説明

アゾメチン色素またはインドアニリン色素の合成法

【課題】工業的規模で生産可能な、高純度且つ高収率のアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造方法の提供。
【解決手段】塩基および酸化剤存在下、水単独または水と有機溶剤との混合溶媒中で、一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物とp−フェニレンジアミン誘導体とを酸化縮合するアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造方法において、一般式(4)または(5)で表されるグリコール類またはグリセリン類から選択される少なくとも一種の化合物の共存下で反応することを特徴とするアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造方法。式中、各符号や所定の原子又は基を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アゾメチン色素またはインドアニリン色素を製造する方法に関する。本発明で製造される色素は、感熱転写記録材料、写真感光材料、特に感熱転写記録用として重要である。
【背景技術】
【0002】
現在、テレビ、ビデオ、スチルビデオカメラ等の一過性の画像からハ−ドコピ−を得る方法の一つに昇華型感熱転写記録方式がある。昇華型感熱転写記録方式は昇華性色素をベースフィルム上に塗布した転写シートをサーマルヘッドで加熱し、該転写シート中の色素を記録紙に転写する熱転写プリント方式の一つである。この方式は加熱エネルギ−を変化させて色素の昇華転写量を制御することができ、階調性の良い画像が得られるので、特にピクトリアルカラ−記録には有利な記録方式である。
上記の昇華型感熱転写記録方式に用いる色素としては、従来よりアゾメチン色素やインドアニリン系色素が優れた性能を有し広く使用されている(特許文献1〜3参照)。
【0003】
これら昇華型感熱転写記録方式に用いるアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造では、活性メチレンまたは活性メチンを有する化合物(以下カプラーと記載する)とp−フェニレンジアミン誘導体とを、塩基および赤血塩や過硫酸アルカリ等の酸化剤存在下で酸化縮合する方法が知られており、最も広く利用されている(非特許文献1参照)。
しかし、この方法では反応時に多量の有機溶剤と酸化剤水溶液とを必要とし、その結果回収困難な有機溶剤と水の混合廃液が多量排出するため、大規模な工業的製造方法としては環境に与える影響が大きく、また原材料や公害処理にかかるコスト面からも好ましくない。また、反応溶媒に水単独、または水と一般有機溶剤の混合溶媒を用いた場合、溶剤のコストは抑えられるものの、通常は多量のタール成分が生成し、目的物の収率が著しく低下する。純度も低下し繰り返し精製する必要が生じるため、高コストになる問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−98492号公報
【特許文献2】特開平9−143382号公報
【特許文献3】特開平2000−309172号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.),1957年,79巻,583頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の欠点を克服し、工業的規模で生産可能な、高純度且つ高収率のアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、カプラーとp−フェニレンジアミン誘導体との酸化縮合反応において、水単独、または水と有機溶剤との混合溶媒中、グリコール類またはグリセリン類から選択される化合物の共存下で反応することにより、酸化縮合反応が効率良く進行し、目的物の収率および純度が顕著に向上することを見出
し、大規模生産可能且つ低コストな工業的合成法を完成した。
本発明の方法ではタール状成分はほとんど生成せず、目的物の色素の分離精製が容易である。更に、使用したグリコール類やグリセリン類は水や有機溶剤よりも沸点が高く、色素を分離した後のろ液から容易に分離、回収可能で再利用できるため、排出する有機溶剤の排出量が極めて少なく、目的物の色素を低コストで大量に製造することが出来る。
従来、未置換グリコール類、グリコールエーテル類、グリコールエステル類等のグリコール類は不凍液、工業用洗浄剤、界面活性剤、塗料・インキ溶剤、各種樹脂溶剤、合成樹脂原料、可塑剤等に汎用に用いられている。また、未置換グリセリン類、グリセリンエステル類等のグリセリン類も医薬品、化粧品、食品、潤滑剤、帯電防止剤等の原材料や添加剤に用いられている。しかしながら、これらの化合物を用いアゾメチン色素またはインドアニリン色素を製造する方法はこれまで報告例がなく、本発明者らが初めて見出したものである。
すなわち、本発明は以下の方法によって達成される。
【0008】
1.
塩基および酸化剤存在下、水単独または水と有機溶剤との混合溶媒中で、一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物とp−フェニレンジアミン誘導体とを酸化縮合するアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造方法において、一般式(4)または(5)で表されるグリコール類またはグリセリン類から選択される少なくとも一種の化合物の共存下で反応することを特徴とするアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造方法。
【化1】

式中、R1はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環残基を表す。R2はカルバモイル基、またはシアノ基を表す。R3はアルキル基、アリール基、カルバモイル基、スルファモイル基、アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、ヘテロ環カルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、またはヘテロ環残基を表す。R4はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環残基を表す。R5〜R8は各々独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、またはハロゲン原子を表す。R5とR6、R7とR8が結合して炭素数5〜8の部分飽和環または芳香環を形成してもよい。但し、一般式(3)においてR5〜R8はヘテロ環残基を含有しない。Qは水素原子または脱離基を表す。
【化2】

式中、R9、R10、R12、R13は各々独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、またはアリールカ
ルボニル基を表す。R11、R14は各々独立して水素原子、またはアルキル基を表す。R15は水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基、またはアリールカルボニルオキシ基を表す。qは各々独立して1〜20000の整数である。
2.
前記一般式(4)または(5)で表されるグリコール類またはグリセリン類が、グリコールモノエーテル類、グリコールジエーテル類、グリコールエーテルエステル類、またはグリコールジエステル類である上記1.に記載のアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、高純度、高収率で、且つ環境に与える影響が極めて少ない方法によって工業的規模で生産可能なアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明について更に詳しく説明する。
本発明のアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造方法は、塩基および酸化剤存在下、水単独または水と有機溶剤との混合溶媒中で一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物とp−フェニレンジアミン誘導体とを酸化縮合するアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造方法において、後述する一般式(4)または(5)で表されるグリコール類またはグリセリン類から選択される少なくとも一種の化合物の共存下で反応することを特徴とする。
【0011】
【化3】

【0012】
式中、R1はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環残基を表す。R2はカルバモイル基、またはシアノ基を表す。R3はアルキル基、アリール基、カルバモイル基、スルファモイル基、アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、ヘテロ環カルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、またはヘテロ環残基を表す。R4はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環残基を表す。R5〜R8は各々独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、またはハロゲン原子を表す。R5とR6、R7とR8が結合して炭素数5〜8の部分飽和環または芳香環を形成してもよい。但し、一般式(3)においてR5〜R8はヘテロ環残基を含有しない。Qは水素原子または脱離基を表す。
【0013】
上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるカプラーは、塩基性条件下でp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体と速やかに酸化縮合反応してアゾメチン色素またはインドアニリン色素を形成する。なお、一般式(1)〜(3)のいずれかの化合物のプロトン互
変異性体も本発明の範疇に含まれる。
これらの中で好ましいのは、一般式(2)または(3)で表されるカプラーであり、更に好ましくは一般式(3)で表されるカプラーである。
【0014】
一般式(1)〜(3)において、R1、R3〜R8が表すアルキル基としては、直鎖、分岐、環状の何れでもよく、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等の炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。
R1、R3〜R8が表すアリール基としては、例えばフェニル、ナフチル等の5〜10員の単環式または二環式のアリール基が挙げられる。
R5〜R8が表すアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ、オクタデシルオキシ、ノナデシルオキシ、イコシルオキシ等の炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられる。
【0015】
R5〜R8が表すアルキルカルボニル基としては、例えばアセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル、ヘプチルカルボニル、オクチルカルボニル、ノニルカルボニル、デシルカルボニル、ウンデシルカルボニル、ドデシルカルボニル、トリデシルカルボニル、テトラデシルカルボニル、ペンタデシルカルボニル、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘプチルカルボニル、シクロオクチルカルボニル、シクロノニルカルボニル、シクロデシルカルボニル等の炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状アルキル基が置換したカルボニル基が挙げられる。
R5〜R8が表すアリールカルボニル基としては、例えばベンゾイル、ナフトイル等の5〜10員の単環式または二環式アリール基が置換したカルボニル基が挙げられる。
R5〜R8が表すアルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ノニルオキシカルボニル、デシルオキシカルボニル、ウンデシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、トリデシルオキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボニル、ペンタデシルオキシカルボニル、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロブチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロヘプチルオキシカルボニル、シクロオクチルオキシカルボニル、シクロノニルオキシカルボニル、シクロデシルオキシカルボニル等の炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状アルキル基が置換したオキシカルボニル基が挙げられる。
R5〜R8が表すアリールオキシカルボニル基としては、例えばフェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等の5〜10員の単環式または二環式アリール基が置換したオキシカルボニル基が挙げられる。
【0016】
R2、R3が表すカルバモイル基としては、例えば無置換カルバモイル基;N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−(tert−ブチル)カルバモイル、N−ヘキシルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−ナフチルカルバモイル、ピリジルカルバモイル、フリルカルバモイル、チエニルカルバモイル、ベンゾチアゾリルカルバモイル、ベンゾオキサゾリルカルバモイル等、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状のアルキル基、5〜10員の単環式または二環式のアリール基、または窒素原子、酸素原
子または硫黄原子を少なくとも1個以上含む5〜7員のヘテロ環でモノ置換されたカルバモイル基;N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N−ジヘキシルカルバモイル、N,N−ジドデシルカルバモイル、N−メチル−N−エチルカルバモイル、N−メチル−N−フェニルカルバモイル、N,N−ジフェニルカルバモイル、N,N−ジピリミジルカルバモイル、N−メチル−N−フリルカルバモイル、N−フェニル−N−ピリジルカルバモイル、N−プロピル−N−チエニルカルバモイル等、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状のアルキル基、5〜10員の単環式または二環式のアリール基、または窒素原子、酸素原子または硫黄原子を少なくとも1個以上含む5〜7員のヘテロ環でジ置換されたカルバモイル基が挙げられる。
R5〜R8が表すカルバモイル基としては、例えば無置換カルバモイル基;N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−(tert−ブチル)カルバモイル、N−ヘキシルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−ナフチルカルバモイル等、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状のアルキル基、または5〜10員の単環式または二環式のアリール基でモノ置換されたカルバモイル基;N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N−ジヘキシルカルバモイル、N,N−ジドデシルカルバモイル、N−メチル−N−エチルカルバモイル、N−メチル−N−フェニルカルバモイル、N,N−ジフェニルカルバモイル等、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状のアルキル基、または5〜10員の単環式または二環式のアリール基でジ置換されたカルバモイル基が挙げられる。
【0017】
R3が表すスルファモイル基としては、例えば無置換スルファモイル基;N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N−(iso−プロピル)スルファモイル、N−ブチルスルファモイル、N−ヘキシルスルファモイル、N−オクチルスルファモイル、N−デシルスルファモイル、N−ドデシルスルファモイル、N−テトラデシルスルファモイル、N−シクロヘキシルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル、N−ナフチルスルファモイル、N−イミダゾリルスルファモイル、N−オキサゾリルスルファモイル、N−チアゾリルスルファモイル、N−ピリジルスルファモイル、N−チエニルスルファモイル、N−ベンゾオキサゾリルスルファモイル等、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状のアルキル基、5〜10員の単環式または二環式のアリール基、または窒素原子、酸素原子または硫黄原子を少なくとも1個以上含む5〜7員のヘテロ環でモノ置換されたスルファモイル基;N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N,N−ジフェニルスルファモイル、N,N−ジピリジルスルファモイル、N,N−ジピラジルスルファモイル、N−エチル−N−メチルスルファモイル、N−メチル−N−フェニルスルファモイル、N−エチル−N−ピリジルスルファモイル、N−フェニル−N−フリルスルファモイル等、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状のアルキル基、5〜10員の単環式または二環式のアリール基、または窒素原子、酸素原子または硫黄原子を少なくとも1個以上含む5〜7員のヘテロ環でジ置換されたスルファモイル基が挙げられる。
R5〜R8が表すスルファモイル基としては、例えば無置換スルファモイル基;N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N−(iso−プロピル)スルファモイル、N−ブチルスルファモイル、N−ヘキシルスルファモイル、N−オクチルスルファモイル、N−デシルスルファモイル、N−ドデシルスルファモイル、N−テトラデシルスルファモイル、N−シクロヘキシルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル、N−ナフチルスルファモイル等、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状のアルキル基、または5〜10員の単環式または二環式のアリール基でモノ置換されたスルファモイル基;N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N,N−ジフェニルスルファモイル、N−エチル−N−メチルスルファモイル、N−メチル−N−フェニルスルファモイル等、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状のアルキル基、または5〜10員の単環式または二環式のアリール基でジ置換されたスルファモイル基が挙げられる。
【0018】
R3が表すアミノ基としては、例えば無置換アミノ基;N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N−プロピルアミノ、N−ブチルアミノ、N−ヘキシルアミノ、N−デシルアミノ、N−テトラデシルアミノ、N−オクタデシルアミノ、N−シクロプロピルアミノ、N−シクロヘキシルアミノ、N−フェニルアミノ、N−ナフチルアミノ、N−チアゾリルアミノ、N−ピリミジルアミノ、N−フリルアミノ、N−チエニルアミノ等、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状のアルキル基、5〜10員の単環式または二環式のアリール基、または窒素原子、酸素原子または硫黄原子を少なくとも1個以上含む5〜7員のヘテロ環でモノ置換されたアミノ基;N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジブチルアミノ、N,N−ジヘキシルアミノ、N,N−ジオクチルアミノ、N,N−ジドデシルアミノ、N,N−ジオクタデシルアミノ、N,N−ジフェニルアミノ、N,N−ジフリルアミノ、N,N−ジピリジルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−ブチルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、N−エチル−N−ピリジルアミノ等、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状のアルキル基、5〜10員の単環式または二環式のアリール基、または窒素原子、酸素原子または硫黄原子を少なくとも1個以上含む5〜7員のヘテロ環でジ置換されたアミノ基が挙げられる。
R5〜R8が表すアミノ基としては、例えば無置換アミノ基;N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N−プロピルアミノ、N−ブチルアミノ、N−ヘキシルアミノ、N−デシルアミノ、N−テトラデシルアミノ、N−オクタデシルアミノ、N−シクロプロピルアミノ、N−シクロヘキシルアミノ、N−フェニルアミノ、N−ナフチルアミノ等、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状のアルキル基、または5〜10員の単環式または二環式のアリール基でモノ置換されたアミノ基;N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジブチルアミノ、N,N−ジヘキシルアミノ、N,N−ジオクチルアミノ、N,N−ジドデシルアミノ、N,N−ジオクタデシルアミノ、N,N−ジフェニルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−ブチルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、N−エチル−N−ナフチルアミノ等、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状のアルキル基、または5〜10員の単環式または二環式のアリール基でジ置換されたアミノ基が挙げられる
【0019】
R3、R5〜R8が表すアルキルカルボニルアミノ基としては、例えばアセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ブチルカルボニルアミノ、ペンチルカルボニルアミノ、ヘキシルカルボニルアミノ、ヘプチルカルボニルアミノ、オクチルカルボニルアミノ、ノニルカルボニルアミノ、デシルカルボニルアミノ、ウンデシルカルボニルアミノ、ドデシルカルボニルアミノ、トリデシルカルボニルアミノ、テトラデシルカルボニルアミノ、ペンタデシルカルボニルアミノ、シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘプチルカルボニルアミノ、シクロオクチルカルボニルアミノ、シクロノニルカルボニルアミノ、シクロデシルカルボニルアミノ等の炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状アルキル基が置換したカルボニルアミノ基が挙げられる。
R3、R5〜R8が表すアリールカルボニルアミノ基としては、例えばベンゾイルアミノ、ナフトイルアミノ等の5〜10員の単環式または二環式炭素アリール基が置換したカルボニルアミノ基が挙げられる。
R3が表すヘテロ環カルボニルアミノ基としては、例えばイミダゾリルカルボニルアミノ、オキサゾリルカルボニルアミノ、トリアゾリルカルボニルアミノ、チアゾリルカルボニルアミノ、1,3,4−チアジアゾリルカルボニルアミノ、ピリジルカルボニルアミノ、ピリミジルカルボニルアミノ、ピラジルカルボニルアミノ、フリルカルボニルアミノ、チエニルカルボニルアミノ、ベンゾチアゾリルカルボニルアミノ、ベンゾオキサゾリルカルボニルアミノ等の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を少なくとも1個以上含む5〜7員のヘテロ環残基が置換したカルボニルアミノ基が挙げられる。
【0020】
R3、R5〜R8が表すアルコキシカルボニルアミノ基としては、例えばメトキシカル
ボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ、ペンチルオキシカルボニルアミノ、ヘキシルオキシカルボニルアミノ、ヘプチルオキシカルボニルアミノ、オクチルオキシカルボニルアミノ、ノニルオキシカルボニルアミノ、デシルオキシカルボニルアミノ、ウンデシルオキシカルボニルアミノ、ドデシルオキシカルボニルアミノ等の炭素数1〜15のアルキル基が置換したオキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
R3、R5〜R8が表すアリールオキシカルボニルアミノ基としては、例えばフェノキシカルボニルアミノ、ナフチルオキシカルボニルアミノ等の5〜10員の単環式または二環式アリール基が置換したオキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
R3が表すヘテロ環オキシカルボニルアミノ基としては、例えばイミダゾリルオキシカルボニルアミノ、オキサゾリルオキシカルボニルアミノ、トリアゾリルオキシカルボニルアミノ、チアゾリルオキシカルボニルアミノ、1,3,4−チアジアゾリルオキシカルボニルアミノ、ピリジルオキシカルボニルアミノ、ピリミジルオキシカルボニルアミノ、ピラジルオキシカルボニルアミノ、フリルオキシカルボニルアミノ、チエニルオキシカルボニルアミノ、ベンゾチアゾリルオキシカルボニルアミノ、ベンゾオキサゾリルオキシカルボニルアミノ等の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を少なくとも1個以上含む5〜7員のヘテロ環残基が置換したオキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
【0021】
R5〜R8が表すアルキルスルホニルアミノ基としては、例えばメチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、ペンチルスルホニルアミノ、ヘキシルスルホニルアミノ、ヘプチルスルホニルアミノ、オクチルスルホニルアミノ、ノニルスルホニルアミノ、デシルスルホニルアミノ、ウンデシルスルホニルアミノ、ドデシルスルホニルアミノ、トリデシルスルホニルアミノ、テトラデシルスルホニルアミノ、ペンタデシルスルホニルアミノ、シクロプロピルスルホニルアミノ、シクロブチルスルホニルアミノ、シクロペンチルスルホニルアミノ、シクロヘキシルスルホニルアミノ、シクロヘプチルスルホニルアミノ、シクロオクチルスルホニルアミノ、シクロノニルスルホニルアミノ、シクロデシルスルホニルアミノ等の炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状アルキル基が置換したスルホニルアミノ基が挙げられる。
R5〜R8が表すアリールスルホニルアミノ基としては、例えばフェニルスルホニルアミノ、ナフチルスルホニルアミノ等の5〜10員の単環式または二環式アリール基が置換したスルホニルアミノ基が挙げられる。
R5〜R8が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
R1、R3、R4が表すヘテロ環残基としては、例えばイミダゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジル、フリル、チエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル等の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を少なくとも1個以上含む5〜7員環のヘテロ環残基が挙げられる。
【0022】
これらR1〜R4における各置換基は更に置換基を有してもよい。具体的には、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルおよび/またはアリール基でモノまたはジ置換されたアミノ基、アルキルまたはアリール基で置換されたカルボニル基、アルキルまたはアリール基で置換されたスルホニル基、シアノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環残基が挙げられ、これら単独またはこれらを組み合わせて構成される炭素数15以下の置換基である。
R5〜R8における各置換基は更に置換基を有してもよいが、更なる置換基にヘテロ環を含まない。具体的には、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルおよび/またはアリール基でモノまたはジ置換されたアミノ基、アルキルまたはアリール基で置換されたカルボニル基、アルキルまたはアリール基で置換されたスルホニル基、シアノ基、ハロゲン原子が挙げられ、これら単独またはこれらを組み合わせて構成される炭素数15以下の置換基である。
R5とR6、R7とR8とが結合して形成する炭素数5〜8の部分飽和環、芳香環としては、例えばシクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロペンタジエン環、シクロヘキサジエン環、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。
これら形成した部分飽和環、芳香環は更に置換基を有してもよい。更なる置換基としては、具体的にはアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子が挙げられる。
【0023】
Qが表す脱離基は、酸化縮合反応時に脱離するものなら如何なる置換基でもよい。好ましくは活性部位(Qが結合している部位)に窒素原子や酸素原子、イオウ原子等を介して結合している基、またはハロゲン原子が挙げられる。具体的には、メトキシ、プロポキシ、メトキシエトキシ等のアルコキシ基;フェノキシ、フェニルスルホニルフェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、カルバモイルオキシ等のカルボニルオキシ基;メチルスルホニルオキシ、n−プロピルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ等のスルホニルオキシ基;メチルスルホニル、エチルスルホニル等のアルキルスルホニル基;フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等のアリールスルホニル基;N−エチルスルファモイル、N−ブチルスルファモイル、N−ノニルスルファモイル、フェニルスルファモイル、ナフチルスルファモイル等のアルキル基またはアリールで基で置換されたスルファモイル基;フェニルアゾ、ナフチルアゾ等のアリールアゾ基;メチルチオ、オクチルチオ等のアルキルチオ基;フェニルチオ、ニトロフェニルチオ等のアリールチオ基;ヨウ素、臭素、塩素等のハロゲン原子が挙げられる。これらの中でも、より好ましくは塩素原子である。
【0024】
R1は、好ましくは炭素数1〜10の直鎖または分岐アルキル基、アルキル基またはアルコキシ基が置換したフェニル基、ヘテロ環残基であり、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐アルキル基、アルキル基またはアルコキシ基が置換したフェニル基である。
R2は、好ましくはアリール基またはヘテロ環残基が置換したカルバモイル基、シアノ基である。
R3は、好ましくは炭素数1〜10の直鎖または分岐アルキル基、アリール基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基であり、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐アルキル基、アリール基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、アリールアミノ基である。
R4は、好ましくは炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基、アリール基、ヘテロ環残基であり、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐アルキル基、アリール基である。
R5およびR6は、好ましくは水素原子、アルキル基、アリールアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜4の直鎖または分岐アルキル基、ハロゲン原子である。また、R5とR6が結合して形成する環として、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環である。
R7は、好ましくはアルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、炭素数1〜4のアルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基である。
R8は、好ましくは水素原子である。
【0025】
次に本発明で使用されるp−フェニレンジアミン誘導体について詳細に説明する。本発明におけるp−フェニレンジアミン誘導体は下記一般式(6)で表される化合物である。
【0026】
【化4】

【0027】
式中、R16〜R19は水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、シアノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、またはハロゲン原子を表す。R20は水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R21はアルキル基またはアリール基を表す。R20とR21が結合して、窒素原子を少なくとも1個以上含む5〜7員のヘテロ環を形成してもよい。R17とR20および/またはR19とR21が結合して、窒素原子を少なくとも1個以上含む5〜7員のヘテロ環残を形成してもよい。
【0028】
R16〜R21が表すアルキル基としては、直鎖、分岐、環状の何れでもよく、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等、炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状アルキル基が挙げられる。
R16〜R21が表すアリール基としては、例えばフェニル、ナフチル等の5〜10員の単環式または二環式アリール基が挙げられる。
R16〜R19が表すアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ、オクタデシルオキシ、ノナデシルオキシ、イコシルオキシ等の炭素数1〜20のアルコキシ基が挙げられる。
R16〜R19が表すアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ、ナフチルオキシ等の5〜10員の単環式または二環式のアリールオキシ基が挙げられる。
【0029】
R16〜R19が表すアルキルカルボニル基としては、例えばアセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル、ヘプチルカルボニル、オクチルカルボニル、ノニルカルボニル、デシルカルボニル、ウンデシルカルボニル、ドデシルカルボニル、トリデシルカルボニル、テトラデシルカルボニル、ペンタデシルカルボニル、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘプチルカルボニル、シクロオクチルカルボニル、シクロノニルカルボニル、シクロデシルカルボニル等の炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状アルキル基が置換したカルボニル基が挙げられる。
R16〜R19が表すアリールカルボニル基としては、例えばベンゾイル、ナフトイル等の5〜10員の単環式または二環式アリール基が置換したカルボニル基が挙げられる。
R16〜R19が表すアルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ノニルオキシカルボニル、デシルオキシカルボニル、ウンデシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、トリデシルオキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボニル、ペンタデシルオキシカルボニル、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロブチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル
、シクロヘプチルオキシカルボニル、シクロオクチルオキシカルボニル、シクロノニルオキシカルボニル、シクロデシルオキシカルボニル等の炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状アルキル基が置換したオキシカルボニル基が挙げられる。
R16〜R19が表すアリールオキシカルボニル基としては、例えばフェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等の5〜10員の単環式または二環式アリール基が置換したオキシカルボニル基が挙げられる。
【0030】
R16〜R19が表すアルキルカルバモイル基としては、例えばN−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル、N−ヘキシルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N−デシルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−テトラデシルカルバモイル、N−シクロプロピルカルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N,N−ジヘキシルカルバモイル、N−エチル−N−メチルカルバモイル、N−メチル−N−プロピルカルバモイル、N,N−ジシクロヘキシルカルバモイル等の炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状アルキル基がモノ置換またはジ置換したカルバモイル基が挙げられる。
R16〜R19が表すアリールカルバモイル基としては、例えばN−フェニルカルバモイル、N−ナフチルカルバモイル、N,N−ジフェニルカルバモイル、N,N−ジナフチルカルバモイル、N−フェニル−N−ナフチルカルバモイル等の5〜10員の単環式または二環式アリール基がモノ置換またはジ置換したカルバモイル基が挙げられる。
【0031】
R16〜R19が表すアルキルスルホニル基としては、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル、ヘプチルスルホニル、オクチルスルホニル、ノニルスルホニル、デシルスルホニル、ウンデシルスルホニル、ドデシルスルホニル、トリデシルスルホニル、テトラデシルスルホニル、ペンタデシルスルホニル、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、シクロヘプチルスルホニル、シクロオクチルスルホニル、シクロノニルスルホニル、シクロデシルスルホニル等の炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状アルキル基が置換したスルホニル基が挙げられる。
R5〜R8が表すアリールスルホニル基としては、例えばフェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等の5〜10員の単環式または二環式アリール基が置換したスルホニル基が挙げられる。
R16〜R19が表すアルキルスルファモイル基としては、例えばN−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N−プロピルスルファモイル、N−ブチルスルファモイル、N−ヘキシルスルファモイル、N−オクチルスルファモイル、N−デシルスルファモイル、N−ドデシルスルファモイル、N−テトラデシルスルファモイル、N−シクロプロピルスルファモイル、N−シクロヘキシルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N,N−ジブチルスルファモイル、N,N−ジヘキシルスルファモイル、N−メチル−N−エチルスルファモイル、N−メチル−N−プロピルスルファモイル、N,N−ジシクロヘプチルスルファモイル等の炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状アルキル基がモノ置換またはジ置換したスルファモイル基が挙げられる。
R16〜R19が表すアリールスルファモイル基としては、例えばN−フェニルスルファモイル、N−ナフチルスルファモイル、N,N−ジフェニルスルファモイル、N,N−ジナフチルスルファモイル、N−フェニル−N−ナフチルスルファモイル等の5〜10員の単環式または二環式アリール基がモノ置換またはジ置換したスルファモイル基が挙げられる。
【0032】
R16〜R19が表すアルキルカルボニルアミノ基としては、例えばアセチルアミノ、
エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ブチルカルボニルアミノ、ペンチルカルボニルアミノ、ヘキシルカルボニルアミノ、ヘプチルカルボニルアミノ、オクチルカルボニルアミノ、ノニルカルボニルアミノ、デシルカルボニルアミノ、ウンデシルカルボニルアミノ、ドデシルカルボニルアミノ、トリデシルカルボニルアミノ、テトラデシルカルボニルアミノ、ペンタデシルカルボニルアミノ、シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘプチルカルボニルアミノ、シクロオクチルカルボニルアミノ、シクロノニルカルボニルアミノ、シクロデシルカルボニルアミノ等の炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状アルキル基が置換したカルボニルアミノ基が挙げられる。
R16〜R19が表すアルコキシカルボニルアミノ基としては、例えばメトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ、ペンチルオキシカルボニルアミノ、ヘキシルオキシカルボニルアミノ、ヘプチルオキシカルボニルアミノ、オクチルオキシカルボニルアミノ、ノニルオキシカルボニルアミノ、デシルオキシカルボニルアミノ、ウンデシルオキシカルボニルアミノ、ドデシルオキシカルボニルアミノ、トリデシルオキシカルボニルアミノ、テトラデシルオキシカルボニルアミノ、ペンタデシルオキシカルボニルアミノ、シクロプロピルオキシカルボニルアミノ、シクロブチルオキシカルボニルアミノ、シクロペンチルオキシカルボニルアミノ、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ、シクロヘプチルオキシカルボニルアミノ、シクロオクチルオキシカルボニルアミノ、シクロノニルオキシカルボニルアミノ、シクロデシルオキシカルボニルアミノ等の炭素数1〜15の直鎖、分岐または環状アルキル基が置換したオキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
R16〜R19が表すアリールオキシカルボニルアミノ基としては、例えばフェノキシカルボニルアミノ、ナフチルオキシカルボニルアミノ等の5〜10員の単環式または二環式炭素アリール基が置換したオキシカルボニルアミノ基が挙げられる。
【0033】
R16〜R19が表すハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
R20とR21が結合して形成する環としては、例えばピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、インドリン等の窒素原子を少なくとも1個以上含む5〜7員のヘテロ環が挙げられる。
R17とR20および/またはR19とR21が結合して形成する環としては、例えばピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、インドリン環等の窒素原子を少なくとも1個以上含む5〜7員のヘテロ環が挙げられる。
R16〜R21における各置換基は更に置換基を有してもよい。具体的には、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。
【0034】
R16〜R19において、好ましくは各々独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。
R20、R21において、好ましくは各々独立して炭素数1〜6のアルキル基であるか、またはヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、ハロゲン原子を置換基に有する炭素数2〜10のアルキル基である。より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であるか、またはヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン原子を置換基に有する炭素数2〜8のアルキル基である。
R20とR21が互いに結合して形成する環において、好ましくはピロリジン、ピペリジン、モルホリンである。
R17とR20および/またはR19とR21が結合して形成する環において、好まし
くはピロリジン、ピペリジン、モルホリンである。
【0035】
一般式(6)のp−フェニレンジアミン誘導体は、目的とする感熱転写記録用色素や光学的記録用色素の構造に応じて適宜選択することができる。p−フェニレンジアミン誘導体(6)は、市販されているものも使用できるし、一般的な方法で合成したものを使用してもよい。合成したp−フェニレンジアミン誘導体を使用する場合、反応後単離しても、また単離せずに溶液のまま用いることもできる。更に、p−フェニレンジアミン誘導体は塩酸塩や硫酸塩などの付加塩で使用することもできる。
p−フェニレンジアミン誘導体の使用量はカプラー1モルに対して通常1〜5モル、好ましくは1〜2モルである。
【0036】
本発明におけるアゾメチン色素またはインドアニリン色素は、下記一般式(1’)〜(3’) で表される構造を有する化合物であることが好ましく、具体的には後述する(A
−1)〜(C−17)の具体例で表される構造を有するものを挙げることができる。なお、式中R1〜R8、R16〜R21は前記と同義である。
【0037】
【化5】

【0038】
次に本発明の製造方法について述べる。
本発明は、塩基および酸化剤存在下、前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるカプラーと前記一般式(6)で表されるp−フェニレンジアミン誘導体とを反応して、アゾメチン色素またはインドアニリン色素を製造する方法において、前記一般式(4)または(5)で表されるグリコール類またはグリセリン類を1種類以上共存させて反応する製造方法である。
以下に、本発明の合成法の一例を示すが、本発明はこれに限定されない。
【0039】
【化6】

【0040】
本発明では、状況に応じて2つの方法で目的物を合成することが出来る。
1つは、塩基存在下、水にカプラーとp−フェニレンジアミン誘導体とを加えて溶解または懸濁し、次いで酸化剤水溶液を反応系内に滴下しながら所定温度で酸化縮合反応を行う方法である。この場合、グリコール類またはグリセリン類は反応溶媒として使用する。もう1つは、塩基存在下、水にカプラーを溶解または懸濁し、p−フェニレンジアミン誘導体の有機溶剤溶液と酸化剤水溶液とを、各々反応系内に(好ましくは同時に)滴下しながら所定温度で酸化縮合反応を行う方法である。この場合、グリコール類またはグリセリン類は反応溶媒として、またp−フェニレンジアミン誘導体の溶解溶剤として、更にはその両者で使用しても良い。いずれの場合でも、グリコール類またはグリセリン類は単独または2種類以上を混合して使用することができ、一般的な有機溶剤と混合して使用しても良い。
本発明は、グリコール類またはグリセリン類を反応系内に共存させることにより、水溶液で用いる酸化剤とカプラーとの接触が促進されて、従来の製法よりも効率良く反応が進行すると考えられる。そのため収率と純度が顕著に向上し、不純物が極めて少ない高純度品の製造を行うことが可能である。
グリコール類またはグリセリン類の使用量は可能な限り少ない方がコスト面で有利であるが、グリコール類やグリセリン類は水や一般溶剤と異なり沸点が比較的高いので、反応液から目的物の色素を濾別した後、その濾液から簡単な操作でグリコール類またはグリセリン類を蒸留回収し、繰り返し再利用することでコストを抑えることが可能である。
【0041】
次に本発明で使用するグリコール類またはグリセリン類について説明する。
本発明で使用するグリコール類またはグリセリン類は一般式(4)または(5)で表される化合物である。これらの中でグリコールエーテル類、グリコールエステル類またはグリセリンエステル類であることが好ましく、グリコールモノエーテル類、グリコールジエーテル類、グリコールエーテルエステル類、またはグリコールジエステル類であることがより好ましい。
【0042】
【化7】

【0043】
式中、R9、R10、R12、R13は各々独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、またはアリールカルボニル基を表す。R11、R14は各々独立して水素原子、またはアルキル基を表す。R15は水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基、またはアリールカルボニルオキシ基を表す。qは各々独立して1〜20000の整数である。
R9、R10、R12、R13、R15の少なくとも1つが炭素数4以上のアルキル基が置換したアルキルカルボニル基であるか、または炭素数4以上のアルケニルが置換したアルケニルカルボニル基である場合、これらは一般的に飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸と呼ばれる化合物群である。
【0044】
R9〜R14が表すアルキル基としては、直鎖または分岐の何れでもよく、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
R9、R10、R12、R13が表すアルケニル基としては、例えばビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、オクタデカジエニル、オクタデカトリエニル、ノナデセニル、イコセニル、イコサジエニル、イコサトリエニル、イコサテトラエニル、ヘキサジエニル、ドデカトリエニル等の炭素数2〜20の直鎖または分岐アルケニル基が挙げられる。
R9、R10、R12、R13が表すアリール基としては、例えばフェニル、ナフチル
等の5〜10員の単環式または二環式のアリール基が挙げられる。
【0045】
R9、R10、R12、R13が表すアルキルカルボニル基としては、例えばアセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニル、ヘプチルカルボニル、オクチルカルボニル、ノニルカルボニル、デシルカルボニル、ウンデシルカルボニル、ドデシルカルボニル、トリデシルカルボニル、テトラデシルカルボニル、ペンタデシルカルボニル、ヘキサデシルカルボニル、ヘプタデシルカルボニル、オクタデシルカルボニル、ノナデシルカルボニル、イコシルカルボニル等、炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキル基が置換したカルボニル基が挙げられる。
R9、R10、R12、R13が表すアルケニルカルボニル基としては、例えばビニルカルボニル、アリルカルボニル、プロペニルカルボニル、ブテニルカルボニル、ペンテニルカルボニル、ヘキセニルカルボニル、ヘプテニルカルボニル、オクテニルカルボニル、ノネニルカルボニル、デセニルカルボニル、ウンデセニルカルボニル、ドデセニルカルボニル、トリデセニルカルボニル、テトラデセニルカルボニル、ペンタデセニルカルボニル、ヘキサデセニルカルボニル、ヘプタデセニルカルボニル、オクタデセニルカルボニル、オクタデカジエニルカルボニル、オクタデカトリエニルカルボニル、ノナデセニルカルボニル、イコセニルカルボニル、イコサジエニルカルボニル、イコサトリエニルカルボニル、イコサテトラエニルカルボニル、ヘキサジエニルカルボニル、ドデカトリエニルカルボニル等の炭素数2〜20の直鎖または分岐アルケニル基が置換したカルボニル基が挙げられる。
R9、R10、R12、R13が表すアリールカルボニル基としては、例えばベンゾイル等の単環式アリール基が置換したカルボニル基が挙げられる。
【0046】
R15が表すアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ、オクタデシルオキシ、ノナデシルオキシ、イコシルオキシ等の炭素数1〜20の直鎖または分岐アルコキシ基が挙げられる。
R15が表すアルケニルオキシ基としては、例えばビニルオキシ、アリルオキシ、プロペニルオキシオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、ヘキセニルオキシ、ヘプテニルオキシ、オクテニルオキシ、ノネニルオキシ、デセニルオキシ、ウンデセニルオキシ、ドデセニルオキシ、トリデセニル、テトラデセニルオキシ、ペンタデセニルオキシ、ヘキサデセニルオキシ、ヘプタデセニルオキシ、オクタデセニルオキシオキシ、オクタデカジエニルオキシ、オクタデカトリエニルオキシ、ノナデセニルオキシ、イコセニルオキシ、イコサジエニルオキシ、イコサトリエニルオキシ、イコサテトラエニルオキシ、ヘキサジエニルオキシ、ドデカトリエニルオキシ等の炭素数2〜20の直鎖または分岐アルケニルオキシ基が挙げられる。
R15が表すアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ、ナフチルオキシ等の5〜10員の単環式または二環式のアリールオキシ基が挙げられる。
【0047】
R15が表すアルキルカルボニルオキシ基としては、例えばアセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、ペンチルカルボニルオキシ、ヘキシルカルボニルオキシ、ヘプチルカルボニルオキシ、オクチルカルボニルオキシ、ノニルカルボニルオキシ、デシルカルボニルオキシ、ウンデシルカルボニルオキシ、ドデシルカルボニルオキシ、トリデシルカルボニルオキシ、テトラデシルカルボニルオキシ、ペンタデシルカルボニルオキシ、ヘキサデシルカルボニルオキシ、ヘプタデシルカルボニルオキシ、オクタデシルカルボニルオキシ、ノナデシルカルボニルオキシ、イコシルカルボニルオキシ等、炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキル基が置換したカルボニルオキシ基が挙げられる。
R15が表すアルケニルカルボニルオキシ基としては、例えばビニルカルボニルオキシ、アリルカルボニルオキシ、プロペニルカルボニルオキシ、ブテニルカルボニルオキシ、ペンテニルカルボニルオキシ、ヘキセニルカルボニルオキシ、ヘプテニルカルボニルオキシ、オクテニルカルボニルオキシ、ノネニルカルボニルオキシ、デセニルカルボニルオキシ、ウンデセニルカルボニルオキシ、ドデセニルカルボニルオキシ、トリデセニルカルボニルオキシ、テトラデセニルカルボニルオキシ、ペンタデセニルカルボニルオキシ、ヘキサデセニルカルボニルオキシ、ヘプタデセニルカルボニルオキシ、オクタデセニルカルボニルオキシ、オクタデカジエニルカルボニルオキシ、オクタデカトリエニルカルボニルオキシ、ノナデセニルカルボニルオキシ、イコセニルカルボニルオキシ、イコサジエニルカルボニルオキシ、イコサトリエニルカルボニルオキシ、イコサテトラエニルカルボニルオキシ、ヘキサジエニルカルボニルオキシ、ドデカトリエニルカルボニルオキシ等の炭素数2〜20の直鎖または分岐アルケニル基が置換したカルボニルオキシ基が挙げられる。
R15が表すアリールカルボニルオキシ基としては、例えばベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ等の5〜10員の単環式またはニ環式アリール基が置換したカルボニルオキシ基が挙げられる。
R9〜R15の各置換基は更に置換基を有してもよく、更なる置換基としては、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基が挙げられる。
qは各々独立して1〜20000の整数である。好ましくは1〜1000、更に好ましくは1〜500の範囲である。
【0048】
一般式(4)におけるR11が水素原子であり、且つqが1の場合はエチレングリコール類、qが2の場合はジエチレングリコール類、qが3の場合はトリエチレングリコール類、qが4以上の場合はテトラエチレングリコール類、更にqが5以上の場合はポリエチレングリコール類を各々表す。これらのグリコール類は工業原料として容易に入手可能である。
以下に本発明で使用可能なエチレングリコール類を挙げる。
(I)無置換エチレングリコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等。
(II)エチレングリコールモノエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−メチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2、4−ヘキサジエンエーテル、エチレングリコールモノ−2、6、8−トリメチル−4−ノニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等のエチレングリコールモノエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等のジエチレングリコールモノエーテル類;トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル等のトリエチレングリコールモノエーテル類;テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル等のテトラエチレングリコールモノエーテル類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等のポリエチレングリコールモノエーテル類等。
(III)エチレングリコールジエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル等のエチレングリコールジエーテル類;ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールエチルビニルエーテル等のジエチレングリコールジエーテル類;トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル等のトリエチレングリコールジエーテル類;テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のテトラエチレングリコールジエーテル類;ポリエチレングリコールジメチルエーテル等のポリエチレングリコールジエーテル類等。
【0049】
(IV)エチレングリコールモノエステル類;エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノステアレート等のエチレングリコールモノエステル類;ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート等のポリエチレングリコールモノエステル類等。
(V)エチレングリコールエーテルエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジアクリレート等のエチレングリコールエーテルエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールエーテルエステル類等。
(VI)エチレングリコールジエステル類;エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジアクリレート等のエチレングリコールジエステル類;ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアクリレート等のジエチレングリコールジエステル類;トリエチレングリコールジアセテート等のトリエチレングリコールジエステル類;ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールジイソステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類等。
【0050】
一般式(4)におけるR11がメチル基であり、且つqが1の場合はプロピレングリコール類、qが2の場合はジプロピレングリコール類、qが3の場合はトリプロピレングリコール類、qが4の場合はテトラプロピレングリコール類、qが5以上の場合はポリプロピレングリコール類を各々表す。これらのグリコール類も工業原料として容易に入手可能である。
以下に本発明で使用可能なプロピレングリコール類を挙げる。
(VII)無置換プロピレングリコール類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等。
(VIII)プロピレングリコールモノエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノブトキシエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルブチルエーテル混合異性体等のプロピレングリコールモノエーテル類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のジプロピレングリコールモノエーテル類;トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−
n−ブチルエーテル等のトリプロピレングリコールモノエーテル類;ポリプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のポリプロピレングリコールモノエーテル類等。
(IX)プロピレングリコールジエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコールジエーテル類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のジプロピレングリコールジエーテル類等。
(X)プロピレングリコールモノエステル類;プロピレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノパルミテート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノオレート、プロピレングリコールモノベヘネート等。
(XI)プロピレングリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等。
【0051】
一般式(5)におけるR14がメチル基、R15が水素原子である化合物において、且つqが1の場合はブチレングリコール類、qが2の場合はジブチレングリコール類、qが3の場合はトリブチレングリコール類、qが4以上の場合はポリブチレングリコール類を
各々表す。これらの中では、ブチレングリコール類が工業原料用に容易に入手可能であり、主に使用されている。
以下に本発明で使用可能なブチレングリコール類を挙げる。
(XII)無置換ブチレングリコール類;ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等。
(XIII)ブチレングリコールモノエーテル類;ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等。
【0052】
一般式(5)におけるR14が水素原子であり、R15がヒドロキシ基または置換オキシ基である化合物において、qが1の場合はグリセリン類、qが2の場合はジグリセリン類、qが3の場合はトリグリセリン類、qが4以上の場合はポリグリセリン類を各々表す。これらのグリセリン類も工業原料として容易に入手可能である。
以下に本発明で使用可能なグリセリン類を挙げる。
(XIV)無置換グリセリン類;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン等。
(XV)グリセリンモノエステル類;グリセリンモノステアレート、グリセリンモノイソステアレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノウンデカネート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノラウレート等のグリセリンモノエステル類;ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノイソステアレート、ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンモノミリステート等のジグリセリンモノエステル類;ポリグリセリンモノイソステアレート、ポリグリセリンモノオレート等のポリグリセリンモノエステル類等。
(XVI)グリセリンジエステル類;グリセリンジステアレート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジベヘネート、グリセリンジオレート、グリセリンジカプリレート、グリセリンジラウレート等のグリセリンジエステル類;ポリグリセリンジイソステアレート、ポリグリセリンジオレート等のポリグリセリンジエステル類等。
(XVII)グリセリントリエステル類;グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノオレート、グリセリンジアセトモノステアレート等のグリセリントリエステル類;ジグリセリントリステアレート、ジグリセリントリイソステアレート等のジグリセリントリエステル類;ポリグリセリントリイソステアレート等のポリグリセリントリエステル類等。
(XVIII)グリセリンテトラエステル類;ポリグリセリンテトライソステアレート等。
【0053】
上述したグリコール類およびグリセリン類中、好ましくはグリコールモノエーテル類、グリコールジエーテル類、グリコールモノエステル類、グリコールジエステル類、グリコールエーテルエステル類、グリセリンジエステル類、グリセリントリエステル類である。より好ましくはエチレングリコールジエーテル類、エチレングリコールジエステル類、エチレングリコールエーテルエステル類、プロピレングリコールモノエーテル類、プロピレングリコールジエーテル類、プロピレングリコールエーテルエステル類、ジエチレングリコールジエーテル類、ジエチレングリコールジエステル類、ジエチレングリコールエーテルエステル類、ジプロピレングリコールモノエーテル類、ジプロピレングリコールジエーテル類である。
【0054】
その中でも特に好ましくは、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテートである。
【0055】
反応溶媒は、通常、水に一般式(4)または(5)で表されるグリコール類またはグリセリン類を加えた水溶液が用いられる。
反応溶媒に使用する水の量は特に制限されないが、通常カプラー100重量部に対し、2000重量部以下である。より好ましくは1〜1500重量部、更に好ましくは2〜1000重量部、特に好ましくは5〜800重量部である。2000重量部以下のより少ない量を使用することで生産性が向上し、低コストでアゾメチン色素またはインドアニリン色素を製造することができる。
グリコール類またはグリセリン類を水に添加して反応溶媒を調製する場合の使用量は、水100体積部に対し、通常0.1〜50体積部、好ましくは5〜40体積部である。
グリコール類またはグリセリン類をp−フェニレンジアミン誘導体の溶解溶剤として用いる場合は、その使用量はp−フェニレンジアミン類の溶解度に応じて任意に設定することができる。
【0056】
なお、グリコール類やグリセリン類を使用する際に、溶液の粘度やカプラーおよび生成色素の溶解度を調整するために、状況に応じてグリコール類またはグリセリン類以外の一般有機溶剤を混合して使用してもよい。その場合、一般有機溶剤は1種類でも、複数の有機溶剤からなる混合溶媒で使用してもよい。また、水溶性、非水溶性のいずれの一般有機溶剤でも用いることができ、混合溶媒の場合は一層系でも多層系でも構わない。
【0057】
本発明で用いる水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラメチルウレア、1,3−ジメチルイミダゾリノン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒が挙げられる。
本発明で用いる非水溶性有機溶媒としては、例えばメチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロナフタレン等の芳香族溶媒が挙げられる。
これらの一般的な有機溶剤と、グリコール類またはグリセリン類との混合比は、一般有機溶剤を反応溶媒に添加する場合は、反応系に添加するグリコール類やグリセリン類100体積部に対し、通常0.1〜50体積部、好ましくは0.3〜40体積部である。p−フェニレンジアミン誘導体の溶解溶剤として一般的な有機溶剤を使用する場合は、その使用量はp−フェニレンジアミン類の溶解度に応じて任意に設定することができる。
【0058】
本発明で使用する塩基は、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化アンモニウム等のアルカリ水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸化物;燐酸三リチウム、燐酸三ナトリウム、燐酸三カリウム、燐酸水素二リチウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸水素二カリウム等のアルカリ金属燐酸化物;アンモニア、アンモニア水などの無機塩基;第1級アミン(メチルアミン、エチルアミン等)、第2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピロリジン、ピペリジン等)、第3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等)等の有機塩基を用いることができる。
これらの中で好ましくは、アンモニア水、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の有機塩基である。
本発明における塩基の使用量は用いるカプラーによって異なるが、通常カプラー1モルに対し3〜20モルである。アンモニア水を用いる場合はアンモニア相当量で使用量を算出する。なお、p−フェニレンジアミン誘導体が硫酸塩や塩酸塩等の付加塩である場合、その付加塩を中和する分も考慮して塩基の使用量を決める必要がある。
【0059】
本発明で使用する酸化剤は、p−フェニレンジアミン誘導体を酸化するものであれば特に制限されない。例えば、過硫酸水素カリウム・硫酸水素カリウム・硫酸カリウム等よりなる複塩(OXONE);過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;フェリシアン酸カリウム、フェリシアン酸ナトリウム等のフェリシアン酸塩;次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩;硝酸銀等が挙げられる。これらの中で好ましくは過硫酸塩であり、中でも過硫酸アンモニウムが特に好ましい。なお、酸化剤は通常水溶液の状態で使用する。
本発明における酸化剤の使用量は用いるp−フェニレンジアミン誘導体によって異なるが、通常カプラー1モルに対し通常1〜10モルであり、好ましくは1〜4モルである。
【0060】
酸化剤は通常、水溶液に調製して系内に滴下することにより、反応が効率良く進行する。また、反応系内での全溶媒中の水分量は、可能な限り水の比率が高いほうが初期の反応速度がより速く、また製造コスト面からも好ましい。
【0061】
本発明では、反応溶媒、塩基、カプラー、p−フェニレンジアミン誘導体を仕込んだ後で酸化剤水溶液を滴下しながら反応を行うか、または反応溶媒、塩基、カプラーを仕込んだ後で、酸化剤水溶液の滴下とp−フェニレンジアミン誘導体の有機溶剤溶液の滴下とを同時に行いながら反応を行うか、いずれかの方法で行われるが、酸化剤滴下後の系内の反応溶媒全量(無機塩基の水分、p−フェニレンジアミン誘導体を溶解する有機溶剤を含む)に対する水分量は、好ましくは溶媒全体の39%(V/V)以上、より好ましくは溶媒
全体の50%(V/V)以上であり、更に好ましくは溶媒全体の55〜90%(V/V)の範囲である。
【0062】
本発明での酸化縮合反応温度は60℃以下であり、好ましくは5〜40℃である。反応時間は5分〜2時間が好ましい。反応は大気圧下で行うことができ、例えば0.5〜2気圧の空気中で行うことも出来る。
反応終了後は析出した色素を濾別するか、反応液に水または貧溶媒を加え、析出した目的物を濾別する。また、状況に応じて抽出工程、晶析工程を導入しても良い。
更に、目的物は必要に応じて水や酢酸エチル、トルエン、アルコール、ヘキサン等を用いた洗浄や再結晶、シリカゲルを用いたカラム精製、または減圧蒸留等により精製する。これらの精製方法を単独又は2つ以上組み合わせて行うことにより、目的物を更に高純度で得ることが可能である。
【0063】
上述の本発明の合成法によって、アゾメチン色素またはインドアニリン色素を合成することができる。以下にアゾメチン色素およびインドアニリン色素の具体例を示すが、下記の例に限定されるものではない。なお、具体例中、波線は結合手を表し、例えば化合物C−17は以下の構造である。
【0064】
【化8】

【0065】
【化9】

【0066】
【化10】

【0067】
【化11】

【実施例】
【0068】
本発明の方法を実施例によって以下に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。純度の評価は高速液体クロマトグラフィー(HPLCと略記する)により
行った。なお、アゾメチン色素(A)、(B)のHPLC純度は以下の条件で評価した。カラム:CAPCELL−PACK C8 DD、検出UV:254nm、流量1.0ml/min、溶離液:メタノール/水=85/15、緩衝剤:トリエチルアミン0.1%および酢酸0.1%。インドアニリン色素(C)のHPLC純度は以下の条件で評価した。カラム:YMC−PACK A−312、検出UV:254nm、流量1.0ml/min、溶離液:メタノール/水=90/10 緩衝剤:トリエチルアミン0.2%および酢酸0.2%。
【0069】
実施例1 色素A−1の合成
水50ml、ジエチレングリコールジメチルエーテル10mlに、5−アセチルアミノ−2−クロロ−N−(1−クロロ−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−1−ブテニル)−ベンズアミド13.8g(40.0mmol)、N,N−ジエチル−ベンゼン−1,4−ジアミン塩酸塩6.9g(48.0mmol)を加え、氷浴で冷却しながらトリエチルアミン16.2g(160.0mmol)を滴下した。内温を15〜25℃に冷却し、これにフェリシアン酸カリウム26.3g(80.0mmol)を水40mlに溶解した水溶液を3時間かけて滴下した。内温25〜30℃で30分攪拌し、反応終了後析出した結晶を濾別した。得られた結晶を水とイソプロピルアルコールで各々洗浄して乾燥し、目的物18.4g(粗収率97.5%)を得た。粗結晶のHPLC純度は98.6%であった。
【0070】
実施例2〜25
実施例1において、ジエチレングリコールジメチルエーテルを表1に示すグリコール類
およびグリセリン類に変更した以外は、実施例1と同様の条件で行った。
【0071】
比較例1〜8
実施例1において、ジエチレングリコールジメチルエーテル無添加、およびジエチレングリコールジメチルエーテルを他の一般有機溶剤に変更した以外は、実施例1と同様の条件で行った。実施例1〜25、比較例1〜8の結果を表1に示す。
【0072】
【表1】

【0073】
実施例26〜29
実施例1において、カプラーを溶解するのに用いた水およびジエチレングリコールジメチルエーテルの量、更に酸化剤水溶液調製時の水の量を変更し、全反応溶媒に対する水の含有率を表2に記載の数値に変更した以外は、実施例1と同様の条件で行った。実施例1、26〜29の結果を表2に示す。
【0074】
【表2】

【0075】
実施例30 色素A−3の合成
カプラーにN−[1−クロロ−2−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)−ビニ
ル]−4−ジブチルスルファモイル−ベンズアミド19.8g(40.0mmol)、p
−フェニレンジアミン誘導体にN,N−ジブチル−2−メチル−ベンゼン−1,4−ジアミン塩酸塩13.0g(48.0mmol)を用い、その他の使用原料と使用量、および条件を実施例1と同様に行って、目的物27.1g(粗収率98.2%)を得た。粗結晶のHPLC純度は99.1%であった。
【0076】
実施例31〜54
実施例30のジエチレングリコールジメチルエーテルを表2に示すグリコール類およびグリセリン類に変更した以外は、実施例30と同様の条件で行った。
【0077】
比較例9〜16
実施例30において、ジエチレングリコールジメチルエーテル無添加、およびジエチレングリコールジメチルエーテルを他の一般有機溶剤に変更した以外は、実施例30と同様の条件で行った。実施例30〜54、比較例9〜16の結果を表3に示す。
【0078】
【表3】

【0079】
実施例55 色素A−6の合成
カプラーに2−クロロ−3−ヒドロキシ−3−チオフェン−2−イル−アクリロニトリル7.4g(40.0mmol)、p−フェニレンジアミン誘導体に4−ピペリジン−1−イル−フェニルアミン塩酸塩10.2g(48.0mmol)を用い、その他の使用原料と使用量、および条件を実施例1と同様に行って、目的物12.7g(粗収率98.5%)を得た。粗結晶のHPLC純度は99.3%であった。
【0080】
実施例56〜79
実施例55において、ジエチレングリコールジメチルエーテルを表3に示すグリコール類およびグリセリン類に変更した以外は、実施例55と同様の条件で行った。
【0081】
比較例17〜24
実施例55において、ジエチレングリコールジメチルエーテル無添加、およびジエチレングリコールジメチルエーテルを他の一般有機溶剤に変更した以外は、実施例55と同様の条件で行った。実施例55〜79、比較例17〜24の結果を表4に示す。
【0082】
【表4】

【0083】
実施例80 色素B−1の合成
水60mlに炭酸ナトリウム12.7g(120.0mmol)を加え、更にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10mlと4−クロロ−5−エチル−2−フェニル−2H−ピラゾール−3−オール8.9g(40.0mmol)を加えた。内温を15〜25℃に冷却し、そこにN,N−ジエチル−ベンゼン−1,4−ジアミン9.3g(56.8mmol)をアセトン60mlに溶解した溶液と、過硫酸カリウム21.6g(80.0mmol)を水50mlに溶解した水溶液を各々3時間で滴下した。内温25
〜30℃で30分攪拌し、析出した結晶を濾別した。得られた結晶を水とメタノールで各々洗浄して乾燥し、目的物13.6g(粗収率97.6%)を得た。粗結晶のHPLC純度は99.0%であった。
【0084】
実施例81〜102
実施例80のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを表4に示すグリコール類およびグリセリン類に変更した以外は、実施例80と同様の条件で行った。
【0085】
比較例25〜32
実施例80において、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート無添加、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを他の一般有機溶剤に変更した以外は、実施例80と同様の条件で行った。実施例80〜102、比較例25〜32の結果を表5に示す。
【0086】
【表5】

【0087】
実施例103〜106
実施例80において、カプラーを溶解するのに用いた水およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの量、更に酸化剤水溶液調製時の水の量を変更し、全反応溶媒中の水含有率を表6に記載の数値に変更した以外は、実施例80と同様の条件で行った。実施例80、103〜106の結果を表6に示す。
【0088】
【表6】

【0089】
実施例107 色素B−5の合成
カプラーに4−クロロ−5−ヒドロキシ−1−ピリジン−2−イル−1H−ピラゾール−3−N−メチルアミド10.1g(40.0mmol)、p−フェニレンジアミン誘導体に2−[(4−アミノフェニル)−メチル−アミノ]エタノール塩酸塩9.7g(48.0mmol)を用い、その他の使用原料と使用量、および条件を実施例80と同様に行って、目的物15.1g(粗収率99.0%)を得た。粗結晶のHPLC純度は99.1%であった。
【0090】
実施例108〜129
実施例107のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを表5に示すグリコール類およびグリセリン類に変更した以外は、実施例107と同様の条件で行った。
【0091】
比較例33〜40
実施例107において、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート無添加、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを他の一般有機溶剤に変更した以外は、実施例107と同様の条件で行った。実施例107〜129、比較例33〜40の結果を表7に示す。
【0092】
【表7】

【0093】
実施例130 色素B−9の合成
カプラーにフラン−2−カルボン酸(4−クロロ−5−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−アミド10.8g(40.0mmol)、p−フェニレンジアミン誘導体に2−[(4−アミノ−3−メチルフェニル)−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール塩酸塩11.8g(48.0mmol)を用い、その他の使用原料と使用量、および条件を実施例80と同様に行って、目的物17.4g(粗収率98.4%)を得た。粗結晶のHPLC純度は99.3%であった。
【0094】
実施例131〜152
実施例130のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを表6に示すグリコール類およびグリセリン類に変更した以外は、実施例130と同様の条件で行った。
【0095】
比較例41〜48
実施例130において、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート無添加、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを他の一般有機溶剤に変更した以外は、実施例130と同様の条件で行った。実施例130〜152、比較例41〜48の結果を表8に示す。
【0096】
【表8】

【0097】
実施例153 色素C−1の合成
水70mlに28(W/W)%アンモニア水43.2g(706.6mmol)を滴下
し、更にN−(3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−4−メチル−フェニル)アセトアミド9.4g(40.0mmol)を加えた。内温を15〜25℃に冷却し、そこにN,N−ジエチル−ベンゼン−1,4−ジアミン7.9g(48.0mmol)をエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート70mlに溶解した溶液と過硫酸アンモニウム18.3g(80.0mmol)を水70mlに溶解した水溶液を各々3時間かけて滴
下した。内温25〜30℃で60分攪拌し、析出した結晶を濾別した。得られた結晶を水とメタノールで各々洗浄して乾燥し、目的物14.1g(粗収率98.2%)を得た。粗結晶のHPLC純度は99.3%であった。
【0098】
実施例154〜177
実施例153のエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテートを表7に示すグリコール類およびグリセリン類に変更した以外は、実施例153と同様の条件で行った。
【0099】
比較例49〜55
実施例153において、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート無添加、およびエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテートを他の一般有機溶剤に変更した以外は、実施例153と同様の条件で行った。実施例153〜177、比較例49〜55の結果を表9に示す。
【0100】
【表9】

【0101】
実施例178〜181
実施例153において、カプラーを溶解するのに用いた水およびエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテートの量、更に酸化剤水溶液調製時の水の量を変更し、全反応溶媒中の水含有率を表10に記載の数値に変更した以外は実施例153と同様の条件で行った。実施例153、178〜181の結果を表10に示す。
【0102】
【表10】

【0103】
実施例182 色素C−13の合成
カプラーにN−(3,5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒドロキシ−フェニル)−ベンズアミド12.4g(40.0mmol)、p−フェニレンジアミン誘導体にN,N−ジプロピル−ベンゼン−1,4−ジアミン9.2g(48.0mmol)を用い、その他の使用原料と使用量、および条件を実施例153と同様に行って、目的物18.5g(粗収率99.5%)を得た。粗結晶のHPLC純度は99.2%であった。
【0104】
実施例183〜206
実施例182のエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテートを表11に示すグリコール類およびグリセリン類に変更した以外は、実施例182と同様の条件で行った。
【0105】
比較例56〜62
実施例182において、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート無添加、およびエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテートを他の一般有機溶剤に変更した以外は、実施例182と同様の条件で行った。実施例182〜206、比較例56〜62の結果を表11に示す。
【0106】
【表11】

【0107】
実施例207 色素C−17の合成
カプラーにN−(4−クロロ−1−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−アセトアミド9.4g(40.0mmol)、p−フェニレンジアミン誘導体に2−メトキシ−N,N−ジプロピル−ベンゼン−1,4−ジアミン10.7g(48.0mmol)を用い、その他の使用原料と使用量、および条件を実施例153と同様に行って、目的物16.0g(粗収率99.3%)を得た。粗結晶のHPLC純度は98.6%であった。
実施例208〜231
実施例207のエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテートを表12に示すグリコール類およびグリセリン類に変更した以外は、実施例207と同様の条件で行った。
【0108】
比較例63〜69
実施例207において、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート無添加、およびエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテートを他の一般有機溶剤に変更した以外は、実施例207と同様の条件で行った。実施例207〜231、比較例63〜69の結果を表12に示す。
【0109】
【表12】

【0110】
実施例232 色素C−12の合成
グリセリン20mlをアセトン8mlで希釈した溶液を水70mlに加え、次にトリエチルアミン16.2g(160.0mmol)、N−(3,5−ジクロロ−2−ヒドロキシ−4−エチル−フェニル)アセトアミド9.9g(40.0mmol)を添加した。内温を15〜25℃に冷却しながら、N,N−ジ(n−プロピル)−ベンゼン−1,4−ジアミン9.2g(48.0mmol)をアセトン70mlに溶解した溶液と、過硫酸アンモニウム18.3g(80.0mmol)を水70mlに溶解した水溶液を各々3時間かけて同時に滴下した。内温25〜30℃で60分攪拌し、析出した結晶を濾別した。得られた結晶を水とメタノールで各々洗浄して乾燥し、目的物16.0g(粗収率99.5%)を得た。粗結晶のHPLC純度は99.2%であった。
【0111】
実施例1〜232および比較例1〜69の結果より、反応溶媒を水単独、一般有機溶媒単独、または水とアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、酢酸エステル系溶媒、アミド系溶媒等の一般有機溶媒との混合溶媒で反応を行う従来の方法に比べ、グリコール類またはグリセリン類を用いる本発明の製造方法は、目的物のアゾメチン色素またはインドアニリン色素を高収率且つ高純度で合成することができ、工業的製造方法として極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基および酸化剤存在下、水単独または水と有機溶剤との混合溶媒中で、一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物とp−フェニレンジアミン誘導体とを酸化縮合するアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造方法において、一般式(4)または(5)で表されるグリコール類またはグリセリン類から選択される少なくとも一種の化合物の共存下で反応することを特徴とするアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造方法。
【化12】

式中、R1はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環残基を表す。R2はカルバモイル基、またはシアノ基を表す。R3はアルキル基、アリール基、カルバモイル基、スルファモイル基、アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、ヘテロ環カルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、またはヘテロ環残基を表す。R4はアルキル基、アリール基、またはヘテロ環残基を表す。R5〜R8は各々独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、またはハロゲン原子を表す。R5とR6、R7とR8が結合して炭素数5〜8の部分飽和環または芳香環を形成してもよい。但し、一般式(3)においてR5〜R8はヘテロ環残基を含有しない。Qは水素原子または脱離基を表す。
【化13】

式中、R9、R10、R12、R13は各々独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、またはアリールカルボニル基を表す。R11、R14は各々独立して水素原子、またはアルキル基を表す。R15は水素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基、またはアリールカルボニルオキシ基を表す。qは各々独立して1〜20000の整数である。
【請求項2】
前記一般式(4)または(5)で表されるグリコール類またはグリセリン類が、グリコールモノエーテル類、グリコールジエーテル類、グリコールエーテルエステル類、またはグリコールジエステル類である請求項1に記載のアゾメチン色素またはインドアニリン色素の製造方法。

【公開番号】特開2011−12231(P2011−12231A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159927(P2009−159927)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000175607)富士フイルムファインケミカルズ株式会社 (34)
【Fターム(参考)】