説明

アスファルトマスチック保護層の施工方法

【課題】シワや微細ひび割れの発生を抑制することができるアスファルトマスチック保護層の施工方法を提供することを課題とする。
【解決手段】アスファルトフェーシングやアスファルトライニング等の舗装の表面を保護するアスファルトマスチック保護層の施工方法であって、舗装の表面にアスファルトマスチックを流し込んで保護層20を形成した後に、当該保護層20の表面にタルクや石粉等の鉱物系微粉末1を水2で溶いて形成される水溶液3を塗布して塗膜層4を形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルトフェーシングやアスファルトライニング等の舗装の表面を保護するアスファルトマスチック保護層の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダム、調整池や護岸等におけるアスファルトフェーシングやアスファルトライニング等の舗装では、その表面を保護するためにアスファルトマスチック保護層が形成されている(例えば特許文献1参照)。アスファルトマスチック保護層を形成することによって、舗装の表面の舗装材料の紫外線劣化や酸化劣化を防止することができ、また、舗装材料の破損や流出を防止することができる。
【特許文献1】特開2001−152425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、アスファルトマスチック保護層は、アスファルト、フィラーおよび骨材を混合して構成されており、そのうちのアスファルト量が多いアスファルトマスチック保護層では、アスファルトビチューメンやアスファルトモルタルが施工表面に滲み出すことがある。このような場合、施工後早期にシワや微細ひび割れが舗装表面に発生することがある。これらのシワや微細ひび割れは、舗装体にとって緊急的な損傷とはならないが、長期的には舗装表面の紫外線劣化や酸化劣化による損傷の発生を早めたり促進したりする可能性がある。
【0004】
シワや微細ひび割れは、舗装完成後の供用初期に発生しやすく、所定期間経過後の成長は顕著ではない。そのため、供用初期に、アスファルトマスチック保護層を保護すれば、シワや微細ひび割れの発生を抑制できる可能性があり、現にこれまでにも舗装完成後初期段階に養生シートなどで覆うことによる対策を試みた事例があった。しかしながら、この事例では、養生シートで覆われている期間は、シワや微細ひび割れの発生は抑制できるが、養生シート除去後に、供用初期で発生する場合と同程度の期間経過後に同様の現象が発生することが確認されている。また、アスファルトフェーシングやアスファルトライニング等の舗装を保護する目的で設けられているアスファルトマスチック保護層をさらに保護するためのシートを敷設することは非合理的である。
【0005】
その他の対策としては、アスファルト量を低減すると、アスファルトビチューメンやアスファルトモルタルの滲み出しを低減できるといった研究結果がでている。しかしながら、この対策では、舗装体に求められる遮水性能や防水性能が低下してしまう、紫外線などの劣化に対する抵抗性が低下してしまうといった問題が発生してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、これらの問題に鑑みて創案されたものであり、シワや微細ひび割れの発生を抑制することができるアスファルトマスチック保護層の施工方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための請求項1に係る発明は、アスファルトフェーシングやアスファルトライニング等の舗装の表面を保護するアスファルトマスチック保護層の施工方法であって、前記舗装の表面にアスファルトマスチックを流し込んで保護層を形成した後に、当該保護層の表面にタルクや石粉等の鉱物系微粉末を水で溶いて形成される水溶液を塗布して塗膜層を形成することを特徴とするアスファルトマスチック保護層の施工方法である。
【0008】
要するに、本発明者らは、シワや微細ひび割れの発生原因が、その発生形態やその後の経過過程等の経験上の観点から、アスファルトマスチック保護層の極薄な表面部分の急激な体積変化によることに着目し、この体積変化が生じる要因としては、温度変化、揮発成分の離脱、紫外線や酸化による劣化等が挙げられることを発見した。そして、これらの現象は、舗装完成後の供用初期に発生しやすく、所定期間経過後の成長は顕著ではない点を利用して、本発明を創造した。
【0009】
すなわち、前記のような方法によれば、アスファルトマスチック保護層の表面にタルクや石粉等の鉱物系微粉末を水で溶いて形成される水溶液を塗布または散布して塗膜層を形成することで、アスファルトマスチック保護層を太陽光や外気から遮断でき、シワや微細ひび割れの発生を抑制することができる。特に、塗膜層は、徐々に薄くなって最終的になくなるため、アスファルトマスチック保護層のシワや微細ひび割れが発生しやすい供用初期において、アスファルトマスチック保護層の温度変化、揮発成分の離脱、紫外線や酸化による劣化等を防止できるとともに、アスファルトマスチック保護層が徐々に露出されることとなるので、アスファルトマスチック保護層の急激な体積変化は起こらず、シワや微細ひび割れの発生を抑制することができる。
【0010】
さらに、請求項2に係る発明は、前記水溶液の塗布が、前記保護層の完成後に連続して行われることを特徴とする請求項1に記載のアスファルトマスチック保護層の施工方法である。
【0011】
このような方法によれば、アスファルトマスチック保護層のシワや微細ひび割れが発生しやすい供用初期において、アスファルトマスチック保護層を確実に保護することができるので、効率的にシワや微細ひび割れの発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アスファルトマスチック保護層のシワや微細ひび割れの発生を抑制することができるといった優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係るアスファルトマスチック保護層の施工方法を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
かかるアスファルトマスチック保護層は、例えばダムなどの水利構造物の堤体等に施工されるアスファルトフェーシングやアスファルトライニング等の舗装の表面を保護するために施工されるものである。アスファルトライニングは、ダム堤体の防水および法面保護を目的とするアスファルト舗装であって、図1に示すように、ダム堤体表面の基盤となるトラジション層10と、このトラジション層10の表面に敷設されるマダカム層11と、マダカム層11の表面に敷設される遮水層12と、遮水層12の表面に敷設されるアスファルトマスチック保護層20とを備えて構成されている。トラジション層10は、例えば最大粒度80mm砕石にて構成され、厚さが200〜250mmに形成されている。マダカム層11は、トラジション層10と遮水層12との結合を高めるための基盤の役目を果たすものであって、粗粒度アスファルト混合物にて構成され、厚さが略100mmに形成されている。遮水層12は、密粒度アスファルト混合物にて構成され、厚さが100〜200mmに形成されている。
【0015】
なお、図1に示したアスファルトライニングの構成は、一例であって、かかる構成に限定する趣旨ではない。例えば、遮水層を二層に分割して形成しその間に排水層を形成したり、遮水層の下部にレベリング層を設けたりする構造としてもよい。また、各層の厚さもダム堤体の形状に応じて、適宜設定される。
【0016】
本実施形態では、アスファルトマスチック保護層20は、アスファルトと石粉(フィラー)とを配合して構成されており、厚さは概略2mmに形成されている。アスファルトマスチック保護層20は、例えばアスファルトが40重量%、石粉が60重量%の割合で配合されたアスファルト混合物にて構成されている。アスファルトは、主にストレートアスファルトにて構成されており、ブローンアスファルトを10%程度混合する場合がある。石粉は、その一部を鉱物系添加剤や植物繊維で、3〜10%程度置き換えたものを利用してもよい。
【0017】
マダカム層11、遮水層12は、図示しないアスファルトフィニッシャーを用いて舗装施工される。前記構成のアスファルトマスチック保護層20を施工するに際しては、前記配合のアスファルト混合物を、遮水層12の表面に供給して、アスファルトマスチックスキーザによって所定の厚さ(2mm)に塗布する。
【0018】
本発明においては、アスファルトマスチック保護層20の敷設後に、タルクや石粉等の鉱物系微粉末1を水2で溶いて形成される水溶液3を塗布して塗膜層4を形成することを特徴とする。
【0019】
鉱物系微粉末1は、石粉を用いる場合は、アスファルト混合物にフィラーとして用いるものを利用すればよく、600μmふるいを100%通過するものを用いる。石粉は、石灰石を粉砕した石灰石粉を用いるが、材質は石灰石に限定されるものではない。また、鉱物系微粉末1として、タルクを用いる場合は、タルクは前記の石粉よりも細かいので、基本的にすべてのタルクが使用可能である。タルクは、滑石を微粉砕して形成されている。
【0020】
水溶液3の鉱物系微粉末1と水2の配合は、(3〜0.5):1(重量比)とする。そして、水溶液3の塗布量は、1平方メートル当たり、1.5〜0.1リットルとする。水溶液3は、所定間隔で散布穴が形成されたパイプ5を用いて散布され、その後に、刷毛6を用いてアスファルトマスチック保護層20の表面に均一に塗布される。これによって、アスファルトマスチック保護層20の表面に塗膜層4が形成される。
【0021】
パイプ5は、水溶液3を貯留するタンク(図示せず)に接続され、アスファルトマスチックスキーザの後方で牽引されながら、水溶液を散布するようになっている。水溶液3の散布量は、タンクからの供給量と、パイプ5による散布範囲と、パイプ5の移動速度(アスファルトマスチックスキーザの移動速度)とを適宜調整することで決定される。また、刷毛6は、パイプ5の後方に配置され、パイプ5と一体的に牽引されるようになっている。
【0022】
本実施形態では、以上のように、パイプ5と刷毛6をアスファルトマスチックスキーザの後方で牽引するようにしたことで、水溶液3の散布および塗布は、アスファルトマスチック保護層20の完成後に連続して行われることとなる。なお、水溶液3の散布および塗布方法は、前記方法に限定されるものではなく、アスファルトマスチックスキーザとは別体で移動する塗布装置を用いるようにしてもよい。なお、アスファルトマスチックスキーザに牽引されたパイプ5、タンクおよび刷毛6を備えた塗布装置を用いるのが、アスファルトマスチック保護層20の施工後、時間を空けずに、連続して水溶液3の散布および塗布を行えるので好ましい。
【0023】
以上説明した、本発明に係るアスファルトマスチック保護層の施工方法によれば、アスファルトマスチック保護層20の表面に鉱物系微粉末1を水2で溶いて形成される水溶液3を塗布して塗膜層4を形成することで、アスファルトマスチック保護層20を太陽光や外気から遮断できる。したがって、シワや微細ひび割れの発生を抑制することができる。
【0024】
また、塗膜層4は、水溶液3がアスファルトマスチック保護層20の空隙に浸透して形成されており、表面から徐々に乾燥して薄くなって最終的になくなることとなるが、アスファルトマスチック保護層20のシワや微細ひび割れが発生しやすい供用初期において、アスファルトマスチック保護層20を被覆して保護するので、アスファルトマスチック保護層20の温度変化、揮発成分の離脱、紫外線や酸化による劣化等を防止することができる。これによって、アスファルトマスチック保護層20の体積変化を防止でき、シワや微細ひび割れの発生を防止できる。
【0025】
さらに、アスファルトマスチック保護層20は、塗膜層4の減少に応じて、徐々に露出されることとなるので、塗膜層4の消滅後においても、アスファルトマスチック保護層20の急激な体積変化は起こらず、シワや微細ひび割れの発生を抑制することができる。
【0026】
さらに、水溶液3の塗布を、アスファルトマスチック保護層20の完成後に連続して行っているので、アスファルトマスチック保護層20のシワや微細ひび割れが発生しやすい供用初期において、アスファルトマスチック保護層20を確実に保護することができる。したがって、効率的にシワや微細ひび割れの発生を抑制することができる。
【0027】
以下、本発明に係るアスファルトマスチック保護層の施工方法の作用効果を確認するために行った実験について説明する。
【0028】
かかる実験は、表面にアスファルトマスチック保護層20を形成した試験体A〜Eを用いて、水溶液3の種類および塗布時期を変えて塗布を行い、アスファルトマスチック保護層20の表面のシワおよび微細ひび割れの発生状態を観察することで行った。
【0029】
図2の(a)に示す試験体Aは、アスファルトマスチック保護層20の施工後、水溶液の塗布を行わずにそのままの状態で暴露したものであって、暴露後7日目の状態を示したものである。図示するように、水溶液の塗布を行わなかった試験体Aは、表面の全体に亘って、多くのシワおよび微細ひび割れが発生していることが確認された。
【0030】
図2の(b)に示す試験体Bは、アスファルトマスチック保護層20の施工直後に、石粉を水に溶かした石粉水溶液をアスファルトマスチック20の表面に塗布して塗膜層4を形成した状態で暴露したものであって、暴露後15日目の状態を示したものである。なお、図中、網掛けした右半分は、暴露後10日目に水をかけて塗膜層4を洗浄している。図示するように、アスファルトマスチック保護層20の施工直後に、石粉水溶液の塗布を行った試験体Bは、水洗浄を行わない場合、シワおよび微細ひび割れの発生は、殆んど認められない(図中、左半分)。また、試験体Bは、暴露後10日目に塗膜層4を水洗浄した場合には、洗浄後5日目(暴露後15日目)において、シワおよび微細ひび割れの発生が、若干認められた(図中、右半分)。
【0031】
これは、水洗浄によって塗膜層4が流されたことによって、供用初期に近い段階で、アスファルトマスチック保護層20の温度変化、揮発成分の離脱、紫外線や酸化による劣化等が進行したためと考えられる。
【0032】
図2の(c)に示す試験体Cは、アスファルトマスチック保護層20の施工後24時間経過後に、石粉を水に溶かした石粉水溶液を塗布して塗膜層4を形成した状態で暴露したものであって、暴露後15日目の状態を示したものである。石粉は、試験体Bで用いた石粉と同等のものを用いている。なお、図中、網掛けした右半分は、暴露後10日目に水をかけて塗膜層4を洗浄している。図示するように、アスファルトマスチック保護層20の施工後24時間経過後に、石粉水溶液の塗布を行った試験体Cは、水洗浄を行わない場合でも、シワおよび微細ひび割れの発生が認められた(図中、左半分)。
【0033】
これは、試験体Cは、アスファルトマスチック保護層20の施工後24時間経過後に水溶液の塗布を行っているので、その24時間の間に、アスファルトマスチック保護層20の温度変化、揮発成分の離脱、紫外線や酸化による劣化等が進行したためと考えられる。また、試験体Cは、暴露後10日目に塗膜層4を水洗浄した場合には、洗浄後5日目(暴露後15日目)において、シワおよび微細ひび割れの発生が水洗浄なしの場合より多く認められた(図中、右半分)。但し、水溶液の塗布を行わない場合と比較すると、アスファルトマスチック保護層20の施工後24時間経過後の水溶液の塗布であっても、シワおよび微細ひび割れの発生は抑制されているのがわかる。
【0034】
図2の(d)に示す試験体Dは、アスファルトマスチック保護層20の施工直後に、タルクを水に溶かしたタルク水溶液を塗布して塗膜層4を形成した状態で暴露したものであって、暴露後3週間経過後の状態を示したものである。タルクは、45μmふるいにかけて、残分が0.3%であったものを用いており、石粉よりも粒径の小さいものを使用している。なお、図中、網掛けした右半分は、暴露後10日目に水をかけて塗膜層4を洗浄している。図示するように、アスファルトマスチック保護層20の施工直後に、タルク水溶液の塗布を行った試験体Dは、水洗浄を行わない場合、シワおよび微細ひび割れの発生は、認められない(図中、左半分)。また、試験体Dは、暴露後10日目に塗膜層4を水洗浄した場合であっても、暴露後3週間経過後において、シワおよび微細ひび割れの発生は、認められない(図中、右半分)。
【0035】
これは、石粉よりも粒径の小さいタルクを水に溶かした水溶液を用いたことによって、水溶液がアスファルトマスチック保護層20に効率的に浸透して、シワおよび微細ひび割れの発生の抑制効果が高まったためと考えられる。また、図中、右半分では、水洗浄によって塗膜層4を洗浄しているが、石粉よりも粒径の小さいタルクを水に溶かした水溶液を塗布したことによって、水溶液がアスファルトマスチック保護層20の深い部分まで浸透しており、水洗浄後も塗膜層4が残存しているため、シワおよび微細ひび割れの発生の抑制効果が得られたと考えられる。
【0036】
図2の(e)に示す試験体Eは、アスファルトマスチック保護層20の施工後24時間経過後に、タルクを水に溶かしたタルク水溶液を塗布して塗膜層4を形成した状態で暴露したものであって、暴露後3週間経過後の状態を示したものである。タルクは、試験体Dで用いたタルクと同等のものを用いている。なお、図中、網掛けした右半分は、暴露後10日目に水をかけて塗膜層4を洗浄している。図示するように、アスファルトマスチック保護層20の施工後24時間経過後に、タルク水溶液の塗布を行った試験体Eは、水洗浄を行わない場合、シワおよび微細ひび割れの発生は、殆んど認められない(図中、左半分)。また、試験体Eは、暴露後10日目に塗膜層4を水洗浄した場合でも、暴露後3週間経過後において、シワおよび微細ひび割れの発生は、殆んど認められない(図中、右半分)。
【0037】
これは、試験体Eは、アスファルトマスチック保護層20の施工後24時間経過後に水溶液の塗布を行っているので、その24時間の間に、アスファルトマスチック保護層20の温度変化、揮発成分の離脱、紫外線や酸化による劣化等が進行しているが、その後に、石粉よりも粒径の小さいタルクを水に溶かした水溶液を塗布したことによって、水溶液がアスファルトマスチック保護層20に効率的に浸透して、シワおよび微細ひび割れの発生の抑制効果が高まったため、試験体Cよりも、シワおよび微細ひび割れの発生が大幅に抑制されていると考えられる。また、図中、右半分では、水洗浄によって塗膜層4を洗浄しているが、石粉よりも粒径の小さいタルクを水に溶かした水溶液を塗布したことによって、水溶液がアスファルトマスチック保護層20の深い部分まで浸透して塗膜層4が残存しているため、水洗浄なしの場合と同等のシワおよび微細ひび割れの発生の抑制効果が得られたと考えられる。
【0038】
以上の結果より、水溶液の塗布の時期は早期であるほど、シワおよび微細ひび割れの発生の抑制効果が高く、鉱物系微粉末1は、粒径が小さいほど、シワおよび微細ひび割れの発生の抑制効果が高いことがわかった。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であるのは勿論である。例えば、前記実験では、粒径の小さいタルクを用いた水溶液の塗布によって、シワおよび微細ひび割れの発生の高い抑制効果を得ているが、粒径の小さい石粉であっても同様の抑制効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るアスファルトマスチック保護層の施工方法を実施するための最良の形態を示した概略斜視図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明に係るアスファルトマスチック保護層の施工方法の作用効果を確認するために行った実験における各試験体のシワおよび微細ひび割れの発生状態を示した平面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 鉱物系微粉末
2 水
3 水溶液
4 塗膜層
20 アスファルトマスチック保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルトフェーシングやアスファルトライニング等の舗装の表面を保護するアスファルトマスチック保護層の施工方法であって、
前記舗装の表面にアスファルトマスチックを流し込んで保護層を形成した後に、当該保護層の表面にタルクや石粉等の鉱物系微粉末を水で溶いて形成される水溶液を塗布して塗膜層を形成する
ことを特徴とするアスファルトマスチック保護層の施工方法。
【請求項2】
前記水溶液の塗布は、前記保護層の完成後に連続して行われる
ことを特徴とする請求項1に記載のアスファルトマスチック保護層の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−249883(P2009−249883A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−97803(P2008−97803)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(390002185)大成ロテック株式会社 (90)
【Fターム(参考)】