説明

アジド−アルキン付加環化反応触媒及びそれを用いたトリアゾール化合物の製造方法

【課題】反応溶媒に溶け込むことなく、回収してリサイクル使用が可能な、新規のアジド−アルキン付加環化反応触媒を提供する。
【解決手段】イオン液体に溶解した銅触媒を多孔質担体に固定化させた。好ましくは、銅触媒は、臭化銅ジメチルスルフィド錯体であり、多孔質担体は、チオールプロピル基で表面修飾したアモルファスシリカゲルであり、イオン液体は、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートである。このアジド−アルキン付加環化反応触媒の存在下において、アジドとアルキンを付加環化反応させてトリアゾール化合物を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アジド−アルキン付加環化反応触媒及びそれを用いたトリアゾール化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の化1に示すように、アジドと末端アセチレンの銅触媒を用いた、クリック反応と呼ばれる付加環化反応により、トリアゾール環が形成されることが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【化1】

【0004】
この反応は、アジドとアセチレンとの間でのみ反応し、他の官能基は不活性である。この特徴から、この反応は、生理活性を示す化合物の合成、タンパク質やポリヌクレオチドの修飾機能化、色素の合成、ポリマーの高機能化、新規ポリマーの合成、刺激応答材料の創出、共有結合による表面構造修飾など、多岐にわたる有機、材料科学の分野において応用されている。なかでも、創薬研究における探索合成やスクリーニングに対するコンビナトリアル合成手法として、幅広く利用されるようになってきている。
【0005】
しかし、これまで使われてきたアジド−アルキン付加環化反応に用いられる銅触媒は、最近報告されたポリマー担持のもの(非特許文献1)を除き、反応溶媒に溶け込む均一系触媒であった。したがって、触媒を回収してリサイクル使用することが困難であるという問題があった。このため、反応廃液に銅を含むため、環境対応上の側面から適切な廃水処理が必要とされ、廃水処理コストもかさむという問題があった。加えて、製品中に微量の銅が混入するという問題点があった。さらに、銅は生体防御を伴う細胞毒性を有するため、この反応を酵素や生きた細胞内で応用することは困難であるという問題があった。また、この反応は1価の銅イオンにより触媒される反応であり、2価の銅イオンを用いる場合には反応溶液中でアスコルビン酸ナトリウム塩などを用いて1価の銅イオンに還元する必要があった。
【特許文献1】特表2006−502099号公報
【非特許文献1】Org. Lett., 2006, 8 (8) 1689-1692 C. Girard, E. Onen, M. Aufort, S. Beauviere, E. Samson, and J. Herscovici
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、反応溶媒に溶け込むことなく、回収してリサイクル使用が可能な、新規のアジド−アルキン付加環化反応触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、銅触媒をイオン液体に溶解し、これを多孔質担体に固定化することで、反応溶媒に溶け込むことのないアジド−アルキン付加環化反応触媒が得られることを見出し、本発明に想到した。
【0008】
すなわち、本発明のアジド−アルキン付加環化反応触媒は、イオン液体に溶解した銅触媒を多孔質担体に固定化させてなるものである。
【0009】
また、前記銅触媒は、臭化銅ジメチルスルフィド錯体である。
【0010】
また、前記多孔質担体は、チオールプロピル基で表面修飾したアモルファスシリカゲル、ポリイミノ基で表面修飾したアモルファスシリカゲル、ジエチルアミノプロピル基で表面修飾したアモルファスシリカゲル、チオールプロピル基で表面修飾したアモルファスアルミナ、ポリイミノ基で表面修飾したアモルファスアルミナ、ジエチルアミノプロピル基で表面修飾したアモルファスアルミナのいずれかである。
【0011】
さらに、前記イオン液体は、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのいずれかである。
【0012】
本発明のトリアゾール化合物の製造方法は、本発明のアジド−アルキン付加環化反応触媒の存在下において、アジドとアルキンを付加環化反応させてトリアゾール化合物を製造するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、反応溶媒に溶け込むことなく、回収してリサイクル使用が可能な、新規のアジド−アルキン付加環化反応触媒が提供される。また、このアジド−アルキン付加環化反応触媒を用いた、新規のトリアゾール化合物の製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のアジド−アルキン付加環化反応触媒は、イオン液体に溶解した銅触媒を多孔質担体に固定化させてなるものである。
【0015】
ここで、本発明で用いられる銅触媒としては、1価の銅を含むものであればよく、特定のものに限定されるものではないが、特に、臭化銅ジメチルスルフィド錯体が好適に用いられる。
【0016】
また、本発明で用いられる多孔質担体としては、特定のものに限定されず、シリカ、アルミナ、チタニア、ゼオライト、アパタイト、ヒドロキシアパタイトなどからなる一般的な多孔質固体を用いることができ、さらに、これらの形状も限定されず、無定形の多孔質担体、ハニカム状に成形したものなどを用いることができる。また、表面修飾したもの、表面修飾していないもののいずれも用いることができる。好ましくは、チオールプロピル基で表面修飾したアモルファスシリカゲル、ポリイミノ基で表面修飾したアモルファスシリカゲル、ジエチルアミノプロピル基で表面修飾したアモルファスシリカゲル、チオールプロピル基で表面修飾したアモルファスアルミナ、ポリイミノ基で表面修飾したアモルファスアルミナ、ジエチルアミノプロピル基で表面修飾したアモルファスアルミナが用いられる。
【0017】
また、本発明で用いられるイオン液体としては、常温、35℃以下で液体であって、特定のものに限定されるものではないが、銅触媒を溶解できるものが好適に用いられる。特に、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート([bmim]PF)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド([bmim]TFSI)、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート([hmim]PF)、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド([hmim]TFSI)などが好適に用いられる。
【0018】
本発明のアジド−アルキン付加環化反応触媒は、銅触媒、多孔質担体、イオン液体、溶媒を混合して銅触媒を多孔質担体に担持させ、その後、溶媒を留去、乾燥することで、既知物質から簡便な操作で調製できる。この調製に用いる溶媒としては、特定のものに限定されるものではないが、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)などが好適である。また、触媒の担持の際に加熱することにより、アジド−アルキン付加環化反応触媒のリサイクル性を向上させることができる。
【0019】
本発明のトリアゾール化合物の製造方法は、上記のアジド−アルキン付加環化反応触媒の存在下において、アジドとアルキンを付加環化反応させてトリアゾール化合物を製造するものである。
【0020】
なお、ここで用いられるアジドとアルキンとしては、特定のものに限定されず、付加環化反応可能なあらゆる種類のアジドとアルキンの組み合わせを用いることができる。例えば、アジドとしては、ベンジルアジドなど、アルキンとしては、2−メチル3−ブチン−2−オールやフェニルアセチレンなどを用いることができる。特に、アルキンとしては、末端アセチレン、すなわち末端にアセチレン基を有するものが好適に用いられる。
【0021】
また、本発明のトリアゾール化合物の製造方法で用いられる溶媒としては、エタノール−水混合溶媒、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、水−ブチルアルコール混合溶媒などが好適に用いられる。
【0022】
本発明のアジド−アルキン付加環化反応触媒は、イオン液体に溶解した銅触媒を多孔質担体に固定化させてなるものであり、銅触媒が反応溶媒に溶け込むことがない。したがって、反応に使用された後は、濾過により多孔質担体とともに容易に回収することができる。そして、銅触媒は、イオン液体のカウンターアニオンの影響で安定化している。したがって、本発明のアジド−アルキン付加環化反応触媒は高次のリサイクル使用が可能である。
【0023】
また、本発明のアジド−アルキン付加環化反応触媒を用いた場合、製品中への銅の混入が抑えられる。また、アジド−アルキン付加環化反応の反応廃液に銅が含まれないため、従来要していた銅に対する廃水処理が不要であり、廃水処理コストを削減することができる。
【0024】
さらに、本発明のアジド−アルキン付加環化反応触媒を用いた場合、アジド−アルキン付加環化反応の反応溶液中に銅が含まれないため、反応溶液は細胞毒性を有しない。したがって、この反応を生きた細胞内で応用することができる。
【0025】
本発明のトリアゾール化合物の製造方法によれば、高次のリサイクルが可能な本発明のアジド−アルキン付加環化反応触媒を用いるものであり、目的とするトリアゾール化合物の製造コストを大幅に抑えることができる。
【0026】
以下、具体的な実施例に基づいて、本発明について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって制限されるものではない。
【実施例1】
【0027】
[触媒の調製]
窒素雰囲気下、50mL二口フラスコに、[bmim]PF(99mg,10wt%)、CuBr?MeS(30mg,0.15mmol)、アセトニトリル(4mL)、チオールプロピル基担持シリカゲル(1.03g)を加え、2.5時間加熱還流した。アセトニトリルを減圧留去し、表面をジエチルエーテルでゆすいだ。さらに減圧下乾燥し、担持触媒(1.096g)を得た。銅の担持量は(0.073mmol/g)であった。
【実施例2】
【0028】
[ベンジルアジドと2−メチル−3−ブチン−2−オールとの反応]
10mL試験管に実施例1で得た担持触媒(344mg,Cu換算0.025mmol,0.05当量)、ベンジルアジド(66mg,0.5mmol)、1−メチル−3−ブチン−2−オール(53mg,0.63mmol)、水(1mL)、エタノール(1mL)、トリエチルアミン(84μL,0.6mmmol)を入れ、室温、開放系で2時間撹拌した。液相をデカンテーションにより除いた後、エタノールを混合したエーテルで触媒およびフラスコを5回ゆすいだ。合わせた液相を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3→5/1)トリアゾール体(102mg,94%,アジドに基づく收率)を得た。構造は公知の方法により決定した。
【0029】
【化2】

【実施例3】
【0030】
[ベンジルアジドとフェニルアセチレンとの反応]
10mL試験管に実施例1で得た担持触媒(267mg,Cu換算0.025mmol,0.05当量)、ベンジルアジド(66mg,0.5mmol)、フェニルアセチレン(61mg,0.6mmol)、水(1mL)、エタノール(1mL)、トリエチルアミン(84μL,0.6mmol)を入れ、室温、開放系で1.5時間撹拌した。液相をデカンテーションにより除いた後、エタノールを混合したエーテルで触媒およびフラスコを5回ゆすいだ。合わせた液相を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3→5/1)トリアゾール体(115mg,98%,アジドに基づく收率)を得た。構造は公知の方法により決定した。
【0031】
【化3】

【実施例4】
【0032】
[触媒のリサイクル実験]
実施例3の後に回収された触媒を、そのまま同じ反応スケールでリサイクル使用した。6回使用し、平均收率は95%(アジドに基づく收率)となった。
【実施例5】
【0033】
[触媒の活性評価]
10mL試験管に実施例1で得た担持触媒(26mg,Cu換算0.0025mmol)、ベンジルアジド(68mg,0.5mmol)、2−メチル−3−ブチン−2−オール(50mg,0.63mmol)、水(1mL)、エタノール(1mL)、トリエチルアミン(84μL,0.6mmol)を入れ、室温、開放系で10時間撹拌した。液相をデカンテーションにより除いた後、エタノールを混合したエーテルで触媒およびフラスコを5回洗浄した。有機溶剤相を合わせ、減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3→5/1)、トリアゾール体(74mg,67%,アジドに基づく收率)を得た。この結果より、触媒回転数(TON)は、139となった。
【実施例6】
【0034】
[ベンジルアジドとフェニルアセチレンとの反応]
10mL試験管に実施例1で得た担持触媒(286mg,Cu換算0.025mmol,0.05当量)、ベンジルアジド(66mg,0.5mmol)、フェニルアセチレン(63mg,0.62mmol)、水(1mL)、エタノール(1mL)、トリエチルアミン(84μL,0.6mmmol)を入れ、室温、開放系で1.5時間撹拌した。液相をデカンテーションにより除いた後、エタノールで触媒およびフラスコを5回ゆすいだ。合わせた液相を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3→5/1)トリアゾール体(115mg,98%,アジドに基づく收率)を得た。構造は公知の方法により決定した。
【0035】
【化4】

【実施例7】
【0036】
[ベンジルアジドと1−ヘプチンとの反応]
10mL試験管に実施例1で得た担持触媒(270mg,Cu換算0.025mmol,0.05当量)、ベンジルアジド(67mg,0.5mmol)、1−ヘプチン(57mg,0.59mmol)、水(1mL)、エタノール(1mL)、トリエチルアミン(84μL,0.6mmol)を入れ、室温、開放系で1.5時間撹拌した。液相をデカンテーションにより除いた後、エタノールを混合したエーテルで触媒およびフラスコを5回ゆすいだ。合わせた液相を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3→5/1)トリアゾール体(113mg,98%,アジドに基づく收率)を得た。構造は公知の方法により決定した。
【0037】
【化5】

【実施例8】
【0038】
[ベンジルアジドと1−エチニル−1−シクロヘキサノールとの反応]
10mL試験管に実施例1で得た担持触媒(250mg,Cu換算0.025mmol,0.05当量)、ベンジルアジド(67mg,0.5mmol)、1−エチニル−1−シクロヘキサノール(74mg,0.60mmol)、水(1mL)、エタノール(1mL)、トリエチルアミン(84μL,0.6mmol)を入れ、室温、開放系で1.5時間撹拌した。液相をデカンテーションにより除いた後、エタノールを混合したエーテルで触媒およびフラスコを5回ゆすいだ。合わせた液相を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3→5/1)トリアゾール体(126mg,98%,アジドに基づく收率)を得た。構造は公知の方法により決定した。
【0039】
【化6】

【実施例9】
【0040】
[1−アジドアダマンタンと2−メチル−3−ブチン−2−オールとの反応]
10mL試験管に実施例1で得た担持触媒(266mg,Cu換算0.025mmol,0.05当量)、1−アジドアダマンタン(91mg,0.51mmol)、2−メチル−3−ブチン−2−オール(51mg,0.61mmol)、水(1mL)、エタノール(1mL)、トリエチルアミン(84μL,0.6mmol)を入れ、室温、開放系で23時間撹拌した。液相をデカンテーションにより除いた後、エタノールを混合したエーテルで触媒およびフラスコを5回ゆすいだ。合わせた液相を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3→5/1)トリアゾール体(137mg,100%,アジドに基づく收率)を得た。構造は公知の方法により決定した。
【0041】
【化7】

【実施例10】
【0042】
[4−メトキシフェニルアジドと2−メチル−3−ブチン−2−オールとの反応]
10mL試験管に実施例1で得た担持触媒(251mg,Cu換算0.025mmol,0.05当量)、4−メトキシフェニルアジド(73mg,0.51mmol)、2−メチル−3−ブチン−2−オール(52mg,0.61mmol)、水(1mL)、エタノール(1mL)、トリエチルアミン(84μL,0.6mmol)を入れ、室温、開放系で3時間撹拌した。液相をデカンテーションにより除いた後、エタノールを混合したエーテルで触媒およびフラスコを5回ゆすいだ。合わせた液相を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3→5/1)トリアゾール体(115mg,98%,アジドに基づく收率)を得た。構造は公知の方法により決定した。
【0043】
【化8】

【実施例11】
【0044】
[ベンジルアジドと2−メチル−3−ブチン−2−オールとの反応]
10mL試験管にジエチルアミノプロピル基を表面修飾したシリカゲルに、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートで担持した触媒(112mg,Cu換算0.025mmol,0.05当量)、ベンジルアジド(68mg,0.5mmol)、2−メチル−3−ブチン−2−オール(50mg,0.63mmol)、水(1mL)、エタノール(1mL)、トリエチルアミン(84μL,0.6mmol)を入れ、室温、開放系で4.5時間撹拌した。液相をデカンテーションにより除いた後、エタノールを混合したエーテルで触媒およびフラスコを5回ゆすいだ。合わせた液相を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/n−ヘキサン=1/3→5/1)トリアゾール体(112mg,100%,アジドに基づく收率)を得た。構造は公知の方法により決定した。
【0045】
【化9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン液体に溶解した銅触媒を多孔質担体に固定化させてなることを特徴とするアジド−アルキン付加環化反応触媒。
【請求項2】
前記銅触媒は、臭化銅ジメチルスルフィド錯体であることを特徴とする請求項1記載のアジド−アルキン付加環化反応触媒。
【請求項3】
前記多孔質担体は、チオールプロピル基で表面修飾したアモルファスシリカゲル、ポリイミノ基で表面修飾したアモルファスシリカゲル、ジエチルアミノプロピル基で表面修飾したアモルファスシリカゲル、チオールプロピル基で表面修飾したアモルファスアルミナ、ポリイミノ基で表面修飾したアモルファスアルミナ、ジエチルアミノプロピル基で表面修飾したアモルファスアルミナのいずれかであること特徴とする請求項1又は2記載のアジド−アルキン付加環化反応触媒。
【請求項4】
前記イオン液体は、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドのいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のアジド−アルキン付加環化反応触媒。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載のアジド−アルキン付加環化反応触媒の存在下において、アジドとアルキンを付加環化反応させてトリアゾール化合物を製造することを特徴とするトリアゾール化合物の製造方法。

【公開番号】特開2009−178612(P2009−178612A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17175(P2008−17175)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(304027279)国立大学法人 新潟大学 (310)
【Fターム(参考)】