルから成る群から選択され;
及びRは、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CHCHCHCH、−CHCHOH、及び−PEGから成る群から選択され、
前記ジ−ハロマクロマーが、ジ−クロロマクロマー、ジ−ブロモマクロマー、ジ−ヨードマクロマー及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、合成方法。
【請求項37】
前記ジ−ハロマクロマーは、二ハロゲン化物の存在下、フッ素化オレフィンを重合することによって形成される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記フッ素化オレフィンが、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記ジ−ハロマクロマーが、1,2−ジヨード−1,1,2,2−ジフルオロエチレンの存在下、フッ化ビニリデンと1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピレンとの混合物を重合することによって調製される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ジ−ハロマクロマーが、以下の構造を有する、請求項39に記載の方法。
【化15】


【図1】
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【公表番号】特表2007−514808(P2007−514808A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539794(P2006−539794)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/037474
【国際公開番号】WO2005/049678
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(504183388)アドヴァンスド カーディオヴァスキュラー システムズ, インコーポレイテッド (40)
【Fターム(参考)】